私が「魔王」にはまった理由~ブロマガ記者レビュー~
私はよほどの理由がない限り、あまりドラマを見ません。ドラマに対する評価も厳しく、信頼している脚本家も偏愛する俳優もいません。多額の制作費が投じられ、豪華なキャストが登場しても、題材に魅力がなければ見ないので、最終回まで見続けたドラマは数えるほどです。
「魔王」はサイコメトラーという独特の素材と、サスペンスという珍しいジャンルであることに興味を持ち、第1話を見たのですが、めまいがするほどの感覚的な画面と、破片のように散らばった事件の手がかりが、ドラマの緊張感を高めていました。つまり、第1話を見たら、次の回を見逃すことはできないほどの吸引力があったのです。それは、韓国が誇るメロドラマや時代劇からは感じられない、久しぶりの新鮮な感覚でした。
すでに演技派として評価されているオム・テウンの安定した演技と、恐るべき新人、チュ・ジフンの熱演がドラマに厚みを持たせ、ドラマの鍵を握る脇役陣のいぶし銀の演技も秀逸でした。毎回最後に新たな事件を予告する構成力も見事でした。「あれ、この人も死ぬの?」といった予想もつかない展開に戸惑いながらも、ありきたりでない発想に、思わず快哉を叫ぶこともありました。
「魔王」には善が無条件で正しいという強迫観念もなく、人間なら誰にでも共存する善と悪をリアルに描き出しています。悪を行わざるを得ない理由、善を装った悪。一度は深く考えなければならない問題を、私に投げかけてきました。
一瞬でも見逃せばドラマの流れについて行けなくなるほど、パズルをはめ込んでいくかのように展開する「魔王」は、ありきたりのラストに飽きた視聴者に、これまでにない面白さを味わわせてくれるはずです。歯車がかみ合い、回りだすような最終回に向けての展開は、娯楽性はもちろん、切ないラブストーリーやメッセージも絡み、いろんな面で満足感を与えてくれます。
「魔王」の一ファンとして、日本でリメイクされたドラマが好評だという嬉しいニュースを聞きました。日本版「魔王」を楽しんでいる方なら、韓国版「魔王」をより楽しめるはずです。もちろん、まだ見たことのない方々にも、韓国ドラマの新たな魅力を見せてくれる「魔王」をぜひおススメしたいです!
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パク・ウィリョン(ブロコリマガジン from seoul)
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