2007/10/17 20:59
テーマ:レター 僕を忘れないで カテゴリ:レビュー・感想(映画)

タイ映画『レター 僕を忘れないで』


 ここ数年、泣ける映画には出会ってこなかった。いや、わざわざ観ないようにしていたのだと思う。この映画を観た時、忘れられてそのままになってた地雷が急に爆発するかのように、泣いた。泣きまくった(今、改めて思い出してもそんな自分の姿にゾッとする)。

  映画というものの定義をここで問うつもりもなく、見方は人それぞれだと思うが、映画は「感じるもの」だと思って観たい。音楽がココロに染みるように、映画もココロに染みるものでありたい。私はアジア映画を観ると妙に感情移入するクセがある(私もアジア人だから?)。案の定、今回もそうだった。タイ映画は数えるほどしか見てこなかったが、この映画はとても美しくセンチメンタルになる秋にぴったりの1本だった。音楽もすごく素敵で、サントラが欲しいぞ!と思ったりもする。そしてまた、二人の会話がタイ語という言語によってよりほほえましく愛らしく思えるところも素敵だ。

 

「これからずっと先のことかもしれないけど、僕たちはまた必ず出会う」

 

 輪廻転生の考えが根深いタイならではの言い回しなのかもしれないが、自然に「そう!そうだよ!また必ず出会うよ!」とか心の中で思ったりした。完全に映画に入り込む24歳・独身(笑)。不思議と、自然に運命とか縁とかいうものを感じられる映画だった。ディウとトンの愛からそれを感じると言ったほうがいいのかもしれない。タイという土地は、人々がとても温かかったこと、笑顔が素敵だったことを思い出す。「仏像はその土地の顔をしている」と一般的に言われるが、タイの仏像は確かに笑っていた。それも、とても素敵な笑顔で。色々な仏像を見てきたが、あの時の感情は今も鮮明に覚えている。ものすごく笑顔で、でもどこか寂しそうで。見ているこっちがなぜかセンチメンタルになってしまう。映画の中のトンを見ていると、アユタヤ王朝がビルマに破れ、そのまま残されたその仏像を思い出す。素敵な微笑とその微笑に秘めた寂しげな姿、そして何かを見守り続ける温かく強い眼差し。映画の感想から多少ズレてしまったが、久々に映画を観て感傷に浸り、その日の夜はベタにインスタントのトム・ヤム・クンを食べた。そのトム・ヤム・クンの辛いったらない。私もインスタントではなく、美味しいトム・ヤム・クンが食べたい。トンのように料理をしてくれる人を見つけなくては・・・。

 

ブロコリレビュアーT子

 

 

『レター 僕を忘れないで』

あらすじ

首都バンコクでプログラマーとして働くキャリアウーマンのディウは、祖母の妹の葬儀で訪れたチェンマイで、地元の農業試験場に勤める青年トンと出会う。ふたりの遠距離恋愛が始まる。ディウは、ルームメートの親友の死をきっかけに、チェンマイへ移り住み、やがてトンと結婚する。トンの献身的な愛に包まれた温かい生活はしばらく続くが、突然、ふたりにあまりにも切ない試練が降り注ぐ。トンは、不治の病に冒されていた……。

 

 

『レター 僕を忘れないで』公式サイト

http://www.letter-movie.jp/



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