2008/03/12 02:10
テーマ:休日 カテゴリ:生活・日常(その他)

マーラーと女子高生

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人間生きていれば、誰しも遠い記憶に焼き付いて離れない原風景のようなものがあるかと思います。

 

早春の麗らかな陽気に恵まれた先週土曜、とある用事で何年振りかに祖父母の家に車で向かいました。
埼玉の田畑地帯をひたすら北上していく道すがら、『BYJ Classics / The Scenes - Art CD』にも収められている「マーラー:交響曲第5番嬰ハ短調より 第4楽章」がたまたま手持ちのipodから流れてきました。

 

そしてそのタイミングを見計らったかのように、遠くの畑のど真ん中をまだあどけなさ残る女子高生が独り、自転車をこいでいるのが見えました。向かい風に逆らいながらも強く、そして健気に。
畑のど真ん中を突っ切るコースが目的地への近道なのでしょうか・・・。

 

すると突然、何とも言いようのない郷愁の念に駆られ、ボロボロと涙が溢れてきたのです。
恐ろしいくらい自然に何の予兆もなく、感動してしまったのです。


関東平野の見渡す限り畑以外何もないその場所で、胸に強烈に迫ってくる感情を抑えられずにいました。
それから、車内に流れるマーラーを聴きつつも、『ベニスに死す』を背伸びして観た高校生のときの自分と畑のど真ん中の女子高生とがなぜかシンクロしてしまって、その光景が一枚の美しい絵画のように甦ってきたのです。

 

このワンシーンを映像にしたら、何と寂しくて美しいカットだろうなぁと独り咽び泣きながら、祖父母の家へと向かったのでした。

 

 

おしまい。


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