『ホテリアー』の中のシン・ドンヒョク
何日か前の夜。
ただなんとなく・・・要するに暇だったからですが。
PCの前に座り、「ぺ・ヨンジュン」で、検索をしたら。
素敵な文章に出会うことができました。
ある方がご自身のブログに数年前にUPされた文章です。
少々、長めの文章ですので、お時間のある方はどうぞ。
『ホテリアー』の主演はBYJではなくて、キム・スンウさんです。
オープニングで名前が出てくるのが一番最初ですから。
そして、『ホテリアー』は、思わぬアクシデントでホテルを追われた生粋のホテルマンであるハン・テジュンが、どん底まで落ちぶれて、それでも這い上がり、愛するホテルのために身を粉にして働き、英知を絞り、その危機を救い、再生させるまでの過程を描いたドラマです。
その本来の骨太なストーリーに、しっかりと絡んでアクセントを付けるのが、美人で明るくて、ホテルをとっても愛しているけど、おっちょこちょいなジニョン、そして、テジュンと仕事の上でも恋の上でも鋭い対立構造をなすシン・ドンヒョクの存在、であるはずでした。
ホテルの危機と再生を描くのがメイン・ストリームであるならば、このドラマはあくまでもハン・テジュンを中心に描かれなくてはならなかったと思います。
しかし、『ホテリアー』はそうではありませんでした。
テジュンによるメイン・ストリームの他に、もう一つ、いつの間にやらそれに負けないくらい大きなストリームが自然発生してしまいました。
第一話にはほとんど出て来もしないシン・ドンヒョクによって。
スンウさんのテジュンは徹頭徹尾私の期待を裏切ることがありませんでした。
誰よりもホテルを愛していて、ひとへの温かい思いやりに満ちていて、リーダー・シップもあり、骨の髄までホテルマン。
でも、仕事に夢中になるあまり、恋に関しては無骨。
ところが、BYJのドンヒョクはどうでしょう?
私は彼によってとても混乱させられました。
冷徹で切れ者で洗練されていて大金持ちの美貌の青年。
世の中の全てのことを欲しいままに手にしているように見える。
ところが、彼は幼い頃生き別れた父親に再会して大泣き。
ジニョンが自分のことを分かってくれないと言いながら涙ぐみ、彼女にどう言葉を伝えたらよいのか分からずに黙り込んだと思ったら、挙句に感情を暴発させて監禁。
ようやく再会できた妹にもどう接してよいか分からずに、黙ったまま立ち尽くしてしまう。
他の俳優さんがドンヒョクをやったなら、ハン・テジュンが主役であるドラマとしてのエピソードの軽重を最優先し、あくまでもその洗練された魅力を前面に出しつつ、養子という辛い過去はその華やかな美貌にちょっとした影をつけるスパイス程度の重さでしか語られないというパターンもあったかも?と思うのです。
『ホテリアー』は、分かりやすい「生粋のホテリアーであるテジュンの奮闘物語」と、「傷ついた男の子みたいなカリスマ・レイダースが、自分の本当の心を優しく愛撫してくれる真のパートナーを求めて恋焦がれる物語」とが拮抗しながら並存するドラマに変わってしまいました。
準主役の物語が主役を喰ってしまうくらいの圧倒的な存在感と輝きを放っています。
私には、BYJのドンヒョクの後ろに、幼いドンヒョクが一人ぼっちで歩んできたであろうあまりにも辛い20数年がはっきりと見えます。
BYJはそんなふうに、キャラクターを解釈し、理解し、一人の生身の人間であるかのように創り上げることができる稀有な俳優です。
しかも、彼の創り上げたキャラクターは、一見どんなに嫌な奴に見えたとしても、その透明で純粋な本質を愛さずにはいられないという、演技上手と言われる俳優が計算して演じたとしても決して創り出せない“特別な何か”を確かに持っているのです・・・・。
あなたは、器用な俳優でも、瞬発力のある俳優でも、勘の良い俳優でもないかもしれない。
でもね。他の誰が望んでも得られない特別な何かを、私を、そして、アジア中、ううん、世界中に散らばっている数え切れないくらいの人たちを、捕らえて離さない何かを、あなたは持っています。
それはもちろん、あなたのこの上なく美しい外見だけがもたらすものではありません。
そして、それは、世間が“演技力”とひとくくりにしてレッテルを貼っている能力を持っていたとしても、得られるとは限らないものなのです。
あなたはそんなかけがえのない宝物を持っていることを忘れないで・・・。
そして、私がいつもあなたを愛していることを、忘れないで・・・・。
この文章を読んで、また、「ホテリアー」を1話からゆっくり楽しみたくなりました。
同時に、「俳優・ぺ・ヨンジュン」を、早く見たくなりました。
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