「朝月夜」(アサヅクヨ)№22・・・こちらは戯言創作の部屋
【注】朝から妄想炸裂してます。「私」をご自分に置き換えて読んでくださる方だけ、お進みください。
「四月の雪」のインスのイメージを壊したくない方は、ここで引き返してくださいね。
数時間前、ベッドの上で、インスにすべてをさらけ出したはずなのに、今、感じているこの羞恥心は何なんだろう。
きっと、さっき、見てしまったインスの・・・均整のとれた体のせいだわ・・・と、私は思った。
この期に及んで、日頃からダイエットと言うものに無頓着であったことを後悔した。
インスの視線を感じながら、私は、無駄な抵抗と思いながらも、必死に、タオルで胸と腹部を隠した。
それなのに、私の意に反してタオルは薄絹の様に湯の中をひらひらと舞い、かろうじて、ふたつの乳房を覆ってくれるだけだった。
インスは、そんな私の思いはお構いなしに左腕を私のウエストあたりに回すと、湯の中で私をさらにきつく抱き寄せた。
インスの胸の筋肉のたくましさが、タオル一枚を隔てて確実に伝わってきた。
ほんの数センチの距離のところに感じるインスの視線を避けるため、私は思わず目を閉じてしまった。
それをOKのサインと見て取ったのか、インスは、右手の親指と人差し指で私の顎を持ち上げて、唇を重ねてきた。
本来なら、ここでそっと目を閉じるべきなのだろうが、私はまるで水中でおぼれかけた子供のような息苦しさを感じて、目を開けてしまった。
インスの長い睫が目の前にあって、私は慌てて目を閉じた。
結んだ私の唇を器用にこじ開けて侵入してくるインスの舌と、押し返そうとする私の舌が絡み合った。
後ずさりしようにも、背中は硬い浴槽の壁に阻まれて数ミリたりとも動けない。
無口で、物静かなインスのどこにこんな強引さが潜んでいたのだろうと私は思った。
腰に回された左腕の力は緩むことなく、インスの舌は私のなかで動き回り、たった一つの砦であったタオルは、インスの手によって湯の中に沈んだ。
露になった乳房はインスの大きな手に捕まり、私の両手だけがあてもなく揺れていた。
インスは、硬く閉じた私のひざを割ると、そのままの体勢で私を引き寄せた。
浮力を借りた私の体は簡単にインスの上に移動し、その瞬間、太ももに固いものを感じた。
それが何であるか、気付いた私に「ユキが魅力的だから・・・」と、インスは言った。
さらにインスは、私の腕を掴むと、「ユキの手で確かめて・・・」と言って、その場所に私の手を導いた。
確かめて・・・と言われたってできることではないが、強く掴まれた腕を払いのけることは、もっと不可能だった。
「ここでしたい・・・」
インスが私の耳元で囁いた。
こんな時、なんと答えたらいいのだろう。
迷った挙句、私の口から出た言葉は「熱い・・・」だった。
胸元まで、湯に浸かっているだけで熱いのに、インスの腕の中にいることが、さらに私の体温を上昇させているようだ。
一刻も早くここから脱出して、涼しいところに逃げたいと思っていた。
私は、インスの二の腕を掴むと、「もう、我慢できない・・・」と言いながら、密着した体を引き離そうと試みた。
インスは、不意に私の両脇に手を添えると、すっと私を立ち上がらせ、くるりと向きを変えた。
湯から出た上半身が、冷気に晒され心地よい・・・。
と、思った瞬間、私の腰は両側からインスに抱えられ、声を上げる間もなく、インスが私の中に入ってきた。
我慢できない・・・と言ったのは、そういう意味じゃないのに・・・否定の言葉は、吐息に変わってしまった。
インスの両手は私の腰から胸に移り、逃れようもないほど強く掴まれた。
インスが動くたびに熱い湯が音を立てて飛び散った。
背中を這うインスの唇と熱い吐息。
私の口からも思わず声が漏れた。
「ベッド以外の場所でするのは初めて?」
インスに問いかけられても言葉が出ない。
私は無言で何度も頷いた。
立ち上る湯煙と激しく突き上げるインスの動きに翻弄されて、もうダメ・・・と思った時、インスの動きが止まった。
「続きは、部屋に戻ってから・・・」
インスは私の肩先にそっと唇を寄せると、静かに離れて行った。
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