2009/11/14 15:15
テーマ:創作の部屋 カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

創作の部屋~朝月夜~<48話>【再びR】

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☆「注意事項」は、前回と同様です。ご注意くださいませ・・・。






「どう、順調?」

照明機材を車に積んでいると、同僚に声をかけられた。

「えっ・・・?」

「ソウルの町を楽しそうに歩いてた?」

「見たのか?」

「オレじゃないけどね」


「そうか・・・」

「若い子だって?結婚するのか?」

「いや・・・まだそこまでは」

「もたもたしてると、また、逃げられるぞ」

同僚は、「また・・・は、余計だったな」と言いながら、僕の肩を叩いて、スタッフの輪の中に入って行った。


楽しそうに・・・か。

確かに、マリと一緒にいると元気になれた。

若いだけに、会話も豊富で、日々新しい話題を提供してくれる。


「今日、嫌なことがあっても、明日はいいことがあるかも、と思ったら、頑張れるじゃない」

仕事がうまくいかなかった日も、マリの明るさに助けられた。

肌を合わせることで、萎えていた気力を取り戻せたと思えた夜もあった。

そんなマリと暮らし始めて、3月が経っていた。


                 
 
                  

互いの部屋を行き来するようになって、遅くなったら泊まる、という状態が続いていた。

「一緒に暮らさない?」

提案したのは、マリだった。


「コンビニって、給料安いの。今住んでるアパート、古いけど結構、家賃高いし・・・」

「ソウルにおばあちゃんがいるって言ってたろう?」

「おばあちゃんちに行けって言うの?会えなくなるよ、私と」

「なぜ?」

「門限があるもん」


マリは一緒に暮らした方が何かと便利だと、大して理由にもならないようなことを散々しゃべり続けた。

僕が「うん」と言わないものだから、最後には「インスといつも一緒にいたいの」と、しおらしいことを言った。

僕は、いかにも君の事情を考慮して仕方なく・・・と、言うそぶりを見せながら承諾の返事をした。


しかし、本当は、マリの甘い言葉にほだされたのでもなく、マリに同情したのでもなかった。

僕が、マリを手放したくなかった。

いつも、目の届くところに置いておきたいと思い始めていたのだった。


                
 


「ねえ、今日、時間ある?」

朝食を食べながら、マリが聞いた。

「いつもどおりに仕事だけど」

「ちょっとだけ、私に付き合ってくれる?」


「なに?」

「う・・・ん、ちょっと」

「だから、なに?」

「うん・・・。パパとママが来るの」

「どこに?」

「ソウル」


「それで・・・?」

「一緒に行ってくれないかなあ・・・なんて」

「行ってどうする?」

「パパとママを安心させたいの」


「男と暮らしてるって聞いて、安心するか?」

「安心するわよ。相手がインスだから」

「どういう意味?」

「深く追求するならいい。もう頼まない」

マリはそれっきり黙ってしまった。


朝食を食べ終えた僕は、「時間と場所は?」と、聞いてみた。

「行ってくれるの!」

不機嫌な顔が、たちまち輝いた。


「何とかする」

「Pホテル、3時」

「そう言うことは、夕べのうちに言えよ」


ホテルの名前を聞いて、この格好ではまずいと僕は思った。

Pホテルは、国内でもトップクラスの格式あるホテルだ。

ジャンパーにジーンズで、入れるような雰囲気ではない。


僕は、クローゼットを開けて、スーツに着替えた。

「スーツ姿はじめて見た・・・すてき」

マリの視線を逃れるように、僕は、「遅れるなよ」と言い残し、部屋を出た。


                
 


約束の時間より、早くホテルに着いたのに、マリはすでに先に来て僕を待っていた。

マリは、小花を散らしたふわりとした素材のピンクのワンピースを着ていた。

「そんな服、持ってたんだ?」

「一応ね」と、言うと、マリは僕の耳元で「かわいい?」と囁いた。


「パパたちは、カフェにいるわ」

「ちょっと、緊張するなあ」

「大丈夫、パパもママも気さくな人だから」


マリに連れられてカフェに入ると、窓際の席に並んで座っている両親の姿が見えた。

初対面の挨拶をした僕に、マリの父は名刺を差し出しながら、「マリがお世話になっているようで」と言った。

名刺には、名前と会社名が記され、「代表取締役」と言う肩書きが添えられていた。


「やっぱり、韓国はいいなあ」

ソウルの街が見下ろせる席で、マリの父が呟いた。

しばらくは、久しぶりに訪れた韓国の話しが続き、やがて、夫婦の恋物語へと話が発展した。


「彼女の心を掴むために、涙ぐましい努力をしたよ。日本語を必死に覚えたりしてね」

「私だって、韓国語の勉強をしました」

若かりし日の話しをする時、マリの父の精悍な顔は柔和な顔に変わった。


傍らで、微笑むマリの母は、美しい人だった。

中年と呼ばれる年齢に近づいた今も、美しいと感じるのだから、若い時の美しさはどれほどのものだったのだろうかと僕は思った。


「昔の話はそれくらいにして、そろそろ失礼しないと・・・」

「あ・・・もう、そんな時間か?」

「これから、親戚の人たちとの食事会があるの。インスは、この後どうする?」

マリに聞かれて、「会社に戻る」と、僕は答えた。


              
 


「忙しいのに、ごめんなさいね。どうしても、主人があなたに会いたいと言うものだから・・・」

「マリから、好きな人ができたと聞かされて。韓国人だと知った時は、うれしかったよ」

「男は、韓国。女は日本・・・これが、パパの口癖だもんね」


「何を理由にそうおっしゃるんですか?」

僕は、つい口を挟んでしまった。

「やだ~マジにならないでよ。ママが日本人だからに決まってるじゃない。要するに、根拠のない理論って、ヤツよ」

「まあ、なんて口の利き方でしょう」と、母に言われて、マリは思わず舌を出した。

ユキのことが頭に浮かんで、真剣に聞いてしまった自分が恥ずかしくなった。


「パパ、インスに会って、安心したでしょ?」

「もう、馬鹿な夢は諦めたんだろうな?」

「馬鹿な夢って・・・?」

僕は、マリに向かって尋ねた。

「知らない。何のことかしら?」


「ふたりの仲をとやかく言うつもりはないが、結婚となると話は別だぞ。解ってるな?」

「結婚・・・?そんなこと考えてないわよねえ」

マリは同意を求めるように僕を見た。

僕は、なんと答えてよいのか解らなかった。


「じゃあ、これで失礼する。とりあえず・・・マリをよろしく頼むよ」

マリの父が差し出した手を握り、僕は頭を下げた。


               
 


別れ際、「遅くなりそうだから、先に寝ていてね」と、マリは言ったが、なんとなく寝付かれず、ビールを飲みながら、マリが帰って来るのを待っていた。

「あ~疲れた!」と言う声とともにマリが帰って来たのは、深夜0時を少し過ぎた頃だった。


「まだ、起きてたの?」

「なんとなく・・・」

「シャワーを浴びて、寝よう」

マリはそのまま、浴室に直行した。


浴室から出てきたマリは、濡れた髪をタオルで拭きながら、「インス、今日はありがとう」と言った。

「飲むか?」

「うん、1杯だけ」

僕は、冷蔵庫から新しいビールを出して、マリのグラスに注いだ。


「一緒に暮らしてること、言ってないのか?」

「うん」

「どうして?」

「面倒だから」

「いずれバレるぞ」


「その時はその時。今は言いたくない。言ったら・・・間違いなく、日本に連れ戻される」

「そうだろうな」

「インスとの生活、失いたくないの。」


乱暴な口を利いたかと思うと、こうして男心をくすぐるようなことをさらりと言う。

これが、マリの魅力のひとつなのかもしれないと思った。


「眠い・・・もう、寝るね」

僕も少し遅れて、ベッドに入った。


                
 


「ねえ・・・」

すでに眠ったと思っていたマリが、背中をを向けたまま言った。

「ん・・・?」

「ママに見とれてたでしょ?」

「うん」


「うん?信じられない。普通は否定するもんよ」

マリがふり返って言った。

「きれいな人だな・・・って」

「ますます、信じられない」

「事実は事実さ」


実は、先ほどもビールを飲みながら、マリの母親の顔を思い出していた。

だが、さすがにそれは言わずにいた。


「マリにも半分、あの人の血が流れているんだよな・・・」

そう言いながら、僕はマリのパジャマのボタンに手をかけた。

「今夜はダメ・・・。疲れてる」


「マリ・・・」

僕は、マリの首筋に唇を寄せ、耳元で囁くように言った。

「同居を認めた条件は?」

「何で今、そのこと?眠い・・・」

「言って」


「夕ご飯は、必ず作ること」

「それから?」

僕は、3つ目のボタンをはずしながら聞いた。


「洗濯は毎日・・・あっ・・・すること」

僕の腕が、胸元に忍び込むと、マリは小さな声を上げた。

「そして?」

残りの2つのボタンをはずすと、マリの乳房が顕わになった。


「1日おきに・・・掃除をすること・・・」

僕は、片方の乳房を右手で掴み、もう片方の乳房の先端を口に含んだ。

「インス・・・」

マリは、僕の名を呼びながら身をよじった。


                
 


「もう、ひとつ、条件があったろう?」

マリは、黙って首を振った。

「拒否しないこと」


「そんなこと、決めてない」

「なら、今、決めた」


「イヤだって言ってるのに・・・」

僕は、マリのパジャマのズボンと下着を一度に剥ぐと、目標とすべき所に指を這わせた。

「マリはうそつきだな・・・」


「インス・・・」

マリは、再び僕の名を呼ぶと、自ら唇を求めてきた。


美しい人の顔が脳裏をよぎる。

あの人は・・・どんな姿態で夫を受け入れ、どのような声を発するのだろう。


淫らな想像は、いっそう僕を昂ぶらせ、潤った場所へと僕を駆り立てた。




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