2008/07/07 01:16
テーマ:今日のひと言 カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

あなたを好きでよかった・・・と、思った瞬間。(日テレ動画)

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いよいよ、今月11日から、「甲子園」に向けての、地区予選が始まります。

今日は、そのための激励会が、息子の学校で行われました。


強豪ひしめく、C県にあって、大きすぎる期待に押しつぶされることなく、日頃の練習の成果を思う存分、発揮してもらいたいと思います。


息子はまだ、2年生で、AチームとBチームを行ったりきたりしている状態ですが、3年生にとっては最後の夏。

親も選手も自然と気合が入ります。


「熱い夏」が今年も始まります。


                            



さて、「ブロコリブログ」が、メンテナンスされて、私にも「動画」がUPできるようになりました。

自分では、画像関係の加工、作成はできませんが、PCの中には、お気に入りの「動画」がたくさん保存してあります。


一昨日のブログでご紹介したのも、そのひとつです。

たくさんの方に観ていただけて、感謝しています。


それに気をよくして・・・というわけではありませんが、どうしても「この時」のヨンジュンについて、語り合いたくなりました。

「この時」の出来事は、私がヨンジュンを知って、2日目のことです。


前日、成田に降り立った、ヨンジュンを見て、「この人、誰~!」と、一目ぼれ。

しかし、翌日見たヨンジュンは、「この人、昨日の人だよね・・・?」と、思うくらいに表情が違っていました。


ファン歴2~3日の私は、「特番」なんて、もちろん観ておらず、ずっと、後になって、「こんなやり取りがあったんだ・・・」と、ネット上で、このMVを観て、初めて知ったのです。

衝撃とともにペ・ヨンジュンの男気を見た気がして、「この人を好きになってよかった・・・」と、最初に感じた瞬間でした。

(画像をより鮮明にする為、画面全体を縮小しました)












2008/06/30 12:03
テーマ:創作の部屋 カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

「朝月夜」(アサヅクヨ)⑯・・・こちらは戯言創作の部屋

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カーテンの向こうには、銀色の世界が広がっていた。

会津地方は、雪が多いと聞いていたが、ひと晩でこんなにも積もってしまうなんて思ってもいなかった。

「これでは、観光どころではないですね。でも・・・雪が止んで、観光バスが出るようでしたら、私に構わず、出かけて下さい。せっかく、会津に来たんですから」

そう言いながらも私は、この雪は、きっと夜まで降り続くだろうな・・・と思った。

 

彼も、そう思っているのだろうか?

「そうします」とも言わず、黙って、雪を見ていた。

熱は平熱に戻っていたが、気だるさがまだ残っていた。

 

トイレに行こうと思い、ベッドから降りようとして、足元がふらついた。

彼が、「大丈夫ですか?」と、手を差し伸べてくれた。

浴衣は、胸元と裾が乱れて格好が悪い。

トイレに行くよりも着替えが先だと思った。

 

隣の部屋へ行って、クローゼットの中から、バッグを掴むと、「着替えをしますので」と断って、私は寝室の襖を閉めた。

ツアー中、パジャマ代わりに着ていたスエットに着替え、トイレで用を足して洗面所で顔を洗った。

鏡に顔色の良くない私が映っていた。

だからと言って、化粧をする気にもなれず、ほのかに色のつく、リップクリームを塗って、私は洗面所を出た。

 

                       

「こんな格好で、すみません」

スエット姿のことだけでなく、化粧っ気のない顔でいることも含めて、私はそう言った。

「そんなことは気にしないで下さい。楽な服装で、今日は一日寝ていた方がいい」と、彼は言った。

 

「それよりも、おなかがすいたでしょう?夕べは、夕食もあまり食べていなかったし・・・」

彼の言うとおり、昨日の晩は、ご馳走を前にしても、食欲が湧かなかった。

朝食は、最上階のレストランでバイキングと決められていた。

7時からだから、もう間もなく、朝食の準備が整ったと言う、館内放送が流れるはずだ。

 

熱いコーヒーが飲みたいと思った。

冷蔵庫の中のミネラルウォーターを電気ポットに入れて、お湯を沸かし、インスタントのコーヒーを淹れた。

「コーヒーを飲んで大丈夫ですか?」

「ええ・・・朝、コーヒーを飲まないと、目が覚めなくて・・・」と私は答えた。

 

私はカップを持ったまま、窓辺に寄って、空を見上げた。

彼も同じ様に、私の隣でコーヒーを飲みながら、降り続く雪を見ていた。

特別、話すこともなく、ただ静かに時間が流れていくことが、心地よかった。

 

                          

「今日もこの部屋で過せるように、ユキさんから、係りの人に言ってください」

 

韓国語を覚えて数年経ち、いまはそれを職業としている。

しかし、韓国語の微妙なニュアンスの違いに時々、と惑うことがある。

 

当初は・・・というより昨日まで、私は今日、会津を発つつもりでいた。

家を留守にしてだいぶ経っているし、仕事のことも気になっていた。

それにも増して、いくら「通訳」の為といっても、恋人関係にない男性と何日も一緒にいるのはやはりおかしいと、感じていたからだ。

 

だが、こんな事態になって、今日はとても長時間電車に揺られて、帰宅する気にはなれなかった。

今夜もここに泊まるとしたら、予約の延長をするか、部屋を替わらなければならない。

「今日もこの部屋で過せるように」という、彼の言葉には一体どんな意味があるのだろう。

 

昨夜、あと2泊3日滞在する彼のために、シングルルームを予約した。

僕はそっちに移るから、君は一人でここに残りなさい、ということなのだろうか?

それとも、このまま一緒にこの部屋で過そうということなのだろうか?

 

もしも、後者なら、彼に必要以上の宿泊代を負担させてしまうことになる。

それに、「一緒に泊まろう」と言われて、「はい、そうします」と即座に答えるのもおかしなものだと思った。

私は、前者の解釈が正しいと判断し、「今夜はひとりでこの部屋に泊まる」と、彼に話した。

 

                           

あっさり承諾してくれると思っていたのに、「僕と一緒にいるのは嫌ですか?」という答えが返って来た。

「いえ、けしてそういうわけではなく・・・」と、私はどう答えたらよいのか解らず、口ごもった。

「僕の存在が迷惑ですか?」と、再び彼は聞いた。

だからそういうことではなく・・・と、私は同じ言葉を反芻した。

 

「ユキさん・・・」

私の腕に手を伸ばす彼の姿が、曇ったガラス窓に映った。

「迷惑だったら、僕はシングルルームに移ります。ただ・・・気分のすぐれないユキさんが荷物をまとめて、別の部屋に移動するのは、大変だろうと思って・・・。誤解しないで下さい。それが、僕の・・・本心です」

彼は、私の目を見てそう言った。

 

その時、室内の電話が鳴った。

一瞬、私たちは顔を見合わせ、私は、掴んだ彼の手を振り解いて、受話器を取った。

電話は、フロント係りからだった。

 

「おはようございます。朝早くからすみません。お加減はいかがでしょうか?今、係りの者がお部屋まで伺いますので・・・」

受話器を置くのと同時くらいに、部屋のチャイムが鳴った。

 

彼が僕が出るから・・・という仕草をしてドアを開けた。

聞こえてきたのは、若い女性の軽快な韓国語だった。

「昨日は、ご不便をおかけして、申し訳ありませんでした。今日は、私がおりますので、何でもおっしゃってください」というようなことを言っている。

それに対して彼は「助かります。ありがとう」と、答えていた。

 

ちらりと見えた彼は、本当に安堵したという表情で、にこやかに話していた。

私はなんとなく、出て行くきっかっけを失って、挨拶もできずにいた。

彼が、この部屋を引き続き使っていいかどうかを聞いている。

 

「それでは、シングルルームはキャンセルということで、よろしいですね?」と、客室係りの韓国人女性が聞いた。

「いや・・・ここに残るのは彼女ひとりで・・・」

僕は、別の部屋に移ります、という彼の言葉を待たず、私は言った。

「二人で、あと二日・・・ここに滞在します」

 

彼が驚いた顔で振り向いた。


2008/06/06 18:23
テーマ:創作の部屋 カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

「朝月夜」(アサヅクヨ)⑮・・・こちらは戯言創作の部屋

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最後の一杯をコップに注いだ時には、心地よい眠気と、酔いを感じていた。

ベッドに入って、横になろうかな・・・と、イスから立ち上がりかけた時、背後で、襖の開く気配がした。

「どうかしましたか?」

僕がそう言ったのは、明らかに君の様子が変だと感じたからだ。

しかし、君は「何でもありません」と答えると、クローゼットから、バッグを取り出した。

 

「・・・・」

君が何か、言ったような気がしたが、僕は聞き取ることができなかった。

バッグの中を覗き込み、何かを探している様子が気になって、僕はもう一度、君に声をかけた。

「薬を・・・」そう言うと君は大きなため息をついた。

「薬を探しているんですが・・いつも、必ず持っているのに・・・こんな時に限って・・・」

君は独り言のように呟くと、また、ため息をついた。

 

「インスさん・・・」僕の名前を言いながら、立ち上がったとたん、君の体が小さく揺れた。

慌てて差し出した僕の腕が感じたものは、異常に熱い君の体温だった。

薄手の浴衣を通して感じられた熱さ・・・それは普通ではなかった。

「フロントに行って、薬をもらって来て下さいますか。今、紙に書きますから・・・」

 

君は手帳のページを破って、僕に渡した。

「とにかく、横になって下さい。すぐに行って来ますから」

君をベッドに寝かせて僕はフロントへと向かった。

メモを渡してから、係りの者が戻ってくるまでの時間が、とても長く感じられた。

薬を手渡される時、日本語で何かを言われたが、僕には理解できなかった。

 

         

 

薬と体温計を受け取って、僕は急いで部屋に戻った。

薬の粒を確めると、君はコップの水と一緒に一気に飲み込んだ。

「ごめんなさいね。ちょっと疲れたりすると、熱を出してしまう時があるの。それに少し風邪をひいたみたい・・・。今日、寒かったものね・・・」と言って、君は小さく笑った。

 

君を見つめる僕の表情が、深刻そうに見えたのだろうか。

「薬を飲んで、眠れば治るから・・・。心配しないで下さい」と、君は言った。

酔いも、眠気もすっかり消えていた。

 

高熱を出した僕の世話をしてくれたこと。

寒い会津の町を一緒に見て回ってくれたこと。

それらが、今、君を苦しめている原因なのだと僕は思った。

「僕で、できることだったら何でもしますから・・・」

そう言うのが精一杯だった。

 

「大丈夫です。本当に・・・。眠れば良くなりますから・・・。あ・・・ひとつお願いしてもいいですか?」君は遠慮がちに言った。

「なんですか?何でも言ってください」

「ペットボトルの飲み物を・・・できれば、スポーツドリンクのようなものを買ってきてもらえますか?夜中に喉が渇いて、目が覚めるかもしれないので・・・」

部屋に備え付けられている冷蔵庫には、お茶と水はあったが、スポーツドリンクは入っていなかった。

「ホテルのどこかに自動販売機があると思うの・・・。ごめんなさい・・・こんなこと頼んで。」

「気にしないで下さい。すぐに行って来ますから」そう言って、僕は、寝室を出た。

 

だが、確かにどこかで見かけたはずの自動販売機の場所が思い出せない。

落ち着いて、思い出さなければ・・・と思いながら、とりあえずエレベーターに乗って、1階のボタンを押した。

エレベーターを降りて、辺りを見回したが、自動販売機はどこにもなかった。

「自動販売機はどこですか?」

こんな簡単な日本語さえ、僕は解らない。

なんだか情けなさで、胸がいっぱいになった。

 

その時、エレベーターが開いて、風呂上りと思える男性が降りて来た。

そうだった・・・!温泉に入った時に出口の所で、自動販売機を見たのだと思い出した。

寝室に戻って、ベッド脇の小さなテーブルの上にペットボトルを置くと、君は「ありがとう」と言い、「インスさんも寝てくださいね」と言った。

「タバコを一本吸ってから・・・」と答えたものの、今夜は眠れないだろうな・・・と思った。

 

         

 

ふと、目が覚めた。

外はまだ薄暗い。

時計を見たら、間もなく6時になるところだった。

夕べは、気分を落ち着かせるためにタバコを吸って、ベッドに入った。

静かに寝息を立てている君の寝顔を見ながら、僕も、いつの間にか眠ってしまった。

 

ベッドの中の君は、まだ眠っていた。

そっと、ベッドから抜け出して、恐る恐る君の額に手を充ててみた。

気配を感じて、君が静かに目を開けた。

「すみません。熱が下がったかと・・・気になって。起こしてしまったみたいですね。」

「今何時ですか?」

「6時です。もう少し、眠りますか?」

「大丈夫です。インスさんのおかげで、良く眠れました。夕べはありがとうございました。」

そう言うと君は、ベッドサイドに置かれたペットボトルを見て、「せっかく、買ってきてもらったのに、一口も飲んでいないわ。」と言った。

 

僕がキャップを開けて、「飲みますか?」と聞くと、君は小さく「ええ・・」と頷いて、僕の手から、ペットボトルを受け取り、おいしそうに飲んで、笑顔を見せた。

一口飲むたびに君の喉が上下に揺れる。

浴衣の胸元から見えるその様子が、妙にセクシーで・・・。

不謹慎な思いを振り払うかのように、僕は、勢いよくカーテンを開けた。


2008/05/28 10:58
テーマ:創作の部屋 カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

「朝月夜」(アサヅクヨ)⑭・・・こちらは戯言創作の部屋

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ホテルの最上階からは、会津の町が見下ろせた。

夜の闇の中で、ライトアップされた鶴ヶ城が、薄緑色に輝いていた。

僕達は、今日一日、観て回った会津の町のことを話しながら、夕ご飯を食べた。

賑やかな他のテーブルに比べて僕たちだけが静かだった。

 

「インスさんは、お友達と一緒の時もあまり喋らない人?例えば・・・お酒を飲みに行っても、ひとりで静かに飲んでいるとか・・・」

「場を盛り上げる、ということが得意ではないんです」

「いるのよね・・・そういうのが得意な人」と、言って君は笑った。

「やはり女性は、話し上手な男に惹かれますよね?」

「そうね・・・黙ってると、何考えてるのこの人・・・?って思っちゃうかも」そう言って君はまた笑った。

 

「無口な男は嫌いですか?」僕の問いかけに君は黙っていた。

またもや、的外れな質問をしてしまったと、思った。

「小学校の・・・3年生の時、クラスにとても無口な男の子がいたの。あまり笑わず、とても静かな子・・・。ある時、それを理由に何人かのクラスメイトが、その子をからかったの。それでもその子は何も言わず黙ってた。担任の先生がからかった子にこう言ったわ。たくさんの言葉で相手を罵るより、無口な方が尊いと言うことに気付きなさいって・・・」

君は、幼心にもその先生の言葉がとても印象に残っている・・・と言った。

                            

僕は、自分の少年時代を思い出していた。

けして静かな子供ではなかった。むしろ仲間と騒ぐのが好きな子供だった。

いつの頃からか、他人と合わせるのがなんだか億劫になって、自己主張することが苦手な大人になった。

 

「私は、饒舌な人より、静かな人が好き・・・。言葉は少なくても、心が豊かな人・・・」

「ユキさんの恋人はそういう人ですか?」

言ってしまってから、またも僕は後悔した。

君に恋人がいようがいまいが、僕が詮索することではなかった。

「そういう人にめぐり会えたらいいな・・・ってことです」と君は答えた。

                            

部屋に戻るため、下りのエレベーターに乗ると、君は何かを思い出したように、「1階」のボタンを押した。

「どこへ行くんですか?」と僕が聞くと、「あなたの宿泊予約の延長をしなければいけなかったことを思い出したんです」と言った。

フロントのカウンターで、今夜は二人でここに泊まるが、その後は、僕だけが、滞在することを、君は係りの男性に伝えた。

 

おそらく、係りの男性は、今の部屋をそのまま使いますか?と君に聞いたのだろう。

君は、「あの部屋はひとりでは贅沢よね?」と言った。

そして、僕のために、シングルの部屋を予約してくれた。

部屋まで案内してくれた女性従業員が、隣へ通じる襖を開けた時、僕の視界の端に飛び込んできた、セミダブルのベッド。

あの部屋は、確かに・・・ひとりでは贅沢と言うより、広すぎる・・・と、僕は思った。

 

「お酒でも飲みますか?」僕は、ホテル内にあるバーへの入り口を指差して言った。

「ごめんなさい。お酒よりも、お風呂に入って、早く寝たいんです」

「疲れましたか?」

「少し・・・」

そう言えば、食事もあまりすすんでいなかったようだと、今になって僕は気が付いた。

ひとりでは飲む気になれず、結局、僕は君と一緒に部屋に戻ることにした。

                              

「せっかく、温泉に来たのに、入りに行く元気がないわ・・・。私は、部屋のお風呂で済ませますから、どうぞ、行って下さい。ひとりで行かれますよね?」

日本語が解らなくても、温泉くらいはひとりで入れる。

そんなことよりも、温泉に入る気力もないほどに疲れさせてしまったことに責任を感じ始めていた。

しかし、君がお風呂に入っている間、部屋の中で待機しているのも妙な気がして、僕は、ひとりで温泉に入ることにした。

 

部屋に戻るとすでに君の姿はなく、遠慮がちにわずかに襖を開けると、君はすでにベッドの中で横になっていた。

声をかけるのも悪い気がして、僕はそっと襖を閉めた。

 

窓辺のイスに座って、昼間、酒蔵で買った、日本酒の瓶の蓋を開けた。

コップに酒を注ぎ、口に運ぶ自分の姿が、窓ガラスに映っていた。

女性と二人、同じ部屋に宿泊しながら、口説くこともせず、一人、窓辺で酒を飲んでる自分が、おかしかった。

中庭の篝火は、降り続く雪のせいで、勢いを失っていながらも、静かに燃え続けていた。

 

 


2008/05/15 11:16
テーマ:創作の部屋 カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

「朝月夜」(アサヅクヨ)⑬・・・こちらは戯言創作の部屋

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ろうそくの灯りは、どうしてこんなにやさしいのだろう。

太古の昔から、灯りは人々の心の拠り所だった。

灯りの下に人々は集まり、語らい、食事をした。

そしてそこに愛が芽生えた。

古(いにしえ)の人々の生活に思いを馳せながら、私は鶴ヶ城のろうそくの灯りを見つめていた。

 

たけのこ型に作られた陶器の燭台は、小さなお地蔵様のようで、斜めに切り取られた孟宗竹の中で、ゆらめく炎はかぐや姫を連想させた。

「愛」 「希望」 「夢」 「未来」。

地元の中学生が作った燭台に書かれた文字は、春を待つ会津の人の心。

彼は何度もシャッターを切り、「来てよかった・・・」と呟いた。

                         

それにしても冷える。

寒さが足元から這い上がってくる気がした。

ろうそくの灯りを熱心に見つめている彼に「帰りましょう」とも言えず、私は彼の傍らで震えていた。

 

その内にちらちらと雪が舞い降りてきて、会場はよりいっそう、幻想的な雰囲気に包まれた。

鶴ヶ城を雪と光が包む。

ライトグリーンにライトアップされた鶴ヶ城とそれを取り巻く、幾千のろうそくの灯り。

「ろうそくまつり」が、別名「ゆきほたる」と言われる由縁が解ったような気がした。

 

「寒い・・・」つい、口に出してしまった言葉に、彼が気付き、「戻りましょうか?」と言った。

もう限界・・・と思っていた私は、待ってましたとばかりに「うん、うん」と頷いた。

                              

駐車場に戻ると、運転手に「あれ?もう戻ってきたんですか?天守閣には行かなかったの?」と聞かれた。

天守閣・・・?

と、私が不思議そうな顔をすると、「天守閣に上ると、全体が見渡せてそりゃあ・・きれいなんだけどなあ」と、言った。

 

私と運転手の会話を理解できない彼は、すでに、カメラをバックにしまっていた。

彼に申し訳ない気もしたが、もう、引き返す元気が私にはなかった。

「ホテルへ行ってください」

私は、凍える手に息を吹きかけながら、運転手に告げた。

 

ホテルの正面玄関の車寄せで車を止め、トランクから荷物を出しながら、運転手は私に「素敵な夜を・・・」と言った。

無骨な運転手に似合わぬ言葉に、私は意味を取り違えて俯いた。

そんな私の気持ちを察して、「ゆっくりと温泉に浸かって、うまいものを食べてという意味ですよ」と言い、豪快に笑った。

私たちは、運転手に今日一日の礼を言い、ハイヤーが走り去るのを見送った。

             

自動扉を開けると、別世界のような暖かさと、従業員のにこやかな笑顔が私たちを迎えてくれた。

駅前の観光案内所で紹介された・・・と、名乗ると、「お待ちしておりました」と、フロントのカウンターに案内された。

そこで私は、宿泊カードに自分の名前を記入し、「同行者1名」と、書き添えた。

 

通された部屋は、外観から受けたイメージと違い、純和風の落ち着いた和室だった。

案内してくれた、女性従業員から手渡されたパンフレットには、「会津で過す二人だけの大切なひととき」と書かれていた。

その文字を見つめていると、「お食事はいかがいたしますか?」と聞かれた。

希望により部屋まで運ぶこともできるし、最上階の「食事処」で食べることもできると言った。

私は、「夜景を見ながらの夕食」を選択した。

口数の少ない彼と、二人きりの夕食は、会話も途切れがちで、間が持てないような気がしたからだ。

 

さらに「浴室はお部屋にもございますが、今からお時間の予約をしていただければ、お二人だけで入れる貸切の露天風呂もございます」と言った。

老舗のホテルや旅館に限らず、従業員が宿泊客のプラーベートを詮索するのは、マナー違反と教育されているはずだ。

明らかに夫婦でないとわかっても、それを装うのがルールとされている。

だからこそ、このような説明がなされるのだろう。

「貸切露天風呂」のことは、「結構です」と言って終ったが、この時ばかりは、彼が日本語が解らない人でよかったと思った。

            

次に「お休みになるときはこちらのお部屋で・・・」と、隣の部屋に通じる襖を開けた。

おそらく私は、その瞬間、顔色が変わっていたと思う。

ここに通された時から、部屋はふたつあるのだと解っていた。

その時点で私は、各部屋に一枚ずつ布団を敷いて・・・と、すでに考えていたのだった。

備え付けのテレビの使い方や空調の調整の仕方も上の空で、私は、ふたつ並んだセミダブルのベッドを見ていた。

ひと通りの説明を終えると、女性従業員は、「それでは、どうぞごゆっくり」と言って、部屋を出て行った。

その間、彼はずっと窓辺で、タバコを吸いながら、外を見ていた。

篝火が焚かれた中庭は、先程から降り始めた雪で白くなりかけ、遠くに流れる川音が聞こえていた。


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