2009/11/10 19:03
テーマ:今日のひと言 カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

「インタビュー」の中で、いちばん好きな表情。

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「もう、観たの?」って、思うでしょう?

観たんです。


同じ県内に住む、心優しきヨンジュン家族の方のおかげで。


ブログで、強がりを言った日の夕方には、「インタビュー」のヨンジュンに会えた・・・と言うわけです。


自宅近くまで、届けてくださったAさん、ありがとう。

このお礼は、いつか必ず!・・・です。



「スカパーの映像って、きれいだね」

って、後ろで観ていた娘が言うほど。

はっきりくっきり・・・とても美しい映像でした。


Aさん宅と我が家とでは、DVDの機種が違います。

機種が違うと観られないという意味・・・また、解らなくなっちゃった。



さて、ところで・・・「インタビュー」の内容ですが。

これはもう、たくさんの方が書かれていますので。

いまさら、書くこともないかな・・・と思うし。


何よりも「百聞は一見に如かず」の諺どおりです。


まだの方・・・チャンスが巡って来たら、ご自分の目で見て・・・聞いて・・・。

楽しんでください・・・それが、1番です。



ただ、ひとつだけ。

私がもっとも、いいなあ~と思った瞬間のお話を。


インタビュー当日、ヨンジュンは宮本氏に「プレゼント」を用意していました。

それを、スタッフに「持って来て」と言うんですが・・・。



言う時の表情が、「お願い」じゃなくて、「指示」なの・・・。


指示する様子が、「ボス」って、感じがしていいんだなあ~。


これって、マニアックな楽しみ方かもしれない。



ずっと、前に「ホテリアー」で、どのシーンが好き?と聞かれて。

「厨房で、(実妹のジェニーが落とした)たまねぎを拾うシーン」と答えたら。

「かなり、マニアック!」と言われたことがあります。


「ツボニハマル」と言う言葉がありますが。

「インタビュー」の中で見せる、このヨンジュンの「ボス的表情」は、「ヨワイトコロヲツカレタ」と言う感じかな。



そして・・・。

「冬ソナ・イベント」のリハーサル・・・一緒だったのね。



この二人・・・いい感じです。



昔、どうの・・・なんてことは、ない!そう、確信しました(笑)


それよりも、これからどうにかなってほしいんだけど。

ダメかなあ・・・。



               



2009/11/07 10:58
テーマ:創作の部屋 カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

創作の部屋~朝月夜~<47話>【R】

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★今回は、【R】的要素を含めた描写がありますので、お嫌いな方はスルーしてくださいね。

「四月の雪」のインスのイメージを壊したくな~いと言う方も、スルーしてください。






「逞しい腕にぎゅっとされると、なんだか安心する・・・。」

僕の腕の中で、マリーが呟いた。


「子供の頃、パパに抱っこされたこと思い出すなあ」

「僕は、君の父親か・・・?」

マリーとの年の差が頭をよぎって、苦笑いとともに、そんな言葉が口を突いて出た。


「父親の愛は、無償の愛よね。その人に、世界中の誰よりも愛してほしいと思ったら、恋人よりも、奥さんよりも・・・その人の子供になることかな、って思うわ」

父親になり損なった僕には、マリーの言葉の意味をすべて理解することはできなかった。


「ねえ・・・」

マリーが上目づかいで僕を見上げた。

「愛してるって言ってくれたら、もっといい気分になれるんだけどなあ・・・」

僕は、マリーから視線を逸らすと、「愛してる」の言葉の代わりに、「ビールでも飲むか?」と言って、立ち上った。


「なによ、照れちゃってぇ・・・つまんないの」

後ろで、マリーが独り言を言っていたが、僕は聞こえないふりをした。


                                      


マリーに缶ビールを手渡し、僕はビールをひと口飲むと煙草に火を着けた。

煙を吐き出す様子を隣に座っているマリーが、じっと見ていることに気づいた。


「なに?」

「煙草を吸ってる横顔・・・すてき」

「からかうなよ」

「からかってなんかいない。本当にそう思うから言ったの」


「煙草は?」

僕は、照れ隠しに聞いた。

「ちょっと、吸ったこともあったけど、止めた」

「いいことだな」


「ずっと前に、好きだった人が言ってたわ。終わったあとの1本が最高においしいって」

「終わったあと・・・?」

声にした瞬間、意味が解った。

「いっつも、私の横でおいしそうに吸ってた。それで、私も・・・って」


「おいしかった?」

「ううん、おいしくなかった。だけど・・・その人の唾液で少し湿った煙草の感触が好きで・・・指先から奪うと真似して吸ってたの」

顔の見えない男の横で、煙草をふかすマリーの姿が浮かんだ。

それは、嫉妬と呼ぶには程遠いものだったが、心の片隅をかすかにくすぐるような感情だった。


「その男とは・・・?」

「別れた。ふられたの」

「会いたいと思ったり、思い出したりしない?」

なぜこんなことを聞いているんだろうと思った。


「しない。私がふった男なら、今もひとりでいるのかなあなんて思ったりするけど。ふられた男のことは考えない。だって、私の知らない誰かと一緒になって、幸せに暮らしてるかも・・・なんて想像するとくやしいじゃない」

「君らしい考えだな」

「あなたは?」


「時々思い出す」

「どっちを?離婚した奥さん?それとも別れた恋人?」

「両方」

「はぁ・・・呆れた。ビールもう1本持って来て」


                                    


缶ビールを冷蔵庫から2本取り出して、再びソファに座ると、マリーは「ねえ・・・」と、また何かを問いた気な様子で僕を見た。

「君に、ねえ・・・って、言われるとヒヤッとするよ。今度は何?」

「私たち、あれからしてないけど。したい?」


「そう言うこと、露骨に言うな」

「答えてよ、したい?したくない?」

「したい・・・って、言ったら?」

マリーの表情が一瞬、固くなったような気がした。


「冗談だよ。襲う気はないから、安心しろ。今でも・・・後悔してる」

「え・・・?」

「あの日のこと。申し訳ないことをしたと思ってる。悪かった」


マリーに詫びるきっかけをやっと得られたような気がして、さらに僕は謝罪の言葉を口にした。

「謝って済むことではないと解っている。それでも、きちんと君に謝りたかった」

「嫌じゃなかった・・・。どんなに乱暴に扱われても、少しも嫌じゃなかった。あの時すでに・・・あなたを好きだったから」

マリーは俯いたまま言った。


「嫌だったのは・・・身代わりにされたこと。別れた人を思いながら、私を抱いたこと・・・」

身代わりにしたつもりはない。

そうではないんだ・・・。


あの日、マリーは恋愛について語った時、「日本の女」と言う言葉を引き合いに出した。

そのことに僕は無性に苛立った。

そして、理不尽な行為に及んだ。


だが・・・今、そのことを言っても意味のない気がした。

理由はどうであれ、僕のしたことが正当化されることはない。

「ごめん・・・」

もう、この言葉しか見つからなかった。


                                    


「本当に悪かったって思ってる?」

「思ってる」

「だったら・・・キスして」

「どうして、そういう発想に繋がるのか、解らない」

「謝罪の証」

マリーは僕に向かって目を閉じた。


僕も目を閉じて、躊躇いながらもマリーの唇にそっと唇を寄せた。

離れて、目を開けるとマリーの頬に一筋の涙が流れていた。

「好きになるのに時間なんて関係ないのね。出会って間もないのに・・・切なくなるほど、あなたが好き」

マリーは、震える声でそう言った。


「らしくないなあ・・・」

そう言いながらも、僕の胸の中にマリーに対する愛しさが、急速に広がっていった。


触れるだけのキスは、やがて深いキスに変わり、僕たちは何度もキスを繰り返した。

「嫌じゃなかったら・・・」

最後まで言わなくても、僕の言いたいことは、充分マリーに伝わった。

僕は、マリーの手を引いて、寝室のドアを開けた。


あの時は・・・マリーの体を眺める余裕はなかったのだと気が付いた。

柔らかなうなじ。

整った乳房。

贅肉のない下腹部。

みずみずしい爪。

ダンスで鍛えたマリーの体は、随所で若さを主張していた。


この体を独り占めしていいのか・・・。

謙虚な気持ちは、瞬くうちに、独り占めしたいという欲望に変わった。

「好きな人に抱かれるって・・・しあわせ」


「このまましてもいい?」

マリーは、僕の腕の中で、喘ぎながら頷いた。


                                     


つかの間のまどろみから目覚めたのは、窓から吹き込む冷たい風のせいだった。

「どうした?」

「雪が降ってる・・・駅まで送ってくれる?」


「明日の朝、送るから・・・」

そう言って、僕はマリーを手招きした。

マリーは素直に僕の横に滑り込むと、冷えた足を絡めてきて、「インス」と、言った。


「おじさんでも、あんた・・・でもなく、インス?」

「そうよ、インス」

「君は僕よりだいぶ年下だ。インスさんと言うのが普通だろう?」


「日本では、これが普通。恋人同士は、多くの人が呼び捨てで相手を呼ぶわ。私は、あなたをインス・・・と呼んで。あなたは私をマリ・・・って、呼ぶの」

「マリ・・・?」

「そう、それが私の本当の名前。マリーは店で使ってる名前なの」


「マリ・・・。また、君が欲しくなった」

僕は毛布の下で、マリの細い腰を抱き寄せた。


2009/11/04 10:35
テーマ:創作の部屋 カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

創作の部屋~朝月夜~<46話>

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自宅まで仕事を持ち込むことは、できるだけ避けたいと思っているのだが、そうも言っていられない日もある。

今日も、片付けてしまいたい仕事があって、帰宅後はずっとPCの前に座っていた。

気がつくと、時計の針は午前0時を過ぎていた。


PCを閉じて、部屋の明かりを消そうとした時、かすかな物音がした。

気のせいかな・・・そう思いながらも耳を澄ませた。


玄関のドアに何かがぶつかる音。

小さな息づかい。

誰かいる・・・?

躊躇いながらそっとドアを開けてみた。


深夜の凍った風とともに入ってきたのはマリーだった。

「途中で、迷っちゃって・・・。こんな時間になっちゃった」

「どうしたんだ?」

マリーは靴を脱ぐと、ふらつく足取りでソファに座り込み、「お水をいっぱいくれない?飲んだら、帰るから」と言った。


            



僕は水の入ったグラスを差し出しながら、「酔ってるのか?」と聞いた。

「酔ってない」

うつろな表情でマリーは答えたが、それは明らかに違っていた。

その証拠に、グラスの水を一気に飲み干すと、マリーはソファに横たわった。


「おい」

「酔ってなんかいない・・・」

マリーは、呟くように言うと目を閉じた。

「おい」

僕がもう一度声をかけた時には、小さな寝息を立てていた。


マリーの頬を撫ぜるように、叩いてみた。

冬の夜道を歩いてきたマリーの頬は、とても冷たかった。

僕は、寝室から持って来た毛布をマリーにそっと被せて、リビングの明かりを消した。


             



目覚まし時計の音で、目が覚めた。

冬の朝は、布団のぬくもりが恋しくて、ベッドから出る気になれないのだが、ゆうべ遅くにマリーが来たことを思い出し、ためらう間もなくベッドから離れた。

しかし、リビングのソファで眠っているはずのマリーの姿はどこにもなかった。


ソファの上に、たたんで置いてある毛布。

その上には、小さな紙片が置かれ、「ゴメン・・・」とひと言書いてあった。


コーヒーくらい飲んで行けばいいのに・・・紙片を見つめながら、僕は心の中で呟いた。

真夜中に迷い込んできた野良猫に、ミルクもやらずに追い出してしまったような気分だった。


携帯電話の番号も、メールアドレスも教え合っていない僕たちは、実際に会わない限り連絡の取りようがなかった。

マリーに会いたいと思っていたわけではないが、なんとなく気になりながら、数日が過ぎた。


              



せっかくの日曜日だと言うのに、その日は朝からみぞれ混じりの雨が降っていた。

こういう日は、何もする気になれない。

パンとコーヒーで簡単に朝食を済ませると、僕はまたベッドにもぐり込みぐずぐずしていた。


マリーが来たのは、昼を少し過ぎた頃だった。

チャイムの音にドアを開けると、大きな包みを抱えたマリーが立っていた。

「昼ごはん、まだよね?」

そう言うと、マリーは僕の脇をすり抜けて、キッチンに入って行った。


包みから、取り出したものはいくつかのプラスチックの容器。

その中には、大量の惣菜が詰め込まれていた。

「料理、できなかったんじゃないのか・・・」


「おばあちゃん、直伝の日本料理よ」

「おばあちゃんは、韓国人だろう?」

「ママの真似をして作っている内に、おばあちゃんの方がママより上手になっちゃったの」


「これは・・・おばあちゃんの手作り?」

「1週間おばあちゃんのところに泊り込んで教わった。私の、手作り」

「私の」と言う、言葉を強調してマリーは言った。


               



「どう?」

テーブルに並べられた料理に箸を伸ばす僕に、マリーが聞いた。

「うまい」

「ほんと!よかった!ミソチゲしか作れない男と付き合おうって、決めたからには、私も料理を覚えないとって、頑張ったの」


「知ってたのか?」

「多分そうじゃないか・・・って。当たり・・・でしょう?」

僕は、苦笑いするしかなかった。


不思議なことにマリーの持ってきた惣菜を食べながら、僕は懐かしさに浸っていた。

それは、ユキと一緒に食べた会津の郷土料理を思い出したからだった。

マリーに対して後ろめたさを感じ、僕の箸はさらにせわしなく動いた。


実際にマリーの作った料理はおいしかった。

「うまい」を連発する僕に、すっかり上機嫌のマリーは、後片付けも全て引き受けてくれて、僕はソファに座って、食後のお茶が出てくるのを待っていた。


                



「ありがとう」

隣に座ったマリーに向かって、僕は言った。

「お礼なんていいわよ。この間、泊めてもらったお返し」


「なぜ、黙っていなくなった?」

「目が覚めたら、自分の部屋じゃなかった。どうやってここまでたどり着いたのかも思い出せなくて」

「ずいぶん酔ってた」


「合わせる顔がなくて・・・私、何かした?」

「いや」

「そう・・・よかった」

マリーは、安心したと言う様子だった。


「何かあったのか?」

「う・・・ん、別に。」

「客に絡まれた?」

「そんなことは、いつものことよ」

マリーはため息混じりに言った。


「ねえ、別れた奥さんは、韓国の人・・・よね?」

「ああ・・・」

「次に結婚するとしたら、やっぱり韓国人がいいって、思ってる?」

「その方が生活しやすいような気がする」

そう答えるのが無難だと思った。


               



「じゃあ、日本人とのハーフは?」

「君がそうだからか?」

「私と・・・と言うわけじゃなく・・・」

「特にこだわりはない」

「日本人に対するこだわりは?」

「なぜ、そんなことを聞く?」

僕の脳裏に、またしてもユキのことが浮かんだ。


「なぜ?」

僕は、重ねて聞いてみた。

「隠していてもどこかでバレるのよ。半分、日本人の血が入ってるって言うこと」

「それがどうした?」

真顔で尋ねる僕がいた。


「年配の客の中には、いまだに日本人に対するこだわりを持った人がいるの。汚い言葉を並べ立てて・・・。挙句の果てには、会ったこともない私のママにまで、発言が及ぶ・・・。それが、やりきれなくて・・・」

マリーはそこで一度、言葉を切った。


「私は、ママを誇りに思ってる。ママを愛したパパもね」

返す言葉を失っている僕を察して、マリーは「ごめん、つまらない話し・・・しちゃった」と小さく笑って見せた。


「そんな店、やめればいい」

僕は、マリーを引き寄せると強く抱きしめた。




2009/10/29 08:21
テーマ:創作の部屋 カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

創作の部屋~朝月夜~<45話>

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「ひとり暮らしの男の部屋が、そんなにめずらしいのか?」

落ち着かない様子で、うろうろしているマリーに向かって僕は言った。


「どこかに女の影がないかな~と思って」

そう言いながらマリーはまだ、室内を見回していた。


「洗面所に歯ブラシでも見つけた?」

「大人は、そんな幼稚な痕跡は残さないでしょ?」

「確かにそうだな」


「だけどどこかに・・・無意識に自己主張しちゃうものなのよ」

「例えば?」

僕は、ミソチゲを作るための材料を刻みながら聞いた。


「玄関に2つスリッパが並んでたり。テーブルの隅にきちんと置かれたリモコン。香りつきのトイレットぺーパーなんかがあったら、決定的ね」

「検証の結果は?」と、僕は包丁を持つ手を止めることなく、ちょっとふざけて聞いてみた。


「本当にひとりだったんだ・・・」

マリーは、つぶやくような声で、安心したとも、がっかりしたとも取れる言い方をした。


                               


「そんなことより、こっちへ来て手伝ったらどうだ?」

「私、料理苦手だもん」

マリーは、窓辺の観葉植物の葉に触れながら言った。


「結婚する気ないのか?」

「料理の得意な男と結婚する。ねぇ、この鉢植え、生気を失ってるわよ」

僕は、鉢植えの観葉植物が置いてある方に視線を移すと、「そんなはずない」と言った。


「毎日、お水あげてる?」

そう言われると自信がない。

「3日前くらいに・・・」

「それじゃだめよ」


花屋の店員は、手がかからず緑が楽しめますと言っていた。

「話しかけながら、毎日お水をあげるときれいに育つって言うわ。女性と同じね。触れ合いながら、いつも好きだよとか、愛してるよって言うことが大事なのよ。ほったらかしておいたら、枯れちゃうんだから」

ユキのことを言っているわけではないと、解っていながら、胸が痛んだ。


ミソチゲの鍋が、ぐつぐつと音を立て始めた。

僕は、ふたり分の真空パックの白米を電子レンジに放り込んだ。


                                     


予想通り、僕の作ったミソチゲは、マリーから大絶賛された。

おかげで、僕は「料理上手な男」との評価を受けたが、それは、僕が作れるのは、ミソチゲだけだと言うことをマリーが知らないからだった。


食べてる間も、マリーのおしゃべりは止まらなかった。

仕事は何かと聞かれて、「照明監督」と答えると、「どんな仕事?」と身を乗り出してきた。

アメリカ人歌手のMに会ったと話してやると、驚嘆の声を上げた。


質問が離婚の原因に及んだ頃、僕はいよいよ潮時と思って、「食事が終わったら、帰れよ。今夜も仕事だろう?」と、言った。

「今夜は休み。じゃなきゃ、ソウルの町をのんびりうろついてないわよ。ここ片付けて飲もう」

「メシを食った上に酒まで飲む気か?」

「いいじゃん、一杯だけ」

そう言うとマリーは、汚れた食器を片付け始めた。


                                      


ダイニングテーブルから、ソファに場所を移して、マリーが作ったウィスキーの水割りに口をつけた。

「今度は私が答える番ね。何でも聞いて」


「年はいくつだ?」

「ノーコメント」

「何でも聞いてと言ったろう」

「質問を変えて」

「別にない」

「何か聞いてよ」


ユキと知り合った頃、ユキのことが知りたくてたまらなかった。

好きな色。

好きな季節。

好きな食べ物。

些細なことでも、僕にとってはどれも興味あるものだった。


「何考えてるの?」

「日本人なのか?」

僕は唐突に聞いてみた。


「ハーフ」

「ハーフ?」

「パパが韓国人で、ママが日本人。パパが仕事で日本に行った時、ママと知り合って。恋に落ちたの」


こんな偶然があるのか・・・。

動揺を悟られないように、僕は一気に水割りを飲み干し、マリーが2杯目のウィスキーをグラスに注いだ。


                                       


「パパがママを愛しすぎちゃって・・・」言いながら、マリーはクスっと笑った。

「結婚する前に私ができちゃったの。パパはあわてて韓国に帰って、お父さんとお母さん・・・つまり、私のおじいちゃんとおばあちゃんに結婚の許しをもらったのよ」


「それ・・・本当の話しなのか?」

「そうよ、どうして?」

「いや、別に」


一瞬、僕は、マリーがユキと僕の関係を全て知っていて、作り話をしているのではないかと思った。

「私は、韓国で生まれて、小学生まで韓国で育ったの。中学生になった時、パパの仕事の都合で日本に行って。今も、パパとママは日本で暮らしているわ。私だけが、また韓国に戻って来た・・・と、いうわけ」


「なぜ・・・?」

「う~ん、それは・・・話すと長くなりそうだから、今日は、やめておく。暗くならないうちに帰ろうかな」そう言いながら、マリーは立ち上がった。

僕は、思わずマリーの腕を掴んで「まだ、いいじゃないか」と言いそうになった。


「ミソチゲ、おいしかったわ。ごちそうさま」

「送っていくよ」

「ううん、いいの。ひとりで帰る。ここまでの道順を覚えておきたいの。また、来ていい?」

僕は、黙って頷いた。


                                     

「一番聞きたいことを忘れてた。忘れられないほど好きだった人とどうして別れたの?」

靴を履きながら、マリーは思い出したように言った。


即答できない僕に、マリーは、「答えたくない?」と聞いた。

「解らない・・・」

それが僕の正直な気持ちだった。


「解らない・・・?そうね。解ってたら、苦しんだりしないわよね」

「今日は、やけに素直だな」

「あなたを好きだと言ったでしょう。嫌われたくないもの」


マリーがドアを開けると、日没前の冬の風が舞い込んで来た。

それは、程よい湿り気と冷気を含んで、僕の頬を心地よく撫ぜた。


マリーの後姿を見送りながら、僕は少しの間、風の香りを楽しんだ。

 


2009/10/21 09:49
テーマ:創作の部屋 カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

創作の部屋~朝月夜~<44話>

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「あなたが好きなの・・・」

背後から聞こえたマリーの声は、数分前にきっぱりと僕を拒絶した声とは、別人のようだった。

目の前で、固く閉ざされた扉は、マリーの心そのままではなかったのか。


思考が混乱している僕に、マリーは言った。

「初めて会った時から、好きになったんだと思う。うまく説明できないけど」

通りすがりの男が振り返って僕たちを見ていた。


「離してくれないか・・・」

「いや・・・」

「人が見てる」

「構わない」

「僕は、困る」

想像もしていなかった展開を僕は、受け入れられずにいた。


「離してほしかったら、約束して。別れた人のことは忘れるって」

マリーの腕を振り解くくらい、簡単なことだったが、僕はそれをせず、「約束できない」と言った。

「そんなに好きだったの・・・?」

「ああ・・・」と、答えた。


ならば、別れなければよかったじゃない・・・。

僕は、マリーの次の言葉を予測した。

それは、僕の中で数え切れないくらい反芻した言葉だった。

そう問いかけられたら、今度も曖昧に「ああ・・・」と答えるだけだ。


ところが、マリーは「解った」と言うと、あっさり僕を解放した。

「ならば、忘れる努力をしたら?その方が利口じゃない?」

マリーの口調は、元に戻っていた。


                 


僕は、マリーに背を向けたままその言葉を聞いていた。

「相手にその気がないなら、追いかけるだけ無駄だと思うな」

断定したマリーの言い方が気に入らなかった。


振り向いた時、マリーと目が合った。

その視線を避けることなく、マリーは言った。

「離れて行った人への思いは、いずれ冷めるわ。そして、近くにある愛が欲しくなる。私は、あなたが好き。側にいて、いつもあなたを見ていたい。そんな愛が今のあなたには必要だと思うけど?」


どうしてそんな風に決め付けたような言い方が出来るのだろう。

その自信は何なんだ・・・?と、マリーに聞きたかった。

「お前に何が解るんだ?って、顔してる」

そう言いながらマリーは小さく笑った。


「恋愛に回数や年齢は関係ないわ。大事なのは、どれだけ深く愛したかってことよ」

言い返してやれ、どれだけユキを愛していたか、言ってやれ。

僕の中で、誰かが叫んでいた。


「続きは今度会った時ね。反論できるだけの言葉を用意して店に来て。待ってるから」

そう言い残すと、マリーはまたハイヒールの靴音を響かせて、階段を上がって行った。


僕がマリーにしたこと・・・それは、許されるはずのない行為だ。

なのに、「好きだ」と言ったマリーの気持ちが理解できず、靴音が部屋の中に吸い込まれるまで、僕はその場に立ち尽くしていた。


                  


マリーと別れてから、僕の頭の中には様々な思いが交錯していた。

確かめたわけではないが、見た限りマリーは僕より7~8歳は若いはずだ。

そんな年下の女と、恋愛論を戦わせるだけの暇も時間も僕にはない。

もちろん、店に行こうなどと言う気はまったくなかった。


しかし、僕が力づくでマリーを抱いた事実は消えない。

我、関せずで、背を向けるのは卑怯な気がした。

思いは、堂々巡りを繰り返していた。


                


年が改まって、数日が過ぎたあるの日、僕はマリーと再会した。

ソウルの街中のCDショップの前だった。

ショーウィンドーには、たくさんのCDがディスプレイされ、大型テレビには激しいリズムに合わせて踊るダンサーの姿が映し出されていた。


その画面をウィンドー越しに見つめる女・・・それがマリーだった。

最初は遠くから、黙って見ていた。

少しずつ近づいて行って、背後から声をかけた。


「おい」

「これでも私・・・ダンサーだったの。怪我してやめたけど」

驚いて振り向くマリーを想像していたのに、マリーは画面から目を離さずに言った。


「いきなり声をかけられて、驚かないのか?」

「さっきから、ずっと私を見てたでしょ?」

「見てない・・・」

「うそ。ガラスに映ってたもの」

なんだ、気づいてたのか・・・と、がっかりする自分がおかしかった。


「志しなかばで挫折しちゃった」

マリーらしくない言い方だった。

「昼ごはんは?」

「驕ってくれるの?」

「そのつもりで聞いた」


「ミソチゲ・・・それも、思いっきり辛いヤツ」

「メシの話になったら、元気になったな」

「私、元気なさそうに見えたんだ・・・」

そう見えたから、昼ご飯に誘う気持ちになったのだった。


                


「行こう」と言いながら、マリーは腕を絡めてきた。

「くっつくなよ」

「いいじゃん、誰も見てないもん」

確かに、マリーの言うとおり、道行く人々は僕たちのことなど、眼中になさそうに足早やに通り過ぎて行った。


目当ての店に行くと、昼時ということもあって店内はひどく混み合っていた。

思案した挙句、「ウチに来るか?」と、僕は言った。

「へぇ~意外な発言。そう言うこと絶対に言わない人だと思ってた。料理出来るの?」


「ミソチゲならそこら辺の食堂より、うまい。どうする?」

「襲ったりしない?」

「そう言うことを言うなら、昼メシはひとりで食べろ」と、僕は言いながら、やはりマリーはあの日のことにこだわっているのか・・・と思った。


「たとえ襲われても、今はミソチゲが食べたい」

「じゃ、決まりだ。まずは市場に行こう」

「え・・・っ?買出しに付き合うの?」

「嫌ならいい」


僕はひとりで歩き出した。

「もう~!待ってよ~。ホントにおいしく作れるの?まずかったら許さないからね!」

追ってくるマリーの声を聞きながら、僕の口元に思わず笑みがこぼれた。



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