2011/08/05 16:44
テーマ:徒然なる カテゴリ:趣味・特技(その他)

我を愛する歌 (啄木)

Photo

砂山の裾に横たわる流木に

あたりを見まわし

物言ひてみる







東海の小島の磯の白砂に

われ泣きぬれて

蟹とたはむる

詩人が歌ったその心を解釈しょうなんて邪道だと思っていたんですが、雑学程度には知っておくべきことも多々あるようで…
本音は思い込みや勘違いでもいいと思うんですけどね^^

例えば

「赤とんぼ」

  ♪~夕焼け小焼けの赤とんぼ 負われてみたのはいつの日か~♪

御多分に漏れず、daiwa流解釈は追いかっけこしながら見てたのかと思ってましたし^^; 
♪追われて見た~♪

上の「一握の砂」の有名な一首も、初めて詠んだ小6から高校生になるまでずっと、東海地方の白浜海岸を想像してましたが、実はそこは、函館大森海岸だと教えられた記憶があります。

それが最近読んだ本には、「東海の小島」そのものが「日本」をさしている、とも@@?
ずいぶん大きな話であるけど、異国人(呉英珍)の啄木研究家のこの弁、説得力ありました。

 誰そわれに  ピストルにても撃てよかし  伊藤のごとく死にて見せなむ

                     (1910年10月『創作』誌「九月の夜の不平」)

本棚の奥にあった啄木詩集(1983.2月29版)ではこの詩が、」同じ1910・10刊の「一握の砂・我を愛する歌」の中に収録されていました(???)
やっぱりこっちの編集のほうが変だし、信頼できないもの…vv


過去記事↓
http://blog.brokore.com/daimon-wa/tbpingx/5316.do


2011/07/22 13:34
テーマ:創作・短歌 カテゴリ:趣味・特技(その他)

水遊び(一人題詠ふたたび)

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宵待草 
「夢のふるさと」竹久夢二  



まてどくらせどこぬひとを宵待草のやるせなき。
こよひは月もでぬさうな
 



                今日の誕生花   まつよいぐさ 
                     花言葉   あなたを待っています
    
                 夕暮れを待って花開き、朝にはしぼんでしまうこの花を
                 竹久夢二は「宵待草」と呼びました。
                 名前と、月の下でひっそりと咲く姿から、恋人を待ち続ける
                 少し淋しげな美しい女性をイメージする花です

 
 
草の夢「夢のふるさと」竹久夢二


とけてきえゆく露ならば恋もわすれてありしもの
おもひみだるゝ人の子はながれのきしのしのゝめに昼はひるとて草の夢。







空晴れて虹の傘さし水遊び自由と燥ぐ言霊しぶき
和)
 







ひとり
「夢のふるさと」竹久夢二


人をまつ身はつらいものまたれてあるはなほつらし
されどまたれもまちもせずひとりある身はなんとせう。



いたみ
「夢のふるさと」竹久夢二
 

ほんとうの心はたがひにみぬやうに言はせぬやうに
眼をとぢていたはられつゝきはきたが
なにか心が身にそはぬ。

きのふのまゝの娘ならきのふのまゝですんだもの
なにか心が身にそはぬ
 

 
                                                   
 
 


2011/07/16 23:41
テーマ:創作・短歌 カテゴリ:趣味・特技(その他)

きらきら漂ふ言の葉あつめて

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君を見た気がした

今日初めて訪れた町で

まだ会ったこともない君に

髪の色も目も 唇の形も歩き方も 知らない君を

想像してみることもなかったけれど・・・
 
横断歩道に突っ込み過ぎた車を振り返り 優しく微笑んだ口元

目の前を足早に横切って行ったその姿は君を思わせた



  透き通った眼鏡の奥の黒い瞳は知的に澄んで

  
  炎天下日傘も刺さず涼しげに長い黒髪を靡かせていた


 ここにいるはずないと知りつ君住む南の空に思いをはせる









溺れるよ一度触れたら甘い罠そこは危ういと分かってたはず
 
 
 

  成熟の極みしるには 透明なその体には まだ早かったか





 
 

  

  水遊び熱い陽のもと虹も出る 君が浴びてたのは水か陽か








2011/05/11 09:52
テーマ:創作・短歌 カテゴリ:趣味・特技(その他)

朱夏

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円熟の極みを嗤っているかのような春の終焉


2011/05/10 06:18
テーマ:創作・短歌 カテゴリ:趣味・特技(その他)

耳鳴りじゃないから

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かおる風 あなたの上を吹きぬけた 微かにきこえ運ばれし声






独り題詠といきましょ
^^




 

かおる風 あなたの髪を弄ぶ 触れてみなよと秘かにさそう



かおる風 あなたの微睡妨げ 熱き思いに馳せろと急かす








2011/04/26 19:12
テーマ:チュモン少年のヰタセクスアリス カテゴリ:趣味・特技(その他)

朱蒙二次『チュモン少年のヰタセクスアリス』

Photo

(↑イルグクさん撮影;Twiterより)




いのちの誕生とともに

古の彼方から

繰り返されてきた営みも

現実と幻が交差する刹那がある




よしや

その刹那に堕ちようと

森羅万象の全ての神々は

恋人達のために

宴を開く


そして

恋人の

開かれたからだの源の畔を

神々達は

やさしく口づけをする

新たに生れ変わる歓びに

満ちて


溢れる泉のその瀬で

恋人の秘められていた花は

さらに色づき

大輪となって

神々達の新しい命を迎えるだろう





*°..:*°..:*°..:*°..:*°..:*°..:*°



  Ⅰ <光に犯されるユファ>




暁の ころかと見紛う 明るい晩 背の君思い 月夜の散策


しっとりと 触れてる様に 纏い付く 光を浴びて 恍惚なりし 


誘われ 部屋に入りしも 隙間より 這い入る光 艶かしくも


幾筋の 光が絡み 四肢捉え 月に向かいて あかされる足 








朱蒙神話より艶短歌風に妄想を馳せてみました.
卵を産む予定はありませんが…
まずはこんなところからはじめてみました。
毎回形式は変わります。
純文学風、詩小説風、3流官能小説風…気分が変われば云々^^


2011/03/27 19:46
テーマ:創作・小説 カテゴリ:趣味・特技(その他)

一万の夜を超え~流連~Ⅷ

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久しぶりに創作の更新です(約5か月ぶり!) こんなこともやってました^^;

イルグクさんとは全く関係の無い創作です
(スルーして下さいね^^;)

これが終わったら、朱蒙二次か人生画報二次小説の創作やりたいな・・・・と、

最近「宮」の二次にはまってます^^;
頭の中はエロチュモンか非情ヒョンシク(日本に逃避してた頃の妄想)でいっぱい^^;

でもここでやっちゃ抹殺されるよね^^
玄界灘に沈められること間違いなし@@;


 


そんな不毛な交わりだからこそより激しく求め合ったのかもしれない

僕たちは雪山で遭難でもしたかのようにぴったり抱き合ったまま眠ってしまったらしい。

しかしここは雪山ではなく、裸の若い肉体にはいささか熱すぎた。

べったりと汗ばんだ状態は、二人の眠りを妨げた

 
「ドラマのようにはいかないわね」 と、貴子は笑った。
 
彼女の体を拭く僕の手からバスタオルを取りあげると、僕の手を取り
 
「この手に一目惚れしたんだったわ」 と、いいながら、掌を自分の頬に当てた。

そして「まだ時間があるから、仕事場近くでシャワー浴びよう」と言った
 
「家で大騒ぎになってない?」

「ホテルに泊まってると思ってるし、ホテルでは自宅に帰ってると思ってるわ」
 
外はまだ暗かったが、安アパートの前に駐まっている赤いポルシェは、
以外にも街灯の下でも美しく、毅然と主を待っていた。
 
八王子インターを降りる頃白々と空が明けてきた。

久しぶりの朝焼けを見たような気がした。

インター出口すぐのホテルにそのまま入った。

派手な外観の建物にも負けない派手な車だが、誰にも会わないシステムになっている。

しかしあちこちの防犯カメラはしっかり僕たちを記録してるだろう・・・

その部屋にはこの手のホテルには珍しく大きな窓があった。

貴子はコートとサングラスをベッドの上に投げ置くと、まるで下着のモデルのように窓に近寄り、カーテンを大胆に開けた。
 
「えらい自信だな」
 
「こういうとこは見えないようになってるんでしょ」
 
「見せたい奴等用かもよ」
 
と、僕が笑って言うと今度はゆっくりカーテンを閉めた。
 
「どうせ私は見世物だけど、よっちゃんの裸は下らない輩には見せたくないわ」
 
「なんだそれ、俺が言うべき台詞だろう」
 
といいながら、全面ガラス張りの浴室の大きなバスタブにお湯を入れ、貴子を誘った。
 
「夏の頃より一段と立派な体になってるんだもの・・・ドキッとしちゃったわ。
男性モデル達は、この体を作る為にどれだけ努力してる事かしら。
事務所に紹介したいくらいよ。どう?今より良いお金になるかもよ」
 
「俺はいいよ。あんたにソンな力があるなら、ツガワ君紹介してやってよ、男前だし。」
 
「彼はもう大手に所属してるんでしょ」
 
「スタント事務所みたいだよ。しょっちゅう怪我してる・・・」
 
「そこまでいったら、あとは彼の運と運命次第ね。
でも、彼はもう出来上がってる感じだし、あのカオならタッパも欲しいとこかな。」
 
少しおどけた感じで,僕の背中にしなだれた。

もう下着は身につけていないようだった。
 
「女がしがみつきたくなる男って,こんな男・・・」
 
「現場のパシリだから、コマゴマした力仕事はけっこう良い肉つくみたいだよ。
オヤジさん達にはナヨナヨのヤサオって言われてるけどね。
突っ立ってると電柱と間違えるから,さっさと動け!
ってね。
でも、仕事が終わった後はみんな優しいんだよ、これが!」
 
軽く振り返り、少しひんやりしている高い鼻のてっぺんにキスをした。
 
「今でもソープに連れてって貰ってるの?由美ちゃんは最近ずっと来てないって言ってたけど」
 
「会ったの?なんで?」
 
「うん、一昨日ね。通用口まえの怪しげな茶店で朝から待ち伏せしようとしたら、その前に出てきたわ。
水戸黄門のお銀に似てるから由美、って言ってたでしょ?ほんとにそっくりで笑ちゃった」
 
「だから、なんで?」
 
「文字通り一から、手取り足取り教えて貰ったというセックスの師匠に会ってみたかったし、それに、アメリカに行く前によっちゃんにも会いたくなって・・・偶然を装う計画してたの」
 
「偶然再会計画?」
 
「婚約者のいる女になんて会ってくれないだろうし、自分から、結納前日に他の男に会いに行くなんて破廉恥な事も出来ないでしょ?」
 
「来たじゃん。それに、俺を買いかぶりすぎだよ.。
あんたに呼ばれりゃ、すぐしっぽ振って飛びつくよ」
 
「ふふ、そうかなあ・・・・彼女とよっちゃん話で盛り上がってたら、どうしても会いたくて我慢出来なくなっちゃった」
 
「結婚したくないの?悩みすぎてこんなに痩せちゃったわけ?松葉ガニと戯れてるみたいだよ、仕事柄かと思ってたけど・・・」

「松葉ガニって・・・ひどいなあ。由美ちゃんみたいに色白で少しふっくらしたのがいいんでしょ?」
 
ソープ嬢の話をしながら泡だらけにした僕の体にふざけるようにシャワーを掛け、そして、大きく息をついた。
 
「10年前から決まってたことで深く考えないようにしてたから、よく分からない。
好きでも嫌いでもないし、それに
今、彼も切ない恋をしてるみたいだし、私と出会う前からの恋人と・・・」
 
「えつ?」
 
ニッと笑って、バスタブの淵に座らせた僕の膝上に跨いで座り、頬を肩に寄せた。

まさに松葉ガニ状態だ。
 
「私が一言”婚約破棄!”って、言ってしまえば男女の事だけなら一件落着なんだけどね、一件だけじゃねえ・・・」
 
「貴子はもう婚約者のこと好きなんジャン。
俺を間男にすることで自分を誤魔化しるだけじゃないのか」
 
「ううん、最初からお兄様みたいな人。
彼女も私の家庭教師だったから、よく知ってるの。
当時大学生だったけど、知的で優しく、機知に富んでて初めてのディスコにもこっそりつれてってくれたわ。
私はまだ16歳だったけど体が大きいせいか、子供にみられることなかったしね。
大好きだったから彼女のあとをいつもくっついてて、その頃彼にも会ってるはずなのに全くお互い気付いてないの、こんなに目立つ大きな体にも気付かないほど彼はその頃から、彼女しか見ていなかったのね。
映画みたいな人達でしょ?」
 
悲しい嘘をついている貴子が、16歳の少女の様に見えた。

貴子はその彼に会いたくて、大学生の家庭教師について回ってたのだろう。
 


2011/02/13 17:04
テーマ:創作・短歌 カテゴリ:趣味・特技(その他)

乙女心よ軽やかなれ!

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恋をして初めて気付くさが故に 乙女心よなお軽やかに

少し愛で少しささやく もっともっとと欲張りな夢


2011/01/26 10:49
テーマ:創作・詩 カテゴリ:趣味・特技(その他)

眩影

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項を支える長い指先が 少し冷たく
 
ひんやりした高い鼻先が 頬にあたる
 
女子にも及ばぬ 艶やかな唇から洩れる 白い息
 
 
 
もう、これ以上 立って いられそうもない

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2010/11/16 13:26
テーマ:創作・短歌 カテゴリ:趣味・特技(その他)

恥知れば

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生きるほど太く琢磨し心へと
 
折れる日あらば身から出た錆


2010/11/09 17:58
テーマ:創作・短歌 カテゴリ:趣味・特技(その他)

味方だよ・・・

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陽に向かい
 
瞼を閉じてみてごらん
 
心折れたら・・・
 
ほら、森の中


2010/10/31 02:13
テーマ:創作・小説 カテゴリ:趣味・特技(その他)

一万の夜を越え~流連~Ⅶ

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<Ⅶ>
 
貴子だ。
大手アパレル会社の一人娘ということだが、彼女自身が専属モデルでもあった。
 
「おう、久しぶり、こんな時間にどうした?結婚したんだろ?」
 
「ううん、明日結納式、もう今日だけど・・・婚約パーテイってやつ?」
 
「だったらさっさと帰って寝ないと、肌ボロボロになるよ」
 
「なんか凄く冷たい!ほんとに彼女連れ込んでるの?」
 
「誰もいないよ、心配して言ってるんだよ。」
 
「そうだったわね、ヨッチャンはいつも怖いくらい優しすぎる人だったもんね。変わってなくて良かった・・・・   

ヘンな女に振り回されていない?」
 
「今、あんたに振り回されそうな予感がしてるけどね・・・・」
 
貴子とは、今年の秋の始め頃まで付き合っていた。
僕としては付き合っていたといえるのかどうか、兎に角棲む世界が違いすぎるのだが、いつも僕に合わせてくれていたのか、高級外車を除けば違和感はなく、こんな派手な毛皮のコートなど着ることもなかった。
 
「当たり!若い男と浮気したくなっちゃった・・・でも、まだ浮気じゃないよ。」
 
「そんな女じゃないだろう、自分を責める様になることは止めな、もう・・・」
 
「もう・・・・優しいのか冷たいのか、女を寒い玄関で立たせたままで・・・私今日
29歳の誕生日なの」
 
人の話し聞いてない。
 
「誕プレ代わりには抱けないよ。今の俺は女なら誰でもいい状態だから、すぐに帰って」
 
少し虫の居所が悪かったことも手伝って、冷たく言い放ったつもりだった。

かなり参った感じの貴子が痛々しくも愛おしくなったが、部屋に入れてしまうと余計に彼女を傷つけてしまうことになるだろう。
 
「明日ドカタのバイトがあるから朝早いんだよ、そっちだって早くから準備するんだろ」
 
「じゃ、現場近くのラブホ行こう!女なら誰でもいいんでしょ?私は今、ヨッチャンじゃなきゃダメなの」
 
そう言って、いきなりディープなキスから嗾けてきた
かなり高いヒールのブーツを履いているので、顔の位置が殆ど変わらずあまりにも挑発的な瞳が近すぎて、目を合わせられないでいた。
背の高い彼女がハイヒールを履くときは、弱気になっている時だと言っていた。
僕にはどうしてあげることも出来ず、彼女を強く抱き寄せ、僕の口の中でも行き場を失って暴れている舌先を捕らえて、静かに吸った。
固くなっていた体が緩んだとき、離そうとしたらまた、強く吸い付いてきた。
まずい!と思った。
彼女を気遣う余裕などなくなった。
さっき自己処理の途中だったのだ。                
痛いだろうぐらいに短く吸いかえして、顔を離した。
 
「やばいよ!こんないい女にいきなりこんなことされちゃ・・・・・出ちゃうよ。」
 
ご機嫌を伺うように覗き込みながら、後の一言は耳元で小さく囁き、軽くキスをして身体を離した。
 
「ちょとまってて、着替えてくるから、出よう。」
 
貴子は振り返ろうとした僕の腰を再び捕らえ、「いいの、大丈夫だから」と、
言いながらコートの前をゆるめると、小さな下着だけが、ちらりと見えた。
跪きながらブーツを脱ぐと、僕のジャージも脱がした。
なさけないほどあっさり秒殺された。
既に裸の僕は、彼女のコートを脱がせて、抱き上げ布団の上に静かに下ろした。
コートも上等なら下着も上等そうだ。
付き合ってた頃はいつもシンプルだったが、長い手足には白い綿シャツや、TシャツにGパンという姿が、まぶしいくらい似合っていたし、かえって目立ってもいた。

シーズンオフ近いスキー場で出会い、その日のうちに付き合いが始まり、
東京に戻っても会えばホテルに行ってたが、僕の部屋に入ったのはこれが初めてだった。
そして、最後になるだろう。
 
「お嬢様、こんなところですが・・・・・」
 
心に想う女性がいながら、今、別の女を 愛おしいと思い抱こうとしている。
それは、貴子も同じかもしれない。
もう今日の夜には夫となるべく男に抱かれるのだろうから。


2010/10/30 16:47
テーマ:創作・小説 カテゴリ:趣味・特技(その他)

一万の夜を越え~流連~Ⅵ

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<Ⅵ>
 
翌日、夜のバイトが終ってから、潤一郎君が「じゃむ」に誘った。
特別な事が無い限り、早めに店が終った日は、当然のように、いつもここに来ていたのだが、店の女将さんが、息子の潤一郎君に、僕を夜遊びに連れ回すなと窘めたらしい。
悪戯をしたやんちゃな子供が、母親の目を盗む様に、僕達は勝手口の奥から抜け出してきた。
「じゃむ」のドアを開けるとすぐに、またイメージの違う厚化粧の彼女が視界に入った。
心臓が高鳴った。
 
「いるよ」
 
と、言って潤一郎くんが彼女達に向かって軽く手を上げた。
彼女とレイちゃんの他に男が一人いた。
昨夜ともに一晩過ごし、軽く冗談も言い、食事をして昼過ぎまで一緒にいた相手なのに、
今はすっかり平静心を失っていた。
潤一郎君の声が遠くに聞こえる。
20分ほどでもう一人男が入ってきた。
彼女の顔がパッと明るくなり、その前に座った。
如何にもモテそうな優男だ。
続けて、アツシが入ってきた。
店内を見渡し(ここの常連の共通仕草である)、彼女達に気が付くと元気に声をかけた。
 
「ダブルデートぉ、いいなあ」
 
アツシがうらめしく思えた。
 
「冗談じゃないよデートだなんて!ナゴムちゃんはともかく、レイちゃんは彼氏いないって

言ってたんだから・・・!」
 
「あれ?いい女には男の一人や二人いて当たり前って、言ってたのはマスターじゃなかったっけ」
 
「男のクセにブラッディマリーなんか飲みやがって・・・タバスコでも入れてやれ!」
 
「あ、それ美味いんですよ!」
 
僕はマスターをからかう積りで言ったのでは無く、それは、昨日の彼女の言葉だった。
耳の後側でずっと彼女の気配を感じていた。
みんなで茶化したが、マスターは本気で妬いてる様だ。
しかし、一番のピエロは僕だった。
いた堪れなくなってきた。
 
「アツシ、送ってくれないか」
 
「いいですけど、もう帰るんですか」
 
「おーい、逃げんなよ~吉岡良男!ホントは俺の気持ち一番解ってんだろ~?」
 
「マスター、マスターなんだから飲みすぎないでね」
 
僕はドアノブに手をかけたまま、めいいっぱい明るく答えたが、振り向けなかった。
パートに戻ってもずっと気になっていた。
自分自身のの曖昧な態度にも苛立っていた。
出会って一週間、数回会っただけの女にこれほど動揺した事があっただろうか。
今まで、女の子に対して、好きとか嫌いとか、愛とか恋とかいった感情で接していなかった事に、初めて気付いた。
可愛い女の子や自分を好きになってくれる女の子はみんな好きだったし、セックスの最
中なら、ソープの女とだって愛を語ってきた。
思春期の頃のあの想いが、初恋というなら、この感情はそれにも似ているかもしれない。
眠れないまま、悶々としていたら電話のベルが鳴った。
”彼女だ"と思った。
せわしなく動いていた左手を止め、3回リンガーを鳴らしてから受話器を取った。
レイちゃんからだった。
 
「寝てた?ごめんね、でも、怒っちゃったのかと思って、気になったから・・・」
 
「怒るって・・・俺がナンデ?」
 
「不愉快にさせたみたいだから、すぐ帰っちゃったみたいだし・・・本気になる前に敵を見せておいた方が言いかと思ってね。あなた達がまかり間違っても付き合ったりしないように、おせっかいかなと思ったら、ただのイヤなオンナやっちゃっただけだったわ。彼はね、本当にいい奴で真面目で純情で、真剣に彼女のこと想ってんだよ。貴方達の様にゲームで恋をするような人種じゃないの。彼女だってそうだよ。」
 
「彼女がなんか言ってたの?」
 
「そっこが問題なのよう!みんな私のカンと大きなお世話・・・ちょっとまって、今代わってあげる」
  
心臓がまた激しく波打った。
 
「こんばんは、元気?」 
 
少し間があった。
 
「最初から最後まで無視したまま帰っちゃうのね」
 
「そっちだって無視してただろう。楽しそうに彼氏といる女に声掛ける訳にいかんだろ」
 
「礼儀は礼儀でしょ.シカトした上にさっさと帰ったあなたを彼は疑ってたわ」
 
「疑うって、それはあんたらの問題だろ、。疑われるようなこともしてないし」
 
「彼にとって、私が誰かと何かした、ではなくて、私に何が起きたのかが問題なの。

私が何かに揺れてるってことが許せないみたい」
 
揺れてるって言葉にときめいた。”俺に?”
 
「オトコまだ店にいんの?」
 
「いる」
 
「帰せよ、これからそっちに行くから。20分以内に帰しとけよ。あんたに話したいことがある」
 

「そういうわけにいかない、怖い顔でこっち見てるし・・・一緒に帰るから。とりあえずちゃんと声が聞けたか  ら今晩は眠れるヮ」
 
「なに挑発的なことばっかり言ってんだ、絶対待ってろよ」
 
”声が聞けた・・・って”
 
店に戻ったのはちょうど2時だった。レイちゃんだけで他に客はいなかった。
 
「さっき帰ったばかりだから、駅辺りでシュラバになってんじゃないかと・・・・・」
 
ヨッシーほんとに戻ってきたんだー、しょうがないよ、こればっかりは、な」
 
「せっかく出直ししてきたんだから、飲みに行きましょう」
 
と店員のヤツモト君が言ったが
 
「いや、帰るよ」
 
「ナゴムんちいったら駄目だよ」
 
「行かないよ」
 
さっきの彼女の電話での挑発的な言葉は、思い上がりだったのか・・・
恋愛ごっこは、いつも成り行き任せだった。
チャリで戻ってくる間にも、レイちゃんの言うように、途中で会った時の事も想定しながら、心はどこか燥いでいたのに、空振りとなって、一気に萎えた。
アパートに戻っても、ふたたび悶々としてきた。
”眠れそうにないな”
その時、ドアが小さくトントン鳴った。
ドキッとしたが彼女はこの部屋を知らないし、突然来るのは兄貴か酔っ払った友人達だ。
ジャージだけ履いて玄関ドアを開けた。
毛皮のロングコートを着た、スラリと背の高い女が立っていた。

「どうしちゃったの?鍵なんかかけちゃって、女の子でも珍しく連れ込んでる?」
 


2010/10/17 14:13
テーマ:創作・詩 カテゴリ:趣味・特技(その他)

此処あるもの

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わたしはここにいる
 
いつでもここにいる。
 
何処にいても
 
いつも此処にいるのは私一人。
 
誰といても、何をしていても、
 
私は一人で此処にいる。
 
孤独の意味を知り
 
孤独の脆さを知った
イメージ 1


ウチの一番下のバカ息子リオン(ウェリッシュコーギー6才半)がまた家出しちゃいました

逃走はしょっちゅうで、もう大人なんでほっときゃ帰ってくるんですが、

いまはすぐに通報されちゃうんですね

警察のお世話に2回、遠く離れた八王子の保護センター迄迎えに行ったことも・・・

これは未だに疑問なんです

ほんのチョとの間に地元に何の通報も無くいきなりセンター行き

近隣の警察にも市役所にも通報が無いので、娘がネットで迷子犬を検索したら、

いなくなったその日に載ってた!

警察も保健所も違うと思いますよっていってたけど、

特徴が一致してたので一応確認に・・・

間違いありませんでした。

もうずっとそこにいなさい!って言ったらシュンとして、

しばらくおとなしかったんですが・・・
 イメージ 1
↑ ともに体重12キロぐらいの頃
もうすぐ4歳のの頃の息子と4ヶ月のリオン 
人間様はこのあとすぐ追い越された
今でも5~6キロしか違わないけどね
ちびながら35cm身長伸びてるのに
             深夜に逃走しちゃいました最近愛情不足なのね・・・ゴメン


2010/10/13 07:54
テーマ:創作・詩 カテゴリ:趣味・特技(その他)

いにしえの果てより

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いのちの誕生とともに
 
古の彼方から
 
繰り返されてきた営みも
 
現実と幻が交差する刹那がある
 
 
 
 
よしや
 
その刹那に堕ちようと
 
森羅万象の全ての神々は
 
恋人達のために
 
宴を開く
 
 
そして
 
恋人の
 
開かれたからだのの畔を
 
神々達は
 
やさしく口づけをする
 
新たに生れ変わる歓びに
 
満ちて
 
 
溢れる泉のその瀬で
 
恋人の秘められていた花は
 
さらに色づき
 
大輪となって
 
神々達の新しい命を迎えるだろう


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