一万の夜を超え~流連~Ⅷ
久しぶりに創作の更新です(約5か月ぶり!) こんなこともやってました^^;
イルグクさんとは全く関係の無い創作です
(スルーして下さいね^^;)
これが終わったら、朱蒙二次か人生画報二次小説の創作やりたいな・・・・と、
最近「宮」の二次にはまってます^^;
頭の中はエロチュモンか非情ヒョンシク(日本に逃避してた頃の妄想)でいっぱい^^;
でもここでやっちゃ抹殺されるよね^^
玄界灘に沈められること間違いなし@@;
Ⅷ
そんな不毛な交わりだからこそより激しく求め合ったのかもしれない
僕たちは雪山で遭難でもしたかのようにぴったり抱き合ったまま眠ってしまったらしい。
しかしここは雪山ではなく、裸の若い肉体にはいささか熱すぎた。
べったりと汗ばんだ状態は、二人の眠りを妨げた
そして「まだ時間があるから、仕事場近くでシャワー浴びよう」と言った
「ホテルに泊まってると思ってるし、ホテルでは自宅に帰ってると思ってるわ」
以外にも街灯の下でも美しく、毅然と主を待っていた。
久しぶりの朝焼けを見たような気がした。
インター出口すぐのホテルにそのまま入った。
派手な外観の建物にも負けない派手な車だが、誰にも会わないシステムになっている。
しかしあちこちの防犯カメラはしっかり僕たちを記録してるだろう・・・
その部屋にはこの手のホテルには珍しく大きな窓があった。
貴子はコートとサングラスをベッドの上に投げ置くと、まるで下着のモデルのように窓に近寄り、カーテンを大胆に開けた。
事務所に紹介したいくらいよ。どう?今より良いお金になるかもよ」
でも、彼はもう出来上がってる感じだし、あのカオならタッパも欲しいとこかな。」
もう下着は身につけていないようだった。
突っ立ってると電柱と間違えるから,さっさと動け!ってね。
でも、仕事が終わった後はみんな優しいんだよ、これが!」
あんたに呼ばれりゃ、すぐしっぽ振って飛びつくよ」
「松葉ガニって・・・ひどいなあ。由美ちゃんみたいに色白で少しふっくらしたのがいいんでしょ?」
好きでも嫌いでもないし、それに今、彼も切ない恋をしてるみたいだし、私と出会う前からの恋人と・・・」
まさに松葉ガニ状態だ。
俺を間男にすることで自分を誤魔化しるだけじゃないのか」
彼女も私の家庭教師だったから、よく知ってるの。
当時大学生だったけど、知的で優しく、機知に富んでて初めてのディスコにもこっそりつれてってくれたわ。
私はまだ16歳だったけど体が大きいせいか、子供にみられることなかったしね。
大好きだったから彼女のあとをいつもくっついてて、その頃彼にも会ってるはずなのに全くお互い気付いてないの、こんなに目立つ大きな体にも気付かないほど彼はその頃から、彼女しか見ていなかったのね。
貴子はその彼に会いたくて、大学生の家庭教師について回ってたのだろう。
一万の夜を越え~流連~Ⅶ
ヘンな女に振り回されていない?」
29歳の誕生日なの」
かなり参った感じの貴子が痛々しくも愛おしくなったが、部屋に入れてしまうと余計に彼女を傷つけてしまうことになるだろう。
言いながらコートの前をゆるめると、小さな下着だけが、ちらりと見えた。
シーズンオフ近いスキー場で出会い、その日のうちに付き合いが始まり、
東京に戻っても会えばホテルに行ってたが、僕の部屋に入ったのはこれが初めてだった。
一万の夜を越え~流連~Ⅵ
特別な事が無い限り、早めに店が終った日は、当然のように、いつもここに来ていたのだが、店の女将さんが、息子の潤一郎君に、僕を夜遊びに連れ回すなと窘めたらしい。
今はすっかり平静心を失っていた。
言ってたんだから・・・!」
中なら、ソープの女とだって愛を語ってきた。
心臓がまた激しく波打った。
私が何かに揺れてるってことが許せないみたい」
「どうしちゃったの?鍵なんかかけちゃって、女の子でも珍しく連れ込んでる?」
流連~プロローグ~
一万の夜を越え~流連~
さすが!ヒジカタさん!力持ちだね~」
すっかり見透かされてる様だ。
でもね、私痩せてないし・・・結構体重あるの、コンプレックスだもん
この前、酔いつぶれたアツシ君を、ヒョイと肩に担いでたでしょ。
カッコイイーって女子が騒いでたよ。
もう好きにして!ってなかんじ・・・・・」
泊り込んどいて言うのも変だけど、彼氏いるのに男連れ込んじゃダメだよ。」
朝ごはん食べてって、夕べ作りすぎた牡蠣ピラフがあるの。」
明るい笑顔を消してしまった。
それだけで、少しほっとしながらも何故か動揺していた。
あっという間に出てきた豆腐とワカメの味噌汁も旨かった。
彼女が何も特別な事を聞いてこないので、僕も何も聞かなかった。
白い電話機が気になってしょうがなかったくせに・・・
それでも、食事をしながら他愛のない会話は弾み、電話番号どころか名前さえちゃんと
聞けないまま、一時過ぎに分かれた。
殆ど学校には行ってなかった為、心配してくれた彼等は、
ノートやら資料やらを持って来てくれた。
1年からの学長ゼミの仲間だったが、僕は3年になる前に除籍になっていたが、
このままでは、ゼミどころか学校まで危なくなるぞと、
彼らは親切にもノートを運んでくれるのだ。
こんないい奴等を、又裏切ろうとしていた。
一万の夜を越え~流連~
~Ⅳ~
次の日料理屋のバイトが終ってから”じゃむ”へ行った。
彼女に会いたいと思った。
昨夜遅くまで遊んでいたせいかいつもの連中はいなく店は空いていた。
彼女も来ていなかった。
僕は彼女の情報を引き出すため、さかんに麗ちゃんを話題にし、呼出すことを提言した。
「本気になったか?彼氏いるぜ」
「そんなんじゃないけど・・・せっかく明日はゲンバ休みだし・・・」
無理にはぐらかそうとしたが、マスターは察知していた
「いいよ麗ちゃんに電話番号聞いてみるよ。津川君は知ってたみたいなのに、
聞いてないの?かっこばっかしつけてないで、そんなのはまず基本だよ」
麗ちゃんが友人の電話番号を簡単に教えるとは思えなかったが、
マスターが電話する
と、十二時過ぎだというのに彼女もそこにいた。
直ぐに二人でやってきた。
彼女は初めてあった時と同じ様なラフな服装だったが、とても可愛く見えた。
客もいなくなったので早々に店を閉め、四人で、昨日行った小料理屋”いがぐり”に
行くことにした。
明け方近くまでかなり飲んだ。
何を話してたのか、取るに足りない会話が余程楽しかったのか、瓶ビール何本か
のあと4人で一升瓶3本空けたが、誰も悪酔いさえしていなかった。
女子学生に人気らしい可愛い三角屋根の国立駅で、マスターたちと別れた。
タクシーを見送った後、急に酔いが回った来た感じだったが、彼女の肩を抱き寄せ
「寒くない?送るよ」と、気取ったつもりが、
30㎝程の身長差のある彼女の肩に凭れるような格好となってしまった。
「酔ってんの?か弱い女の肩に体重預けないでよね」
可愛げない物の言い方をする子だ
「何でさっき、一緒にタクシーで行かないの!送ってくれなくて結構だけど
私の部屋、直ぐそこだから、少し横になってけばいいわ。
これじゃきっと、道端で寝ちゃいそうだしね。
凍死でもされちゃ寝覚めが悪いし・・・」
と言いながらも、彼女はその華奢な肩にめいいっぱいの力を込めていた。
部屋に入ると直ぐ玄関脇の台所で、ジョッキ一杯の水を渡され、一気に飲めと促された。
「ベッドでゆっくり寝ていいわよ。私は炬燵で寝るから」
同じ年でそんなアラレちゃんのようなキャラでお姉さんぶられても、
余計に可愛く思えて苦笑してしまった。
シーツ取り替えるね、と言いながら背を向けた彼女を後ろから引き寄せて、
唇が触れた瞬間、平手打ちで突き放す様にぶたれた。
酔ってる足元が少しヨタついた。
「何すんの!?びっくりするでしょ!」
びっくりしたのはこっちだ!と言いそうになった。
学生と雖も、二人とも22歳の大人で、たぶんお互い憎からず思っている男と女で、
しかも、部屋に招き入れられて、挙句、殴られるとは・・・
「キスだけだよ、俺、酔ってちゃそれぐらいしか出来ないけど、何ブリってンだよ!」
「だけ?ぐらい?アンタのような男にはそうなのかもしれないけど、キスが一番大事の!」
いつもなら此処で帰るところだ。
もったいぶる女はめんどくさいし、強引は性に会わない
(と、謂うより出来ないのだが・・・)
彼女にも追い返す素振りはなかった。
僕は、お姉さんに逆らって叱られたやんちゃな弟の様に、素直に謝っていた。
ベッドを整えると、僕にそこで寝ろと、しつこく勧める
「昼も夜も働いてるんでしょ。そのうえ、毎晩飲み歩いちゃってさ。いつ寝てんの?
いくら体力に自信あったって身体壊すよ。
今日仕事ないんだったら、ゆっくり眠ってて構わないから」
「俺が炬燵でいいよ、親切に甘えさせてもらって、ちょっと仮眠したら出てくからさ。
昼過ぎに約束もあるし」
そういいながら炬燵に入った。
彼女も水を持って炬燵に入ってきた。
「少しでもいいから、ベッドで寝た方が疲れ取れるよ」
僕は、左手で頬杖をついたまま、彼女の肩に右手を置いた
「添い寝してくれる?寒いよ・・・」
「いや」
「じゃ、このままでいい・・」
ホントにそのまま眠ってしまったらしい。
昼近くにベッドの中で目が覚めた。
二日酔いもなく妙にスッキリしていてが、暫く自分のいる場所が掴めなかった。
炬燵で寝ている彼女を見つけ、やっと吾に還った
其の儘にして帰るには忍びなく、せめてベッドに移そうと抱き上げた。
(可愛い・・・)
やばい!これは酷だ!殴られようが蹴られようが・・・!
これを我慢できる男がいるか!!
一万の夜を越え~流連~
~Ⅳ~
次の日
料理屋のバイトが終ってから”じゃむ”へ行った。
彼女に会いたいと思った。
昨夜遅くまで遊んでいたせいか、いつもの連中はいなく店は空いていた。
彼女も来ていなかった。
僕は彼女の情報を引き出すため、さかんに麗ちゃんを話題にし、
呼出すことを提言した。
「本気になったか?彼氏いるぜ」
「そんなんじゃないけど・・・せっかく明日はゲンバ休みだし・・・」
無理にはぐらかそうとしたが、マスターは察知していた
「いいよ麗ちゃんに電話番号聞いてみるよ。
津川君は知ってたみたいなのに、聞いてないの?
かっこばっかつけてないで、そんなのはまず基本だよ」
麗ちゃんが友人の電話番号を簡単に教えるとは思えなかったが、マスターが
電話すると、十二時過ぎだというのに彼女もそこにいたらしい。
直ぐに二人でやってきた。
彼女は初めてあった時と同じ様なラフな服装だったがとても可愛く見えた。
客もいなくなったので早々に店を閉め、
四人で、昨日行った小料理屋”いがぐり”に行くことにした。
明け方近くまでかなり飲んだ。
何を話してたのか、取るに足りない会話が余程楽しかったのか、瓶ビール何
本かのあと4人で一升瓶3本空けたが、誰も悪酔いさえしていなかった。
女子学生に人気らしい可愛い三角屋根の国立駅で、マスターたちと別れた。
タクシーを見送った後、急に酔いが回った来た感じだったが、彼女の肩を抱
き寄せ「寒くない?送るよ」と、気取ったつもりが、
30㎝程の身長差のある彼女の肩に凭れるような格好となってしまった。
「酔ってんの?か弱い女の肩に体重預けないでよね」
可愛げない物の言い方をする子だ
「何でさっき一緒にタクシーで行かないの!
送ってくれなくて結構だけど、私の部屋、直ぐそこだから、少し横になってけばいいわこれじゃきっと、道端で寝ちゃいそうだしね。
凍死でもされちゃ寝覚めが悪いし・・・」
と言いながらも、彼女はその華奢な肩にめいいっぱいの力を込めていた。
http://blogs.yahoo.co.jp/yuukihmrg/15914796.html
↑
Ⅰ~Ⅳを纏めてお読み頂ける方はこちらへもどうぞ 、読みやすい
かと思います
画像は多少違いますがブログの内容は殆ど同じですけど・・・
一万の夜を越え~流連~
「いつもあとからやってくるのね。」
彼女が初めて(の様な気がした)僕に声をかけてきた。
レイちゃんが席を立ち、その後ろから覗き込むようににっこり微笑んで、
”コンニチハ”といった風な会釈をして、今空いた席を促した。
<Ⅲ>
あ・・エツコちゃんもユリちゃんもスッごく可愛いんだけど、でもね、
わかるんだなあ、これが!」
得意気にマスターが言うと、
だけど、悪いけどもうそんな遊び止めたよ。
と、津川君が言った。
危うく皆の思惑に填りそうだった。
俳優を目指す彼には、恋のゲームも修行か何かだと考えていた。
「マスター独りで盛り上げってるだけじゃないの。 だいたいねぇ、
ナゴムには誠実な彼氏がちゃんといるんだからね。」
レイちゃんがそう言うと、彼女の顔が少し翳ったように見えた。
そんなこと関係ないじゃん、楽しければいいんだよ!」
「この店は安くて気楽だから来てるんで、あなたたちがいつも
遊んでる女達と一緒に しないで欲しいものだわ。
私なんだからね!」
「それは、ナゴムちゃんと彼氏との問題であって、レイちゃんには
関係ないことだよ 。」
あるって言ってんのよ!」
マスターとレイちゃんの言い争いが始まった。
何時もの事なのか、アツシだけがオロオロしながら取り持とうとしていたが、皆、面白がって聞いていた。
何かと何時も仲裁役の順一郎君も相手にせず、
口論の原因である彼女さえ、口を挟もうともせず、ついには、
パーティーゲームを始めていた。
ドンとグラスをテーブルに叩き付けるように置くと、レイちゃんが、
店から走り出ていった。
直ぐにマスターも謝りながら追いかけて行く・・・
一瞬は呆気に取られていたが、主のいない店で、勝手に飲んで遊ぶのは、僕等には別段珍しい事ではなかった。
彼女にとっても、友人のその行動は珍しいことではないらしく、
「あらま、」と言っただけで、再びゲームに戻り陽気に燥いでいた。
三十分ほどしてから電話が鳴った。
マスターからだ。
仲直りしたらしく、近くの小料理屋「いがぐり」にいるから、
店を閉めて皆で来いという事だったが、僕等は其の儘ゲームを続け、切りのいいところでお開きとした。
この店のアッシーでもある19歳のアツシが、女の子たちを車で送って行ったが、彼女は、レイちゃんのバックを届けに行くと言うので、僕とヤツモト君も一緒に、<いがぐり>に行く事にした。
つづく
一万の夜を越え~流連~
<Ⅲ>
「いつもあとからやってくるのね。」
彼女が初めて(の様な気がした)僕に声をかけてきた。
レイちゃんが席を立ち、その後ろから覗き込むようににっこり微笑んで、
”コンニチハ”といった風な会釈をして、今空いた席を促した。
「これで久しぶりに面白くなりそうだ。なっ!好みだろ?
あ・・エツコちゃんもユリちゃんもスッごく可愛いんだけど、でもね、
津川君とヨシオカは女に関しちゃライバルなんだよねえ・・・わかるんだなあ、
これが!」
得意気にマスターが言うと、
「やけに楽しそうだねマスター。だけど、悪いけどもうそんな遊び止めたよ。
これからは真面目に女の子と付き合うことにしたんだから。頼むからチョッカイ
出さないでくれよな。」
と、津川君が言った。
それは俺の台詞だ!と言いそうになり、慌てて言葉を呑み込んだ。危うく皆の思惑に填りそうだった。
俳優を目指す彼には、恋のゲームも修行かなんかと考えていた。
「おっ、始まったよ、それも殺し文句だね。」
「マスター独りで盛り上がってるだけじゃないの。
だいたいねぇナゴムには誠実な彼氏がちゃんといるんだからね。」
レイちゃんがそう言うと、
気のせいか彼女の顔が少し翳ったように見えた。
「そりゃあこんだけ可愛いんだから彼氏の一人や二人いるでしょう。
そんなこと関係ないじゃん、楽しければいいんだよ!」
「この店は安くて気楽だから来てるんで、あなたたちがいつも遊んでる女達と
一緒にしないで欲しいものだわ。
ナゴムが変な事に巻き込まれたりしたら、彼に責められんの私なんだからね!」
「それは、ナゴムちゃんと彼氏との問題であって、レイちゃんには関係ない
ことだよ。」
「こんないい加減なところに連れて来た事が、私にも責任があるって言ってん
のよ!」
マスターとレイちゃんの言い争いが始まった。
何時もの事なのか、アツシだけがオロオロしながら取り持とうとしていたが、
皆、面白がって聞いていた。
何かと何時も仲裁役の順一郎君も相手にせず、口論の原因である彼女さえ、
口を挟もうともせず、ついには、パーティーゲームを始めていた。
「なんで貴方はそーなわけ!」
と、ドンとグラスをテーブルに叩き付けるように置くと、
レイちゃんが、店から走り出ていった。
直ぐにマスターも謝りながら追いかけて行った。
一瞬は呆気に取られていたが、主のいない店で、勝手に飲んで遊ぶのは、
僕等には別段珍しい事ではなかった。
彼女にとっても、友人のその行動は珍しいことではないらしく、
「あらま、」と言っただけで、再びゲームに戻り陽気に燥いでいた。
三十分ほどしてから電話が鳴った。
マスターからだ。
仲直りしたらしく、近くの小料理屋「いがぐり」にいるから、
店を閉めて皆で来いという事だったが、僕等は其の儘ゲームを続け、切りのいいところでお開きとした。
この店のアッシーでもある19歳のアツシが女の子たちを送って行ったが、
彼女は、レイちゃんのバックを届けに行くと言うので、僕とヤツモト君も
一緒に、<いがぐり>に行く事にした。
一万の夜を越え~流連~
<Ⅱ>
彼女とは一ヶ月ほど前、わざわざ迎えの車まで寄越し
絶対好みの娘が来てるからと言われて、呼び出された合コンで
初めてあった。
その居酒屋<紫雲>は、
駅から右手にまっすぐ伸びる富士見通りを、
十五分程歩いた場所にあり、しかも、深夜にも拘らず込んでいた。
この街は都下の高級住宅街という触れ込みだが、
学生街でもあり、夜遅くまでも人が行き交っている。
その時は、もう既に出来上ってしまっている酒宴に入り込めず
早々に帰った。
彼女とは帰り間際に、軽く挨拶した程度だったとおもう。
それ程好みじゃないという事もあったが
誘い出しの口実を真に受けて、
夜中にノコノコ出向いていく、自分の愚かさに、情けなく、
腹が立っていた。
それから、二日後の土曜日の夜、又誘いの電話。
ジャムマスターからだった。
カフェ<じゃむ>は、
駅から左側に伸びる旭通りを少し行った所にあった。
「最近冷たいじゃないか。ちっとも顔出さないしさあ・・・」
「ゲンバ工事がめちゃくちゃ忙しくってね、それに、
遊んでられる身分じゃないヨ、稼がなきゃなんないしね」
僕は、少し前に流行ったポーカーゲームで作った借金の為、
八王子の住宅開発の現場でアルバイトをしていた。
「水臭い事いうなあ。飲み代なら気にしないでよ。借金なら地道に
払ってれば無くなるさ。なっ!来いよ!
明日は休みなんだろう?
一昨日<紫雲>に行ったろ?
レイちゃんが、その女の子達連れて来てて、もりあがってっぜ!
アッシーが今そっちに迎えに行ったからさ、待ってるよ~」
暫くは、こういった仲間達とは距離を置こうと思っていた。
が、きっぱりと断れる意志の強さは僕には無かった。
ありとあらゆる誘惑に弱く、
この先、何年か何十年かの人生に於いて、
自分自身の軟弱さに振り回されながら、生きていくのだろう・・・
この時の彼女は、<紫雲>で会った時とはまるで別人の様だった。
美人で華やかなレイちゃんの横に並んでも決して引けを取らず、
------というより、相乗効果というか、
他にもいた女の子たちは全く憶えてないが、
小さなカフェスナック全体を
二人で華やかなものにしていた------
周りの男たちに笑顔を振り撒いていた。
一昨日の、深夜の居酒屋には余程似つかわしくにない、
垢抜けないボーッっとした小娘と同一人物だと言われても、
俄には信じ難く、からかわれてると思ったくらいだった。
もっとも、漠然とした印象だけで、顔まで憶えていなかったが。
ポニーテールだったか、おさげ髪に度の強そうな眼鏡をかけ、
セーターとデニムのオーバーオールを着ていた。
そうだ”アラレちゃん”だ
そんな全体像を思い出し何だか愉快な気分になっていた。
今にして思えば、美人ぶった今の姿より、あの時のほうが、
ずっとチャーミングだったかもしれない。
「ツガワが今彼女を狙ってるんだよ」
とアルバイトのヤツモト君が言った。
「誰を」
「何だよ、決まってんじゃん、あの中の狙い目と言えばさ、
レイちゃんは、マスターがあの通り、仕事もせずもう夢中なんだから」
聞かなくとも、一目瞭然の光景だが、彼女に気を奪われていた事を
覚られない為に、つい出た言葉だった。
「おーい、ヨシオカヨシオ!こっち来いよ!何でそんなとこで一人で飲んでんだ?ヤツモト君もこっち来てていいよ。」
マスターが奥のボックスの方から叫んだ
今までなら、直ぐに女の子の取り合い合戦に参加していたが、
僕は、彼女にとって、”その他大勢の中の一人 ”になるのが嫌で、敢えて、入口付近のカウンター席に座っていた。
ここは、店にやってくる女性客を、マスターが目星を付け、
独特の人なつっこさで引き止めて常連にさせる。
そして、ここに集って来る男達は、その女の子を落とせるかどうか、
又は、誰が落とすかに賭ける・・・
それは、この店のお決まりのゲームの様になっていた。
僕が彼女に関心を持ったかどうかなんて、
彼らには殊更問題ではなく、誰かが名乗り出たからには、
他にも候補がいた方がより、ゲームは楽しくなるというわけだ。
「いつもあとからやってくるのね。」
彼女が初めて(の様な気がした)僕に声をかけてきた。
レイちゃんが席を立ち、
その後ろから覗き込むようににっこり微笑んで、
”コンニチハ”といった風な会釈をして、今空いた席を促した。
つづく
小説・一万の夜を越え~流連~
とても恥ずかしくおこがましいのですが、こっちのブログでも
オリジナル小説を始めることにしました。
本来の目標は、韓国俳優カテゴリ35人にも入らないソン・イルグクさんを、
少しでも日本でも認知度を高めたいな・・・・なんて
それこそ大それた野望(?)を持って入ったサイトですが、
段々ブログが面白くなりもっと楽しみたくなってしまいました。(笑)
昨日はこんな拙いブログに、初めてヨン百人近い方が覗いてくださった様な
のでビックリしましたがとても嬉しく思っています。
ありがとうございました。
お暇な時の時間潰しにでもなれば幸いです。
<1>
夢を見ていた。
十六歳の春近い冬の日、僕は期末試験を控え早くに帰宅した。
雪深いこの土地には珍しく真っ青な空が見られ、
雪面にはキーンとした清々しい空気が冴え渡る土曜の午後だった。
平屋の家は殆ど雪に埋もれていて、
よくも潰れないものだと感心しながら、屋根の雪下ろしをしていた。
それはかなりの重労働で汗だくなのに手の甲はやたらと冷たく、
家に入るとそのまま炬燵に首まで潜り込んだ。
赤いカーボンファイバーの剥げかけた金網ごと
ヒーターを抱える様にして手を温めながら、
窓外とは対照的に暗く湿った家の中から、窓を眺めていた。
もちろん、家の中から窓外など眺められるはずはない。
三日三晩降り続いた雪が軒先まで積もり、
さっき下ろした雪も其の儘で、小さな掘っ立て小屋のような借家は、
すっぽり雪に埋もれていた。
雨戸の閉じられていないガラス窓は妙に不安定で、
その隙間から雪が吹き込み、
白く縁取るようにして、可愛らしい積雪を造っていた。
僕が眺めていたのは、ガラスに張り付いた葉っぱだった。
雪とガラスの間に挟まれてしまい、
まるで身動きが出来なくなってしまったかの様なその葉っぱが、
まだ、青々しく若葉然としていた頃から、
そこに到るまで想像していた。
そして其のまま眠ってしまったらしい僕は、夢に魘されていた。
未だ見ぬ女体の秘部が迫り、湿った秘毛が手指に絡みつき、
腕から肩へとだんだん海蔓草の様に張り付いてくる。
振り解こうと藻掻けば藻掻く程きつく張り巡らされ、
指先から溶かされるように吸い込まれていく。
消滅したかのような感覚に慄き、無我夢中で腕を振り払った。
次の瞬間、ゴツンと大きな音を立てた。
炬燵ごと持ち上がりそうなその音と、
ヒーターにぶつけた手の痛みで目が覚めた。、
じっとりと全身汗ばんでいた。
浅い眠りの中で、
誰かいっしょに炬燵に入ってるような気配がしたので、
誰も居ない事を願う様に、薄暗い家の中を見回した。
愕然とした。いつの間に帰っていたのか・・・・・・
台所で夕飯の支度をする母の姿は見慣れた光景だった。
なのに何か不自然な空気と、ぎこちなく見えるその後姿を一瞥し、
炬燵布団を頭まで被った。
言い知れぬ罪悪感に苛まれながら、
ただただ全てが夢なんだと確信しようとしていた。
手にはぶつけた痛み以外の感触はなく、
鼻先に手指を近づけてみた。
炬燵の中特有のむれたにおいだけだった・・・・・。
「ナンテ失礼な事してんの!」
ナゴムは彼女のジャージのパンツの中に入っていた
僕の手首を掴み出し、払い除けた。
「あ・・・ゴメン、寝ぼけてたみたい」
「だから失礼だって言ってんじゃん」
抱き寄せようとしたが、彼女の枕代わりになっている僕の左腕は、
感覚がなかった
邂逅
刹那に
金子光晴 愛情69より
愛情55
古いクロッキーデッサン
このてのものはみんな結婚前に実家に持ってたら処分されたと思ってたのに・・・
自分で持ってたのがあったなんて
中高生の頃の日記といっしょの箱に入ってた・・・
19の頃のクロッキー,エスキ-ス
もう二度と絵は描かないつもりだったのに・・・・
尤ももう手が動かない
以前ヨンムンを描こうとして全然かけなかったし
左端のはスポイトで描いてるはずだけど、今では考えられません
初めての男性ヌードでは、完全にぶっ飛んじゃいました。
何処見て良いのか、ほんとに見て良いのか・・・
となりの人の絵ばかり見てた記憶があります
懐かしいな。スキャン賭けとこっか
[1] [2] |