2010/01/25 18:21
テーマ:「KA・ZO・KU 」シリーズ カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

創作  「降り続く雪」

Photo

新作です^^

これは、昨日の記事で窓の外の雪を眺める彼の姿で妄想・・っていう文から

やっぱり妄想しちゃったお話(笑)

昨日一日で書き上げるつもりだったんですがね。

やっぱりそう簡単にはいかなかった^^久しぶりのレウォンです!


ヨンジュンスタッフとして父の下で働き出したレウォン。

仕事をやっていく事で、父のもうひとつの姿を見つけます・・






「ヒョン。何してるんですか?」

 


「ん?あぁ、レウォン。馬鹿だな、家にいる時はお前は息子だ。

ここは職場じゃない。敬語もいらないし、父さんでいいよ」

 


「・・うん。でもいつも言ってないと現場でも呼べないから。

どうしたの?ヒョン。ちょっと疲れた?」

 



書斎の大きな出窓。



ロフトのある天井の高いこの部屋の中でもそこは、


父さんのお気に入りの場所。

 


以前は父さんの机が出窓のすぐ前に置いてあって、


何か考え事をする時、父さんはヒョイっと机からこの出窓に


飛び乗り、長い足を投げ出してよく一人で外を見ていた。

 


ユキが歩くようになってからは、真似をすると危ないからと、


机は窓から離されていたんだけれど、今、父さんは以前のように


出窓に座って窓の外を見ている。

 

窓の下にはユキのおもちゃの滑り台。


多分父さんがリビングから持ち出して台に使ったんだろう。

 

 


「レウォン、見てみろよ・・綺麗だ」

 

 


窓の外は、一面の雪景色。


昨日ソウルでは、観測史上初めてと言われる大雪が降った。


すぐに降り止むと思われた雪は、街をまるごと白く包み込み、、


今夜もまだしんしんと降り続いている。

 


交通網が麻痺したソウルの街。



新しいドラマの打ち合わせが入っていた父さんのスケジュールは


急にキャンセルになり、ヨンジュンスタッフの僕も久しぶりの臨時


休暇になった。

 


さっきまでリビングの暖炉の前で、ユキに絵本を読み聞かせていた

父さん。


そのまま御機嫌で眠ってしまったユキを子供部屋に連れて行くと、


母さんの淹れたコーヒーを持って書斎に篭った。

 


頬に父さんからのいつものキスを受けた母さんは、


今、ダイニングテーブルでPCに向かっている。


きっと、明日の会議の資料を今夜中に会社に送っておくつもりだろう。


雪が収まらなければベビーシッターも呼べず、


母さんはまた一日足止めを食うかもしれないから。

 

 


「綺麗だぞ。お前も来いよ」

 



もう一度父さんは同じ事を言った。

 



高層マンションの最上階。


その出窓に座って、僕に向かってにっこりと微笑む。

 



「ヒョン、寒いだろ?そんなところにいるなんて。

また熱が出るかも知れないだろう?

待ってて、今カーディガン持ってくるから」

 


「見てみろよ、空が近い。この雪、直接俺のところに降って

くるみたいだ。白くて、真っ直ぐで、何の迷いもなくて。

なぁ・・レウォン。俺って小さいな」

 


「え?」

 


「小さいよ、俺って存在は。いや、人間なんてちっぽけなもん

だな、ってさ。ここにいて空を見てるとそれが分かるよ。

すごく気持ちがいい」

 


「・・ヒョン」

 



壁に背中をつけて空を見上げる父さん。


今にも雪を手に取るように、空に向かって手を伸ばして。

 


やがて、はぁ・・と大きく息を吐くと、


何を思い出したのか、アハッと笑い出した。

 

 


「そういえばお前、言ってたな。去年の夏、日本に行った時、帰りの

飛行機で。“やっと歓声が聞こえないところに来た”って。

そう言ってコテンと眠っちまった」

 


「急になんだよ。そんな事、あったっけ?」

 


「アハハ。初めての仕事だったし、疲れたんだろうな。緊張もしてたん

だろうし。俺も調子が悪かったから、あの時のお前に何も言わなかった

けどさ」

 

 


そう言うと父さんは、


僕にジェスチャーで机の上のタバコを取ってくれと促した。

 


まだ部屋のドアの傍に立ったままだった僕は、


そのジェスチャーを合図に歩き出す。

 


灰皿にタバコとライターを乗せて僕が渡すと、


父さんはそのままタバコの箱を振って、僕に一本取れと顎を杓った。

 

僕は勧められるまま、その中から1本を取り出し、


アジアの大スターから直接火を点けてもらった。

 


その姿を見た父さんは、ふっと笑い、


いつもにように自分も火を点ける。

 

 



僕がタバコを覚えたのは軍にいた時。


同室のドンハから吸ってみろと渡されたそれは、


父さんの吸っている銘柄と同じだった。

 

父さんの香りを感じたくて、火をつけた最初の一本。

 

豪快にむせてドンハに大笑いされたあの日から、


僕の香りも、父さんと同じになった。

 

 



「レウォン」

 


「ん?何?」

 


「今度の作品。俺に出来ると思うか?」

 


「どうしたの?弱気だね、ヒョンらしくない」

 


「いや、お前の意見が聞きたい。この半年、俺の傍にいたんだ、

お前なりの考えもあるだろう?

“雫”が頓挫した時、一番気落ちしてたのはお前だし」

 


「だって、楽しみにしてたんだ。仕方ないだろう?

あの漫画大好きだったし。僕はヨンジュンの一青が見たかったんだよ」

 


「社長が最後に何て言ってたか知ってるか?クレジット出すのが駄目

だったら、雫の設定を一青の息子ってことにして、雫をお前にやらせ

ようって言ってたんだぞ。

ワインとは別ものの親子の確執をベースに・・てさ」

 


「本当?初耳・・あの人って時々ぶっ飛んだ事考えるよね。

大体そんなんじゃヒョンのかぞくが納得しないでしょ。

恋愛もラブシーンも無いヨンジュンドラマなんてさ。僕だって見たくないよ」

 


「アハハ、そうか?俺は少し興味あったけど」

 


「僕は俳優にはならないよ。

僕があの会社に入ったのはそんなんじゃない」

 


「冗談だよ。あいつだって本気で言った訳じゃない。

残念だったんだろう?もう何年も前から準備してたんだから」

 


「うん・・そうだね」

 


「で、最初の質問。どうだ?俺に出来るか?」

 

 



そう言った父さんは、僕から視線を外す様にまた窓の外に目を移す。


少し寂しげなその姿は、仕事場では決して見せないもうひとつの姿。

 

 



俳優ヨンジュン付きのスタッフになって半年。


仕事中の父さんと身近に過ごす事になった僕は、


いつも家にいる時の姿とのギャップに初めは少し驚いた。

 


幼い時から撮影現場に顔を出していた僕は、


父さんと俳優ヨンジュンを区別して考えた事もなかった。

 


大声で笑い、家族のために泣き、母さんを愛する父さんは、


僕にとっては、当たり前の父親で。

 


その仕事に対する姿勢のために、怪我をしたり体調を崩したり。


毎回家族はハラハラさせられたけど、


そんな時の父さんはいつも笑顔だった。

 




だけど実際に同じ現場で仕事をしてみると、父さんのその本気度は


他の誰より半端じゃなくて・・


僕は何度も同じ失敗を繰り返し、その度に大声で叱られ、


やり直しをさせられた。

 



『レウォン!一度の失敗は間違いだが、二度目からは罪だ!

何故出来ないのかが、分からないのか?もう一度やり直せ!!』

 



出来ない自分が悔しくて、スタジオの外で涙を押し殺す僕に、


先輩達が優しく声を掛ける。



そして僕のそんな姿にまた父さんの叱責が飛んだ。

 




先輩達は、皆分かっていた。


父さんのその厳しさは、深い愛情の裏返しなのだと。



スタッフ一人一人にきちんと目を配り、仕事をきちんと見てくれて


いるからこその言葉・・

 


俳優ヨンジュンとしてだけじゃなく、人間としての父さんの魅力に惹かれ、


父さんがもっと輝けるようにと、皆、働いていた。

 


そうして僕は、慣れない現場におろおろしながらも、少しづつ仕事を覚えた。

 


毎日走って走って・・まるでアスリート並みの体力戦。



高校時代陸上をやっておいてよかったと、本気で思ったりもする日々だ。

 

 


「レウォン・・おい。何か言えよ」

 



痺れが切れたのか、父さんはタバコを揉み消し、


僕の方に向き直って真っ直ぐに目を見つめた。


その目は少し焦れているようで、僕はそんな父さんが急に愛しくなった。

 



「ヒョン・・いや、父さん。僕、この半年で少し分かったよ。

そして、今まで全然父さんの事、分かってなかったって言う事にも

気が付いた。・・大丈夫。父さんはそのまま進めばいいんだよ。

父さんの好きなように。

父さんが選んだ道を。

それは絶対唯一の道なんだ。父さんの選んだ物に間違いなんか無いよ」

 


「・・何だ?お前。気持ち悪いな」

 


「本気だよ。僕は本気。やっぱ凄いなって、いつも思ってる。

父さんがこんなに寡作な理由も分かったしね。

・・大丈夫。うん、これ、確信」

 


「バーカ、そんな答えあるか」

 


「うん。僕は馬鹿だよ。心底のヨンジュン馬鹿だ」

 


「ふっ、何だ?それ」

 


「ねぇ。まだ降るのかな、この雪」

 


「来るか?」

 

 




父さんが、体をずらして足を縮めた。

 


僕は滑り台の上に乗り、出窓に手を掛け、父さんの隣に滑り込む。

 

 




「・・・・・凄いね」

 



「ああ・・・凄いな」

 

 




窓の外は、白の世界。

 




見つめる父さんの横顔は、




痺れるくらいに、カッコよかった。






[コメント]

1.Re:創作  「降り続く雪」

2010/01/25 19:53 yonyon50

知れば知るほどその大きさに圧倒される。
幼いときから見ていても、見ている視点が違うから感じ方も違うのね。

もっともっと大きくなるよ、ヨンジュンさんもレウォンも。

今日ラジオから聞こえてきた言葉 『誠実は努力に羽をつける』
(誰の言葉なのか知らない)
あーヨンジュンさんのことだと思った。

どんな作品でも貴方が決めたものならきっと間違いないです!

コメント削除

2.Re:創作  「降り続く雪」

2010/01/25 21:52 yukitanpoo

こんばんは^^

どんどん大人になっていくレウォンにタバコをすすめながら
意見を聞いているヨンジュン。雪景色をバックにきっと
すご~~く綺麗な姿なんだろうな~と・・・

お互いを認め合って、いい感じの父と子って感じ・・
父と息子ってなかなか素直に話せないから、なんか理想みたい!?

ヨンジュンの決めたことは間違いないとカジョクは信じてる。
ジッといい子で待ってるのよね^^

コメント削除

3.yonyonちゃん、ありがとう。

2010/01/25 23:13 ebe

5歳の時からジュンを見ていたレウォン。

兄であり、父であり、一番の理解者であったジュンの、
もうひとつの一面・・

知っていたはずの父の仕事をする姿に、
またひとつ大人として成長するレウォン。


>『誠実は努力に羽をつける』

本当だね、これヨンジュンだ・・

>どんな作品でも貴方が決めたものならきっと間違いないです

私たちは信じてる。
そして・・きっとそれは真実。

そうだよね!

コメント削除

4.pooちゃん、ありがとう。

2010/01/25 23:22 ebe

雪を見るヨンジュンの姿・・
それを想像してたら、こんな話になっちゃった^^

きっと綺麗な横顔なんだろうな。
レウォンが痺れるくらいに・・ね♪

理想の親子を書いているけど・・
きっと彼がレウォンみたいな息子を育てたら、
こんな風な息子になるんじゃないかなあ・・ってね♪

レウォンもすっかりカジョクの仲間入り^^
私たちは信じてるものね!

コメント削除

5.Re:創作  「降り続く雪」

2010/01/25 23:44 ツインズ母

こんばんは!
久々のレウォン君、逢いたかったヨン^^
初仕事の来日から何をしてたの?(笑)
ヨンジュンの次のお仕事、そっと教えておくれ^^

雪を見て…語り合う父と子…
イイなぁ~
そんな父と子で居られる2人が羨ましい><

今日、字幕版とはいえカット編集された冬ソナがBS-iで始まった。
もの凄いカットのされ方しているのに、初めて見た人達はこのカッ
トの吹替え版を見たわけで…よくぞこれで魅せられて流行ってくれ
た…と変な感謝をしてしまった><
大事な意味のあるシーンも、高校生チュンサンがタバコを吸うシー
ンも、屋上で本で顔を隠してユジンの放送にニヤッと口だけ笑うあ
のシーンも…私が萌え~たチュンサンのシーンが全部カットされて
る><
細かい部分が無いと、こんなにもつまらなく見えてしまうモノなの
だろうか…。
それとも分かっているからつまらなく思えるのか?
明日は初雪デート。
どこがどれだけカットされているのか…不安だ><

コメント削除

6.ツインズママ、ありがとう。

2010/01/26 23:44 ebe

前回の「旅立ち」の後ね^^

実は、あの後、少し書いてたの。そしたら彼、緊急帰国なんかに
なっちゃって、内容が合わなくなっちゃったのよ(笑)
あのイベント話は、そのうちまた書くかも知れないけど。
今回、ジュンが悩んでる新作・・何なんだろうね^^

BSiの、そんなにカット多いの?
地上波TBSでやってるのも結構切ってるけど、屋上で顔隠して
ニヤッってのはあったような・・違ったかな?

>初めて見た人達はこのカットの吹替え版を見たわけで…

そうなのよね。それでも皆、嵌った^^
で、今度は完全版で、それこそ完全に堕ちたのよ♪
彼は、やっぱり偉大だわ・・(笑)

コメント削除

 
▼この記事にコメントする

コメント作成するにはログインが必要になります。

[ログインする]


TODAY 49
TOTAL 4348169
カレンダー

2020年1月

1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
ブロコリblog