2012/01/07 01:55
テーマ:短編集 カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

妄想創作  「夢でいいから」

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やっと書けた~^^

先日、見た夢の話。妄想100%増しで創作にいたしました。

ちなみに主役は私じゃなくなりました(笑)

こんな風に彼も幸せになれたらいいのになぁ…









「キャ~~!待って。ちょーっと待って!

何するのよ!ね、あなたってこんなキャラだったっけ?」

 

「何が?」

 

「何がって。ね、あなた今の私たちの状況、分かってる?」

 

「状況って?今、僕と君がこうやって手を握って、君の腰に

僕が手を廻してるって事?」

 

「うーん…それもそうだけど、問題はそこじゃないでしょ!!」

 

「なら、パーティーを抜け出してこうして逃げてきちゃった事?」

 

「少し近づいてきたけどぉぉ!や、やっぱり無茶よぉ。

あなたには計画性ってのが無いの?もっと完璧主義者じゃなかっ

た?ペ・ヨンジュンって俳優は~」

 

「計画性?そうだなぁ、これに関してはもう衝動って奴だね。

頭より体が勝手に動いたんだ。だからどうしようもない」

 

「そんなの理由にならないわ!」

 

「君の声、素敵だけど悪いけど少し黙っててくれる?

今日は外にも大勢家族が居るんだからさ。それにあんまり

暴れると足元、危ないよ」

 

「えっ?ぅわ!!やだやだ、下ろして!第一、ここから

どうするの?まさか、向こうのビルに飛び移る…なーんて

言うんじゃないでしょうね?」

 

「流石だね、察しがいい。ここは行き止まりだし、下に落ち

たら多分骨折じゃ済まないよね。大丈夫。僕が手、引いてあ

げるから。じゃ、先に行くね。ここに掴まってて」

 

「キャ~!突然飛ばないでよ。無理よ、無理無理!

そんなの出来る訳ないでしょう?ね、これは夢でしょう?

夢だと言って!」」

 

「馬鹿だな、夢なもんか。

おいで。大丈夫、僕が受け止める。

でも本当は、もう少し軽いと良かったけどね」

 

 

 




あぁ…

夢であって欲しかった、今となっては。


今現在のこのシチュエーションはもちろんそうだけど、

こんなにかっこよくて素敵で、アジア中の女性を虜にして

る有名俳優が年上の私なんかと付き合ってるなんて、どう

考えたっておかしな事だもの。

 

大体私がソウルに来た事だって、最後の恋だと信じて8年

も尽くしてきた奴が(今となっては奴で充分!)実は妻子

持ちの二股男だったって分かって人生最大級に落ち込んで

た時、私を元気づけようと、親友のサキが旅行に誘ってく

れたのがキッカケ。そんな女にこんなシンデレラみたいな

話、夢としか思えないでしょう?

 


「ねぇ~、今度アタシが贔屓にしてる新大久保のイケメン

喫茶のテジュンがソウルでデビューすんのよ。

で、向こうでのファーストコンサートでサクラ募集してんだ

けど、あんたも一緒に行かない?今時、二股かけられたくら

いで落ち込んでるなんてダサいわよ。向こうでいい男、見つ

けたらいいじゃない。日本ではあんたの相手が居なくなっても、

優しい韓国人なら拾ってくれるかも知れないしさぁ」

 


大学を出て、バブルの尻尾に引っかかる様に大手商社に就職

したサキは、ちゃっかり出世街道を突っ走る旦那様を掴まえて、

シロガネーゼになった。日頃、清楚な奥様然としてる反動なん

だろうけど、私には何故か昔から強気なんだよねぇ。そんなサキ

に慰められてるんだか、馬鹿にされてるんだか、どっちにしろ

半分彼女に引きずられる様に私はこの国にやってきた。


おかげ様でというべきか、ソウルのパワフルな空気感や、働く

アジュンマ達のたくましい姿に感動した私は、失恋の痛手から

やっと開放された。そして帰国してすぐにまたとんぼ帰りして

この店に勤めだしたのが3年前の春。

その後、オーナーの彼と出会って私、あの人の瞳に一瞬で魅せ

られちゃったのよね。

 



「面白いね、君。そんなに僕の顔が珍しい?」

 


くくくって笑う彼の笑顔は、TVでずっと見てきたはずの

所謂、「ヨン様」とは全然違ってた。

今まで出会ったどんな人より澄んだ瞳で、すごく子供っぽかった。

 


いつの間にか、傍にいてくれたのよね。

本当に自然で、本当に暖かかった。

 


私なんかでいいのかなってずっと思ってた。

いつか醒める夢。

本当にそれでいいって思ってたの。

 




「ね、日本では“1つ年上の女房は金のわらじを履いてでも

探せ”って言うんだよね?違った?」

 

「何でそんな事知ってるの?もしかして、以前付き合ってた

日本の人に教えてもらったとか」

 

「博識だって言って欲しいな。変な勘ぐりはNOだよ。

僕が日本でどうやって恋人作れたって言うの?殆どホテルから

出られない身だったのに。無理でしょ、どう考えても」

 

「そっか。で、それが何?」

 

「だから、僕と君は1歳違いでしょ?だから結婚しよ。

やっと家も出来た事だしさ」

 

「は?どうしてそうなる訳?」

 

「引越しいつにする?次の休みの日にする?

僕はいつでもいいよ、今ならスケジュールも調整出来るし」

 

「ち、ちょっと待ってよ!」

 

「待たない。そうだ、明日はパーティーだからそこで発表しよ」

 

「ば!馬鹿な事言わないで!」

 

「だって、店には君が居る。一石二鳥でしょ」

 

「何言ってるの?あなたは!」

 

 



今朝。


どれだけ仮病使って休もうかと何度も考えた。

彼が一度言い出したら、そう簡単に諦めないのは分かって

たから。



だって、たった100人しか招待されないプレミアパーティー

なのよ。何口も何口も頑張って応募して当選した熱烈な

家族の人達だもの。そんな発表、聞きたくなんか無いわよ、

絶対に。

 


パーティーが始まる前。

彼のテーブルに食事を運んだのは、いつものように私。

私のドキドキなんか知らないような綺麗な顔で、メインの

ステーキにナイフを入れて口に運んでた。

 



「優雅ね。こんなにこっちはドキドキしてるのに」

 

「当たり前。自然だよ、僕はいつも」

 

「やっぱりダメよ。そんな事、出来る訳ない」

 

「らしくないね。随分臆病だ」

 

「私は…臆病者よ。ずっと長い夢だって思ってたし」

 

「夢…夢か。なら僕の夢は?僕の夢はどうなるの?

やっと出会えたんだ。もう絶対に醒めない夢に。

だからもう逃げない。家族は分かってくれるよ。僕が

真剣なのならね。

さ、そろそろ始まる。僕達のショータイムだ」

 



確かにショータイムだったわ。



家族の人達は、彼の発表を聞いた後、悲鳴やら泣き声やら

で店内は騒然としてた。

 


私は「やっぱりね」と溜息をつき、ロッカールームに戻った。

着替えた後、いつもバッグに入れていた退職願を店長のデス

クに置いて、非常口に向かった。

 


「さよなら」

 


そう言って、歩き出そうとした瞬間。

会場になっている2階からマイクを通した彼の声が聞こえた。

 



「ダメだ。行かせないよ、ヌナ」

 


…ヨンジュン

 


「ここにおいで。君を僕の家族に紹介する」

 


…無理よ、そんなの。

 


「家族は分かってくれたよ。僕が幸せになるのを」

 


…そうね。でもその相手はきっと、私じゃない。

 

「分かった。君が来ないなら僕が行く。そこに居て」

 


…ヨン、ジュン?えっ???

 




彼は、非常口の手前にいる私の所まで猛スピードで駆けて

来た。そして半分私を抱える様にして、彼はそのまま階段

を降りずに、その手前の窓から外に出たんだ。

状況が呑み込めず慌てる私は、3階の高さの狭いベランダに

爪先立ちの状態になり、思わず叫んだ。

 



「キャーーー!!カリオストロの城じゃないのよ!

もう~、何やってるの~~!」

 

「結構しっかりしてるじゃない。高い所、苦手なくせに。

OKしてくれたらちゃんと階段から下りるけど、どうする?」

 

「もう~、馬鹿言わないで。どうしてこんな事するの!」

 

「君に勇気が無いからさ。僕を愛してないの?

僕は君のためなら何でも出来るよ」

 

 

 


まったく、どこが衝動的な行動なんだか。


隣のビルに飛び移った彼は、まるでトム・クルーズになった

かのように、この状況を冷静に楽しんでる。

あれは絶対に確信犯だ。

さっき私が逃げる事だって、きっと計算済みだったに違いない。

 



「強情だね、ヌナ。結婚は決定事項だ。もう変えられない」

 

 

私の悲鳴が聞こえたんだろう。

さっきまでパーティー会場だった部屋の窓から、

家族の人達が次々に顔を出した。

 



「決定事項?ここで家族の人に発表したから?

まだたった100人しか知らないわ。戻って訂正すればいい。

きっと皆さん喜んでくれるわよ」

 

「ヌナ。あれから何分経ったと思ってる?今の世の中はIT

の時代だ。きっともう僕の家族の殆どが知ってるよ。

ツイッターやらブログやらでね」

 



隣のビルの窓から満面の笑顔で私に手を伸ばす彼。

狭い足場で、立ち尽くす私。

 

やがて、会場の窓から大きな声援が飛んできた。

そして、騒ぎに気付いた外の家族達からも声がかかる。

 




「ヨンジュンssi、ちゃんと捕まえなさい。

私達、ここで見守ってるから!」

 

「ね、結婚してあげて!そして、彼を幸せにしてあげて!」

 


予想外の声に驚く私に彼は、うんうんと2度頷いた。

 




本当に?


本当に飛んでもいいの?

 




「おいで、ヌナ。大丈夫。僕が受け止めるから」

 

「だって…さっき重いって言ってた」

 

「馬鹿だね。それが嫌なら君とは初めから付き合ってないだろ?」

 

 


ああ~、最後の殺し文句だわ。


あの笑顔で、あの声で。彼が私を誘ってる。


満面の笑顔の彼は、大きく手を広げてまたうんうんと2度頷いた。

 



「私、飛べるかな」

 

「もちろん。僕だけを見て真っ直ぐにおいで」

 

 


足元からは、家族の人達の陽気な笑い声。

もう一度前を見たら、彼が四股を踏んで私を受け止めようと

身構えてた。思わず大声で笑ったら、彼はシーっと指を立てて

小さくウインクする。

 



夢なら夢でいいや。

ここで醒めても構わない。

夢なら、落ちてもきっと痛くないだろうしね。

 



彼がまた四股を踏んで身構えた。



「…今度やったら、婚約解消」



私は誰にも聞こえないように、小さな声で呟いた。

 

 


 


2010/07/27 02:01
テーマ:短編集 カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

ホテルのプールで掴まえて 3

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さて、いよいよ3話目。ラストです!どうしようかなぁ(今更?^^)


黒いイルカ王子が、かの高級ホテルの理事。っていう事は・・


何となく書き始めた妄想話。ちょっと壮大な話になっちゃいました。


こんなつもりじゃなかったんだけどねぇ。つい乗りでこんな方向に・・


さっそくあの人も出てきます♪結局時間掛かっちゃった(笑)

 

 

 




「いえ、また伺います。ゆっくりお休み下さい。

後で妻にも顔を出させますから」

 

「どうもありがとう」

 



広いスイートの大きなドア。


理事と呼ばれた黒いイルカは、静かにドアを閉めた。

 




「ドンヒョクssi!」

 



愛しい声を聞いた理事は、明るい笑顔で振り向いた。


ホテルの支配人であり妻のジニョンが、こちらに向かって


走ってくる。

 


どこから走ってきたのか。



息を切らせたその姿に、ドンヒョクの胸はまた高鳴った。

 




「ジニョン、廊下を走るなんて。

有能な支配人の行いとは思えないけど?」

 


上気したその顔をわざと無表情に見つめたドンヒョクが、


妻をからかう。


ジニョンは、その意地悪なセリフを無視して、ドンヒョクの胸に


思い切り飛び込んだ。

 

 


「嬉しいね。いつもホテルでは控えめな君が、今日はずいぶんと

大胆だ。どうする?チェックインして今朝の続きといこうか?」

 


「聞いたわ、ドンヒョクssi!大丈夫?

あなたプールで溺れたんですって??」

 


「どこで情報が錯綜したのか分からないが。

ソウルホテルのネットワークもいまひとつだな」

 


「お客様がパーティー会場でピアスを失くされて、今までずっと

探してたの。あの広いフロアでこーんな小さなピアス探すのよ。

もう全員総出!くたくたよ。だからたった今事務所で聞いたの。

あなたがプールで・・」

 


「溺れたのは、こっちもお客様だ、日本から来た御婦人。

幸い大事に至らなかったからよかったよ。今眠ってる。

御主人と話して、僕も今出てきたところさ」

 


「え?そうなの?だって先輩が」

 


「へぇ、心配してくれたんだ。

今朝の様子じゃ君には僕なんか必要じゃないのかと思ってたよ」

 


「今朝?何の事?」

 

 


・・・もしかして憶えてないのか?

 


ドンヒョクは、丸い目を大きく見開いているジニョンを


驚いて見つめた。

 




今朝。


眠ってるジニョンの体を、甘い方法で起こそうとしたドンヒョクに、


まだ眠たがるジニョンは冷たかった。


しかも首筋に口付けた時、ジニョンの口から有り得ない名前が出たのだ。

 


『だから・・言ったでしょ?テジュン・・ssi・・』

 

 




「今朝?私、何かした?でも私が起きた時、

もうドンヒョクssi居なかったじゃない」

 


「ん?いや・・いいんだ。ね、ジニョン。

今日はもう勤務は終わりだろう?明日は休みだよね。

どこか行きたい所あるかい?久し振りにデートしよう」

 


「え?何?変なドンヒョクssi」

 



・・いいや。もういいんだ。


僕の方こそ、今日は君にちょっとすまない事をしたからね・・

 




ドンヒョクはジニョンの肩を抱き、大股で歩き出した。


エレベーターを待つ間、えべ達夫婦のスイートルームを


振り返る。

 





・・御主人。僕にだって色々ありますよ。


くだらない事でイライラしたり、妻の笑顔で立ち直ったり。


奥さんの為にあんな場面で私に頼めるあなたは凄いな。


僕だったら、絶対に出来ない・・

 




「どうしたの?ドンヒョクssi」



やってきたエレベーターに先に乗り込んだジニョンが、

ドンヒョクに声を掛けた。

 

「いいや。ごめんよ。帰ろう、ジニョン・・」

 

 







「ええ~~??うそ!あなたシン理事に会ったの?

どこで?いつ??」

 


「馬鹿。お前、死に掛けたんだぞ。起きてそうそう煩いな」

 


「だって。あの理事だよ?伝説のM&A、情熱的な恋。

シン・ドンヒョクって言ったら、私達、カジョクの間では・・」

 


「ああ、知ってるよ。耳にタコが出来たくらいだ。

そんなに元気ならもう平気なんだな。お前、まだ寝てるだろう?

理事がルームサービス取っていいって言ってたから、お前好き

なの食えよ。俺、酒飲んでくるから」

 


「えー!もう大丈夫。私も行く!」

 

 




ずっとえべが来たがっていた、憧れのソウルホテル。


ペア宿泊券が当たった時は半分嫌々だったが、考えたら夫婦2人での


旅行は初めてだった。


新婚旅行も友人達夫婦2組との合同での貧乏旅行。


それはそれで楽しかったけど、少し申し訳ないとも思っていた。


だから・・・

 

 




「ねえねえ!!ここだよ、監禁キスの通路!

ちょっとあんな感じで演って見せてよ。“ソ・ジニョン!”って

壁に押しつける奴~~」

 


「つくづくバカだな。俺はヤダね。行くぞ!」

 


「え~?ちょっとだけ!出来るでしょ?役者なんだから」

 


「イ・ヤ・だ。おい、置いてくぞ!」

 


「もう~~!ケチ!」

 

 

 



・・・まったくそんな恥ずかしい事、出来るか。


さっきのが一生分の大サービスだったんだからな・・・

 

 

 




溺れて息を手放したえべが、ドンヒョクによって助けられたと


聞き、大慌てでやってきたプールサイド。

 


ドンヒョクは、マウスツーマウスでの人工呼吸の方法を旦那に


教え、2人協力しての救命救急は始まった。



しかし、いざとなると素人がそう簡単に出来る物でもない。


早く処置しなければ、えべの命も危ない。



旦那は、ドンヒョクに交代してくれるよう頼んだ。

 



『早く!代わって下さい。お願いします』


 

『御主人・・』

 


『いいんです。早く!』

 




交代したドンヒョクは、リズミカルに空気をえべに送り込む。


やがて、大量の水と共に、えべは息をふき返した。

 



・・ゲホッゲホッゲホッ!!・・

 


『よかった。これで大丈夫だ』

 


『ありがとうございます!』

 

 





昼間、溺れて死に掛けたというのに、えべの食欲は旺盛で、


美味しそうにサムゲタンを食べている。



えべは、何やら物思いにふける旦那を気にしつつも、


あの瞬間の事を、興奮気味に話し出した。

 




「黒いイルカがね・・」

 


「イルカ?」

 


「うん。黒いイルカ!私の方に向かって泳いできたの。きっと私を

助けてくれたんだよ。こうね、すーっとこっちに向かって・・」

 


「バーカ。プールにイルカがいるかよ」

 


「くだらない。それ、ダジャレのつもり?オヤジだなあ」

 

 



・・・くそっ!人があれほど心配してやったのに。

お前のために、目の前でキスまでさせてやったんだぞ!

教えてやろうと思ったけど、やっぱりやめだな・・

 

 


夏の夜のソウルホテル。

 

ほくそえむ旦那に気づきもせず、えべは幸せそうに笑っていた。






・・こんなになりましたぁ!

アハハ、作者なんて勝手なもんだ(爆!)

 


2010/07/26 01:07
テーマ:短編集 カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

ホテルのプールで掴まえて 2

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昨日、途中で思いついて書き出した妄想話^^


何せ夜中だったものですごく短くてゴメンナサイ。


今日もまた短いけど、どの辺まで書けるかな?

 

 





「・・綺麗」

 




自分の体が静かに沈んでいくのに、えべは妙に冷静だった。


最後の息をさっき手放してしまったから、少し意識が遠くなって


いるのかも知れない。

 

ふわっと体から力が抜けた時、キラキラの光の中からこっちに


向かってくる黒い塊があった。

 




「・・大きな・・イル・・カ?」

 





黒い塊がどんどん近づいてくる。


そしてえべは、気を失った。

 

 





「すまないね。助けてくれたうえにこんな良い部屋に

変えてもらっちゃって。あの部屋でも充分上等だったのに」

 



ソウルホテルの最上階。



スイートルームのキングサイズのベッドで、えべは眠っていた。

 




黒いイルカの王子様は、えべをプールの底から助け出すと、


ちょうどそこに帰ってきたえべの夫と共に人工呼吸を行い、


えべは呼吸を取り戻した。

 

 




「おい!大丈夫か?」

 

「お客様?」

 

「・・・イ・・ルカ?」

 

「何言ってんだよ。お前溺れてたんだぞ!


おい。俺が分かるか?」

 

「・・メガネないから、全然見えないよ」

 

「あ、そうか」

 

「ねぇ・・眠いよ・・・少し寝て・・いい?」

 

「ああん?何言ってんだよ。心配したんだぞ!


・・・って。あ~あ・・」

 





華麗な救出劇。


大騒ぎの救急救命。




併設のジム等から騒ぎを聞きつけたギャラリーが、


大勢えべ達を取り囲む。


その中でえべは、安心したのかコテンと眠ってしまったのだ。

 

 

 



「いいえ。こちらこそ、申し訳ありませんでした。

私のせいで奥様にとんだ御迷惑を・・」

 

「こいつネットやるんだけど、時々こんなプレゼントとか

に応募してるらしいんだ、でも今まで何も当たった事なくて。

初めて当たったホテル宿泊券がお宅のホテル。

こいつ、喜んでね・・やけにテンション高かったんだ。

俺が一緒に泳いでやってたらよかったんだけど、急に仕事の

打ち合わせの電話が入ってさ。こいつ1人にさせちゃって・・


理事さんのせいじゃないですよ。こいつ、最近疲れてたから

きっと体力が落ちてたんだ。普段なら俺より泳げる奴だから

溺れるなんて考えられないから」

 

「本当に申し訳ありませんでした。私も少しイライラする事が

あって、つい本気で泳いでしまって・・」

 

「へぇ・・理事さんでもイライラする事なんかあるんだね。

イケメンでお金持ち。そんな連中は、いつもお気楽に暮らしてる

のかと思ったよ」

 

「そんな・・」

 

「アハハ、冗談です。しかし、バカだなぁ。こんな時に寝てるなんて。

憧れの理事さんがここにいるってのに」

 

「いえ、また伺います。ゆっくりお休み下さい。

後で妻にも顔を出させますから」

 

「どうもありがとう」

 





広いスイートの大きなドア。


理事と呼ばれた黒いイルカは、静かにドアを閉めた。

 

 

 





ふふふ・・人口呼吸は誰が?(笑)


今日はここまで^^


明日はラストです♪



2010/07/25 01:35
テーマ:短編集 カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

ホテルのプールで掴まえて 1

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猛暑猛暑・・・もういいっしょ!(爆)

 

 

連日の猛暑。


確かに疲れも溜まりますよねぇ。陽射しって結構体力を奪いますもん。


もう海とか野外プールに行こうなんて思わないしね^^

 

何て書いてたら、ちょっと妄想が浮かんできました。

遅くに書き始めたから、続きは明日ね^^









・・その時。


えべは都内の高級ホテルのプールにいた。


暇にまかせてネットで応募していた「お食事券付き宿泊券」が、


初めて当たったのだ。

 



「うふふ。やっぱり高級ホテルのプールはいいなぁ。

市民プールみたいに芋洗い状態じゃないし、子供達のお友達のパパに

ばったり・・なんて危険もないし。

こんなゆったり泳ぐのなんて何年ぶりだろ。ああ~良い気持ち♪」

 



ゆっくりとしたストロークのクロールで泳ぐえべの横を、


大きく水をかいて進むバタフライが通り過ぎる。

 



「おいおい。ホテルのプールでバタフライって・・

しかも本気モードだったなぁ。アハハ!ドンちゃんじゃあるまいし」

 



泳ぎながら笑い出したえべの所に、バタフライが起こした波が、


少し遅れて到着した。

 



「・・えっ?」

 



思いがけず大量の水を飲みこんでしまったえべには、今、自分のおかれて


いる状況がまったく理解出来なかった。

 


事態を脱しようと、もがいてみるが、何故か手足に力が入らない。


体は重く、意識が段々遠くなる。


水を飲み、波にのまれた自分は、どうやら溺れようとしているらしい。

 




「あれ?どうしたんだろう、私。中学時代、水泳部だったのに、

まさか私が溺れるなんて・・・このプールの底、結構深いんだ・・・」

 




水面がキラキラ輝いて見える。


えべが吐いた最後の息が大きな泡になって、


そのキラキラの方へ上がっていく。、

 

 


「・・綺麗」






続きは明日♪


2010/02/22 00:32
テーマ:短編集 カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

妄想話短編

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今日は短い妄想話^^


これは21日にお誕生日だったお友達に当てて書いたものですが・・

ところで彼。3年目の今年、本当にどうするんでしょうね(笑)

 

 


3年目のプロポーズ

 

 


「何してる?」

 

毎日同じ書き出しの定期便メール。


決まって2分後。


君の返事もいつも同じなんだ。

 

「窓の外を見てたわ」

 

 

僕達が気軽に逢えなくなって、

どれほどの月日が経っただろう。


あの時、僕のプロポーズに頷いてくれさえしたら、

今はきっと同じ屋根の下で暮らせていたっていうのに。

 

僕も悪かったんだ。

ためらう君を強引にでも引っ張ってくればよかった。

 

国際結婚だとか、僕よりいくつ年上だとか。

そんなつまらない事で悩んでいる君を、

強引に抱きしめてしまえばよかったんだ。

君の抗議は、いつもの僕のキスでかき消して・・・

 


あの時は君だって、まさか僕の身にこんな事が起こる

なんて、まったくの予想外だったよね。


突然電話はおろか、メールさえ出来なくなった僕。

不安になった君が、その頃の僕の事務所を訪ねて

くれてた事だって、あの時の僕は、何週間も後から

聞かされた。


次に君が僕を見たのは、日本のTVの画面の中だったって

事実は、今後何度謝ったって許してくれないだろう。

 

根も葉もない噂話。

見たくも無い僕のラブシーン。

 

顔を見て話せればすぐに解ける誤解も、僕には

弁解の機会さえ無く、やっと繋がった君の携帯は、

もう番号が変わっていた。

 

君を失った・・・

 

そう思った僕は、悲しみから逃れようと

体を徹底的に苛めた。

体の痛みや苦しさならいくらでも耐えられたから。

 

そんな時、僕は偶然に君を見つけたんだ。

僕のファンサイトの投稿を何気なく見ていた、冬の夜。


君の描く僕は笑っていたよ。


それは以前、君が好きだと言ってくれた冷徹なハンター。

使われていた画像は、ドラマの中のそれだったけれど、

僕には分かった。

背景に、僕達の思い出の風景が使われていたから。

それは、誰にも分からない・・僕に当てたラブレター。

 


「今日は、何が見えるの?」


「あなたの街と同じ、白い雪よ」

 


いいや、違うよ。


この街は、もうすぐ君の街になるんだよ。

 


約束した3年目。


君の誕生日。

 

今度こそ受けてくれるよね。



・・・僕の、プロポーズを。


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