食パンを焼く猫
「さよなら、猫よありがとう」翻訳をしていて、とてもおもしろい表現に出会いました。
この、猫が前足を自分の体の下に入れて座る姿勢。
まず、日本語で何というか、ご存知ですか?
答えは「香箱座り」または「香箱を組む」などというのですが
わたくし、正直知りませんでした~。
ある猫系インターネットサイトの調査でも、
「香箱」を含む呼び方を知っている方は1割しかいらっしゃらなかったそうです。
→
香箱 香箱座り
これを韓国語では「食パンを焼く姿勢」と言うそうです。
まさに、パン職人が釜の前でうずくまって食パンを焼いている姿勢に
似ているからだとか。面白いですよね。
イチョウ広場の塀の上に食パンを焼く姿勢で座り、
通りかかる子供たちを眺めているモン。
~「さよなら、猫よありがとう」第4部 秋より~
あまりに面白い表現だったので、
「さよなら、猫よありがとう」日本語版の背表紙に入てしまいました。
皆さんも書店でもし本を見かけたら、「ああ食パン焼いてるね~」と思ってください。
でも、このところ、焼いているっていうより、どちらかというと
猫自体が食パンに見えてきました。
食パン3斤
ちなみに我が家の猫はパン好きです。
だからではありませんが、ニックネームはパンティーです。
それでは皆様、ごきげんよう。
茶トラの子猫たち、初めての外出
世の中のつらさをまだ何も知らない赤ちゃん猫の、純真無垢な瞳を見よ。
前年の冬に5匹の子猫を産んでから6ヶ月ぶりの出産。
10日ほど前から家の前で子猫の鳴く声が聞こえてはきていた。
しかしランが子猫を何匹産んだのかは正確にはわからない。
畑の小山の洞穴の中で産んだので確認することができなかった。
畑の小山の隠れ家から外の世界をじっと見つめている赤ちゃん猫。
ただ、何日か前にランが子猫を1匹月明かりの下に連れ出すのを目にした。
巣の穴からも、もう1匹子猫が頭を出した。子猫が少なくとも2匹はいるということだ。
しかし子猫は幼すぎて、まだ外の世界に飛び出すのが怖いらしかった。
好奇心旺盛な子猫が、隠れ家から顔を出し恐る恐る外の世界へ飛び出そうとしている。
10日ほど前から家の前で子猫の鳴く声が聞こえてはきていた。
家の前によく来ていたランのおなかが大きかったので、もしやとは思っていたが、
案の定、子猫たちが鳴いているのはランがなわばりとしている畑の小山の洞穴の中だった。
子猫が巣から出てきて一歩一歩、母猫のところへと歩いていく。
子猫に乳を飲ませるためには何よりも母猫がしっかり食べないといけないが、
最近は一日に何度もランが我が家までやってきたので、
そのたびに僕は猫缶とサバの煮物を出してやった。
子猫たちを育てるのに少しでも助けになればいいなと思いながら。
子猫が巣から出てきて一歩一歩、母猫のところへと歩いていく。
そんな中、今日ついに子猫が初めて外出をした。
とはいっても、もちろん3、4坪の小さな畑にすぎないが。
子猫は目に映る世界が不思議でならないようだ。
畑に植えられたエゴマの葉に鼻を近づけクンクン匂いを嗅いだり、
畑の小山の肥料入れをかわいらしい足でトントンと触れてみたりしている。
畑で心行くまで楽しむ、子猫と母猫の初めてのデート。
母猫は畑の真ん中で、子猫の初めての外出を見守っている。
しかし子猫の外出といっても、空に浮かんだ雲を眺めたり、
カアカアと鳴くカササギの声が気になっておろおろしたりするばかり。
よちよち歩いたと思ったら、草の根っこにつまずいたり、
つまずきついでに座り込んで毛づくろいをしたりしている。
近づこうものなら母猫がうなり声で威嚇してくるので、僕は動けなかった。
僕がカメラを持って近づき注意深くシャッターを押すと、
子猫はびくっとしてエゴマの葉とゴマの実の間に身を隠す。
すぐにそこから出てきたが、また僕と目が合うと、
子猫はあわてて穴の中に逃げ帰る。
しかし好奇心が抑えきれず、すぐにまた穴から出てきて周囲の様子をうかがう。
そして道路を人が通り過ぎると、あわててまた穴の中に隠れるのだった。
-イ・ヨンハン氏ブログ
「雲と鮭、あるいは雨期の旅人宿」、2008/06/10の記事より-
初公開!日本語版表紙
できちゃいました~表紙。
まだ一般には公開していないものですが、ここの皆さんには、こっそり発表しちゃいます!!
どうですか?かわいいでしょう?関係者の間でも、すこぶる好評です!
中身もいちおう、
今日の「明け方」に韓国の印刷会社の人が試し印刷してくれたそうで
いま飛行機に乗って日本へ向かっているところです。
「明け方」からお仕事だなんて。印刷会社の方、ありがとう~
ちなみに帯付はこちら。
猫本としてはめずらしい、豪華352ページ!
そして、「小さな」シール付!! 小さいってどんなや・・・て感じですけど
PR文作る猫好きのソンスンホン似の男性スタッフが「小さいって入れる!!」と主張しました。
理由は、そのほうが、どんなものか気になるからだそうです。なるほど。
来月下旬より、ブロコリと紀伊国屋ほか全国書店で発売開始予定です。
お楽しみに♪
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