<妄想>手洗いヨンジュン
ヨンジュン…ごめんね、病院で手洗いしてるの見ただけでこんな妄想になっちゃって❤
我ながらこれじゃエロ親爺だわ♪
初めての創作だってのと、あなたへの愛に免じて許してね~❢
「先生、手洗い中、すみません」
「なに?」
「大学の医局から電話入ってますけど、緊急じゃないそうです」
「ん、これからカテだから、終わったらかけなおすって言って」
「判りました」
青い術着を着た藤川俊、循環器科の新人ドクター。
新人って言っても、4年目だから、ある程度のことはできる。
けれど、上級医師のサポートは欠かせない。
何か判らない症例があると、大学に相談している。
電話のやりとりもしょっちゅうだ。
人口6万人程の地方都市に赴任してきた当時は、
そんなに激務になると思っていなかったけれど
医師不足の波は否応なく押し寄せてきていて、
実質15万都市に相当する患者圏があるここでは、
超遠方からも患者が搬送されてくる。
たらいまわしが問題になることはない。
だってここしか、心臓カテーテルのできる施設はないのだ。
自然、俊の睡眠時間は減り、慰めてくれる優しい彼女を見つけることもできないでいるのだが…
気になっている人はいる。いや、気になるどころか結構恋してる。
4期上の呼吸器科、涼子先生だ。
何だか、指導医の黒田先生にアタックしてるって噂だけど
…見る目ないなあ。
黒田先生、見かけはかっこいいけど結構な遊び人だ。
寄る看護師を斬っては捨て、斬っては捨て、そんな感じ。
早く目を覚ましてくれないかな。
一途な年下君もいいもんだよ。
…もう当直室で襲っちゃおうかな。
一応個室があるけど、雑魚寝できる部屋もある。
彼女、無頓着だから、あそこでぐっすり寝てることがあるんだ。
前なんか、医局に置いてある簡易ベッドで寝てて、
(徹夜のあと、外来終わってから)
ドクター目当てのMRが、所定の位置に立ってないで、ぐるりとそのベッドを囲んでた。
眠り姫か?白雪姫か?…男7人はいなかったけど。
思いっきり咳払いして睨んでやった。
ああ、涼子先生、天然だから、30過ぎても独身なのかな。
俺にとってはラッキーだったけど。
カテが終わって、当直室を覗いてみる。雑魚寝のほうだ。
いた、いた……爆睡だな。
呼吸器科も循環器科と、いい勝負で呼び出しが多い。
寝れる時に寝とかないと、もたないんだ。
労働基準法はどうなってんだ、まったく…
…え~とやっぱり同じ病院の同僚は襲えないな。
でもナンカしたい…
髪の毛の匂い嗅いじゃう?
あーどうしたんだ俺は、こんなヘンタイじゃなかったはずなんだけど。
すげえいい匂い。シャンプー?
「ん…」あれ、起きちゃう?
「くろ…だ…せんせ…」…ブチッ。俺の理性が切れた音。
寝言でいうほど好きなのか?
俺を見てくれよ。
黒田に負けない位結構見かけはいけてるほうだ。
仕事も真面目。
患者のばあちゃんたちからいつも、孫の婿に、って言われる好青年。
その俺の理性を吹っ飛ばせるのは、涼子せんせ、あなただけなんだ。
腰をかがめてそっとハグしてみる。
やわらかいなあ…ん、で結構…だな(赤面)。
あ、やばい…
「ふじかわ…せんせい?ちょっと、乙女に抱きつくってどういうつもり?
カテで疲れ何とかとか言わないでよ、誰でもいいとか失礼だからね!」
「疲れ…はあ、何すかそれ」
「やだ、知らないの、ほら、男の人ってすっごく疲れると…って何説明させてんのよ、なんで抱きつくわけ」
「好きだからです」
「…」
「先生が黒田先生のこと好きなのは何となく聞いてます。
でも俺だって先生のこと好きです。
すごく可愛いし…患者にもいつも優しい。
俺にもすっごく丁寧にレントゲンの指導、してくれましたよね。
何回も読影室で二人っきり。何時間も。あれで参ったの、俺だけですか」
「…」
「先生。いや、涼子さん。俺、本当に好きなんです、先生のこと」
もう一度ハグする。
彼女は起き上がってるけど、嫌がらない。
じっと目を見る。切れ長で一重。化粧は…濃くない。その目が揺れてる。
「黒田先生は、チームだからひっついてるだけで…私も藤川くんのこと好きだった」
強く抱きしめる。
「でもモテモテ君だし、年上だから、私なんかって思って…」
もう言葉はいらない。彼女の口を塞ぐ。
あれ、当直室の鍵かけたかな?
あ’’―こんな絶好のチャンスにアレ持ってない!
(術着で持ってる奴、いないよな)
まあいいや、眼鏡外そっと…
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