2012/10/31 22:33
テーマ:歌姫のひとりごと カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

ヨンジュンはやっぱり凄い!!

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 やっぱり・・・

 ヨンジュン先輩には 敵いません!!

 先輩の日本での人気は 凄いです!!

 僕は足元にも及びませんでした・・・

      (-.-)
          
           
妄想スヒョン君のつぶやき




 

 
 うん。分かり切ってたことだけど・・・

 母は 君に協力してあげたかったよ。

    

 

 


 


 もし、今回のファンミツアーが

 ペ・ヨンジュンだったら・・・


 このご時世とはいえ

 参加希望者で取っ組み合いの争奪戦だったよね!!

       (*´艸`)ププ


 参加希望者は 軽く2000人は超えたでしょ

 だって、なんたって・・・

   ヨンジュンとハイタッチだもん!!

 

 



 

 韓国では スーパースターのスヒョン君

 日本では まだまださっぱりリンリン・・・

 知名度も人気度も 低い!!!


    ああ・・・母は悲しい・・・(T_T)


2012/10/31 08:51
テーマ:歌姫のひとりごと カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

これぞ急降下!!!

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 嘘~~~!!!


    \(◎o◎)/!

 

 ものすごくショックなことが・・・!!

 例のスヒョン君のファンミツアーが

       中止になっちゃいました~!!


     (T_T)


 




 

 
 夕べ、突然 旅行会社から


 ”残念ながら最少催行人員に満たず

  催行中止とさせていただくこととなり

  延期とさせていただきます。

  楽しみにしていただいた皆様には

  お詫び申し上げます。

  延期の月日が決まりましたら

  またご連絡させていただきます。”


  というメールがありました。


 







 めちゃくちゃ行く気になってたので・・・

 
 歌姫は すごくショックでした。

     (T_T)



 昨日、思い切って

 ツアーのためにと、革のコート買っちゃったし!!

     (>_<)オヨヨ・・・

 

 






 まぁね・・・

 最近、いいことばっかりあったから


 何かどんでん返し的な 悪いことが

 あるような気がしてたんだけど・・・


 まさか!!ツアーがなくなるとは・・・

      (>_<)


 




 歌姫は 人生はジェットコースターだと思ってて

 良いことと悪いことは 交互にあるって思ってる。

 
 だから・・・

 今回は 上に向かって上がったと思った

 ジェットコースターが

 一気に急降下した・・・そう思う。


 はぁ・・・

 今日は 音楽仲間が来てくれるので

    慰めてもらちゃう!!


 

 


 


 


     あ・・・カテゴリー ペ・ヨンジュンで・・・

     スヒョンばっかりで ごめんね!!(>_<)
 


     

 

 


2012/10/30 10:41
テーマ:歌姫のひとりごと カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

ネクタイ

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 今日は 今から夕方まで出かけます

 自分の用事や買い物のついでに・・・

 長男の国家試験合格祝いで

 ちょっと上等なネクタイでも選んで

 贈ってあげようかと思ってます

      (*^_^*)


 


 

 実は土曜日に 長男からメールがあって

 正式な合格通知と成績が届いたということで

 蓋を開けて見れば・・・

 またまたアホな計算ミスをしてて(笑)

 でも10点も引かれたわりには

 100点満点中82点の高得点!!

     (^_^)v


 5000人中48位だったと威張ってます。


 アホなミスをしなければ・・・

 スーツでも贈りたいところです (嘘!笑)

 

 

 

 まぁ・・・3回目の試験だし

 あれだけ母の歌姫に叱咤激励されて

 勉強してたので 当然な結果でしょう。

     (*´艸`)ププ

     

 それでも気分が良いのは確かで・・・

 夫や義母もそれで機嫌がいいので

 歌姫のツアー旅行も 

 首を縦に振ってくれたような気がします。(笑)

 

 

 


 
 まぁ、あんまり浮かれてると

 痛い目に遭ったりするので

 歌姫は特に交通事故!!


 夕方には生徒がレッスンに来るし・・・

 注意して出かけて帰ってきますね!!






 今日のヨンジュン画像は

 すべて過去作品!!

 
   すみません~♭

 

 

 

 

 


2012/10/28 21:01
テーマ:歌姫のひとりごと カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

やりました!!

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    やった~~~!!!


 
 スヒョン君のファンミツアーに行くことを

 やっと、夫に言えました!!


   バンザイ!!  \ (*´∀`*) /





 

 まぁ正確に言えば・・・


 「11月30日から2泊3日で

  ツアーに行ってくるからね!!」


 とだけ、言ったんですけど(爆)

 
 でも、夫は了承してくれました!!!


     (*´艸`*)


 

 ふふふ・・・

 韓国ツアーとも知らず・・・

 また、内容を知ったら「なんだそれ??」

 となって猛反対されると思うんだけど・・・

 もう遅いもんね~ (*´艸`)プフ

 




 「お前、ペ・ヨンジュンじゃなかったのか?」

 夫からも 言われそうだけど・・・

 ヨンジュンは ヨンジュン!!

 

 ヨンジュン事務所のお宝スター

 スヒョン君とハイタッチしてきま~す!!

     \ (*´∀`*) /

 
 


2012/10/27 20:49
テーマ:太陽を抱いた月 カテゴリ:韓国TV(その他)

『太陽を抱く月』第2話(3)

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 ヤンミョンとヨヌがヤンミョン所有の温室で

 明るく温かい気持ちで 雨宿りする中 2人は 自然と仲良くなっていた。

 ところが、ユン・デヒョンの娘、ポギョンとぶつかってしまったばっかりに 

 スリと誤解され ”泥棒でないことを証明しろ”と

 ユン家へ連れてこられて来たソルは

 意地悪なポギョンの思惑通りに 屋敷の庭で 

 使用人の男たちに 拷問を受けていた。

 「お前の主人は誰なの?
 
  お前の主人に金を返してもらう!」

 使用人の女は 自分が店の前で巾着を落として

 それがポギョンに拾われていることなど知らない。

 ソルを泥棒と信じて疑わない使用人は

 屋敷で働く男たちに 太い棒でソルを叩かせるのだ。

 「なぜ黙っているの!」使用人は怒鳴る。

 ソルは殴られて血を出しながら 地面に倒れたままだ。

 酷く殴られても白状しないと思う使用人は

 「なるほど。主人もグルなんでしょ。」と言う。

 すると、ソルは動けない体に 目だけ動かして

 使用人を睨み返した。それを見た女はもっと怒って

 「生意気に!官衙につき出そうか!」と言うのだった。

 庭の拷問を ポギョンは屋敷の座敷から

 本を読むフリをして監視していた。

 「前を見てないからよ。私の大事な服を汚して

  済むと思ったら大きな間違いよ”」とつぶやくポギョン。

 拷問は当然の報いというように すました顔でいる。

 やはり、あのデヒョンの血を受け継いでいる娘だ。





 

 雨が上がり、鍛冶屋までソルを探しに行くヨヌは

 ソルが盗みを働いて 捕まえられたと聞いて驚く。

 「よりによって、史判様の家の物を。

  捕庁で入れ墨するというのを

  お嬢様が止めて連れて行きました。」と

 鍛冶屋のオジサンは ヨヌに説明した。


 


 ソルはどんなに殴られても 無実なので

 「盗みました。」とは言うわけがない。

 ソルは酷く打たれて 息も絶え絶えで倒れていた。

 「強情な女め!むしろを持って来て!」

 使用人の女は男たちに命令した。

 そこへ、慌てたヨヌが屋敷の中へ駆けて入って来た。

 ヨヌに頼まれて屋敷の案内をして来た男に 

 使用人の女は ヨヌの素性を耳打ちされる。

 入って来たヨヌに 女は緊張した顔でお辞儀をするのだった。


 



 

 ヨヌは倒れたソルの姿を見て 泣きそうな顔で

 「ソル!」と呼んだ。ソルは少し起き上がって

 ヨヌを見て「お嬢様。」と声を出した。

 ヨヌはソルに駆け寄り「大丈夫なの?」と聞く。

 そして、怒った顔で ヨヌは使用人に向かい 

 「一体、何のマネだ?こんなになるまで叩くなんて!」

 と文句を言う。 すると 座敷にいたポギョンがとぼけて

 「何の騒ぎだ?」と立ち上がって縁側に来る。

 ヨヌはポギョンに「失礼します。」とお辞儀をして

 「私は弘文館 大堤学の娘 ホ・ヨヌです。

  私の侍女がお嬢様の巾着を盗んだとか。

  誤解のようですが・・・」と言うと

 ポギョンは一瞬、困った顔になり

 今度は怒った顔で 使用人たちに

 「真相を調べろと言ったのに

  なぜ手をあげたのだ?」と怒鳴る。

 ソルはエッ?という顔でポギョンを見上げた。

 「死なない程度に叩けと 先ほどお嬢様が・・・」

 使用人の男は口にするが、女の使用人はマズイと思い

 ポギョンに向かって謝るのだった。

 「申し訳ありません。気持ちが収まらなくて・・・」

 するとポギョンは「謝る相手が違うだろう!」
 
 と、ヨヌに謝るように促すのだった。

 使用人の女は ヨヌに深々と頭を下げて

 「申し訳ありません。いくら聞いても

  どこの使用人か言わなくて・・・」

 と謝るのだが、ヨヌは解せなかった。

 そこへ縁側からポギョンが庭に下りてきて

 ヨヌの正面まで来て こう言った。

 「無知な者の仕業なので お許しください。

  賤しい使用人の扱いは難しいものです。

  でも、手癖の悪さは直りませんから

  大事になる前に 売ったほうがいいですよ。」

 あくまでも、無実のソルを泥棒に仕立てるポギョン。

 ポギョンは衣を汚されただけで、

 ソルを売りとばさせることまで考える性悪女だった。

 しかし、ソルを信じるヨヌはその言葉を無視して。

 「とにかく、失くしたお金は弁償します。」と言った。

 ポギョンは「いいえ、結構です。

  お宅の財産を傷つけたので、お互いなかったことに。」

 そう言うポギョンに ヨヌは悲しそうな顔で言う。

 「お嬢様。この子は売り買いする物ではなく

  私の友であり、家族同然の人です。」

 ポギョンは「家族?」と驚いてつぶやく。

 「私は人には 貴賤がなくても

  人格には 貴賤があると思います。

  お嬢様の失くしたお金が どんなに多額でも

  この子の心の傷と 比べられるでしょうか?」

 優しい言葉であったが、ヨヌはポギョンを攻めていた。

 無実のソルの傷ついた姿が悲しかったし

 ソルを人間扱いしないポギョンの心が悲しかった。

 「何ですって?」ポギョンはヨヌを睨む。

 ヨヌは胸の内の文句は伝えたので

 「では、これで終わったと考え 連れて帰ります。」

 そう言うと、「行こう。」とソルを抱き起こし

 「大丈夫?」と声をかけながら ヨヌはソルを抱えて

 屋敷を出て行くのだった。

 その後姿を見て ポギョンは説教された腹立たしさに

 「偉そうに!」と唇をかみしめた。


 
 

 

 

 それから数日後、丕顕閣での授業の前に

 ヨムはフォンにヨヌから預かった手紙と竹筒を差し出す。

 「飴をいただいた妹からのお礼です。」

 ヨムは妹が抱いているフォンへの想いを何も知らずに

 微笑んで言うと フォンにヨヌの想いを渡したのだ。

 フォンが驚いて竹筒の蓋を開けると そこには土が入っていた。

 「何を植えたのですか?」と尋ねるフォンに

 「それは私も よく分かりません。

  知り合いの温室からもらった種で

  温かい所で育てると育つそうです。」とヨムが言う。

 フォンは頷いて、いったい何が育つのかとワクワクした。

 「では、授業を始めましょう!」と言うヨムの言葉を遮って

 「ホ文学の妹はどんな人ですか?」とフォンが質問した。

 ヨムは「えっ?」と困惑した顔になる。

 「悩み事を聞き、解決方法まで教えるなら

  聡明でしょうけど・・・どんな人か知りたい!」

 フォンは素直な疑問を ヨムにぶつける。

 「邸下、書筵の時間でございます。」と質問に答えないヨム。

 ヨムは真面目な性格なので、たとえ邸下でも

 授業中の私語は 慎むべきだと思っている。

 しかし、フォンは食い下がった。

 「兄弟の仲が羨ましいのです。」とヨムに言う。

 


 



 ヨムは仕方なく答えた。

 「毎晩、妹と書物を読み 色んな話をするのだけです。」

 それを聞いたフォンは 驚く。「妹と一緒に書物を?」

 ヨムは微笑んで言う。「さようでございます。幼い頃から

 書物が好きなので、私が学ぶ面が多いです。」

 超天才に”学ぶ面が多い”と言わせる妹。

 フォンは ほとほと感心して

 「私の妹のミナ公主とは 大違いですね。

  千字文は初歩の水準で、性格はわがままで・・・」

 と妹のミナの悪口を言っていると

 丕顕閣の外で泣き声がした。驚くフォンとヨムの前に

 外からミナ公主は泣き喚きながら部屋に入って来て

 フォンの前に来る。フォンは驚いて

 「ミ、ミナ!何という姿だ。」と呆れるのだが

 ミナは フォンに泣きながら怒って言う。

 「兄上!ひどすぎます!!」

 「どうした?一体、何をしているのだ!」

 と 訳が分からないフォンに ミナは泣いて訴える。

 「私の悪口を言った!あの人の前で!」

 そう言って、ミナはヨムを指差す。

 そして フォンの前で地団駄を踏みながら

 「嫌い!嫌い!嫌い!」と泣き叫ぶのだ。

 そして、今度はヨムの方へ行き、両手でヨムの顔を挟み

 「邸下の話は嘘だ!私は我儘ではなく、貞淑な女だ!

  千字文も学んでおるのだ!」そう言って泣いた。

 ヨムも訳が分からないが とにかく

 「分かりました。よく分かりましたから・・・」

 と言いながら ミナが自分の頬を掴んだ手を優しく外して、

 「泣かないでください。可愛いお顔が台無しです。」と言った。

 するとミナは「わ、私が・・・可愛いか?」

 と聞き返し「えっ?」と戸惑うヨムに

 泣きやんだミナは 急に微笑んでもう一度聞く。

 「私が・・・本当に、可愛いか?」

 ヨムが返事に困っていると、ミナのお付きの女官が慌てて

 3人がかりでミナを引っぱって連れ帰ろうとするのだが

 部屋を出るまで ずっとミナはヨムの顔ばかり見ていた。


 

 



 フォンは呆れた。

 ヨムの妹とは雲泥の差に幼い行動のミナに

 恥ずかしくて 師匠のヨムに顔が向けられなかった。

 そしてヨムとの授業がやっと終わったと思うフォンは

 待ってましたとばかりに ヨヌの手紙を広げてみた。

 それはため息が出るほど 美しい紙に書かれた

 それはそれは美しい文字の手紙だった。

 ピンクの紙に 丁寧に押し花が散りばめて張り付けられ

 その中に書かれているのは 漢文の詩だった。

 ヨヌが心を込めてフォンに送った手紙だということが

 一目瞭然の手紙で、フォンは生まれて初めて見る

 美しい手紙に 声も出ないほど感動した。
 
 最後に許煙雨(ホ・ヨヌ)と書かれてあるのを見て

 初めてヨヌの名前を知ったフォンだった。

 傍にいたヒョンソンに フォンは言う。

 「この書体を見てみろ!

  これが13歳の女の子が書いた物だと思えるか?」

 ヒョンソンは手紙を覗いて 感心して言う。

 「漢字が書けるのも珍しいですが

  素晴らしい書体でございます!

  それで、内容はいかがですか?」

 手紙をもっと 覗こうとするとフォンが睨んだ。

 ヒョンソンは仕方なく後ずさりする。

 フォンはため息をついて 書かれた詩にうっとりた。

 「イ・ギュホの詩だ。」

 


 あの日、紙屋でヤンミョン君の登場や泥棒騒ぎなどで

 邸下のための 色彩豊かな詩箋紙を買えなかったヨヌは

 ソルに手伝ってもらって、自分で紙を桃色に染め

 押し花を使って 紙を美しく飾ったのだ。

 自分のフォンへの気持ちが伝わるように。

 心から あの日の失礼をお許しくださいという・・・

 ヨヌの切実な願いだった。

 ヨヌはその紙に 筆を執り丁寧に思いを綴った。


 ”山寺の和尚が 月明かりに魅せられ

  見ずに映る月を 器に入れて持って帰った

  だが寺に替えると すぐに気づいた

  器の水を捨てると 月明かりも消えることを

  月明かりすら 残しておけぬのに

  私の愚行を心に留めて 何になりましょう

  隠月閣での出来事は どうかお忘れください

  反省しております”

 その文面に感嘆しながら フォンは言う。

 「私の謎かけが 解けたのだな。」

 そうつぶやくフォンを ヒョンソンが

 何のことだが分からずに 怪訝な顔をした。

 フォンのつぶやきは続く。

 「忘れてくれだと?」そう言うとフッと笑って

 「賢いと思ったのに 愚かではないか。」そう言って

 フォンはヨヌからもらった木筒を見つめて言った。

 「私がそなたを 忘れられるわけがない。」

 


  


 


 ヨムに「可愛い。」と言われ喜ぶミナ公主。

 ミナは 父の国王成祖が臣下たちを引き連れて

 便殿を出るところを 走って訪れた。

 「公主様、お待ちを!公主様!公主様!」

 後ろからお付きの女官が追いかけてくる。

 成祖の顔を見て「父上!」大声でミナは叫んだ。

 すると成祖は「ミナ公主ではないか。」

 と言って、顔をほころばせる。

 「父上。ごきげんよう。」とミナがお辞儀をした。

 成祖は嬉しそうに「ミナ公主を見ると病も吹き飛びそうだ。」

 と微笑み「ところで公主。便殿に何のようだ?」と聞く。

 「私も学ばせてください!」とミナが言うと

 成祖は大声で笑って さも嬉しそうに

 「なんと、公主が勉強に興味を持ったのか?」と聞く。

 「はい!」と笑顔で答えるミナは言う。

 「私も邸下の師匠に学びたいのです!」

 「ホ文学に?」成祖の顔から笑顔が消えた。

 「はい!」そう答えるミナを 後ろから見て

 不安そうな顔になったのは ユン・デヒョンだった。

 成祖も厳しい顔になって「それはならぬ。」と言う。

 ミナは驚いて「なぜ・・・いけないのですか?」

 と尋ねると 成祖は言った。

 「公主が邸下の師匠に習うのは ならな・・・」

 成祖が最後まで言い終えないうちに ミナは叫ぶ。

 「イヤです!私はホ文学に学びます!」

 しかし、成祖は「これ!ダメなものはダメだ!

 わがままが通る話ではない!!」そう威厳をもって

 珍しくミナを叱りつけるのだった。

 父成祖の怒った顔を見て、ミナは幼児のように

 その場で 声をあげてワンワン泣き出すと

 くるりと成祖に背を向けて 泣きながら去って行く。

 「申し訳ございません!」お付きの女官が

 自分の躾けの悪さを謝るように 

  成祖に深くお辞儀をして ミナの後を追いかけた。

 成祖は後ろに控える臣下たちに 面目ない

 という顔で咳払いをして 承政院の方へ歩いた。

 デヒョンは ミナのお願いが心に引っかかる顔をした。

 ミナや成祖に何とか取り入ろうと思うデヒョンは

 このミナの言動であることを思いつく。

 成祖と臣下たちは便殿を出て、承政院での会議で

 デヒョンはミナ公主に学友を授ければどうかと提案した。

 この機に娘を宮殿の中へ入れ、王妃に取り入って

 いずれは世子嬪候補になるように仕向けるための提案だ。

 

 


 

 「臣下の娘の中から 品行方正かつ賢い子を

  選び学友にされてはいかがでしょう。」と言うデヒョン。

 ミナには 一緒に学んだり遊んだりする同年代の友が 

 必要では?と成祖に進言して 実はその友人には 

 自分の娘を 仲間の臣下たちに推薦してもらう魂胆だった。

 「学友は元子のためのものだ。前例はないが

  公主の教育には悪くないだろう。」

 そう言って、成祖はデヒョンの提案を快く受けた。

 推薦できる娘はいるかと聞かれ デヒョンの仲間が

 筋書き通り、デヒョンの娘を成祖に推薦するのだが

 外威であり、野心家のデヒョンを気に入らない成祖は

 「史判の娘か・・・よいな。」と言いながら

 「では 大堤学の娘も学友にしてはどうか?」と言って

 成祖は自分が信頼する臣下、ホ・ヨンジュの顔を見た。

 そして、デヒョンの歪んだ顔を面白そうに振り返る成祖。

 ”お前の魂胆は分かっているぞ。”

 成祖の瞳は デヒョンにそう語っていた。

 成祖と目を合わせられないデヒョンはヨンジュの顔を見た。

 ヨンジュは困った顔をして デヒョンから目を逸らした。

 

 




 その晩、ヨンジュはヨヌを自分の部屋に呼び

 国王からヨヌがミナ公主の学友に選ばれたことを告げる。

 「公主様の学友に?」驚くヨヌに父は言った。

 「そうだ。3日に一度、入宮して公主様の友達になり

  王妃様からも教育も受ける。やってみるか?」

 そう突然言われたヨヌは「入宮ですか?」と尋ねた。

 ヨンジュは「嫌か?」とホッとした顔で言った。

 「そうではなくて・・・」と言うヨヌに 父は優しく言う。

 「気が進まなければ言え。私が殿下に申しあげる。」

 ヨヌは父の様子に戸惑いながらも 答えを見つけていた。


 
 
 
 父のヨンジュンは 一人夜の庭に出て梅の木を見つめていた。

 娘のことで、深く悩む姿だった。

 妻の貞敬夫人は そんな夫を見つけて傍へ寄り、声をかけた。

 「なぜこんな所に?どうしました?ヨヌが断ったのですか?」

 すると ヨンジュは言った。「やるそうだ。」

 「それでは なぜ?」と夫人が尋ねる。

 ヨンジュは本音を 妻の貞敬夫人に漏らした。

 「宮殿の中は一歩動くことも 左右を見ながら 気を遣う場所だ。

  そんな所に 2人も行かせることは 気楽なことではない。」

 外威勢力から 自分や息子のヨムだけでなく、

 娘のヨヌも標的にされることを 父は恐れていたのだ。

 それを聞いた夫人は 夫に言うのだった。

 「ただ単に 公主様の友達になるだけです。」

 しかし、ヨンジュは険しい顔で言う。

 「名分や黒幕なしには 何も進まないのだ。」

 夫人は驚いて「学友を入れることに

 黒幕があるとでも?」とヨンジュに尋ねた。

 押し黙ってしまうヨンジュに 夫人は微笑んで

 「取り越し苦労ですわ。政治など知らぬ子供なのですよ。」

 と言うのだが ヨンジュは

 「なぜか、悪い予感がする。気が進まないのだ。」とだけ答えた。

 夫人は そんな夫を慰めようとして 

 ふと思い出したことを口にした。

 「ヨヌは高貴な運を持っているということです。

  命がけで守ると言いました。」

 「誰が?」驚いてヨンジュが尋ねると

 夫人は「そんな人がいます。だから心配せずに、お休みください。」

 とだけ言って ヨンジュを家の中へ入るように勧めた。

 

 

 ヨヌを命がけで守る!そう誓ったアリは墓の下で眠っている。

 その晩、アリの墓を訪ねていた一人の女がいた。

 今や国巫の座に就いたチャン・ノギョンだった。

 ノギョンはアリの墓に 新しい石を積み上げていた。

 そして 墓に話しかけた。「アリ。元気だった?

 しばらくの間、あまり来られなくて悪かったわ。」

 ノギョンの耳に 処刑されたアリの最後の言葉が蘇った。

 ”私の命は ここまでだわ。あなたは生きて

  私の代わりに あの子を守って!!”

 その言葉を残した 姿のもうない親友にノギョンは尋ねた。

 「教えてちょうだい。私が守るべき子は誰なの?」

 

 

 


 
 翌朝、王妃はユン大妃を訪ねていた。

 「ミナ公主は いつまでも子どもで不安です。」

 そう言う王妃に大妃は笑って答えた。

 「心配いりません。両班の娘たちと付き合えば

  公主も何か感じるでしょう。」

 するとそこへ女官が来て 2人に告げた。

 「星宿庁の国巫が都に到着したと連絡がありました。」

 「そうか、急いで来たのだな。」とユン大妃。

 王妃が「星宿庁の国巫なら 松岳へ祈願に出かけた

 チャン氏ですね。」と言うと、大妃は言う。

 「学友になる娘たちの人相を見てもらうのです。」

 「なぜ人相を?」と尋ねる王妃に 大妃は答えた。

 「宮殿に出入りする子ですから 念には念を押すためです。

 その中に、世子の伴侶がいるかもしれません。」

 「世子の?」と驚いて王妃に向かって 

 大妃は蛇のような目で見つめて

 「これからは 王妃の役目が大きいのですよ。」

 そう諭すのだった。それはユン一族をよろしく頼むと含んだ

 ユン大妃の言葉だった。王妃はこわばった顔で頷いた。

 


 輿に載った国巫の都入りは 列をなして巫女たちが続いた。

 その巫女たちの中に、輿の横で付き添う一人の少女がいた。

 都が珍しくて、キョロキョロしながら笑顔で歩く少女は

 田舎の町でヤンミョンが詐欺師から救った巫女役の子供だ。

 ノギョンが輿に運ばれて ようやく宮殿の前に到着すると

 同じく輿で運ばれた少女が ノギョンの横の輿から出てきた。


 


 

 可愛い付き人に手を引かれ 宮殿の前に立つ美少女。

 ノギョンはその姿を見て とても高貴な気を感じた。

 ヨヌがノギョンの視線を感じて ノギョンと目が合った。

 するとノギョンは あっ!と大きく息を吸い込んだ。


 



 

 天から かつてのアリの声が聞こえた。

 ”太陽を近づけたら 災いを招き滅びてしまうけど

 太陽を守らねばならない運命を背負った子よ。

 その子が無事でいられうように 守ってあげて!”

 この目の前の美少女こそが アリが言う

 守るべき子なのだと ノギョンは悟り、

 ようやく巡り会えたのだと心震えるのだった。

 と、そこへ もう1つの輿が到着した。

 デヒョンの娘、ポギョンが輿から降りてきた。

 ノギョンはポギョンを見て絶句した。

  ”2つの月・・・。”

 ポギョンもまた、太陽の傍にいる定めと彼女は見抜いた。


 




 

 輿から降りたポギョンは 横に立っているヨヌを見て

 険しい顔になった。”なんであなたがここにいるの?”

 そう思ったのは ヨヌも同じだった。

 ”あなたも公主様の学友なの?”

 ヨヌとポギョンは 宮殿の前で

 互いに驚いて 見つめ合うのだった。

 

                       第2話 完
 

 


2012/10/27 20:01
テーマ:太陽を抱いた月 カテゴリ:韓国TV(その他)

『太陽を抱く月』第2話(2)

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 ミナ公主は スギョン斎と呼ばれる

 自分の部屋で大声をあげて笑っている。

 「つまり兄上が あの威張り散らしてる

  あの邸下が 一介の侍講院の文学に

  白旗を揚げたっていうの?あっはっは!」

 女官から丕顕閣での一部始終を聞き終えて 

 ミナは 笑いが止まらなかった。

 しかも王女にあるまじき 大声で笑っている。

 愛らしいミナ公主は 国王が唯一、何をしても

 いつでも優しく笑顔を向ける存在で

 王妃からも大妃からも 常に可愛がられていたので

 彼女の辞書には”不可能””我慢”という言葉はなかった。

 だから当然、自分の感情を我慢して抑えることもしない、

 天真爛漫で 悪く言えば我儘な王女だった。

 そんなミナ公主を お付きの女官は心配して言う。

 「公主様。笑い声が大きすぎます。

  お静かに、どうか体面を考えて・・・」

 女官が全部言い終わらない間に

 「誠に勇ましい人だ!」と言うと ミナ公主は

 「その者の顔を見なければ!」とヨムに興味を持った。

 「褒美を渡したい!」そう嬉しそうに言うミナに

 女官は驚いて「公主様!まさか丕顕閣に??」と咎めた。

 「ついでに・・・私が難しい謎かけを当てたことも

  話さねばならないわ!」と笑って、走って出て行く。

 「公主様!お待ちください!」と叫ぶ女官の声も聞かず

 ミナ公主は いつも威張っている兄の鼻を

 へし折ってくれた侍講官、ヨムの顔を見たくて駆けた。

 「お待ちください!」と後から女官たちが追いかけるのだが

 お転婆なミナの足には 到底追いつかない。

 丕顕閣の門をくぐり 庭までミナが走って来ると

 丕顕閣の中から授業を終えて 兄のフォンと一緒に

 微笑みながら歩いてくる 青年の姿が目に入る。

 目に入った途端に、”魔性の学者”ヨムの姿に

 ミナ公主の心は奪われるのだった。

 ”なんと美しい人なんだろう。”ミナが見とれていると

 ヨムは自分を射抜くような視線を感じて ミナを見た。

 しかし、すぐに視線を逸らして まっすぐ歩いてゆく。

 すると、一瞬だが目が合ったミナ公主は 恥ずかしくなって 

 横を向いて 両手を広げて顔を隠した。

 これにはお付きの女官も驚いた。しかし。ミナは

 手の隙間から またヨムを覗いて見とれるのだった。

 ヨムを見つめて赤くなるミナを見て、お付きの女官は

 王女がヨムに恋をしたことを知る。

 

 

 

 

 


 講義が終わり、フォンは庭の美しい離宮に

 ヨムを連れて ヒョンソンにお茶とお菓子を用意させた。

 ヨムを師匠と認めた証に フォンは礼を尽くしたかった。

 ヨムと向かい合って座り、珍しい菓子を膳に並べた。

 ヒョンソンが茶碗に 香しいお茶を注ぐ。

 「1つ気になることがあります。」

 フォンはヨムに敬語を使って尋ねた。

 「お話ください。」ヨムが微笑んだ。

 「もし、私が正解していたら本当に辞職するつもりでしたか?」

 と聞くフォンに「覚悟しておりました。」と微笑んで答えるヨム。

 「意外と度胸があるのですね。」とフォンが感心して言うと

 「実は、私の妹が勇気をくれました。」ヨムはそう言って

 前の晩にヨヌが語った言葉を フォンに聞かせた。

 ヨヌは兄に言った。

 「人はお世辞で持ち上げれば 気をよくします。

   ですから、邸下の授業態度が 少し散漫でも

  一番いい成績を与えるのです。」

 「簡単な方法だな。」とヨムが言う。

 「でも、媚びて得た心は本物ではなく

   真心を得らなければ無意味です。」と、ヨヌは言った。

  ヨムは笑って「それもそうだ。」と頷いた。

  すると、ヨムは続けた。

 「奸臣への道は楽で、忠臣の道は険しいですが

  何が邸下のためになるかを一番に

   考えてみるべきではないですか?」

 ヨムは感心して「奸臣になり偽りの心を得るより

  忠臣になり、忠言を申し上げろという意味か?」

 そう聞くと ヨヌは笑顔で言った。
 
 「邸下は賢いお方です。今は兄上を誤解されていても

    いつか必ず、忠臣に気づくでしょう。

    だから 元気を出してください!兄上。」

 そんな兄妹のやり取りを聞いて フォンは感嘆した。

 「誠に賢い妹だ!妹の年齢はいくつですか?」

 フォンが尋ねると ヨムは「13歳です。」と答えた。

 「13歳?」フォンは目を丸くして驚いて言った。

 「ならば、その妹と悩み事の相談を?」

 いつまでたってもお喋りばかりの2人に

 横で聞いていたヒョンソンが フォンに言う。

 「邸下。お茶が冷めてしまいます。

  香りが消える前に召し上がってください。」

 「そうだな。ホ文学もどうぞ召し上がってください。」

 ヨムはお辞儀をして 菓子の中から飴を手に取るのだが

 フォンがいきなり、その手から飴を横取りする。

 驚くヨムに「では、今日私が叱られたのは

  ホ文学ではなく、ホ文学の妹ではありませんか。」

 そうフォンが言うので、ヨムは

 「そうとも言えますが・・・」と言う。

 「では、この貴重な飴を食べる資格も

   妹にあるのではないですか?」と言うフォン。

 これにはヨムも「ええっ?」と声を洩らした。

  フォンは困った顔のヨムを無視して言った。

 「ヒョンソン!この黒飴を包んでこい。

   ホ文学ではなく、陰の師匠に贈らねば!」

 ヨムは 可愛い教え子の言い分に 笑った。

  ヒョンソンも 後ろで吹き出すのだった。

 こうしてヨムは愛する妹のヨヌに珍しいお菓子をいただいて

  喜んで持って帰ることになったのだが

  まさか、このことでヨヌの心が 激しく揺れ動くことになるとは 

  夢にも思わない兄だった。

 

 


 
  フォンがヨムと別れて東宮へ戻る途中

   ふと、ヒョンソンに疑問を投げかけた。

  「たった13歳の女の子が あんなにしっかりした話をするかな?」

  すると ヒョンソンは笑いながら言う。

  「ホ文学の妹なら ありえるでしょう。

    ホ文学も やはり17歳で主席合格しましたし。」

  それを聞いて フォンは驚き

  「今、何と言った?ホ文学が首席合格者だと?

   いつ?いつ合格したのだ?」と聞く。

  ヒョンソンは「このたびの文科にです。」と言った。

  ここでフォンは 先日の放榜礼で出会った時のヨヌの言葉を思い出した。

  「私は 文科に首席合格した 兄上の放榜礼に参りました。」

  フォンは そうだったのか!!

  あの娘はヨムの妹だったのか!!と思うのだが
 
  「なぜ今頃言う!」と癇癪を起した。

  ヒョンソンは ひどい!という顔で

  「先日 申し上げようとしたら邸下が”黙らぬか!お前の情報は

   信じられん!”と仰せになりました。」そう言って フォンを見ると

  フォンはもう怒った顔ではなく 
 
  希望と喜びに満ちた顔で 微笑んでいた。

  あの美男で超天才のヨムの妹が 

  あの聡明で美しい少女だったのかと納得し、

  少女の身元が分かって、嬉しいフォンだったのだ。

 

 



  その晩。ヨムはフォンから預かった

   木筒に入った飴をヨヌに渡した。すると
 
  「邸下が私に?」と ヨヌは驚くのだった。

  「そうだ。師匠への贈り物だと言われた。」とヨム。

  「師匠なら兄上ではありませんか。なぜ私に?」

  不思議と期待が混じるヨヌに ヨムは言った。

  「それが、忠言を申しあげるよう勇気づけたのは

  お前だと話したのだ。」

 するとヨヌは 目を丸くして驚くのだが

 その続きが聞きたいヨヌは「それで?」と聞く。

 「誠の先生はお前だと持たせてくださった。」

 とヨムは嬉しそうに言った。しかしヨヌは

  「他にお言葉はありませんでしたか?」

 と まだ自分のことをフォンが言っていなかったか

 気になって仕方がない。しかしヨムは

  「そうだな。特にお言葉は・・・」と言いかけ

 がっかりしているヨヌに 

  「そうだ!謎かけもそうかと聞かれた。」と言うのだった。

 それを聞いたヨヌは驚いて「謎かけ?」と大きな声を出した。

 ヨムは少し驚いて「そうだ。邸下に謎かけをしたのだ。」

 と言うと、ヨヌは「そうですか。」と微笑んだ。

 なんだかヨヌの様子がおかしいと思うヨムは

 「さっきから落ち着かないな。」とヨヌに言う。

 ヨヌは慌てて「何でもありません。」と初めて兄に嘘をついた。

 ヨヌはフォンが自分のことをどう思っているのか

 とても知りたくなったのだ。

 

 

 

 
 

 
 その晩、ヨヌは月明かりが照らす中、

 フォンからもらった飴入りの木筒を持って、

 自宅の庭に出て 一人で佇んでいた。

 夜空を見上げると 欠けている月が見えた。

 すると突然、花吹雪がヨヌの上から舞い降りた。

 ヨヌは手を広げて 花びらを受け止める。

 するとフォンの声が聞こえた。

 「私の謎かけは解けたか?」

 声の方へ顔を向ければ そこにはあの時出会った 

 世子ではない格好のフォンが立っていた。

 ヨヌは「本当に邸下なのですか?」と尋ねた。

 フォンは笑って「さぁ・・・」と言い

 ヨヌの顔を見て「どうだと思う?」と聞いた。

 ヨヌは「私は 違ってほしいです。」と言う。

 その答えに フォンは また笑って

 「食べてみろ。」と ヨヌの持っている

 飴入りの木筒を見て言った。

 ヨヌは筒の蓋を開けて 飴を1つ口に入れてみた。

 「味はどうだ?」とフォンが聞く。

 「とても甘いです。」ヨヌが笑って答えた。

 そして「これをくださったのは

 私を許されたからですか?」とフォンに尋ねた。

 フォンは笑ったまま答えない。ヨヌはまた尋ねる。

 「それとも、私を怖がらせるためですか?」

 フォンは また何も答えない。

 ヨヌは「お話ください。どんな意味かを。」

 しつこく尋ねるのだが、フォンは微笑むだけだ。

 ヨヌがうつむいて答えを待っていると 

 いつの間にか フォンの姿は消えてなくなっていた。

 幻だったのかと思って ふと自分の掌を見れば

 手の中には 花びらが残っていた。

 他の花びらは 庭の何処にも落ちてないのに・・・。

 不思議なことがあるものだとヨヌは思った。

 

 

 

 

 同じ月夜の下。

 外威の戸伴と呼ばれる政治家たちとデヒョンが

 密かに集まって 酒場にいた。

 「功臣を冷遇するのは許せん!

  謀反者から殿下を守ったのは誰ですか?

  現在、殿下が安泰なのも誰のおかげですか?

  これはすべて 大妃様と史判様のおかげです!

  毎年 会盟祭を開き、団結を図るどころか

  朝廷を排斥するなんて間違ってます!!」

 真っ赤な顔で怒る 大妃派、外威の戸伴だった。

 どうやら、ホ・ヨンジュが大堤学に就任してから

 ヨンジュを慕う三司や書官が 

 今まで 大妃やユン・デヒョンに封じ込められていた

 民を苦しめて、私利私欲を肥やす戸判たちの

 目に余る悪行に 声を上げ出したらしい。

 国王成祖の耳にそれが入り 怒りを買えば

 立場が危うくなるのを恐れている外威たちだったのだ。

 ただでさえ、成祖は博学で仁徳のあるヨンジュを

 大事に従えていたし、大妃や外威をよく思っていなかった。

「今回の侍講院の人事で 大堤学の息子を

 起用したのは 大堤学に力添えするという

 殿下のご意志だろう。手を打たねば!」

 外威の臣下と 今ではそれをまとめる立場のデヒョンは

 なんとか自分たちの身を守ろうと 密会していたのだ。

「急いで手を回すと、手で血が染まる。」

 デヒョンは デヒョンの暗殺以外で解決するには

 自分が今1つ高い地位を得るしかないと思っていた。

 そうすれば 他の地位も味方で埋められるからだ。

 デヒョンは 「慌てることはない。」と笑って、

 酒を飲み干す。彼は根っから、賤しい野心家だった。

 では、デヒョンが狙った上の地位とは何か?

 それは 娘を世子に嫁がせ王妃にして

 自分は府院君の座に就くことだった。

 府院君とは 王妃の父や正一品の功臣に与えられる

 それは最上の爵位だった。

 酒場での密会から泥酔して デヒョンは帰宅した。

 父の帰りを出迎える母と子。足取りもフラフラしながら

 家の中へ入ろうとした時、デヒョンは娘を見て

 「宮殿に行ってみるか?」と尋ねた。

 娘は「宮殿?」と驚くが 父のデヒョンは

 「あそこで住むこともできる。」

 そう娘に言って 醜い笑いを浮かべるのだった。


 

 

 

 

 その翌日。ヨヌはお付きのソルを連れて

 紙屋へ買い物しようと 市場へ来ていた。

 紙屋では様々な色で染められた 綺麗な紙が揃っていた。

 ヨヌが丁寧に品定めしていると ソルが

 「詩箋紙で、手紙でも書くのですか?」と聞いた。

 ヨヌは「手紙ではなくて・・・反省文よ。」と言う。

 そう。ヨヌは先日、フォンを世子とは知らずに

 言いたいことを言ってしまったので 詫び状を書こうと

 フォンが気に入るような 詩箋紙を探していたのだ。

 何も知らないソルは 驚いてヨヌに言う。

 「反省文?こんな高価な紙に書くのですか?

  訪ねて行って 謝ってしまえばいいのでは?」

 ヨヌは困った顔で「そんなに簡単に会える人ではないの。」

 と言えば、 「王様や東宮様ほどの人ですか?

 言葉で謝るか、お仕置きのほうがいいです。」

 と、やはり 何も知らないソルは言う。

 するとヨヌは「お仕置きはいいけど、

 兄上に迷惑をかけたくないの。」と言って

 どれにしようかと悩んで、詩箋紙を選んでいる。

 その時、市場の中にある鍛冶屋から鋼を叩く音がした。

 ソルは嬉しそうに振り返ると

 「お嬢様、すみません。ちょっと鍛冶屋に行ってきます。」

 そう言って ソルは鍛冶屋へ向かって駆け出してしまった。

 ヨヌは またかという顔をした。ソルは女なのに 

 なぜか剣に興味があって 鍛冶屋が大好きだったのだ。

 ヨヌが一人で一生懸命に 詩箋紙を選んでいると

 ヤンミョンがそれを見つけて ヨヌの後ろに忍び寄り

 「本当にお2人に 失礼なことをしたのか?」と

 当然、声をかけるのだった。ヨヌは驚いて振り返った。

 

 

 



 ソルが走り出した市場には ユン・デヒョンの娘、

 ポギョンが使用人の女を連れて買い物に来ていた。

 優雅に歩くポギョンに 急いで鍛冶屋に行きたい

 駆け足のソルがぶつかってしまった。

 お互い地面に倒れて、尻もちをついた。

 するとポギョンは ぶつかってきたソルに

 「痛い!」と言って、凄い形相で睨みつける。

 使用人の女に、心配されて抱き起されるポギョン。

 使用人に「どこを見てるの?」と怒鳴られ

 「申し訳ありません!大丈夫ですか?」

 とソルがポギョンの泥を払おうとするが

 「汚い手で触らないで!」と使用人に手を振り払われる。
 
 しかし、ポギョンはソルに

 「わざとやったのではないわ。急いでたんでしょ。

  大丈夫だから行きなさい。」そう優しく言う。

 ソルは大喜びでポギョンに礼を言うと

 また走って、鍛冶屋へ向かうのだった。

 残された優しいはずのポギョンは 

 なぜかソルを見送る目が 意地悪だった。


 ポギョンは使用人と装飾品店に足を運んだ。

 「先日、注文した装飾品を。」と告げて

 店主が店の奥へ品物を取に言った時、

 使用人の女は下に並んだ品物をかがんで覗いた。

 そして立ち上がり、巾着を出そうとすると

 袖の中の巾着が無くなっているのに気が付く。

 あっ!という表情の使用人。

 「どうしたの?」と聞くポギョンに

 「お嬢様、少しお待ちください。」と言って

 使用人の女は 元来た道を駆けてゆく。

 駆け出した女のいた場所に 落ちている巾着をポギョンは見つける。

 ポギョンは使用人がソルをスリと勘違いして 

 走って行ったのだと分かったのだが

 巾着を拾ったポギョンの顔は 意地悪そうな微笑みをたたえていた。

 

 
 


 
 一方、 「危ないから出て行け。」と言われても

 鍛冶屋の仕事ぶりを楽しそうに 見入っているソル。

 ソルは釜や鍬を作って売る鍛冶屋に

 剣は作って売らないのかと尋ねていた。

 やはり、ソルは女だてらに剣が好きなようだ。

 そこへ、ポギョンの使用人が凄い形相で走って来て

 ソルを捕まえて引っ張って、いきなり道の真ん中で

 ソルの頬を思いっきり叩く。

 不意打ちをくらったソルは 地面に倒れた。

 ソルは訳が分からずに

 「なぜぶつのですか?」と女を見上げた。

 すると使用人の女は怒った顔で言う。

 「しらばっくれないで、巾着を出しなさい!」

 ソルは「巾着とは?」と驚いた。

 「私が気が付かなかったとでも?

  わざとぶつかって、服を払うふりして盗んだでしょ!」

 完全に誤解している女は

 「盗んでません!」と言う無実なソルの言葉を信じない。

 「ふてぶてしい子ね!顔に泥棒と入れ墨をしようか?

  どこに隠したの?」と言って、

 「盗んでません!」と言うソルに 

 使用人は地面に倒れたソルの体を

 乱暴に探って調べるのだった。

 そこへ「やめなさい!」とポギョンがやって来る。

 「人が見ているのに みっともない!」

 女を怒るポギョンに ソルが走り寄って

 「信じてください!私は盗んでいません!」と訴えた。

 するとポギョンは微笑んで「お前は潔白だと言うのね?」

 と尋ね、ソルが「そうです!」と首を縦に振ると

 「それじゃ・・・証明してみて。

  自分が泥棒じゃないことを!」そうソル耳打ちして

 意地悪く笑うポギョンだった。

 ソルが泥棒ではないと分かっていながら

 身の潔白は自分で証明してみろと言うポギョン。

 流石、ユン・デヒョンの娘だけあって意地が悪く、

 冷酷な面を持ち合わせている少女だった。

 

 

 

 ソルがそんな目に遭っているとは知らずに ヨヌは店で、

 フォンへの謝罪文を書く紙をあれこれ悩んで探していた。

 横でヤンミョンが「草花柄はやめておけ!反省文には合わないだろう。

 殿下に送るならこの下の四君子が無難だ。」とおせっかいを焼く。

 ヨヌは何も知らないヤンミョンの親切がうっとおしい。

 「殿下ではないと言ってるでしょ!」と怒る。

 「それなら邸下か?」と聞かれて 顔を赤らめるヨヌ。

 「ほぉ!図星のようだな。なら、なおさら良かった!

  私は邸下の兄ではないか!」とヨヌに言うと

 「邸下の好みはだな・・・」と、紙を選ぶヤンミョン。

 しかし、なぜヨヌがフォンと知り合ったのか

 物凄く気になるヤンミョンは

 「どんな悪さをしたのだ?」と ヨヌに尋ねた。

 ヨヌは邸下の兄であれ、ヤンミョンには決して、

 良い印象を持っていなかった。

 それどころか、女人のいる家の塀を上って

 覗き見するような男だと ヤンミョンを軽蔑していたヨヌ。

 ヤンミョンの質問に答えたくないヨヌは 

 何も言わずに プイと店から出て行ってしまった。

 

 

 



 
 

 

 ソルのいる鍛冶屋まで歩いていると 突然、雷が鳴った。

 そして急に雨がヨヌの衣を濡らした。

 掌で空から落ちる雨を感じて、激しくなる前に

 雨宿りしようと走った瞬間、誰かに抱き寄せられて

 雨の雫から ヨヌはすっぽり全身を守られた。

 ヤンミョンがヨヌの頭上から 自分の大きな袖を広げて

 ヨヌのすべてを濡らさぬように 保護したからだ。

 ヤンミョンと体が密着して 驚くヨヌに

 ヤンミョンは 優しく微笑みかけるのだった。

 そして、そのままヤンミョンはヨヌを連れて

 ある小屋まで走るのだった。

 雫を払って、ヨヌがその小屋に入ると

 中は春のように暖かかった。そして部屋中に

 様々な植物が 沢山置かれていたので

 ヨヌは思わず。「わぁ!」と声を出して喜んだ。

 「ここは温室ですね。」と微笑むヨヌ。

 「よく知ってるな。」と言うヤンミョン。

 「実物を見るのは初めてです。」

 そう言って ヨヌは部屋の中を珍しそうに見回し

 「あの窓は油紙を使っていますね。

  日光を取り込み風を防ぐためでしょ?」

 すっかり温室が気に入ったヨヌは ヤンミョンに

 「育てたのですか?」と笑顔で質問した。

 ヤンミョンは恥ずかしそうに言った。

 「王族の中に 観賞用の草花に凝ってる者がいてな。

  出仕もできぬのに 宗学を受けても無意味だと思い

  金をかけて ここを作ったのだ。」

 そう寂しそうに言うヤンミョンの言葉に 

 ヨヌはフォンの言葉を思い出していた。

 「そうするしかないのは 私のせいだ。

  父親の目を恐れてか、兄上は私に会おうとしない。」

 ヨヌはヤンミョンを見つめた。

 ヤンミョンは「おかげでたまには ここを借りる。

 濡れた服を乾かすのにいいだろ?」と笑うヤンミョンに

 「ヤンミョン君様は 宗学を受けてないそうですね。」

 そうヨヌが質問するが、ヤンミョンは答えず

 小菊の鉢を手にして「これはどうだ?」と聞いた。

 「菊は殿下がお好きな花だから 色んな宴会に飾られる。

  これなら 反省文の代わりになるぞ。」

 と言うヤンミョンに ヨヌは聞いた。

 「殿下は どんなお方ですか?どんな方か知りたいです。」

 すると ヤンミョンは答えに困ってしまう。

 「どう説明しよう。」としばらく考えてから言った。

 「殿下は 月日のように 明るい性格の方だ。

  常に民と王室と国の安泰を考えておられる。」

 そう言いながら 父成祖との過去を振り返るヤンミョン。

 子供の頃の自分は 父に褒められたくて、

 懸命に学び、すぐに小学から大学を学び終えた。

 しかし父の成祖には「生意気だぞ!」と激怒された。

 「一介の王子に過ぎないお前が、

  帝王学の学問である大学を学ぶとはどういうことだ!」

 深く胸に突き刺さった父の言葉を思い出しながら

 ヤンミョンはヨヌに言う。

 「刃物のような厳しさがあるが

  その一方で、慈愛に満ちたお方だ。」

 思い出の中。大学を学んだヤンミョンが怒られていると

 フォンが父の前に現れる。すると父は途端に態度が変わり

 微笑みをたたえて「世子が来たか。」と喜んで迎えた。

 「世子は短期間で小学を学び終えたそうだな。

  世子を指導した春坊と桂坊の全員に 褒美を使わそう。」

 と優しくフォンに声をかける父。

 フォンはヤンミョンを振り返り、

 ”お父様の機嫌は僕が治したから、安心してね。”

 そんな顔で兄を見た。ヤンミョンは苦笑いで返した。

 そんなことを思い出し、涙がこみあげてくるのを

 必死で堪えながら ヤンミョンはヨヌに笑って

 「とにかく、偉大なお方だ。」と言って

 小菊の鉢を元に戻した。するとヨヌは心配そうに言う。

 「宮殿には行かないのですか?

  旅から戻られて 家におられると聞きました。」

 すると ヤンミョンは笑いながら

 「ヨムの差し金か?」と聞き返した。

 「違います。ヤンミョン君様を待っていると思います。」

 ヨヌが言うと、ヤンミョンは寂しそうに

 「誰が私を?」と言うのだが、ヨヌは間髪入れずに

 「邸下が・・・」と言いかけて あっ!と口をつぐみ

 「いいえ。殿下もそうですし、邸下もそうでしょ。」

 と言い換えた。ヨヌがどうやって邸下と知り合ったか

 ヤンミョンにも 誰にも言えないヨヌだったから。

 ヤンミョンはヨヌに言った。

 「忙しくて私を待つ時間はないだろう。」

 しかし、ヨヌはキッパリと言う。

 「お待ちです!詩心があるなら 恋しさをお分かりでしょ。

  恋しさも募ると病になります。よほどでなければ・・・」

 と口をつぐんで ヨヌは その続きを心の中で言う。

 ”世子の立場で 塀を越えたりしないでしょう。”

 フォンが あれほど会いたがっていた兄に

 ヨヌは会わせてあげたい一心で説得するのだった。

 しかし、ヤンミョンおどけて言うのだった。

 「それなら 塀を越える私の気持ちも理解できるよな?」

 ヨヌは「それとこれとは違います!」とキッパリ言うと

 ヤンミョンの真剣な顔が自分に近づいてくる。

 目を見開いて 驚くヨヌにヤンミョンは

 「どこが違うのだ?」と真面目に聞いた。

 ヨヌは慌てて「とにかく、1日も早く入宮して

 ご挨拶をしたほうがいいです。」と言う。

 ヨヌのドギマギする様子が可笑しいくて

 ヤンミョンは吹き出して笑った。

 「なぜ笑うのですか?」と怒るヨヌ。

 「久しぶりだ。私の顔をまっすぐ見て話してくれたのは。

  忠告はありがたいが・・・」と言って ヨヌのおでこを

 ピン!と指ではじいた。おでこを押さえて痛がるヨヌに

 「自分の心配でもしろ!」と言うヤンミョン。

 ヤンミョンはヨヌと会話が出来た喜びに浸り

 ヨヌは珍しい温室に連れて来てくれたことを喜び

 ヨヌがヤンミョンとの間に築き上げた塀は

 雨宿りのおかげで 少し崩れて低くなったようだ。

 


                   つづく
 

 


2012/10/27 18:56
テーマ:太陽を抱いた月 カテゴリ:韓国TV(その他)

『太陽を抱く月』第2話(1)

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 夜空に浮かぶ 赤い傘。

 フォンは昼間 宮殿を抜け出そうとして 父の成祖にこっぴどく叱られて、

  沈んでいたことなど忘れ  隠月廊の庭で 昼間出会った

 可愛い少女のことを思い出し 一人で嬉しそうに微笑んでいた。

  今日、あの傘の下で 美しく聡明な少女に出会ったのだ。

  しかしそんな事情など知らない内官のヒョンソンは

 「ま、魔物だ!」と驚いて叫んだ。

 すると その傘は急降下して フォンの目の前に落ちてきた。

 「早く魔物を片付けろ!」臆病なヒョンソンがまた叫ぶ。
 
 フォンは その傘を拾って手に取った。

 「邸下。」と心配そうに尋ねるヒョンソンだが フォンは

 「もしや・・・また会えるのか?」

  と ヨヌと再会できる予感がして 明るい笑顔になった。

 

 


 一方、夜中に庭に出て ナゾナゾの答えをみつけ

  出会った男の子が世子だと分かったヨヌは

  沈んだ気持ちで その場に動けずため息をついていた。

  しかし、ふと人の気配を感じ取ったヨヌ。

  キョロキョロ辺りを見回すと ヨヌは不安そうに言った。

 「まさか。刺客を送ったのではないわよね。」

  ヨヌは昼間、つい口が滑って フォンに日頃自分が疑問に思っている 
 
  君主と政治の話、それも批判したような内容を言ってしまったので

  それを知って怒った君主の臣下が 刺客を送って
 
  自分を裁きに来た!そんな妄想まで浮かんでしまった。

  それほど、昼間の発言を後悔するヨヌだった。

  ヨヌは音がしたような気がして 

 立ち上がって ヤンミョンがいた塀までやって来た。

 するとその塀の上に 手紙と丸い石が置かれていた。

 その石を手に取ると ”解憂石”と書かれていた。

 不思議に思うヨヌ。その下にあった手紙を広げて読めば

 ”何を悩んで眠れないのだ?この石に語ってみろ。

   解憂石は代わりに悩んでくれる石だ。

    いい解決策を教えてくれるだろう。安心しろ!

   私からの旅の土産だ。”と書かれていた。

 ヨヌは手紙を読み終えると 呆れて

 「また来たの?あれだけ言ったのに 懲りない人ね!」
 
  ヨヌは手紙の主のヤンミョンにつぶやいた。

  どうやら ヤンミョンは塀を越えて 以前にも ヨヌに会いに来たらしい。

  ではたった今、塀の上にいたヤンミョンは いったい何処へ消えたのか?

 



 

 月明かりの照らす庭で、ヨヌの兄ヨムは

  親友のジュウンと剣術の稽古をしていた。

  ヨムも剣術は好きなのだが 学問のようには上達しない。 

  それに、武科を主席で合格したジュウンに敵うわけがない。

  追い詰められるヨムを 隠れてハラハラしながら見つめるのは

  ヨヌの世話役をしているソルだった。

  ソルは”負けるな!若君!!”と陰で念じながら見学していた。

 ギョウンは人の気配を感じて、ソルをすぐに見つけた。

  目が合ったソルは バツが悪そうに顔を隠した。

  ジュウンがソルに気を取られている隙に ヨムが反撃するが、

  ジュウンは難なくヨムの木刀を落とした。

  そして振り向いてソルに どうだ!という顔をして見せた。

  ヨムはそんなことには気が付かずに 目の前の落とされた木刀を拾って

 「さすがジュウンだ!」と言った。

 「私は剣術の素質がない。何年鍛えても伸びない。」

  そう言って木刀をジュウンに返すと 彼は

 「大丈夫ですか?若様。」と、ヨムを気遣って言葉をかけた。

  庶子で武士の身であるジュウンは たとえ友であっても

  その身分をわきまえて ヨムにも敬語を使った。

  いつも他人行儀なジュウンに

 「若様はやめてくれ、何度も言ってるのにしつこいぞ。」

 と、ヨムはジュウンに文句を言う。

  しかしそんなヨムも 王子であるヤンミョンには敬語だった。

 「それにしても、ヤンミョン君は遅いな。

  約束の時間が過ぎているのに。

   ヤンミョン君がいると賑やかな庭も2人きりだと寂しいものだ。」

 とヨムが喋っている間に塀を乗り越えて 

 ヨムの後ろにやってきてシッ!と合図するヤンミョンをジュウンは見ていた。

 突然、「そんなに恋しがってると知っていたらさっさと帰ってきたのにな。」

 というヤンミョンの声にヨムは驚いて振り向くと、「ヤンミョン君!」と叫んだ。

「愛するホ・ヨム!」とヤンミョンはおどけて手を広げ

 ヨムをその胸に強く抱き 心から嬉しそうに

「首席合格おめでとう!」と言って背中を叩いた。

 ヨムが困った顔で「ヤンミョン君。」とつぶやくと

 今度はジュウンを見て「キム・ジュウン!」と叫び抱きしめようと飛びかかるが、

 ジュウンはサッとよけて ヤンミョンをかわしてしまう。

 ジュウンに逃げられてしまったヤンミョンは  悔しそうに睨みながら

「可愛げのない奴め!そなたなど半分しか祝ってやらぬ!」と言うのだった。

 ヨムは笑いを堪えて「旅はいかがでしたか?」と聞く。

 するとヤンミョンは機嫌を直して

「楽しかったとも!」と笑って言うのだった。

 そして左右に2人の肩を両腕に抱いて

 「さぁ!愛する友のために豆腐を手に入れたから 

  一緒に味見しよう!行こう!」と屋敷の中へ入った。

 部屋に入るとお膳は珍しい珍味の皿が並び、酒も用意された。

 これはどうやら、ヤンミョンが度に出る前、ヨムたちの放榜礼が済んだら 

 3人揃って祝おうとヤンミョンが言い出して約束していた宴会らしい。

 しかもヤンミョンは2人が 科挙の試験に首席で合格することを願っていたのだろう。

 3人は仲良くお膳を囲むと まず杯を手にして皆で、一気に酒を飲み干した。

 そして 約束の時間に遅れたヤンミョンに ヨムが

 「旅が長引くのかと 心配しました。」と言った。

 すると彼は「大事な人に会って遅れたんだ。」と言って

 「許せ!」と ヨムの手を握り締め

 「そなたよりも好きな人ができた。」と言うヤンミョン。

 ヨムは驚いて「いつの間に 思い人が?」と

 ヤンミョンに触れられた手を引っ込めて尋ねた。

 「これまでは一度も・・・」とヨムは言いかけていぶかしげにヤンミョンを見る。
 
 そして「また離れの塀を越えたのでは?」と厳しい目で尋ねた。

 するとヤンミョンは笑って「失敬だぞ!」と答えた。

 「王族の立ち場で女の部屋に行けるか!

  しかも、そなたの愛する妹の部屋なのに。」

 と、笑いながら誤魔化すのだが、ヨムは真面目に

 「妹は幼いとはいえ 女なのです!

  前回は妹に見つかり、注意まで受けたのですよ!威信を失望させて・・・」 

 小言を言うヨムの言葉をヤンミョンは遮って

 「分かったから、責めないでくれ!堅物なんだから!」と困って言う。

 2人のやり取りを面白そうに無言で眺めているのは

 寡黙なジュウンだった。ヤンミョンは嘆く。

 「一度 会わせてくれたら 恥もかかなかったのに

  妹の話になると すぐ怖い顔をする。」
 
 ふくれ面で文句を言うヤンミョンに 

 ヨムはまたまた 真面目な顔で怒るのだった。

 これにはとうとう、ジュウンが堪えきれずに吹き出した。

 それを見て「おや?笑ったな?」と ジュウンを指差した。

 「見たか?ウンが笑うなんて 一世一代の事件だ!」

 ヤンミョンはヨムに言って、誤魔化そうと話を逸らすのだが、そうはいかない。

 「今度、塀を越えたら 黙ってはいません!」ヨムは本気で怒っていたのだ。

 そう。ヨムにとって、ヨヌは心から大切な妹だった。

 あまりにも聡明で、また月のように美しく、

 また花のように愛らしく可愛いヨヌを兄のヨムは 本当に愛おしく思っていた。

 ヨヌ以上の女性には出会ったことがないので 

 当然、ヨムには 思い人などいるはずもない。

 ヤンミョンは 本気で怒ってしまったヨムに

 「分かったから!それより そなたたちに特別に準備した土産がある。」

 そう言うと懐の中から 掌よりも大きい石を取り出して

 それぞれ2人のお膳の前に置いた。

 2人がポカンとしていると ヤンミョン君は言った。

 「官運を祈るお守りだ。”神秘の石”の話を聞く?

  これを私だと思って持ち歩くのだぞ。」

 石を手に取ったジュウンが

 「持ち歩ける重さではありません。」と文句を言う。

 「そうか?じゃ2号が大きければ 4号を渡そう!」

 と袖からまた石を出した。呆れるヨムとジュウンを前に 

 ヤンミョンは 急に寂しそうな顔をして言う。

 「これからは2人も 邸下に仕えるのだな。」

 彼の寂しさが分かる2人は 無言でうつむいた。

 そんな2人を見てヤンミョンは「どうした?」と 

 今度は おどけたように笑い

 「官職に就いたら 集まれなくなるから今日は楽しもう!」と 

 杯をまた手にして「さぁ!さぁ!」と2人にも酒を勧めるのだった。

 そして3人は杯を持って 仲良く乾杯!をした。

 世子の下で2人が仕える、すなわち、

 2人がフォンの臣下になってしまうことは

 大事な友が奪われてしまう気がして 

 本心は寂しいヤンミョンだったが

 今まで同様、これからも3人の絆は強いのだと

 そう信じてヤンミョンは杯を空にした。

 そう思わなければ、あまりにも虚しすぎた。

 ヤンミョンにとって、ヨムとジュウンは

 何よりも かけがえのない親友だったからだ。

 母は異なるが、可愛い弟に 気安く会うことも許されず

 父の情も得られない分、友情だけが自分の財産だと 

 ヤンミョンは思っていたのではないだろうか。

 

 

 

 翌朝、宮中では侍講官の選別が行われていた。

 「新たに推薦された侍講官の候補者です。」

 臣下が候補者名簿を 国王成祖に差し出した。

 誰が選ばれるのだろうと 集まった臣下たちは戦々恐々だった。

 悪戯好きの世子の侍講官になりたい者など 実はいなかったのだ。

 「3人選んだのか。」と名簿を見た成祖が言った。

 「はい。私を含め、侍講院の師傅、賓客が集まり

 点数をつけたうち、一番得点の多かった者たちです。」

 と臣下は言った。それを聞いた成祖は

 ふうんといった様子で 納得したようだった。

 フォンは世子の衣装替えを女官に手伝ってもらっている。

 翼善冠を被り、正装が整ったところで

 内官のヒョンソンが部屋に入って 

 「邸下、仰せのとおり新しい侍講官を調べてまいりました!」

 と言った。フォンが「誰に決まったのだ?」と聞くと

 「最終決定は分かりませんが、候補者の名簿を

  なんとか手に入れました!」と笑って名簿を見せ

 それを広げて読み上げた。

 「まず輔徳の候補者は ユン・ソルチョル ユン・デホ キム・ギジュ。」

  読み上げる途中で フォンが名簿を見ずに同じ名前を口にした。

  驚くヒョンソン。するとそのまま 名簿を見ずにフォンは続けた。

 「弼善の候補者は パク・チホン ユン・ピルホン

  チョン・ミン。文学 候補者は ユン・シワン

  チェ・ビュンフン チェ・チス。」

 それを名簿と比べていたヒョンソンは 笑って

 「ご存知でしたか。」と言う。しかしフォンは

 「それが情報か?情けない!」と叱った。

 そしてため息をついて フォンは言う。

 「お祖母様が手を回したのだな。

  いや、実際に動いたのはユン・デヒョンだ。」

 聡明なフォンは すべてお見通しだった。

 うなだれるヒョンソンに フォンは不満げに

 「調べたのはそれだけか?」と言うと

 「夕方の講義から 新しい文学が教えるそうですが

  誰が来るかは まだ・・・。」 とヒョンソンが答えた。

 フォンはフン!と不満げに「どうせ どいつもこいつも

 権力に目がくらんだ老いぼれだろう。」と言う。
 
 ヒョンソンは慌ててフォンに言う。

 「もしや 今回も全員を 都落ちさせるおつもりですか?」

 しかしフォンは あきらめたような顔つきで

 「まだ昇る前の竜に 何の権限がある。」と言うと

 ヒョンソンは喜ぶが、それも束の間、フォンは

 「私の選択は ただ1つ!拒否権を行使するのみ!」

 と、今度は ヒョンソンに得意そうな顔をしてみせた。

 これにはヒョンソンが呆れて「そんな、邸下!」と困った。

 内官のヒョンソンは泣きそうな顔だが

 「新しい文学が どこまで耐えられるか試してみるか!」

 フォンは まるで悪戯っ子のように楽しそうだった。

 フォンは 夕刻になって学び舎の丕顕閣に

 お供を従えて 庭を通って移動していた。

 それを見た女官たちは「今度は何か月もつかしら。

  ”1か月以内に辞職する”に高級装飾を賭ける!」

 などと陰でコソコソ話して笑っていると

 そこへ正装姿の美しいヨムが 丕顕閣へ向いて歩いてくる。

 女官たちは その麗しい姿に 悲鳴をあげそうになる。

 今までこんなに美しい男性を 女官たちは知らなかった。

 まるでヨムの全身を光が包むように 

 彼の姿だけがパーッと鮮やかに輝いて見えた。

 ヨムは歩く姿も 颯爽として見事だった。

 女官たちは見とれて 中には気絶しそうな者まで現れた。

 

 

 

 

 丕顕閣の机の前で フォンは行儀悪く座り

 頬杖をついて つまらそうに本をめくっていた。

 ”どうせ老いぼれた侍講官が来るんだろう”そう思うとため息が出た。

 そこへ 部屋の外からヒョンソンの声が響いた。

 「邸下。文学が参りました!」

 フォンは姿勢を正すどころか もっとだらしなく崩して

 机の前でうつむきながら 新しい侍講官を迎え入れた。

 扉が開く。しずしずと音もなく上品に入って来た

 その文学の侍講官は フォンの正面に来ると

 「王命を受けた文学のホ・ヨムです。

  邸下には お初にお目にかかります。」と言って

 正式な挨拶として 世子の前でひれ伏してお辞儀をした。

 フォンはヨムの挨拶には 目もくれずに

 姿勢を崩したまま 本のページをめくっている。

 本来なら世子であっても 師匠の侍講官に

 フォンが正式な挨拶を 返せねばならないのだが

 頬杖をついたまま フォンは目だけ上げてヨムを見た。

 しかしその途端、フォンはヨムの姿に仰天する。

 なんて美しい若者なのか!
 
 その姿はあまりにも神々しく 

 全身から輝く後光が見えるほどだった。

 フォンは口をポカンと開けて見とれてしまった。

 そして思わず立ち上がってしまった!

 

 

 


 「兄上が世子侍講院に?」

 母から話を聞いて、驚いていたのはヨヌだった。

 ヨヌは母と一緒に 自宅の部屋で刺繍をしていた。

 花嫁修業の一環で 刺繍は女の嗜みだったのだ。

 「それでは兄上が 邸下の師匠に?」

 ヨヌは母に尋ねると 母は刺繍の手を止めずに

 「侍講院の文学を命じられたから当然、そうなるわね。」

 と嬉しそうに言う。ヨヌはどうしよう・・・と思っていると

 刺繍針で自分の指を刺してしまう。

 「あっ!」と声をヨヌがあげると 母は驚いて

 「ヨヌ。大丈夫?」と娘のヨヌをたいそう心配した。

 ヨヌが「大丈夫です。考え事をしてたから。」と言うと

 「困った子ね。ぼんやりしちゃダメよ。

  難しい書物は楽に読むのに刺繍は失敗するのね。」と笑う母だった。

 しかし、そのヨヌの刺繍は丁寧で、実は 母にも負けない腕前だった。

 ヨヌは笑われても まだフォンのことを思って

 「まさか・・・兄上の妹が私とは知らないわね?」とつぶやいた。

 それを聞いた母が また笑いながら

 「当たり前じゃないの!」と言う。

 ヨヌは心のつぶやきを母に聞かれてしまい

 「えっ?何でもありません。」と誤魔化した。

 それでも あの日、フォンに自分が文科に首席合格者の妹だと

 自己紹介してしまったのを思い出し、

 困った!と思って心配顔になるのだった。

 ヨヌはフォンが自分のことを怒っているに違いないと思っていたからだ。

 

 

 


 新しく来た文学の侍講官があまりにも若く美しい青年なので 

 フォンは驚いて声も出せずに、ただただポカンと 突っ立っていた。

 「邸下。師匠にもご挨拶を。」とヒョンソンが促した。

 それをフォンは まったく無視して

 「歳は?いくつなのだ?」と尋ねた。

 ヨムは背筋を伸ばしたまま「志学を過ぎて2年です。」

 そう答えた。フォンはますます驚いて

 「では、まだ17歳ということか?」と聞く。

 「さようでございます。」とヨム。

 フォンは びっくりしずぎて またもや声も出ない。

 「邸下。早くご挨拶を!」とヒョンソンがまた言った。

 それをフォンは またもや無視して 呆れたように言う。

  「若いのに、大物の後ろ盾がいるのだな。」

 そして、ヨムに挨拶もしないで座ってしまうフォンに

 ヒョンソンはヨムに申し訳なく思って顔をしかめた。

 まるで行儀が悪い我が子を 恥ずかしく思う親のようだ。

 フォンは机の前に また行儀悪く座って

 本を読むフリをして ヨムを無視した。

 今度はヨムが困って、その場に立ち尽くしていた。

 

 


 文学の侍講官がヨムに決定したという報告を聞いて

 激怒したユン大妃は デヒョンを呼んで責めた。

 「侍講院の空席に味方を送り込めずに

  年端もいかない若造にくれてやるのですか!

  大事な役職だからこそ 慎重に決めるように

  念を押したでしょう!」すると まぬけなデヒョンは

 「ホ・ヨムは きっと邸下の性格に耐えられません。
 
  すぐに侍講院を辞職し・・・」と言いかけると

大妃がまた怒って「話の分からない人ですね。

 あの者は 主上が信頼する大堤学の息子です。

 まだ主上の本心が分かりませんか?

 今回の人事は 朝廷から外威を排除するという宣布なのです!
 
 主上はすでに 次期政局を構想しているのです!」

 ユン大妃は鋭く成祖の真意を見抜いていた。

 

 

 

 その頃 成祖は唯一、自分が気を遣う臣下である不召之臣に 

 お茶をいれてもらいながら 本心をつぶやいていた。

 「不召之臣。学んだ後で臣下にすれば

  苦労せずに王業を成し遂げられるだろう。

  師匠でもあり、友にもなれる臣下。よいな。これはよい!」

 そう言うと 成祖は満足そうに微笑むのだった。

 そして、自分の思惑どおりに運ばなかった母、

 ユン大妃の悔しそうな顔が浮かんで

 思わず声をあげて笑いだす成祖だった。

 

 

 

 


 


 「17歳?まだ17歳だと?」

 フォンは東宮殿の自室に帰って来るなり

 癇癪を起こして 一人で喚き散らしていた。

 「父上は よくもあんな青二才を!!」

 そこへ、ヒョンソンが笑顔で走って部屋に来るなり

 「邸下、ホ・ヨムのことが分かりました!文科の首席合格者・・・」

 ヒョンソンが説明している途中で 「黙れ!」と怒鳴るフォンは

 「お前の情報は信じられない!」と聞く耳を持たない。

 ヒョンソンは 笑顔のままで「今回は間違いありません!

 人気と名声は成人均館にいた頃からすごかったそうです!

 外見は整っており、学問にも精通し 人格も素晴らしく

 非の打ちどころがない完璧な学者の理想像です!!」

 ヒョンソンは ヨムを褒めちぎった。

 嘘ではなかった。ヨムは超のつく美男で、

 しかも数代に一人生まれるか、生まれないかという

 これも超のつく天才であり、加えて類まれなる人格者だったのだ。

 ヒョンソンがフォンにした説明によるとこうだ。

 「成人均館大司成だけでなく、全儒者の賛辞と尊敬を

  一身に受けて、老若男女と身分に関係なく

  皆を入注目させる 致命的な魅力を持つ

  別名”魔性の学者”と呼ばれました!
 
  彼を妬む者すら、その外見と人格に惚れ込み

  友人になってほしいと頼んだそうです!!

  その上文学、政治、歴史、哲学、雑学に至るまで

  すべての分野に関心があり 深みのない学問はない。

  一言で勉強が一番簡単だったという超天才!!」

 聞いていたフォンは 気分が悪くなる。

 自分と僅かしか違わない歳で 何もかも自分よりも 

 数段以上であるヨムが 世子のフォンには気に入らない。

 「黙れ!黙れ!黙らぬか!!」

 これには ヒョンソンも驚いた。

 フォンはヒョンソンに八つ当たりをした。

 「顔を見たくない!後ろを向いていろ!」

 フォンに怒鳴られたヒョンソンは うなだれて

 小さくなって、部屋の隅で後ろを向いた。

 フォンは そんな超天才を迎え撃つためには

 どうすればいいのかと、深くため息をつくのだった。

 

 一方、宮殿から家に戻ったヨムも

 机で本を広げながら ため息をついていた。

 邸下への初めての授業が 挨拶もしてもらえない

 散々だった時間を 思い出すとため息しか出なかった。

 そっこへ「兄上。ヨヌです。」と声がして

 可愛い妹のヨヌが 手に本を持参して顔を見せた。

 入れと言われて ヨムの机の前に座るヨヌに

 「もう書物を読む時間か。今日は どの本だったかな?

  史記だったか、世説新語だったか?」とヨムは言った。

 しかし、そのヨムの表情を見て 勘の鋭いヨヌが

 「兄上。悩み事があるように見受けられます。」

 そう言うのだった。ヨムは参ったなと言う顔をして

 「そうか?」と言った。ヨヌは心配そうに

 「もしや 宮殿で何かあったのですか?

  それとも もしかして・・・

  邸下が 辛く当たるのですか?」と聞いた。

 見抜かれたヨムだが、彼は妹に心配をかけまいと

 「そんなことはない。私が邸下に

  難しい課題をいただいたんだ。」と言うのだった。

 「それは何ですか?教えてください!私も手伝います!!」

 ヨヌは嬉しそうに 好奇心で尋ねる。

 ヨムは笑って「本当に手伝うか?」と聞くと

 ヨヌはうんうん!と首を縦に振るのだった。

 ヨムは困ったような顔をして 妹に言った。

 「私のことを 誤解されているようなのだ。

  邸下の心を開くのが難しい。」

 「誤解ですか?」ヨヌが心配になって聞く。

 「ただの誤解ではなく、若造を師匠にするのは

  気が進まぬのだろう。」

 ヨムの言葉を聞いて ヨヌは申し訳なさそうに

 「兄上のせいではありません!それは・・・」

 と、そこまで言って声にならなかった。

 ヨヌは心の中で ”私のせいかもしれません。”とつぶやく。

 辛そうなヨヌを見て ヨムは「余計な心配をさせたな。

 あまり悩むな。解決する方法はあるさ。」

 と、反対にヨヌを 明るく慰めるのだった。

 ヨヌはうつむいたまま「兄上。」と小さく言った。

 「何だ?」優しい兄のヨムに ヨヌは言う。

 「兄上は 邸下の心を開きたいのでしょ?」

 「何か方法はあるか?」

 ヨムが嬉しそうに ヨヌに尋ねた。

 ヨムは 心から妹のヨヌを信頼していたから

 ヨヌの言葉を素直に聞き入れる兄だったのだ。

 さて、ヨヌが兄に授けたフォンの心を開く方法とは?

 いったいなんだったのだろう。


 




 
 その翌日。

 またまた丕顕閣の机の前で 姿勢を崩して

 フォンは本をめくっていた。

 どんなに超天才でも、若造の師匠の講義など

 絶対に拒否してやる!!という態度で

 師匠のヨムを前して 無視し続けるフォンだった。

 しかし、ヨムは毅然として背筋を伸ばし、

 姿勢よく座って ずっとフォンの顔を見つめている。

 あまりにも長時間 同じ体勢を取り続けると

 背を曲げて、行儀の悪い恰好のフォンの方が 

 体が痛くて苦しくなるのだが、それも必死で耐えて

 フォンは体を崩し続け、目の前のヨムを無視し続けた。

 すると「今日の授業は これで終わります。」

 ヨムの 透き通る声がした。

 お辞儀をして帰ろうとするヨムに フォンは

 「恥知らずなヤツだ。

  何も教えずに禄を食むとは。ずうずうしい!」

 と軽蔑した目で言うのだった。

 するとヨムは「授業を受ける準備が

 できていないのかと思いまして。」と言う。

 「教える準備ができていないのだろう。」

 すかさず反論するフォンに、ヨムは静かに言う。

 「では、授業の代わりに 

  謎かけを申し上げてもよいでしょうか?」

 「謎かけだと?」フォンがいぶかしげに言う。

 「はい。もし当てられたら邸下のお望みどおり任務を下ります。

  でも、もし邸下が 答えが分からない場合は

  師匠に対する礼儀として 学ぶ姿勢を整えてください。」

 それを聞いたフォンは 「取り引きか・・・。」と、少し考えて

 「よし。言って見ろ。」とヨムに言った。

 「では申し上げます。万物を一瞬で明るくさせ、

  万物を一瞬で暗くさせるものは なんでしょうか?」

 ヨムがそう言うと、フォンは鼻で笑って

 「簡単すぎる!」と言った。しかしうヨムは

 「簡単ではありません!」と言う。フォンは

 「そなたにとってはな!」と 超天才に向かって言い放った。

 ヨムは「次回の書篵で答えを聞かせてください。」と言う。

 すかさず「それと同時に 二度と会うことはなくなる。」

 と言うフォンに ヨムは少し困ったように眉を動かした。

 

 

 


 ヨムが帰ってから フォンは臣下たちに命令し

 思いつく限りの書物を 自分の部屋に運ばせていた。

 よろよろしながら思い書籍を運ぶ臣下を見かけた

 フォンの妹のミナ王女は お付きの女官に尋ねた。

 「東宮殿の内官ではないか。

  書庫の書物を東宮殿に移すのだ?」

 しかし、女官はそれには答えず

 「公主様。王妃様がお待ちです。」と言うのだが

 ミナ王女は悪戯っ子の顔になって走って東宮殿へ駈け出した。

 (この兄妹は 揃って悪戯好きらしい。)

 「公主様!中宮殿に行かれるのでは?」と叫ぶ女官。

 東宮殿の自室のフォンは 山のように積まれた本を

 凄い集中力で 片端から目を通していた。

 そこへ、悪戯っ子のミナが面白そうに入って来て

 「兄上。父上に叱られて学業に精進されることにしたの?

  わぁ!凄い量だわ!!」と、本の数に驚いて

 「この書物を全部読むのですか?」と聞く。

 フォンはうるさそうに 冷たく言う。

 「そなたと遊ぶ時間はないから さっさと出て行け!」

 しかし妹のミナは堪えない。

 「邸下は 急にどうされたのだ?」とフォンを覗き込む。

 そして、壁に向かって立っているヒョンソンに気が付いて

 ミナは「お前は何をしている?」とヒョンソンに尋ねた。

 ヒョンソンは ミナ王女の視線を避けて言う。

 「私が背を向けているのは 邸下のご命令です。

  邸下は 侍講院の課題を解いておられます。」

 それを聞いたミナは 面白そうに

 「課題?どんな内容だ?」と聞き返した。

 本に集中できないフォンは
  
 「下がれと言ったのだぞ!」と妹に言う。

 しかし、ミナは「何?教えて!どんな課題なのだ?」と 

 ヒョンソンにシツコク食い下がった。

 ヒョンソンが言えません!と口を閉じると

 ミナ王女は泣きだしそうな顔をする。

 ヒョンソンは仕方なく 小声でささやいて教えた。

 「万物を一瞬で明るくさせ、

  万物を一瞬で暗くさせるものは何か?というものです。」

 それを聞いて ふうん・・・と考えるミナ王女。

 そしてすぐに閃いて ヒョンソンに答える。

 「それは”まぶた”ではないか!」

 そして ヒョンソンに目を閉じてみせて

 「こうして目を閉じると 万物が暗くなって

  こうして目を開けると 万物が明るくなる!」

 そう目を開けて 明るい声でミナが言うと

 ヒョンソンは うんうん!と頷いた。

 しかし、机の前で聞いていたフォンは馬鹿にした顔で

 「短絡的だな。程度が低すぎる!だからお前と話さないのだ!

  勉強の邪魔だから 早く下がれ!」と言った。

 ミナは「失礼ね!」と怒って部屋を出て行った。


 





 丕顕閣では ヨムの文学の時間が来た。

 フォンは ヨムの前で答えを告げる。

 「正解は 君主の政治だ。・・・中庸は言った。

  ”中和を極めれば 天地もそこに安じ万物が育成する”と。」

 ヒョンソンは丕顕閣の外で 聞き耳を立てていた。

 超天才の出した ナゾナゾの答えは何なのか・・・

 必死で本を読み漁って 答えを出したフォンは

 正解できたのではないか?でも正解ならば、

 超天才が文学を降りることになる。ヒョンソンはとても気になった。

 そこへ国王成祖が臣下を連れて 丕顕閣の方へ歩いて来る。

 驚き、慌てて「殿下!」と成祖を迎えるヒョンソンに

 成祖はシッ!とたしなめた。

 成祖は丕顕閣での フォンとヨムが気になって

 外から様子を伺うつもりだったのだ。

 成祖と一緒の臣下の中には ヨムの父のヨンジュと

 その横には ユン大妃の回し者、デヒョンもいて

 2人とも興味深そうに 成祖と共に聞き耳を立てた。

 丕顕閣の中からフォンの声がした。

 「よって君主が国を収めるためには

  誠意と徳で隅々まで見渡し 偏りなく調和すれば 

  天地の万物 すなわち、民の暮らしが明るくなる。

  その逆の場合、民の生活は暗くなる。

  よって、正解は君主の政治だ!」

 フォンは自信たっぷりに そう言った。

 するとヨムの声がした。

 「恐れながら 私の答えとは異なります。」

 フォンは驚いて「今、何と言った!

  正解ではないと言うのか!」とヨムに文句を言った。

 「さようでございます。」とヨム。

 ガッカリしたフォンは「ならば正解は何なのだ!」と聞くと

 ヨムは「正解は・・・」ともったいつけながら答える。

 丕顕閣の外は皆 どんな答えかと唾を飲んで聞き耳を立てた。

 すると「まぶたです。」とヨムが答えたので

 外で聞き耳を立てていた者は 皆、拍子抜けしてしまった。

 しかし、成祖だけは面白そうに微笑んでいる。

 デヒョンはヨンジュの緊張した顔を意地悪そうに見た。

 丕顕閣の中からフォンの怒った声がする。

 「ふざけているのか!」

 「お気に召さない正解だと ふざけることになるのですか?」

 そう冷静にヨムが答えると 「なんだと?」とフォン。

 ヨムは言う。「経典で答えが得られないものは低俗ですか?」

 するとフォンは「子供の言葉遊びが答えだと言うのか!」と怒る。

 ヨムは「子供の目で見ると 万物が問題になり

 万物が答えにもなります。学ぶ時 気を付けるべきことは

 1つ。答えを知っているとおごること。

 もう1つは 自分が正しいと思い込むことです。

 そのおごりと思い込みが 邸下の目と心を

 暗くしていることに お気づきください!」

 これには フォンも返す言葉がなかった。

 丕顕閣の外で 世子フォンを叱る息子、ヨムの

 言葉を聞いていた 大堤学のヨンジュが

 君主の成祖に「申し訳ございません!」と言って

 頭を下げるのだが、成祖はシッ!と黙らせた。

 成祖はヨムの言葉をもっと聞きたかったのだ。

 ヨムの声がする。

 「君主の政治ですか?正しいお言葉です。

  しかし、まぶたを閉じたままでは

  民の生活は見えず、帝王の道も論ぜません!

  まず先に 学ぶ姿勢をお正ください!」

 神妙にヨムの言葉を聞いていたフォンは

 すっくと立ち上がり「誰かおるか!」と大声を出した。

 ヒョンソンが慌てて「はい。邸下!」と中へ入った。

 「邸下。お話ください。」とヒョンソンが言うと

 「生果房に 菓子の用意をさせろ。」とフォンが言う。

 ヒョンソンが驚いて「菓子ですか?それはまた どうして?」

 と不思議がって聞くと、フォンは急に穏やかな顔になって

 「書篵のあとで 師匠と少し話しながら

  師弟の情を交わしたい。」と言うのだった。

 ヒョンソンはもっと驚いて

 「では・・・邸下・・・。」と喜んだ。

 立っていたフォンは 急に敬語を使い

 「今日は 文学を師匠としてあがめ、学びたいと存じます。

  この間の無礼を忘れ、挨拶を受けてください。」

 そう言うと、フォンはヨムに深々とお辞儀をした。

 ヨムは驚き、また内心、ホッと胸をなでおろして 

 フォンのお辞儀を受けるのだった。

 

 

 

 ヒョンソンは 丕顕閣の外にいる成祖に

 心の中で”良かったですね!”と叫ぶのだった。

 息子のフォンが、素直にヨムを受け入れたので

 国王成祖も安堵し、微笑んで口を開いた。

 「ようやく世子が 本物の師匠に出会ったな。」

 それを聞いていたヨンジュは 君主の言葉が有難く

 また、息子を誇りに思って微笑んだ。

 ただデヒョンだけが、これはマズイことになった!

 と苦虫を噛みしめた顔で ヨンジュの隣で突っ立っていた。


                 
                      つづく
 


2012/10/26 21:56
テーマ:歌姫のひとりごと カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

犯罪が消える日

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 昨日のキーイースト所属マネージャーの不祥事件

 会社から公式的に謝罪をしましたね。


 「多くの方々が所属俳優や会社の事業に

  関心を持って見守ってくださる分、

  模範にならなければならないのに、職員管理が不十分で

  このような事態が発生したことについて、

  心より謝罪申し上げます。

  現在勤務中の職員に対する徹底した管理と共に、

  今後の新規職員採用を
 
  さらに慎重に行うことをお約束致します。」

 http://www.kstarnews.jp/news/viewContents/entame/1304658163


  事件を起こした男は

  スヒョン君専属の担当ではなかったみたいですが

  本当に、これからはこんな不祥事は勘弁です!!

 
  真面目なヨンジュンは 今回のことで

  どれだけ驚き 怒り、嘆いたことでしょう。

        (T_T)


  スヒョン君だって、絶対にショックだったはず。

        (T_T)
 
  ま・・・

  気分の悪い記事なので ・・・

  もうこれくらいで終わりにしましょう!!


  




 

  事件といえば・・・

  今日のピアノのレッスンに来た

  近所の小学生から聞いた驚く事件!!

  これは NHKの地方ニュースでも流れたらしい。

  (歌姫は見逃しちゃったんだけど。笑)

  実は・・・

  今日、生徒の小学校に「爆弾を仕掛けた!!」

  という電話が役場にあったということで・・・

  学校に警察官らが捜索に入って

  生徒と先生は 半日ずっと

  校庭で待機させられて大変だったとか・・・。

      (@_@;)

  勿論、悪戯電話だったらしいけど

  それが大人の声だったらしく・・・

  まったく呆れてしまいます。

  早く犯人が捕まるといいんだけど!!




     
  

  それにしても

  世の中から「犯罪」が消える日は

  地球が終わるまで 来ないのかしら・・・

  嫌、地球が滅亡しなくても

  人間さえ消えてなくなれば 

  「犯罪」も消えてなくなるのでしょうね。
    
       (-.-)ハァ・・・


  


  


 


2012/10/25 20:17
テーマ:歌姫のひとりごと カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

嬉しいことと、ショックなこと!!

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 昨日は いつもの美容室に出かけ

 カラーリングやヘッド&フットスパでリフレッシュ

 帰りは市内でショッピングして帰宅した後、

 生徒のレッスンもあって 疲れてしまい

 夕べは睡魔に勝てずに 

 PCの前にちょっとしか座れませんでした。(>_<)


 今日は今日で・・・

 午前中は お昼前まで知り合いの方が来てて

 午後は 明日の不燃物当番の準備で・・・

 夕方はゴミ出しの場所に 早くから出してる人の

 ゴミのチェック!!をもう一人の当番の方としてて 

 帰ったら すぐに義母がやってきて夕食!!!

 はぁ・・・(;一_一)

 6時前には 夕食を終えて

 いつものように 仏壇も拝まずに

 お帰りになりました~♫ 

 

 で・・・

 義母の機嫌がめちゃくちゃ良かったので

 スヒョン君のイベントツアーで韓国に行くことを

 義母に言って、承諾を取り付けました~

   やった~!!!\ (*´∀`*) /

 
 



 

 まだ夫には 言ってないんだけど(笑)

 まぁ、昨日嬉しいことがあって

 義母も夫も機嫌がいいので・・・

 夫にも 今晩言ってしまおうかと思ってます!!

 「行っていい?」じゃなくて

 「行くからね!!」なんですけど(爆)


 
 そうそう・・・

 嬉しいことというのは

 長男がやっと国家試験に受かったということ!!

 馬が大好きだった長男ですが 子供と妻のために

 測量士補の資格を取得し、乗馬クラブの仕事を辞めて

 土地家屋調査士の仕事を 嫁のお父様の行政書士事務所で

 3年ほど手伝っているんですが このたび・・・

 3度目の正直で やっと 土地家屋調査士に合格!!

 やれやれ・・・まぁ これで少しは長男も
 
 大きな顔で、嫁の実家に行って過ごせるかな(笑)



 

 

 で・・・

 この原稿を書きながら PCをチェックしてて

 ついさっき知ったニュースなんですが・・・

 スヒョン君のマネージャーが

 韓国の広範囲にわたって性暴力をはたらき、

 警察に検挙された!!そうです。


      (;一_一)ゲロゲロ!!


 スヒョン君、相当ショックだろうなぁ・・・

 それにマネージャーはキーイースト所属社員。

 ヨンジュンも・・・ショックだろうなぁ・・・


 ああ・・・それにしても

 なんでそんな人間、雇ってたんだ~~??

       ┗(`□´)┛


 

 


2012/10/24 08:04
テーマ:歌姫のひとりごと カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

悔しいですか??

Photo
 

 
 「お前は 誰よりも

  俺を好きだと思っていた。」

 

  だから??

 

  だから・・・

  何年も ほったらかしてもいいと??

 

 


 
  季節感のないカレンダーが

  ”元気です!”の挨拶の代わり??

 

  悔しかったら

  早く 素敵な作品で演技を見せて!!

 

  それなら

  「元気です!!」の挨拶がなくても

       許す!!

 

  あくまで タカビーの歌姫。(-.-)

 

 

 

  歌姫は あなたも可愛がってる

  スヒョン君が 本当に可愛いぞ!!(笑)

  
       
 
 


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