夢の続き・・・
未だに 正常状態を保っているので 今日も 頑張ってPCのキーを打つ歌姫です!!(笑) そして 今日は IMXの創立10周年なんだとか!!! \(*´∀`*)/ IMXと共に ずっと長生きできますように~♫ ブロコリブログで これからも遊ばせてくださいね❤ それにしても・・・ 私が、DATVが見られない家族のためにと ドリハイの紹介をここで 必死に書き始めたのは いつだったのかなぁ~~~?? ・・・一生懸命 思い出そうとしても 消しゴムがある歌姫の頭は まったく思い出せなくて(笑) 今、ブログを遡って 探してみたら 今年の1月28日に 第1話をUPしてた!!! ということは・・・ ちょうど10カ月の間、タラタラと書いてたことになる。 ああ・・・よく最後まで頑張った!!(*^_^*) 誰も褒めてくれないので、自分で褒める歌姫~♫(爆) 本当は ほとんどの家族がDVDや地上波で ドリハイを楽しめているのだろうから・・・ 歌姫の解説なんて 邪魔なだけだったかもしれないけど ・・・でも、私は最後まで 書きたかった!!(笑) 素敵なドラマを 作ってくれた ヨンジュンへの感謝の気持ちも込めて・・・ 私が心から楽しんだ『ドリームハイ』を ここで 書き気残しておきたかった。 今時のKポップの若者たちには 全く興味がなかったので(笑) ヨンジュンの出演した4話だけ 書くつもりだった。 なのに・・・最後まで 突っ走れたのは いったいなんだったのだろう?? それは 多分、このドラマの中には ヨンジュンの想いが 沢山詰まっていたからだ。 パク・ジニョンさんと共に 伝えたかった ヨンジュンの”熱い想い”を 私は このドラマで しっかり感じることが出来た!! 夢や希望。そして挫折。それを乗り越える勇気。 夢に向かって 歩き続けていくことの大切さ。 このドラマに主演した 若者たちも 本当に可愛らしくて、素晴らしかった!!! 彼らのひたむきに、頑張って演じている姿。 その努力と 熱いエネルギーは 胸を打つものがあった。 ”希望”を見る人に与えてくれる 本当に明るいドラマ『ドリームハイ』 私は 本音を言うと パート2では サムドンやグクたちの その後を描いて欲しかった。 韓国に残ったヘミとの 苦しい恋の行方や・・・ 韓国のスーパースターのグクと これから芸能界入りするヘソンとの 新たな恋の展開や 一般人となったピルスクと モテ男のジェイソンの恋愛。 夢を手にした者たちの その先の人生が いったいどんな風に展開されるのか・・・ ヨンジュンだったら どんな風に生きたいのか・・・ それを私は 覗いて見たかった。(*^_^*) あなたの”夢の続き”が知りたいな・・・。 そして私は・・・ 本当の夢に向かって 歩き続ける ヨンジュンを 心から応援してるね!!! それが最も気になる私は 生まれて初めて ”創作”なるものを書いてしまった!!(笑) まぁ・・・ とても とても短い物語なんだけどね(爆) ここでも 発表してしまう 本当に シツコイ歌姫でした!!お許しを~♫ 華々しい100回記念コンサートのステージが つつがなく終了し ヘミが安堵して楽屋に戻ると 突然、携帯が鳴った。 「もしもし・・・」ヘミが出ると 「記念コンサートおめでとう!!」 いきなり 明るくそう叫ぶサムドンの声が聞こえた。 ヘミは 「それは私の言う台詞でしょ!!」と 相変わらずぶっきらぼうに答えた。 でも すぐに嬉しくて 涙がこみ上げて 「サムドン・・・サムドン・・・ グラミー賞受賞、おめでとう!!」 と 声にならない声で サムドンに精一杯、気持ちを伝えた。 電話の向こうのサムドンも 泣いているのか しばらく声が聞こえない。 「長かったよな。・・・俺たち、頑張ったよな!!」 そうやっと言葉にするサムドンは 相変わらず訛っていた。 その訛りが嬉しくて 可笑しくて、ヘミは泣きながら笑った。 「サムドン。訛ってる。」ヘミがそう言うと 「It is natural!!」サムドンは 笑ってそう言った。 サムドンが熱いキスをして 別れてから、7年が過ぎていた。 サムドンは ヘミが自分をアメリカへ送り出した気持ちに 精一杯応えようと 7年間頑張ってきたのだ。 ”ヘミの望むスーパースターになってやる!!” そうサムドンは 心に誓ってアメリカへ旅立ったのだ。 そして たった一人ぼっちの寂しさに 必死で耐えながら 夢に向かって サムドンは無我夢中で突き進んで行った。 韓国人の誰も成しえなかった グラミー賞をサムドンは手にしたのだ。 まさしく、彼は 世界のトップスターの座に駆け上っていた。 優しく指で触れながら 大きな声で 訛って叫ぶ。 「来月、凱旋帰国することになった。ヘミ。待ってろよ!!」 そのサムドンの言葉に ヘミは喜びに震えながら 「うん。・・・うん。」 とだけ答えるのが 精一杯だった。 マスコミの取材を受けた直後に ハミョンは サムドンがグラミー賞を受賞したと耳にして 「やったな・・・おめでとう!!」と 小さく呟いて 満足そうに微笑むのだった。 そしてハミョンは 窓を開けて 星がきらめく空を見上げた。 「私のひとつの夢が これで叶った。 さて・・・新しい夢を また探そうじゃないか。」 そう星空に向かって 楽しそうに語るハミョンの瞳は まるで少年のように 輝いていた。
いつ壊れるかと ドキドキして使ってるPCだけど・・・
心から おめでとうございます!!!!
歌姫の大好きな このブロコリも
始めは ヨンジュンの主演作じゃないし、
そして何より・・・
彼らは確実に これからの韓国を背負う若者たちだ。
また、パート2の製作が始まるんだね。
でも、あまりにも サムドン達が好きになりすぎて
サムドンがアメリカで大成功して
ねぇ、ヨンジュン。
それにしても サムドンとヘミのその後・・・
この創作話は 以前、公式スレでUPしたにも関わらず
≪私のドリームハイ・・・その後≫
あの日。バスを追いかけて来たヘミに
そして・・・7年目のその晩。
サムドンは胸にぶら下げたKのペンダントを
一方、Kのペンダントの最初の持ち主だったハミョン。
ドリームハイ☆第16話No.5
最終話 ≪夢の頂き≫
6人が果敢に夢に挑んだ EMGレコードの最終審査。
あれから瞬く間に時は流れ 2018年を迎えていた。
そう。あの最終審査から 7年後の6人の姿が現れる。
ピルスクは 歌手を引退して保育園を経営していた。
園内の部屋の棚には 自分の現役時代の写真や
受賞したトロフィーが飾られている。
子ども達にお昼寝をする時は 得意なギターを奏でながら
優しい声で子守唄を歌う だいぶ太ったピルスクだった。
”あなたを見つめる この風景
鏡のような あなたの姿
私にとっては それがすべて
湖のような あなたの胸が
私にとっては 我が家なの
眠れよ 眠れ 愛する人よ・・・
眠れよ 眠れ 愛する人よ・・・”
子供たちは 歌が流れる中、スヤスヤと寝息を立てている。
そして歌い終わると、ピルスクは そっと起こさないように
忍び足で 部屋を出て行く。そしてドアを開けた瞬間に
ジェイソンが待ち構えて大声で「ピルスク!」と、はしゃいで
驚くピルスクを後ろから抱きあげた。(うわぁ!!凄い力だ!!笑)
「シッ!!子供が起きるわ!」と文句を言うピルスク。
「おい。また太ったんじゃないか?」とジェイソン。
ピルスクは怒って ジェイソンを殴って「何の用?」と聞く。
ジェイソンは痛みに耐えながらも「今日は大事な日だ
エスコートする。」と、優しくピルスクに言った。
「そう言えば 今日だったわね!みんなに会えるわね。」と
嬉しそうなピルスクにジェイソンは言う。
「俺もゲストで出るぞ!一緒に出ないか?」
ピルスクは即座に「結構よ!写真でも撮られたら大変よ!
”キム・ピルスク激太り!”ってね・・・。」と言い
そして微笑んで言うのだった。「今が一番 幸せよ。」
ジェイソンも「俺も!」とピルスクを見つめてつぶやいた。
この2人の愛は 7年経っても覚めていない。本物の愛だ!!
(多分、ピルスクは歌手生活よりも 愛するジェイソンと
幸せな家庭を築くことに 夢を転換したのだろう。
そして、ジェイソンは 未だに頑張って芸能界に身を置いている。
それにしても”大事な日”って何??と視聴者は思う。笑)
一方、ベクヒは7年後、母校のキリン芸高に戻っていた。
昔のギョンジンのような、敏腕な鬼教師として。 (笑)
授業の始まりに 画鋲を入れた瓶を持って登場する。
すべてが恩師のギョンジンの物真似のようだ。 (笑)
ダンスのレッスンの前に 画鋲を床にばらまいて
「みんな靴を脱いで!床にまいた画鋲は2百個。
今から5分後に ダンスの授業を始めるわ!」
文句を言う学生に ストップウォッチを振りまわして
「5分で画鋲を拾わないと あなたたちは痛い目に
遭うでしょうね。」ベクヒは恩師そっくりだった。
「じゃあ始めようか!!」とストップウォッチを押す。
渋々、靴を脱いで床の画鋲を拾い出す生徒たち。
それを眺めるベクヒの前に 笑って登場したのは
ギョンジンだった。驚くベクヒ。焦って傍により
「芸術部長!見てらしたんですか?」と聞くのだった。
(おお!!流石だ!!ギョンジンは芸術部長に昇進していた!)
ギョンジンは腕組しながら「ユン先生。」と笑って
「今夜はコンサートでしょ?。」と言うのだった。
ベクヒは「ええ。分かってます。」と言うと
「私の代わりに 花輪を贈っておいてちょうだい。
大きいのを!」と ベクヒに命令するのだった。
ベクヒは 渋々、「ええ。」と答える。
そしてギョンジンは 画鋲を拾う生徒を見て
「みんな 御苦労さまね。以上!」と言って去って行く。
「苦労だなんて。」と言って ベクヒは生徒の方をキッ!!と
振り向くと「あと1分よ!」とまた 威厳を持って言うのだった。
そんなベクヒを頼もしく思うギョンジンが 教室から廊下へ戻ると
オヒョクに「芸術部長!」と声をかけられる。
「カン先生。」とギョンジンが嬉しそうに言うと
オヒョクが腕を差し出し、ギョンジンはその腕にすがるように
腕組をして 笑いながら廊下を歩く。
するとオヒョクは 言い難そうに切りだした。
「奥さん、その・・・修学旅行に行けない子が
4人ほどいて、カードローンで360万借りて・・・
もうしませんから!!!」と言うが早いか
オヒョクは妻のギョンジンの元から 逃げ出してしまうのだった。
「あなた!!」そう言って追いかけるギョンジン。
(オヒョクとギョンジンは結婚をして 子供も出来ているらしい。
オヒョクを追いかける際、子どもの名前が出て来ている。
そして、当然ながら ギョンジンの方が役職は上で
オヒョクは相変わらず 生徒思いの平教師なのだ。)
みんなが目指すコンサート会場の壁に掲げられた
巨大なスクリーンには ニュース報道が流れている。
”韓国出身歌手 グラミー賞 有力”
そんな驚くような 大きなニュースが報道されていた。
そして、海外から韓国へ帰国した歌手が 空港から出て来る。
サングラスをかけて、黒い皮ジャン姿で 貫禄ある姿で
ボディーガードを6人も引き連れて 颯爽と歩いているのは
かつてのサムドンのライバル チン・グクだった。
空港の外には大勢のファンと報道人が待っていた。
グクの脇にいる マ社長の目が厳しくなる。
「帰国はいつですか?」 (今日に決まってるだろう!!爆)
「JGがアルバムに参加するそうですが 本当ですか?」
「日本公演の日程は?」様々な質問が飛び交う中、
グクはただ 微笑んで立っていた。しかし・・・
「Kがあなたを 自分のペースメーカーと評しましたが・・・」
という記者の質問に グクは反応する。
「決着は 最後まで分からないと彼に伝えて!」
そう記者に詰め寄って答えた。するとマ社長が
「今日はここまで!」と 記者を制して グクを歩かせた。
迎えのワゴン車に乗り込むと 車に備えたTVのニュースから
グラミー賞の授賞式会場の映像が映し出される。
マネージャーになっている子分が 駐車料金を払いに行って
停車中の車の中で、マ社長はグクに自分の子供の写真を見せて
「うちの子が1歳になったんだ。」と嬉しそうに言った。
魔女とマ社長と子どもが3人で仲良く写っている写真だった。
「おお~!!」とグクは 大きくなった子供に驚いて
写真が写るアイパッドを操作して、次々に写真を見ている。
そして「社長に似てないね。」とグク。
「いや!鼻と口は似てるさ!!」とマ社長。
「え~?オソン姉さん そっくりだよ!!」と言うグクに
「そうだ。母親似だ!!最近 金がかかって仕方ない。
それでだが、出国前にCMを1本撮らないか?」と言うマ社長。
しかしグクは 即座に「前から言ってあるでしょ?
今夜は 絶対にダメだって!!」と、怒って言った。
するとマ社長は 「キャンセルする!」と少し拗ねて
「金になったのに!!」と悔しそうにつぶやいた。
その隣でグクは笑って、またTV画面を見つめた。
”K 韓国初のグラミー賞 有力候補”
そう画面でテロップが流れ グラミー賞会場を映している。
グクは嬉しくて、アイパッドでもニュースを見ようと
ニュースを検索すると Kのニュースの隣に父のことが出ていた。
グクの父には”ヒョン・ムジン高陽市長”と肩書きがある。
そしてその記事には 父が”次期大統領候補”だと書かれていた。
グクはその記事を読んで 心から嬉しそうな顔をした。
(ええっ??グクの父親が大統領??では、グクは大統領の
息子になるのか??まるで 元小泉首相・親子みたいだな!爆)
グラミー会場では Kのステージが間近に迫っていた。
Kをスタンバイさせようと スタッフが楽屋に向かう。
その舞台裏の廊下では 韓国の報道陣が嬉しそうに
「第60回グラミー賞で アルバム賞受賞が
有力視されています!」とカメラに向かって話している。
「Kのアルバムは全世界で 2千万枚の売り上げを記録。」
その報道は ソウルでも街中の街頭で流れた。
楽屋では キリン芸高でのドリームハイのメンバー
6人の写真を そっとテーブルに置くKがいた。
そして隣に置かれた Kのペンダントを手にして
鏡の前で 大事そうに自分の首にぶら下げているのは
ソン・サムドンだった。
やはり、ハミョンの目に狂いはなかったのだ。
ハミョンが 1番最初に選んでいた特待生のサムドンが
キリン芸高で出会った仲間と共に 切磋琢磨した結果
EMGレコードの最終審査に 見事合格を果たし
アメリカへ渡っても 努力を積み重ねて
誰も掴むことのできなかった 大きな夢を
今、まさに その手に掴もうとしているのだ。
鏡の自分を見つめながら サムドンは7年前を思い出す。
「俺は 絶対に行かないぞ!!」サムドンが ヘミに叫んだ
7年前の あの時の光景が浮かび上がった。
ヘミとサムドンは2人きりで バス通りにいた。
バス停の前まで来て、やっぱり行きたくないと思うサムドンは
ヘミの前で 子どものように駄々をこねていたのだ。
大声をあげて ヘミに「絶対に行かない!!」と言い張る。
ヘミはまるで母のように 懸命にサムドンを説得する。
「あなたは アメリカへ行くのよ!!
アメリカで もっと大きな舞台に立つの!!
・・・最高になるのよ!!!」
そう言うヘミの顔を マジマジと見つめて サムドンは言う。
「俺はアメリカに行きたくて 応募したんじゃない!
お前を安心させたかったんだ。目的は果たしたんだから
帰ろう。」それが、サムドンの本音だった。
しかし、ヘミは 強くサムドンの腕を引っ張って
「サムドン!」と必死にバスに乗せようとする。
すると サムドンは激怒した。
「何度言わせるんだ??」 大声でヘミに怒鳴るサムドン。
そして ヘミをじっと見つめて 涙をためて
サムドンは切々と語った。
「これまで、ずっと・・・
俺にとって お前は音楽そのものなんだ!!
だから、今があるんだ!!
お前がいない場所には・・・音楽はない。」
それを聞くヘミも 涙があふれてくるのだが
それを堪えて ヘミは諭すように言うのだった。
「以前、私にこう言ったわよね?
”同情が吹き飛ぶくらい、惚れるくらい
決めてやる!!”って・・・。
でも私は まだ あなたが心配よ。
ここで終われば、私の心配はずっと続くわ。
だから、格好良く決めてみて!
私の心配が吹き飛ぶくらい・・・
惚れるくらい・・・素敵に!!
私が惚れるほど、素敵になったら・・・
その時は 真っ白な頭で考えてみるわ。
あなたが 私にとって どんな存在なのか。」
ヘミも大粒の涙をこぼしなら サムドンにそう言った。
サムドンは ヘミの言葉を聞きながら
ずっと涙をこぼしている。サムドンは ヘミの口から
”行かないで。傍にいて!”その一言が聞きたかったから
それを言ってくれないのが 悲しくて仕方ない。
ヘミの言葉を聞いて「自分に嘘をつくな!」
サムドンは ヘミを責めた。
サムドンはヘミの財布を拾ってみて
ヘミの本当の気持ちが 分かっていたのだ。
自分の写真を 隠して財布に忍ばせていたのだから
ヘミは自分を好きなんだという確信が サムドンにはあった。
だから バスに乗る直前の”行かないで~!!”と
ヘミが サムドンにすがりつくパターンを
心密かに サムドンは期待していたのだと思う。(笑)
(バス停での 劇的なヘミの告白を聞くために
行きたくもないくせに 鞄を持ってバス停まで来た
そんなサムドンだったのだと 私は確信する。
だから、自分の思い描いた展開にならなくて・・・
悲しくて 子供のようにサムドンは泣いたのだ。
サムドンは そういう純朴な男だ。)
サムドンは 泣きながら言う。
「本当は 行かせたくないくせに!!
俺は お前を良く知ってる!そうだろ?」
しかし、ヘミは泣きながらも「いいえ!違うわ。」
キッパリ否定するのだ。サムドンの涙は止まらない。
ヘミはサムドンを見上げて 涙を堪えて言った。
「1年前なら きっと わめき叫んだはずよ。
でも今は、こうして笑って送り出せるわ。
最高に嬉しいの。」しかし、必死に堪えても 涙は流れた。
サムドンは「それが 嬉しい顔か?」と聞き返す。
ヘミは泣きながら「うん。これが私の喜んでる顔よ。」
そう言って 号泣してしまうヘミの肩を両手で掴んで
サムドンは言う。「真っ赤な嘘をつくな!
農薬みたいな女め。」そう言って 彼も号泣する。
しかし、母性本能の人一倍強いヘミは
才能のあるサムドンを 世界へ羽ばたかせることを選んだ。
サムドンの夢のために 彼を手放すことを選んだのだ。
「サムドン。行って。」ヘミは言った。
とうとう、最後まで”行かないで!”と引き止めはしなかった。
「もっと 輝いて。」ヘミは言った。
ヘミは自分を引き止めない。サムドンは ようやく観念すると
ヘミの手に ヘミからもらったハートのストラップを返した。
それは”さようなら”の印だった。
ヘミの掌に しっかりストラップを握らせると
サムドンは泣きながら ヘミから離れて バスへ向かった。
ヘミはサムドンから返された ストラップを握りしめる。
アメリカに渡り、Kと名乗って活躍し
今 グラミー賞授賞式の華々しいステージに立つまでの間
サムドンは7年前の あのバス停での出来事を振り返っていた。
”格好良く決めてみて!”ヘミの声が聞こえた。
Kが登場するとあって、会場は照明が落とされ
Kというマークのライティングが 客席を照らして動く。
始まるKのステージに興奮した観客は 大歓声をあげる。
ステージ上では ダンサー達がスタンバイして待っている。
1歩、1歩 Kのサムドンはステージへ続く階段を上ってゆく。
そして、ステージの真下に到着すると スタッフに
耳から補聴器を外して渡した。
「準備はできたか?」スタッフが英語で尋ねる。
サムドンは笑顔で「常にできてるさ。」と英語で言った。
そして彼は セリ舞台のスタンバイを終えた。
客席から割れるような手拍子が鳴り響き
みんながKの登場を待っている。
サムドンは セリの下にかがんで Kのペンダントに触れ
そのペンダントを胸の奥に仕舞いこんだ。
そのペンダントに込められた ヘミの想いも抱きしめながら
”今から 決めてやる!!”心の中でつぶやくのだった。
そしてステージの上で ダンサーが円になって仰向けに倒れた中
中央のセリ舞台から サムドンが勢いよく飛び出した。
まるで 空高く飛び上がる 白い鳥のように・・・。
温かい大きな拍手が ヘミを包んでいた。
ステージの上で ヘミは客席に向かって挨拶をする。
「今日は 私の100回目のコンサートに
お越しくださいまして ありがとうござます。
会場には先生や友達が お祝いに来てくれて
客席のどこかにいるはずです。
とがった石のような私とぶつかり合って
私を丸くしてくれました。心から感謝しています。」
ジェイソン、ピルスク、ベクヒ、ジンマン、オヒョク
みんなが笑顔で 成長したステージのヘミを見つめている。
スポットライトに照らされた 美しい歌姫のヘミは語る。
「そして もう1人。この場に来られない友達がいます。
栄光であると同時に 時に寂しい道を歩んでいる彼に
この曲を捧げます。」そう言って、ヘミが選んだ曲は
始めてサムドンに出逢った日の 小雪の降る夜に
田舎の彼の家の厠で歌った あの歌だった。
サムドンと自分の それぞれの記念すべき日。
ヘミは韓国で 遠いサムドンを想って歌うのだった。
”魂の中に 潜んでいた歌
これまで 何度も書き上げようとした
極寒の中で 目を覚ます私に
あなたは いつも歌いかけてくれる
だから 私は 体を横たえ
手を合わせて祈るわ”
歌の途中で、グクが会場を訪れ ヘミの歌に微笑む。
すると暗がりの会場の中で 自分の肩を叩く少女がいた。
「ちょっとお耳を。」と手招きする可愛い少女。
彼女は キリン芸高の制服を着ていた。
グクが耳を貸そうと 頭を下げると
その少女がグクの頬にキスをした。驚くグク。
”なんだコイツ!”そう思っていると 少女は笑って
「久し振りね。お兄ちゃん!」と言う。
グクが”誰だろう?”という顔をするので
少女は怒って 制服の名札をグクに見せる。
その名札には”コ・ヘソン”と書いてあった。
「ヘソンか?」と やっと気がつたグクが言う。
そして2人は 久し振りの再会に笑い合った。
ステージのヘミは歌い続ける。どうかサムドンへ届けと!
”銀河が踊り 私に笑いかける
夢が遠くに感じられる時には
あなたが用意してくれた プランを歌って聞かせて
その時 私は 体を横たえ
手を合わせて祈るわ
あなたのものになれるように・・・
ようやくわかったの
あなたが たったひとつの希望だと”
初めて出会った時の 田舎者のサムドンが
バスを追いかけて来て ヘミに尋ねた。
「お前、昨日 なんで舞台にあがったんだ?」
”運命を あなたに捧げるわ”
「なんて言えば ソウルに来てくれる?」とヘミ。
「俺が好きだと・・・」とサムドン。
「好きよ!」
「何だって?」
「あなたが好き!」
そう。サムドンは ヘミの歌を聞いて音楽に目覚め
ヘミに好きと言われて 遥々ソウルにやって来たのだ。
サムドンを見出したのは ハミョンだったが
サムドンの運命を変えたのは ヘミだった。
そして サムドンには ヘミがすべてだったのに・・・
そのサムドンは 7年前のあの日、バス停で
自分にとって大切なストラップを返して ヘミに別れを告げた。
1人残されたヘミは 手の中のストラップを見て
堰を切ったように 涙があふれてくるのだった。
ヘミに背を向けて 暗い顔でバスに乗り込んだサムドン。
バスが発車すると ヘミは我慢できずにバスを追いかけた。
自分の本当の想いを サムドンに告げるために。
ヘミがアメリカへ行くと勘違いしたサムドンが
必死でバスを追いかけたように ヘミも走った。
ヘミが 必死で追いかけているとは知らずに
サムドンは後部座席にもたれて 沈んでいる。
バスが赤信号で停車した。ヘミはバスにやっと追いつく。
そして、サムドンのいる後方の窓をドンドンと叩いた。
それに気づいたサムドンは 驚いて窓を開ける。
ヘミはポケットから Kのペンダントを出して
サムドンの首にかけるのだった。
”みんなの分も 頑張って来て!!
あなたに 夢を託すのよ!!!
あなたは 決して1人じゃないから!!
そして・・・私を忘れないで!!”
そんな想いのすべてを ヘミはペンダントに込めた。
サムドンは ペンダントを握りしめてヘミを見つめた。
ヘミの温かい気持ちが サムドンに伝わった。
サムドンは 心の中で誓った。
”頑張って来る!!
絶対に 夢をあきらめたりしない。
そして・・・お前を決して忘れない!!”
サムドンは 窓から身を乗り出して
ヘミを手繰り寄せて 口づけした。
”農薬みたいな女だ。
でも・・・お前は 俺の最高の女だ!!”
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ごめんなさい!! m(_ _)m
最後は 物凄く主観が入って書いてしましました。
でも・・・これが 私のドリハイ解説です。(笑)
本当に 大好きな 大好きなドリハイでした!!
今は すべて終わってしまって
寂しさに襲われています・・・。
ドリームハイ☆第16話No.4
最終話 ≪夢の頂き≫
グクがバイクで ヘミを連れて行ったのは
キリン芸高のオーディションの帰りに来た 川沿いの広場だった。
ヘミはバイクから飛び下りて ヘルメットを外した。
そして ぼんやりした顔で、とぼとぼ1人で歩きだした。
そんなヘミを 優しく見つめるグク。
そして、グクは ヘミが脱いだヘルメットを手に取った。
そして、川べりに佇むヘミに 近づいて溜息をついて言った。
「久し振りだな。・・・覚えてるか?
これを被って 逃げてきただろ?」
グクは その場所がヘミがオーディションに落ちて
悔しくて泣いた場所だ・・・懐かしいだろう・・・
そういう思いを込めて ヘミに言った。
グクは昔のヘミに 戻ってほしくて
ヘミを この場所に連れて来たのに・・・。しかし
「そうね。」と、返事をするヘミは グクの顔も見ない。
沈んだ顔のヘミを見て グクは
「やっぱりダメだ!・・・家に戻って
みんなでパーティーをしよう!!カン先生と
オソン姉さんも一緒に・・・」そう言うのだった。
(わざとサムドンの名前を言わないグク!笑)
すると、ヘミは焦って グクを見て
「なんで急に戻るの?次はどこに行く?」
と、明るい笑顔を作って言うのだった。
そのヘミの顔を グクは寂しそうに見つめて
切ない思いで「そうやって、無理するな。」と言った。
「行こうよ!行こうって!!」ヘミがグクの腕を掴んで言った。
しかし グクは言う。「ヘミ。お前、無理してる。」
固まるヘミに グクは優しく言うのだ。 (グクは本当に優しい!)
「俺には分かってる。今、お前が誰を見てるのか。
俺も、知っていながら・・・無理をした。」
ヘミは グクに心を見透かされて驚いた。
「グク。」・・・そう名前を言うだけで、ヘミは後の言葉が続かない。
グクは言う。「感情なんて、無理したって変わらないさ。」
そう言われて、ヘミの瞳から涙が溢れそうになる。
今まで、グクのために 必死にサムドンへの想いを
閉じ込めようと無理をしていたヘミは 救われた気がした。
「ごめん!」とグクを見上げて ヘミは謝った。
「私、情けないわね。」そう言うヘミに
優しいグクは言うのだ。「ごめん。苦しかっただろう。」
ヘミは グクの優しさに感謝しながら
そんなグクに申し訳なくて、涙が止まらなくなる。
するとグクは 以前と同様、手にしたヘルメットを
ヘミの頭にそっと被せて 泣き顔のヘミを閉じ込めた。
そして「これからは 友達として気楽に接しよう。
昔みたいに 目を合わせたり、一緒に学校に行ったり
気楽にな・・・。」そうヘミに言うグクだった。
ヘミは うんうんと頷いて泣き続けた。
ヘミの涙が止まるまで、グクはヘミの傍に寄り添っていた。
これが、最後のデートだった。
こうして グクの初恋は終わった。
幼い時に出逢って以来、ずっと好きだったヘミを
寛大な心のグクは サムドンへと渡す覚悟をしたのだ。
(ここでは私は思う。冬ソナのサンヒョクとはエライ違いだな!!笑)
若い恋人達が別れた そんなある日。
オヒョクはといえば 校長室へ呼ばれていた。
ノックしてから 恐る恐る校長室へ入ると
校長は椅子に腰かけたまま 振り向きもせずに
手にした大封筒を見つめていた。
そして、いきなり振り向くと「君宛に これが届いた!」
そう言って その大きな封筒を オヒョクに投げつけた。
驚いてその封筒を受け取るオヒョクは
「これは何でしょう?」と 校長に質問する。
すると校長は「EMGレコードの2次合格者だ。」と言った。
「うわぁ!!誰か受かったんですか??」と
驚きながらも 喜びを隠しきれないオヒョク。
すると「そんなに嬉しいか?」と校長が怒鳴った。
そしてフン!と言った様子で 校長は言うのだった。
「生徒が成功して、君まで有頂天になってるな。」
オヒョクは 「何か 私が悪いことでも?」と聞くと
校長は机を叩いて立ち上がり 怒って大声で言う。
「お前は何様のつもりだ?娘の愛を無視しおって!」
オヒョクは聞き返す。
「娘というと シ・ギョンジン先生ですか?」
「そうだ!他に誰がいるというんだ??」と校長。
「シ先生が 私を好きなんですか??」とオヒョク。
「そうだ!!!」と大声で怒鳴る校長。
これには オヒョクは”そうだったのか!”とやっと
ギョンジンの気持ちを理解できて (まったく鈍感にもほどがある!)
驚きの次に 喜びが湧きあがってくるのだった。
そしてオヒョクの態度に「知らなかったのか?」
この時、校長もまた 驚いてオヒョクに聞くのだった。
「はい。知りませんでした。シ先生が僕を好き?」
もう大喜びのオヒョク。校長は”シマッタ!”という顔だ。
「これは驚いた。」笑いながら校長室を後にするオヒョクだった。
残された校長は「カン先生!カン先生!!」と
追いかけるが、取り消そうと思っても、もう遅い!!(爆)
ギョンジンに愛されていることを知ったオヒョク。
しかし、その前に EMGレコードのオーディションに
自分の生徒が 2次合格したということが心から嬉しくて
オーディションに応募した ドリームハイのメンバー
6人を教室に集めて 合格者を発表することにした。
ヘミ達は一列に椅子を並べて腰かけて 神妙な顔で
オヒョクが手にした 合格者の入った封筒を見つめていた。
6人の生徒たちは ドキドキしながら合格者が誰なのか
開封の時を待っていたが、それはオヒョクも同じだ。
いったい誰が??・・・深呼吸して 開封しようとすると
廊下から大声で「本当なのか?」と、叫んで ジンマンが
慌てて 走って来て「合格通知が来たって?」と
オヒョクに詰め寄った。オヒョクは「そうだよ!」と言って
逸る気持ちで、ジンマンの目の前で封を開くことになる。
その前に「誰が受かっても 恨みっこなしだぞ!」と
自信満々のジェイソンがそう言った。ヘミは「早く開けて!
どうせ期待してないから。」と冷めた顔で言う。
しかし、そう言いながら 目はマジだ。(笑)
他の5人も目を見開いて 息を飲んで封筒を見つめる。
オヒョクが そ~っと中の合格通知を引っ張ると
コ・ヘミの名前が書いてあった。
オヒョクもジンマンも驚いて ヘミの方を見る。
「ヘミ!受かったぞ!!」と叫ぶオヒョクに ヘミは
興奮して「わ~!!」と声をあげて立ち上がって
自分に拍手をして大喜びするのだが、途中でハッと気づいて
すまして椅子に座り直して「・・・だと思ったわ。」と言う。
隣のサムドンは 真っ先に嬉しそうに「良かったな!」と声をかけ
ピルスクも「おめでとう!」と笑って祝福した。
しかし、悔しいジェイソンは何も言わないので
隣にいたピルスクは ジェイソンをつつくと
ジェイソンは作り笑顔で「グッド・ジョッブ!」とヘミに言う。
ジンマンが本当に嬉しそうに喜んでいると
オヒョクが合格通知を眺めて 驚いて声を出した。
「合格者は 他にもいるぞ。」
それには みんなも驚いた。また目が輝く残りの5人。
ジンマンも一緒に覗きこみながら 合格通知を全部引っ張りだすと
そこには 6人全員の名前が記載されているのだった。
”なぁんだ”とオヒョクは 笑いながら
「6人全員合格だ!!」と告げた。
しかし、”そんな馬鹿な!”と 5人は信じない。
「冗談はよしてください。」と言うサムドン達。
しかし、オヒョクが「ほら!」とみんなに合格通知を見せると
本当に6人の名前があるので 全員、飛び上がって喜ぶのだった。
しかし、ベクヒが ふと疑問に思ってつぶやいた。
「ちょっと待って!出せば 全員受かるんじゃないの?」
するとジンマンが 大声でオヒョクに言った。
「ほらみろ!!俺はアメリカで成功するタイプなのに!!
出せば良かった!!」とマジで残念がるジンマンに
オヒョクは 隣で呆れている。しかし、グクは真面目に
「確かに変だ。俺は条件も満たしてないのに・・・。」
と不思議がる。そしてサムドンも みんなに
「2次オーディションなんて いつ受けたっけ?」と聞く。
そういえば、自分たちは 1次のオリジナルビデオしか
応募していないことを思い出し、不思議に思うのだった。
そして 6人全員のEMGの2次オーディション合格を
オヒョクから聞かされて驚いたのは
6人の事務所の マ社長も同じだった。
「それでは 最終選考まで通過すれば
EMGからCDを出せるんですか?」と興奮して
「さぞ儲かるだろうな!」と高笑いするマ社長。
それを見るオヒョクの目が 軽蔑している。(笑)
それに気がついたマ社長は 慌てて
「いえ、彼らの夢が叶って 嬉しいですな。」と言い直す。
社長の秘書役の 元、子分も嬉しそうに
「では、6人は早速 練習してるんですか?」と聞いた。
「ご心配なく。じっとしている連中じゃないですよ!」
と返事をするオヒョクも 嬉しそうだ。
そう。ヘミ達は それぞれ個人練習に励もうと意欲満々!!
レッスン室の前で 誰が先に練習屋を使うか
6人の熾烈な争いが始まっていた・・・
といっても、ジャンケンで使用する順番を決めようとしていた。
ジェイソンとピルスクが 恋人同士なのは分かっているグクは
「お前たち、グルになるなよ!」と 2人に釘を刺す。(笑)
「勝った人が 先に練習室を使う!」サムドンがそう言い
ヘミの掛け声で「ハイ!ジャンケンポン!!」と
一斉に手を出してジャンケンをすると 勝者はジェイソンだった。
「俺が先に使わせてもらうぞ!」と喜んで立ち上がり
隣のピルスクの手を引っ張って「一緒に練習しよう!」と言った。
うん!と頷くピルスクに「待った!!」とサムドンが大声を出し
ジェイソンに「俺と一緒に練習しよう。」と言いだす。
(これがサムドンの面白いところだ。やる気満々のサムドンは
ジェイソンとピルスクの気持ちを全然理解していない。笑)
すると、冷静なグクが立ち上がって
「個人戦だと言っただろう!!」と3人をたしなめた。
「やり直しね!!」と ベクヒも立ち上がって
また、最初からジャンケンが始まった。
(折角 勝ったのに、ジェイソンは馬鹿だな!笑)
その6人の様子を 後方の渡り廊下で 嬉しそうに
オヒョクとギョンジンが 仲良く並んで見ていた。
「羨ましいわ。」とギョンジンが言う。
「何が?」とオヒョクが聞くと「あの子たちよ。
何をしてても輝いてる。挫折をしてる時さえ・・・
それが あの年頃の特権よね。」とギョンジンが答えた。
するとオヒョクは言う。「世の中は公平なものですよね。
それに気づくのは 僕らの年頃になってからだ。」
「そうね。」と素直に 笑って言うギョンジンに
「お食事しました?」と オヒョクが誘う。
「この時間だもの・・・」”当然しました”と答えるのを
ギョンジンはハッ!!と気づいて、「いいえ。まだよ!」
そう慌てて答えた。するとオヒョクは言う。
「一緒に食事をしましょう。ご馳走します!」
「いいですよ。」と平静を装って言うギョンジン。
「後で電話します!何食べよう・・・」
そう言いながら 去ってゆくオヒョク。
残されたギョンジンは まるで少女のように嬉しそうに
「夕食はまだよ!」と言いながら 可愛い花の髪留めをして
鏡を覗きこんで 嬉しくてニッコリ微笑んだ。
(ああ、やっとこの2人にも 春が訪れたようだ!!笑)
ギョンジンから離れて オヒョクは6人の元へ降りて
「もっと早く練習を始めればいいのに!!」
そう大きな声で近づいて 笑いながら
「お前たちを見て あのオーディションの
意図が分かった!!」と言うのだった。
「どんな意図なんですか?」と聞くサムドン。
すると オヒョクは答える。
「条件が厳しくても 応募するかを見たんだ。
お前たちは その審査に合格したんだ。」
そうか!と笑うサムドンの横で グクも納得した顔をする。
オヒョクは「無謀なまでのチャレンジ精神。
1次審査は それを見たんだ。」と言うのだった。
「じゃあ2次審査は?」と 不思議な顔でジェイソンが聞くと
「それは分からないな。いつの間に審査したのかな?」
オヒョクも不思議そうに言った。
2次審査が いったい いつ行われたのか?
その謎が解ける日がやって来た。
最終オーディションの会場で ヘミ達6人が座っていると
壇上のEMGレコードの責任者を見て サムドンが気づく。
「あの時の記者じゃないか?写真を撮ってた。」
そう言われて 良く良く見れば・・・そうなのだ。
ヘミたちが学校で フラッシュモブを計画してした時に
カメラを手に取材していた あの釣り雑誌の記者だったのだ。
「あの人がEMGの人だったのね。」と納得するヘミ。
「着替えただけで 別人だな。」と サムドンが驚いている。
「あれが面接だったのかな?」とベクヒが言う。
「そうみたいだ。面白いな。」とグクが笑った。
記者の時とは見違える その壇上の男は言った。
「EMGレコードの応募条件は 厳しかったでしょう?
あんな条件にもひるまず、挑戦をしたこと自体
皆さんは 最初の関門を通過したのです。
私達が求めるのは そんな情熱の持ち主なのです。」
それを聞いて 感心してベクヒがヘミに言う。
「本当、カン先生の言うとおりだわ。」
「あの先生もバケモノね。」と ヘミが笑った。
EMGの男は続ける。「2次試験は お気づきですね?」
それがいったい何だったのか?映像は途絶えて分からない。
しかし、最終審査オーディションの開会式が済み
いよいよ始まる オーディションを前にして
ピルスクは また緊張してしまう。
「キリン芸高の入試の時より緊張するわ!」
ギターを抱えて 会場の廊下の隅で固まるピルスクだった。
「2人しか採らないとは 狭き門だな。」
隣で、ジェイソンもいつもと違って 神妙な顔でそう言った。
「選ばれたら すぐにアメリカへ行くのか?」グクが言う。
「そうでしょう。アメリカでCDを出すんだから。」とヘミ。
すると ピルスクは「じゃあ、みんなとお別れしないと
いけないの?」と 寂しそうに言うのだった。
「じゃあ断るか?」と聞くグクに ピルスクは口を尖らして
「行くわよ!それが夢だもの。」と言い返した。
「そうよ!世界最高の歌手になれるかもしれないわ。」
ベクヒは やる気満々でそう言う。するとサムドンは
「世界最高って どんな気分かな?」とみんなに聞いた。
「きっと 怖いもの無しでしょうね!」ベクヒが明るく言った。
しかし、サムドンは自分で答える。「俺はそうは思わないな。
最高は とても孤独で、不安だと思う。」
(このサムドンの答えは ヨンジュンの心のような気がした。)
ジェイソンも「確かに!」そう頷いた。するとグクが
「じゃあ なりたくないのか?」と笑って尋ねる。
すると サムドンはキッパリ「いや!それでもなりたいさ。」
そう笑って答えるのだった。 (格好いいぞ!!サムドン!!)
その2人のやりとりを ヘミは横で黙って聞いていた。
”そうよね。寂しくても不安でも 選ばれたなら行くべきよ!”
ヘミは そう自分自身を言い聞かせていたのかもしれない。
本当は ヘミはこの6人のメンバーから離れたくはなかった。
特にサムドンとは離れたくない・・・そう内心思っていたはずだ。
でも、もう片方の心は”夢を叶える”努力はすべき・・・
そうも思うのだった。それは自分たちに課せられたものだと
この時、ドリームハイのメンバー6人は 全員
そう思って 夢に挑戦したのではないだろうか・・・。
そして 最終審査は開始された。
サムドンは 自作の曲をピアノの弾き語りで歌った。
美しい声で、心を込めて サムドンは歌い上げる。
”僕の夢は 本当に素敵な形をしてた。
あまりにも素敵だから 絶対に掴みたくなった。
だから その夢が叶うまでの時間も 幸せだと思う。”
それは 偽のショーケースの舞台を終えて 興奮して
サムドンが オヒョクに感謝して言った言葉だった。
ピルスクは 得意なギターの弾き語りを披露した。
”私、絶対にあきらめないで 頑張りますから!!”
どうぞよろしく!!!”
それは ハミョンたち面接官に 寿司の着ぐるみのピルスクが
キリン芸高のオーディションで合格した時に言った言葉だ。
その言葉通り、ピルスクは自らの努力で
蛹から 美しい蝶に生まれ変わっていた。
そして、ジェイソンは 学校一と称されるダンスで勝負した。
”俺の番か?・・・俺の番かと聞いたぞ。”
英語で キリン芸高の入試でつぶやいた彼の言葉が響く。
常に自信満々のジェイソン。しかしそれは 隠れた努力に
基づく「自信」だった。彼の努力も半端ではなかったのだ。
そして、グクも得意なダイナミックなダンスで挑む。
”自分の夢に気づくと 他人の夢も尊く見えるんだね。
歌手になるんだ。これは 決して当てつけじゃない。”
キリン芸高で勉強したい気持ちを 父に打ち明けた言葉だ。
グクは ハミョンに見出されて、このキリン芸高へき来て
初めて夢を持てたのだ。そして、その夢を
グクは すでに自分の力で勝ち取っていた。
そしてもっと大きな夢に向かって グクは羽ばたこうとしている。
ベクヒも舞台で 迫力あるダンスを踊る。
”母の夢にカブトムシが出てきたんです。
カブトムシは 天然記念物でしょ?良い夢では?
私は不良品じゃないですよね?
私は 実力で選ばれたんですよね??”
これはキリン芸高に合格した際 ハミョンに言った言葉だ。
ベクヒの努力と根性は 並みではなかった。
どんな困難にも立ち向かう勇気と努力は サムドンにも
負けないものを ベクヒは持ち合わせている。
ヘミは得意な歌を封印して、ダンスを踊る。
(歌手のオーディションなんだから 歌えばいいのに!
ヘミは合格したくなかったのか?とも思う私。笑)
声楽家の夢を捨て、歌手になる夢を選んだヘミ。
”この漫画の続きは??私には・・・分かる気がする。”
そうつぶやくヘミは 何を分かっていたのだろう。
もしかしたら
”一番努力をした人間が 一番大きな夢をつかむはず!”
そうヘミは 確信していたのではないだろうか・・・。
ドリームハイ☆第16話No.3
ヘミ達が 芸能界へデビューする日が ついにやって来た!!
テレビ局の楽屋へ 初めて入ったヘミ。
先にグループKとして ベビュー経験をしているベクヒは
楽屋に入って来る先輩たちに 大きな声で
「おはようございます!ドリームハイです!!」と挨拶する。
隣のヘミは 呑気にソファーに座ってコーヒーを飲んでいる。
ベクヒは慌てて「挨拶しなくちゃ!」と ヘミを叱った。
「だって、知らない人よ。」とヘミは言う。
ベクヒは「テレビ局では みんなに挨拶するのよ。
それで名前を覚えてもらわなくちゃ。」と教えた。
ヘミは感心して「さすが、ここでは先輩ね。」と笑った。
「そうよ!半年も先にデビューしたもの。
テレビ局では ユン先輩と呼びなさい!」とベクヒが威張る。
するとヘミは「嫌よ!」と即答し、笑いながら
「ヘミッパ。」とつぶやいた。それを聞いたベクヒは
「ユン先輩と呼びなさいってば!」と シツコク迫る。
しかしヘミは「嫌よ!」と ベクヒをからかっていた。
ヘミは やはりどんな所でも堂々として 自信満々だった。
新人らしくない態度といえば そう見えた。(笑)
一方、ピルスクは 初めてのステージを前に緊張していた。
楽屋で、先輩たちに混ざっても ヘミのように
平気に お茶など飲める心境では とてもなかった。
「緊張する!歌詞を忘れそう・・・」とブツブツ言いながら
楽屋の前の廊下の隅で 壁に頭をぶつけている。
すると ジェイソンがやって来て 肩を叩いた。
「ここまで頑張ってきたんだ。」そう言って
ピルスクの両肩を掴んで向き合って 瞳を覗きこみながら
「力を抜いて。今からは 時間を楽しむんだ。
オーケー?」そう言って オーケーマークを指で作って
ピルスクに 優しく大丈夫かと聞く。
すると ピルスクも緊張が解けて
指でオーケーサインを出して「オーケー!」と微笑んだ。
大好きなジェイソンと 一緒のステージに立てるのだ!!
ピルスクは その幸せな時間を楽しもうと 気持ちを切り替えた。
愛の力は大きい!!(笑)
そして、ヘミ達のTV放映されるステージの会場の入口では
入場する観客1人、1人に頭を下げて 色とりどりの
プラカードを 必死で配るビョンジクの姿があった。
それを手伝っているのは ヘソンで、父の横で
おまけのヤクルトのセットを配っている。
そのおまけを貰った観客は 嬉しそうにカードを受け取った。
ヘミの本当の夢を 父である自分も応援したい・・・
配ったプラカードに込めた ビョンジクの想いは
舞台のヘミに 届くのだろうか??
一刻、一刻と ヘミ達のステージの時間は近づいていた。
しかし、楽屋の廊下の隅の ドリンクの販売機にもたれて
サムドンは暗い顔をして 1人で佇んでいる。
緊張からなのか また、耳鳴りがサムドンを襲っていたのだ。
”大丈夫!!無事にやり遂げて見せる!”
そう必死で 自分に言い聞かせているサムドンだった。
サムドンは ヘミには絶対に心配はかけたくなかった。
そこへサムドンを探しに グクがやって来て
「キューシートを確認したか?MCの後だぞ!」
そう言って 背を向けていたサムドンの背中をポン!と叩く。
叩かれて 初めてグクに気がついたサムドンは うなづいて
「練習してた。」と トンチンカンな返事をした。
グクはその答えで サムドンの耳が聞こえないのを察知して驚く。
そのグクの驚いた顔を見て サムドンは答えに失敗した!と気づく。
「お前・・・耳が聞こえないのか?また耳鳴りか?」心配するグク。
サムドンは仕方なく「今は聞こえないが、心配するな。
音は絶対、外さない!!」そう グクに言いきった。
それでも心配そうなグクに サムドンは言う。
「曲の始めだけ合図してくれ。
他の奴には言うな!必ずやり遂げる!!」
そこへ ヘミがやって来て、サムドンの顔を見つめながら近づいて来る。
サムドンは ヘミに軽く挨拶すると 逃げるように去って行った。
そのサムドンを追いかけようとするヘミの腕を グクは掴んで制した。
グクを振りかえったヘミは「サムドン、耳鳴りがしてるのね?」と聞いた。
それに黙って答えないグクに ヘミは”やっぱり”という顔をして
「みんなには黙ってて。サムドンは必ずやり遂げるわ。」と言った。
ヘミはサムドンを良く理解している。そして、心から信頼していた。
そう言うと グクに背を向けて サムドンの方へ行くヘミに
グクは「ヘミ!」と、声をかけた。
グクは サムドンの方を見ているヘミを
自分に振り向かせたかったのだ。
2人が心を通わせて 誓い合った日を思い出して欲しかった。
「初めてだな。お前と一緒に舞台に立つのは・・・。」
その言葉に やっとヘミは振り向いて、グクを見上げて
「そうね。」と言う。「思ったより 時間がかかったな。」
そうグクは 嬉しそうに言うのだが
ヘミは グクとの約束が 遥か昔の記憶のような気がして
遠い目をして「そうね。」とだけ答えた。
(やはりこの表情で、ヘミの心はもう
グクから離れているのが良く分かる。
その時、それを賢いグクは 感じたのだろうか?)
そして、いよいよヘミ達のステージが始まった。
暗転の舞台に 6人がスタンバイして立っている。
真っ暗な舞台を 徐々に照明が明るく照らし
6人の姿が ステージに浮かび上がる。
前奏が流れる瞬間を グクは逃さずに サムドンに合図を送る。
人差し指でカウントを取って ”今だ!!”と目で合図した。
それを確認して サムドンは踊りだす。ピッタリ合った!!
そして 煌めくステージの上で ピルスクが歌いだす。
I deram high ドリームハイ
私には 夢がある
辛い時には 目を閉じて
夢が叶う瞬間を 思い描き
また 立ち上がるの!
会場の客席からは ビョンジクの作ったプラカードが掲げられた。
そのカードには”ドリームハイ フォーエバー”と書かれていて
一斉に裏返せば ”愛してるぞ!コ・ヘミ”となった。
舞台の上のヘミは それを見て微笑んだ。
父の気持ちが嬉しかった。
”自分の夢を 父は理解してくれたんだ!!”そう思った。
サムドンも 耳鳴りなど吹き飛ばすように
明るくジェイソンと ソロパートを歌い合う。
不安で 今日も 揺らぐ気持ち
落ちるのが怖くて 飛び立てない
鳥のひなのように・・・
自分にできるのか 夢は叶うのか・・・
グクはステージで踊りながら ヘミと一緒の舞台を喜んでいた。
嫌、今までのグループKではない、この6人の仲間との
一緒のステージを 心から楽しむグクだった。
グクは 心の中でつぶやいていた。
”この世には 2種類の幸せがある。
ひとつは 後から振り返った時 気づく幸せ。
もうひとつは その場で 実感できる幸せ。
その場で実感できる幸せは とても貴くて
その思い出だけで 一生 生きていけるほどだ。
今日の僕らは きっと
そんな瞬間に 立ち会っている!!
一生 忘れられないような 輝く瞬間に!!”
そうだ!!
ドリームハイのメンバー6人全員が 幸せに笑いあって
自分たちのデビューステージを 心から楽しんでいた。
その眩しいほどに煌めく6人のステージは 大成功に終わった。
サムドンも 耳の障害を乗り越えて、無事にやり遂げたのだ。
そして、デビューを無事果たした ある休日。
ヘミは自分の部屋から 布団を干そうと持ち出して
布団を抱えながら 階段をゆっくり降りていた。
1階にいて、それに気づいたサムドンが手伝おうと
「持つよ!」と、言って ヘミの布団に触れると
「ううん!1人で持てるわ!!」と断った。
サムドンを拒むヘミ。ヘミを手伝いたいサムドン。
「持ってやるよ!」と言うサムドンを 振り切って
「平気よ!!」と行こうとするヘミを サムドンは追いかて
強引に ヘミから布団を奪って 文句を言うのだった。
「なぜ最近 俺を避けるんだ?」
真実を答えられないヘミは 困ってサムドンに背を向けて
「避けてないわ。」と答えた。すると サムドンは
「俺の目を見て話せ!」とキツク言うのだが
ヘミは 振り返らずに「いいじゃない。」と聞かない。
その様子を 階段の上でグクが眺めていた。
そして「ヘミ。今日、時間あるか?」と声をかけた。
ヘミが「なんで?」と聞くと グクは微笑んで
「今日は お前の誕生日だろ?」と言った。
「そうだっけ?」と すっかり自分の誕生日を忘れていたヘミ。
するとサムドンが「みんなで祝おうぜ!」と言う。
しかしヘミは「結構よ!」とそっけなく断って
「今日は何処へ行く?」グクに向かってそう言った。
寂しい顔をするサムドン。(可哀そう~!!)
サムドンは グクを羨ましそうに見上げた。
ヘミとグクは揃って家を出て グクは家の前に停めてあった
マイバイクにまたがって「久し振りだな。」と言った。
そう。グクがグループKでデビューしてからというもの
2人でバイクに乗って デートなど出来る時間は全くなかった。
しかしこの時、ヘミはグクから気持ちが離れているので
グクと触れ合うことに抵抗があって 直接 彼の腰に手を回せない。
ヘミはグクの首に巻かれたマフラーを握って
バイクの後ろに飛び乗った。首が締めつけられて苦しむグク。
「おい!腰を掴めよ!!」と文句を言った。
「分かったわ。手袋をはめてからね。」と言うヘミ。
そして手袋を探そうと ポケットを探ると驚いた顔をする。
ポケットに入れてあったはずの 財布がなかったからだ。
実はさっき 階段で布団を運び降ろしている時に
サムドンをかわそうとした時に 落としていたのだ。
ヘミにとって、その財布は特別に大事なものだった。
(大金が入っているという訳ではない・・・笑)
ヘミが「財布が・・・置いて来ちゃった!」とグクに言うと
「おごってやるよ!」とグクが言った。しかし、ヘミは
「ダメよ!!取って来る!」と、慌てて家に取りに行く。
グクは不思議に思って ヘミを見つめていた。
お前の誕生日に 財布なんか、要らないのに・・・というように。
そして、家の中では 階段の下に落ちた財布を
サムドンが気がついて 拾っていた。 (いいぞ~!!)
そして 誰の財布か確かめるために サムドンは財布を広げた。
(決して 中身のお金がいくらか知りたかった訳ではありません!笑)
すると、財布の内側に 学校のレッスン室で撮った
ドリームハイのメンバー6人の集合写真が入っていた。
「練習の時に撮った写真だな。」そう笑って言って
サムドンは その写真を良く見る為に 引き出そうとした。
すると その写真の下に もう1枚写真があった!!
ショーケースのパンフレット用に撮影した
キリン芸高の制服を着た 自分の写真だった。
鈍感なサムドンは すぐにはこの意味が分からない。(笑)
”ヘミの財布に なんで俺の写真が??”驚いていると
ヘミがバタバタと玄関に戻って来る。
サムドンは慌てて その写真を仕舞って元に戻す。
そしてヘミを振りかえると ヘミが勢いよく
サムドンの手にあった財布を奪うのだった。
そして 怖い顔をして「中を見てないわよね!」と聞く。
えっ??とサムドンは驚いてから「見てない。」と答えた。
そして ヘミを迎えに玄関にやって来たグクをチラッと見てから
「金も取ってないぞ!」と冗談のように言った。
すると安心したように「そう?」とヘミは言い
玄関を向くと グクが笑顔で待っていた。
しかし、どこか寂しげな表情で・・・。
そしてヘミに「行くぞ。」と言った。
グクはヘミの誕生日に ある決心をしていたのだ。
グクがヘミを誘いたかったのは 2人の過去の時間だった。
グクは 過去に戻って、ヘミの気持ちを取り戻したい・・・
そう願ったのではないだろうか。
そして もしそれがダメなら・・・自分が出来るプレゼントは
ヘミを楽にしてあげることだと 賢明なグクは思ったに違いない。
ドリームハイ☆第16話No.2
最終話 ≪夢の頂き≫
ヘミをアメリカに連れて行きたい父のビョンジクだったが
毎日、歌を練習するグクやサムドンの影響で
ドリームハイの歌が 耳にこびりついていて
「ドリームハイ 夢がある~♫」
と歌いながら 階段を下りて、ダンスまでしそうになって
「つい歌ってしまった!」と 自分を責めて頭を抱えた。(笑)
そこへ オヒョクの姉の魔女、オソンが通りかかり
「よくやるわ!!」と 呑気なビョンジクにイヤミを言った。
しかし ビョンジクは「よくやるのは弟さんのほうだ!!
どうして 家を担保に入れてまで ヘミを引き留めるんです?」
と文句を言うのだった。すると 自分の家を弟のオヒョクが
マ社長に担保として 差し出していることなど
何も知らなかった魔女は「担保ですって?」と 驚いて聞いた。
兄妹の諸事情など 何も知らないビョンジクは
「この家を担保に マ社長から2億借りたんです。」と言ってしまった。
ドスン!!手にした洗濯物を籠ごと落として 魔女は叫ぶ。
「本当??」それには「初耳か?」今度は ビョンジクが驚いた。
「オヒョクったら!!」魔女の怒りは沸騰して
「ミョンオクとかいう女のせいで 人生を棒に振った上に・・・」
と文句を言っていると ビョンジクが怒って
「うちの妻のせいだと??あの男がたぶらかしたんだ。」と怒鳴った。
すると「もう黙ってられないわ!」と 魔女が食ってかかる。
「あなたの妻は 本当に自分勝手よ!!
余命宣告を受けた身で、うちの弟に尻拭いを頼むなんて!!」
それを聞いたビョンジクは「余命宣告?」と驚いて聞き返した。
そして魔女から 自分の妻の嘘のすべてを知らされたのだろう。
その晩、ビョンジクはシクシク泣きながら、
真っ暗な中、オヒョクの家の前に立っている。
魔女の言葉が ビョンジクの心に突き刺さっていた。
「死の直前に オヒョクを訪ねてきて
事業失敗で落ち込むあなたに 迷惑をかけまいと
自分を悪い女にしてくれと頼んだのよ!」
ビョンジクの涙は止まらない。
そんな理由で 妻が自分の元を去ったなんて!!
すべて自分が不甲斐ないせいだったのだ。それなのに・・・
ずっと妻の嘘を信じて、妻とオヒョクを怨んで来た
本当に馬鹿な自分だった。逆に オヒョクは
自分が最も感謝しなければならない 恩人だったのだ。
そう思うと 自分が情けなくて、そして妻が哀れで
体中から湧き出るように ビョンジクの涙は溢れだすのだった。
と、そこへオヒョクが車で帰宅して、ビョンジクに気づいて
「なぜ 外にいるんですか?」と声をかけた。
ビョンジクは オヒョクを家の前で待っていたのだ。
オヒョクに詫びるために・・・。
2人は夜の庭で話をした。「私が浅はかでした。」
ビョンジクがそう言って オヒョクに謝るのだった。
「私のために 妻も病気を隠し、娘も夢をあきらめました。
家長として情けないです。」そう うなだれるビョンジク。
「あなたのことも誤解してました。本当に申し訳ありません。
頑張って、なるべく早くお金を返します。」
ビョンジクはオヒョクにそう言うのだった。
オヒョクは「では ヘミとヘソンは?」と ビョンジクに聞く。
「合わす顔がありません。父親失格です。」
ビョンジクは かなり落ち込んでいる。 (当然ですな!笑)
そんなビョンジクを見て 優しいオヒョクは
ヘミが父のビョンジクのために 夢をあきらめたのではないと
そう彼に教えてやりたかった。 (どこまで良い人なんだ!!笑)
「出かけませんか?」オヒョクは ビョンジクにそう言った。
オヒョクが ビョンジクを連れて行きたかったのは
ヘミたちが今晩、フラッシュモブを決行する駅前広場だった。
まず、コックの格好をしたジンマンが出前の岡持ちを持って
駅前広場に登場する。そして広場の中心で立ち止まり
岡持ちを頭の上に高く掲げた。その岡持ちには
”ドリームハイ”と大きく赤い文字で書かれている。
その文字が周囲に見えるように ゆっくり左右に動かして
”ドリームハイ”という名前を宣伝してから
ジンマンは その岡持ちを地面に降ろす。
するとどこからか”ドリームハイ”の前奏が流れ出す。
そしてその音楽に合わせて ジンマンはダンスを踊りだすのだ。
道行く人々は なんだろう?と 始めは横目で見ながら通り過ぎる。
しかしその洗練された身のこなしは 通行人の足を次々に止めた。
すると、駅のベンチで新聞を広げていた
眼鏡をかけたグクとサムドンが”始まったな!”と目を合わせて
新聞を捨てて ジンマンの元へ行き、後方で左右に別れて
一緒に踊りだす。それは素敵な ダンスパフォーマンスだった。
この時点で 50人ほどの通行人が立ち止まって見とれている。
と、そこへ通りかかったフリをした 同じく眼鏡をかけたヘミと
ベクヒ (ベクヒは眼鏡をかけていない)が合流して
3人の両脇に別れて またまた美しい形態で踊りだす。
見物客は益々増え続け、ピ~!と笛を鳴らして警官が駆け付ける。
しかし、傍まで来ると警棒を放りあげて 一緒にダンスを始める。
それはジェイソンだったのだ。すると仕込んであったキリン芸高の
学生達が 色んな制服や私服で そのダンスに次から次へと参加し
駅前広場は 大きな集団のシンクロ・ダンスで賑わった。
これがジンマンの言うフラッシュモブだったのだ。それにしても
駅前広場周辺で それを見学する人々の数は凄かった!!
観客は大興奮して 彼らのダンスに見とれた。
そして、その中にはビョンジクもいた。
歩道橋の上から ビョンジクは彼らのダンスを眺めている。
そして その大興奮の現場で 笑顔満面で取材しているのは
先日、学校で校長に無視された 釣り雑誌の記者だった。
”ドリームハイ”のダンスを 学生は楽しそうに伸び伸びと
笑顔で踊っていた。そのダンスには”希望”の光が満ちている。
見ているみんなが幸せになる そんな明るいダンスだった。
観客の声もどんどん大きくなって 唸るような歓声となった。
見とれるビョンジクの横に オヒョクはやって来た。
「ヘミを見つけましたか?」と声をかけると ビョンジクは
「はい。眼鏡をかけてる。」と笑って言った。
「輝いてるでしょ。」とオヒョク。「そうだね。」とビョンジク。
そしてオヒョクは ビョンジクに言った。
「ヘミが夢をあきらめたとおっしゃいますが、
あれが夢をあきらめた顔ですか?
一緒に踊っているのは ヘミの友達です。
彼らに囲まれて 楽しい1年だったはずです。
だから 娘を守れなかったと、自分を責めないでください。
それでも 悪いと思うのなら、今から守ってあげてください。
ヘミの本当の夢を・・・。」
ビョンジクは オヒョクの言葉を聞きながら
愛しい娘の表情を見つめた。ヘミは本当に幸せそうに輝いてる。
ヘミの夢は 友達と一緒に 歌手デビューすることなんだな。
ビョンジクは初めて 娘の気持ちを理解できたのだった。
(ここで、ヘミ・グク・サムドンの3人がなぜ眼鏡をかけていたのか?
私の解釈では それはハミョンを意識したからだと思う。
ハミョンが特待生として選んだこの3人は フラッシュモブを
中国にいるハミョンも見せたかったのではないだろか?
ハミョンが自分たちに 気づいて欲しいと期待したのだ。
自分たちの成長した姿を ハミョンに見せたかったし
キリン芸高へ 特待生として入学させてくれた
そのお礼も 眼鏡に託して 踊っていたのだと思う。
ヨンジュンの体調が悪くなければ、このフラッシュモブを
PC画面で見て微笑む 眼鏡のハミョンが、登場したはずだ。)
ヘミたちのフラッシュモブは 観客たちの携帯に取られ
彼らはその画像を どんどんネットのサイトへ流すのだった。
そしてそのダンスは あっという間に世間に評判になり
みんながその”ドリームハイ”を真似して踊った。
銀行員やコックや看護師や様々な制服を着た集団が
真似して踊り、それがまたネットで配信されて
”ドリームハイ”のダンスは話題になった。
それはテレビ局でも話題となり。「いい曲だわ!」と気に入られ、
「出演させる?」「面白いかな?」という会話が飛び交った。
オヒョクも負けずに、キリン芸高のPCで、あちこちのサイトに
ヘミ達のフラッシュモブを載せる作業をしていた。
ギョンジンに何してるのと聞かれ
「宣伝になればと思って。」と作業を続けていると
横に座って、オヒョクのPCを覗いたギョンジンが驚いた。
「クリック数が伸びてるわ!!」と喜ぶギョンジンに
「でしょ!!」とオヒョクも嬉しくて 素早く振り向くと
偶然、2人の唇が触れ合って 一瞬時間が止まった。
そう、2人は偶然にキスをした!!!(良かったね!ギョンジン!!)
ハッと我に返って 離れる2人だが、ギョンジンは立ち上がって
「カン先生。夕食食べましたか?まだならご一緒に!」と
可愛いヘアピンをつけて (いつ付けたんだ??凄い早業!!爆)
にっこり笑顔で、オヒョクを誘うのだった。
しかし、馬鹿なオヒョクは「今日は 先約があって・・・」
そう言って断ってしまうのだった。
すると、「そう?」とギョンジンは顔で笑いながら
心は泣きながら ヘアピンを外して去ってゆくのだった。
残されたオヒョクは ギョンジンとキスをした余韻を
1人で楽しんでいる。 (まったく!!女心が分からない男だな!!)
そのギョンジンの後ろ姿を見つめて 拳を堅く握りしめるのは
彼女の父である校長だった。
「あのタヌキめ!!キスまでして 食事の誘いを断ったな!」
哀れな娘を嘆く校長は「カン・オヒョク!!」とつぶやいて
半分泣きながら 悔しさを噛みしめている。
そして”ドリームハイ”の宣伝活動を頑張るマ社長は
テレビ局に片隅で 待ち合わせしたヤンPDを待っていた。
ヤンPDは待ち合わせ時間を1時間もオーバーしても来なかった。
その間、トイレにも行けずに待ってたマ社長は
便意が限界になって、冷や汗をかいている。
マ社長はそれでも 目の前を通る業界人に
「”ドリームハイ”です!!よろしくお願いします!」
そう言って アルバムを配って頭を下げていた。 (エライ!!)
と、そこへオヒョクの姉の魔女が通りかかる。
「取材ですか?カン記者。」とマ社長。
魔女は怒った顔で「担保のこと、なぜ黙ってたの?」と責めた。
「聞きましたか。」とマ社長。魔女は言う。「何度も言いましたよね。
名義は弟になってるけど あれは私の家よ!!
10年間、身を粉々にして・・・!!!」と大声で叫びそうになり
周囲を気にして グッと堪えて「貯めたお金で買ったんです!!」
と凄い形相で マ社長に迫った。
「知っています。」と言うマ社長に 魔女は「知ってるなら!!」
と、また大声でわめくのだが、今にも便が出そうなマ社長は
魔女の話を聞く余裕がなくて 「少々失礼を!」と言って
CDを魔女に渡して 「ヤンPDが来たら渡してください。
私も名刺代わりに 何枚か・・・」と、CDを数枚取って去ろうとする。
驚く魔女だが「担保のことは ご心配なく。私がきちんと・・・
きちんと解決しますので。」と言って 便意に震えながら
マ社長は 魔女の前からヨロヨロといなくなった。
その姿を見た魔女は マ社長が体調が悪い中、
子ども達の宣伝を頑張っているのだと勘違いし
「社長自ら営業して 回ってるのね。」と マ社長を健気に思い
「気をつけてね!」と大声で叫ぶのだった。
(この時、担保を解決してくれると言ってくれたマ社長と
健気な彼の姿を見て 魔女は好感をかなり持った違いない。笑)
そして、マ社長が向かったトイレからは、
マ社長が待ち続けていた、ヤンPDが用を足して出てくる。
彼は携帯で「1組ダメになった?なんで今更言うんだ!!
代打だと?収録は明日だぞ!!」と怒鳴っている。
と、そこへ”ドリームハイ”のCDを差し出したのは
勿論、マ社長だった。「ドリームハイを代打にしては?」
そう便意を堪えて 必死に迫った。
そのCDを受け取って「明日、間に会いますか?」と
ヤンPDは言う。「もちろんです!!」と即答するマ社長。
そしてやりますの意味の「ファイト!!」とポーズを取るのだが
それは まるで自分の肛門に言っているようだった。 (爆)
そして、マ社長がトイレを我慢して交渉した甲斐があり (良かった!)
”ドリームハイ”は 翌日のテレビ放送に出演できることとなる。
その晩、知らせを聞いたオヒョクは 急いでヘミ達に報告しようと
階段を慌てて駆け上って、2階の部屋に向かって叫んだ。
「みんな聞け!!出演依頼が来たぞ!!」
「本当?」「マジで??」ヘミ達は 驚いて部屋から出て来た。
「マ社長から連絡があった!!
スーパーコンサート 明日、生放送だ!!」携帯を手に
オヒョクが 嬉しそうにそう言った。3人は大喜びで飛び上がった。
そして 嬉しさのあまりグク、サムドン、ヘミは肩を抱き合って
ひとつに固まって ピョンピョンとび跳ねた。
3人のスクラムは堅く、お互いをしっかり抱きしめている。
と、ふとヘミが くっついてるサムドンに気がついて、離れた。
サムドンと触れ合うと、苦しくなるヘミ。相当 恋は進んでいる。
ヘミから拒絶されたような形で 少し傷ついた顔のサムドン。
そこへ ヘミの父のビョンジクが階段を上がって来た。
ヘミは父の顔を見ると 微笑んで言った。
「1カ月以内に デニューできたわよ!
パパ!私は韓国に残るわ。」
それを聞いて オヒョクは満足そうに微笑む。
そして ビョンジクを見れば ビョンジクは何も言わずに
すごすごと1階へ降りて行くのだった。
そしてその晩、サムドンの凄まじく大きないびきの中 (笑)
ベッドの中で ビョンジクは何か作業をしている。
手にはマジックを持って コソコソ何かを書いていた。
さて、ビョンジクは何をこっそり書いているのか?
それは父として 娘の夢を応援するためのものだった。
(やっと父親らしい仕事をするビョンジク。
その内容はNo.3で明らかになる!笑)
ドリームハイ☆第16話No.1
この物語の鍵となる Kのペンダント・・・
持っている人間に”幸運”を招くという
そのペンダントは まず理事長のハミョンの手から
キリン芸高のオーディションで ベクヒに渡された。
それを手にした 今までヘミの影だったベクヒは
生まれ変わったように キリン芸高で輝きだす。
そしてベクヒは 入試クラスに落とされたヘミに
「もうあなたを ライバルだと思わない。」
だから頑張れと ペンダントを渡す。
それから奮起して 入試クラスから脱出したヘミは
不意に襲われた重い耳の障害と 失恋とで
激しく傷ついて 暗く落ち込むサムドンに
その理由が自分にもあるとは 気づかずに
「これがあると 勇気が湧いて
物事がうまく進むなんて 私は信じないけど
今は あなたに持っていてほしい。」
そう言って ペンダントを渡した。
そして、立ち直ったサムドンは 事件で落ち込むグクに
元気を出させようと そのKのペンダントを
「俺には もう必要ない!」と言って渡す。
すると運が向いて 事件で失った信用が回復し、
溝が出来ていた父とも 和解できたグクは
声楽家とポップス歌手との選択で悩むヘミに
後悔しない未来を しっかり選択するようにと
心を込めて Kのペンダントを贈るのだった。
そう。ハミョンのもたらしたKのペンダントは
今、ヘミの手の中にあった・・・。
最終話 ≪夢の頂き≫
ドリームハイの宣伝活動で、テレビ局を回ってみて
スキャンダル事件を起こした ベクヒとグクが
メンバーにいることで まったく仕事をもらえないマ社長は
メンバー全員を隠れ家に集めて 相談することにした。
グクとベクヒがいると 当分、テレビの出演は難しいと告げ
2人を外せば 出演させてもいいと ディレクターに言われたと
マ社長は6人の前で 正直に話すのだった。
「じゃあ外してください。言ったでしょ。
問題になった時は 私を外せと。」と ベクヒが言う。
「そうだ。4人で先にデビューしろ!
俺たちは 後から合流すればいい。」と グクも言った。
しかし、サムドンは「それじゃ意味がない!
みんなで決めたことだろ?」と きっぱり否定した。
ヘミも「そうよ!一緒じゃなければ 私もやらない!」と言う。
グクは 心配そうに「お前、お父さんと約束した期限も
迫ってるだろ?感情的になるな。」と言うのだった。
(グクは本当に冷静な男だ!!笑)
しかし サムドンはグクに言う。
「感情的?感情的に考えれば お前たちを外すさ。
グクはパンツ1枚に目くじらを立てるし
ベクヒは ヘミを虐めてただろ?
でも 立場を変えて考えた。俺が同じ立場に立たされたら
一緒に行こうと 言ってほしいはずだ。
俺はこのグループから 絶対に離れたくないからな。」
最後は ヘミの顔を見て、サムドンはそう言った。
その言葉を聞いて 心が動いたジェイソン。
「よし!この6人で行くぞ!!」と明るく声を張り上げた。
「おお!!よろしく頼むぞ!!」とサムドンが返す。
そんな ドリームハイのメンバーのやりとりを見て
マ社長と子分の2人は 嬉しそうに目を細めた。
「この先も 苦労しそうだな。お先真っ暗だ!」
そう笑って、マ社長が子分に言った。
(マ社長は この6人が可愛くて仕方ないようだ。)
相談が終わって、隠れ家からヘミが出ようとするが
地上に向かう階段の途中で 溜息をついて足が止まる。
ヘミはサムドンに対する自分の気持ちに まだ戸惑ってしたし
父との約束した1カ月が もうすぐ迫って来ていることにも
焦りを感じていて・・・どうしよう・・・という想いが
2つ重なってしまい 深いため息に繋がっていた。
そこへサムドンが階段を上って「どうした?」と声をかけた。
「心配なのか?約束の期限が。」と言うサムドンに
「ううん。そうじゃない。」と ぶっきらぼうに言うヘミ。
サムドンは同じ階段まで登って、ヘミの顔を見つめて言った。
「心配するな。俺が全力で お前を守るから!
だから笑え。分かったな?」
ヘミは嬉しいくせに 恥ずかしくて
サムドンの顔が まともに見れずに「うん。」とだけ答えた。
そしてヘミの心臓は ドキドキと激しく高鳴るのだった。
キリン学校の昼休み。
ヘミは学食のテーブルに 顔を横にして突っ伏した。
悩み事がある時に ヘミがいつもするポーズだった。
その横にピルスクが来て、ヘミと顔を見合わせて突っ伏した。
「何か悩んでるの?」とピルスク。「悩み?」とヘミ。
そして起きあがって 溜息をつきながら
「たくさんある。」と言うのだった。
「話してごらん!」と ピルスクも起きあがって言う。
ヘミは虚ろな目をして ピルスクに話し出した。
「デビューも先行き怪しいし・・・それに・・・」
言葉に詰まるヘミに「それに?」と突っ込むピルスク。
するとヘミは ピルスクに詰め寄って「教えて!」と迫った。
「自分の心に誰がいるか、どうしたら分かる?」
そう言うヘミに ピルスクは言う。
「この前 言ったでしょ?嬉しい時に 最初に浮かぶ人よ!」
するとヘミは 即座に聞き返した。
「それが好きな人とは 違うことはない?」
(あくまでも サムドンを好きだと認めたくないのか?笑)
するとピルスクは えっ?と困ってしまい
「そんなこと あるのかな・・・」とつぶやく。
すると ジェイソンが勢い良く飛びこんで来て
「それは 男たらしだな!!」と ヘミを睨んで言う。
驚くヘミに ジェイソンは言うのだ。
「お前、まさか2人の男を天秤にかけてるのか?」
そう言われたヘミは 慌てて「違う!!」と言うのだが
「よく俺に 女たらしと言えたな!自分はどうなんだ!!」
とジェイソンが ヘミを睨みながら怒鳴る。
(ヘミとジェイソンは天敵のように 仲が悪い!笑)
「きちんと線引きしろ!」と ジェイソンに言われて
ヘミは思わず立ち上がって「あんたと一緒にしないで!」
そう言って 慌てて席を立って出て行く。
ヘミをギャフン!と言わせたことが嬉しいジェイソンは
「イエ~イ!!」とガッツポーズをするのだが
ヘミを親友だと思うピルスクは ジェイソンを睨み返す。
ピルスクの怒った顔を見て ジェイソンは優しく
「お昼は食べたのか?」と 機嫌を取って誤魔化した。
ヘミはジェイソンから逃げ出した後 学食の隅で頭を抱えていた。
ジェイソンの「線引きしろ!」という言葉に胸を突かれたヘミは
「そうよ。しっかりして!!サムドンは友達よ!!友達!!」
そう言いながら 自分の頬を叩き、そして頭を抱えて
「ワァ~~!!」と 大声で悲鳴をあげてしまう。
サムドンを好きになっては グクに申し訳ない・・・
そんな気持ちが ヘミを苦しくさせていたのだろう。
「こんがらがっちゃダメ!!」と自分に言い聞かせ
そして 自分で打った頬を「痛い。」と言ってさすった。
しかし、そんなヘミの様子を 離れて見つめるグクがいたのだ。
ヘミの独り言が グクまで届いたのか、それは定かではないが
グクは ヘミの心の動揺を 直感したような顔だった。
ヘミを見るグクの瞳が 悲しみでうっすら濡れて光っている。
場所は変わって、校長室。
大勢の雑誌記者が 校長室に集まっていた。
校長は愛想よく 大手の芸能雑誌の記者と挨拶を交わしている。
「みなさん、いい記事をお願いしますよ!!」
校長がヘラヘラ笑って 記者たちに頭を下げていると
1人の記者が「こんにちは!」と 前に出て挨拶した。
「私も記者でして。」という 初めて見るその男に
「どこの会社ですか?」と 怪訝な顔で校長は聞いた。
すると男は 慌てて名刺を探して出し 校長に手渡した。
「月刊釣りジャーナル?」と 名刺を読みあげる校長。
釣りの雑誌記者が キリン芸高に何の用だ?と思う校長に
「釣りが趣味の男性ファンに 釣りをしながら
聞きたい音楽という企画をしてまして・・・」
と笑いながら男は言って 握手を校長に求めたのだが
校長は その手を振り払って 顔馴染みな
大手の音楽雑誌の記者に 笑顔で挨拶しに行ってしまう。
校長に無視されたその男は もじゃもじゃ頭に眼鏡をかけた
見るからに ダサイ風貌の男だった。
校内では 元グループKにいた先輩達がレッスン室で踊っていた。
その様子を伺いながら ヘミとベクヒ、サムドンが
廊下のベンチに腰掛けて ジンマンを囲んで話している。
「あのグループ 今週デビューだって。」とベクヒ。
「テレビ局から 引く手あまたらしいぞ。」
サムドンが羨ましそうに言った。
ジンマンは PCの画面を睨みながら それを聞いている。
そして3人に「集まれ!」と言って PCを見せた。
その画面には 踊っている若いジンマンが写っていた。
「昔、ダンスを思いついて映像を撮ったんだ。
友達がネットに上げたら 凄い反響で みんなが真似したんだ。
お前たちも マ社長に頼らず、自分たちで宣伝しろよ!
フラッシュモブとか やってみないか??」
(フラッシュモブとは、インターネットを介して
不特定多数の人間が 公共の場に突如集合し、
目的を達成すると 即座に解散する行為。)
ジンマンがそう言うと フラッシュモブの
意味が分からないサムドンは 「モム?」と戸惑った。
ベクヒは「それって相当な人数が必要では?」と質問した。
「必要なら集めよう!!フラッシュモムって何??」(笑)
勢いだけのサムドンに ジンマンは
「モムじゃなくて、モブだって!!」と教えて
「人を集めても 踊れないとな。」と困った顔で言った。
するとヘミが「それなら いい考えがあるわ。任せて!」と
微笑んで言うのだった。
ヘミはフラッシュモブの協力者を キリン芸高の生徒を
ターゲットにしようと、賢く閃いたのだ。
そして 自分たちに借りがある生徒を 半分脅して協力させた。
ヘミは 入学当初、トイレで自分に水をかぶせた
先輩のソリョンに声をかけた。「先輩が水をかけたのね。」
ヘミを当初、影で虐めていたソリョンは驚いた。
ベクヒは 自分の変な噂を わざと大声で更衣室で話す
アジョンを見つけて 睨みながら声をかける。
あなたが よからぬ噂をいつも立てていることは お見通しよ!
そんな風に アジョンに迫るベクヒ。
これでは ソリョンもアジョンも 渋々、協力せざる負えない。
サムドンといえば こっそりクラブでバイトをしていた
自分が世話になったはずの(笑)インソンに声をかけた。
校則違反をバラされたくないインソンは
勿論、サムドン達に 協力するに決まっている。
ピルスクはリアに声をかける。ピルスクの歌を自分が歌ったように
平気な顔をしてCMで使ったリアは ピルスクの頼みは断れない。
当然、フラッシュモブに協力することになる。
こうして、ヘミのアイディアで集められたキリン芸高の生徒たち。
入学当初、ヘミを虐めていた学生が かなり多かっただけに
ヘミが脅して集めた学生は とても大人数だった。(爆)
ヘミは拡声器を手にして 集まった学生に訴える。
「愉快な風を全国に吹かせるプロジェクトです!!
受験勉強に追われる友達のために!!」
口から出まかせの 趣旨を言うヘミだった。(笑)
ベクヒは 「男女別々になって!!」と怒鳴って
それぞれの学生に 衣装を分け与えている。
その様子を 先ほど校長に無視された記者が
こっそり隠れて カメラを手に取材していた。
それに気づいたサムドンは
「あの人 何を撮ってるんだ?」とベクヒに聞いた。
「知らない人だわ。」とベクヒ。しかし サムドンは
ベクヒとヘミを 自分の両脇に手繰り寄せて
「ひとまずポーズをとろう!」と言って その記者に向かって
笑顔でポーズを取るのだった。 (この時のサムドンは笑える)
オヒョクの家では グク達の部屋で
嬉しそうに カレンダーの日付を×で消しながら
電話で話す ヘミの父、ビョンジクがいた。
「ええ。叔母さん。半月ほどで戻れると思います。」
サムドンのベッドに腰掛けて アメリカの叔母へ
ビョンジクは笑って、嬉しそうに話している。
そこへグクが部屋に戻って来る。
サムドンは 元々部屋の隅にいて ギターを手にして
不満そうな顔で ビョンジクの電話を聞いていたが
突然、大声で「ドリームハイ 夢がある~♫」と歌いだす。
「おい!!うるさいぞ!!」と 怒鳴るビョンジク。
仕方なく、黙るサムドンと暗い顔のグクの前で
ビョンジクは叔母さんに すぐにアメリカへ行けない理由を
「ヘミが友達と別れるのが 名残惜しいそうで・・・」
と言って説明し「すぐに行きますから!!」と話を続けるが
サムドンとグクの視線を感じて 受話器を離して
「なぜ そんな目で見るんだ?」と2人に文句を言う。
「いいえ。」「別に。」と言うグクとサムドン。
ビョンジクは 電話を切ってから サムドンに
「さっきの英語の発音は なってないぞ!」と怒るのだった。
「正しくはドゥリームハイだ!言ってみろ!」とビョンジク。
サムドンは「ドリームハイ。」と言うが、発音が訛っている。
ビョンジクは笑いながら「ジュリアードは?」と言い
サムドンがまた 訛って答えるのだが
ビョンジクは呆れて「もういい。」と突き放すのだった。
絶対にヘミのアメリカ行きを譲らない 頑固な父親。
なかなかデビューの舞台に立つことが出来ないことで
焦る気持ちのサムドンとグクだったろう。(可哀そうに!)
晩のキリン芸高のレッスン室。
鏡に向かって ドリームハイのデビュー曲のダンスを
暗がりで 懸命に練習するグクの姿があった。
すると突然、電気がついて サムドンが現れた。
「個人練習なら 家でやればいいのに。」と笑って言う。
するとグクも笑いながら
「ヘミのお父さんに遠慮してさ。」と言うのだった。
「俺もそうだ。」とサムドンが苦笑いして言った。
そして、グクがふと思い出して
サムドンに どうしても聞きたかった質問をする。
(ヘミの態度が気になって グクはずっと
不安に思っていたことをサムドンにぶつけてみたのだ。)
「お前、ヘミに告白したのか?
俺と男同士の勝負はどうなった?」
すると 少し考えて サムドンは言った。
「告白はしない。」その答えに グクは驚いた。
「何?」と サムドンを厳しい目で見た。
サムドンは言う。
「ヘミの心の中に 誰がいてもいい・・・
離れたくないだけだ。
ヘミがお前を選んでも構わない。
ただ・・・傍にいたいんだ。」
グクは それを聞いて呆れた。
サムドンが ヘミの気持ちに気づいていないからだ。
そして サムドンのヘミに対する気持ちが
あまりにも健気で、純粋だから・・・グクは胸が熱くなる。
グクの自分を見つめる眼差しに サムドンは
「どうした?」と尋ねた。するとグクは 我に返って
「相変わらず 臭いセリフだな。」と
鳥肌が立った振りをして 誤魔化すのだった。
(この時のグクの気持ちは 複雑だったと思う。
グクはサムドンを本当に健気ないい奴だと思って
男としても認めている。そんなサムドンに
ヘミが惹かれているのも 分かる気がしてる。
でも、幼い頃から忘れられなかったヘミを
グクはやはり渡したくはない。ヘミのことが好きなのだ。
2人で一緒に同じ舞台に立つ!!という夢を
ヘミが韓国に残ったことで 達成できることが嬉しいし
ヘミには自分の方を向いていて欲しいと願うグクだったと思う。)
******************************
最終話は めちゃくちゃ細かく書いてます!!(爆)
なので・・・No.5まで続きます。
ついて来れるかな??頑張ってついて来てね~♫
ドリームハイ☆第15話No.3
ヘミ達が サウナからオヒョクの家に戻った ある晩。
ヘミが2階の自分の部屋から出て 下に降りようとすると
父親が電話している声が聞こえて 立ち止まった。
「叔母さん。語学学校の件を頼みます。・・・とはいえ
カン・オヒョクは憎いですよ!ヘミの夢まで奪おうとする。
絶対にダメです!10年越しの夢を守ってやらなくちゃ!!
ヘミの声楽を再開させます!」 父がアメリカにいる叔母さんと
会話している内容を聞き ヘミはたまらなくなるのだった。
父の気持ちも理解できるが、オヒョクを責めることには抵抗があった。
ヘミは オヒョクの口からどうしても真実が聞きたかった。
母とオヒョクとの関係を 実は父の方が誤解しているのだと
今ではオヒョクを敬愛しているヘミは 直感したからだ。
翌日、休み時間に 学校の廊下をギョンジンが1人で歩いていると
オヒョクに「事実を話して。」と詰め寄るヘミを目撃する。
「何のことだ?」と驚くオヒョクに ヘミは
「ママのことです。」と言い、ヘミはまっすぐな瞳で
「先生。明日、私はアメリカに出発するんです。
最初は先生が大嫌いだった。だけど・・・
今の私があるのは 先生のおかげです。
誤解したままでは 嫌なんです。」そうオヒョクに言った。
「話すことはない。不倫は事実だから。」と言うオヒョクだが
「嘘だわ!もしかして・・・私のママが悪かったの?」
ヘミはそう言った。するとオヒョクは「それは違う!」と否定した。
そして一呼吸置いてから ヘミに真実を話す覚悟をした。
ギョンジンは内容が気になって ドキドキしながら
廊下に立ち止まり、聞き耳を立てている。オヒョクの声がした。
「お前の母さんは 生涯 1人を愛し抜いたんだ。
浅はかな男たちが近づいても、目もくれず 愛する人と結婚した。
10年後 浅はかな男の1人が、お母さんと再会した。病院でな。」
そう聞いてヘミは「病院で?」と聞き返した。
オヒョクは ヘミの気持ちを落ち着かせるように
椅子に腰を降ろして ゆっくり話を続ける。
「お母さんは・・・自分に残された時間よりも・・・
愛する人にかける負担を考えて心配した。
そして、手術が失敗した後 その男に頼んだ。
自分を 悪い妻にしてくれと・・・。
夫が、私を忘れて生きていけるようにとな。」
「ママ・・・。」ヘミの涙は止まらない。
「浅はかな男は それを聞き入れたんだ。
お前のお父さんが 事実を知れば 苦しむだろう。
愛する人を守れなかったと・・・一生後悔する。」
泣きながらヘミも椅子に座って そしてオヒョクに言った。
「その浅はかな男が 先生ね。」
オヒョクは ただ黙ってうなづいた。
「どうして そんなことまでしたの?」とヘミが聞く。
「俺にも分からない。だが、あの時は 他に道はなかったんだ。
俺は 彼女を好きだったからな。あくまで片想いだったがな。」
廊下で聞いていたギョンジンは あまりにも感動的な話に
涙があふれ出し、手で口を押さえて嗚咽を我慢した。
オヒョクはヘミに言う。「だから 俺は不倫でいいんだ。」
すると泣きながらヘミは オヒョクの手にそっと触れるのだった。
”ありがとう!”そういう気持ちを精一杯こめて・・・。
ヘミが理解してくれたことが嬉しいオヒョクは
そのヘミの手を 逆に自分の両手で 優しく包み返すのだった。
オヒョクにしたら ヘミは愛しかった人の娘だ。
生徒の誰よりも 可愛く思っていたに違いなかった。
ヘミも ようやくオヒョクと母の真実が分かって
心が晴れて オヒョクのことが大好きだと確信するのだ。
そして・・・真実を知って、益々オヒョクを好きになった
人間がもう1人。ギョンジンだ。彼女は廊下で泣いていた。
そして以前、オヒョクが「シ先生に興味を抱いたことはありません。
私には 意中の人がいますから。」そう言ったことを思い出した。
「その恋を引きずっていたのね。」ハンカチで涙をぬぐいながら
ギョンジンはつぶやいて また涙があふれてくるのだった。
そこへ校長の父親が 慌ててギョンジンの元へやって来て
「ギョンジン!噂を聞いたか?カン・オヒョクは昔
人妻を口説いて、不倫したそうだ。」と言うのだが
「知ってるわ。」と言うギョンジン。「そうか。」と言う父に
「それで、惚れ直しちゃった。」と言うギョンジンに
父は驚いて「それはダメだ!」と焦りまくる。
しかし、心配する父に 背を向けて去ってしまうギョンジンだった。
(これで更に ギョンジンの心は オヒョクを想う気持ちが
強くなって、校長である父にも もう止められない!!笑)
ヘミが明日 アメリカへ旅立ってしまうというその晩。
どうしても ヘミをアメリカに行かせたくないサムドンは
グクと一緒の部屋で 自分のベッドに腰掛けて
ヘミからもらった ハートのストラップを愛しそうに触りながら
ヘミのアメリカ行きを留まらせる方法を 思案していた。
そしてやっと重い口を開いて サムドンはグクに言う。
「グク。俺には無理だが お前にならできる。」
サムドンは 男のプライドを捨てて グクに頼んだ。
「ヘミを引き止めろ!」
それを聞いたグクは 怪訝な顔をした。サムドンは言う。
「俺はヘミに 無視されていい。
ヘミの中にいるのが俺じゃなくて お前でもいい。
お前が止められるなら 止めてくれ!」
サムドンは泣きたい気持ちで それを口にしたのだった。
本当は ヘミを自分のものにしたかったのだが
それをあきらめて、グクがヘミを捕まえてくれればいいと
そうサムドンは 結論を出したのだ。
自分はヘミの傍にいて ヘミを見つめていられればそれでいい。
ヘミがグクを好きなのなら もうそれで構わないのだと。
だからグクに ヘミを離さずにいろ!!と頼んだのだ。
しかし、将来のあるヘミのことを 心から想う大人のグクは
「止めるべきじゃ・・・ないと思う。」そう言うのだった。
(グクは 幼い頃から両親から愛されずに 孤独で育ったから
自分の気持ちを押し殺して、我慢するという性分が
身についているのだと思う。
本当は 自分もヘミに遠くへは行って欲しくはないが
グクは ヘミがキリン芸高に入学した当初、
本当はジュリアードへ行きたかったことを
誰より知っていたから 今回のアメリカ行きが
ヘミの夢のためになる・・・そう思えばこそ
グクは 離れがたい気持ちを抑えて、グッと我慢できたのだ。
しかし、サムドンは違う。優しい母親に愛情をたっぷり注がれて
大きくなったサムドンは やはりどこか甘えん坊で、
自分の気持ちを素直に表現できる 純粋な青年だった。)
そして当の本人のヘミも アメリカ行きを深く悩んでいた。
ヘミは ENGオーディションに応募するために作った
自分の可能性をPRしたビデオを 部屋のマイPCで観てみる。
PC画面の中で 自分が笑顔で語っていた。
「コ・ヘミです。1年前まで 声楽を勉強していました。
スミ・ジョーさんと 共演したこともあります。
歌手の道へ進路を変更したのは 正直に言うと
純粋にお金のためでした。歌謡曲は音楽とは呼べない
ゴミだと 私は思っていたんです。
でも この1年で学びました。
歌謡曲で 誰かを応援したり、誰かを幸せにしたり
誰かを慰めたり出来ることを 私は知りました。
振り返ると こう思います。
歌謡曲を馬鹿にしていた私は
偏見まみれの三流だったと・・・。
この1年で 何とか三流を抜け出しました!
近い将来 私は一流になれると思っています。
以上 コ・ヘミの可能性を紹介しました。
ありがとうございました!!」PCのヘミがお辞儀をした。
ヘミは 机の引き出しにしまってあった
グクから渡された Kのペンダントを出した。
そして グクが言った言葉が 蘇る。
「選んだ後は その50を100にするんだ。
正しい道だったことを 頑張って証明しないと!」
グクは サムドンから譲られたペンダントを
今度はヘミの幸せを願って 彼女に渡していたのだ。
(実は韓国版では グクはアメリカで行ってから誕生日が来る
ヘミのために、子どもの頃 自分が祝ってもらった教会に
ヘミを呼んで 彼女の誕生日を 前倒しでお祝いしてあげていた。
その時に Kのペンダントをヘミに渡していたのだが
日本版では カットされている。)
アメリカへ発つ前日の晩 ヘミはKのペンダントを見つめて
そして やっと決心がついた顔をした。
そして翌日の朝。
ヘミはヘソンと父と一緒に バス停の前に立っていた。
オヒョクとグクの2人も 見送りに来ていた。
ヘソンは 大好きなグクに しっかり手を握ってもらっていた。
ヘミは少し離れて じっと前を見て考えごとをしている。
「もう会えないの?」ヘソンがグクに甘えて尋ねた。
立っていたグクが ヘソンの目線に合わせてしゃがんで
ヘソンを見つめて優しく言った。「会えるさ。
電話で声を聞けるし 会いにだって行けるよ。」
すると 泣きそうな顔で ヘソンがグクにしがみついた。
横にいたオヒョクが「サムドンが来ないな。」とつぶやく。
そして「何考えてる?」オヒョクが ヘミを気にして言った。
ヘミはそれには答えず、掌の中のKのペンダントを見つめた。
そして言った。「50対50。」ヘミはそう言うと
ペンダントを強く握りしめて 胸の前に持って行った。
オヒョクやグクが 何だろうと思っていると
ヘミはキッと 厳しい目で父を見て「パパ。」と言った。
やっと 父親に自分の決意を言う勇気を出したヘミだったのだ。
ヘミをバス停まで見送りに行かなかったサムドンは
家の門の外の石垣に腰かけて ヘミのストラップを触っていた。
初めて出逢った時に ヘミからもらったハートのストラップ。
サムドンにとっては それは愛しいヘミの分身のような存在だ。
しかしヘミは 自分の手の中にあるストラップのようにはいかず
今日 自分から遠く離れて いなくなってしまうのだ。
それはやはり サムドンには 耐えられないことだった。
悲しみに暮れていると また、サムドンの耳が壊れた。
耳鳴りがサムドンを襲ったのだ。
サムドンは やっぱりダメだと思った。
”ヘミがいないと耐えられない!!”心が悲鳴をあげた。
サムドンは腰をあげて 坂道をとぼとぼ歩きだす。
坂道でどんどん歩く速度が増して そして思い切り走りだした。
サムドンは懸命に走って バス停が見える歩道橋まで来た。
歩道橋の上からヘミが見えた。しかし、すぐにバスが来てしまう。
遅かった!!バスに隠れて ヘミが見えなくなった。
サンドンは歩道橋を降りて そのバスを必死に追いかけた。
サムドンの足は 風のように速かった。
バスに追いついて 並行して走るのだが 中のヘミが探せない。
そのうちバスは サムドンを引き離して行ってしまう。
バスの後を それでも必死で追いかけるサムドン。
どんどん遠くなって行くバスに向かって サムドンは叫ぶ。
「ヘミ!!ヘミ!!・・・行くな!!行ったらダメだ!!」
ヘミに届けと 声の限りにサムドンは叫んだのに
バスは無情にも サムドンを残して去ってしまった。
「ヘミ~~~! 」サムドンは大絶唱して 力尽きてしまう。
道路に そのまま崩れ落ちたサムドンは
子供のように 泣きじゃくる。
「お願いだ、行かないでくれ・・・行くな!!」とわめいて
号泣しながら 掌のハートのストラップを見つめ
そしてそのストラップを ギュッと強く握りしめる。
サムドンにとって ヘミの化身であるストラップに
「行くな・・・行くな。」とつぶやいて、彼の涙は止まらない。
車が脇を何台も通り過ぎる中、サムドンは動くことが出来ずに
道路にぺったり座りこんだまま 子供のように泣き続けた。
すると サムドンの肩を 誰かが勢い良く叩いた。
サムドンが、その手の主を見上げると それはヘミだった。
「何度も呼んだのに。どうしたのよ。気づかなかった?」
と言うヘミを 泣き顔のサムドンが、驚いて見上げた。
ヘミは バスに乗らなかった。
そして サムドンがバスを追いかけるのを見て
その後を ヘミも追いかけて来たのだ。
よろよろ立ち上がったサムドンに ヘミが微笑んで言った。
「私、行かないわ。ここに残る。」
しかし、耳が聞こえないサムドンは
「何を言った??・・・聞こえないんだ。」
と、べそをかいたまま、ヘミに言うのだった。
ヘミは サムドンの頬を両手で優しく挟んで
まるで母親が 幼い子供に言うように
「い か な い」と ゆっくり話した。
そのヘミの口の動きを読んだ サムドンが驚いて
「行かないのか?」とヘミに尋ねる。そしてうなづくヘミ。
ヘミに頬を触れられたまま サムドンはまた「行かないのか?」
と念を押して聞き、もう一度ヘミは 可愛くうなづくのだった。
するとサムドンは 嬉しさのあまり
ヘミを強く強く抱きしめて またまた号泣するのだった。
サムドンはヘミをしっかり抱いたまま 泣きながら言う。
「思ったとおりだ!!お前のことは 誰よりよく知ってる。
お前が行くわけない!!」
サムドンに抱きしめられながら ヘミは思った。
”ああ 私は こんなにサムドンに愛されてたんだ。
そして サムドンには 私が必要なんだわ!”
ヘミの母性愛が またまた大きく膨らんだ瞬間だった。(笑)
そして、自分に一途なサムドンに抱きしめられている自分を
ヘミは 心から幸せに思うのだった。
ヘミが「アメリカには行かない!」と父に告げ
バスを追いかけるサムドンを見て
慌てて そのサムドンを追いかけて行った後
バス停に残されたヘミの父のビョンジクは
「ヘミに何を言ったんだ?」と オヒョクに激怒していた。
ビョンジクは ヘミがオヒョクにそそのかされて
声楽をあきらめて、芸能界入りしようとしていると勘違いしたからだ。
「韓国で 歌手デビューしたいのよ!」とヘソンが加勢するのだが
ビョンジクは納得いかない。ヘミを無理矢理に連れて連れて行くと言う
ビョンジクに向かって グクが初めて口を出した。
「お父さん!ヘミにチャンスを与えてくださいませんか?」
機嫌の悪いビョンジクは「お父さんと呼ぶな!」と怒る。
しかし、ヘミの恋人だと自負するグクは(笑)ひるまず
「僕たちのステージを見てください!」と言うのだった。
「ヘミの決断の理由が それで分かるはずです。」
グクはビョンジクに 誠実に切々と語った。
しかし、ビョンジクは「デビューしたところで
簡単にステージには立てんぞ!」と怒鳴るのだった。
そこへ サムドンと一緒に戻って来たヘミが言った。
「必ず立ってみせる!!」ヘミは父に約束するのだった。
「1カ月だけ待って!!」その言葉に オヒョクたちも驚いた。
1カ月なら 父もアメリカ行きを待ってくれるだろう・・・
そして 自分たちは必ずステージに立てる!!ヘミはそう信じて
「1カ月で無理だったら パパの言うとおりにするわ。」
そう父にお願いするのだった。
納得できない父親を ヘソンが「折れたほうがいいよ!!
今のままでは パパは悪者だよ!!」と言い
グクと別れたくないヘソンは ヘミを必死でかばうのだった。
「1カ月でダメなら アメリカへ行くんでしょ?」
ヘソンの言葉に 微笑んでうなづくヘミ。
父のビョンジクは 仕方なく「1カ月だぞ!!」と念を押して
ヘミのアメリカ行きを 伸ばすことに決めたのだった。
オヒョクもグクもサムドンも 嬉しくて仕方が無い。
ヘミと一緒に ビョンジク以外の5人はバス停の前で微笑んだ。
こうして ”ドリームハイ”のデビューに向けて
メンバー6人の猛特訓が開始された。
デビュー曲に合わせた振り付けを ジンマンとギョンジンが
2人で力を合わせて 6人にダンスレッスンをするのだった。
希望に燃える6人は 厳しいダンスレッスンに平気で耐えた。
グク、ヘミ、サムドンは 家に帰ってもリビングで
仲良く3人で ダンスのおさらいをしている。
しかし、ヘミを声楽家にさせたい父は 邪魔をするのだった。
(ヘミが父に連れ去られた後、リビングにいたヘソンが
グクの手を握るシーンがあって、サムドンもヘソンの手を
握ろうとするのだが、ヘソンに手をはじかれるところは笑える。
あくまでもヘソンは グク一筋!!笑)
グクは自分の部屋で デビュー曲”ドリームハイ”のラップを
ベッドで寝ている父の前で わざと大きな声で練習するのだった。
こうして 着々と6人はデビューに向けて 日々努力した。
6人を引き受けた 事務所のマ社長は
”ドリームハイ”のプロマイドに使う6人の写真を選んで
「絶対にビッグになれよ!!」と 彼らの写真に向かって叫ぶ。
そして遂に 6人のデビューCDが出来あがった!!
ベクヒは 真っ先にギョンジンにCDを手渡した。
喜ぶギョンジンだったが、そのCDの裏面を見て
協力者として、自分の名前が入っていたので
尚更 大喜びして ベクヒに抱きつくのだった。
”ドリームハイ”のダンスは 日増しに完璧なものになった。
マ社長も”これならイケルぞ!!”とCDに口づけして
売り出し作戦に励もうと TV局にCDを持参して回った。
元々ヤクザ上がりの マ社長は度胸が据わっている。(笑)
知らないTVのディレクターでも どんどん声をかけて
「うちの新人です!!」とCDを渡そうとする。
しかし、高飛車な態度で なかなか上手くいかない。
「言葉遣いを直しては?」と 子分に言われてしまうのだ。(笑)
そして マ社長は”ドリームハイ”報道資料を栄養ドリンクを添えて
言葉遣いを丁寧にして 腰を低くしてTV局を回るのだった。
しかし、そのCDジャケットのグク達の写真を見て
「元グループKでは?」と質問される。
「はい。」とマ社長が シヒョク、ベクヒ、ジェイソンの3人が
この”ドリームハイ”にいると答えると
「それじゃダメだ!シヒョクとベクヒはNGだ!」と言われてしまう。
この2人はスキャンダルがあったから TVに出せないと言うのだ。
「シヒョクは正当防衛で ベクヒは被害者なのに?」と
マ社長が文句を言っても そのディレクターに
「ベクヒが誘ったという噂が広まってる。」と言われていまうのだった。
「事実ではありません!!」と 怒るマ社長だが、 現実は厳しく、
なかなか”ドリームハイ”を出演させてくれる所はなかったのだ。
ヘミの父は 毎日、早く1カ月が過ぎればいいと
カレンダーの日付を 赤のマジックで消していた。
そして、バス停での約束から 早、半月が過ぎていた。
マ社長の苦労虚しく、”ドリームハイ”のステージの道のりは遠かった。
そんなことは知らずに グクたち6人は
心をひとつに 希望を持って 練習に励んでいる。
ダンスのレッスンを終えて サムドンが手を出した。
その手にヘミが元気よく 自分の手を重ねる。
そのヘミの上から グクが手を重ね
ベクヒが グクの手に重ね・・・
ジェイソンも「行くぞ!」と手を乗せ ピルスクも
彼の手に重ね・・・6人が仲良くひとつになって
「ファイト~!!」と掛け声をかけて 手を高く上げた。
6人の心は すでに夢に向かって 大きく翼を広げていた。
「シヒョク、ベクヒ・・・あの2人がいる限り
”ドリームハイ”はステージに立てない!!」
そんな言葉が 音楽業界の影で囁かれているとも知らずに・・・
グクとベクヒは 笑いながら顔を見合わせて
このメンバーで デビュー出来る幸せを噛みしめていた。
******************************
はい!!やっと第15話の解説終了です!!(*^_^*)
今回の15話のクライマックスは
何といっても バスを追いかけるサムドンのシーンでした。
ヘミを必死で追いかけて 号泣するサムドンの演技は必見!!
本当に このシーンは 素晴らしくて大好きなシーンです。
サムドン役のスヒョン君、本当にこれからが楽しみな俳優です♫
そして、アイドルのテギョン、ウヨン、スジ、IU、ウンジョンらの演技が
どんどん磨かれて上手になってゆくのが 楽しめるドリハイ♫
絶対に ノーカット版で全国のみなさんに観てほしいです!!
(*^_^*)
ドリームハイ☆第15話No.2
放課後のギョンジンとの特別授業で
ベクヒは 自分が作曲した曲を見てもらっていた。
「どうですか?おかしくないですか?」
「ブリッジさえ手直しすれば アルバムに収録しても
よさそうよ。」と ギョンジンが感心して言った。
「本当ですか?私を励まそうと わざと褒めてるんじゃ?」
本当は自信があるベクヒが そう聞くと
「私がそんな人間だと思ってる?」と ギョンジンが言う。
するとベクヒは 嬉しそうに「いいえ。」と言って笑った。
ギョンジンも笑いながら「明日までに手直ししてね。」と言う。
そして 楽譜を戻されたベクヒは
「先生。私、明日から昼間の授業に出ます。」と言った。
ギョンジンは「大丈夫なの?無理しなくていいのよ。」
と言うのだが、ベクヒは明るく「平気です!」と言う。
ベクヒの笑顔を見て ギョンジンも微笑んで
ベクヒとの特別授業は これで終えることにしたのだった。
一方、オヒョクの家に泊った ヘミの父親のビョンジクは
サムドンのベッドで 真夜中に目を覚ました。
サムドンとグクが寝ているのを確認すると
ビョンジクは荷物を持って ヘミの部屋に行き
ヘミとヘソンを起こすのだった。
寝ぼけるヘミとヘソンに ビョンジクは
「着替えて 外へ出ろ!早く!!」と命令する。
ヘミとヘソンは 訳が訳が分からずに顔を見合わせた。
そして夜が明けて キッチンで朝食の準備しながら
魔女がオヒョクに「ヘミのデビューは 取り消しになるの?」
と聞いていた。「そうなるだろうな。」と返事をするオヒョク。
と!そこへグクとサムドンが慌てて 2階から降りてくる。
飛ぶように階段を降りた2人は 次々に叫ぶ。
「先生!お父さんがいない!!」「ヘミたちもいません!!」
魔女とオヒョクは驚いた。「夜逃げしたってこと?」と魔女。
夜逃げ??・・・そういうことなのか??
グク、サムドン、オヒョクの3人は呆然とするのだった。
その夜逃げしたヘミたちは 実はサウナにいた。
「パパ、ホテルにはいつ行くの?」とヘソンが呆れて聞いた。
「どういうつもり?」と ヘミも不機嫌な顔で聞く。
すると「アメリカへ出発するまで ここで寝泊まりする。」
と 父は言うのだった。その理由は オヒョクの家にいると
(元闇金男)マ・デゥシクに見つかるからだという父に
ヘミは「立ち直ったと言わなかった?借金を返さないの?」
と 父と責めた。しかし 情けない父は言う。
「1年じゃ無理だ。もう少し待て。」
ヘミは呆れて「そんな状態で なぜ戻ったの?」と聞く。
すると父は「お前の声楽のためだ。俺のせいで お前の夢が
潰えてはいけないと 心配だったんだ。」と父は言った。
驚くヘミに 父は言うのだった。
「お前の話を聞いて ジョー先生が驚いて
奨学金や寮を手配してくれたんだ。
ブランクが長引くと 復帰は難しいぞ。
とりあえず 渡米して声楽をやれ!金は二の次だ。」
あのスミ・ジョー先生が 私をそこまで思ってくれてるんだわ!
ヘミは とりあえず嬉しかったのではないだろうか。
するとそこへ ヘミの携帯が鳴った。すると、父は慌てて
「出るな!」と言って ヘミの携帯を取りあげ
携帯の電池を抜いて 自分のポケットへ入れてしまい
「1週間後に こっそり出発するぞ。」と、父はヘミに言った。
ヘミは 自分のためとはいえ、あまりにも強引な父の態度に
やはり、呆れてしまうのだった。
突然、ヘミ達が姿を消して グクとサムドンは心配していた。
朝早く登校したものの、何も手に着かない2人は
授業前に校舎の踊り場に出て グクがヘミに電話をかけている。
「出ないのか?」サムドンがグクに 心配して聞いた。
「うん。」とガッカリするグクに サムドンも気落ちして
「このまま出国するつもりかな?」とつぶやいた。
「そうかもな。」グクがクールに言うと
サムドンはいてもたってもいられずに その場を離れようとした。
「どこへ行くんだ?」とグクが聞けば サムドンは
「探すんだ!」と言う。「見つけてどうするんだ?」とグク。
「見つけたら・・・」そこまで言って、サムドンは口ごもる。
「見つけたら・・・」やはりその先が言えないサムドンに
「あいつの夢を邪魔するのか?引き止める理由がないだろ。」
そういうグク。しかし、サムドンは「理由は・・・ない。
理由はないが、探さずにはいられない。」
まっすぐグクを見て そう言うのだった。
このままヘミと別れるのが嫌だ!!そう思うサムドンは
自分の気持ちに正直だった。サムドンはグクに背を向けて
学校を飛び出してしまう。その姿に グクも動かされて
ヘミを自分も探そうと 学校を2人で出てゆくのだった。
ヘミの父、ビョンジクは サウナから旅行会社に電話をして
来週の月曜のニューヨーク行きの便を 家族3人分予約していた。
ビョンジクが戻ると ヘソンしかいない。
「お姉ちゃんは?」とヘソンに聞けば「出て行った。」とヘソン。
「何処へ?」と驚く父に ヘソンは言った。
「学校へ行ったんでしょ。歌手デビューするって頑張ってたよ。」
「歌手?うちのヘミが 芸能人になるのか?」と驚く父。
しかし ヘソンは構わずに「パパ。カン先生の家に戻りたい。」
そう本心を言うのだった。
サウナを出て ヘミはボ~っと街を彷徨っていた。
ジョー先生が 自分の歌の才能を評価してくれて
未だにジュリアードを薦めてくれているのは とても嬉しかった。
それでも ヘミはキリン芸高へ入学して 芸能界の歌手にも
魅力を感じ始めていた。友達と一緒にデビューできるという
せっかく掴んだチャンスを 捨てるのはとても惜しい気がした。
声楽家と歌手という2つの夢に挟まれて ヘミは深く悩んだ。
( そして、サムドンの存在だ。
ヘミは 今、サムドンを好きだという気持ち以前に
サムドンに対して 責任感を感じていたのでは?と思う。
自分がキリン芸高の入学を 強引に薦めたために
ヘミのために 大好きな母を残して 田舎を出て
サムドンは ソウルまでやって来たのだ・・・
そんな責任感も ヘミは感じていたのではないだろうか。
ヘミがいるから キリン芸高で夢見ることのできるサムドンを置いて
自分は 違う夢のために アメリカへ行くというのは
なんだか無責任のような気がしていたのではないだろうか。
ヘミは 元々責任感と母性本能が強い女の子だから
サムドンに「行かないでくれ!」・・・そう言われたことが
結局、ヘミにとって 悩みを大きくした理由だった気がする。)
グクは ヘミを探しにアジトへ来ていた。
サムドンは ソウルの街を走り回っていた。
2人とも もう1度、ヘミの顔が見たかった。
このまま別れてしまうのは あまりにも辛すぎたのだ。
アジトにヘミがいないと分かると グクも街に出て探し回る。
ヘミの携帯に 何度も電話をかけながら グクは走り回った。
「ただ今 電話に出られません。」虚しく何度も携帯が答えた。
サムドンがヘミを見つけた!そう思って「ヘミ!」と腕を掴むと
振り返ったその少女は別人だった。呆然と立ち尽くすサムドン。
このまま ヘミを探せずに ヘミがアメリカへ旅立ってしまったら・・・
そう思うと サムドンの胸は悲しみで押し潰されそうになる。
泣きたい気持ちで サムドンは街中で立ち尽くすのだ。
ヘミもまた このまま誰にも会わずに アメリカへ旅立つのは
とても我慢できないことだった。
キリン芸高には 大好きな仲間がいた。
ふと気がつけば、ヘミの足は学校へ向かっていた。
私服のまま 学校の近くまで来てしまった・・・そう思って
”どうしよう”と ヘミが立ち止まっていると
後ろからベクヒが明るく「ヘミ!」と抱きついて来た。
「どうしたの?入らないの?」と ベクヒは聞いた。
「もう授業に出れるの?」と ヘミは反対に質問した。
するとベクヒは「うん。もうフクロウみたいな真似はやめる。」
そう言って「行こう!」とヘミの手を引っ張った。
こうして ヘミは私服のまま登校することになった。
学校では 朝からオヒョクが浮かない顔をして廊下を歩いていた。
ヘミの父親の突然の出現と ヘミを強引に退学させて
アメリカへ連れて行こうとすることが オヒョクは納得できない。
しかも、何の挨拶も無く、夜逃げのように ビョンジクが
ヘミとヘソンを連れて 煙のように消えてしまったことで、
オヒョクは ヘミやヘソンのことを心配していたのだった。
そこへ ギョンジンが正面から歩いて来て 挨拶するのだが
ギョンジンは この前、オヒョクに自分から抱きついてしまったので
恥ずかしくて仕方ない。オヒョクもギョンジンを意識していて
廊下でギクシャクしていると ギョンジンが先に
「この前、先生に抱きついた件ですけど・・・」とモジモジして言う。
「誤解してませんから ご安心を!」と 返すオヒョクに
(ギョンジンは本心で好きなのに!鈍感なオヒョクなのだった。笑)
「誤解?」と 一瞬驚くギョンジンだが
「ええ。誤解されないか 心配してたんです。」と笑って誤魔化した。
そこへ マ社長が背後から突然やって来て ギョンジンの肩を叩いた。
すると驚いて ギョンジンはオヒョクに抱きついてしまう。
「良い雰囲気ですね!」と 嫌味を言うマ社長に
「誤解しないで!偶発的な事故です。接触事故ですね。」と
ギョンジンが オヒョクと顔を見合わせて言った。
ところで マ社長に何の用事か?とオヒョクが聞けば
マ社長は満面の笑みで「楽曲をもらって来ました!」と
データの入ったUSBを 2人に見せながら言うのだった。
「本当に?」と オヒョクも大喜びする。
実は マ社長が手に入れたという楽曲は 作曲家が
グループKに提供してお蔵入りになった曲だった。
PCで その曲を再生しながら聞いていると
ジンマンが「喜んでる場合か?」と 抗議した。
新人だからって、使い回しの曲なのかと怒ったのだ。
しかしオヒョクは 曲を聴きながら、突然閃いて
「ジンマン!」と言って その曲に合わせて
ピアノを弾き始める。そのメロディーは
以前、サムドンが日本の修学旅行で遊んだ
ライブハウスで 即興で作ったメロディーだった。
そのピアノを聴いて ジンマンが「いいじゃないか!」と言い
「お前、天才か?」と オヒョクを絶賛する。
するとオヒョクもギョンジンも笑った。ギョンジンが言う。
「天才はサムドンよ。以前、彼が即興で作ったの。
題名は”ドリームハイ”。」
それを聞いて 「本当に?」とジンマンは口をポッカリ空けた。
(自分にはない とてつもない才能をサムドンに感じたのだろうか)
「彼に そんな才能が?」と マ社長も喜んだ。
そして「ドリームハイ・・・それをグループ名にしては?」
と マ社長が言う。しかし ジンマンが笑って
「ダメですよ!野暮ったくて!!」と言い「僕が考えて来ました。」
そう言って メモしたグループ名を読み上げるのだが
”アルバトロス””R2-D2”など ヒドイ名前ばかりなので
他の3人は無視して「ドリームハイ、良いですね!!」となり
グループ名は”ドリームハイ”に決定する。(爆)
無視されたジンマンは 怒って部屋を出て行こうとするのだが
マ社長に「誰かに編曲を頼まなければいけないんですが
ヤン先生に頼みたいんです。」と言われると ジンマンは驚いて
「僕が マジで?」とマ社長に聞き マ社長が
「ヤン先生は 編曲が得意だと カン先生から聞きました。」
と言われて 機嫌が直り大喜びするジンマンだった。(単純!笑)
そして マ社長が「次はパート訳だな。男女が3人ずつだから・・・」
と言ったところで、オヒョクが言いにくそうに
ヘミの父親が急に帰国して ヘミを連れてアメリカへ行き
ヘミに声楽の勉強を再開させるという説明を マ社長に告げる。
(と書いたが、告げた場面は映っていないけどね。笑)
突然、グループから ヘミが抜けると聞いたマ社長。
そして同席したギョンジンとジンマンはそれを聞いて驚いた。
「ヘミもそれを望んでいるの?」と ギョンジンは不満そうに言った。
オヒョクが「みたいです。」と答えると マ社長は怒った顔で言う。
「お忘れですか?私とヘミの債務関係は まだ片付いていません。」
「知っています。」とオヒョクが答えると 突然、
「カン・オヒョク!!」と大声をあげて ビョンジクがやって来る。
「ヘミはどこだ?ヘミをどこへ隠したんだ!」と
ビョンジクはオヒョクの胸ぐらを掴んで 興奮して言った。
それを見たマ社長は やっと借金未払いのビョンジクを
捕まえられると思い、笑って席を外した。
しかし、ビョンジクはマ社長に気が付いていない。
ジンマンは オヒョクを救おうと止めに入るのだが
ビョンジクの力は強く ジンマンは跳ね返される。(笑)
「うちの妻と・・・」と ビョンジクが怒鳴り
ハッとした顔で 一瞬近くにいたヘソンを見て声を詰まらせるが
「不倫をしたくせに 今度はヘミを三流歌手にするつもりか!」
と、言いたいことを最後まで吐き出してしまう
父親にあるまじきビョンジクの行為だった。(まったく!!怒)
そのビョンジクの言葉に 一番反応したのは
オヒョクに想いを寄せるギョンジンだった。
「不倫ですって?」驚いて叫ぶと ジンマンも「人妻とか?」
と大声で言った。オヒョクの顔も強張っている。
そこへ「パパ!!」と叫んで オヒョクの胸ぐらを掴む父を見て
驚いてヘミが走って来る。「何してるのよ!」と怒るヘミ。
「ヘミの母親とオヒョクが?」と ジンマンがまた叫ぶ。
ギョンジンは 悲しみで呆然と立ち尽くした。
「カン先生は そんな人じゃない!」ヘミはオヒョクを庇った。
しかし「お前に何が分かる?」と ヘミを叱る父。
そこへマ社長が「コさん。落ち着いてください。」と声をかける。
「部外者は黙っててください!!」と 振り返ると
マ社長と目が合うビョンジク。すると驚いて、オヒョクを掴む
手をやっと緩めるビョンジクだった。
「マ・デゥシク・・・」ヘミの父親、ビョンジクは
今まで逃げていた相手の闇金男の出現に 戸惑うのだった。
そして、元闇金男のマ社長とオヒョク、ビョンジク、
そして娘のヘミとヘソンが席について 今後の相談をする。
ヘミは 借金を返していない父親のことが恥ずかしくて、
父の隣で 暗い顔をして座っていた。
しかし父のビョンジは ヘミに「お前が、こいつの・・・
マ社長の事務所の所属歌手になったのか?」と聞いた。
「うん。」と頷くヘミに「借金のせいでか?」と父。
ヘミが事情と自分の気持ちを説明しようとすると
「聞くまでもない!」と父は無視して 父はマ社長に言う。
「借金は返しますから ヘミを自由にさせてくれ。」
「パパがどうやって?」と 不甲斐ない父を心配するヘミ。
そして「いいの。私がデビューすればいい。」と口にした。
しかし ヘミの気持ちが理解できない父は
「あんな奴、恐れることなない。通報すれば終わりだ。」と
小声でヘミに耳打ちする。しかし、ヘミはそんな父に呆れていた。
元々、借金を作って逃げ出した父の方が悪いのではないか!!
父が大好きなヘミだが 今は父が卑怯な男のような気がしている。
「違うって!」とヘミが言っても
「声楽の道が開けたのに あきらめるのか?」と父は言う。
それを聞いても「うん。」と答えるヘミだった。
その様子を見て ヘミのことを心から思うオヒョクが言う。
「ヘミ。借金のことは気にするな。
借金ために 韓国に残る必要はないんだぞ。
本当に声楽をやりたいのなら
デビューの件は 俺とマ社長で解決するから。」
すると隣のマ社長が慌てて
「カン先生!」と お人好しのオヒョクを怒った。
どうせ、またオヒョクが借金を建て替えるのだと思ったからだ。
しかし、生徒思いの優しいオヒョクは言うのだ。
「この子の才能が 埋もれてもいいんですか?
借金なら 我が家を担保にしたでしょ?
ヘミ。借金のことを抜きにして、じっくり考えて判断しろ。」
これには ビョンジクが驚いた。自分の借金をオヒョクが
自宅を担保にして肩代わりしているというのか??
ヘミは オヒョクの的確なアドバイスに
素直に耳を傾けて 「はい。」と頷いた。
更にオヒョクは ビョンジクに「今 どこで寝泊りを?」と聞く。
ビョンジクは見栄を張って「ホテルです!」と答えるが
ヘソンが「嘘よ!サウナです!」と、父の嘘を暴いてしまう。
オヒョクは「ひとまず うちに戻って来てください。」と
体裁が悪くて モジモジするビョンジクに言うのだった。
そして「ヘミにも考える時間を与えてあげてください。」と
ビョンジクに頼む 優しい先生のオヒョクだった。
ヘミは嬉しかった。この時ほど オヒョクの生徒で
良かったと 心から思ったに違いない。
そう。オヒョクは 本当に教師の鏡のような良い先生だった。
しかし一方、オヒョクが不倫をしたと知ったギョンジンは
校舎の外に出て オブジェに腰かけてうなだれていた。
それをギョンジンが好きなジンマンが追いかけて来て
彼女の隣に座った。ジンマンに気がついたギョンジンは
「どう考えても カン先生が不倫なんかするわけがないわ。
ヘミのお父さんが 悪い人だったのでは?
それなら納得できるわ。」とジンマンに同意を求めた。
しかし、ジンマンは「どうかな。」と同意しない。
「それじゃ、純真なカン先生が、奥さんを助けようとして
巻き込まれたのよ。そうよね?」と、また同意を求めるが
この際、オヒョクから自分にギョンジンがなびけばいいと
思っているジンマンは無言だ。ギョンジンが続ける。
「カン先生は おせっかいだから
放っておけなかったのよ!」そう言うギョンジンに
ジンマンはやっと口を開いて
「8年前なら ちょうど僕を裏切った頃だ。
今考えると あいつも悪人だった!」そう言う。
ショックで うなだれるギョンジンに ジンマンは
「オヒョクは 実はオオカミかも。
蛇のように人をそそのかすのが得意だから。」と言う。
しかし、ギョンジンが泣きそうな顔で黙っているので
心配して顔を覗くのだが、ギョンジンは「構わないで!」と
ジンマンを振り払って フラフラと去ってゆく。
残されたジンマンは オブジェに仰向けになって倒れた。
ギョンジンが 本気でオヒョクを想っていることを
確認してしまったジンマンは ショックだったからだ。
「ジェイソンです。300回目の放送 おめでとうございます!
TVカメラに向かって ジェイソンが放送局の仕事をしている。
「これから1000回まで続く 長寿番組になりますよう
祈っています。おめでとう!!」
ディレクターが満足そうに「カット!お疲れ様!」と言った。
ジェイソンが「チャンPD ”長寿”は変でしたか?
ダサければ やり直ししますけど。」と聞けば、ディレクターは
「いや。面白いと思う。コメント撮りに進んで出向いてくれるとは
義理堅い男だ。」と喜ぶので ジェイソンはしめた!という顔で
「じゃあ 他のメンバーも出演させてくださいよ。」と言う。
するとOKしてくれるPDは ”ドリームハイ”のメンバーで
301回にふさわしいメンバーはいるか?と尋ねた。
ジェイソンは「グクは?ベクヒは?元グループKです。」と言うのだが
PDは「あいつらの復帰は時期尚早だろう。ベクヒから誘ったという
噂も聞くぞ。」と言う。ジェイソンは「もういいです!」
嫌そうな顔で言うと「そんな噂は信じないが 視聴者が信じてるから
問題なんだ。」と説明するチャンPDだった。
他のメンバーは?と聞かれて ジェイソンは
「キム・ピルスクがいます。」と答えた。
PDは「名前からして強烈だ!」と喜んで 出演をOKした。
喜ぶジェイソンが そこにいた。
夜のソウル。ヘミは「行く。行かない。」と何度も言いながら
横断歩道を歩いて渡っていた。自分の気持ちが分からないので
占いのような行為で 判断したかったのだろう。
横断歩道の白線に 1歩、1歩足を乗せて進み
「行く。行かない。」と言って進んでいる。
そして最後の白線に来ると「行かない!」のほうだったから
笑顔で 白線に飛び乗るのだが、でもやはり首をかしげて
”一回だけで判断しちゃダメよ!”と言った顔で
町を彷徨うヘミだった。そしてその様子を 偶然通りかかった
グクが見つけて驚いた。他の横断歩道でも ヘミはまた
「行く。行かない。」を繰り返している。
後ろからグクが近づいているのも 気がつかないヘミ。
今度は「行く。」で白線が終わった。
「いったいどっちなの?」と 困ってつぶやくヘミ。
溜息をつくヘミを見かねて グクがヘミの前に顔を突き出した。
驚くヘミに「アメリカ行きを まだ迷ってるのか?」とグクが言う。
「うん。私どうするべきかな?」と ヘミは甘えてグクに尋ねた。
グクは優しい顔で言う。「お前の気持ち次第だ。慎重に決めろ。」
するとヘミは「正直、私 自分の気持ちが良く分からないの。
アメリカに行くべきか。残ってデビューするべきか。
どっちも100%じゃないの。だから選べない。」グクを見上げて
そう言うのだが、大人びたグクは優しく言った。
「100%だったら ”選択”じゃなくて”正解”だ。
50対50。選び辛いから”選択”なんだ。悩んで当然だよ。
でも、選んだ後は その50を100にするんだ。
正しい道だったことを 頑張って証明しないとな。」
グクは とても素晴らしいアドバイスをヘミに贈った。
しかし、ヘミは不満に思って言う。
「行くなとは 言わないの?」するとグクは笑いながら
「聞かないくせに。」と言いい ヘミも「確かに。」と笑った。
しかし、サムドンの顔が浮かんで ヘミは少し暗い顔になって
グクを置いて歩きだすのだった。
サムドンは 自分が聞かなくても「行くな!」とヘミに言ったのだ。
それほど サムドンは自分を必要としている・・・。
そう思うと ヘミはやはり、傍にグクがいても
サムドンの顔が頭に浮かんでいたのではないだろうか・・・。
ジェイソンの推薦で 301回目のゲストに選ばれたピルスク。
初めてのTV出演に 緊張してカメラの前にいた。
テープが回り「スタンバイ!」と声がする。
ジェイソンは ピルスクの正面のカメラの横で
優しく微笑みながら ピルスクを見つめて
無言でファイティングポーズをして ピルスクを励ました。
「本日のゲストは アイドルグループ”ドリームハイ”の
メンバーのキム・ピルスクさんです。」本番が始まった。
「こんにちは。”ドリームハイ”のキム・ピルスクです!!」
ピルスクはピースサインをしながら 明るく可愛く自己紹介する。
司会者にTV番組は初めてかと聞かれ ピルスクは
「初めてなので とても緊張しています。よろしくお願いします!」
と笑顔で答えるピルスクは 好印象を周囲に与えた。
見守っていたジェイソンも ホッと安心して見ている。
そして、カメラ横から少し移動して 今日の番組の台本を手にして
驚いた顔をするジェイソン。そこには ピルスクの太っていた頃の
話を聞きだすように書かれていたからだ。ジェイソンは傍にいた
台本作家に「話が違いますよ。こんな質問なかったはずだ!」
そう台本の変更に文句を言う。しかし、作家は澄まして言うのだ。
「なんで?面白いでしょ。盛り上げるためよ。」
ジェイソンはピルスクを想って 胸を痛める。
司会者は言う。「我々のリサーチによると 多芸多才な方ですね。
絶対音感をお持ちで、音域が広い。ギターもお上手だとか。」
ピルスクは嬉しそうに「はい!今日は弾き語りを
少しだけ披露します。」と言って、ギターを準備しようとする。
すると 司会者は慌てて止めて「歌を弾く前に、最もずば抜けた
才能を紹介し忘れました。ズバリ”変身”です!!」そう言って
ジャジャ~ン!!と 昔の太ったピルスクの
拡大写真のパネルを見せるのだった。「ああ驚きです!!」
と言う司会者に 心から驚いたのはピルスクだった。
こんな質問があるとは 全く聞かされていなかったからだ。
ジェイソンは手にした台本を握りつぶして 心配している。
「1年前の姿だそうですね。事実ですか?」と司会者。
「この太股、凄い!!本当なんですか?」とシツコイ司会者に
始め戸惑ったピルスクだが、彼女は仕方が無いと観念して
「これは1年前の私です。」と笑顔で答えるのだった。
「どこで見つけたのかな?」と司会者に返すピルスクに
うなだれていたジェイソンは 驚いて顔を上げた。
「苦労して見つけましたよ。」と司会者。
「この頃、体重が82kgありました。」と 正直に言うピルスク。
「82kg?どんな体格だったの?」と 司会者の分かり切った質問にも
ピルスクは誠実に スタジオに飾られた大きなクマの人形を指差して
「こんな感じでした!」と可愛く答える。「お腹が僕の父親並みだ。」
司会者が言うと「あはは。ウェストは もっと太かったです!
3人座れるピアノの椅子が、私1人でいっぱいでした。」
と、ピルスクは笑いながら答えた。
「おお。想像すらできませんね。」と司会者。
そのやりとりに 微笑むジェイソンがいた。
「減量して正解ですね。1年前の醜い過去を消しましょう。」
そう言って 太ったピルスクのパネル写真を
司会者は膝で割ってみせた。ピルスクは悲しそうな顔を
一瞬するのだが、「どうですか?一緒に壊しましょう。
これで過去を清算するんです。」と司会者に言われて、
戸惑いながらも「消えてしまえ!!壊してやる!」と叫んで
自分のパネルを壊しだすのだった。
それを微笑んで見るジェイソンに 作家も笑って言った。
「あの子、センスあるわね。弱点を逆手に取ったわ。」
「当然です。ピルスクだぜ。」と 誇らしげなジェイソン。
「では、歌を聴きましょう。」と司会者がやっとそう言って
ピルスクの弾き語りが始まった。
”私だけを見つめる目
彫刻みたいな鼻筋
愛らしい唇
ミルクのような肌と
何か気にする表情
上品な言葉遣い
友達はみんな 私に
勘違いと言うけれど
私は知ってる あなたの気持ちを
とぼけても 全部分かる
私の心は だませない
一歩 二歩 足が震えてる
ときめきを胸に・・・
今日も こんなに
気持ちが膨らんだ
打ち明けてごらん Your dream・・・”
ピルスクはジェイソンを見ながら 微笑んで歌った。
ジェイソンは 歌い終わったピルスクに拍手を送る。
TV番組収録後、ピルスクとジェイソンは
オーディションのビデオ撮影で訪れた 西洋風の建物に来た。
「また この前のカラオケの館か。」と言うジェイソン。
「メキシコだってば!」と言うピルスク。
ピルスクは出演記念に買ってもらったのか、大きなサルの
ぬいぐるみを背負って ギターをジェイソンに担がせていた。
「分かった!メキシコだ。」とジェイソンが言い
「チャンPDが言ってたよ。お前のブログにあった昔の写真を
見て、質問を追加したそうだ。」と続けた。
「ああ。そうだったのね。」とピルスクは言った。
「だからさ。昔の写真をブログから削除したらどうだ?」
と言うジェイソンに ピルスクは寂しそうに
「そうしなきゃダメよね。」と言った。「うん。」と言う
ジェイソンに ピルスクは言う。
「だけどちょっと悔しいわ。あの頃を恥じることになるもの。
私、82kgあった時も 結構、幸せだったわ。
キリン芸高に受かって、初めてステージに立って
沢山の友達と出会って、あなたとも出会った。
だけど・・・みんなあの頃の写真を見て
醜いと言って 後ろ指を指すでしょ?
私には 幸せな時間だったのに・・・。
そのうち 私まで、あの頃の自分を嫌いになりそうで
ちょっと怖いの。」その言葉を聞いて ジェイソンが言う。
「あの頃のお前を 好きな人がいる。」そう言ってジェイソンは
ピルスクに 自分の携帯を出して壁紙を見せた。
それを見て「何よ!!」と驚くピルスク。
その携帯に映し出されたのは 丸々太った自分だったからだ。
「壁紙は私だったの?」と言うピルスクに ジェイソンは
「誰だと思ってたんだ?」と笑って聞く。
「だって、ジュリーとかいう子に いつもアイラブユーって
言ってたじゃない!」と言うピルスクに
「ジュリーは妹だよ。馬鹿だな。」と答えるジェイソンは
ピルスクの頭をこずいた。するとピルスクは笑って
「なんだ。そうだったの。」と ジェイソンを叩き返す。
するとジェイソンは ピルスクの腕を掴んで引き寄せ
真面目な顔をして 彼女を見つめて、顔を近づけた。
ピルスクは目をつぶる。それを見て ジェイソンは微笑み
ふざけて、ピルスクにおぶわれた サルのぬいぐるみにキスをした。
「なによ!」と怒りだすピルスクに ジェイソンは
「ごめん。ぬいぐるみが可愛くて。」と言い、ふくれるピルスクに
「なんで目を閉じたんだ?期待したのか?」と意地悪く言うジェイソン。
「何も期待してないわ!」と怒って 去ろうとするピルスクを
ジェイソンは 今度は真面目に抱き寄せて 鼻の頭にキスをした。
驚いてジェイソンを見つめるピルスクだったが
ジェイソンの首に腕を回して 今度は自分のほうから
しかも唇に熱いキスをする 大胆なピルスクなのであった。(笑)
こうして”ドリームハイ”のメンバーの中から
可愛い1組のカップルが めでたく誕生したのだ。 (*^_^*)
*****************************
はぁ・・・まだまだ15話は続きます!!(笑)
まだ半分もいってないかも!!・・・(;一_一)
頑張ります!!
ドリームハイ☆第15話No.1
契約が決まったと ジンマンから知らされて
真っ先に「おめでとう!!」と言いたかった相手が
付き合っているグクではなくて サムドンだったことに
ヘミは とても動揺していた。
嬉しい時や寂しい時に 真っ先に会いたいと思って
顔が浮かぶ人が好きな人なんだ・・・
ピルスクからそう教えられて ヘミはやっと
サムドンに対する自分の気持ちが理解できたのだった。
ずっと自分は グクが好きだと思っていたのに・・・
いつの間にか 心が勝手にサムドンを追いかけていたのだ。
「どうしよう!どうしたらいいの?」ヘミは戸惑う。
グクと一緒に契約が決まって 嬉しそうな様子で
オヒョクと共に3人連れだって歩く姿を
ヘミは身を隠して こっそり見つめるのだが・・・
やはり、サムドンの姿を見ると ヘミの鼓動は激しくなった。
「私、どうしちゃったのかな・・・。」
ヘミは 自分の本心に気がついて呆然としてしまう。
そんなことは 露も知らないサムドンは
グクやベクヒたちと一緒に 職員室で
オヒョクやギョンジン、ジンマンと共に
マ社長と向き合って 契約書の確認をしていた。
ギョンジンが 厳しい目で契約書を隅から隅まで見ている。
その時 部屋の外から窓越しに 校長が睨むように眺めていた。
その殺気立つ目つきは オヒョクに向けられている。
オヒョクはそれに気がついて 不思議に思って
「なぜ校長は 俺を変な目で見てるんだ?」と
小声でジンマン尋ねると、ギョンジンを奪われたと思うジンマンは
不機嫌そうに「知らん。話しかけるな!」と目も合わさずに言った。
「なんで?」と 益々、不思議がるオヒョク。
(生徒たちの契約が嬉しくて、娘がオヒョクに抱きついたところを
父の校長が目撃してた事を オヒョクは気が付いていない。笑)
その時、校長の娘のギョンジンが「これなら結構です。」と
マ社長に 嬉しそうな声で答えた。
マ社長が用意した契約書は 生徒にとって申し分のない内容だった。
「分かりました。私の夢と子ども達の夢。
そして先生たちの夢を 必ずや現実のものにします!」
そこでマ社長は 自信たっぷりに熱く語った。
するとジェイソンが プッ!と吹き出しながら
「臭いセリフは 誰の受け売りだ?」とグクに聞く。
グクが目でオヒョクだと答えると
オヒョクは恥ずかしそうな顔をして 咳払いをした。
ベクヒもサムドンも 誰がマ社長を説得してくれたのか
良く分かっていた。口には出さないが
この3人は オヒョクに心から感謝していたに違いない。
「どんなメンバーになるんですか?」とベクヒが尋ねると
「ピルスクとヘミを含めて6人のグループだ。
プロの世界の厳しさは よく分かっているな?」
オヒョクが4人にそう言うと
元気な明るい声で 一斉に「はい!」と返事が返ってくる。
ギョンジンも嬉しそうに「早速、練習に励みなさい。」と言った。
4人は「失礼します!」そう言って 仲良く部屋を出て行く。
マ社長は 自分の事務所所属となった6人のファイルを
一人一人、感慨深そうに眺めるのだった。
こうして ハヤン企画の契約書を手にしたサムドンは
自分の夢が叶った喜びで 胸がいっぱいだった。
耳の障害を持つ自分にも プロの歌手の道が開けたのだ。
そして何より・・・
自分を心配していたヘミを 安心させることが出来るし
そのヘミと一緒に プロの舞台に立つことが出来る!!
サムドンの心は 大きな喜びに満ちていた。
学校の外の渡り廊下で 1人で喜びを噛みしめていると
「田舎者が ついにデビューだな!おめでとう!」
グクがやって来て サムドンをからかった。
サムドンは「お前こそ 意外とすぐに立ち直ったな。
ペンダントのおかげかな?」そう 笑って言い返す。
すると グクは胸の内ポケットからペンダントを取りだして
「そうだな。おかげで目が覚めた。」と素直に言うのだった。
サムドンは「音感も取り戻したし デビューもする。
これなら、ヘミに同情されずに済む。そうだろ?」と言った。
グクは少し考えながら「多分・・・そうだろうな。」と答える。
するとサムドンは「言い返すと思ったのに 意外だな。
俺が堂々と男同士で勝負すると言ったのを 覚えてるな?」
そうグクに切りだした。グクは「覚えてる。」と言い
サムドンを正面から まっすぐに見つめた。
「その余裕は 自信の表れか?」と笑って言うサムドン。
するとグクは「自信なんかないさ。お前はあるのか?」と聞く。
(この2人は もうこの時、恋敵以前に 親友同士だった。)
サムドンも グクに素直に語った。
「いざ勝負となると 自信はない。
お前は 背が高くて、カッコ良くて・・・
捨て身で人を守るような勇敢な男だ。
手強い相手だから 実は怖い。」
そう言うサムドンに グクは照れ笑いをして
「怖いなら あきらめてもいいぞ!」と言うグク。
しかし、サムドンは キッパリと言う。
「悪いが、それは嫌だ!」そう言うと グクの肩を叩いて
「あとでな!」と言って サムドンは去ってゆく。
グクは 実はそんなサムドンに 内心脅えていたのではないか?
まっすぐに正直に ヘミだけを ひたすら一途に想うサムドンを
手強い相手だと グクのほうこそ意識していたに違いない。
それでも 自分にKのペンダントを譲ってくれた
優しいサムドンに グクは感謝していたし
心からいい奴だと認めてはいたから 明るい気持ちで
サムドンを見送る 器の大きなグクだったのだ。
ヘミは1人で 校舎の踊り場で考え事をしていた。
背が高くてハンサムで、プロデビューも先に果たし
世間にも大人気なのに 自分を犠牲にしてでも
親友のベクヒを守ってくれた 親切で勇敢で 男義あるグク。
そのグクが 自分を好きでいてくれたことを
修学旅行で確認できたヘミは 幸せだったはずなのに
今、ヘミの心が求めているのは 自分に一目惚れして
ノコノコと田舎から出て来たサムドンだったのか??
出会った時から ずっと自分に猛アタックし続けてきた
あのサムドンなの??? ええ~~っ??
グクの気持ちを受け入れて キスまでしてしまったヘミは
そんな馬鹿な!!と 自分の本心と葛藤していた。
そこへ プロ契約の書類を持ったサムドンがやって来る。
サムドンは 真っ先に祝福してもらいたかったヘミを
グクと別れて ずっと探していたのだろう。ヘミを見つけると
「ヘミ!!」と大声で叫んで 契約書の入った封筒を掲げて
嬉しそうに「見せたいものがある!」と声をかけた。
しかし、サムドンの姿を目にしたヘミは ”どうしよう”と
後ずさりにて たじろいでしまう。
サムドンの顔を見ただけで 胸の鼓動が激しくなったからだ。
自分がサムドンを好きなことを 誰にも知られたくないヘミは
思わずサムドンを背にして その場を逃げ出してしまう。
駆けだすヘミを見て 驚いて「ヘミ!どこへ行くんだ?」
と大声で叫びながら 追いかけるサムドン。
「ヘミ!ちょっと待てよ!!」といくら呼んでも
ヘミは振り返らずに走って行ってしまう。
「ヘミ!ヘミ!」叫びながら ヘミを追いかけるサムドン。
猛ダッシュで サムドンは 階段を降りるヘミに追いつくと
「ヘミ。なんで逃げるんだ?」と尋ねた。
ヘミは サムドンの顔をまともに見れずに ドギマギしながら
「逃げてないわ。ただ運動がてら走ってただけよ。」と誤魔化した。
怪訝な顔で「そうか。」と言うサムドンだが 手にした契約書を
ヘミに見せながら「デビューできそうだ!」と 嬉しそうに言った。
すると ヘミはそっけない顔で「おめでとう。」と言った。
「それが祝ってる顔か?」と不満そうにサムドンが言う。
しかしヘミは「うん。これが私のお祝いの顔よ。」
そうまた ぶっきらぼうに言うのだった。
サムドンは内心、がっかりしながらも (笑)
「これでお前と同じステージに立てる。」と笑って言った。
「よかったね。」と またまた、そっけなく言うヘミ。
しかし、サムドンは めげずに言葉を続けた。 (エライ!!笑)
「ひとつ聞きたいことがある。
今も、俺のことが哀れで 心配か?」
ヘミの顔を覗き込むように サムドンは聞いた。
ヘミは ドキドキして戸惑って「えっ?さぁどうかしら。」と
はっきり答えられない。 (恋するヘミ、可愛いな~♪)
困っているヘミに 携帯電話が助け舟のように鳴りだした。
その電話はヘソンからで ヘミが出て
「えっ??・・・分かった!すぐ帰るわ!!」と
ヘミが嬉しそうに言うので サムドンは「何かあったのか?」
と尋ねた。するとヘミが「パパが戻って来た!」と笑って答えた。
「パパ?」と驚くサムドン。
そうだ。サムドンは ヘミの父親を知らない。
ヘミの父が 闇金業者だったマ社長に追われて
韓国を逃げ出して ヘミとヘソンが仕方なく
オヒョクの元で世話になっている・・・そんなヘミの事情を
サムドンはすっかり忘れていた。
ヘミは 1年ぶりにやっと父に会えると思うと嬉しくて
サムドンの前で やっと可愛い笑顔を作るのだった。
ヘミの父親は キャリーバッグを引きずりながら
オヒョクの家を探しながら 坂道を歩いていた。
そこへオヒョクが帰宅し、家の前に車を停めて降りて来た。
そのオヒョクの姿を ヘミの父は睨むと
オヒョクが停車した車の バックミラーをめがけて
走って飛び蹴りをして ミラーを壊した。
(これは 第1話でヘミがした行動と 全く一緒だ!笑)
背後で壊れた音を聞いたオヒョクは 振り返り
破損したミラーを見て「お前 何者だ!!」と怒鳴り
「人の車を蹴りやがって!!」と怒って、車へ戻って来ると
その男が「コ・ビョンジク」と名乗って 振り返った。
「誰だ?」とオヒョク。「ミョンオクの夫だ。」とヘミの父。
するとオヒョクは 動揺した顔で「お久し振りです。」
と頭を下げて挨拶した。ヘミの父は オヒョクを睨む。
すると 庭で待っていたヘソンが 父に気がついて
「パパ!」と大声を出した。父は突然、笑顔になって
「ヘソン!」と叫べば ヘソンは父の元へ駆けてくる。
「パパ!パパ!」と父に抱きつき、父は娘を抱きあげた。
「お姉ちゃんは?」と父が聞けば ヘソンは「まだ学校よ。」
そう答えると「パパが来たから もう心配いらないぞ。」
と父は ヘソンに優しく言うのだった。
そしてヘソンとヘミの父、ビョンジクは オヒョクの家に入ると
オヒョクに向かって 封筒に入ったお金を渡した。
その渡し方は さも嫌々、といった感じで
オヒョクの手に渡す前に わざと机の上に封筒を落とすのだった。
「これはなんですか?」とオヒョクが 怪訝な顔で封筒に触れた。
その横で 姉の魔女が腕組をして睨んでいる。
ビョンジクは「長い間 ヘミとヘソンがお世話になりました。
少ないですが、謝礼と思って受け取ってください。」と言った。
魔女は「それが感謝してる顔?」と腕組をしたまま言う。
ビョンジクは「これが私の感謝してる顔です!」と睨んで言う。
人の良いオヒョクは「謝礼など結構です。」と言って
封筒を返そうとするが、その手を魔女が叩いて
「せっかくだから受け取るわよ。」と 封筒を横取りした。
そして封筒のお金を見て「全然足りない。」と口にした。
「食費に授業料に宿代・・・随分かかったわ。」と魔女に言われ
ビョンジクは 話題を変えて誤魔化そうとして
家に戻って、同じ部屋にいたグクを見て
「ところで彼は?」と オヒョクに尋ねた。
するとグクは 制服を整えて立ち上がり「こんにちはお父さん!
ヒョン・シヒョク です!」と本名で挨拶をし、深くお辞儀をした。
(恋する彼女の父親に 気に入られたい男心!笑)
「同級生で 2階に住んでいます。」とオヒョクが説明すると
「ヘミが男と同居をしてるのか?」と 父が怒って叫ぶ。
「いえ、そうでは・・・」と オヒョクが困っていると
「パパ!!」と声がして ヘミがサムドンと一緒に帰宅する。
ビョンジクは 嬉しそうに立ち上がって ヘミを迎え
ヘミは父の傍に来ると 両手でバンバンと父を叩きだす。
「痛いじゃないか!ヘミ!」と 慌てるビョンジクを
ヘミは泣きながら叩き続ける。そして「遅いじゃないの!
2カ月で戻ると言った癖に!」ヘミは父に 泣きながら文句を言った。
すると ビョンジクはヘミを抱きしめて言うのだった。
「ごめんな。心配するな。パパは立ち直ったぞ!8年前のようにな。
ヘミ、アメリカへ行って 一緒に暮らそう!!」
アメリカへ行こう!・・・この言葉に ヘソンもサムドンも驚く。
「アメリカ?」とヘミが聞き返すと「そうだ。アメリカだ!」と父。
グクもサムドンも その言葉に凍りつくのだ。
”ヘミは父親と一緒に アメリカへ行ってしまうのか?”
特に ヘミが本当は声楽家になりたいと思っていた事情を
それほど知らないサムドンは 驚きが大きかったに違いない。
ヘミは父を自分の部屋に案内した。
「2人で 一部屋に住んでたのか?」と不満そうに父が言った。
「うん。そんなに悪くなかったわ。」とヘミ。
オヒョクもグク達も心配で 後からついて来ている。
「まるでお棺じゃないか!」オヒョクの前で そう言う
ビョンジクは 本当に無神経な男だ! (怒)
そして「アメリカでは 一人部屋を使える。」とも言った。
ヘミの部屋のドア前で 様子を見ていたグクとサムドン。
サムドンはたまらずに「アメリカへ・・・行くんですか?いつ?」
と ビョンジクに尋ねた。グクも心配そうな顔で隣にいた。
ビョンジクは「1週間もあれば 出国できるだろう。」と言う。
「1週間?」とグクが驚いて言った。これには ヘミも驚いた。
「荷造りしさない。出発までホテルに泊るぞ。」と言うビョンジク。
ヘミは「そんなの 急すぎるわ!」と文句を言って
「当分 ここにいたら?」と父に提案した。
オヒョクも「そうしてください。急で、子ども達も戸惑いますし。」
そう言うのだが、「なぜ止めるんだ?」と 怪訝そうなビョンジクに
「止めてはいませんが、部屋があるのに ホテルに泊らなくても。」
オヒョクが ビョンジクをなんとか説得するのだった。
こうして ビョンジクはグクとサムドンの部屋で泊ることになる。
サムドンとグクは ヘミの父に自分のベッドで寝てもらおうと
ベッドの布団を綺麗に敷き直し「どうぞ!」と声をかけた。
(やっぱり2人はライバル同士だ!!笑)
ビョンジクは腕組をしながら「どこで寝るかは俺が決める。
ひとつ聞くが、ヘミとお前たちは どんな関係だ?」と言った。
グクが「友達です。」と即答した。ビョンジクは
「それだけか?」と疑り深そうに聞く。すると サムドンが
「それだけじゃありません!」と言いだす。
グクもビョンジクも えっ?という顔で その先の答えを待った。
だが、サムドンは「同級生です!」とすまして答える。
なぁんだ・・・という顔のグクとビョンジク。ビョンジクは
「なぁ、うちのヘミは ジュリアードに入る子だぞ!
知ってるよな?ジュリアード!」と 自慢げに言った。
「はい。」とまた 即答するグク。
サムドンは ジュリアードを知らないのか答えない (笑)
「手続きが済むまで 世話になるよ。気づまりかな?」と
ビョンジクが聞くと 「いいえ。」「どうぞ。」とグクとサンドン。
ビョンジクは 結局、サムドンのベッドへ腰かけて
「布団は抗菌か?アレルギー体質でね。」と言って寝そべり
「スプリングかよ!」と文句を言った。そしてグクのベッドを指差し
「ラテックスじゃないよな?」と聞き「眠れるかな?」と言って
サムドンの布団に横になった。その様子を見て グクがサムドンに
「ヘミと似てないか?」と小声でささやいた。
サムドンは「かなり似てるな。」と言って ビョンジクを振り返る。
すると そのヘミの父はいびきをかきながら
サムドンのベッドで もう寝ているのだった。
グクは思わず笑うのだが、すぐに真面目な顔になって
「ヘミはデビューせずに アメリカへ行くのか?」と 寂しそうに
サムドンに言うのだった。しかしサムドンは 答えられない。
「行くんだろうな。」なんて そんなことは
口が裂けても言いたくないサムドン。
そして・・・「ヘミは 自分の傍を離れないでほしい!!」という
本心を ここではグクに 言えないサムドンでもあった。
その晩、ヘミが憂鬱そうな顔で 階段を上がっていると
1階に降りようとしていたグクと 階段の途中で
偶然に 2人は顔を合わせた。ヘミのほうから
「ごめんね。パパのせいで不便でしょ。」と声をかけた。
グクは 優しく「いいや。」と言い、そして
「お前、アメリカへ行くのか?」
と ヘミに直接、聞きたかった質問をした。
するとヘミは 微笑みながら言うのだ。
「勿論よ!パパと一緒に行かなくちゃ。
行って、ジュリアードにも挑戦するわ。」
すると「また声楽をするのか?」とグクが聞く。
ヘミは 微笑んだまま
「当然でしょ!私の本当の夢だもの。再開しなきゃ。」と言った。
そして、2階へと グクを背にして登って行った。
しかし、この時 ヘミは内心、グクに引きとめて欲しかった。
”自分の傍にいろ!”そう言ってほしかったのだと思う。
そうすれば、サムドンに揺れている気持ちが 収まる気がしたし
ここに残りたいという気持ちにも 拍車がかかる気がした。
階段を2段ほど上がったところで グクがヘミの手を引っ張った。
期待したヘミが振り返ると グクは手を握ったまま
優しく微笑んだ顔で言った。「祝ってやるべきだよな。」
その言葉に反応して「そうよ。本当に 凄く良かったわ!」
と言って、自分の手を握るグクの右手を 自ら両手で握り返すヘミ。
まるで2人は おめでたくて 祝福の握手をしたような形になった。
「マ社長には カン先生が話すよね。」ヘミはそう言って
グクに背を向けて とぼとぼと階段を上ってゆく。
グクは少し寂しそうな顔をするのだが、背後のヘミには分からない。
2階の自分の部屋に戻ったヘミは ドアを閉めると溜息をついて
机の上のハヤン企画との専属契約書を手に取って 見つめた。
せっかくグクやサムドンと一緒に プロデビューが決まったのに
ヘミの歌手デビューの道は 儚く消えてしまうのだ。
しかし、以前の夢・・・声楽家への道は 開けた。
グクは 自分のアメリカ行きを 祝ってくれた。
壁に飾ったソプラノ歌手”スミ・ジョー”のポスターが
ヘミの視野に飛び込んでくる。・・・私の夢・・・??
やっぱり、私は声楽家になりたいのだろうか?
”スミ・ジョー”は 私の憧れだったはず・・・。
ヘミが彼女のポスターを見つめて 自分の未来を考えていると
背中のドアを そっとノックする音がした。
「寝てるか?」その声は サムドンだった。
ヘミのことが気になって眠れなかったサムドンは
どうしても自分の気持ちを伝えたくて ヘミの部屋の外にいた。
(このシーンは サムドンのまっすぐな性格が良く出ている。)
サムドンは 扉の向こうのヘミに 切々と自分の想いを口にする。
「どうしても・・・行かなくちゃダメなのか?
このまま ここにいてくれないか?」
そう言うと サムドンは扉にもたれかかって
まるで独り言のように ヘミにつぶやくのだった。
「お前に救われ お前を追いかけて、ここまで来たのに
お前がいなくなったら いったい俺はどうなるんだ?」
その言葉を ヘミも扉にもたれかかって聞いていた。
ヘミは サムドンの気持ちが痛いほど分かった。
そしてそんなサムドンが やっぱり自分は大好きなんだと思った。
サムドンの気持ちが ヘミは嬉しくて・・・でも、辛かった。
私もあなたと一緒にいたい・・・そう言えない自分がいたのだ。
自分の夢や希望が この時のヘミには まだ不確かだったから。
*****************************
さて、この15話では グクとサムドンは
対照的な態度で ヘミに接します。
ヘミの幸せを一番に考えられる 器の大きな男、グクと
ヘミ一途で 自分の気持ちにまっすぐな 誠実な男、サムドン。
あなたなら どちらの男がお好みでしょうか??
そして ヘミは これからどうするんでしょう??
今回、またまた詳しく書き過ぎて・・・
まだまだ15話は続きます(;一_一) 頑張ってついて来てね!!
ドリームハイ☆第14話No.4
楽しく盛り上がっていたのを見て 不安になったグクは
1人、部屋に戻って ベッドで考え事をしていた。
そこへ「お兄ちゃん。」と ヘミの妹のヘソンがやって来る。
ヘソンは グクからプレゼントされた帽子を家の中でも被っていた。
「何を考えてるの?」と グクのことが大好きなヘソンが聞いた。
グクは笑うのだが「何か悩みでも??相談に乗るわよ!」とヘソン。
(本当にヘソンは ませている!!)
そう言われて グクは「ヘソンなら いつも一緒にいる人と
たまにしか会えない人、どっちが好きだ?」とストレートに質問する。
(グクは ヘミがサムドンに向ける微笑みに 心が乱れていた!!
それほど サムドンと会話するヘミの表情は
明るく、可愛いかったからなのだろう。)
するとヘソンは当然のように「いつも一緒にいる人よ!」と言った。
グクは その答えが気にいらず「おい。その帽子返せ!」
ヘソンに自分があげた帽子を脱がせようとする。
「間違ったこと言った?」と慌てるヘソン。グクは冷静になって
「当然だよな。・・・ムカツクくらい。」とうなだれる。
それを見て、ヘソンは「例を挙げて質問してよ。」と言う。
「ヘソンは 俺とサムドンと どっちが好きだ?
俺がいない間も サムドンとは一緒だったろ?」と
またまた 超ストレートな質問をするグク。 (爆)
「お兄ちゃんとサムドン?」と ヘソンは少し考えてから
グクに 耳を貸してと手招きをする。
グクが耳をヘソンに近づけると おませなヘソンは
グクの頬っぺたに キスをして逃げるのだった。
「おい!」と言うグクは まんざらでもなく微笑むが
それでも、ヘソンが自分を好きでも ヘミ本人ではないので
やっぱり溜息をついて ベッドに仰向けに倒れるのだった。
翌日。キリン芸高の職員室に ピルスクとジェイソンが
2人仲良く「エントリーシートです!」と言って コン先生に
オーディションの申込書を 仲間の分も含めて6人分を提出した。
「あのオーディションに 参加するのか?」驚くコン先生。
「映像の締め切りはいつですか?」とジェイソンが逆に尋ねると
メン先生が「EMGのホームページに上げればいいわ。」と言った。
「分かりました。」と声を揃えて言う ピルスクとジェイソン。
その様子を オヒョクは2階から眺めて 微笑んでいた。
(この学校の設計は面白い!!職員室まで2階から眺められる!)
そのピルスクとジェイソンの恋人同士は
とある美術館のような洋館に ビデオ撮影に来ていた。
ピルスクが気に入って 見つけて来た建物らしい。
「カラオケの映像みたいになる。」と言うジェイソンだが
「そう?メキシコに来たみたいじゃない?」と嬉しそうなピルスク。
その様子に本当はその場所がイマイチだと思うのだが
「お前がいいなら それでいい。」と言う優しいジェイソンだった。
そして そのメキシコ風の洋館で、ジェイソンとピルスクは
自分たちのイメージビデオを撮影し合った。
ジェイソンは 音楽に合わせてダンスを披露し
ピルスクは 得意のギターの弾き語りをした。
一方、サムドンは 地下の隠れ家で カメラを固定し
過去の自分の写真で等親パネルを作り ビデオを撮影していた。
1年前の肥料袋の衣装を着た 田舎者のサムドンのパネルが現れ
次に ダサいジャンパーを着た もじゃもじゃヘアのサムドンの
等親パネルが「森のサム。動かすドン・・・
森を動かす男、ソン・サムドンです!!」と叫んだ。そして
「これは1年前の僕の姿です。」と声がして パネルが変わり
修学旅行の頃のサムドンの姿が現れ
「そして これは少し前の姿、貴公子風です。」とサムドン。
(自分で貴公子とは良く言うなぁ!笑)
「そして 今は・・・」と声がして その貴公子が倒れ
実物のサムドンが現れて 「こう変わりました。」と言った。
そして更に「この先、どれだけカッコ良くなるのでしょうか?
3カ国語じゃありませんが、バイリンガルです。
慶尚道の方言がネガティブで、標準語も話せます。」
そう言って サムドンは標準語で言うのだ。
「こんにちは。ソン・サムドンです。応援してください。」
サムドンは そう自己紹介して微笑んだ。 (もう漫画だ!爆)
グクはジェイソンにカメラを撮影してもらって
学校の教室で 得意のダンスを披露している。
しかし、グクの動きが速すぎて なかなかカメラが追いつかない。
何度も何度も 撮影し直して、疲れるジェイソンだが
グクは疲れを見せずに キレの良いダンスを踊り続けるので
ジェイソンは堪らず「ごめん。」と言って 逃げてゆく。 (笑)
ヘミはピルスクに カメラで撮影してもらっている。
「私には夢があります。夢を信じます。」
無表情で ぶっきらぼうに話す制服姿のヘミ。
そしてガラッと私服姿に変わり ヘミは可愛い笑顔で
「こんにちは。コ・ヘミです。さっきの映像は1年前の私。
無表情で感情もゼロです。だけど、今は こんなに変わりました。
では 歌を・・・。」と そこまでブリブリっ子で言って
急に、恥ずかしくなって「こんなの出来ない!!」ヘミは頭を抱える。
「そうね。撮り直しね。」と、引きつって笑うピルスクだった。(笑)
片や、ベクヒは1人で カメラを固定して撮影していた。
カメラに向かって 背筋を伸ばして自己紹介している。
「ユン・ベクヒです。別名K嬢です。
不祥事で イメージが壊れてしまいました。
だから、他の人より必死です。それが最大の強みかもしれません。
今は烙印のように思える別名のK嬢も、いつかスターの代名詞と
言われるように 頑張ります!よろしくお願いします!!」
そう明るく ベクヒは挨拶した。
そのビデオをPCで見ている マ社長と部下がいた。
マ社長の部下はベクヒの自己紹介を見て 涙ぐんだ。
PCを閉じて マ社長は「これは何ですか?」と
目の前のオヒョクに尋ねた。そう、そこはマ社長のプロダクション。
オヒョクは 自分の足でマ社長のハヤン企画に出向いて
6人が作成したビデオを マ社長に見せたのだ。
「EMGのオーディションに送るサンプル映像です。」
オヒョクが言い、「それを何で私に?」と言うマ社長に
「応募したのは 全校で この6人だけです。
なぜでしょうか?条件が難しいからです。
オリジナル曲を使った映像で 可能性を示せとか
3ヶ国語が出来るとか 受賞経歴が10個以上とか。」
そう説明するオヒョクに マ社長の部下が
「ハードルが高すぎますよ!」と 驚いた。
「だから みんなはあきらめました。
ところが、この6人は 無謀にも挑戦しました。
要するに・・・根性では この6人がトップです。
勿論、欠点もある。だからこそ、成長するんです!」
熱く語るオヒョクに 部下が反応して感動した。
「欠点を補おうと 努力するから・・・
私やマ社長と同じように!!」そう言う オヒョクに
マ社長の睨んでいた顔が ようやく緩んで
「またもや やられた!その口車に!!」と言うのだった。
それを聞いて オヒョクは満面の笑みを浮かべる。
「契約書を刷れ!」と 部下にマ社長が命令して
部下が急いで ベクヒ、グク、サムドンの契約書を作成する。
「後悔はさせません!!」と自信を持って宣言するオヒョク。
こうして オヒョクの説得で、ベクヒ達3人は
マ社長のハヤン企画と契約を結ぶことになったのだ。
キリン芸高では ギョンジンがPCニュースで
”K嬢 所属事務所決まらず”という記事を目にして 胸が詰まり
PCを閉じて 泣きそうになっていた。 そこへ「シ先生!!」と
大声で叫んで ジンマンが走ってやって来る。
「頭に響くから 小さな声で話して!」と ギョンジン。
するとジンマンが 息を切らせながら言うのだった。
「ベクヒ、グクとサムドンが ハヤン企画と契約しました。」
それを聞いて、大きな目を見開いて驚くギョンジンに
「オヒョクが マ社長を説得したんです。」とジンマンが言う。
「本当?本当なのね?」と ギョンジンは立ち上がって
ジンマンの手を 思わず握って喜んだ。
「本人から聞きました。」と言うジンマンは
ギョンジンに手を握られて 嬉しさ倍増だった!! (笑)
「良かった!!」と 涙をためて喜ぶギョンジンは
「カン先生はどこですか?」と ジンマンに尋ねた。
「講堂にいます。」とジンマンが答えると ギョンジンは
ジンマンの手をパッと放して、慌ててオヒョクの元へ駆けて行く。
残されたジンマンは ギョンジンの心がオヒョクに向いていると知って
深くうなだれるのだった。 (可哀そうに!!!笑)
ギョンジンは 講堂へ走った。オヒョクが3人のために 必死で
マ社長を説得してくれたことが嬉しかった。やっぱり好き!そう思った。
ギョンジンが向かう講堂では
「ええ。契約書を渡しました。」と オヒョクはマ社長に電話をしている。
「それで・・・ジェイソンもハヤン企画と契約したいそうですが?
・・・うまくまとまりましたね。」オヒョクは笑った。
結局、6人ともすべて ハヤン企画が面倒見ることになったのだ。
オヒョクが電話を切ると 「カン先生!!」とギョンジンの声がして
振り返ると ギョンジンがオヒョクの胸に飛び込んできた。
オヒョクに抱きついて「カン先生!!凄く嬉しい!!本当に嬉しい!!」
ギョンジンは 幸せの涙をこぼすのだった。
オヒョクは戸惑いながらも 嬉しくてギョンジンの背中をトントンと
優しく叩くのだった。それを 2階の校長室から校長が見つけた。
ギョンジンがオヒョクに抱きついている その周りを学生が囲みだした。
校長は驚き、焦って「ギョンジン。ダメだ!!その男はダメだ!!
離れなさい!!」 と怒って叫ぶのだが、2人には届かない。
2人を囃し立てる学生の声に 校長の声はかき消されたからだ。
そして 学生が祝福する2人を 悲しそうに見つめる姿があった。
ジンマンだった。ジンマンはギョンジンが自分を好きだと
ずっと勘違いしていたから・・・本当にショックだったのだ。 (笑)
それと同じ昼間の時間、オヒョクの家の電話が鳴った。
ヘソンが取れば「もしもし、ヘソンか?」と言う父の声。
「パパ!!」と大声をあげるヘソンがいた。
場面はキリン芸高に戻る。
ギョンジンの本心を知って、放心状態のジンマンに
ヘミが驚いて「どうかしたの?」と尋ねた。
ジンマンは「知ってるか?」とヘミに聞く。「何を?」とヘミ。
「サムドンとグクが ハヤン企画と契約したぞ。」とジンマン。
すると ヘミもジンマンの手を握って「本当?」と興奮して聞いた。
「オヒョクが説得した。」と 戸惑いながらジンマンが言う。
ヘミは心から「良かったわ!!」と言って ジンマンの手を
強く握るのだった。「だろ?」と嬉しそうに握り返すジンマン。
するとヘミは 誰かの元へ 走って去ろうとした。
ジンマンは そんなヘミの手を放さずに「どこへ行くんだ?」
と悲しそうに聞く。そう言われてヘミは
「どこって 勿論・・・」そう言いかけて ハッと自分に驚いた。
「グクのところか?サムドンか?」と聞くジンマン。
ヘミは 頭に1番に浮かんだ顔に 自分自身で驚いていたのだ。
ジンマンの質問にヘミは「勿論・・・」
そう言って それから言葉が出なかった。
「なんだ。俺じゃないのか!」と ジンマンは またまた不貞腐れて
ヘミの元から 自分から去って行った。
1人残されたヘミは 呆然としている。
ヘミは自分とピルスクの会話を 思い出していた。
「好きだって どうやって気づいたの?」
「彼のことを考えてた時ね。
嬉しい時も 寂しい時も 真っ先に浮かぶの。
いつも傍にいてほしい。そんな感じかな。」
ヘミがさっき 真っ先に「おめでとう!」と言いたかったのは
サムドンだった。付き合ってるグクではなく、サムドンだったのだ!
”どうしよう。”ヘミは 初めて 自分の気持ちに気がついて
悩んでしまう。あれほどサムドンのことが心配だったのは
サムドンが 自分の体の一部のような存在で
無くてはならない 大切な人だったから・・・。
”じゃあ グクは?キスまで交わした グクはどうなるの??”
そう思うヘミは「どうしたらいい??」そう、つぶやいた。すると!!
オヒョクに連れられて サムドンがグクと笑いながら廊下を歩いて来た。
ハヤン企画と契約できて 3人とも嬉しそうに話しながら歩いている。
ヘミは思わず、廊下の扉に隠れた。そしてそのドアにはめ込まれた
ガラスから サムドンをじっと眺めた。
グクと楽しそうに話すサムドンを見て ヘミの鼓動は早くなる。
ドキドキ・・・ヘミのハートは サムドンにときめくのだ。
ヘミは「どうしちゃったの?」と ドアに頭をもたれかけた。
まさか、サムドンを好きになるなんて・・・
予想もしていなかった展開に 戸惑うヘミは
いつまでも そこから動けなかった。
******************************
サムドンを好きだと 自分の気持ちに やっと気がついたヘミ。
ここで第14話は やっと終了です!!
連休の間に この第14話をUPしようと思っていたのに・・・
ブロコリの緊急メンテネンスで 遅くなりました。あしからず!
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