10日間の出来事 ②
先日、社会人一年生の息子が 初月給をもらってきた。
この初月給で おばあちゃんに プレゼントをすると張り切っている。
さて、さて 彼は一体 何をプレゼントするつもりなのか・・。
うちのおばあちゃん、 年こそ70歳を超えているが 気持はピチピチギャルなのだ。
おしゃれにもちょっと うるさい! 何しろ、辛気臭いものが大嫌い!
華やかな場所が大好きで、日々 ダンスにカラオケに旅行にと忙しい。
息子は、デパートを巡り ブランド物を探したが、 お気に召すものはない。
(その様子を横目に見ながら、この息子は一体 いくらの予算を組んでいるのかと
少々、心配になったりする)
息子曰く、 おばあちゃんにあげるんだから、誰でも知ってるブランドでないといけない。
地味なものは、だめだ。 (今まで散々、お小遣いをもらい続けた息子。
精一杯のお礼をしたいらしい)
とうとう、デパートでは見つけられず 巨大アウトレットまで探しに行くことになった。
翌日、夫と私・そして犬を乗せて ドライブとなった。
息子は、快調に車を進めるが 気が付けばずーっと 追い越し車線を 通っている。
私は心配になり、
『ねえ~、左に入ったら? ずーっと追い越し車線はまずいよ!』
『ねえ~、この辺は覆面パトカーがいっぱいだよ、毎週TVで高速警察隊でやってるよ!』
『ねえ~。 ねえ~・・』
そういい終わるか、終わらぬかの間に ピーポーの音と共に白い車が・・
『運転手さん、この車の後について来てください!』
私の心臓はドキドキ・・ (だから言ったじゃない!!)
車が止まったところで、満面に笑みをたたえたおまわりさん。
『運転手さん、違反ですよ~。 前のパトカーに乗ってください』
息子も笑みをたたえて (どう見ても 引きつった、無理やりの笑みだった)
『すいませんでした~』
前のパトカーの中で、どのような会話がなされているのかは、知らないが・・
『ねえ~パパ、どうしよう・・』
『いいんだよ! 親があれほど注意しても聞かなかなかったんだから。
ここでしっかり警察官に説教してもらったほうが、今後のためになるんだよ』
『そうね! 事故を起こしてからじゃ どうしようもないよね。
今日、ここで捕まったことを感謝しましょう』
結果、罰金と指紋を取られ、息子はショックを受け ヘナヘナ状態。
(これで、この息子も 今後は安全運転をするでしょう)
そのあとは、動揺を隠しきれない息子に代わって 夫の運転になった。
そうしている間に、アウトレットに着いた。
さあ、気を取り直して おばあちゃんへのプレゼント探し。
あっちのブランド。 こっちのブランドと巡り、
『これがいいんじゃない?』 『これが、素敵なんじゃない?』
私のどの提案にも、息子の答えはNO !
(私が選ぶものは、どうも定番ばかりで 地味で面白みがないらしい・・)
息子が目を輝かせて 『これにする!』
彼が選んだものは、なんと Christian Dior の バック!
例のディオール柄の生地に オレンジ色の皮でコラボした超派手可愛いバッグ!
『ええ~? これを おばあちゃんに? ちょっと、派手じゃない?』
『いいんだよ! あのおばあちゃんなら、この位 使いこなすさ!』
もう、息子の目の輝きから反対しても 無駄そうなので・・
そして、母の驚きながら喜んでいる姿を想像し・・ プレゼントは決定した。
息子は、自分のクレジットカードを出し 颯爽とサインをしている。
それを眺めながら・・ なんとも 眩しいような思いと
大人になったんだな~との感慨と 自分から巣立っていくのを感じ
胸がいっぱいになった。
その息子は、後日 夫と私には フランス料理をご馳走してくれた。
事前に予約されたお料理には、
英語とフランス語で ‘25年間 ありがとう’ と 書かれていた。
いつもは、神経が繊細で 扱いづらい息子。 10年以上の単身赴任生活で 母と子で親子というよりも 親友のような 戦友のような 生活をしてきたけれど、ちゃんと育ってくれたんだと 心から 嬉しく思った。 そして、これからの息子の人生が 輝いてくれることを心から願った。

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