2007-09-24 19:12:56.0
テーマ:ひとりごと カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

チュンサンとタムドクに見るもの(一部ネタバレ?)

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急に思いついて、『冬のソナタ』を観にひとり映画館に出かけた。
いつものようになじみの深い音楽、大スクリーンいっぱいに広がる雪景色と若い恋人たち。
すぐに引き込まれた。
同じように『ホテリアー』を大スクリーンで観たときの感動とはまったく違う種類のものが、むくむくと沸き起こった。
まるで、魂の底から揺さぶられているような気がした。


 『僕のお父さんはだれ?』
 ご存知、1話に出てくる、母ミヒへのチュンサンの問いかけである。
その真剣なまなざしに、若者らしい苦悩の深さが十分うかがえるのに、何もかもわかってるはずの母は、亡くなったのよ、としか答えようとしない。

父らしき人の姿を追い求める中で出会ったユジン。
思いがけなくも見つけた初恋。
それは、まだ運命の出会いなどと知るはずもない、あわいものではあったけれど、
彼の中にくっきりとあざやかなものを残す。
同じように、ユジンの中にも。

やがて訪れるいくつかの悲劇のあとで、ともかくもひとつの結論が出ることになるのだが、それはまだ遠い先のことだ。
冬景色の透明な空気の中で展開する、ふたりのしあわせな、思い出深い、いくつもの美しいシーン・・。

 それでも、運命は不可思議な仕掛けを用意する。
その流れの中で、彼、チュンサンは問いかける。
『僕のお父さんはだれ?』と。

そして、それは、若い彼の、自分自身への問いかけでもある。
『僕は何者なのか?』という・・・。

 

 チュンサンと同じ年頃のタムドクもまた、心の中に葛藤を抱えている。
 チュンサンとは異なり、タムドクの側にいるのは王である父だ。
その父に、幼いころからかたく命じられていることが、彼にはある。
王たる証である出生の秘密も秀でた能力も、すべてを封印して弱き者としてふるまえ、と。

 それは、息子の命を守るという愛情のためだけでなく、現王としての使命感から生まれたものである。
言い伝えの通り、この息子が選ばれた者であるなら、国のために何としてでも王位につけなければという・・・。

 だが、この父には、息子の心の中のさびしさまで見て取る余裕はない。
父のこの言葉は、タムドクの手足を縛めるものでしかない。
だから、タムドクは微笑むしかない。


 実は、彼にはわかっている。
この王宮には、自分の本当の姿を理解している人間がひとりもいないのだと。

たったひとりの友達だったホゲは、王位をめぐる争いから敵対する関係になってしまった。
幼いころから身近な存在だったキハは、なぜかはわからないが、消極的な反応しか見せない。
武道の師である将軍は、打ち解けて話をするという存在にはなりえない・・・。


自分のもって生まれた力を外に向かって示すことの許されない彼、タムドク。

孤独な王子は、城を抜け出して市井の人々に交わることで、さびしさを紛らわせるようになる。
猥雑で雑多な人々が行き交う場所、命のやりとりなど日常茶飯事な世界。
でも、少なくともそこには本音で生きている人々の暮らしが確かにある。

そして、そこで、運命に導かれるように、タムドクもまたスジニに出会う・・・。


その過程で、タムドクもまた、『自分とは何者か?』ということを繰り返し問いかけているのではないか。
今までも、これからも。


そして、チュンサンとは異なる方法で、見事、タムドクは彼らしい決着をつけるのだと思う。
父による縛めを自らの手で解き放ち、その向こう側に大王としてゆくという選択を・・・。

 

大スクリーンに映し出されたチュンサンの姿の中にタムドクを見たのは、『目がねなし』という点が共通で、その面差しが似ていたからにほかならない。
だから、たとえば、ウォンを、ドンヒョクを、チャヌを思い起こしてみれば、どの若者も自分が何者なのかということを繰り返し問いかけていたのだという気がする。


思えば、ぺ・ヨンジュンという俳優は、自分自身にもそんなことを問いかけながら、ずっとそれぞれのキャラを演じようとしているのかもしれない。

 

 映画館を出てからふらりと立ち寄ったカフェで飲んだオレンジジュースは、果汁100パーセントだとのことだった。
最初から最後まで引き込まれるように観た映画のあとだったからか、または、チュンサンという若者のみずみずしい感性に触れたせいか、そのフレッシュな色も香も、まさしく混じりけのない南カリフォルニアの果実そのものだった。


 たぶん、ぺ・ヨンジュンという俳優も・・・。



[コメント]

1.Re:チュンサンとタムドクに見るもの(一部ネタバレ?)

2007-09-24 20:31:32.0 やしち

青様、タムトクのキハに向けての言葉の意味を知った時、 私も同じような想いが心の中をよぎりましたが、青様のようにきちんと言葉に表せる能力もなく・・・・ 【自分が何者なのか?】 タムトクやチュンサンの年代の頃は少なからず悩むものだと思います。 それが何かはわからなくても・・ 自分にしか出来ない事、自分以外の人でも出来るけれど、自分もやってみたい事を見つけ出す時期なのでしょうね。 でもそれにきちんと向き合う人と向き合えない人がいるとも思えます。 きちんと向き合うというのは、ある意味、辛いものでもありますね。 ヨンジュンさんは、そういう辛い事でも、きちんと向かっていける、何にしても流されたりしない、本当に大切な事が何かをわかっている人だと思います。 青様の文を読んでますます彼が好きになりました。 私も、もうすぐ大画面のチュンサンに会えます。 今から期待で胸が一杯です♪


2.Re:チュンサンとタムドクに見るもの(一部ネタバレ?)

2007-09-24 20:55:04.0 浪速の雪

青様、こんばんは。そうですよね~ェ、ウリ ヨンジュン氏はチュンサンよりもタンドクよりも実年齢は上ですが はるかにフレッシュー若いですよね 作品毎に 年を重ねるたびに 若くなって羨ましい限りです  ウリ ヨンジュン氏が始動するまでにこちらも 鍛えなければーナニヲ   28日のタンドク始動もとても気になりますね  これから王位を即位するまでの紆余曲折のドラマをどのような凛々しく美しい姿で見せてくれるか とても楽しみですね  ^^


3.Re:チュンサンとタムドクに見るもの(一部ネタバレ?)

2007-09-24 20:55:34.0 かれん

天の青様、チュンサン大好きの私です。もうすぐ大画面で逢えます。タムドクもやはり自分探しに悩むのですね。いつも自分と真っ直ぐに向き合っているヨンジュンさんと繋がるものがあるのですね。タムトクを通じて冬ソナとは違った青春の痛みを感じる事が出来そうですね。人間の中にあるいろいろな情感を感じながらドラマ楽しみたいと思っております。 青様、また素敵なお話、お願いします。


4.Re:チュンサンとタムドクに見るもの(一部ネタバレ?)

2007-09-24 21:10:47.0 runri

天の青さま、こんばんは~(^0^)/ 今日は久しぶりに天の青さまに会えると思ってましたよ^^ 感受性豊かな時期に自分探しをしなければならない共通点がチュンサンとタクドクの共通点なのですね(ฺ-ω-)ゥンゥン 片や17歳で遊郭で遊んでますけど、いいんですかねぇ~(--;) お母さんがいると角が出てますよねΨ(`△´)Ψ 天の青さま、9月28日は何か起こるんでしょうか((*゜д゜*)) 公式登録が10月末まで一旦ストップされるのも気になりますねο(‘v‘)ο~♪ワクワク♡


5.Re:チュンサンとタムドクに見るもの(一部ネタバレ?)

2007-09-24 21:47:15.0 yonyon50

お帰りなさい、チュンサン堪能してきました? 自分は誰?誰でも1度はそんな悩みを抱えて苦悩しるでしょう。でもいつか知らず、自分はコウなんだと折り合いをてけて暮らしている。でもjoonは今でも、自分は?俳優と言う職業に付いているが、果たして・・日々悩みながらそれでも、俳優と言う仕事が好きで、皆で協力して一つのことを成し遂げることに喜びを感じ、家族に会いたいと願う。 2年近くタムドクと格闘してきたjoonにとって、自国での評判の良いことがどれ程嬉しいことでしょう。想像をはるかに超えたタムドクの美しさ、力強さ、可愛らしさに『もうどうにでもして!』状態です。日本で放送された暁は、タムドク廃人急増間違いなし!ですね。


6.Re:チュンサンとタムドクに見るもの(一部ネタバレ?)

2007-09-24 22:46:28.0 天の青

やしちさん、ありがとう。やっぱりチュンサン命のあなたに読んでほしかったの。そうなんです、チュンサンを見たとき、同じように苦悩を抱えているタムドクを思いました。でも、その現れ方は、なんと違っていることでしょう!それは、やっぱり王であるか否かの違いなんでしょうね。そして、ヨンジュンさんもそういう意味では、『王道』を行くでしょう!あら、ちょっと意味が違ったかな?ともかく、やしちさん、大画面チュンサン、たのしみですね。


7.Re:チュンサンとタムドクに見るもの(一部ネタバレ?)

2007-09-24 22:52:55.0 天の青

浪速の雪さん、重複していたコメントを削除させていただきました。う~む、確かにヨンジュンさん、若返ってますね。なんででしょう???これじゃあ、こっちの身がもちません(笑)。28日の『タムドク始動』、気になりますね。やっぱり期待はファンミ、でも実際は・・、ってことでしょうね。


8.Re:チュンサンとタムドクに見るもの(一部ネタバレ?)

2007-09-24 23:05:56.0 天の青

かれんさん、あなたもチュンサン大好きなんですね。私は今日が大画面チュンサン初めてだったんですけど、いや~、あらためて冬ソナとはこういうドラマだったのかと、そのおそろしさ(?)を再認識しました。やっぱり、そういうことをちゃんと心に留めて、出かけるべきです、はい。そして、タムドクですけど、単なるファンタジーの枠を超えて、そこまで見ていきたいと思っています。彼の熱演に答える意味でもね。


9.Re:チュンサンとタムドクに見るもの(一部ネタバレ?)

2007-09-24 23:08:46.0 天の青

runriさん、はい、しつれいしました。タムドク君、確かに遊郭で遊んでるみたいですね。でも、将来の大物ってことで、ここはひとつ大目にみていただけないでしょうか、このわたくしに免じて・・。なんで、私がタムドクをかばっているのかわからないけど、ともかく、そんなきれいな微笑みを浮かべているじゃありませんか。あの遊郭の上からも。


10.Re:チュンサンとタムドクに見るもの(一部ネタバレ?)

2007-09-24 23:11:37.0 天の青

yonyonさん、チュンサン、堪能してきました。やっぱりヨンジュンさんはタダモノではないことも、実感してきました。それで、あのチュンサンとこのタムドクと、それからヨンジュンさんの中に流れるものに、何か同じものを見てしまったのでした。きっと、人生に対する真摯な姿勢とか、そういうものなんだと思います。


11.Re:チュンサンとタムドクに見るもの(一部ネタバレ?)

2007-09-26 05:56:16.0 シャララ

おはようございます。私もネタバレです。先日、友達が作った冬ソナダイジェスト(正確にはチュンサン&ミニョンさんしか登場しない)版をみていて、時々、タムドクを思い出さしていました。昨年、最初に公表された写真を見たとき、単純にチュンサンみたいで良いわ~と思っていましたが、天の青さんのお話のようにタムドクとチュンサンに共通するものは、その外見だけではなかったようです。「カッチ・・」と呟くシーンは忘れられません。今までのヨンジュンの作品で彼らのトリコになった私には、沢山の人物が一人の中にミックスされているようで、タムドクはとても魅力的です。一言では語れない多種多様な魅力を兼ね備えていながら、新たな魅力も持ち合わせてうみだされた、タムドクにまた、恋をしています。<思えば、ぺ・ヨンジュンという俳優は、自分自身にもそんなことを問いかけながら、ずっとそれぞれのキャラを演じようとしているのかもしれない>。ヨンジュンに確認したことはないけれど、私もいつもそう感じています。ペ ヨンジュンが演じたから・・・という想いにいつも辿り着くのです。私の街にもチュンサンがやってくる事になりました^^。


12.Re:チュンサンとタムドクに見るもの(一部ネタバレ?)

2007-09-26 23:52:00.0 天の青

シャララさん、こんばんは~。お返事遅くなってごめんなさい。タムドクを見ていました。今夜は出番が少なかったけど、これからの展開の重要なシーンなんでしょうね。言葉がわからないだけにもどかしい気持ちになりますが、話がタムドクを中心に動いていってるのだけはわかりました。ドラマが進むにつれ、この王子の魅力が深くなっていくように思えます。それはシャララさんがおっしゃっているように、沢山の人物がミックスされて新しい魅力を生み出しているのだろうと思います。それもこれも、彼、ヨンジュンが演じているからなんですよね。ああ、明日の展開が気になります。どうなっちゃうんでしょう。


13.Re:チュンサンとタムドクに見るもの(一部ネタバレ?)

2007-09-28 22:24:22.0 sarah

天の青さま、こんばんは。 セリフの意味がわかると、この作品を一言では言い表せなくなりますね。とても奥の深い作品です。 「私は何者か」というのは人類の初めての疑問で、哲学の名の下にあらゆる方法で答えを探してきたけれど、永遠に答えはわからないのかもしれません。 「王宮の中に一緒に笑い合う人がいないという現実」に、ペ・ヨンジュンの置かれている立場を想いました。韓国の国民であり俳優・実業家、そして日本でのあまりにも大きな存在。 でも彼は今までそうしてきたように、これからも自分を信じてまっすぐ歩いていくのでしょう。彼が歩いていく先に何があるのか、ぜひ見届けたいと思います。ペ・ヨンジュンはこのように思った初めての俳優です。そして最後の俳優かもしれません(私の中では、もう俳優という括りではなくなっていますが)。そして、タムドク王子の横顔の美しいこと・・・。まだ大人の穢れを知らない少年としか思えません。ペ・ヨンジュンの生き様が表れているようです。


14.Re:チュンサンとタムドクに見るもの(一部ネタバレ?)

2007-09-29 21:02:50.0 天の青

sarahさん、こんばんは。お返事が遅くなってごめんなさい。久しぶりに金銀を見ていたんですけど、『タムトクはヨンジュンさんそのものですよ。』などというスタッフの方のコメントに、思わずやっぱりそうなのね、と膝をたたいてしまいました。その方がそういった根拠はいろいろあるのでしょうが、生まれながらにしてもっているすぐれた資質を、周囲の思惑や誤解からなかなか認めてもらえないことも、そのひとつにあるような気がします。そんなとき、人は『私は何者か?』と問うたりするのでしょう。そうそう、古代ギリシアの哲学もそこから始まったんですね。ヨンジュンもきっと、自分自身は何かということを問いかけながら俳優という仕事にまい進してるのだと思います。ありがとうございました。


 
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