15話のないしょ話(ねたばれあり)
☆15話を最初にライブで見たとき、私はちょっと気になる箇所がありました。
①チュムチがチョロに倒されてしまっても、なぜタムドクはそれを傍観していたのか。
②タムドクは、チョロがスジニを連れ去るのを、なぜ見過ごしたのか。
どうしてなのよ、タムドク様!
ひとことで言うなら、私の中のヒーロー像が壊れそうになって、悲鳴を上げていたのです。
いくら王様で、立場が太子のときとは違うからと言っても・・・、と。
でも、もう一度15話を見直してみると、彼の微妙な表情の変化に気がついたのです。
それは、タムドクとチョロの間に流れる不思議な感覚、青龍の神物がつなぐ本能的なものだったのだと思うのです。
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「タムドク様、あの仮面をつけて出てきた方、かっこいいですね~♪」
「ふん、そなたは、ああいうタイプが好みなのか・・・。」
「あ、もちろん、いちばんかっこいいのはタムドク様ですけど。
でも、ほら、あの方、長い槍を頭の上でぶんぶんふりまわしちゃって・・。
タムドク様の一のご家来の、ほら、おかしな髪型した方、かんたんにやられちゃって・・・、うふふふふ・・・。」
「・・・たのしそうだな。」
「あ、そういう意味じゃないですよ、
私はいつでもタムドク様の味方なんだから。
・ ・・でも、タムドク様、ご家来がやられちゃってるのに、
何も言わないで、じい~っと、あの仮面の方をにらんでいらしたでしょう?
あれって、あの方があまりにも強くて、こわくてふるえていたわけじゃないですよね?」
「はははは・・・」
「その後も、ほら、あの若い方が連れ去られたときも、あとを追いかけて助けにいらっしゃるのかと思ったら、途中でおやめになって・・・。」
「はははは・・・・、
私はいつでも正義のヒーローじゃないといけないのか?」
「それは、もちろん、そうですわ、王様であっても、やっぱり。
私のタムドク様は、ああいうとき一番に駆けつけて悪者をやっつける方でないと・・。」
「そうだな、そうすべきだったかもしれない。
だが、あのとき、
・・・あの不思議なワザを見たとき、
私には、あの仮面の男が、・・・チョロというのだが、
あいつが敵だとはどうしても思えなかったのだ。
そなたはおかしいと思うかもしれないが、この世に生まれる前から、
私とあいつの中には、何か深いかかわりがあるような気がしたのだ。」
「まあ、タムドク様、
それは、本当ですの?!
だから、あのお若い方を、あの仮面の方が連れ去っても危険はないって、
そう思われたんですの?」
「いや、正直言うと、そこまでは自信がなかった。
だが、あいつが彼女を連れて逃げるとは思わなかったのだ。
だから、ちょっとあわてたのだ。
が、追いかけるわけにもいかなかった。
私は王だ、付き従う家来たちのことを考えねばならぬ。
傷ついて倒れている者たちも、それから、
遠巻きにしてどうしようかと成り行きを見守っている者たちもいる。」
「それも、そうですわね。
・・それで、皆様を高句麗に帰るように命じておいて、
夜、おひとりで、助けに向かわれたんですの?」
「ああ、そうだ。
危険は感じなかったからな。」
「でも、王ともあろう方が、おひとりで敵のまん中に行かれるなんて!」
「無謀だったと、そなたは思うか?
王たる者のすべきことではないと?
が、私は彼女を取り戻さなければならなかった。
それに、私は、どうしても、
あの仮面の男の正体を見極めねばならないと思った。
・・なぜかはわからないが、どうしてもそうすべきだと思ったのだ。」
「それって、
・・・あの方が何者なのか見極めたいって、タムドク様が思われたことですけど、
私、何となくわかるような気がしますわ。
私も同じように思うことってありますもの、
タムドク様が、私にとってどんな方なのかなって・・。」
「・・・・・・」
「それで、あの森の中であの仮面の方に会って、あのきらきら光る弓に矢をつがえて、そして・・・。
ねえ、私、ひとつだけ教えていただきたいんですけど・・」
「なぜ、私があの弓矢であの男を射ればよいと知っていたのかと聞きたいのであろう?」
「うふふ・・、それはいいですわ、
だって、お聞きしても、なぜかはわからないがそう感じたのだ、なんておっしゃるんでしょう?」
「よくわかっているな。」
「そんなことじゃありませんわ。
あのお若い方、スジニ様とおっしゃる方のことですけど、
あの方は、あなたにとってどんな方なんですの?」
「・・・・それは、トップ・シークレットだな。」
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