2007-05-31 22:31:28.0
テーマ:自宅 カテゴリ:趣味・特技(カメラ)

薔薇

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また久しぶりな記事になりました。5月の記事が一つでは寂しい私・・・ということで、滑り込みで書きます。

インフルエンザで寝込んでいた時、私の元に『ベルサイユのばら・文庫本全5巻セット』が届きました。少し前からどうしても読みたくて、ネットで大人買いしてしまったのです。身体は楽になったけど眠れずにゴロゴロしていた私。なじみのあるこの漫画を一気に読むには十分な時間がありました。

私が最初に「ベルばら」に出会ったのは中学生の時です。週刊マーガレットの連載時ではなく、コミック本が発売された時でした。10巻全部を購入しましたよ。それから、『ベルサイユのばら・オールイラスト全集』というA4版くらいのメモリアル本も持っていました。しかし、現在はどこを捜してもそれらはありません。大人になっていく途中で漫画だからと捨てられたのか、捨てたのか・・・・

 

当たり前なんでしょうが、思春期を迎えようとしていたころの私はオスカルやアンドレたちのかっこよさに憧れたのだと思います。たぶん、自分を投影したとしたらロザリーだったのではと思います。フランスという遠い国でおきた歴史事実と、実存しなかった人々が繰り広げるフィクションが混ざったストーリーが、なんともいえない非現実の世界をつくっていたのでしょう。

オスカルが死んだのは33歳(34歳まで数ヶ月)です。現在、その年齢を遥かに超えた私。改めて読み、また巻末にある解説をきっかけに、私はオスカルという人間がどのような人物であったのかを考えました。もちろん、池田理代子氏が作ったキャラクターであるのですが・・・。

 

オスカルは軍服を着、剣を使い、馬に乗り、大勢の部下を従えた貴族の娘でした。宮廷の軍隊に属していたけれど市民とともに革命に参加したというフランス衛兵隊の隊長がモデルであったそうです。もちろん、その方は男性であったのでしょうけど。

作者や解説者たちは次のようなことを語っています。

自由にものを考えたり行動したりすると不幸になると言われた時代の女性たち、小さくて控えめな女性が男性に見初められて幸せになるという時代、オスカルは異色です。軍人として困難な状況を乗り越え、体を張って上司や部下と向き合い、心身ともに強く大きくなっていきます。ところが、彼女は多くの男性から女性として愛され、また、彼女自身も男性に対して切ない恋をして心を揺らしました。恋に破れて涙する、自分を愛してくれる人の胸に飛び込む・・・そのようなオスカルに読者は自分を重ね、共感したのではないか。

松本侑子氏はこのように書いています。

 オスカルは「男らしさ」「女らしさ」という造られたジェンダーの

 利点だけを組み合わせている。それが魅力なのだ。

つまり、彼女には男の野蛮さがなく、女性らしい生生しさもない、それぞれの好感的部分だけが強調されているということのようです。それを林真理子氏は「女の美質と男の美質を兼ね備えた」人物であると表現しています。なるほどと思いました。読者であった少女たちが彼女に憧れたのは、単に男性的なかっこよさだけではなく、恋する女性であったからなんでしょう。

 

オスカルは作者によって作られた人物ですから、人間の嫌な部分が見えないのは当然かもしれません。ドロドロとしたものを持たないすっきりしとした人物像に出来上がっているように感じました。それは、非難する部分のない素敵な人間であったのだと言えるのではないでしょうか。

革命の火種が大きくなっていったころ、オスカルは将軍である父にこんな言葉を言っています。

 感謝いたします

 このような人生を与えてくださったことを・・・

 女性でありながらこれほどにも広い世界を・・・

 人間として生きる道を・・・

 ぬめぬめとした人間のおろかしさの中でもがきいきることを・・・

女性として育てられたら体験することも知ることもできなかったであろう様々なことが、男のように育てられたことでできた、その喜びを語っているのだと思います。平民が書いた本を優れた書物として読み、階級を超えた人々と語り合い、人間として生きるとはどのようなことであるのかを、革命が進む中でオスカルは考えていきました。その結果が、国王の道具、王宮の飾り人形から脱して自由な市民として行動する、つまり自分の意思にしたがって生きることだったのです。

 

こう考えると、『ベルサイユのばら』は自我確立の物語なんだと思えます。少女たちはこれを読んで自分の将来を考えたりしたのかしら???そんなはっきりしたことはなかったかもしれないけれど、オスカルみたいな生き方をしたいと思ったかもしれません。池田理代子氏はこの漫画を24歳で描いているからすごいです。  

                      

この私のうじゃうじゃした頭の中には続きがあります。日本版『ホテリアー』のホームページに載せられていたインタビューで田辺誠一さんがヨンジュンさんのことを精神的にも余計なものをそぎ落としているというか・・(中略)・・・・精神的にすごく成熟されていると思いました。」と語っています。これとつながるような気がして・・・。

長くなったので、続きは次の機会にします。

今日の写真はご近所さんの花壇の薔薇です。夕方雨が止んでから撮影したので周りが暗く、フラッシュたいたら夜のようになりました。フラッシュなしはこんな↓です。

それから16年前の写真ですが、こんな花束をもらったことがあるのです。これ何本かなあ。300本は無かったけれど置き場所には困りましたね。




[コメント]

1.Re:薔薇

2007-06-01 20:44:49.0 kyomaiko

ソクラテスさん、ご無沙汰でしたね~。「ベル薔薇」とは懐かしいお話・・・。「自我確立の物語」だなんて深く考えたことなかったです。ただオスカルのカッコ良さときらびやかなマリー・アントワネットやフランス王朝の物語に夢中になっていただけでしたね。宝塚で演じるという話が出たときには、誰がオスカルを演じるのか、あのイメージを壊さずにできるのかと思っていました。宝塚が好きなわけではありませんので、今まで実際に見たのは1回だけですが、まさに宝塚のための物語でしたね。個人的には昔演じられた汀夏子さんのオスカルが良かったな。(年齢バレバレ)宝塚は手塚治虫さんにも大きな影響を与えたようですね。「リボンの騎士」がその代表でしょう。主人公「サファイア」も女の子なのに王子として育てられて・・・っていうお話でした。この漫画も好きでした。オスカルの原点でしょうか。少なからず池田女史にも影響を与えているのではないでしょうか。その辺の男にはないスマートな立ち居振る舞い、男以上の男らしさそして優しさ、美しさ・・・自分にないものを全て兼ね備えた完璧な麗人「オスカル様」は憧れでしたね~。薔薇と聞いて連想するのは、やっぱり「ベルサイユのバラ」なんですよね。


2.Re:薔薇

2007-06-01 21:47:46.0 ブログ主(ソクラテス) 

kyomaikoさん、ご無沙汰しています。薔薇といえば私くらいの年齢だとまず『ベルばら』なんですが、他にもあります。『キャンディ・キャンディ』のアンソニーはバラの品種改良(青い薔薇を造ろうとしていた?)に取り組んでいた、『ガラスの仮面』の“紫のバラの人”とか・・・。みんな漫画だわさ(⌒▽⌒)アハハ!『リボンの騎士』のサファイア姫は男装麗人の草分けかもしれません。でも、彼女はずっと子供だったから・・・。そこが違うかな。『ベルばら』は宝塚、アニメ版、実写版映画といろいろあったようですね。実写版はフランスの方が演じられたそうですよ。しかも本物のベルサイユでロケしたとか(ノ゚⊿゚)ノ。。私は漫画一筋できています。あぁぁぁ。。。オスカル様


3.Re:薔薇

2007-06-01 22:49:22.0 kyomaiko

見ました!見ました!実写版。しかも封切り直後に映画館で・・・。確かにブロンドのフランス人がフランス語で演じておりました。でもオスカルではなかった。まだ宝塚の方がましだったわ。オスカル様にしては体型が女性的過ぎたかな。もう少し細身の人だったら良かったのに・・・。あれでも当時オーディションで選んだとか。やっぱり漫画が一番でしたね~。


4.Re:薔薇

2007-06-02 20:21:39.0 ブログ主(ソクラテス)

(゚ロ゚;)エェッ!kyomaikoさん実写版ごらんになったとは!オスカル様役の方、きれいだったようですね。でも『ベルサイユのばら大辞典』には「外国には“見栄を切る”という概念がなく、オスカルの凛々しさが表現できなかった」と製作プロヂューサー談が載っています。そうなのでしょうか。“凛”て言葉いいですよね。日本的かっこよさなのなのかな。


5.Re:薔薇

2007-06-02 21:53:20.0 kyomaiko

綺麗だったのかちょっと覚えてないのですが、そのプロデューサのおっしゃるとおりです。凛々しさが感じられなかったですね!凛としたかっこよさがなかったのを今でも覚えています。あの時はものすごいショックでした。あれはオスカル様ではない~。(上の16年前の花束凄いですね。50本くらいあるんですか?年代を感じますね。かなり高価だったでしょうね。)


6.Re:薔薇

2007-06-03 14:33:10.0 ブログ主(ソクラテス)

16年前の薔薇、後ろの階段の壁が年代を引き立てていますね。建て替える前の我が家、土壁ですもん。50本くらいあったかなあ・・・。安かったと送ってくれた方はおっしゃっていましたが。“凛”とは「態度がきりりとひきしまって勇ましいさま」なのだそうです。後輩が「武士道だね」と言ってましたが、そうかもしれないです。オスカル様は凛々しい武官です。


7.Re:薔薇

2007-06-03 21:50:25.0 kyomaiko

ホント!安かったのですか?何のお祝いだったのでしょう。後ろの土壁ね、懐かしいです。うちもあんなのでした。年代を感じるって言ったのは壁のせいだけではありません。薔薇の花束にカスミソウが入っているでしょ。ちょっと前まで薔薇にはカスミソウと相場は決まっていましたから。今はあまり使わないでしょ。カスミソウの方が薔薇より高い時もありますし、最近はカスミソウの他に色んな小花とかグリーンを多様するから・・・。そう思ったのです~。でも16年前からラウンドブーケにするとは、おしゃれな花屋さんだったんですね!凛としたオスカル様とヨンジュンさん、JOONは男だけどなんか共通するものを感じます。品のよさ、凛々しさ、やさしさ、意志の強さetc.


8.Re:薔薇

2007-06-03 22:35:51.0 ブログ主(ソクラテス)

この花束は演奏会のお祝いでした。まあ、それだけではない複雑な事情もあったのですけど・・・。そっか~、今はカスミソウではなくて小さな色とりどりの花を使うのですね。なるほどレ( ̄ー ̄)ナットク!!( ̄^ ̄/)さすがkyomaikoさん。ところで、ラウンドブーケとはなんぞや?それから、この花束は大きかったのですが崩すのがもったいなくて、花瓶の変わりにゴミ箱(なんと失礼な私)に水を張って飾ってあります。では、これからこの続き、ヨンジュンさんとオスカル様について記事を書きます。


9.Re:薔薇

2007-06-03 23:05:50.0 kyomaiko

すみません。野暮なことを聞いて・・・。やった~。「ヨンジュンさんとオスカル様の記事」楽しみにしてます。ラウンドブーケっていうのは、上の写真みたいに花束を一方見じゃなくてどこから見ても丸く見えるように束ねがものことです。では、明日からまた、仕事が始まります。気合を入れて頑張ろう!っていうことでおやすみなさい!


 
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