2007-07-16 11:31:45.0
テーマ: カテゴリ:趣味・特技(カメラ)

元興寺の瓦

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白か黒か、表か裏か、良いか悪いか・・・などと、はっきりと結論(答え)を出さなければならないことってたくさんあると思います。決まらないと先に進めない、グレーとかファジーとかいう曖昧では不安定であるということなのでしょう。判断に困ると、「はっきりさせて欲しい」と結論を他人に委ねることは多くあります。その場合、結論を出した人に責任が及ぶということになります。

社会の中では判断の線をルールとして様々なものさしを使って決定しています。 量、長さ、時間など数字で表現すると決めやすいものですね。例えば制限時速、それより速ければ悪い、超えなければ良い。法律等で決まっているから皆が納得するでしょう。

でも、個人の感覚に依存したものは個々で基準が違うのだから難しいです。

私は両親と住んでいるので、母が食事の支度をしてくれる贅沢なヤツです。仕事を終えて帰ってきた私に、母はいつも「これしかないけどいいでしょ。」と言います。作っていただいているんだから悪いって言ったことはないですよ。この問いは私が「いいよ」と答えることを前提としているのでしょう。なんでいちいち聞くんだろうと思ってしまいます。何も考えずに「いいよ」と言えば終わる会話なのですが、気になります。

「良い」と言ってもらいたいということなのでしょうか。自分に自信がないから?ひとりで判断することって気が重いものなんですね。同意してくれる人がいると心強いというか、自分の責任が一気に軽くなるんですよね。

 

他にも判断が難しい場合があります。それは予測に関することです。「このままでいいのか」または「これをしたほうがいいのか」というのは、今後起こりうる結果に対する判断です。

例えば病気について「これを飲めば治りますか?」と医師に尋ねる人は多いでしょう。その時、医師は専門的な判断でお話をしてくれるのだと思います。「治る」といってもらえない患者は辛いですが、病気を治療すると無くなるという考え方はやめた方がよいと思います。つまり、病気を判断するものさしがあったとして、どこからが黒でどこからが白であるかといえるものではないからです。

 

病気とは何か。私の言葉でいうと、身体のバランスが崩れた状態・・・かな。痛い、だるい、腫れた、熱っぽい、寒い・・・などの症状が出ると自分は病気かなと意識するようになります。そして、医師に「病気です」と診断してもらいます。でも、そのような症状が出るより前に身体の細胞、ミクロの世界ではなんらかの変化が起きているわけです。細胞の変化が大きくなると、本来の身体の機能がうまく働かない状態がおきます。崩れた機能を調整してバランスよくしようとがんばる身体自身の働きが、症状となって現れると理解しています。

うまく言えませんが、病気は自分の身体の状態を表すのであって、取り除くものではありません。(どこかできいたような言葉・・・_(^^;)ゞ)ですから、「病気が治る」ということがどんなことかを考えると、乱れた機能が回復して、身体のバランスが無理しなくても整うということでしょうか。症状を病気ととるならば、それを意識しない状態を治ったということもできますが、ミクロの世界は?

 

細胞は一度変化すると元に戻らないものは多いです。例えば、心筋梗塞になったとします。その時は痛いでしょう。血管が開通して血が流れ、傷んだ細胞が回復してくると症状はなくなります。でも、傷んだときに一部の細胞は死んでしまっています。症状がなくなったとしても、元の心臓と同じではないのです。

薬は、本来ならば口にするものではないのに崩れた身体のバランスを整える手助けするために口にするものです。身体に絶対的に良いものと考えるのは間違いのように思います。本来口にしないものですから、うまく付き合わないと、思わぬ影響がでるものです。副作用というか・・・。

以前も科学は絶対的なものではないということをブログに書きました(2007.2.24)が、医学という科学も同様です。過信してはいけないでしょう。また、老いは医学ではどうしようもないことだと思います。高齢な方が治らないとか急に病状が悪くなるということはままあると思います。病気はその人の身体の状態ですから・・・。

結局、病気が「治る」「治らない」の判断の線引きをどこにするのかは難しいと思います。医師とよく話をしないと、自分の理想とする身体と医師のいう「治る」の状態が違ってしまうことがありますから。何度もいいますが、病気が治るはもとの身体にもどることではありません。

 

「良い悪い」に直接関係ないですが、下記のサイト(毎日新聞の『理系白書』)が面白くて好きです。興味があれば読んでみてください。3月28日の座談会がまとめっぽくてわかりやすいです。

http://www.mainichi-msn.co.jp/science/rikei/

白と黒の話から、とんでもないところに発展してしまいました。今日の写真は白と黒からです。

右は先日訪問した岡山城です。

真っ黒で烏城と呼ばれているのだそうです。

左は姫路城です。

白鷺城と呼ばれる白いお城ですね。

どちらも美しいお城です。

上に掲載した写真は奈良の元興寺極楽坊の屋根です。1400年前、百済の王が派遣した瓦博士が焼いたものだそうです。いろんな色が混ざっていますが、これもまたきれいです。

 



[コメント]

1.Re:元興寺の瓦

2007-07-16 16:24:15.0 歌姫

病気が治るはもとの身体に戻ることではない・・・目から鱗。はぁ~そういう考えもあったんですねぇ。そうですよね、人間は普通に健康に生きているつもりでも、確実に一歩一歩死に向かっているのですから。細胞の視点からなんて考えたことなかったので、勉強になりました! それから、お城の瓦に焦点を当てた写真も面白いですね。視点を変えると知ってるつもりのものでも まるで違って見えたりする。またためになるお話お聞かせください。


2.Re:元興寺の瓦

2007-07-16 19:09:33.0 ブログ主(ソクラテス)

歌うことが大好きな歌姫さん、はじめまして。(f^^)人間は約60兆の細胞の塊なのさ~~って、普段そんなこと考える人はいないですよ。昔、NHKで『ミクロ決死隊』っていうアニメをやっていました。映像の記憶があまりないんだけど、確か人が小さくなって身体の中を進んでいくという話じゃなかったかしらん…c(゚^ ゚ ;)瓦ってきれいですよね。元興寺の瓦は鯉のぼりの鱗みたいです。     私の勝手な視点でのお話ばかりですけど、またお立ち寄りくださいね。


3.Re:元興寺の瓦

2007-07-16 22:32:17.0 kyomaiko

ソクラテスさん、度々恐れ入ります~。写真見れました。田舎で良く見ました。都会では見かけないけど。ヒオウギスイセンね!判りましたヨン。「祇園会」ふ~む。やっぱり思い出せません。あっとそれから、この前のトッポギソースの使い道ですが、お好み焼きのソース正解!!でした。ノムノム マシソッソヨ!ありがとうございました。記事と関係ないコメントで申し訳ないです!『ミクロの決死隊』それ見ました。面白かった。アニメじゃなくて映画でしたが・・・。


4.Re:元興寺の瓦

2007-07-16 23:08:22.0 ブログ主(ソクラテス)

こちらに来ていただいてありごとうございます。トッポキソース味のお好み焼きおいしかったようで、よかったです。じゃ、たこ焼きもいけるってことかな?もんじゃとか・・・(いい加減です)。ヒオウギスイセンて南アフリカ原産て書いてありました。勿忘草がヨーロッパから入ってきたと同じように帰化植物だってことのようです。『ミクロ決死隊』ってアニメじゃなかったっけ((゚m゚;)アレマッ!


5.Re:元興寺の瓦

2007-07-16 23:22:54.0 kyomaiko

たこ焼きもいけると思います。普通のソースに混ぜると甘辛くて大人の味です!。『ミクロ決死隊』は確か「何とか映画劇場」で見たように思うのですが、人間がやってました。良くできていたなあ~と今でも思います。かなり昔の映画だったと思うけど・・・。もしかしたら、その後にアニメになったのかもしれませんね。


6.Re:元興寺の瓦

2007-07-17 13:14:09.0 ten

ソクラテスさん、こんにちは。岡山城、こうやってあらためて見ると、黒、白、金の対比とシンメトリーがきれいですね^^ 久しぶりにみました、ありがとう。『理系白書』の3月28日も読んできました。理系の人が「わけのわからないもの」について、理論的に論じているのを読むのがかつて好きでした。学問的にこれはどっちの分野?みたいなことについての文章も。(ソクラテスさんの文章も好きです^^) 今でもたぶん好きだけど・・最近どうも時間の使い方がますます下手になっていくようで^^;


7.Re:元興寺の瓦

2007-07-17 20:26:03.0 en

実際にはこの間あいましたが、こちらに来るのはお久しぶりです。 岡山城、かっこよかったですね~ 先月半ばからいろいろ詰め込みすぎて忙しくしていたら、やはり体のバランスを崩し風邪を引きました。 風邪を引いても薬はなるべく飲まず自力で直すようにとの主治医の言いつけを守りつつ、とりあえずたくさん食べて、直ってきました。免疫ありがとう。 採血結果が良かったので「かぜ薬飲んでもいいよ、出そうか?」といわれましたが、もう直りかけなのでお断りしてきました。 あんまり調子にのって色々入れすぎたなぁと反省。仕事はぼちぼちやるようにしたいですね・・・


8.Re:元興寺の瓦

2007-07-18 04:10:47.0 ブログ主(ソクラテス)

tenさん、おはようございます。岡山城は白・黒・金が映えたパリッとしたお城でした。正面からだと黒が多いですが、軒下は白いので、真下から見上げると白が多く見え、また雰囲気が変わります。それって考えてこのような色にしているのかしら~と思ってしまいました。理系白書3・28座談会の最後の言葉「大人になってからもプロセスを理解する訓練が必要だ。“分からないこと”に耐え、自分で常に考える態度が重要だ。」という部分は本当にそう思います。生命は進化するものであるという概念がありますが、やはり人間は退化しているような気がしてならなりません。それは考えることをやめ風潮が世の中にあるからなののかしら。(またわけわからないことになりそう(*゚.゚)ゞポリポリ)『理系白書』の今年のテーマ『科学技術は誰のもの』もどのような展開になっていくか楽しみです。


9.Re:元興寺の瓦

2007-07-18 04:20:16.0 ブログ主(ソクラテス)

enちゃん、風邪ひいちゃったの。そうとう疲れていたのね。食べて眠ることが一番さ~~。enちゃんはやろうと決めたら全力を出す頑張り屋。緩急をほどよくつけて仕事してね。私なんか、いつも『緩』で時間がないと『急』になるんだ(f^^)。今『急』です。結構ヤバイ!!


10.Re:元興寺の瓦

2007-07-20 05:40:29.0 kazyoku

おはようございます。元興寺の瓦は鯉の鱗のよう、なるほど。私はビザンチン美術のモザイク画が思い浮かびました。この発想は文系かしらね。


11.Re:元興寺の瓦

2007-07-21 11:59:48.0 ブログ主(ソクラテス)

kasyokuさん、お返事が遅くなりました。しばらく仕事に追い詰められておりました。ビザンチン美術・・・私は思い浮かびませんでした。kazyokuさんはバリバリに文系なんですねー。文理でわけるとしたら、私はやっぱり理系かしらん。


12.Re:元興寺の瓦

2007-07-21 21:24:06.0 ひめ

こんばんは~。 まだ仕事で余裕がなくて、読んでるだけのときも多いですが いつも記事楽しく、そしていろいろ考えながら読んでます。 私は特にソクラテスさんと同じ職場に行って とても科学的なところであったのに なぜか、反対というか自然や 目に見えないことにも興味がわきました。 私はこの論争の水の本を持っていて、わりと好きです。 それを小学生に教えるかは別な気がしますね。 自分で判断できる年齢になってから考えればよい というか。。 ファンタジーがあっても私は良いと 思うんですけどね。


13.Re:元興寺の瓦

2007-07-21 21:50:35.0 ブログ主(ソクラテス)

ひめどの、忙しいようですね。夏休みは取れますか?理系白書で教育の功罪は、わかっていることしか教えなかったことだと言っていたと思います。だからなのか、なんでも答えがあると思ってしまう人が多いし、正解を要求するんです。科学でわかっていることなんて少ししかなくて、説明できないことは世の中にいっぱいあるのよね。とはいうものの、私は以外とどんなことでも答えを探そうとしているのかもしれないなあ。それと、義務教育で教えるのって考えることが楽しいってことや、考え方の基礎なんじゃないのかなあって思います。大人になって応用してもっとたくさんのことを頭に描けるようになればいいというか・・・。


 
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