2007-02-02 11:06:22.0
テーマ: カテゴリ:趣味・特技(カメラ)

湿原

Photo

豊葦原之千秋長五百秋之水穂国(とよあしはらのちあきながいほあきのみずほのくに)

古事記に出てくる最初の日本の呼び名なのだそうです。略して「豊葦原国」とか「水穂(瑞穂)国」といい、葦が豊かに生えていて、秋の稲穂がたくさん実る国と言う意味であるらしいです。

霧多布湿原のビジターセンターで湿原を案内していただいた時、そのお兄さんがここに見られるような風景が日本の原風景であったのではないかとおっしゃいました。なるほど、葦が茂り、水がとうとうと流れ、多くの動植物が生息する湿原は、豊葦原国と呼ぶにぴったりです。

湿原は湿った完全に腐りきらない植物が積み重なって泥炭という層をつくり、沼地を埋めていったものであるということです。その堆積はわずかずつですから、何千年というなが~い時を経てできてくるのだそうです。湿原はクッションのようにやわらかく、多くの水を蓄えています。そのため、たくさんの動植物がそこで暮らすことができます。

上記の写真は霧多布ではなく、釧路湿原です。夏に旅した時の撮影ですから、緑の草木が生い茂っています。

このあたりの湿原といえばタンチョウが思い浮かびます。広大なこの湿原のどこかにいるのでしょう。彼らがここに棲めるのも湿原のおかげです。真冬の真っ白な時でも、地層の凍らない水中に彼らの食料が豊富にあることがそれを可能にしてるそうです。

前、霧の中をゆっくりと歩く丹頂を撮影した写真があったのですが行方不明(;_q))クスン。これは動物園に保護されていた親子です。

霧多布ビジターセンターでこんな映像を観て感動しました。昆布干しをしているおばあさんの後ろの湿原で、タンチョウのつがいがエサをついばんでいるというものです。「特別天然記念物」というたいそうな肩書きを人間から与えられたタンチョウ。彼らとの共存は干渉しないことであると解説していました。

豊かに葦の茂る日本の風景は私の住むところでは観られない特別な風景です。昔に戻ることはできませんが、その風景が残っている場所がこれからもそうあるよう祈るばかりです。



[コメント]

1.Re:湿原

2007-02-02 22:46:54.0 冬の月

ソクラテスさん、再びです。昔の日本は何て素敵な呼び名だったのでしょうか。「古事記」・・・勝手に苦手意識があって一度も手にした事がありません。勿体無い事をしてますね私。こちらで素敵なお写真を見つつ、こうして知らない言葉を少しづつお勉強させて下さいね。(あっプレッシャーかけてしまうかな?)「彼らとの共存は干渉しないことである」まったくその通りですね。霧の中を歩く丹頂をいつか拝見したいです。もしも見つかったら・・・またそっと拝見させて下さい(^_^)


2.Re:湿原

2007-02-03 03:34:46.0 ブログ主(ソクラテス)

冬の月さん、私も古事記をちゃんと知っているわけではないです。古事記は民話を寄せ集めた神話で、なんとなく小さなころに聞いたことのある話の原本という意識です。一応、現代語訳の古事記を持っていますが、現在は行方不明(私は物を無くす天才)で、今回の『豊葦原之・・・』はネットで調べました。『豊葦原』という言葉だけはなんとなく知っていましたが・・・。           自然に干渉しないことを目的として、霧多布湿原を購入しようという取り組みがあるようです。土地を開発を目的として買うのではなく、放っておくために買うのです。ほんのちょびっとでもいいようです。


3.Re:湿原

2007-07-15 19:08:42.0 くろべぇ

私の霧多布との出会いは、図書館で見つけた水彩画の本がきっかけでした。ニッコウキスゲ!?だったかしら。。。に咲き乱れた岬をみたくて、そしてまねごとのように絵をかきたくてスケッチブックを持って旅に出ました。絵を書くというのは思いのほか時間がかかり、少々時間を気にしながら(電車やバスの時間もあったので)になってしまいましたが、贅沢な時間を過ごせて満足でした。絵を書くことって、とても贅沢な時間を過ごすことだな。と私は思います。あれこれ欲をもたず、一点に集中する。今の私に欠けていることだと思います。欲を持ちつつ集中できればいいのになぁ。


4.Re:湿原

2007-07-15 20:14:42.0 ブログ主(ソクラテス)

くろべぇさん、いらっしゃいませ!霧多布でみかけたオレンジ色のユリのような花は蝦夷甘草(エゾカンゾウ)でしょう。実は日光黄菅(ニッコウキズゲ)と同じです。どこに咲いているかで名前が変わるのかな?和名を前庭花(ゼンテイカ)と言います。私は絵手紙くらいしか描けないのですが、写真とは違う自分の記憶(体験)になります。時間かかって、とっても贅沢ですが、それも旅さ~と思いますね。霧多布岬といえば、エトピリカという鳥に会ってみたいです。


5.Re:湿原

2007-07-15 21:20:15.0 くろべぇ

そういえば、霧多布で日も暮れた頃にあわてて宿を探し、ギリギリセーフで泊まった宿の親父さんが、エピトリカの研究をやっていましたっけ。花の名前は、同じ種類でも地域で呼び方が異なったりしますもんね。和名で覚えた方がいいのかな。


6.Re:湿原

2007-07-16 01:26:35.0 ブログ主(ソクラテス)

( ̄。 ̄)ホーーォ。エトピリカの研究をしている親父さんかあ。エトピリカとはアイヌ語で「美しい嘴」を意味するそうですよ。黒い体にオレンジ色のきれいな嘴を持つ海鳥から来た名前なんでしょうね。絶滅の危機にあるとか。私がそれを知ったきっかけは葉加瀬太郎の『エトピリカ』という曲からです。毎日放送のドキュメンタリ-「情熱大陸」のエンディングテーマ曲で、以前エレクトーンで弾いたことがあったのです。「情熱大陸」はプロヂューサーの言葉を借りると、今を懸命に生きている「表現者」を紹介する番組とか。海鳥のエトピリカとのつながりはわかりませんでした。


 
▼この記事にコメントする

コメント作成するにはログインが必要になります。

[ログインする]


TODAY 267
TOTAL 506753
カレンダー

2024年10月

1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
ブロコリblog