2008-09-07 10:01:08.0
テーマ:仕事 カテゴリ:趣味・特技(その他)

実り

Photo


もう1ヶ月も前のことになってしまいます。北京オリンピックに沸いているお盆のころ、私は何人かの懐かしい方たちに会いました。中でも、私の人生に大きな影響を及ぼした方との再会は、昔を振り返りつつこれからの自分を考える機会になったように思います。


「仕事辞めたい・・・」
私はその方にちょっと愚痴をこぼしました。久しぶりに会ったのに愚痴なんて申し訳ないのだが、アルコールが入ると感情が高ぶってくる私です。気持ちが追い詰められていた当時は、そんな自分を冷静に考えることができず、支離滅裂に溜まったものを言葉にしていたと思います。


その頃、通常の業務以外の仕事が多く、連日帰宅が21時を回ってしまう、休日も出勤しなくてはならない、宿題もあっていつもパソコンの前の椅子で眠って朝を迎えてしまう・・・、こんな日々が続いていました。でも、「辞めたい」って思ったのは単にやらなければならないことが多くて忙しいからではないのだと思います。私の能力を超えた業務内容、そして私自身がその業務で満足感や達成感が得られないからではないかと思います。

患者と直接接しながら私は自分を確かめ、成長してきたと思います。もちろん、組織の人々ともまれる中での変化もあったでしょう。知らなかったことを学び、より良い選択のできる達人を目指すことが自分の夢であり、進みたい方向なんだと思っていました。
でも、現在プラスされている業務はわからないことだらけです。新しい機器やネットワークシステムの導入に関する業務です。私の仕事の基本は人間を相手にしたものです。パソコンのシステム用語がわからず、SEたちとの会話はチンプンカンプンヽ(~~~ )ノ 。さらに、システム開発側の意図と食い違うことがあるというか、私の職人風な思考とパソコンの動きがかみ合わないことがあります。直して欲しいことがなかなかうまく伝わりません。いちいち時間がかかります。
システムは業務のための道具です。動かせればいいのではなく、それを使って私たちはプロとしての業務ができることが目標なんです。しかもスタッフみんながより良い仕事ができなくてはなりません。




忙しく苦しい中、北京オリンピックの映像を見て、若者たちのがんばりに感動することが自分を奮い立たせる唯一の方法でした。特に選手が、支えてくれた周りの人々へ感謝を表現している姿に胸が熱くなりました。試合後に大切な人を探すためにキョロキョロさせる目、家族を見つけて飛び込む姿、大きな声で名前を呼ぶ姿、声を詰まらせて感謝の言葉を発する姿・・・などなど。北島康介氏が自分の胸から金メダルをはずして平井コーチにかける映像は今見ても涙が止まらなくなります。
そんな彼らの姿から、結果を出す舞台では見えない長い時間と多くのもの、人、エネルギーを感じました。夢は一夜で成すことはできないし、独りで成せるものでないということを改めて思いました。



私が高ぶった感情を出しながらしゃべっていた席はカウンターでした。厨房では若いスタッフが忙しく働いていました。ホールの接客と洗い物とレジを3人の女性が、料理を2人の男性がしています。5人とも何時間も手を止めることなく動き続けていました。「すごいなあ。」私の愚痴を聞いていた人は彼らの姿に感動したようです。私もおしゃべりをやめてじっと見ていました。
世の中にはニート(NEET)と呼ばれる若者がいます。NEETとはイギリスで生まれた言葉だそうで、Not in Employment, Education or Trainingの略語で「用から離れ、就職意欲もなく、教育も職業訓練も受けていない若者」のことをいうそうです。社会の何が彼らを増加させているのかはわかりませんが、カウンターから見えた彼らの一所懸命な姿は見ていてとても気持ちよいものでした。何か夢に向っているようにも思え、オリンピックの選手たちと重なるものがありました。



私の夢ってあるのだろうか・・・とふと思いました。目の前の業務をこなすことが精一杯で自分のしたいことがわからなくなってしまいました。組織という集団の中では自分のやりたいことだけやっていればいいというのはありません。誰かがしなければならない仕事はたくさんあります。それはわかっているつもりなんだけど・・・。現在、私のしていることは私の成したいことに繋がっているんだと理解しているつもりなんだけど…。不満足。
もしかしたら私は、自分を確かめることができる直接患者と付き合う時間がどんどん減っていることに寂しさを感じているのだろうか。では、時間が多かったら満足を得られるのか?

年齢を重ねるごとに直接業務のための環境づくりをする仕事は多くなっていくでしょう。でも、繋がっていることがわかればがんばれるんだと思います。私ががんばれないのは、周囲(上層部もスタッフも)が新しいものの導入に他人事のようであることなのかもしれません。それを導入しなくてはならないのかという空気がどこか流れているように感じるんです。私が行なっている作業は余分なことなんだろうか。必要性を伝えていくことも私の役割りなんだろうが、そういうことをするのにも疲れて面倒くさいと思うこの頃。ちょっと孤独感・・・。

昇格しなくても、お給料があがらなくてもいいから昔のように小さな喜びを積み上げるような仕事をしたいと思いました。原点に返ってみたいというとかっこよすぎですが、それが今の立場からの逃げととられてもいいと思います。


私の愚痴を聞いた人はこんなことを言いました。
若い人たちがそんな思いをしないで仕事ができるようにするのがこれからの役目なのではないか・・・と。ちゃんと昇格をしてそういう組織をつくらなくてはダメだと。(゚∇゚ ;)エッ!?つまり、夢に向っている若者のサポートをすることが私の仕事?
私は「やだ~~~~!っ」て叫んでしまいましたね。私は夢を達成した感覚がないんだー!自分がしたいんじゃ!

じゃあ、私の夢ってなんだ?どこが到達点なんだ?( ̄ヘ ̄;)ウーンわからない。私はどこに向っていくんだろう。



今日の写真は実りの季節を迎えた稲です。
上の二つは晴れた日に、真ん中の二つ並んでいるのは雨の日に撮影しました。
実るまでにはいろんな困難があるんですよね。


Mr.Childrenの♪GIFT♪の歌詞が大好きです。

   
   降り注ぐ日差しがあって
   だからこそ日陰もあって
   そのすべてが意味をもって
   互いを讃えているのなら
   もうどんな場所にいても
   光を感じれるよ



[コメント]
 
▼この記事にコメントする

コメント作成するにはログインが必要になります。

[ログインする]


TODAY 83
TOTAL 506569
カレンダー

2024年10月

1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
ブロコリblog