2009-04-05 05:37:51.0
テーマ:仕事 カテゴリ:趣味・特技(その他)

射光

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新年度が始まって数日が経ちました。学生の内定取り消し、雇用契約の中途打ち切り、新規採用を控えたり中止したりといった厳しい状況の元でのスタートのところが多いのだと思います。私の職場は相変わらず1年を通して職員募集するようですが・・・。


昔の日本型経営は、従業員を家族ととらえてみんなで会社を支えていくという考え方だったそうです。社会を構成する最小単位は家族であり、企業であるわけです。その小さな社会の中でみんなで人を育て、企業を盛りたてていきました。経営者だけでなく雇用者も「私の会社」という気持ちがもてる組織であったのかもしれません。育った人は終身雇用と言われた制度、つまり従業員によほどのことがない限り定年まで雇用できるという慣行によってずっと企業にとどまりました。勤続年数に応じた賃金や役職という考え方もあったのでしょうね。でも、突拍子もない大金持ちはでず、皆中流意識でした。

90年代になって、グローバル化した社会の中で日本企業は、世界の経済競争についていくために日本型経営からアメリカ型経営になっていきました。それは、競争原理に基づいて能力を客観的に評価した成果主義的な社会です。業績を数値で表わし、何よりも企業の利潤が大切とされてきたようです。作業の標準化および専業化、統一規格、大量生産、コストの低下などがされ、人材も数というもので計算されるようになったように思います。利益の上がった企業やその経営者は儲かるようになり、経済格差がみられるようになってきたそうです。

平成16年に労働派遣法が改正になりました。“厳しい雇用失業情勢、働き方の多様化等に対応するため、労働者派遣事業が労働力需給の迅速、円滑かつ的確な結合を図ることができる”ように改正されたのだそうです。企業が直接雇用しない派遣という形で働く人が増加したということかな。
私はTVのドキュメンタリーなどを見ていたとき、人が物のように扱われているようで怖かったです。確かに派遣社員は大きな責任に繋がる仕事ではないかもしれませんが、人数で計算されてしまうのかと思うと寂しさがありました。また、日本型経営の特徴のひとつに企業ごとによる労働組合がありましたが、派遣は派遣先の組合からははずれてしまうんですよね。


昨今のような不安定な経済状況になると“only one”になることが生き残る手段だと何かにありました。誰でもいいのではなく、私でなければできないことを身につけてアピールすることが雇用される側としてのonly one。お得な感じを受ける買い物、日常生活を切り詰めて時々贅沢するときに選ばれるonly one。
そういえば先日、東京ディズニーリゾートのひとり勝ちという話題をTVで目にしました。この世の中にあって入場者が減らないということです。決して安く遊べるところではないのですが、お金を使ってでも行きたくなる魅力があるのでしょうね。遊園地へ行く回数を減らした分、行くならTDL・・・ということかな。


ここまでの記事を書くにあたり、企業の役割りとか、経営理念とかを調べていて、松下幸之助氏が「会社は社会のもの(社会の公器)」と言ったことを知りました。企業は誰かのものという考え方をするのではなく、誰のためにあるのかという存在を問うていくべきだという考えだとか。企業は社会のために役立つから存在価値があり、利益もあがっていくということのようです。それによって株主や雇用者に還元されるものがうまれて、人の生活が潤うってことですかね。

このところの解雇や派遣村とかいうニュースを聞くにつれ、何かしっくりこないものがありました。世の中の成り立ちがひっくりかえっちゃったようにかんじたからです。企業を守るために人が切られていく・・・。人もディスポーザブルな時代になってしまったのかって思いました。進歩した人間は住みやすい生活のために企業とか会社とか国とかいろんな組織をつくったんじゃないのかなあ。そのずっとずっと前、人類が誕生したころは家族しかなかったはずですから。
大事なのは人がうまく生きていくことのはずなのに、実体しかない企業が守られているような気がしました。もちろん企業がつぶれてしまえば路頭に迷う人々が出てしまうのだからやはりまずいのですけど、何かしっくりきませんでした。

松下幸之助氏の言葉は私のモヤモヤを代弁してくれたようです。彼は「不況もまたよし」と言ったそうですね。1929年の世界恐慌の時、従業員をひとりも解雇することなく乗り切ったとか。人も企業にとって財産なんですよ。人がいなかったら企業はなりたたないんですから。


経営者でもないし、解雇された労働者でもない私がなんでこんなことを考えたのかというと、実は私も学生から社会に出る時に“内定取り消し”をされた人間だったからです。私がその取り消しを聞いたのは1月半ば過ぎだったと思います。まさか就職できないなんて思ってもいませんでしたし、1つしか受けていなかったから、たいへんなことでした。
先日、その当時の自分はどんな思いでいたのか知りたくて、25年も前の日記を開いてみました。(+。+)あちゃ-、全然深刻じゃないですね。あっけらかんとしたもんです。2月くらいもまだ「就職決まらないけど、ど~しよう~」と書いてありましたが、焦っているようすは伺えませんでした。
地元ではないけど、3月になったら二次募集する病院があるからそこを受けてみようかなと思っていたくらいです。もし、そこにも落ちたら就職浪人でしたね。

結局、内定取り消しを通達してきたところと同じ系列で別の病院に就職しました。そこは内定者が就職を断ってきたということです。2つとか3つとか掛け持ちしていた人がいたんでしょうね。なんとなく拾ってもらった私です。よかったのか、悪かったのか・・・。

今回、記事に書きたかった本題は実はこれからです。随分前置きが難しくなってしまいました。
「人は物語に生きる存在である」ということを考えたかったからです。私が今ここにこうしていることが何に繋がっているのかを自分物語で探るというか、意味づけていく作業です。それをして、過去から未来に光を当ててみると何か見えてくるものがあるのだそうです。
長くなったので続きは次の記事にします。


写真は1月に撮影したものです。姪や甥たちと東京見物をしました。
タイトル下の写真は後楽園遊園地ラクーアの前あたりです。下から照らされた光に興味をもった二人はまぶしいのに覗きこんでいました。それが、ちょうど過去から未来へ光を当ててみるということと似ていたので・・・。

真ん中は浅草。人形焼を焼く職人さんの作業をじっと見つめるふたり。食べたいというのではなく、職人さんの技による動きがおもしろかったというか不思議だったんでしょうね。
それから仲見世通りです。飾りが日本の正月っぽいですよね。


下は東京ドームと東京タワーです。



[コメント]

1.Re:射光

2009-04-05 17:14:10.0 pansys

ソクラテスさん、お久しぶりです(*^。^*)

新人さんの指導ありで忙しい時期ではないですか~!
うちは、ナース不足ですよ~^^;ハァ~・・・
今年の病院目標が「自分の職場を好きになろう」。。。って
実際、その反対だからの目標ですもんね~^^;
好きになれるよう、働く私達を、少しは思いやって欲しいですよ~!
甘やかす必要はないけれど。。。。

明るい未来でありますように。。。

過去記事のヒアルロン酸(*^。^*)私も先生に飲んでも効かないよ~と
言われたので、月2回くらい通ってます^^;
家にいると腫れないですけど、やっぱり仕事で
負担掛かるんですね^^;

またソクラテスさんのフォト楽しませていただきます(*^^)v



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2.Re:射光

2009-04-05 19:06:01.0 ブログ主(ソクラテス)

pansysさん、「自分の職場を好きになろう!」っていい目標ではな
いですか。仕事は楽しくなくちゃ~。特にひとりではできない仕事は
みなの気持ちが大切です。1+1≦2ですよ。大勢になればなるほ
ど出来ることは倍数以上できるって思ってます。

膝を痛めているのは職業病ですか?腰は悪くしませんか?
私の職場は腰や首を悪くするスタッフが多いんです。
お大事にしてくださいね。


 
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