法隆寺にて
梅の開花が半月以上遅かったのに比べ、桜の開花は平年並。
でも、開花後の気温が低くて、長い期間楽しめたように思います。
通勤途中、夜桜の下で宴会、そして奈良への旅・・・。
桜って気持ちをワクワクさせて行動をおこさせる花なんですよね。
奈良の桜というと、レーズン(さだまさし)の♪夢しだれ♪がすぐ頭によぎります。
歌詞にある法隆寺東院伽藍の枝垂れ桜が満開になった様を観てみたいといつも思っていました。
吉野の里の桜には まだ早過ぎると君が
僕の指をとり誘う先は 春に霞む斑鳩の
古の夢殿にひとめぐりめぐり会えば
ふり仰ぐ満開の桜 誰が名付けたのか夢しだれ
夢殿の横には枝垂れ桜は2つあります。
「夢しだれ」と山本健吉氏が名づけた桜はたぶん老木の方なんだろうと思います。
とても存在感のあるどっしりとした桜。
垂れた枝先は地面に着きそうなくらいの長さがあります。
ネットの桜情報に「法隆寺夢殿満開」の文字を見て、朝一番の新幹線に乗りました。
私が訪れたのは4月14日。
ちょう夢殿の開帳期間中だから、あのちょっと不気味な顔立ちの救世観音さまにも会える・・・と思い心躍らせて向かったのですが・・・
残念ながら観たかった桜はもう散って葉桜になっていました。
どうも早咲きのようです。もう一つの枝垂れ桜は満開でした。
ま、また来ればいいか。
救世観音さまはじっと見つめてきました。
法隆寺でいただく朱印は「以和為貴」です。夢殿では違うものがいただけるかなと思ったのですが、太子堂でしか朱印はしていませんでした。
今回いただいたのは左です。右は以前太子堂で購入した朱印帳の表紙裏です。
十七条憲法の一条が書かれています。
十七条憲法の代名詞とも言える「和を以て貴しと為す」の言葉。
単に、「仲良くやりましょう」という意味ではないのだそうです。
2008年9月13日のブログで、第十条をとりあげました。
いろんな考えの人がいるんだから、人が自分と違うからといって怒るな・・・という内容です。
一条はそれと繋がる内容のようです。・・・というか、全文がつながってるのか。
一に曰(い)わく、和を以(も)って貴(とうと)しとなし、忤(さから)うこと無きを宗(むね)とせよ。人みな党あり、また達(さと)れるもの少なし。ここをもって、あるいは君父(くんぷ)に順(したが)わず、また隣里(りんり)に違(たが)う。しかれども、上(かみ)和(やわら)ぎ下(しも)睦(むつ)びて、事を論(あげつら)うに諧(かな)うときは、すなわち事理おのずから通ず。何事か成らざらん。
和をなによりも大切なものとし、いさかいをおこさぬことを根本としなさい。人はグループをつくりたがり、悟りきった人格者は少ない。それだから、君主や父親のいうことにしたがわなかったり、近隣の人たちともうまくいかない。しかし上の者も下の者も協調・親睦(しんぼく)の気持ちをもって論議するなら、おのずからものごとの道理にかない、どんなことも成就(じょうじゅ)するものだ。
【http://www.geocities.jp/tetchan_99_99/international/17_kenpou.htm】より
人は皆同じ考えではないから、誰かに合わせてじっとしていることはなく、それぞれの意見を出し合って物事を進めて行きましょう・・・てことかな。それが『和を創る』ってこと?
最近、“ダイアローグ”って言葉を本で知りました。
個人と組織のかかわりや人材育成について考えることがあって読み見かけた本でです。
共感や意識・行動の変化を引き出し合う創造的コミュニケーションのこと。つまり、仕事での経験を内省し、感じたり、気がついたり、思ったりしたことを言葉にして話し合っていき、次のアクションに生かしていくことを指すそうです。
「内省する(リフレクション)」「話し合う(ダイアローグ)」「行動をおこす(アクション)」を繰り返すことで組織が成長していくのだと解釈しました。
奈良でリフレッシュした後だったので、なんだか聖徳太子の言葉とこれらが似てる気がすると思ってしまいました。
「以和為貴」は論語に出てくる言葉であるらしいので、組織での人の在り方を考えた結果とすれば、行き着くところ同じなのかもしれません。
夢殿は聖徳太子が亡くなってから彼を偲んで建てられたようです。しかし、私のイメージ的にこの場所は聖徳太子が内省していた場所なんですよね~。
救世観音のような姿の聖徳太子が八角型のお堂にこもって目を閉じ夢想している・・・。なんたって夢殿だもの。マンガ読みすぎか(^▽^)
そういえば、救世観音は千年以上もぐるぐる巻きにされていたから、作られた当時の金色が残っているんです。昔の仏像はたいてい素材が見えているのにすごいって思います。だけど、あの顔は変わっている・・・。もしかしたら本当に聖徳太子の顔に似せたのかもしれない・・・。聖徳太子は実存しない説もありますけどね。
法隆寺には好きな仏像がたくさんありますが、中でも気になるのは丸い顔立ちの夢違い観音さまです。「ゆめちがいかんのん」または「ゆめたがいかんのん」と読むようです。悪い夢を良い夢に変えてくれるとか。
法隆寺と夢ってどんな関係があるのかなあ。
そんなことを考えながら法隆寺を歩いていたら、ゴ~~~~~ンと鐘の音が。
(ノ゚ο゚)ノ オオォォォ-!これがあの有名な法隆寺の鐘の音か。
正午に鳴るそうです。
なんとも言えない唸りです。一突きが1分以上響いています。聞き惚れてしまいました。
柿くえば 鐘が鳴るなり 法隆寺
私もお腹が空いてしまったので、無料休憩所でコーヒーを飲みながら柿のドライフルーツを食べたところでした。奈良吉野いしいの『柿日和』というもの。とってもおいしいのでいつもネットでお取り寄せします。
法隆寺の後、午後から奈良公園、翌日は長谷寺に行きました。
どこもいろんな桜が咲き、風が吹くと花びらが舞いきれいでした。
なんと鹿は舞い落ちた桜の花びらを美味しそうに(?)食べていました。
タイトル下の写真は法隆寺境内。
枝垂れ桜は東院伽藍。
3つめは長谷寺境内。
↓たくさんの桜の風景をウェブアルバムにしました。よかったら見てください。
桜の奈良2012 |
[1] |