2008/10/04 21:52
テーマ:自宅 カテゴリ:趣味・特技(その他)

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   君待つと 
   我が恋ひ居れば 
   我がやどの 
   簾動かし 
   秋の風吹く          
                額田王

                  万葉集 巻四・四八八

恋する女性の秋の歌ですね。
千年以上も前の出来事なのに、想像するとちょっとドキドキします。
先日、NHKの「日めくり万葉集」でこの歌が紹介されました。
紹介者である俵万智氏はこんな素敵なお話をしてくれました。

この情景は女性のいるところで秋の風が吹いたというそれだけのこと。ただ、その女性が恋をしていて、しかも歌詠みであったがために、千年後の私たちにも届く景色になった・・・

秋風が簾を揺らすことはあたりまえのことなのに、三十一文字の言葉に切り取られると、なんと素敵な物語になるのでしょう。

この歌は額田王が天智天皇を想って詠んだとされています。
「あなたを恋しく想いながら待っていたら、私の家の簾が動いた。訪れたのは秋の風。」

額田王ははじめ大海人皇子(のちの天武天皇)の妻として十市皇女をもうけました。でも、後に天智の恋人になります。
あの有名な「茜さす・・・・」とその返歌「紫の・・・・」だけを考えると、大海人と額田は別れたあともずっと惹かれあっていたのかなと思ってしまいます。
でも、この「君待つと・・・」は額田が天智を恋しく待つ女性であることを伝えています。額田の心はどんな変化をしたのかしら?なぜこのような恋をすることになったのかしら?静かな大人の恋愛かなあ・・・なんて想像しています。

    

日に日に涼しくなる秋は寂しさをおぼえて人恋しくなる季節なんでしょうか。知人のメールに「秋だから落込んでいます」とあったんです。
秋だから・・・誰かと一緒にいたくなる、誰かとおしゃべりしたくなる、誰かとお酒を飲みたくなる、誰かとどこかに行きたくなる、誰かのぬくもりを感じたくなるのでしょうか。
四季のある国で生きているのですから、その自然の変化に影響されて心身も反応するんですね。


これもNHKの番組なのですが、「Cool Japan~発掘!かっこいい日本」で日本人の写真好きを取り上げました。番組の終わりの方で、風景写真に情熱をかけるアマチュアカメラマンを紹介していました。
歴史的な言い伝えも何もない単なる木の美しい一瞬を撮影したくて通いつめている人たち。coolかどうかは別として、外国の方は「風景写真は彼らの自己表現で、日本人と自然の結びつきを感じる」ということでした。
またコメンテーターは、日本には大きなものをスパッと切り取って小さく表現する文化(俳句、茶道など)があるのではないかと言ってました。二度と来ない瞬間を大事に表現することで時間とか自然とかの大きさを知るということかなと思いました。
う~ん、coolだ!






今日の写真は簾です。
私の部屋は西日の当たる部屋なので、室内が日焼けして色が変わることが嫌な母によって、窓に掛簾がつけられました。外掛けです。
実は内側にちゃんとカーテンはあるんですよ。しかも、レースと二重で・・・。簾がつくことによって窓はなんと三重に光がさえぎられることになったわけです。

そんな簾とレースカーテンがつくる影がなんだか気になっていました。きれいだと思っていたんです。簾はレースカーテンより厚いけど、隙間が大きいので濃淡によるはっきりした影、レースカーテンは細い糸なので全体がぼんやりした影ですね。

下の二つは簾による影です。

    

真ん中の写真はレースのカーテンが風で揺れた瞬間です。白くぼやっと写っているのがカーテンということになります。簾で風を感じるのは無理でした(^o^)ゞ



恋しい人は遠くて・・・


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