2011/10/24 19:21
テーマ:奈良
カテゴリ:趣味・特技(その他)
今日は二十四節気の霜降なのだそうです。 冷気によって霜が降り始める頃ということなのだそうですが、それに反して暖かな日でした。この日から立冬までに吹く北風を木枯らしというのだそうです。
被災地では仮設住宅の防寒対策が進められていると聞きました。震災の起きたあの日は啓蟄と春分の間。でも、雪の舞う寒い季節でした。月日はどんどん過ぎて、また寒い季節が巡ってくるのですね。皆様のお体が辛いことありませんようにと思うばかりです。
【二十四節気】
前記事の“立山登山”はちょうど寒露のころでした。寒露の前は秋分です。
昨年、せんとくんで賑わっていた奈良。私は明日香・稲淵の彼岸花を見たくて秋分の日に友と一緒に出掛けました。ところがいつになく猛暑の夏と残暑が厳しかったためか、お彼岸になっても全然彼岸花が咲いていませんでした。(-"-)
今年はリベンジ!・・・とひとり盛り上がり、お天気が良いことと彼岸花の咲き具合をネットで調べて、急きょ前日に宿を探して奈良に出かけました。
明日香川 明日も渡らむ石橋の
遠き心は思ほえぬかも
作者不明 【万葉集 巻十一 2701】
(明日香川の石橋を渡って明日もあなたに逢いに行きます。離れていても私の心はあなたのことをずっと・・・石橋のように飛び飛びではなく・・・思っています。)
稲淵に行ったら、この歌に詠まれている“飛び石”と呼ばれる場所も見てみたいと思っていました。現存する石橋が1000年以上も前からあったとは思えませんが、こんな風景があったことは事実なんでしょう。水かさが増してしまうと沈んでしまい、逢いたい人のもとに行けなくなってしまいます。川の中に置かれただけの飛び石ですが、それに思いを寄せた万葉の人がいたんですね。
彼岸花はどうだったかというと、たくさん咲いていました。webアルバムを見てください。
そういえば萩と彼岸花の写真は前に掲載したことがあります。
↓ここ↓
【きれい詫び】
この写真は白毫寺の参道です。
前にも書きましたが、萩の花は万葉集で一番詠まれている花なのだそうです。
高円の 野辺の秋萩 いたづらに
咲きか散るらむ 見る人なしに
笠朝臣金村【万葉集 巻二 231】
(高円の野辺の秋萩が空しく咲いては散っていきます。もうご覧になる方がいらっしゃらないのに・・・)
白毫寺は高円山の麓あたりに位置します。昔、志貴皇子(天智天皇の息子)の山荘がこのあたりにあり、それがお寺になったという伝えがあるそうです。上の歌の“見る人”とは志貴皇子で、彼が亡くなったことを悲しんで作られた歌だということです。
彼は平安遷都した桓武天皇の祖父にあたる方で、平安遷都直前になくなったとか。とすると、この歌は1200年ほど前の歌ということになります。
この歌に詠まれている萩は野辺にあったのだから、このような参道を埋め尽くしたような景色ではなかったと思います。しかし、平城京が見渡せる小高い場所で志貴皇子が萩を見ていたのかなあという想像はできました。
この万葉歌碑が境内にありました。
風や草木花の変化から季節の変化を感じ、昔の人の想いにふけってしまう秋の夜長でした。
今年撮影した写真の後ろに、数枚だけ昨年のものが入っています。
昨年の秋分の日は暑かったので歩いていたらビールが飲みたくなりました。
元興寺の門前にある酒店がお気に入りです。店先でちょこっといただくことができます。
↓画像クリック↓ スライドショーでどうぞ。