暗闇坂考
突然、寒さが厳しさを増してきました。
だから週末はほとんど家にいたのですが、その間はもちろん読書をして過ごしました。
読み返しシリーズ第2弾は、またもや島田荘司の「アトポス」。
文庫ですがかなり分厚いです。
分厚い本を読了すると、次々に分厚い本に挑戦したくなります。
短編やショートショートを読み出すと、今度はそればっかり。
どうやら、読み方に偏りがあるみたいです。
さて今回は、前回の宣言通り「暗闇坂の人喰いの木」についてお話します。
ふつう、同じ本を何度も読むのはその本が好きな作品だからであると思うのですが、この「暗闇坂の人喰いの木」は作品としてそんなに好きなワケではありません。
ではなぜ何度もこの本を読むのか。今回の場合は、この作品の舞台が他ならぬ横浜だからです。
つまりは、会社が横浜に移ってきてからというもの横浜への関心が増し、その結果横浜を舞台にした作品をたくさん書いてきた島田荘司の作品を読み返すことになったというワケです。
この作品のタイトルにもある暗闇坂という坂は横浜市西区に実在していて、最寄り駅は京急戸部駅とのこと。
この暗闇坂、昔は刑場だったとのことで、そうした過去がミステリー小説の舞台に選ばれる理由だったのではないでしょうか。
ところが、暗闇坂を「鞍止坂」とも書くのだという説があるそうで、これはなぜかというと、坂を上りきった場所、つまり山の頂上からの景観がたいへんきれいで、思わず馬の歩みを止めたからこのような名前になったということのようです。
しかし、調べてみると暗闇坂というのはこの横浜市西区以外にも存在していて(港元麻布や文京区上野、大田区山王など)、これらの坂は上空を木々が覆っていて昼なお暗かったために暗闇坂と名づけられていたことから、昔は鬱蒼と木が茂っていたらしい横浜の坂も「鞍止坂」よりも暗闇坂が少しだけ有力なのではないかと思います。
さて、ここまで調べると横浜市西区の暗闇坂に赴いてみたくなるのが人情というもの。
時間のあるときに行ってみようかしら。
では皆様、風邪にはくれぐれもご注意下さい。
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