2007/03/10 15:21
テーマ:ひとりごと カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

金銀DVDメモ(ネタバレです)


 遅まきながら、金銀のDVDを見て、私なりに感じたことを書かせていただきます。

①タムドクとは何者か。

○太子としてのタムドクは、おだやかで洗練されていて、美しい。時には少しヤワな印象すら受ける。

だが、実のところ、心の奥に、人間的な激しい思いをおし隠していたように思える。

 一国の王子というだけでなく、それ以上の資質を持ちながら、なぜか、それを秘することを余儀なくされるタムドク・・・。
彼は、そのこともあって、陰謀うずまく城で、少年時代を過ごすことになる。
 それが、タムドクに、外見のおだやかさ、やさしさと、内面の強さ、激しさを与えたのだと思う。

 たとえば、少年のころから彼を知るキハは言う。
『心を開いて笑ったことのなかったお人』だと。
それは、陰謀うずまく城内にあって、誰にも心許せず生きていかねばらなかったからだろう。
 時には命を狙われ、時には心傷つけられる、そんな日々が続いたのではないか。


○心の正しさと潔さ。

 天のさだめた王たる者、それがホゲならば、国のため、民の平穏のために、と自ら城を出るタムドク。
王位継承者の資格さえ、潔く捨て去ることができる男なのだ。

○人間としての成長。

 城を出てから、平民の中に入ることによって、死と隣り合わせになっている彼らの苦しみ、困窮ぶりを目の当たりにすることになる。

王たる者がいかにあるべきかを学んでいくのだと思う。

 これらを考え合わせると、天が、タムドクを、『一国の王たる者』と運命付けた理由がわかるような気がする。
 生まれながらの王だと周囲からもてはやされ、たやすく王となるのではなく、愛を知り、親しい者の憎しみをかい、平民の苦しみをその目で見て、人の上に立ち、これを率いていくのはどういうことなのかを学んでいったのだと思う。
 そういったことも含めて、天のさだめた『王たる者』の資質、度量をそなえた人物だったのだろう。


 こう考えると、すぐにヨンジュンがタムドクに重なってくる。
穏やかな抑制された表情、やさしくやわらかで、ときにはたおやかな印象すら受ける。
だが、その胸のうちに激しい思いがうずまいていることも、ファンなら誰でも知っている。  
いかに生きるべきか、そういったことを考え続けているからこそ、作品に対して真摯にありたいという姿につながっていくのだろう。
その資質、度量の大きさが、いかにもこの、高句麗の大王そのものだと思うのだ。

 

②キハという女性について。

○神に仕えるべく育てられた女性。

 古代において、神に仕えるということはかなり特殊な意味を持っている。神事が人々の生活においてかなり大きな要素を含んでいたからだ。
 国は違うが、倭と呼ばれていた古代日本においては、かなり後の飛鳥時代のころになっても、伊勢神宮の巫女は大王家(天皇家)の皇女の一人が選ばれていた。
古代朝鮮半島でどうであったか、正確なところはわからないが、大和朝廷が半島の文化の影響を強く受けていることを考えれば、やはり同じような感じだったのではないか。

 神に仕える女性とは『神の花嫁』として処女であることが求められたはずだ。
 このドラマではどうなのかまだわからないが、彼女の中にそういった一面があるに違いない。

それがタムドクとの愛にどう影響を及ぼしたか、すごく興味がある。
神に仕える女性との愛とは、単に敵味方という以上のものがあったのではないかという気がしてくる。

ムン・ソリさんは、キハという女性は、胸に痛みや悲しみを秘めた魅力的な女性だと思うと語っている。

もしかしたら、ふたりは結ばれない運命にあるのかもしれない。


③ユン・ホゲについて。

○天のさだめた王だと、周囲が認めてきた男。

 特に、父母の期待が大きかったと思われる。

○憎しみ、恨みを制御できず、そのために王となる域に達しなかった男。

 ユン・テヨンさんは、ホゲについて、王位継承ということではなく、愛する女性と母を死なせたことから、タムドクを憎むようになった、本当は心やさしい男だと思う、と語っている。
確かに、神殿らしきところで舞うキハを見つめるホゲのまなざしは熱く、せつない。やさしささえ感じられる。
でも、私としては、より野心的な好戦的な男として、つまり積極的にタムドクを斃しにかかる男として、ホゲに期待したい。

③その他

○タムドクとキハの密会シーンについて。こんなのもあったのね、と思われる街中での散策場面だ。

タムドクがいかにもうれしそうに笑う。そっとそれを横からうかがうキハ。密会にこめられたふたりの思いのほんのわずかな(?)思いのずれを見たように思った。

○馬に接するときの彼は、やさしくて愛情あふれていて、すごくいい!『徹子の部屋』で垣間見た、愛犬に愛情あふれる視線を注いでいたあの表情だった。

○おだやかな太子たるタムドクの姿は十分想像できる。いつものヨンジュンそのものだからだ。

 が、さっそうと馬を走らせる場面、戦闘の場面、鎧兜に身を固めている姿などは、まったく想像以上のものがあった。

特に、鎧に身を固めた姿。最初にネットで見たあの一枚のフォトのときから、「これは!」と思ってきたのだが、馬を駆使しての武者姿はまた別格のものがある。

兜をかぶった姿もちらりと見たが、これがもうはっとするほどのいい男ぶりで、すご~く満足だった。

その多くが危険と隣り合わせのものだが、彼の努力とカリスマ性、内にある騎馬民族の王としての資質が前面に押し出されたものとして、はっとして両手を硬く握り締めたまま、ただただ見とれるばかりだった。


○全編を通して流れる音楽がすばらしい。さすが久石さんだ。古代を思わせる幻想的なものでありながら、すごく新鮮で悲しく美しく流れる。ドラマの色合いをいっそう引き立てているといえる。

 

☆先日書かせていただいた、ホームページのイントロダクションから、私が考えたあらすじとは、だいぶ違ってしまいました。失礼しました。


[1]

カレンダー

2007年3月

1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
ブロコリblog