2007/02/02 11:06
テーマ: カテゴリ:趣味・特技(カメラ)

湿原

Photo

豊葦原之千秋長五百秋之水穂国(とよあしはらのちあきながいほあきのみずほのくに)

古事記に出てくる最初の日本の呼び名なのだそうです。略して「豊葦原国」とか「水穂(瑞穂)国」といい、葦が豊かに生えていて、秋の稲穂がたくさん実る国と言う意味であるらしいです。

霧多布湿原のビジターセンターで湿原を案内していただいた時、そのお兄さんがここに見られるような風景が日本の原風景であったのではないかとおっしゃいました。なるほど、葦が茂り、水がとうとうと流れ、多くの動植物が生息する湿原は、豊葦原国と呼ぶにぴったりです。

湿原は湿った完全に腐りきらない植物が積み重なって泥炭という層をつくり、沼地を埋めていったものであるということです。その堆積はわずかずつですから、何千年というなが~い時を経てできてくるのだそうです。湿原はクッションのようにやわらかく、多くの水を蓄えています。そのため、たくさんの動植物がそこで暮らすことができます。

上記の写真は霧多布ではなく、釧路湿原です。夏に旅した時の撮影ですから、緑の草木が生い茂っています。

このあたりの湿原といえばタンチョウが思い浮かびます。広大なこの湿原のどこかにいるのでしょう。彼らがここに棲めるのも湿原のおかげです。真冬の真っ白な時でも、地層の凍らない水中に彼らの食料が豊富にあることがそれを可能にしてるそうです。

前、霧の中をゆっくりと歩く丹頂を撮影した写真があったのですが行方不明(;_q))クスン。これは動物園に保護されていた親子です。

霧多布ビジターセンターでこんな映像を観て感動しました。昆布干しをしているおばあさんの後ろの湿原で、タンチョウのつがいがエサをついばんでいるというものです。「特別天然記念物」というたいそうな肩書きを人間から与えられたタンチョウ。彼らとの共存は干渉しないことであると解説していました。

豊かに葦の茂る日本の風景は私の住むところでは観られない特別な風景です。昔に戻ることはできませんが、その風景が残っている場所がこれからもそうあるよう祈るばかりです。


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