2009/06/20 14:01
テーマ:身体 カテゴリ:趣味・特技(その他)

ホタル舞う季節の風景

Photo

6月19日は桜桃忌。今年は生誕100年ということでニュースでたくさん太宰治がとりあげられていました。なんで桜桃忌で誕生日の話題なんだと不思議でした。なんでも入水自殺した日は6月13日で、遺体発見日が太宰の誕生日である6月19日だとか。そのために命日を桜桃忌として19日にしたそうです。
太宰のことも太宰の文学にも興味がない私ですが、永井龍雲の♪桜桃忌~おもいみだれて~♪を聴くと物悲しい気持ちになってきます。


 襟元に吹く風が心地よく肌になじむ
 衣替えが恋しく思える今年も夏がくる

http://www.youtube.com/watch?v=WTcthPmu_OE  
 


臓器移植法の改正案が衆議院を通過したとか。なんでも脳死を人の死とし、臓器移植に年齢制限がなくなるそうです。もちろん、子供の虐待による死とか、家族の拒否による脳死判定について配慮された文面はありました。私は臓器移植を前提として人の死を法律で決定したのかなと思ってしまいました。

日本の文化と西洋文化は違いますから、死の受容とか臓器をとりだすことは難しいと考えます。「フランダースの犬」(訂正しました)の最終回、ネロはパトラッシュと共に神に召されています。西洋的にはあれはハッピーエンドなんですよね。魂が神のところに行くことができた・・・つまり、肉体は仮の姿であり、魂の抜けた肉体にネロはもういないという考え方になるからなんだと理解しています。別の人がその肉体を使ってもいいということですね。
日本だと髪の毛一本にもその人の魂が宿るとされる考え方がありませんか?昔々は復活を願って何日も殯(もがり)ということが行なわれていましたもの。
臓器移植にあたって、ドナーに親しい方は亡くなった方が他の人の身体で生きていくんだと思うでしょう。でもそれは、レシピエンからみたらきっと重荷になるに違いありません。別の人間が自分の中で生きる?恐いです。
また、「あげた」⇔「もらった」の力関係ができてしまうかもしれません。


この法案について報道が始まった頃、ちょうど私の勤める部署に臨床的に脳死であると判断された方と、臓器移植をしなくては助からないだろうという方がいらっしゃいました。どちらも移植という医療が実施されることはありませんでしたが・・・。
私の仕事はトレシピエント側の切羽詰った思いも、ドナーになりそうな方の家族を失っていく思いも知る機会は何度かあります。しかし、私自身は上に記したような考え方が心の奥底にあるので、脳死による臓器移植には慎重派です。今回の法案決定も懸念しています。



先日、書店で『動的平衡~生命はなぜそこに宿るか~』という本を目にし、その帯の言葉も気に入って購入しました。福岡伸一さんという分子生物学者が書かれた本です。

  “生命とは絶え間ない流れの中にある動的なものである。”

職業柄、人間とは何か、人が生きているとはどういうことか、人の身体はどうなっているのかを考える癖がある私。分子単位というミクロな世界から人間を掘り下げた内容が面白く、時間を忘れて入り込んでしまいます。
最初の章で「脳」について語っているのですが、脳細胞の違いで人の個別性が違うのではなく、神経回路の形成によるものなのだと書かれていました。知覚、感情、思考、行動、記憶・・・すべてが脳の神経回路をどのように電気信号が伝えられていくかできまるのだとか。例えば、記憶は脳細胞のどこかに貯えられているのではなく、何度か想起したことのある記憶はそのパターンで回路が刺激されたということのようです。福岡先生は星座のようなパターンなんだと言っています。な~るほど。細胞内では常にタンパク質が合成と分解を繰り返していて、引き出しのような動かないものがあるわけではないんですよね。

脳は身体内外からの刺激をうけてそのたびに電気信号の動きが活発になったり、ゆっくりしたり、パターンが変わったりめまぐるしいのだと思います。その人らしさというのはその回路によるものなので、いくらクローンが作られても同じ人間にはならないとのこと。

こう考えると人間の肉体と心は決して離れているものではなく、両者でその人なんだって思います。脳がなくなったら身体もなくなるし、別々になってどちらか一方が残るというのは人間の自然に対するおごりがあると私は思います。


タイトル下の写真、暗くてみえないかしらん。ぜひ大きくしてみてください。実はホタルの光の軌跡が写っています。ホタル撮影ははじめて。
明るいうちに行って、場所を決めてピントをあわせたりした方がよかったようです。とりあえず三脚を立てて、レリーズで押してみました。
ところが観光客がたくさんいる場所だったので、携帯やデジカメのフラッシュがパカパカ・・・( ̄  ̄;) 邪魔だ!
ホタルの光はフラッシュよりも弱い静かな光ですよ~。写りませんよ。ホタルがいなくなっちゃいますよ~。

子供のころ、近所の田んぼで蛍狩りを毎年しました。こんな梅雨のころだったかなあ。夏休みだったような記憶。従弟が遊びに来ていたもの。
虫かごに入れてきて、部屋の電気を消して光をながめたり、部屋の中にはなしたり。でも、朝になるとみんな死んでいたホタルたち・・・。
ごめんなさい。
いつの間にか特別な場所に行かないと見れなくなってしまったのですね。

太宰治が入水した用水路にホタルは舞っていたのでしょうか。


ホタルを観た翌日、ハーブ&ローズガーデンを歩き、撮影をしました。残念ながら、バラとか紫陽花とかというくくりでしか名前のわからない、植物については知識の乏しい私でした。

       
    
   
              


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