2012/02/13 19:48
テーマ:奈良 カテゴリ:趣味・特技(その他)

隠国(こもりく)の初瀬


若草山焼きの翌日、奈良初瀬の長谷寺に冬牡丹を見にいきました。
初夏のような華やかに咲き誇った風景ではありません。
傘をかぶった花はひっそりと可憐でした。 

長谷寺は花の寺といわれるくらい四季折々の花がみられるところのようです。様々な写真を見て、ぜひ桜の時期にきたいなと思いました。

  


 

ここのご本尊は十一面観世音菩薩立像で、全国の長谷観音の根本だそうです。
身丈が10mという大きな木造で、菩薩さまには珍しく錫杖を右手にもっていらっしゃいます。
古来から「初瀬詣」として多くの人たちがお参りされているとのことです。

「源氏物語」にも登場していて、『玉鬘』で夕顔の元侍女であった右近が何度も足を運ぶ姿が描かれています。亡くなった主人の娘・玉鬘に、何年か続けた初瀬詣でで再会することができるという設定でした。



こもりくの 泊瀬の山の 山の際に

    いさよふ雲は 妹にかもあらむ 
              
柿本人麻呂【万葉集・巻3‐428】

  (泊瀬の山際に漂う雲は妻かもしれないな) 


隠国(こもりく)は、初瀬(泊瀬・はつせ)にかかる枕詞で、奥深い山間に隠れた地のことだそうです。確かに今でも山に囲まれた静かな隠れ里といった場所です。参道の店はどこも昭和を感じさせてくれます。

初めて私がここを訪問した時(20年くらい前かな)、ものすごい大雨で、近鉄長谷寺駅から歩いていたら全身びしょびしょになってしまいました。あまりに寒かったので、参拝前に参道の店でにゅうめんを食べました。初めてのにゅうめんは冷えた身体を温めてくれ、ホッとした思い出があります。
以来、この参道にきたらにゅうめんを食べます。


ここは難波や京から伊勢へ旅する街道の途中にあたり、道しるべに「伊勢」の文字があちこちでみられました。
初瀬から伊勢に向かう道の最初の峠を『化粧坂(けはいざか)』というそうです。参道の酒屋のおかみさんからはその由来を次のように聴きました。

昔、難波あたりから伊勢に向かう女人の最初の夜がこの泊瀬になったそうです。翌朝暗いうちに宿を出発すると、一汗かいてちょうど峠で日の出となりお化粧をするのだとか。なるほど~。

そういえば、鎌倉の長谷寺の近くにも化粧坂はあるそうですね。





『こもりくの里』というお酒を中山酒店で購入しました。このお酒はここでしか購入できないものです。原酒ということでアルコール分が濃いです。
亡くなった父が好きで、毎年新酒が出ると電話をしてお取り寄せしていました。
以前は多山酒造という蔵元がラベルにありましたが、現在は倉本酒造さんで造っているようです。

大和は日本酒発祥の地で地酒がたくさんあるようです。なぜか初瀬の里には小さな酒店がたくさんあり、蔵元直営みたいで置いてあるお酒が皆ちがいます。醸造蔵は少し離れたもっともっと山の方にあるそうです。

私自身は日本酒をあまり飲まないのですが、父を偲びつつちびちびと飲んでみます。


どうしてもオリジナル写真の画像がアップできません。
なので、文中にいくつも入れてしまいました。


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