日本、韓国、中国の緑茶
実は私は、関東地方でもっとも有名な茶どころに隣接したまちに住んでいます。
野生の茶畑というものを見たことはありません。このあたりの茶の樹はすべて、例の丸い形に整えられています。
すべての部分に均一に日光を当りやすくするためと、新芽だけを摘むなどのお茶摘みをしやすくするため、などと言われています。
韓国の伝統的な緑茶の製法は、日本とは異なるのですね。
この項を読んだところでの大きな違いは(大雑把ですみません)
・茶葉を発酵させないために行う加熱の方法
日本は「蒸し」
韓国は「煎る」
・茶葉を加熱するときの温度
日本は蒸し時に100度程度(そりゃそうですよね)、乾燥時もそれ以上高くしない
韓国は直接鉄釜で煎る(350~400度)、その後乾燥(この工程についての記載なし、自然乾燥?)
・仕上げの揉みが終わった茶葉の形
日本は、一定方向に揉むため真っ直ぐで細長い形
韓国は、細長いけど真っ直ぐではない
仕上がった茶葉は、写真を見た限りでは、白っぽいところや、ちょっとちりちりっと縮れたような部分があって、私が時々飲む「碧螺春(へきらしゅん)」という中国緑茶とちょっと似ているような気がします。
このお茶は中国でも銘茶と呼ばれるものらしいので、味も同じかどうかはわかりませんが…
こちらは日本の緑茶と同じく、70度くらいのお湯で淹れます。いわゆる日本の緑茶とは全く異なりますが、味はさっぱりしていて香りが非常に高いです。
ちなみに、中国の緑茶も韓国と同じく、茶葉を直接煎って作るそうです(加熱時の温度までは聞きませんでした)。
彼が熱いお湯で淹れて渋かった、と書いている蒸して作られた緑茶というのは、もしかして日本製の緑茶だったのかもしれませんね。
韓国のお茶名人の先生は、高い温度で煎りながらも、直接手で葉に入った温度を計りながら名人芸のタイミングで引き上げる、ということなのだろうか。
高い温度で名人芸で煎ると、熱いお湯で淹れてもおいしい…本当にそうなんだろうか。
是非飲んでみたいですね。
あ、でも私は95度は無理です(笑)
「茶」色
どうして日本語で(茶色=“brown”)のことを「茶」色というのか…
お茶の葉の色も淹れた水の色も、“brown”というには程遠いですよね。
どうもこれには諸説あるらしくて、
・奈良期に日本に初めて伝来したお茶が中国茶で、葉の色も水の色も”brown”だったから
・お茶をこぼしてそれを布巾で拭くと、布巾が“brown”になるから
etc.
ということらしいです。
韓国語では「茶色」のこと、何て言うんでしょうか?
お茶の伝来も、時代は多少遡りますが、状況は日本と同じだったでしょうから。
95度のお茶を好む!?
口の中火傷でべろべろになったりしないのでしょうか。猫舌の真逆にいる人ですよね。
ぐつぐつ煮立っているチゲもそのまますくって飲めそうですね(笑)
95度という温度を明確に指定しているということは、温度設定の出来る電気湯沸しポットでお湯を沸かしているのか、それとも沸かしたお湯の温度を温度計で計っているのか…
そこらへんはよくわからないですが…でも出来れば伝統文化を伝えるお立場なら、ティ○ァールとか象○とかじゃなくて、鉄瓶か何かで沸かしていてほしいような気もします(笑)
しかし、いくら熱いお茶が好きだからって、緑茶に熱いお湯をそのまま…乱暴ですよね。美味しく淹れられるわけないです。
日本では、一回何かに入れて冷ますって家庭科で習いますよね。それだけ緑茶の文化が日常にすっかり根付いているから。
日本と同様禅宗とともに親しまれていたはずなのに、彼がこの本で述べているように、韓国では李朝の崇儒廃仏によって、お茶は一般的な飲み物ではなくなってしまっていたから、淹れ方まで忘れ去られてしまっていたのかもしれません。
しかし、熱いお湯をそのまま入れても渋みがなくておいしいお茶・・・
そのお寺でお坊さんから出していただいたお茶というのは、ほうじ茶みたいなものだったのではないかな(ほうじ茶なら熱いお湯ですものね)とも思いましたが・・・違うんですね。
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