彼の来し方
7月4日。
皆さんご存知の通り、米国の独立記念日です。
1947年のこの日、父は生まれました。
先日61回目の誕生日を迎えた父ですが、その誕生日を祝うことはできませんでした。
なぜなら父はこのとき、米国にいたからです。
父の父、つまり父方の祖父は、米国西海岸で生まれた日系二世でした。
一度は日本に戻ったもののまた渡米し、第二次世界大戦を迎えたときに、ツールレイクというところにある強制収容所に入れられました。
このときこの強制収容所に入れられたのは、大部分が兵役を拒否した日系米国人たちだったそうです。
日本にルーツを持ちながら米国の市民権も獲得していた彼ら。兵役に就いて日本と戦うのか、それとも…苦渋の決断を強いられた末に兵役を拒否した彼らは「ノーノーボーイ」と呼ばれ、米国と日本との狭間で苦しむことになるのです。
ここでは詳しい話は割愛しますが、ノーノーボーイたちの一人であった祖父は、数奇な運命を辿ったそうです。
父はそんな祖父のルーツ、来し方を探るために、ここ数年は毎年夏に米国を訪れ、数少ない当時のことを知る人たちに会い、現地で調査をしているのです。
生前の祖父は、父にはもちろん、祖母にもツールレイクのことに関してほとんど語らなかったそうです。
だから父は、毎年米国の西海岸を訪れるのです。
調査を終えたら、これを一冊の本にするのが自分のライフワークだと語りながら、書きかけの原稿をコッキーに手渡した父。
ぜひとも完成させてもらい、出版に協力したいものです。
そんなワケで、7月4日を迎えると、米国と何かと縁のある父と祖父のことを考えてしまうコッキーでした。
きょうは七夕ですね。またしても雨を降らせてしまいました。
残念ながらデートはありません。
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