2010/07/26 08:45
テーマ:創作mirage-儚い夢- カテゴリ:韓国TV(ホテリアー)

mirageside-Reymond-16

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「やはり、レオナルド・パクの情報網は期待通りでした」

「彼らがこのNYから消えて5年、か・・・」

「ええ・・今までよくも逃れていたものです」

「後はフランクが上手く彼らを計画に乗せてくれれば」

「乗って来るでしょうか?」

「フランクなら・・」

「彼を随分と信用なさってるんですね」

「フッ・・」

  そう・・・

いつしか私は彼を自分の目的を叶えられる唯一の男だと確信していた。

「しかし・・いよいよです」

「ああ・・私の計画は彼ら無しでは終決しない」

「・・・・・」

「ソニー・・覚悟はいいか・・」

「覚悟?とっくにできております    
 それに私は・・最後まで若のおそばにいられれば本望ですから・・・」


「・・・・・フッ・・損な人生だな」

「損?・・本望と申し上げました」

「ソニー・・・頼みがある・・・」

「何でしょう」

「・・・私にもしものことがあったら父を・・・」

「・・・・・」

「父を・・・私の代わりに・・・
 母の眠る場所へ連れて行ってくれないか」

「・・・・・」

「頼む」

「若・・それは・・お引き受けしかねます」

「命令だ・・お前は私の命令なら何でも聞く・・そう言ったはずだ」

「いいえ・・・たとえあなたのご命令だろうと・・・
 きっとお父上が承諾なさらない・・・
 あなたご自身がお連れしないことには・・頑として聞き入れてくださらない
 あの方も・・・どなたかによく似ておいでです」

「誰のことだ?」

わざとらしくのたまうソニーを私は下から睨みつけた。

「血は争えぬと申します」

ソニーは睨みつけた私にお構いなく淡々とそう言った。

「フッ・・」

「ですから・・」

「ソニー・・・お前は今まで私の言うことに背いたことがあったか?」

「ございません・・一度として。」

「それなのに?」

「はい・・・」

「お前が・・生涯で唯一、私の命令に背く・・そういうことか・・・」

「はい。」

「なあ、ソニー・・・・・私が強情なのはきっと・・お前に似たんだ・・」

「私に・・・ですか?」

「ああ・・父よりもずっと多くの時間を過ごしたお前に・・・
 きっとそうだ・・・」

私がそう言うと、ソニーは私に、彼にしては珍しく満面に湛えた笑顔を見せた。

私もまた、彼から顔を背けながらも自然と綻ぶ自分の頬を手の甲で押さえ俯いた。

   ソニー・・・お前がいてくれたから・・・

   僕はまだ人間でいられたのかもしれない

   母が残した僕への想いを・・・

   お前だけが忘れずに守ってくれていた

   この世界で・・・縦に厳しいこの世界で・・・

   お前は変わらず母の心だけを守ってくれた

   お前ほど強情な男はいない

   そうだろ?

 

      僕が強情なのは・・・


         ・・・お前に似たんだ

 

 


「・・若、我々はどう動きましょう」

「ああ・・まず、フランク達の護衛を強化しろ
 奴らは自分達の立場が危うくなれば無鉄砲なことをしかねない」

「はい・・・こちら側の幹部達はどのように・・・
 たとえ若のなさることとはいえ、黙ってはいますまい」

「ん・・・」 私は少し考えて、おもむろに口を開いた。   

「モーガンには私が直接、話をしよう」

「はい」

「それから・・例のものをフランクが手に入れたら
 彼から速急に奪い取れ・・
 フランクの手にあっては彼が危ない」

「はい」

「とにかく、フランクの動きを見逃すな
 彼が私の手先と勘ぐられることは避けなければ・・
 彼らにも・・ライアンにも・・・そして警察にもだ・・・
 そのためにも・・・我々は・・徹底的にフランクの敵となるんだ。」

 

「そこまで・・あの男のことを?守る必要があるんですか?」

 

「守らなければならない。」

「わかりました」

「・・・・急げ!」

「はっ!」

 

   

   あの男を守る理由?・・・

   そんなもの考えもしなかった

   いや・・・きっとそれは・・・

   私の心のずっと奥深くに

   いつの間にか根付いていたのかもしれない


   あの男を守らなければならない・・・

   その理由・・・


   それは・・・

  
   あの男にしか

   守ることができないもの・・・


   それが・・・この世に

   たったひとつだけ・・・

         
   ・・・存在するからだ・・・


 


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