2008/03/07 21:57
テーマ:香港映画 カテゴリ:レビュー・感想(映画)

香港版『猟奇的な彼女』? 『I’LL CALL YOU』


現在シネマート六本木にて好評開幕中の「アジア新星流」で、ラム・ジーチョン監督の『I’LL CALL YOU』を観てきました!

香港映画というと、某作品の宣伝文句「ありえねー。」と突っ込みたくなるようなオーバーアクションやゆる~いストーリー、濃ゆ~いキャラクターといったイメージしか持っていなかったのですが、『I’LL CALL YOU』は良い意味で期待を裏切ってくれた作品でした。

平凡でお人好しな青年マンが、かわいいけれど超自己中心的な女の子カレンに振り回される…というストーリーは、ちょっと『猟奇的な彼女』を彷彿とさせます(実際、劇中にもそんなセリフが出てきます)。しかしそれをCGやアニメを使ってコミカルかつファンタジックに描いていて、脇を固める個性的なキャラクターといい、要所要所で飛び出すナンセンスギャグといい、なかなか飽きさせません。

韓国の女の子以上に気が強くてパワフルで、超ワガママなのになぜか憎めないカレンに一度は手痛く振られてしまうマンですが、彼女を忘れようとして長く苦しんだ末に(このあたりの描き方が秀逸!)彼が選んだ方法は、忘れることよりもはるかにすばらしい選択だったのではないでしょうか。

「たとえ失敗してもそれが新しい第一歩になる」
「愛情は強制できない。妥協もできない」

どちらもマンの友人の言葉ですけど、いつの時代にも当てはまる恋愛の真理ではないでしょうか。『少林サッカー』などチャウ・シンチー作品でおなじみのおデブさんタレント、ラム・ジーチョン監督はこの作品で長編デビューを果たしたそうですが、香港映画らしいユルさの中にもさわやかな余韻を残す手腕はお見事!

それにしても、この作品で何といっても衝撃的なのは、「アジア新星流」プロジェクトを総指揮した大スター、アンディ・ラウの役柄…!世界的な俳優がそこまでやっちゃうの!?という感じですが、それだけ彼の映画に対する愛情の強さが伝わります。

何だかんだと見終わってジーンとしているところに、エンディングテーマとして流れる日本のド演歌…。そんな監督のセンスが光る『I’LL CALL YOU』、みなさんもぜひご覧になってください。

ブロコリレビュアーS


2007/10/24 18:17
テーマ:香港映画 カテゴリ:レビュー・感想(映画)

『鐵三角 TRIANGLE』(2007)


前回初めてレビューブログを書いたのですが、間の抜けた評論家のような格好悪い文体になってしまいました。『レター 僕を忘れないで』を素敵に紹介したかっただけなのですが。本当はそんなキャラでもないので今回からはフツーにT子の口調で書かせていただきます(笑)。

先日、東京国際映画祭提携企画として開催中の香港映画祭http://www.int-acc.or.jp/hkff/に行ってきました。オープニング作品はツイ・ハーク、リンゴ・ラム、ジョニー・トーの3人がバトンタッチ形式で撮ったという異色の作品『鐵三角 TRIANGLE』3人とも香港映画界を代表する監督たちです(その個性は、これまたバラバラ)。どんな映画なのかあまりリサーチせずに観に行きました。どこからどこまでがどの監督の演出なのか、気になって気になってドキドキしながら作品を鑑賞いたしました(笑)。案の定、なんとなくですが雰囲気でわかったようなわからないような。この映画のスゴイところは3人の監督の意図するものが結局は同じだというところ。3人とも同じ思いを抱いて香港という街で生きているのだということがひしひし伝わってくるような、そんな映画でした。拝金主義と言われる香港社会の中で抱く疑問や葛藤を映画に込めたような気がします(単なる想像ですが)。サイモン・ヤム、ルイス・クーなどの俳優もよかったですがやっぱり私としてはラム・シュー(ジョニー・トー映画の常連!)が出てきたことによってパンチの効いた映画に仕上がったんだと勝手に盛り上がっていました。
実は私の原点は香港映画にあるのだと思っています。小学生の頃からでしょうか。家に帰ると母が香港映画を見せてくれました。当時も今も香港映画ばかりを見る人の人口というのはそれほど多くないのが現状です。バンバン人が倒れるようなノワール映画からアクション映画、ラブコメディ、武侠映画、ウォン・カーワイの撮る不思議な世界、フルーツ・チャンのリアルな香港を描いた映画など、香港映画にも色々あるんですけどね。これがどうも日本には定着してこなかった現実があります。そんな中で私は香港映画が大好きでした。いや、今も好きです。香港映画祭をきっかけに新しい香港映画ファンが増えるといいな・・・と切に思っています。韓国映画やドラマでいえば、ブロコリを見てくださる方もこうしてたくさんいらっしゃいますし、サークルなどでみなさんが楽しくお話されていてとても素敵なことだなあと日々感じております。そんなみなさんをサポートする意味でもブロコリも頑張っていこう!と日々思います。一緒に何か語れる仲間って絶対にいたほうが楽しいですよね。私が小学生だった頃はそれができなかったので。ではではまた近々映画レビューをアップしたいと思います!今週はコリアンシネマウィークのスペシャルゲストにインタビューです♪


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