2010/04/06 11:03
テーマ:創作mirage-儚い夢- カテゴリ:韓国TV(ホテリアー)

創作mirage-儚い夢-19.抱擁

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「そんなに睨まないでくれる?」

「えっ?」

「さっきから、あなたの視線が痛いわ」

ソフィアさんが淹れてくれたコーヒーを飲みながら私は、自分でも気づかない内に
ずっと彼女を凝視していたようだった。

「あ・・ごめんなさい・・・そんなつもりじゃ・・・」

「・・・何か付いてる?私の顔・・・」

「あ・・・・いえ・・あの・・お肌が・・・綺麗だなって」

「ふふ・・ありがとう・・・・・?」

ソフィアさんは私の慌てぶりに少しばかり苦笑しながら視線を下ろした。

「・・・・・・」

「申し訳ありません・・・あの・・私みたいな・・・」

私はまだ彼女とどんな話しをすればいいのかもわからず、自分の身も何処に
置いていいものなのかすらわからない中途半端な心境だった。

奇妙なことに、そんな中で彼女を目で追うことが唯一冷静を保つ手段だった。

「誤解のないように言っておくわ・・・
 あなたを預かったのは私にとっても得策と思ったからよ・・・
 私はね・・・学校を出たら弁護士になる予定なの・・・
 彼が成功しているということは大きなコネクションにも繋がる

 つまり今後の私自身の仕事にも関わるということ・・・それだけのことよ・・・
 だから、あなたが恐縮する必要は何も無い。・・・いい?」

彼女はそう言って、先ほどまでの温和な表情を少し険しく変えた。

「あ・・・は・・い」

「そうだわ・・・お腹すいたでしょ?
 少し遅くなったけど・・・何か作るわね・・・」

そしてまた、元の温和な彼女に戻って、キッチンへと向かった。

「あの・・お構いなく・・・」

口ではそう言いながら、悲しいことに自然現象には勝てなかった。
お腹が小さく鳴る音を彼女に聞かれて、私は気まずく照れ笑いを浮かべた。
彼女は“クスッ”と優しい笑みを返してくれた。

  こんな時・・・食べ物が喉を通らない・・・

  そんな女だったら・・・カッコいいのにな・・・  

ソフィアさんが「有り合わせね」と言いながら振舞ってくれた料理は想像以上に美味しくて
食事を摂りながらの彼女との会話もまるで私を緊張させない心遣いに溢れていた。

彼女の所作ひとつひとつが優雅で上品で、この世の中にこんな女性がいるのかと
本気で思え、何故か悔しかった。

事実、今日一日彼女に付いて歩いただけで、どれほど彼女が優秀で人望が厚く
完璧と言える女性であることを思い知らされた。


   フランク・・・やっぱり・・・この人と残るんじゃなかったな・・・

   彼女のそばにいるとひどく自己嫌悪に陥りそうよ・・・


   あなたとソフィアさんて・・・

   似合い過ぎるくらい・・・似合ってる・・・

 

「シャワーどうぞ・・・疲れたでしょ?これに着替えて・・・
 もう休むといいわ・・・そっちのベッド・・・使ってね」

彼女は自分の部屋着を私に差し出してそう言った。

とても几帳面にベッドメイクされた少し大きめのベッドは、その上に落ち着きのある
色調のスプレッドが掛けられ、住まう人のセンスを覗わせるものだった。

「あ・・でも・・・ソフィアさんは・・・」

「私はここでいいの・・・まだ、やりたいこともあるし」

そう言って彼女は腰掛けている椅子に視線を流した。

「でも・・それじゃ、あまりに窮屈・・・申し訳ないです」

ラブチェアー程の長さしかないその椅子はとても休むのに使えるとは思えなかった。

彼女はもう一度その椅子を眺めた後、私に振り返った。

「・・・確かに・・そうね・・・じゃあ、一緒に・・いい?」

そしてベッドを指差してウインクしながらそう言った。

「あ・・はい・・・」

改めて見渡すと、何もかもが洗練され落ち着いたレイアウトの彼女の部屋が
どことなくフランクの部屋に似ているような気がして私は思わず視線を落とした。


バスタブの柔らかいソープに身を包まれながら、今自分の身に起きていることの重大さに
おののくことよりも、ソフィアさんの存在が大きくのしかかってくることの方が切なかった。

   ソープの香りが・・・彼女の香りと同じ

   そして・・・何より・・・

   フランクが好きそうな・・・香り・・・


心地よいはずのこの香りさえもひどく私を動揺させた。



「もしかして・・・気にしてるのかな?」

お風呂から出て、私がベッドの傍らで立ち尽くしていると、背後から彼女が声を掛けた。

「えっ?」

「フランクはここには来たことないのよ・・・」 彼女は微笑みながらそう言った。

「あ・・いえ・・そんなこと・・・」

「気になってたでしょ?・・フランクが好きそうな部屋だなって・・・」

「いいえ・・そんな・・」


   ≪気になっていた・・・≫

       
「フランクとは・・・何処で?・・・あ・・ごめんなさい・・・」

自分の意思に反してつい口にしてしまったというように、ソフィアさんは一瞬後悔の色を
顔に浮かべた。でも私はきっと、彼女のその問いかけを待っていた。

「助けてもらったんです・・・不良に絡まれてるところを」

「へ~らしくないわね・・・余程あなたに惹かれたのかな」

「いいえ、私が追いかけました・・ごめんなさい
 あなたという方がいらっしゃることも聞いていました・・
 彼ははっきり、恋人がいる・・邪魔をするな、そう言いました、
 でも私が無理やり・・追いかけたんです」

私はつい早口になっている自分に気づきながらも、勝手に動く自分の口を止められなかった。
「だから、あの人は悪くないんです・・・私が・・・
 凄く好きになって・・・しつこく付きまといました」

「そんなに・・・必死に庇うことはないわ・・・」 彼女は驚いたような顔をして、笑った。

「でも・・・本当のことです」

「じゃあ、あなたが私から彼を横取りしたの?」

冗談のような口調とは裏腹に、彼女は私に少し厳しいまなざしを向けていた。

「えっ?・・」

「例え、あなたが無理やり彼を追ったところで・・・
 彼は誰にでも簡単に心を許したりしない男よ・・わかってるでしょ?」

「・・・・・・」

「私が愛した男を・・そんな簡単な男だと言って欲しくないわ」

「あ・・・」

「ふふ・・冗談よ・・・そんなに怖がらないで?

 こうは思えない?
 あなたたちが出逢ったのはある意味必然で・・・
 あなたでなければならなかった・・・」

その言い方はまるで、ソフィアさんが自分自身に言い聞かせているように聞こえた。

「フランクの・・・何処が好き?」

「えっ?」

「フランクって・・・ぶっきらぼうで・・・一見、決して優しいとは言えないわ・・・
 そんなフランクの何処に惹かれたのかしら・・・」

「・・・・・・考えたこと・・・ありません・・・
 初めて逢った日から・・・あの人のことが頭から・・・
 いいえ・・心から離れなくて・・・必死に探したんです・・・
 何処の誰かもわからなかった・・・知っていたのは・・・
 フランクという名前だけ・・・でも・・・
 きっと逢えるはずだと信じてました・・・」

「信じてた?・・・どうして・・・信じられたと思う?」

「それもわかりません・・・」

「わかりません・・・か・・・」

「フフ・・・」

「な~に?」

「フランクにもよく、“また・・わかりません・・・か・・”って・・・」

「そう・・・でも、好きになるのに理由なんてないわよね
 “こんなところが好きです”と言われるより・・・ずっとここに伝わるわ・・・」

彼女は自分の胸に掌を当てて、そう言いながらにっこり笑った。

「・・・・・」 私はその時、この人の大きさを心に感じた。

「私のことを・・・何処までご存知?」

「大切な人だと・・・」

「フランクが・・・そう言ったの?・・・あなたに?」 彼女は目を丸くして言った。

「はい・・・」

「ばかね・・・・女心がひとつもわかってないのね・・・」

私は彼女のフランクを非難するような言葉の中にも、彼への愛を感じて切なかった。

「気になる?私のこと・・・」

「あ・・・いいえ・・・」

    ≪本当は凄く・・・気になります・・・≫

「愛されている・・・自信かな?」

「あ・・いいえ!」

「冗談よ・・・ごめんなさい・・・ちょっといじわる言ってみただけ・・・
 フフ・・・心配することないわ・・・私は・・彼にとって家族のようなものよ
 大切というのは・・・そういう意味・・・
 あなたにも大切な家族・・・いるでしょ?」

「本当に・・・そうでしょうか・・・」

「自信がないの?」

「彼はあなたを愛してると思います・・・
 あなたも・・・あなたは・・・どれほど彼を愛してきたんでしょう・・・
 そして今でも・・・
 私はあなたの・・・彼への愛に敵うことができますか?」

私は不躾と知りながら、偽らない本心を彼女にぶつけていた。

「私の・・・彼への愛に?・・・・」

「・・・・・・」

「それは・・・無理だわ・・・」 彼女は凛とした顔でそう答えた。

「・・・・・・」

「私の心は・・・私だけのものだもの・・・
 あなたの心も・・・あなただけのもの・・・ねぇ、思わない?

 人を思う心を・・どちらが勝っていて・・・どちらが劣ってる・・・
 そんなこと・・・どうやって計れるかしら・・・」
それは彼女が、彼女自身の彼への想いがどれ程に大きいのかを私に告げていた。

「・・・・・・」

「ただ・・・彼が必要としたのが私ではなく・・・
 あなただった・・・それだけのことよ・・・」

「・・・・・・・」

「男と女はね・・・
 神様に生を受ける前はひとつの体だったんですって・・・

 神はそれをわざと引き裂いて・・・この世に遣わした

 引き裂かれたそのふたつの体は何とかひとつの体に戻りたくて
 もうひとつの体を無意識に探すの・・・
 そして・・・惹き合い・・・愛し合う・・・

 でもね・・・誰もかれもがその引き裂かれた体と巡り会う訳じゃないわ
 だから世の中には上手くいかないカップルもいる

 その代わり・・・本当に引き裂かれたふたつの体なら・・・
 まるで磁石のように引きあい離れないはずよ・・・」

「・・・・・・」

「フフ・・・昔母にね・・・教わったの
 “あなたも・・・その半身に巡り会うといいわね”って・・・」

「半・・身・・・」

「そう・・・半身・・・あなたたちがもしそうなら・・・」

彼女はそう言ってしばらく言葉を呑みこみ、繋げなかった。

      あなたたちがもしそうなら・・・


彼女はその後にどんな言葉を繋げたかったのだろう。

「・・・・・・」
「ひとつだけ・・・お願いしてもいい?」

「・・・・・・?」

「彼を・・・フランクを・・・いつも・・・抱きしめてやって・・・
 心が壊れないように・・・いつも・・抱きしめてやって・・・

 フランクの心はガラスみたいで・・・あなたよりも・・・うんと子供で・・・
 誰かが抱いていてやらないと・・・
 いいえ・・・あなたが・・抱いていてやらないと・・・
 きっと簡単に砕け散るわ・・・」

「・・・・・・・・どうして・・・」

「・・・・・・?」

「どうしてあなたは・・・そんなに・・・」

「そんなに?」

「いいえ・・・何でも・・・ありません・・・」


   ≪どうして、そんなに彼のことがわかるんですか?≫


そう言いかけて私は口を噤んだ。聞いてしまったところで・・・どうすると言うの?

聞いてしまったところで、ソフィアさんがフランクをどれだけ愛しているのかを
思い知るだけ。
  
   ≪きっとそう≫


   ソフィアさん・・・
   私はあなたのように大人ではありません・・・


   あなたのことが気にならないなんて・・・嘘・・・
   あなたを・・・大切な人だという・・・フランクの心が・・・
   まだ胸の奥に突き刺さっていて・・・凄く・・・苦しいんです・・・


   あなたたちが半身同士なら・・・
   あなたのその先の言葉を訊ねなかったのは・・・

   もしかして・・・フランクの半身が・・・
   私ではなく・・・本当はあなたではないのか・・・

   そんな自分の思いを恐れたからです・・・

 


 

 

俺はまず、韓国のジニョンの父親に帰国の延期を連絡しなければならなかった。
もちろん・・・あいつに彼女を連れて行かれたなどとは言えない。

ジニョンは誤解していたが、俺は親父さんにあいつのことを一切話していなかった。
そんなことを話でもしたら、親父さんは直ぐに飛んで来ただろう。

家出同然に国を出ていた俺自身が心を入れ替え帰国を決意したことを理由に、
親父さんにジニョンの帰国を提言した。
もともとジニョンの留学に乗り気ではなかった親父さんは直ぐに同意してくれた。

とにかく、今回のことは上手く理由をつけて、親父さんに当面の帰国延期を
納得してもらうしかない。


あいつのアパートを俺が知っていることはジニョンも知っているはず。
だからきっとそこにはいないだろう。しかし、今の俺にはそこしか手掛かりは無かった。

翌日、あいつはひとりでアパートに戻ってきた。≪ジニョンは?≫

   ジニョンを・・・何処へ?

俺はしばらく奴の行動を追うしかなかった。

 


レオと待ち合わせたホテルのロビーで彼を見かけた。アパートから僕をつけているのは
わかっていた。
僕は彼に気づかない振りをしながら、今はとにかく急ぎの仕事に集中した。

「ボス・・・流石だな・・・昨日一晩でよくこれだけの準備を・・・
 またこれで・・俺たちの勝利は確実だ」 レオはホッとしたようにそう言った。

「待たせて・・・済まなかった・・・」

「実際のところ、お前を信じてもいいんだろうか・・今回は本当にそう思ったぞ。
 ボス・・しかし、これで何んとか上手く切り抜けられそうだ・・
 やはり、俺の目に狂いは無かったな」 レオがそう言って笑顔を向けた。

「・・・・・・」

「だが・・・これから先も上手く行くとは思うなよ・・・
 お前の実力は今、この業界でも認知されつつある・・・
 出過ぎる杭は打たれるのが常・・・もちろん・・・
 闇に潜む黒幕たちとねんごろにやっていくというなら、話は別だがな・・・
 それなら、奴らもお前を歓迎するだろうよ」

「どういう意味だ」

「どういう意味かは・・・自分で考えろ・・・
 俺はお前のするように動く・・・それはこれまでと同じだ
 ただひとつ・・・覚えておいてくれ・・・
 お前に信用が持てなくなったら・・・もしそうなったら・・・
 俺はあっさりとお前を切り離す・・・いいな。」

「・・・・・・」

   出る杭は打たれる・・・

そんなこと・・・今までにも何度も経験してきた・・・


   やれるものならやれ・・・

僕にはどんなものにも負けない自信があった。
僕の周りに潜む闇がどんなものであるかは想像はつく


「ところで・・・今度の利益もいつものように投資に?」

「いや・・・今回は少し使いたいことがある」

「・・・・・・」

しかし・・・僕は必ずこの世界で頂点に立つ・・・
その決意は変わっていない・・・


  心配するな・・・レオ・・・


  僕の歩く途は・・・誰であろうと・・・


  絶対に邪魔はさせない・・・

 

 


   

「あ・・いけない・・・買い忘れたわ・・・
 ジニョンさん・・・悪いけど、ビネガーを・・・買って来てくださらない?」

「あ・・はい・・・」

ソフィアさんの部屋にお世話になって五日目、フランクからの連絡がこの二日なくて、
私は少し心細くなっていた。
それでも彼女は、学校へも必ず私を連れ立って、レポート作りや資料作りなどを
手伝わせてくれたり、私が気が紛れるようにとの配慮を惜しまなかった。


      彼女はやはり凄い人だと思う


彼女との時間は互いの微妙な関係をも忘れさせてくれるほど、楽しかった。
もしもフランクとのことがなければ、私はこの人と親しい関係になれたかもしれない、
そんなことを思っていた。
一緒に映画を見たり・・・食事に行ったり・・・買い物をしたり・・・
この人になら、何でも打ち明けられそうな気がした。

     でも・・・そんなこと・・・許されるわけがない

彼女の立ち居振る舞いを目で追いながら、自分のそんな感情が余りに身勝手であることを
私は寂しい思いを感じながらも、恥じていた。

「何?」 
私の沈黙の中にあった熱い視線に彼女は不思議そうに首を傾げ、笑顔を向けた。

「いえ・・何でもありません・・・それと同じものでいいんですね」

私は彼女が手にしたビネガーの瓶を指差して言った。

「ええ・・気をつけてね・・・外暗くなってるから・・・」

「はい」

私は彼女の部屋を出て、歩いて5分程のストアに向かった。
そこは彼女の知り合いが経営していて、私が彼女に唯一ひとりで行動することを
許された場所だった。

ソフィアさんに頼まれたビネガーだけをレジに運んで精算をすると、足早にそこを後にした。

その瞬間、私と同時に闇を動く人影が視覚に入ってきた。
いつも外出する時は気をつけるように彼女に言われていた。


      付けられてる?
      いいえ・・・気のせいかもしれない

私は小走りにソフィアさんの部屋へと急いだ。
しかしその影も私の速度に合わせたように動きを速めた。


      やっぱり・・・付けられてる

目の前にソフィアさんのアパートが見えてホッとして、更に速度を速めたとたん、
私はその影に背後から腕を掴まれ細い路地に引き込まれてしまった。

「 きゃー! うっ!」

悲鳴をあげた瞬間、私は口を塞がれ驚愕した。手から離れたビネガーのビンが
地面に叩きつけられ、割れて砕ける音が更に私の緊張と恐怖を煽った。

「うっ!うっ!・・」

私は必死にもがいたけれど、強い力で封じ込められた体は自由を妨げられ
ただ足だけを小さくばたつかせるしかなかった。

「シー」

その時、私の耳元に聞き慣れた低く響く音が届いた。

「うっ・・うっ・・」 でも口を塞いだその手はまだそのままだった。

「ごめん・・・そんなに驚くとは思わなかったんだ・・・
 いい?離すよ・・・もう叫ばないで」 その声がそう言った。

私はその大きな手が口から離れた後も、後ろを振り向くことはできなかった。
余りの驚きと安堵が入り混じって大きく息を吐きながら、体が脱力し屈み込みそうになった。

そんな私の体を、背後の大きな腕はまるで救い上げるように抱きしめた。
私はしばらく言葉もなく、その力強く優しい抱擁にただ身を任せていた。

 

     ・・・フランク・・・




 「・・・・待たせてごめん・・・心細かっただろ?」

彼女は無言のまま頭を左右に振った。

 

      フランク・・・本当はね・・・

      うんと・・・寂しかったわ・・・

彼女の仕草と裏腹の感情を、僕の腕を抱きしめた彼女の手の震えが教えてくれた。

「ごめん・・・これでも・・・急いだんだ・・・」

僕はしばらく彼女の背中を抱きしめたまま、彼女の体温を自分の冷えた胸に移して
少し疲れた心を温めていた。
 

  あぁ・・・

  こうして抱いていると・・・このまま君が・・・

  僕の胸の中に溶けていってしまいそうだ・・・

  ジニョン・・・もっと・・・もっと強く・・・

  抱きしめてもいいかい?・・・

  この小さな肩を・・・

  壊してしまいそうなほど君が・・・

 

    君が・・・


                          
       ・・・恋しかった・・・

 










 









 


 


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