2010/10/18 20:36
テーマ:創作mirage-儚い夢- カテゴリ:韓国TV(ホテリアー)

mirage side-Reymond-24

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フランクはかなりの怪我を負っていたため、実際のところ動くこともままならなかった。

ソフィアさんの話では、彼にはまだジニョンの状態を告げていないということだった。

ところが、ジニョンの父親がジョルジュに事の次第を詰め寄ることが多くなり、
ジョルジュはフランクの存在を父親に話さなければならない状況に陥っているという。  

「レイ・・・いったいどうしたらいいんでしょう・・・俺・・わかるんです・・・
 おじさんのことは良く知ってる・・・おじさんは決してふたりを認めない」

ジョルジュが私の所へ来て、考え込んでいた。

しかしこれ以上、父親にもそしてフランクにも嘘をつくことはできない

私はヨンスに真実を話すしかないと、ジョルジュに告げた。

そしてジョルジュはジニョンの父に全てを打ち明けた。
その後父親は長い時間考えた末、フランクに会うことを、ジョルジュに求めて来た。

フランクはもちろん彼女の父に会うことに同意した。
彼としてもその時が避けて通れないことも承知していただろう。


そして・・・翌日、父親はフランクの病室を訪ねた。

彼らふたりの間にどんな会話があったのか・・・それはわからない・・・

そして事件から5日目にして、フランクはやっと・・・ジニョンに会うことが叶った。

それは本来喜ぶべきことだったはず

互いにどんなにか求め・・探していたのか

この私とて・・・

彼らが抱きあうことを願っていた

しかし・・・


「動けるようになったのか」

彼の病室で待っていた私を見つけた彼は私の問いかけにも答えもせず、
窓辺に向かい外に視線を送りながら言った。


「頼みがあります」

  君の頼みごとなら・・・

  私はどんなことであろうと聞かねばならない・・・

 


「一生の頼みです」

  それならば・・・尚更だ・・・

  しかし・・よせ・・・・・


私の横で遠くをみつめるフランクの・・・
とうに全てを結論づけたかのような表情に私は珍しく動揺していた。

 


  フランク・・・君は・・・今何を考えている?・・・

  どうか・・・私の想像を


  裏切ってくれないか・・・



「あなたに礼を言っていませんでした」

「何の礼だ」

「ジニョンを救ってくださった」

「救ったのは君だ」

「僕は結局・・あそこまででした・・
 あのまま・・あなたが現れなかったら、僕は彼女を守りきれなかった」



  その後悔が君を苦しめるのか?


「私がいなかったら・・・
 君達があの場所にいることもなかった。それが真実だろ?」

「フッ・・・確かにそうだ」


  私さえ・・君達の前に現れなければ・・・

    私の後悔は救ってくれないのか・・・

 

「ここから・・あの赤い薔薇がよく見えるんだな」


「ええ・・・とても・・・美しい薔薇です」


   フランク・・・その薔薇は・・・

   ちょっと頑固で・・気難しいのを知っているか?


   どんなに求めても・・・

   自分がこうと決めたことは決して曲げない

   そんな強い意志を持っていることを・・・

   知っているか・・・


   きっと・・・その花は・・・

   この世でたったひとりの

   誰かのそばでしか咲くことは無い


   そうだろ?


   咲かない花は・・・哀れで悲し過ぎる・・・



   だから・・・フランク・・・止めてくれ



     その先の言葉を・・・


     私に・・・




          ・・・聞かせるな・・・



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