2009-11-12 23:59:25.0
テーマ:アニソナ カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

アニメ☆冬のソナタ☆第4話

Photo

 はぁ・・・遅くなりましたが やっと書きあがりました(笑)

 今回は 一気に最後まで書きました。

 インタビューの疲れもあって(笑)

 なかなか上手く書けませんでしたがお許しくださいね。

 そして アニメなのですがアニメの画像が手に入らないので

 実写版の写真ばかりになりました。いいよね?(笑)

 では・・・アニメの脚本をお楽しみください(^-^)


 追記 きょこままさんが アニメの画像をくださいましたので・・・

 間に入れさせていただきました!! きょこままさん ありがとう~❤ 

 



 チュンサンの心無い一言で傷ついたユジンは 

 悲しみに襲われて夢中で走っているうちに 山の奥に入ってしまった。

 ユジンが我に返って ふと気がつくと

 いったい自分がどこにいるのだか 見当もつかなかった。

 驚いて来た道を振り返ってみても 暗がりで何がなんだか分からなくなった。

 (多分、ユジンは相当な方向音痴だ。)

 「チンスク!サンヒョク!!」ユジンは必死で 友達の名前を叫んだ。

 ユジンにしてみれば 山小屋の方向に走ったつもりだったのだろう。

 「ユジナ!ユジンどこだ?」サンヒョクも必死で 探しまわっていた。

 ユジンは下り坂を降りようとして 木の根につまずき転んでしまう。

 思いっきりコケタので 地面に突っ伏してしまい、もう涙が止まらない。

 なんで?どうしてこんなに辛いことが 連続で起きなくちゃならないの??

 戻れなかったらどうしよう・・・怪我の痛さよりも 心が悲鳴を上げていた。

 必死で立ち上がるが、片足をくじいてしまったのか 歩けなかった。

 すぐ傍にあった 木の根元にうずくまって泣くユジン。

 大粒の涙が頬を伝って 止まらなかった。


 
 それから どれだけ時間が経過したのだろう?

 懐中電灯の明かりが ユジンを照らし出した。

 ハッと気がついて 顔を上げて振り向くと

 その光の先には 嬉しそうな笑顔のチュンサンが立っていた。

 「ユジナ!」チュンサンが 声をかける。

 「チュンサンガ~。」消え入りそうな。それでも安心したようなユジンの声。

 チュンサンは優しい満面の笑顔で ユジンに近づいた。

 ユジンの目から また涙が溢れてくる。

 ヨロヨロ立ち上がると チュンサンがユジンを抱きとめた。

 ユジンをしっかり包み込むチュンサン。

 ユジンはチュンサンにしがみつきながら 子供のように泣きじゃくった。

 「良かった。見つかって・・・。本当に良かった。」

 チュンサンは 無事にユジンを見つけ出させた喜びでいっぱいだった。






 いつもでも チュンサンの腕の中で 声を上げて泣いているユジン。

 そのユジンの鳴き声を聞きつけたのか サンヒョクも近くにやってきていた。

 そして見てしまうのだった・・・。

 サンヒョクにとっては 胸が締め付けられるような二人の姿を。

 チュンサンは 怪我をしたユジンをおぶって歩いていた。

 そして 優しい声でユジンに語った。

 「ユジナ。嫌われても仕方ないけど・・・僕は本気だった。」

 ユジンの心を溶かすような 甘い声と言葉。

 その言葉に ユジンも優しく呟いた。

 「チュンサン。私も あなたのこと嫌いじゃないわ。」

 
 近くにいたサンヒョクは そのユジンの呟きを聞いてしまう。

 顔が曇るサンヒョクの顔。

 サンヒョクは 許せなかった。チュンサンが・・・そしてユジンが。

 なんでユジンを見つけたのがあいつなんだ!!なんであんな奴に騙されるんだ!!

 暗闇の中に サンヒョクの心も包まれてしまったようだった。





 人影を感じた気がしてユジンが振り返る。「何?」とチュンサンが聞く。

 「こっちで 大丈夫なの?」とユジン。「心配?」とチュンサン。

 うんと背中で頷くユジンに チュンサンが言った。

 「ほら。W形の星座が見えるだろう。」「カシオペア?」

 「そう。その隣のポラリスが見える?」「ポラリス?」

 「うん。北極星のことだよ。」「ああ、ポラリスって言うのね。」

 「今度 道に迷ったら ポラリスを捜すといい。」

 ユジンが聞いた。「星座は 季節で変わるでしょ?」

 「いや。ポラリスは 絶対に動かないよ。どんな時も同じ所にある。」

 ユジンを背負って歩くチュンサンは 本当に優しい声で 語りかけていた。

 ユジンは 不安のどん底からチュンサンに助け出されて

 彼の背中の上で 限りない幸福に包まれていたのだろう。

 ユジンはチュンサンに自分の体を預けて そっと目を閉じた。

 チュンサンも暗い山道を照らしながら

 契れかけてしまった ユジンとの絆をまた結びなおせて 

 心から幸せな気分で ユジンを背負って歩くのだった。

 二人が歩くその先に 山小屋が見えてきた・・・。


                              ここでタイトルが入る



         第4話《守れない約束》




 

 サンヒョクは 夕暮れにの鋪道を 怒って早足で歩いている。

 ユジンは後ろから「サンヒョク。サンヒョク。」と呼びながら 

 困ったように 一生懸命に追いかけている。

 そう。キャンプが終わって 駅で解散した後のシーンなのだ。

 「サンヒョク。ちょっと待ってよ!」

 ユジンが走ってやっとサンヒョクに追い付いて

 「サンヒョク!!何を怒ってるの?」と聞いた。

 そう言われてサンヒョクは 眉間に皺を寄せ、

 そして 大きく溜息をついてから 強い口調でこう言った。

 「本当に理由が分からないのか?君は チュンサンに利用されたんだぞ。

  誤解だって言ってたか?当然 謝ったろうな。

  ユジン。あいつは 誰かを本気で好きになるような奴じゃない!!」

 するとすかさず ユジンが言う。「私が好きなの。」

 「えっ?」驚くサンヒョクに ユジンは正直に言ってしまう。

 「チュンサンのことを 私が好きなの。」

 サンヒョクは もう目にいっぱい涙がたまって ユジンを見つめる。

 そして ユジンを振り切るように 家に向かって歩いて行った。

 「サンヒョク!」ユジンは どうすることもできなくて

 サンヒョクの背中を見つめて 深く溜息をついた。


 場面は変わってサンヒョクの部屋が映し出される。

 ドアの向こうで「疲れたからもう寝るよ。」と サンヒョクの声。

 ドアを開けて サンヒョクが重い足取りで入ってくる。

 そして机の写真に目をやった。

 それは サンヒョクとユジンが肩を組んで笑っている写真だった。






 

 夕暮れの校庭。焼却炉から煙が立ち込めている。

 焼却炉の前でかがみ込んでいるのは ユジンとチュンサンの二人だ。
 
 ユジンが両手で枯れ葉をすくって 火の中に投げ入れている。

 「燃やしてもキリがない。」チュンサンに向かってそう言った。

 「そうだね。」相変わらず 優しいチュンサンの声。

 「チュンサン。初雪はまだかな?もう降る頃よね。」ユジンが言えば

 「そのうち降るよ。」とチュンサン。「早く降らないかな。」とユジン。

 すると チュンサンが何かを思いついて 

 「ユジナ。雪を降らせようか?」と言って立ち上がった。




 

 枯れ葉のすぐ傍に置かれた台の上に乗って 両手で枯れ葉を集めて抱えるチュンサン。

 そして それをユジンの頭めがけて「ワ~!」と言って放り投げた。

 枯れ葉は散らばって 雪のようにユジンの上に降り注ぐ。ユジンは嬉しくて笑った。

 そしてそれを もう一度繰り返すチュンサン。

 「凄い。」と手を広げて クルクル回って喜ぶユジン。

 「ユジナ。初雪の日に 何するの?」チュンサンがそう聞くと

 「チュンサンは?」と逆にユジンが聞いてきた。

 「僕は 湖で誰かとデートかな・・・。」それを聞いたユジンは 嬉しそうに

 「もう1回。」と言いながら 自分の上に枯れ葉を投げ上げた。

 夕暮れの校庭には 明るい二人の笑い声が響いていた。






 所変わって ユジンの家。大きな窓の前に座って

 ユジンとヒジンが同じポーズで頬杖をつきながら 空を眺めている。

 二人は同時に 頬杖の手を変えて溜息をついた。

 きっともうすぐ雪が降る・・・二人はずっと待ち焦がれていた。






 そして場面は 町の郵便局。 受付のお姉さんが チュンサンに

 「年末で送れる場合もあります。」と言って何かを受け取った。

 チュンサンがドアを開けて郵便局を出ると チラチラ雪が舞っている。

 チュンサンは 一瞬驚いて そしてにっこり微笑むのだった。



 ユジンは台所で 食器を洗っている。そこへヒジンが走ってきて

 「お姉ちゃん。雪だよ!」と叫んだ。

 ユジンは 手にしたお皿を放り投げて「本当?」と 窓へと急いだ。

 慌て過ぎてつまずいて 窓に頭をぶつけるユジン。

 窓の外を見れば 本当だ!・・・初雪が空から舞い降りていた。





 そして雪が積もる並木道。

 ユジンが黄緑色のジャンバーを着て 一人で歩いてくる。

 首には白いマフラー。髪の毛もポニーテールで 実写版とそっくり!!

 そこへ ユジンをめがけ雪玉が飛んでくる。ユジンの首に勢いよく当たって砕け散る雪。

 飛んできた方を見れば 白いセーターに白いコート。

 赤と青の大胆な横縞のマフラーをした あのチュンサンが立っていた。

 肩の雪を払いながら 「ここで何してるの?」とユジンが聞いた。

 「待ち合わせ。君は?」とチュンサンが言えば「そうなんだ。私も待ち合わせ。」とユジン。

 チュンサンが近づいて「そうか。」と言って 二人並んで歩きだす。

 「来てないね。」「すぐ来るわ。」照れながら歩く二人。

 すると ユジンが倒れた古木を見つけて走って行き、またそれに乗っかる。

 バランスが取れず フラフラしていると チュンサンが「ほら。」と手を差し出す。

 二人はしっかり手をつないで歩いて行く。





 そして大きな雪だるまがもう登場。画面は横に流れて・・・

 ベンチで並んで 小さな雪だるまを作っている二人を映しだす。

 ユジンは 自分の雪だるまに大きな口をつけた。

 「雪だるまに口がいるの?」チュンサンが訊ねると ユジンは「あなたに話があるの。」と言った。

 「どんな?」とチュンサン。「あとで教えてあげる。」

 ユジンはチュンサンの顔を見ずに 恥ずかしそうに言うのだった。

 するとチュンサンはその大口のユジンの雪だるまと 自分の雪だるまをゆっくり近づけた。

 そして「さぁ」と言いながら ふたつの雪だるまの口をくっつけた。

 「キスしてる。」とユジン。「お前はいいなぁ。」と自分の雪だるまをの頭をなでるチュンサン。

 そのチュンサンの横顔を見つめて ユジンは少し考えると

 思いきって チュンサンのほっぺたにチュッとキスをした。

 驚くチュンサン。「これで羨ましくないでしょう?」とユジンは横を向いて恥ずかしそうに言った。

 嬉しそうに微笑むチュンサン。そしてやっぱり少し考えてから「ユジナ。」と呼んだ。

 「えっ?」とユジンが振り返ったその時だ! 

 チュンサンが思い切って 勢いよくユジンの唇を奪ったのだ。

 
 

 あまりの突然なチュンサンのキスに 目を丸くして驚くユジン。

 それでも二人は しばらくの間キスをしたまま動かなかった。

 時間が止まってしまったように・・・。



           



 夜の街。二人は肩を並べて歩いている。

 「今から私の質問に同時に答えるのよ。どれくらい相性がいいか調べるの。」ユジンが言った。

 「いいよ。」チュンサンが応じて ユジンが質問を始める。

 「好きな色は?」「白。」「好きな季節は?」「冬かな。」「好きな食べ物は?」

 「う~~ん。トッポッギ」仲良く顔を見合せて歩いていたが

 「なんで自分は言わないんだ?」とチュンサンがユジンを責めた。

 ユジンはじっとチュンサンを見つめて そして可愛く言った。

 「覚えておきたいの。あなたが好きなものを全部ね。」そして先を歩いて行くのだった。

 チュンサンは 心の中が温かくなるのを感じた。ユジンがとても愛おしかった。

 ユジンに追いつくと「今度は君の番だ。好きな花は?」とチュンサンが聞いた。

 「白いバラ。」「好きな動物は?」「子犬。あなたは?」「人。」

 「人?誰?」「大みそかに会ったら教える。」「じゃ。私も。」「何を?」

 「好きな動物。」そう二人の会話が展開し 大みそかのデートが成立した。


 そしてユジンの家に向かうバスの中。

 二人はいつもの一番後ろの左側に座っている。

 ユジンが チュンサンにピンクの手袋を片方渡して 

 それをはめたチュンサンはユジンとジャンケン。

 手袋の中でグーやチョキをする形が面白くて 二人は笑いあった。







 ユジンの家まで あっという間に着いてしまった二人。

 門の前で「じゃあね。」とユジンが言うと チュンサンは「ああ。」と言って

 離れずにユジンの顔を見つめていた。

 ユジンが自分の手袋をはずし「はめて。」とチュンサンに渡した。

 「大丈夫。」とチュンサンは断るが「寒いから はめて!」とユジンは強引に チュンサンに勧める。

 チュンサンは そのピンクの手袋をはめると 

 ”これでいい?”と聞くように両手を広げてユジンに見せた。嬉しくて笑うユジン。

 自分の身に着けているものを 今好きな人が身につけてくれている・・・

 そう思うと ユジンは嬉しかったのだと思う。

 「あの。」「あのさ。」二人が同時に言葉を発して重なった。

 ユジンが先に言ってと促すと チュンサンが言った。

 「ただ”大みそかに会いたい”って・・・。ユジンは?」

 「ご飯食べて行く?」ユジンが夕食を誘ったのだ。嬉しいチュンサン。

 ユジンは チゲ鍋を手際よく作っている。きっといつもの光景なのだろう。

 チュンサンは 落ち着かないように 立ったまま部屋を見回している。

 「この家はパパが設計したの。元々は画家だけど、設計の仕事を凄く楽しんでたわ。」

 (ええっ??ユジンのお父さんって画家だったんだ!!驚く私。)

 「だからあの話をしたの?」とチュンサンが聞いた。

 「”好きな人の心が一番素敵な家だ”?」ユジンが料理をしながら答えた。

 「その意味が分かる気がする。」そう言いながら 壁にかかった家族写真に目が止まる。

 それはスーツを着たユジンの父がユジンを抱き、母がヒジンを抱いている写真だった。

 「この方か。」チュンサンは ユジンの父親の顔をしげしげと見つめた。

 その時、ヒジンが自分の部屋から大きなアルバムを抱えて「お兄ちゃん。」と出てきた。




 「お姉ちゃんの小さい時 見る?」「どれどれ」チュンサンはワクワクしながら アルバムを開いた。

 ユジンが隣の台所から「ヒジン。私の悪口言ってるの?」と 二人の様子を心配するユジンが叫ぶ。

 ユジンの幼い頃の写真に興味深々のチュンサン。「可愛くないよね。」とヒジン。
 
 「そうだね。可愛くないね。」と笑って「ヒジンは可愛いのに。」と言う。

 「私はお姉ちゃんと違って 好き嫌いは言わないわ。それにお姉ちゃんは いつも寝坊して・・・」

 そこまで言うと 慌てて台所から走ってきたユジンに口をふさがれてしまう。

 「ヒジン。お手伝いしてよ。」「嫌だ。ここにいる。」「ご飯が早くできたら お兄ちゃん喜ぶよ。」

 そんな会話の最中も チュンサンは楽しそうにアルバムのページを次々にめくっている。

 そして「あっ!」と思わず声に出して驚いてしまう。

 そこには ユジンの父親と自分の母とサンヒョクの父が3人で並んでいる白黒写真だった。

 そう・・・自分が肌身離さずに持ち歩いているあの白黒写真。

 自分の写真とは違い、母親の隣にはユジンの父がいて 二人はしっかり腕を組んでいる。

 心底驚くチュンサンは「この写真は?」と小声で聞いた。

 「父の写真なの。サンヒョクのお父さんと3人とも同級生よ。」そう言うと

 ユジンは嫌がるヒジンを連れて台所へ戻って行きながら「綺麗な人でしょ?」と言う。

 「お母さんはただの同級生って言うけど 腕を組んでるなんて変よ。」そう言うユジンの声。

 チュンサンは 自分の写真を取り出して アルバムの写真と比べてみた。

 それは 紛れもなく同一の写真。自分の写真は ユジンの父親だけを燃やしてあるのだった。

 「恋人だったのかもね。」そのユジンの声に チュンサンは大きなショックを受ける。

 チゲ鍋が完成して テーブルに乗せると ユジンは妹に向かって

 「ヒジン。お兄ちゃんを呼んで来て。」と言った。「分かった。」と走って呼びに行くヒジン。
 
 「お兄ちゃんいないよ。」ヒジンの声に驚くユジンが 居間に戻ってみると

 そこには チュンサンの姿がなかった。ただ、アルバムが開きっぱなしで置いてあるだけだった。

 「さっきまでそこにいたのに。」「おかしいわね。」二人の姉妹は さぞかし

 チュンサンが突然消えてしまったことに驚き、そしてがっかりしたことだろう。


 
      


 チュンサンは 夜道を夢中で走っていた。心臓がドキドキして苦しかった。

 今までずっと サンヒョクの父が 自分の父親だと信じていたのに・・・。

 母の恋人がユジンの父親だとすれば 自分はユジンと腹違いの兄弟になってしまう。

 チュンサンは混乱していた。 急に訪れた不安に今にも押しつぶされそうで・・・。 

 チュンサンは電信柱に寄りかかって 悲しいほど大きな不安と格闘している。

 「あなたの父親はいない。死んだのよ。」ミヒの声が聞こえた。

 チュンサンは必死でその声を払いのけ 

 真実を確かめるためにサンヒョクの父の大学を目指した。

 違う!違うに決まっている。違っていてほしい・・・

 チュンサンの心はそんな思いで溢れていた。


 「こんな時間に何かね?」驚いたようにサンヒョクの父ジヌは チュンサンを迎えた。

 しかし優しく 温かいお茶を入れてチュンサンに勧めるのだった。

 チュンサンはうつむいたまま「ピアニストのカン・ミヒさんを知っていますか?」と聞いた。

 ジヌは驚いて「なぜそれを?」と聞いた。チュンサンは 険しい表情でうつむきがちに言う。

 「ユジンの家で3人の写真を見て・・・」「ああ。あの写真がまだ残っていたのか。」

 ジヌは懐かしそうに言う。「そう。ユジンの父親は一番の親友だった。」

 「カン・ミヒさんは?」とチュンサン。ジヌは不思議に思って 眼鏡を外しながら

 「なぜそんなことを気にするんだ?」と聞いた。チュンサンはまだうつむいたまま

 「カン・ミヒさんの大ファンなんです。

  彼女とユジンのお父さんが親しい仲だったって本当ですか?」

 やっとチュンサンは顔をあげて まっすぐジヌの顔を見た。ジヌは少し困ったように

 「こんな話を 君にするのも何だが、恋人同士だったよ。

  ヒョンスが結婚後、ミヒは姿を消したんだ。」そう言った。

 チュンサンは大きな目を見開いて ジヌの言葉に動揺する。

 そして押し殺したような声で聞いた。 「それじゃ 先生は?」

 「ただの友人だ。片思いさ。ミヒはヒョンスが好きだった。」

 ジヌのその言葉に チュンサンの顔が険しくなった。

 胸が張り裂けそうに苦しかったから・・・。

 「最初から・・・昔の話だがね・・・。」ジヌはそう言いながら 

 ミヒのCDをプレーヤーに入れてスイッチを押すと”初めて”の曲が流れだした。

 「いつもヒョンスが歌っていた曲だ。専攻は美術だったが、多才な奴でね。

  自分が作曲したこの曲をミヒにあげたんだ。」


 ミヒの弾く”初めて”が流れる 暗い大学の廊下を

 チュンサンは悲しみを抱えて とぼとぼ歩いている。

 泣きたい気持ちでいっぱいだった。廊下の窓に自分が映る。

 「あなたの父親はいない。死んだのよ。」・・・母の声がまた聞こえた。




 



 ユジンの家。ヒジンがアルバムに突っ伏して うたた寝をしている。

 ユジンは優しく「ヒジン。ここで寝ちゃダメよ。」と起こしてあげる。

 ヒジンは 寝ぼけ眼で「ママは?」と聞いた。「まだだよ。」とユジン。

 もう夜も更けていた。姉妹は二人きりで 母の帰りを待っている。


 チュンサンは放心状態で 薄暗い電信柱の陰でうつむいて立っている。

 母が父親が死んだと言ったのは本当で そしてそれは・・・ユジンの父親だった。

 チュンサンが初めて愛したその人は 血を分けた兄妹だった。

 チュンサンは もうユジンには会えないと思った。

 そして画面は チュンサンの家を外から映す。チュンサンの声が聞こえる。

 「母さん。決めた。アメリカに行くよ。」チュンサンは母親に電話をかけている。

 「すぐ支度する。」チュンサンは 暗い声で呟くように言った。

 家の外では 雪が静かに降り積もっていった。





 


 31日の大みそかに丸印があるカレンダーが映る。ユジンの机に置かれたカレンダーだ。

 ユジンは鼻歌を歌いながら 鏡を見ながらマフラーを巻いている。

 今日がその約束の大みそかだった。

 真っ赤なセーターに 白いマフラー。

 ユジンはとびっきりお洒落をして出かけたかった。

 今日は 特別な日になるはずだから・・・。

 チュンサンに告白されたら 私も素直に彼への気持ちを伝えよう。

 ・・・「あなたが 好き」・・・ ユジンが 初めて男性に 告白する日。

 それが 今日の大みそかの日だった。


 「怪しいな。」ヒジンがユジンの様子を見ながら言った。

 「あのお兄ちゃんと会うんでしょ?」鋭い妹の質問に

 「ち、違うわよ。・・・ヒジン、どっちのマフラーがいい?」

 ユジンは 緑のマフラーを手にして誤魔化した。

 「どっちも変!」とむくれるヒジン。

 しかし、ヒジンはゆっくりあち上がると「貸してあげる。」と言って

 自分の大事なウサギの可愛い耳あてを差し出した。

 「お兄ちゃんにいいとこ見せなきゃ。」

 「そうね。」ユジンは おませなヒジンが可笑しくて、可愛くて ヒジンの頬っぺたをつねった。

 

 雪が降る中、車を走らせてミヒは空港に向かっていた。

 運転手に向かって「飛行機に間に合うかしら?」と聞いている。

 「どうかな。この渋滞ですからね。」そう答える運転手の隣で 

 チュンサンが暗い顔で外を眺めている。

 
 雪が降る商店街。道路の真中に ツリーの形をした街灯が立っている。

 ユジンは雪の中を歩いて そのツリーに到着した。

 車の中のチュンサンは 頬づえをついてボ~とした顔をしている。

 窓の雪を見て あっと何かを思い出した。

 ポケットに手を突っ込むと ユジンのピンクの手袋があった。

 チュンサンは その手袋を握り締めて「止めて!寄るところがある。」と言いだした。

 「駄目よ。そんな時間ないわ。」とミヒがきつく言う。

 「約束があるんだ。少しでいいから。」チュンサンは必死で頼み込む。

 ミヒは大きく溜息をついて言う。「電話でいいでしょ。」「お願い。少しでいいんだ!」

 チュンサンは後部座席に座っている母親を振りかえって懇願した。

 「駄目よ。このまま行って!!」ミヒは強い口調で運転手に命令した。

 我慢できなくなったチュンサンは シートベルトを外して 車から外に飛び出した。

 勢いよく飛び出したので 雪で滑って倒れてしまうが 

 すぐに起き上がりチュンサンは走り出す。

 「チュンサン!待ちなさい!!」ミヒも追いかけて出てくるが

 チュンサンは振り向きもせずに 必死でユジンのもとへ向かった。

 ユジンは待っている。何も知らないで、自分が来るのを待っているはずだ。

 2度と会うまいと心に決めたはずだったのに・・・チュンサンは会いたかった。

 ユジンとの約束を やはり守りたかったのだ。


 ユジンはどのくらい ツリーの街灯の下でチュンサンを待っているのだろう・・・。

 ジャンバーのポケットに手を突っ込んで いじらしくじっと待っていた。

 ふと 道行く人の中にチュンサンを見つけた。

 しかしユジンには見向きもしないで去ってしまう。

 ユジンは追いかけて「チュンサン。」と呼ぶと 

 振りかえったその男は 見知らぬ中年男だった。

 「すみません。」悲しい思いで 頭を下げて謝るユジン。

 傍にあった募金箱に ユジンはお金を投げ入れた。

 チュンサンは 必死でユジンのもとへ走っている。

 ユジンは手袋をした手に ハァ~と息を吹きかけて寒さを我慢している。

 (ユジンはチュンサンに貸した手袋以外にも 

  同じピンクの手袋を持っていた!!(@_@;)


 雪が降り続ける中、チュンサンはめちゃくちゃに道路を駆け抜ける。

 すると急に チュンサンの目の前に大型トラックが突進してくる。

 驚くチュンサン。画面は見開いたチュンサンの大きな眼のアップになって

 ユジンとつないだ手が現れる。「ユジナ。」チュンサンの声がした。

 街灯の下のユジンは 花火の音で空を見上げる。

 年越しを祝う花火が雪の空を美しく飾っていた。

 チュンサンは来なかった・・・。

 どうしてなんだろう。ユジンは泣きたい気持ちだった。





 高校の教室。誰もいない薄暗い教室のチュンサンの席には1輪の白い花が活けてある。

 激しく泣くユジンをサンヒョクがなだめてる絵が映る。

 ユジンがチュンサンの死を知って教室を飛び出し チュンサンを探そうとするシーンだ。

 ユジンが泣きながら喚いている静止画。

 泣き顔のユジンのアップ。そして夕暮れの湖で 

 放送部の仲間がチュンサンのお葬式をしている絵。

 「お葬式だから 何か燃やさないと・・・。」ヨングクの声がした。

 ジンスクがすすり泣いている。

 「チュンサンの物は何も残ってないな。・・・紙でも・・・。」

 ヨングクがそう言うと 紙にライターで火をつけた。

 そして「チュンサン。さようなら。」

 そう言ってみんなで 空へ向かって紙を燃やした。

 サンヒョクが「ユジナ。」と心配して言うと

 ユジンは涙も見せずに「チュンサンの顔が思い出せない。

 思い出せないの。」空を見上げてそう言った。





 ユジンがチュンサンとピアノを弾いた講堂。

 映画に誘われた放送室。二人で過ごした焼却炉。

 画面は次々に二人の高校の思い出の場所を映し出してから 

 真っ暗なユジンの部屋を映す。ユジンが部屋に入ってくる。

 リュックサックを下してコートを脱ぎ 机に目をやると

 机の上に小さな小包が置かれていた。

 宛名はユジンなのだが 送り主の名前は書いていなかった。

 開けてみるとカセットテープだった。





 早速ラジカセで 聞いてみるユジン。スイッチを押せば 

 「あははは。驚いた?遅れたけどプレゼントだよ。メリークリスマス!うふふ。」

 あの優しいチュンサンの明るい声だった。

 そして流れてくるのは”初めて”のピアノ。

 あなたが弾く方がいい・・・ユジンにそう言われて 

 チュンサンはユジンのために

 カセットテープに自分が弾いて録音してくれたのだった。

 チュンサンの奏でる”初めて”のメロディー・・・。

 ユジンは あの日の講堂でのチュンサンの姿を思い出した。

 驚いているユジンの横で 微笑みながらピアノを弾いていたチュンサンを・・・。

 すると ユジンがずっと我慢していた悲しみが 一気に込み上げてくるのだった。

 ユジンは机に突っ伏して 肩を震わせて思いっ切り泣くのだった。

 
 
                              ここで第4話の終了です。
 

 

 

  

 

 

 


 
 

 

 

 

 
 

 

 

 

 


 

 

 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 


 

 
 



[コメント]

1.Re:アニメ☆冬のソナタ☆第4話

2009-11-13 00:32:06.0 ゆき☆

こんばんは(^O^)/

アニメの画像が手に入らないからって実写を

ここまで揃えるちゃこちゃんのパソコンのアルバムの中には

一体何枚保存されてるんだぁ~(T_T)

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2.ゆきちゃん♫ こんばんは~☆

2009-11-13 00:53:04.0 歌姫ちゃこちゃん

えへへ・・・さて・・・何枚でしょう?? 

       数えたことないから分からない~♫

それにしても アニメの画像・・・どこで手に入るのかな・・・??

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3.Re:アニメ☆冬のソナタ☆第4話

2009-11-13 10:47:18.0 きょこまま

歌姫ちゃんヾ(´▽`*)ゝおはよんございます。

見てから読んでも、楽しめるわ~( ^ー゜)b

そうそう・・アニメで新発見が出て来ますよね~。
ユジンのお父さんが画家とか・・・

なんと・・・・【初めて】はユジンパパの作曲で・・
コレには驚きでした~。

アニメの画像・・・
DVDにダビングすれば、おそらく歌姫ちゃんのPCでも
キャプできると思うのだけれど。

私がキャプしたので、画像が小さいですが
良かったら、切り取って使って(*^。-*)-=☆ミ

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4.Re:アニメ☆冬のソナタ☆第4話

2009-11-13 11:01:33.0 きょこまま

順番バラバラだけれどこれも(*^。-*)-=☆ミ

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5.きょこままさん♫ こんばんは~☆

2009-11-13 19:43:09.0 歌姫ちゃこちゃん

ありがとう~❤ では 早速いただいた画像を入れさせていただきます!

             感謝~(^O^)/

それから・・・そうなんだよね♫ 設計も得意な画家というお父さん♫
ふ~ん・・・だからユジンは そのまんまのDNAを受け継いだんだよね

そして”初めて”の曲も作曲していたなんて・・・(@_@;) ・・・う~ん・・。

実は 歌姫は実写版のピアノ曲の”初めて”のほうが 好き!!
あの曲は 本当に・・・初めてっていうイメージがする♫ あの曲は歌姫の
得意な曲でもあります(笑)

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6.Re:アニメ☆冬のソナタ☆第4話

2009-11-13 21:58:33.0 ツインズ母

こんばんは。
はぁ…
もう見ているみたいに涙が出てきた><
本当に見たらボロボロに泣いちゃうかなぁ?
それとも歌姫さんの文の方が感動的?
今回もどうも有難うございます。
あ~、高校生のチュンサンとユジンは本当になんて純粋で素敵なん
だ><
この高校生時代があるからこそ、ミニョンさんと出会ってからのユ
ジンがまた可哀想なんだなぁ~
私は実写をそのミニョンさんから見たのだけれど、チェリンの裏工
作に腹立てながら^^早く気付け!ミニョン!とハラハラドキドキ
してハマってしまったことを思い出しました^^

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7.ツインズ母さん♫ こんばんは~☆

2009-11-13 22:17:35.0 歌姫ちゃこちゃん

おお・・・嬉しい!! ツインズ母さん 歌姫の文で泣いてくれたなん
て・・・感激~♫ 

やっぱり ツインズ母さんのおっしゃるとおり ユジンとチュンサンの二人
は この高校生のキラキラした宝石のような時間があったから・・・大人
になっても あれだけ苦しい恋を貫けたのだと思います♫

これから どんな場面がアニメで再現されるのか・・・そしてどんな新しい
エピソードが登場してくるのか・・・ワクワクします♫ お楽しみに!

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8.Re:アニメ☆冬のソナタ☆第4話

2009-11-13 23:32:06.0 雪と水

歌姫さん、今日もありがとう。あれ昨日?
冬ソナの中で、一番好きな場面と可愛いチュンサンの顔がダブります。
地上波の放送の時、予告を見て,満を持して録画に臨んだはずが、肝心な
DVDのチャンネルをNHKにしてなくて、もう一度見ようと楽しみに再生
したら、違う番組が映っていて、そのショックってなかったです。
本当にバカなんだから。

アニソナは細かい部分の補足もあってなかなかおもしろいわね。ユジンの
お父さんはなかなか才能のある人みたいね。これなら、カン・ミヒが好き
になる理由もわかるわ。こじつけみたいな気がしないでもないけど。

そうか、歌姫さんはピアノ弾けるんでしたね。いいな〜。いつでも自演で
チュンサンの気分になれて。
あるサイトで冬ソナの曲の楽譜を手に入れて練習しようと思ったけど、
そのまま。娘も嫁いで使わなくなったピアノが残されているので練習して
みようかな。窓を閉め切って弾ける冬のうちに。


9.雪と水さん♫ おはよう~☀

2009-11-14 10:15:54.0 歌姫ちゃこちゃん

ありがとう~♫ 読んでくださったのね(^-^)

うん・・・このアニメ・・・とってもこじつけが沢山でてくると思う(爆)


ピアノ・・・先生してるのに 弾けなかったらヤバイでしょ(爆)
でも ピアノ科ではないので・・・そんなに上手くないのよ(笑)

いいんです・・・ピアノは 本人がまず楽しむことが先決!!
     頑張って練習してみてくださいね~(^O^)/

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