アニメ☆冬のソナタ☆第11話(後半)
《第11話★後半》
実家に1泊したユジンは 翌日、父の墓標の前にいた。
海を見下ろせる高台にある父の墓に 花を手向けて
ユジンは墓に生えた雑草を丁寧に抜き 父の墓参りをしている。
「パパ。今日は一人なの。・・・悩みがあって。」
普段なら家族で来る墓参りなのだろう。今日は特別・・・そう父に語るユジンだった。
墓石に埋められた優しい父の顔に ユジンは何を話したかったのだろう。
ユジンの頬を風が撫でた。それはまるで父が、優しく大丈夫だよと触れてくれたような
そんな優しい風だった。青い空に雲が浮かんでいる。
この空の上で ユジンの父は 娘を心配しながら見守っているに違いないのだ。
そしてこの晴れ渡った空の下を
ミニョンもユジンのいる春川に向かって車を走らせていた。
(あの病院で被っていた白い帽子は何だったのだろう?
怪我の傷の跡形もなく美しいミニョンだ)
ミニョンは運転をしながら 別荘で言われたアン博士の言葉を思い出していた。
《もう少し 良く考えてくれ。それでも考えが変わらなければ そのようにしよう。》
結局、アン博士は チュンサンの記憶を取り戻す手助けを すぐには拒んだのだ。
(あくまでミヒ側に立つアン博士・・・やっぱり二人は怪しい!笑)
ミニョンは アン博士の助けを借りずに 一人で自分の過去を探す旅に出たのだろう。
ミニョンが知りたかったこと。それはユジンと自分の関係に違いなかった。
あれほど自分を見て動揺したユジンと
そのユジンが気になって仕方がない自分との過去。
僕たち二人は どんな関係だったのか・・・ミニョンは知りたかったのだと思う。
アン博士に「もうもつれています。」と告げたミニョンの心の内は
このままチュリンと付き合っていいのか?ユジンはサンヒョクと結婚していいのか?
それをミニョンは確かめたかったのではないか・・・と私は思うのだ。
場面は変わって サンヒョクの放送局。
「待ち遠しいクリスマスまで あと1週間です。恒例のクリスマス特集コンサートも
どうぞお楽しみに!最後にクリスマス気分に溢れるこの曲。
”ファーストクリスマス”です。」
番組の放送中、DJ役の先輩が曲紹介したにもかかわらず
サンヒョクはボ~として曲を流そうとしない。
驚いた先輩は スタジオの中で身振り手振りで”早く曲を流せ!”と騒ぐ。
サンヒョクはそのジェスチャーにやっと気づいて 慌てて曲を放送し、
先輩に向かって、”すまない”という気持ちで手を合わせる。
やっと放送された”ファーストクリスマス”の曲に ほっとするサンヒョクと先輩。
そのサンヒョクが手に持っているのは ”コンサート企画書”と書かれたファイルだった。
サンヒョクがボ~としていたのはこの企画書のせいだった。
サンヒョクは クリスマスの野外コンサートで、劇的にユジンを自分のものにしようと
(ない知恵を振り絞って)思い巡らせていたのだ。
一方、父の墓参りをすませたユジンに ヒジンからの電話が入る。
「もしもしヒジン?・・・まだ春川にいるわよ。何?」
桜の木だろうか・・・傍にある枝の蕾を触りながら、
ユジンは電話の向こうのヒジンと話している。
そしてその横を ミヒを乗せた車が通り過ぎる。
ミヒは墓前にお供えするための白い花を用意していた。
二人とも別の方向を向いていたので 二人は全くお互いに気付くことなくすれ違った。
「今から学校に?何で?」ユジンはヒジンにそう聞くと
その答えを聞いて了解したように電話を切った。
どうやらヒジンに呼ばれて これからユジンはチェイル高校に向かうようだ。
(きっとミニョンも来るに違いない。ワクワクする私~♪)
そしてサンヒョクの放送局では・・・
先輩のDJが「分かりました。」と暗い声で 残念そうに電話を切った。
「断られた?」と後ろからサンヒョクが声をかけると 先輩は溜息をついてうなだれて
「初恋の人にふられた気分だ。」とサンヒョクの目の前で突っ伏した。
「初恋って?」サンヒョクが驚いて訊ねると
「カン・ミヒさんは 僕の初恋の人だ。ピアノはやめたけど、クラシックから離れないのは
彼女の影響さ。」そう先輩は 遠い目をして言うのだった。
「それなら 僕が何とかする!」サンヒョクが明るくそう言うので
「コネでもあるのか?」と 先輩は驚いて聞いた。
サンヒョクはそれには直接に答えずに
「その代り、お願いがあります。」と先輩に言うのだった。
サンヒョクのお願いとは コンサート会場をスキー場に変更するのを
先輩も一緒に 上司に頼んでくれというものだった。
そして・・・上司の前に並んで立つサンヒョクと先輩。直立不動といった感じで立っている。
上司は サンヒョクが持ってきた企画書に じっくりと目を通してから言った。
「コンサート間近に 場所を替える理由は何だ?」
先輩が「雪原の中でのコンサートも いいアイディアでしょう?」と必死で説得する。
「だから誰のアイディアだ?言ってみろ。君か?」と(偉そうに)上司が聞くと
「僕です。僕の発案です。」とサンヒョクが言う。
「予算も準備も 大がかりになるぞ。スキー場じゃないとダメか?」と上司は言って
企画書を机に放り出した。しかし「はい。」とサンヒョク。
「特別な理由でもあるのか?」と上司が聞けば「恋人がそこいます。」とサンヒョクが言った。
ええっ??と大口を開けて”なんだそりゃ?”という顔の上司。
多分、今までのサンヒョクの真面目な仕事ぶりからは 想像もしていなかった答えなのだろう。
「一緒にクリスマスを過ごす唯一の方法です。許可してください。」
そう言うサンヒョクの横で 先輩は ”大丈夫かお前・・・”とオロオロした顔で立っている。
「まったく。」驚きながらも 「お願いします。」と必死に頼む込む様子に
上司は サンヒョクの切羽詰まったような何かをくみ取ったのだろう。
「仕方ないな。分かった。」と折れてくれたのだった。
先輩とサンヒョクは「ありがとうございます。感謝します。」と喜ぶのだった。
一方、春川のユジンの父の墓標では 墓参りに訪れるミヒの姿があった。
そしてその頃、チュンサンの家の前の道路に ミニョンの車が停車していた。
チュンサンの家の門の前で ミニョンが中の様子を伺っていた。
門の外に設置された郵便ポストには ”カン・ミヒ”という名前があった。
鍵はされていない門をゆっくり開けてみると そこは記憶にない世界が広がっていた。
(ここで切ないBGMが流れる。この歌の詩が気に入ったので書いておきます♪)
ふと近くに感じて 去っていった
あの風は 君のよう・・・
時がたてば 忘れるのか?
夜明けの霧のように 消え去るのか?
待つことの終わりが
どこにあるか分からぬまま
夢の中で 君の名を呼ぶ・・・
君への愛を 記憶を
失いたくない・・・
目を覚ませば 叶う気がする
この胸で この手で
また君を感じることが・・・
ミニョンは門をくぐって 庭に入り家の中へと入って行った。
そして部屋の扉を開ける。薄暗い部屋の中にアップライトのピアノが浮かぶ。
ミニョンはピアノに近づいて 埃が積った鍵盤の蓋を掌で撫で、指についた埃を見つめた。
これだけ埃の積もる時間を 僕は違う人間として生きてきたのか・・・
そうミニョンは思ったかもしれない。
別の部屋に入ってみる。明かりをつけるとそこは納戸のようだった。
何かチュンサンを確認できるものがないか見回してみると
戸棚の上に紙の箱が置いてある。
ミニョンはその箱に 何か見覚えがあったのだろうか?
吸い寄せられるようにその箱に向かいそして手に取り、箱の蓋を開けて驚いた。
そして そこにあった椅子に腰かけてゆっくり中を調べ出す。
その箱からまず出てきた物は ”カン・ジュンサン”と書かれた名札だった。
そしてその中には もうひとつ小さな箱が入っていた。
何だろうと思って開けて見れば
そこには数えきれないほどの綺麗に折りたたんだメモが入ってた。
(しかしこのメモの量は いくらなんでも多すぎるだろう!!
ユジンは真面目に授業を受けないで チュンサンにこんなに手紙を書いていたの?
ユジンってメモ魔だったのか???)
折り紙のように折られたメモを開いてみると ”チュンサン、起きて!!”と書かれていた。
ミニョンは めまいがした。
”チュンサン、起きて!!”・・・この言葉は聞いたことがある・・・。
そうだ・・・高校生の時に アン博士の治療を受けている時だ。
博士に「君の名前は?」と聞かれ
「僕の名前は・・・」名前を思い出して答えようとした時に
聞こえてきたのが この”チュンサン、起きて!!”だった!! あの声は・・・誰??
僕を呼んでいたのは・・・。メモを開く度にチュンサンの記憶が 少しずつ蘇るミニョン。
”今日の昼休みの放送に遅れないで”また同じ声が自分に話しかける。
髪の長い少女だ。彼女は後ろを向いている。 彼女のメモは続く・・・。
”さっきはありがとう。こんな風に授業中にメモを送るのは初めてよ。嬉しい?”
”冬休みは何する?おやつでも食べながら相談しない?”少女は 明るくとてもお喋りだ。
”おごってよね” 記憶の中の長い髪の少女が振り向いた!!・・・ユジンさんだ!!
やっぱりそうかと思い溜息をついて ミニョンはメモを戻した。
僕とユジンさんは 仲良しだったんだ・・・。
それが確かめられたと思ったのだが、そのメモの中に また何かを見つける。
沢山のメモの中に埋まっていたのは カセットテープだった。
ミニョンは そのカセットテープを手に取り しげしげと眺めた。
何が録音されているのだろう? ミニョンは確かめたくて自分の部屋にやってくる。
棚の上に置かれたラジカセに テープを入れて再生してみた。
(このミニョンの行動は 実写版の映像とそっくりに再現してあります。)
スイッチを押して聞こえてきたのは ピアノのメロディーだった。
その曲は”初めて”。そして・・・曲と一緒に聞こえてきたのは・・・
「ユジナ。クリスマスプレゼントだよ。」と言う明るい自分の声だった。驚くミニョン。
「何か違うな・・・。」咳払いが聞こえ、また自分の声がする。
「ユジナ。君が好きな”初めて”だよ。」「ユジナ。クリスマスプレゼントだよ。」
「これも変だな。ぎこちないよな・・・。」・・・テープの中のチュンサンは 一生懸命
ユジンへの想いをプレゼントとして このテープに託そうとしているのだ。
10年前の僕は それほどユジンさんのことを好きだったんだ・・・そう確信したミニョン。
ミニョンの手の中には チュンサンの名札があった。
その名札の主は、自分なのに・・・
ミニョンになってしまった自分には チュンサンの記憶がない。
ユジンをこれほど恋しく想っていた過去の記憶が・・・ミニョンには全くなかったのだ。
ミニョンは チュンサンの自分を取り戻したかった。
そうでなければ こんなにユジンを好きなチュンサンが 可哀そうな気がしたのだろう。
カセットテープの中の自分は ユジンを想っているのだ・・・その自分に逢いたい・・・。
ミニョンは そう思ったのではないだろうか・・・。
(この時、すでにチュンサンに戻る前から ミニョンはユジンに恋をしていたに違いない。
ユジンを手に入れるためには チュンサンの記憶を取り戻さなければ・・・
そこまでアニメのミニョンが この時点でユジンを想っていたとしたら素敵だと私は思う)
そしてミニョンがやって来たのは 春川のチェイル高校だった。
門に刻まれた”春川チェイル高校”という文字をし感慨深げに眺めるミニョン。
あの吹雪の晩に ユジンが口にした”春川チェイル高校”がこの門の向こうにある。
高校生の自分が 本当に生きていたのは アメリカではなく、この場なのだ。
ミニョンはゆっくり門をくぐって 校舎へと続く坂道を進んだ。
そして その校舎の中では・・・
放送室の扉の向こうから ユジンの声が聞こえる。
「ヒジン。それで・・・お姉ちゃんをを呼んだの?」
「うん。”誕生日を迎えたカガメを感動させよう作戦”なの。」
ヒジンはじめ 放送部員が全員集合した作戦会議に ユジンは召集されたのだ。
ユジンの頃からずっと変わらず(それって凄くない?)放送部の顧問をしている
カガメというあだ名のパク先生のサプライズなお祝いを 部員で考えていたらしい。
(カガメ・・・それだけ生徒に愛されて・・・先生冥利に尽きますな~♪)
「それ何よ。」とユジンが言う周りで 部員達が笑っている。
「でも、カガメを感動させる方法が分からなくて・・・」とヒジン。
「だから お姉ちゃんの知恵を借りたいってわけ?」とユジンが言うと
ヒジンは拝むように「お願い!」とユジンに手を合わせた。
ユジンは頬に手を当てて ふうんと考えてから
「いいわ。教えてがえる。」と 今度は胸に手を当てて任せなさい!というポーズを取った。
「やった~!!」ヒジンが万歳をして 部員達も歓声をあげる。
ユジンは優しい先輩として 後輩たちにカガメの弱点を伝授することに・・・。
「カガメ・・・いえ、パク先生は ロマンチックな詩に弱いの。」
ユジンが笑いながら言うと 部員一同「ええ~!!」と驚きの声をあげる。
(あの顔で・・・ロマンチックだったのね!!・・・という驚嘆の声でしょうね。)
「まさか!!」「ありえない!!」生徒たちが正直な反応を示す中・・・
「じゃあどうしよう・・・。」困り果てるヒジン。「本当ですか?」と別の生徒の質問に
「うん。昔 詩を読んであげたら感動して泣いたもの。」とユジンが言うと
男子部員が「ヒジン。やってみろよ。」「私が?」
「はいこれ!!」と ヒジンは詩集を渡された。
「ヒジン、やって!」「読んでみろよ。」とみんなに言われ ユジンからも
「ヒジン、やってごらん。」と勧められて ヒジンはその気になるのだった。
「うん。」とこっくり頷くと 放送部のスタジオのマイクの前に座り 咳払いをした。
ガラスの向こうのスタジオの外では
ユジン達がガッツポーズをして”頑張れ!!”と合図した。
ユジンも今、自分のいるこの校舎に来ているなんて・・・
すぐ傍に ユジンがいることを 全く知らないミニョン。
カーテンが絞められた暗い講堂の中を歩いている。
ミニョンが進む先には・・・ピアノがあった。
(普通、こんな広い講堂ならグランドピアノがあってもよさそうなのに、
アップライトのピアノです。どうやら アニメのミニョンは ピアノが弾けるみたいね。)
ピアノの蓋を開けて 両手を添えて”初めて”を弾こうと思ったその時だ。
「その瞳で振り返って・・・後ろにいる私を見つけて。
あなたの愛で 私を振り立たせてください。」
スピーカーから少女の声が聞こえてきた。
当のカガメは 当直室で肘をついて この詩に聞き入っている。
「ツバメを運ぶ そよ風のように・・・
太陽のように・・・嵐のように・・・」
ユジンも放送室を出て 放送を聞きながら校舎の中を歩いていた。
そして、あっと気づくのだ。講堂へ行ってみようと・・・。
「私達を どうか遠くへ運んでください。」
ヒジンの朗読は続く。ユジンは 講堂まで走った。
講堂にさっきまでいたミニョンは 校庭の裏にやって来ていた。
そう。あの二人で落ち葉を焼いた焼却炉のある裏庭だった。
「それでも 初恋が
もう一度 私を呼んだら
どうすればいい?」
ミニョンは 足を止めて焼却炉を眺め、また歩いて行った。
ユジンは 朗読が流れる中、講堂のピアノで”初めて”を弾いていた。
(アニメのユジンは 物凄くピアノがお上手!!)
ピアノを弾きながら ユジンは高校時代の自分とチュンサンを思い出していた。
二人はこのピアノに並んで座って、
そしてチュンサンがこの”初めて”をユジンに弾いてくれたのだった。
チュンサンがピアノが弾けないと思いこんでいたユジンは
スラスラと美しく”初めて”を弾くチュンサンに驚き、そして惚れ込んだのだった。
「私を抱き締めてください。
雄大な海が波を抱くように・・・
遠くの丘に建つあなたの家に
私を連れて行って・・・」
ヒジンが切々と語る”初恋”の詩に カガメは涙をこぼして感動していた。
すると扉が開いて「パク先生!!」とケーキを手にした放送部員が4人登場した。
「何だ?」と怒鳴るカガメだったが、「お誕生日おめでとうございます!!」
という部員達の声に 表情を変え嬉しそうにしたかと思うと 4人の元へ駆けより
「お前ら!!」とがっしりした体で カガメは4人を抱きしめるのだった。
こうして放送部員の”誕生日を迎えたカガメを感動させよう作戦”は
ユジンのアドバイスによって 大成功したのだった。
「遠くの丘に建つあなたの家に
私を連れて行って・・・」
同じ時間に 同じように 高校時代の思い出を辿るミニョンとユジンは・・・
お互い何も知らずに 遠くですれ違っていた。
ミニョンは 校舎を巡っても 何も思い出せなかったかもしれない。
しかしユジンは チュンサンの思い出を再び辿って
自分の気持ちを確かめたのかもしれない。
”私は・・・やっぱり、まだチュンサンを愛している。チュンサンを忘れられない・・・。”
「幸せで屋根を覆い
愛でドアの鍵をかけましょう。」
ミニョンは校舎の前の校庭を歩き、ユジンは奥の校舎にある外の階段を上って行った。
「それでも 私の初恋が
もう一度 私を呼んだら
どうすればいい?」
同じ時間に 同じ場所にいながら すれ違う二人・・・。
二人のもつれた赤い糸は これからどうなってしまうのだろうか。
★今回の画像もきょこままさんの画像を加工したものです。きょこままさんありがとう❤
************************************
いかがでしたでしょうか?
今回は 後半は私の大好きな実写版のシーンが
あちこちに散りばめられていました。
こうして書いていても この先の展開は読めません(笑)
12話の放送が楽しみですが・・・
明日の朝から 日曜日の晩まで出かけますので
録画を観るのは月曜日になりそうです。
それから またここで紹介させていただくまで
少し時間をくださいね。では・・・また!!
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