アニメ☆冬のソナタ☆第12話(前半)
妹のヒジンに呼び出されて 母校を訪れ
放送部の可愛い後輩たちに囲まれて 楽しく過ごしたユジン。
チュンサンの記憶を取り戻したいミニョンが
すれ違いで同じ場所を辿ったことなど 知る由もないユジンは
講堂のピアノで 思い出のチュンサンの”初めて”を弾き・・・
そして今 校庭の裏の焼却炉の前にいた。
この場所は 二人が一番長く過ごした場所だった。
ひと月の間 二人きりでずっとお喋りしながら
落ち葉をかき集めては せっせとこの焼却炉で燃やしたのだ。
ヒジンの朗読が聞こえる。
「雄大な海が波を抱くように
遠くの丘に建つあなたの家に
私を連れて行って・・・」
ユジンは 両手いっぱいにかき集めた落ち葉を抱いて ベンチの上に立った。
あの頃のチュンサンが 「雪を降らせてあげる。」と言って
自分の頭の上から 落ち葉を降らせてくれたように・・・
落ち葉を空高く ユジンは振り撒いた。
「ユジナ。初雪の日 何するの?」「チュンサンは?」
あの当時の 二人の会話が聞こえてくる。
そして 落ち葉の雪の中をはしゃぐ二人の笑い声が・・・
ユジンの心にせつなく響いた。
”やっぱり・・・今でも 私はチュンサンが好き。”
サンヒョクの気持ちに応えるために 心の奥に沈めた
チュンサンへの恋心が 抑えきれずにどうしても顔を出してしまうユジン。
婚約をしたサンヒョクのために 前に進めない自分が悲しかった。
そして ユジンが何よりも悲しいのは・・・
ミニョンになって自分の前に現れた チュンサンへの思いだっただろう。
”私は あなたを忘れられないのに・・・
あなたは 私のことなど すっかり忘れてしまったのね・・・。”
ユジンは 切ない想いを抱いたまま 学校の校庭を塀に沿って歩いて行く。
”やはり このままサンヒョクと共に 人生を歩んでいくしかないの?”
「幸せで屋根を覆い
愛でドアの鍵をかけましょう。
それでも 私の初恋が
もう一度 私を呼んだら どうすればいい?」
ユジンは 空を見上げた。
(天のお父さんに相談したかったユジン。お父さんの声が聞きたかったのではないかしら)
塀づたいにユジンが歩いていくと その塀の裏の道をミニョンが歩いていた。
二人はお互い考え事をしながら 塀を挟んですれ違っていた。
こうして二人の人生は すれ違ったまま終わってしまうのか? (とっても古風な演出だ)
ここでタイトル。
第12話 《十年待ち続けた恋》
ユジンの仕事場のスキー場。
ユジンがチョンア姉さんと 設計図を見ながら外を歩いている。
スキー場の敷地では クリスマスの雰囲気の中、舞台の設置工事が始まっている。
「ここは工事保留よ。年末にイベントが入ってる。」
チョンア姉さんが その工事を見て言った。
「工事日程が厳しいのに・・・。」ユジンが舞台の工事を恨めしそうに眺めた。
「仕方ないわ。でも、ユジン大丈夫なの?」
チョンアが ユジンの顔を覗き込むように聞いた。
「何が?」と不思議そうに聞くユジン。「2日も休んだのに 元気ないじゃない。」
チョンアにそう言われて、ユジンは
「そんなことない。十分に休んだわ。」と うつむきがちに答えるのだった。
悩みごとを抱えて沈むユジンが チョンアは気がかりだったのだろう。
何も言わないユジンだったから・・・。
すると キム次長が大声で「ここにいましたか!」と声をかけて来た。
スキー場に登場した 舞台周辺の大きなクリスマスツリーを見て
「クリスマスですね。」とキム次長が言う。
そして「ここは 有名なプロポーズスポットですよ。」とキム次長。
「そうなの?」と驚くチョンア姉さん。
「独り身には関係ないか。ユジンさんのようにカップルなら
誰もが知る”失敗ゼロの告白場所”。ここで告白すると 必ず成功するんです。」
そうチョンアに キム次長は言うのだった。
「信じられないわ。」チョンアは不機嫌そうに言う。
「本当だよ。賭ける?チョンアさんも 僕が告白したら 即OKだ。」キム次長はからかった。
(嫌、本当は これで内心本気で、チョンアをくどいていたのかもしれない。笑)
「結構です。」チョンアはいっそう不機嫌になって キム次長を睨むようにそう言った。
(そんな手には乗らないわ。と思ったのか・・・
それって本気なの?と少しはドキッとしたのかな?)
「もうこんな時間だし、お昼にしませんか?」そうチョンアが提案すると
「確かに 飯は大事ですね。告白より、恋愛より大事なのは ご飯か。」と
また チョンアをからかうキム次長。
(キム次長は チョンアがやっぱりお気に入りのようだ。笑)
チョンアがまったく・・・と思って目線を逸らすと、その先にミニョンの姿があった。
かなり遠くだが ミニョンが工事現場のスタッフを集めて何か話をしている。
「あれ 理事じゃない?」チョンアがつぶやく。
その言葉に驚いて ユジンはチョンアの目線を追った。
”本当だ!!あそこにいるのは・・・チュンサンだ!!”ユジンは 心の中でつぶやく。
「A棟は老朽化しているので 気をつけて。そしてB棟は・・・」
ミニョンは なにやら苦しそうな表情で仕事をしていた。彼もまた 悩んでいるからだ。
「今日 役員に進行状態を説明するんです。」
キム次長が ミニョンが来た訳をそう説明した。
「もう退院しても 大丈夫なんですか?」とユジンが聞くと 「さぁ。」とキム次長。
「実は退院後 5日間も行方不明でした。」と キム次長の話を聞いて
ユジンは 不安そうな顔をした。
ミニョン、嫌ユジンにとってはチュンサンが心配で 遠くにいる彼に視線を向けた。。
「C地区は?」とスタッフに聞かれて「しばらく保留で・・・。」と ミニョンが説明している。
「今日、飲みに行きません?」とチョンアがキム次長を誘った。
(なんだ、チョンアもキム次長に気がありそうだ。)
「いいですね!!」キム次長は喜んで その誘いに飛び付いて
「ユジンさんもOK?」と聞いてきた。
するとユジンは 「・・・様子を見てから。」と答えるのだった。
キム次長とチョンアは顔を見合せて
”乗りが悪くてつまらない。”という顔をして溜息をついた。
場面が変わり ジグソーパズルが大きく映し出される。
高校の制服を着た男女の(構図としては趣味の悪い)パズルだ。
ミニョンが8割がた仕上がっているパズルを見ながら 頬杖をついて考え込んでいた。
すると突然、「今まで 何してたんだ?」とキム次長の声がした。
行方不明の5日間のことを訊ねたのだ。
「人捜しだよ。」とミニョン。
「人を捜すのはいいけど、行方不明になるのは勘弁してくれよ。」とキム次長。
すると ミニョンはパズルの1ピースをつまみながら言った。
「パズルが好きな理由は 本当に覚えておきたいことが多いからかも。・・馬鹿だな。」
最後は 呟くような声だった。
キム次長は不思議そうに聞いているが やがて思いだしたというように
「ああ確か ユジンさんがそう言ってたな。・・・でも、なぜ急にそんな話を?」と言った。
ミニョンは うつむきながら「欠けたピースを必死になって捜しても 見つからない時は
諦めるべきなのかな。そうだよね?」
そう言いながら ミニョンが無理やり押しあてたピースで
出来あがっていたパズルの絵は ぐしゃぐしゃに壊れてしまうのだった。
(完全なピースでないと こんな風に絵は完成されずに 崩れてしまう・・・。
”完全なチュンサンでない 今の自分は
ユジンさんの記憶に残る自分ではないのだから
今、自分がチュンサンだと告白して ユジンさんの前に現れるべきじゃない・・・。
でないと ユジンさんの人生を僕は壊してしまう”
・・・そんな風にミニョンが思ったとしたら
この趣味の悪いパズルも 画面に登場した甲斐がある。笑)
ユジンは険しい表情をして スキー場のゴンドラに一人で乗っていた。
山小屋でしなけらばならない仕事があったのか・・・。
嫌、手ぶらなその様子は チュンサンだと確信したあの山小屋で、
ミニョンのことを そして自分のこれから進む道を 一人で考えたかったのだと思う。
また場面は変わり、サンヒョクの父ジヌが 書斎で新聞を見つめている姿が映る。
ジヌがじっと眺めているのは ”カン・ミヒ 10年ぶりの韓国公演”という
ミヒのコンサートの 写真入りの広告だった。
(10年経っても 未だに変わらないミヒの美貌に
ジヌは鼻の下を伸ばしていたのだろうか?笑)
すると突然に電話が鳴った。驚いて電話に出ると それはサンヒョクからの電話だった。
「もしもし サンヒョクか? 明日だろ?心配するな。母さんと一緒に行くから。」
ジヌがそう言うと 「父さん、待ってるよ。先に行ってるから 気をつけて来て。
それじゃ、明日ね。」サンヒョクは 車を運転しながらそう言って 携帯を切った。
(ダメじゃない・・・運転しながら携帯で話すなんて 危険です!!)
父の答えを確認したサンヒョクは また運転中に 今度はヨングクに電話をする。
(これこれ!!何度も言いますが・・・危ないと思います!!)
「ヨングク、僕だ。お願いがある・・・。」
車を走らせながら サンヒョクは何をヨングクにお願いしたのだろう。
多分、ユジンの母親をスキー場まで連れて来てほしいと 頼んだに違いない。
そしてミニョンも あの日ユジンを庇って怪我をした山小屋に 一人で向かっていた。
リフトから見下ろす一面の雪景色が 夕暮れに染まっていた。
山小屋の一番上の 展望のよい広間に ミニョンはやってきて驚く。
その広間の窓辺で 夕焼けを見ているユジンを見つけたからだ。
人の気配に気がついてユジンが振り返り、飛び込んできたミニョンの姿に驚いた。
今 この夕暮れの中で ユジンが思っていたのは・・・まさに彼のことだったから。
二人は しばらく見つめあった。
そして 外のベンチに二人で腰掛けて あの事故の日以来の会話を始めた。
紙コップのコーヒーで手を温めながら
二人は並んで座っているにだが 視線は合わせていない。
ユジンは そのまままっすぐ前を向いて 横のミニョンに言った。
「チェリンに 全部聞きましたか?」その質問に やはりユジンを見ずに、うなずくミニョン。
「チュンサンという友達に 僕はそんなに似てますか?」
(当たり前だろう!!本人じゃないの)
ミニョンは うつむいたまま、ユジンにそう聞いた。
ユジンも 前を向いたまま・・・深くうなずくのだ。
きっとミニョンの顔を見れば泣きだしてしまうから。
風が木の枝を揺らして 積もった雪が下にキラキラと舞い散った。
下を向いたまま ミニョンがユジンに語る。
「ユジンさんが 初めて僕と会った時、涙を流したのは その彼を思い出したからでしょ?
仕事を辞めると言ったのも、僕に冷たくしたのも
そして吹雪の中飛び出したのも 全部・・・僕が彼に似てるからなんでしょ?」
ミニョンは やっとユジンを見つめてそう聞いた。
ユジンは 視線をミニョンに向けないまま 小さくうなずいた。
美しい夕暮れの中を 二人は並んで歩いている。
初めての湖のデートも こうして二人は並んで歩いたのに・・・同じ二人なのに・・・。
10年の歳月が 二人の間に作った溝は大きかった。
「カン・ジュンサンは どんな人でしたか?」ミニョンがユジンに聞いた。
これは ミニョンが知りたかったことだろう。
本当の自分は どんな人物だったのか・・・。
そして 一番知りたかったことを ミニョンは質問した。
「ユジンさんと彼は 愛し合っていましたか?」ユジンは 少し遅れて無言で歩いている。
「外見以外は 僕と違うでしょう?」ミニョンがそう言うと ユジンはうなずいた。
「ごめんなさい。ユジンさん。誤解させてしまって・・・。」
ユジンの前を歩きながら ミニョンはそう言った。
ユジンは ミニョンの背中を見ながら「いいえ。むしろ ミニョンさんには感謝しています。」
明るい声でそう言うのだった。えっと驚くミニョンに ユジンは彼の横に並んで続けて言う。
「考えたんです。チュンサンが生きてたら 今どんな姿だろうって、
28歳のチュンサンの姿を想像してたんです。でも・・・」ミニョンの足が止まった。
ユジンは嬉しそうな顔で言うのだ。
「ミニョンさんを通じて チュンサンに会えた気がしました。」
恥ずかしそうに ユジンはミニョンを振り返って「28歳のチュンサンに・・・。」
そう言うと 我慢していた涙が溢れてきて
それを見せまいとユジンはミニョンに背中を見せた。
そして間を置いて、またユジンは振り返り ミニョンの顔を見て、そして驚いた。
ミニョンも泣き出しそうな顔をしていたからだ。
ミニョンは 辛かった。
こんなにもチュンサンを想ってくれている ユジンさんの記憶をなくしてしまった
そんな自分が悲しかった。心からユジンに申し訳なかったのだろう。
ユジンは その顔を見て思わず「チュンサン。」と囁いた。
我慢していた気持ちが抑えきれなくなったのだ。
だって・・・この人は、ミニョンさんは 本当はチュンサンなんだもの。
そう思ったら チュンサンに触れたくなった。
泣きながら ユジンはミニョンの顔に手を伸ばした。
(ユジンはミニョンの眼鏡を外そうと思ったのか?笑)
その手を 今度はミニョンがしっかり受け止めた。ユジンの手に触れて ミニョンは微笑む。
その時だ!「放してください。」冷たいサンヒョクの声がした。
ミニョンが声の方を向くと サンヒョクが眉間に深い皺を寄せてミニョンを睨んでいる。
サンヒョクが二人に近づいて ミニョンと向かい合った。
「ユジンは 僕の婚約者ですよ。そういう行動は失礼でしょう。」
ミニョンにそう言うと、今度はユジンの方を見て
「ユジン。行こう。」と強引に ユジンの手を引いて歩いて行く。
早くミニョンと引き離したい・・・
そんな気持ちが手に取るように分かる行動だ。
「待ってください。」ミニョンが声をかける。振り向くユジンとサンヒョク。
「ユジンさん。今でも チュンサンを忘れられませんか?」
ミニョンは 真剣な顔でユジンに訊ねた。
「やめてください!」サンヒョクが素早く遮った。
ミニョンは動じずに サンヒョクに向かって言う。
「ユジンさんの答えがまだです。」そしてユジンに向かって
「まだ、カン・ジュンサンを愛しているんでしょ?」と直球の質問をする。
ユジンは ミニョンにそう聞かれて 困って深く息を吐いた。
心の中では「はい。」と返事がしたいユジンなのに・・・。
「なんだと?」サンヒョクは 怒ってミニョンに掴みかかる。
サンヒョクに胸ぐらを掴まれたミニョンは はっとした。記憶の一部が蘇ったのだ。
高校生の自分が 同じようにサンヒョクに胸ぐらを掴まれて
「なんだと?」と言われている姿が浮かんだ。
ミニョンの言葉に逆上したサンヒョクは ミニョンを殴りたいのだが、
彼があまりにも無反応でやり返してこないので
馬鹿らしくなって掴んだミニョンを放し、軽く突き飛ばした。
そして「ユジン行こう。」そう言って ユジンの腕を掴んでどんどん歩いて行く。
過去の記憶が蘇って ボ~としていたミニョンは ハッと我に返る。
目の前には、サンヒョクに引きずられながら
ずっと自分を見つめているユジンの姿があった。
その瞳は”あなたから離れたくない!あなたをまだ愛してる”
そうユジンが語っているのだが
ミニョンであるチュンサンには 果たして伝わっているのだろうか?
一人残されたミニョンは ふと目眩に襲われた。
右手で目頭を押さえて ああと声を漏らした。
ユジンをサンヒョクに連れ去られたまま・・・彼女を追いかけられない自分。
記憶が完全に戻らないチュンサンは
ミニョンのまま 一人夕暮れの山に取り残されてしまった。
サンヒョクは ユジンをゴンドラに乗せて山を下っていた。
「サンヒョク。話をしましょう。」椅子に腰かけているユジンのほうから 口を開いた。
「約束してくれ。」サンヒョクは 一人で突っ立って窓の方を向いたまま ユジンに言った。
「サンヒョク。」ユジンは 背中を向けているサンヒョクに呼びかける。
「チュンサンが本当は生きていてても 僕の傍にいると約束して!必ず守ってくれ!」
サンヒョクは少しだけ振り向いて きつい顔でそうユジンに言った。
そして「カン・ジュンサンを忘れろとは言わない。
彼を思い出すのは 君の自由だ。」と言った。
ユジンは その言葉を聞くと心の中で深く溜息をついたようだった。
そして 決心したように重い口を開く。「私達の結婚、考え直してほしいの。」
サンヒョクは動揺して「どういうことだ?」とユジンに近づいて聞く。
ユジンはサンヒョクを見上げて言った。
「昔みたいに 仲のいい友達に戻っちゃ駄目? 私、頭が混乱して・・・辛いの。」
サンヒョクは 首を横に振って
「駄目だ!それはできない。絶対、君を放さない!」と声を荒げて言った。
怒って横を向いているサンヒョクに 「サンヒョク。」とユジンが呼びかけるが
「君は 今のままでいい。どうせ僕を愛してないんだから・・・。」と言うサンヒョクに
ユジンは心底驚いた。「どうだ?違うか?」サンヒョクは そう言ってユジンを責める。
「一度でも 僕を愛したことがあるのか?」
サンヒョクのその言葉に ユジンは溜息をついてうつむいた。
サンヒョクはそんなユジンを見て、また窓の外を見ながら 寂しそうに言った。
「構わないよ。僕が君を愛してるから・・・。」
重苦しい二人を乗せて 日が沈みそうな夕暮れの中を ゴンドラは下って行く。
場面は変わって ミヒのレッスン場へ・・・。
グランドピアノの横の机に 企画書が置かれている。
「番組の企画案よ。ここに出演するわ。あとは任せるわよ。」
ミヒはそう秘書に言って 企画書を手渡した。
秘書は「はい。」と言って その企画案に目を通し、
「一度、断った番組では?テレビのほうが公演の宣伝になるので、
ラジオよりテレビのほうが・・・。」秘書がそう言うと ミヒは
「ミニョンにも会いたいの。それに決めてちょうだい。」と譲らなかった。
(ミニョンにも会いたいってことは・・・
スキー場の野外コンサートで、クラッシックを弾きまくるってことね。)
そして スキー場へ戻る。
ミニョンが山小屋から 一人で自分の部屋に戻るところだった。
「待っていました。」ミニョンの後方から サンヒョクの声がした。
ミニョンは振り返るが サンヒョクだと分かると 無視して自分の部屋へ歩いて行く。
サンヒョクは むっとして「イ・ミニョンさん。」と声をかけた。
それでも ミニョンは振り向かずに 自分の部屋のドアノブに手をかけた。
「チュンサン!」サンヒョクは 自分をそう呼んだ。驚いて振り向くミニョン。
「やっぱり 君だったんだな。」サンヒョクは ミニョンにそう言った。
そして二人は ミニョンの部屋にいた。 サンヒョクがソファーに腰かけて
「どうして自分が誰か忘れてたんだ?一体、何があった?」とミニョンに聞いた。
ミニョンは ポケットに手を突っ込んだまま 窓の外を見つめ立っている。
何も言い返さなかった。
「あの事故で 記憶を失ったのか?」サンヒョクが訊ねても まだミニョンは黙っている。
しかし、その無言の様子で サンヒョクはすべてを理解して言った。
「そうか・・・。そうなんだな。」
「望みは何だ?」ミニョンが 背中を向けたまま、やっと口を開いた。
「僕にどうしてほしいんだ?」
サンヒョクは ミニョンの背中を睨んで立ち上がるとこう言った。
「イ・ミニョンさん。あなたがチュンサンでも 同じことだ。」ミニョンが振り返る。
「何があってもユジンは渡さない。最後の警告だ。ユジンを混乱させないでくれ。」
サンヒョクの言葉に ミニョンは顔をしかめて「どうして?」と聞き返した。 驚くサンヒョク。
ミニョンは言った。「カン・ジュンサン・・・あれほどユジンさんが会いたがってた人だ。
それが僕だ。・・・なのになぜ?」その言葉に サンヒョクは激怒して叫んだ。
「資格がない!カン・ジュンサンにもイ・ミニョンにも そんな資格はない。
ユジンはチュンサンを 本当に好きだったけど、君は違う。
チュンサンはユジンを利用したんだ。」 その言葉に 驚いて目を見開くミニョン。
「それは 本当か?」サンヒョクにそう聞き返すミニョン。サンヒョクは言った。
「君が言ったんじゃないか!僕が嫌いだから ユジンを利用したと。違うのか?」
その激しさに ミニョンは困惑する。ショックでふらつき、
傍の椅子に腰掛けて 両手で顔を覆った。
「本当に僕が、そんなことを言ったんですか?カン・ジュンサンがそう言った?
思い出せない。なぜ僕は君が嫌いだったんだ?」ミニョンが声を震えわせてそう聞いた。
「その理由は 分からない。」サンヒョクは答えた。
ミニョンは両手を広げ その掌を呆然と見つめている。
サンヒョクが続けて言った。「でも僕が嫌いで 僕の父親とユジンに近づいたんだ。」
その言葉に ミニョンは苦しそうに 子どものように顔を歪めた。
「僕が ユジンさんを利用したんですか? 彼女を愛してたのではないのか?」
必死にそう訴えるミニョンに サンヒョクは
「何も覚えてないのなら あなたがチュンサンでも意味がないしょう?」
言葉のナイフを ミニョンに突き刺すのだった。
ミニョンは 何も言えずに 苦しそうに目を閉じてうなだれた。
そんなミニョンを見下ろして サンヒョクは言う。「放っておいてください。」
その言葉に ミニョンは顔をあげた。サンヒョクは続ける。
「これ以上、ユジンを苦しめないでください。10年で十分だ!
この10年間、ユジンを苦しめてきたんだから・・・。どうか ユジンを忘れてください。」
サンヒョクがミニョンにそう言うと ドアのほうから女性の驚く声がした。
二人が振り向くと そこにはチェリンが立っていた。
”ユジンを忘れてください”という言葉に チェリンは動揺して 肩にかけていた
大きなバッグを落としてしまう。
バッグの中から ユジンのウエディングドレスが顔を出した。
(バッグの中身がウエディングドレス・・・
というのは私の想像です。間違いないと思うけど。笑)
後半に続く・・・。
***********************************
昨日はもう13話の放送があったというのに・・・
12話の紹介が 大変遅れてしまってごめんなさい(>_<)
今、非常事態のように忙しいので・・・
なかなかまとめる時間が取れないのですが
頑張っていますので・・・ゆっくりですが、UPしますので
読んで下さるとありがたいです。
よろしくお願いいたします(*^_^*)
そして 今回も画像は きょこままさんから提供していただきました。
BGMのオルゴールはこみしゃんからの提供です。
きょこままさん❤ こみしゃん❤ ありがとう~(^O^)/
コメント作成するにはログインが必要になります。