アニメ☆冬のソナタ☆第18話(後半)
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第18話 ≪冬が過ぎれば すべて消える≫ 後半
「ユジンさん!!」
ミヒは 部屋を飛び出して行った ユジンの背中に向かって叫んだ。
この時のミヒの心境は? 心の中で ”嘘をついてごめんなさい。”
くらい思っていたと 私は期待したい。
この時の ミヒのチュンサンやユジン・・・そしてジヌに対する
真実をひた隠した態度や言動は どう考えても重罪だ。
人の心をボロボロにしてしまうような・・・
ましてや 実の我が子に 恋人と別れさせるために
真実を伝えず 人を傷つけるような嘘を刷り込む卑怯な母親は
私は 子どもを虐待する親と同じくらいに軽蔑する。
これは まさしく心の虐待だ・・・。
ミヒの態度で ユジンも自分がチュンサンと兄妹かもしれない・・・
そう誤解したユジンは どうしてもチュンサンの口から真実を聞きたかった。
「嘘だよ。」チュンサンが そう言ってくれれば ユジンはその言葉を信じた。
ユジンが信じられるのは 今、チュンサンだけだった。
ユジンはチュンサンがいるであろう マルシアンの事務所に走ったのだ。
そう。ユジンはミヒを信じなかった。
だって・・・ミヒはチュンサをミニョンに仕立て上げた母親だ。
チュンサンの過去を葬って 息子に嘘をつき続けた母親だもの。
ユジンはミヒに不信感を持っていたに違いないと私は思う。
そして・・・実の父親のことも 娘であるユジンは心から信じていたからだ。
マルシアンでは・・・
「誰も部屋に入れないで。」チュンサンは事務所のスタッフにそう告げて
自分の仕事部屋にこもっていた。
この時は ユジンが来るだろうから”誰も部屋に入れないで”と言ったわけではなく
チュンサンは 一人になりたかったからだと思う。
ユジンを捨てて 深く自分も傷ついているチュンサン。
早く この辛い土地から逃げたくて仕方なかった。
だから 急いで事務所の仕事を片付けて 旅立つ準備をするつもりだったのだろう。
それにしても なぜ母がユジンの父に捨てられたかという疑問が チュンサンを襲った。
やはり息子は どんな母親であろうと 母を愛している。
母がヒョンスに捨てられ あれほど傷ついた・・・その原因を知りたかった。
そして ”母が捨てられなければ 自分はこんなに苦しむ”愛”に
出会うことなどなかったのに”・・・そうチュンサンは 悔しかったのではないだろうか?
チュンサンは ジヌの大学の研究室に電話をかける。
「カン・ジュンサンと申します。教授に聞きたいことがあるんです。」
すると部屋の扉の外からスタッフの大きな声が聞こえる。
「ダメです。理事は今 留守です。」
チュンサンがその声の方に目をやると ガチャ!!と扉が勢いよく開いて
ユジンが血相を変えて 部屋に飛び込んで来た。
後ろから 事務所スタッフがオロオロして ユジンについて来た。
チュンサンは受話器を押さえて スタッフに「大丈夫です。下がってください。」と告げ
受話器の研究室の者に向かって「では、大学に伺います。」と言って電話を切った。
そして・・・チュンサンは精一杯、冷たい顔を繕って ユジに言った。
「どうしたんだ?サンヒョクから聞いてないのか? 僕は君と別れたいって・・・。
それに 僕はすぐにアメリカに行くんだよ。」
ユジンは 驚いた。”まさか・・・本当に私達は兄妹なの??”
「チュンサンガ。」・・・ユジンは一言、最愛の夫の名を呼んだ。
「どうにもならない。もう無駄だよ。」チュンサンは ユジンから目を逸らした。
面と向かって ユジンに嘘をつくことが こんなに辛いことなんて・・・
チュンサンは必死に耐えて 妻を捨てた悪い夫を演じきろうと必死だ。
ユジンは 動揺しながら「なぜ?何が無駄なの?」と夫に聞いた。
チュンサンは 息を大きく吐き出して心を決めて ユジンに大嘘をつく。
「愛していない。・・・僕は 君を愛していないんだ。」
その言葉に ユジンは決定的なものを感じた。
チュンサンが自分を愛していないわけがない。それは揺ぎ無いユジンの自信だった。
その彼が・・・嘘をついた・・・。この意味は・・・。
ユジンの目から涙が溢れた。「嘘よ。」ユジンは反論した。
チュンサンは眉間に皺を寄せて「本当だ。」と目をつぶって小さな声で言った。
「嘘よ!!」ユジンが叫んだ。そして声を震わせながら
「嘘じゃない。・・・愛してるでしょう?愛してるのに・・・
私達は ・・・愛し合ってはいけないの?」そうユジンは言った。
チュンサンは ユジンの言葉に ”まさかユジンが真実を知ってしまったのか?”と驚く。
今までの ユジンに演じていた冷たい男の顔が一変して
「ユジン、君・・・」と、チュンサンがうろたえた。
ユジンは涙をためて、怒ったような顔でチュンサンに質問を投げかける。
「本当なの?」・・・その質問は
真実を知ってしまったユジンが 自分に問いかけているものだ。
ユジンだけには知られた言くない事実・・・。
チュンサンは 苦しくなって目を閉じた。
「本当なの?」ユジンは 事実を自分の口から聞きだしたいのだ。
チュンサンは言えない。「ユジナ。」心の中で 泣いているチュンサン。
それでも ユジンは知りたいのだ。知らなければならない。
「答えて。・・・本当なの?」ユジンは 心の中で”嘘だ”の言葉を祈る。
しかし、泣きそうな顔のチュンサンは 首を縦に小さく振った。
夫の答えは”本当だ。”だったのだ・・・・。
ユジンは あまりの衝撃に体中の力が抜けてしまう。
涙がワ~と溢れて・・・ヘナヘナと床に崩れ落ちた。
チュンサンが心配して「ユジナ!」と叫んで、すぐに椅子から立ち上がった。
しかし ユジンは「来ないで!!」とチュンサンを拒んだ。
こんなに愛している夫が 自分の兄妹だなんて・・・
やるせなくて・・・悲しくて・・・
”もう2度と 彼に近づけない・・・”ユジンの中で 悲しみと怒りが爆発してした。
「来ないで・・・。」ユジンの涙は止まらない。
チュンサンは そんなユジンの姿を見て心を痛めるのだった。
ここは実写版とまったく同じ場面だが・・・
このユジンとチュンサンを演じるヨンジュンとジウの演技は素晴らしかった。
そして本当に こんな悲しい嘘ってある??
そしてこんなに罪深い嘘がある??
私は何度も言うが・・・同じ母親として ミヒを軽蔑する。
そして チュンサンの真実の父、ジヌのいる大学。
研究棟の廊下を ジヌは自分の研究室に向かって歩いていた。
すると 研究室の扉の前にチュンサンが立っているのを見つける。
「外で待っていたのか?」と チュンサンに近づくジヌ。
ジヌは 中で待っているように研究室の受付にでも頼んでいたのだろう。
チュンサンは 目の下にクマができ、憔悴しきった顔で言った。
「父さんはなぜ、、なぜ母さんを捨てたんですか?
先生は 理由を知ってますよね?」
チュンサンは息も苦しそうに そう言い終わると
フラッとして壁の棚に持たれかけた。ハァハァと息をして、益々苦しそうだ。
「大丈夫か?顔色が悪いぞ!」ジヌが心配して声をかける。
しかしフラフラな状態で チュンサンはジヌに問いかける。
「答えてください。・・・」そう言うと バタッとチュンサンは床に倒れてしまった。
「チュンサン!!」ジヌは驚いて 救急車を呼ぶ。
そして チュンサンに付き添って 病院までやって来るのだった。
病院の廊下を移動ベッドで 急いで運ばれてゆくチュンサンの後を
ジヌは必死で追いかけた。なぜだか・・・チュンサンがとても心配なジヌだった。
チュンサンは大汗をかいて 苦しそうに眠っている。
移動ベッドにくっついて走りながら ジヌは
「先生、大丈夫でしょうか?」と 運んでいる医者に聞いた。
「患者さんのお父さんですか?」医者が走りながら 自分に言った。
「え、えっ?」 ジヌの足は止まった。
”患者さんのお父さんですか?”その言葉がジヌに突き刺さった。
・・・そうなのだ・・・もしや・・・と思い続けた疑問。
”やはり自分は彼の父親なのか?”
それがどうしても ジヌは知りたくなったのではないだろうか。
サンヒョクの務める放送局の廊下。
いつもの自動販売機で サンヒョクはコーヒーを買った。
そして1つの紙コップを 自分を訪ねてきたチェリンに手渡した。
廊下の椅子に 並んで腰かけるサンヒョクとチェリン。
2人が顔を合わせるのは チェリンのファッションショー以来だった。
「どうしたんだ?何か用事があるから会いに来たんだろ?」
サンヒョクが言うと チェリンが答えた。
「そうよ。聞きたいことがあって来たの。」
「君にそう言われると 何だか怖いな。」とサンヒョクが笑って言う。
しかし、チェリンは真面目な顔で質問した。
「ユジンとチュンサンに 何か問題でもあったの?」
それを聞いて サンヒョクの笑顔が消えた。
チェリンは その様子を見て「チンスクから聞いたのよ。」と言った。
それでも 黙り続けるサンヒョク。
チェリンに どう説明すればいいのか分からなかったからだ。
その時、サンヒョクの携帯電話が鳴った。
「ごめん。」サンヒョクが 救われた気持ちで携帯に出れば
それはジヌの慌てた電話だった。
「もしもし。お父さん。」そして内容を聞いて サンヒョクは
「えっ??」と大声をあげた。「チュンサンが病院に??」
それを聞いた 隣のチェリンも驚いた。
「そうだ。交通事故の後遺症らしい。」病院の待合室で ジヌはそう言った。
そして 後ろの待合室にいる可愛い男の子の笑い声が聞こえ 振り返った。
男の子は お父さんにあやしてもらって嬉しそうに笑っている。
ジヌは「詳しく検査をしてみないと分からないそうだ。今は眠っているよ。」
そう息子のサンヒョクに告げた。
すると診察室から 看護士が出て来て「中へどうぞ。」とジヌに言った。
ジヌが医者と向き合うと 医者はPCでカルテを確認して
「安静が第一です。ストレスで心身が疲弊しています。」
そして心配そうなジヌに向かって 優しく
「検査結果を待ちましょう。ご心配なく・・・お父様。」と医者は言った。
ジヌは”お父様”にまたまた敏感に心が反応する。
「今は 休ませてあげてください。私からは以上です。」医者がそう言うと
ジヌは「あの・・・」と 言い憎そうに 医者に何かを話したい様子だった。
チュンサンが横たわるベッドの横で ジヌはチュンサンの寝顔を見つめている。
(自分の息子にしては ハンサム過ぎる・・・と思ったのだろうか?笑)
チュンサンの顔が ヒョンスに似てるのか、自分に似てるのか・・・
ジヌは まじまじ見入っていたのかもしれない。
そして もし自分の息子なら・・・と思うと チュンサンが愛しくて仕方ない。
そして”なんて可哀そうなことを してしまったのか・・・。”
自分の無責任さを 心の中で悔いていたのかもしれなかった。
”ユジンとの別れを こんなに苦しんで・・・”
ジヌは チュンサンが不憫で仕方がなかった。
そしてもし自分の息子なら ずっと今まで放りっぱなしだったのだ。
ずっと今まで ミヒが苦労して育て上げたに違いないのだから・・・。
ジヌはチュンサンの髪を撫でてやりたい衝動にかられた。
手をチュンサンに伸ばして、そして我慢して引っ込めた。
”嫌、まだ自分の息子とは限らないのだ。” そういう想いだったのかもしれない。
すると ドアが開いてサンヒョクがチェリンを連れて走って入って来た。
「父さん。」とサンヒョク。「チュンサン。」とチェリン。
3人が心配そうに自分を見つめているとは知らずに・・・
チュンサンは 薬でぐっすり深い眠りについていた。
多分、チュンサンは 何日も眠れなかったに違いない。
ユジンとの別れが 苦しくて・・・悲しくて・・・
そして何より、自分に捨てられてユジンが傷ついたことが
可哀そうで・・・可哀そうで・・・申し訳なくて・・・
チュンサンは ずっと何日も 眠れなかっに決まっている。
サンヒョクは父親と連れだって病院の玄関を出た。
大学に戻る父を サンヒョクは外まで送ったのだろう。
「ミヒには連絡するな。チュンサンに頼まれた。」
ジヌが サンヒョクにそう言った。 (嘘だ。と私は思う。)
チュンサンはあのまま倒れて意識不明だったはずだ。
チュンサンがそんなことを ジヌに頼むことなど出来るわけがない。
ジヌは ミヒを心配させたくなかったのだろう。
ちゃんとした検査結果が出るまで 演奏会を控えているミヒには
連絡するべきでないと判断したのだと思う。ジヌはミヒを気遣ったのだ。
と解釈すれば 皆さまも納得できるのだはないだろうか?(笑)
本来、この点は 実写版でも疑問が残るところだった。
チュンサンが倒れたのに なぜ息子を溺愛するミヒが駆け付けなかったのか?
その矛盾を このアニソナでは この一言で解決したのだろう。
「はい。」サンヒョクが父にそう言うと 父は「それじゃ。」と言った。
「ああ父さん。」と言って サンヒョクが見送ろうとすれば
父は振り返って 息子に尋ねた。
「お前。チュンサンをどう思う?お前たちは 仲が良かったのか?
チュンサンは・・・」畳みかけるように チュンサンへの質問が溢れてくるジヌ。
やっとのことで 我慢して言葉をにみ込むジヌだった。
そんな普段とは違う父親を見て 「父さん?」と」サンヒョクは不思議そうに言った。
ジヌは 我に返って「いいんだ。戻りなさい。」そう言って 去って行った。
病室では チェリンが愛するチュンサンの面倒を見ていた。
額の汗を 優しくハンカチで拭いてあげるチェリン。
そいうえば チュンサンに会うのは 久しぶりだったはずのチェリンなのだ。
すると チュンサンが苦しそうに うなされながら
「ユジナ。・・・ユジナ。」とうわ言を喋った。
夢の中で チュンサンはユジンを追いかけているようだった。
チェリンは 心底、ユジンには敵わないのだと思い知る。
自分は逆立ちしても こんなにこの人に愛される自信はないと思うのだった。
それほど チュンサンの心を握りしめているユジン。
ここまでチュンサンの ユジンへの愛を知ってしまうと
チェリンはもう 心から降参するしかなかったのだ。
「ユジナ・・・。」チュンサンの声が 病室に虚しく響く。
そこへ 父親を見送ってきたサンヒョクが戻って来る。
チェリンは サンヒョクに「ユジンは来ないの?」と聞いた。
何も答えないサンヒョクに チェリンは怒って
「あなた ユジンにまだ連絡してないの?
真っ先に飛んで来るべきでしょ?」と当然のことを言った。
そう言われてサンヒョクは またまた何も言えずに顔を背けて黙ってしまう。
チェリンは 何かオカシイと感じて
「答えて。2人は本当に別れたの?」と サンヒョクに聞く。
「ああ・・・そうだよ。」とサンヒョク。するとチェリンは声を荒げて
「どうして?」と叫ぶ。サンヒョクは チェリンの視線をよけて
「お母さんも反対するし、愛してなかったらしい。錯覚だったって言ってた。」
そう説明した。サンヒョクの答えを聞いて 唖然とするチェリン。
「チュンサンがそう言ったの?愛してなかったって?」と、チェリンが聞き返した。
「そうだ。」サンヒョクがそう言うと、チェリンは呆れて言った。
「意識を失っても ユジンを呼び続けてるのよ。それなのに愛してないですって?
私に何を隠してるの?あなた 何か知ってるんでしょ?」
やはり 勘の良いチェリンに嘘は通じなかった。
サンヒョクは仕方なく、チェリンに真実を話す覚悟を決めた。
サンヒョクは チェリンを病室から連れ出して 広い廊下の窓の前に来た。
窓の外の夕焼けを眺めながら「2人は兄妹だ。」と チェリンに打ち明けた。
「えっ?2人が・・・何ですって?」チェリンは耳を疑った。
サンヒョクは 目を閉じて苦しそうに言った。
「父親が一緒なんだ。チュンサンは カン・ミヒさんとユジンのお父さんの子だ。」
チェリンは 心臓が止まるほど驚いたに違いない。
”2人があれほど愛し合っていながら・・・兄妹なんて!!”
この時、すでに2人の愛の強さに降参していたチェリンだからこそ
この事実は 信じられないほどの衝撃だったに違いない。
そして ユジンもチュンサンもなんて可哀そうな運命なのかと・・・
チェリンは そう思ったに違いなかった。
病室では 点滴を受けながら大汗をかいて、
うなされていたチュンサンが目を覚ました。
目を開ければ そこにはユジンの姿があった。
ハッと思って目を凝らすと それは点滴を点検している看護婦だった。
「起きましたか?」嬉しそうに看護婦がそう言った。
チュンサンは 天井を見つめて
「そうか・・・目が覚めてしまったのか。
ずっと眠っていたかったのに・・・。」そう小さくつぶやくのだった。
(このつぶやきのヨンジュンの声は 何度聞いてもゾクッとする素敵な声です。笑)
「えっ??」看護婦は何のことだか分からないのだった。
チュンサンは夢の中でユジンを抱きしめていたのかもしれない。(笑)
絶対にもう2度と ユジンを離したくないチュンサンなのだから。
夢の中の幸せな2人から 現実に引き戻された気がして・・・
チュンサンは ずっと夢を見続けていたくて、そう言ったのではないだろうか。
一夜明けたのだろうか。明るい日差しが差し込む病室にチュンサンは寝ていた。
ドアを開けてチェリンが病室に入って来た。同じ服装で登場したチェリン。
チェリンは チュンサンが心配で一晩中 傍に付き添っていたらしい。
その足音に気付き チュンサンは目を開ける。
(もしかしたら ユジンの登場を期待したのかも知れなかった。)
ベッドの傍に置かれた椅子に腰かけたチェリンは 目覚めたチュンサンに
「検査結果はまだよ。お腹すいたでしょ?今持ってくるわ。」と言った。
チュンサンは上半身を起こして 「君。どうしてここに?」と聞いた。
チェリンは 朝食を用意してベッドの簡易テーブルに乗せると
「あなたと一緒に食べたくて 待ってたの。」と優しく言った。
チュンサンは食欲がなかった。ご飯を一口食べただけで ほとんど朝食を残してしまう。
しかしそれを咎めることもなく、チェリはその残された朝食を片づける。
チュンサンは ベッドの横に置かれた眼鏡に手を伸ばして 顔にかけた。
そして視界がはっきりした中で チェリンに向かって
「ありがとう。チェリナ。」と言った。チェリンは「ゆっくり休んで。・・・帰るわね。」
と言って、背を向けて病室を出ようとした。しかし後ろを向いたまま 立ち止まった。
驚くチュンサン。チェリンは「いっそ・・・」と小さな声で言った。
そして 振り向いて「いっそユジに正直に言えば?」と今度は強く言うのだった。
チュンサンは またまた驚く。チェリンは チュンサンのベッドまで戻って来て
「それなら”逃げよう”って・・・。知らなかったんでしょ?
2人は 何も知らなかったんだから・・・。
知らないで出会って愛し合ったなら 仕方ないわよ。そうでしょ?」
チュンサンは 静かにチェリンの言葉に見を傾けた。
そして「いつ知ったんだ?もしかして サンヒョクに聞いたのか?」と質問した。
しかし チェリンはそれには答えずに 泣きながら言うのだった。
「私、2人が別れることを願ってた。・・・でも・・・
こんな別れ方じゃ 私だって喜べないわ。
あなた、ユジンとこんな風に別れてしまったら・・・
あなたが去って行ってしまったら 私だって永遠に会えなくなってしまう!!
何か言ってよ。カン・ジュンサン!!なんで黙ってるの?」
感情的なチェリンは 激しく泣きながらチュンサンを責めた。
チュンサンは 困った顔をして目を閉じて そして目を開いて
「もう”ミニョンさん”じゃないんだね?」と チェリンに聞いた。
チェリンが 自分を諦めたことが分かったからだ。
チェリンは 目に一杯涙を貯めて 「そうよ。カン・ジュンサン・・・。」と
自分が 10年目に諦めた人の名前を呼んだ。
そう・・・カン・ジュンサンは ユジンのものなのだ・・・。
きっと これからも この2人の間には誰にも入り込めないのだ・・・。
勘の良いチェリンは そう直感し、そして2人の永遠の別れを気の毒に思って
涙が止まらなかったのではないだろうか・・・。
一方、チュンサンが自分の兄妹だと知ったユジンは・・・
父親のお墓の前にやって来ていた。
父親を恨みたい気もするし・・・自分の悲しい気持ちを吐き出したい気分だった。
こんなにも苦しい胸の内を すべて打ち明けられるのは
その大元を作った 父の前だけだったのだから・・・。
海の見える高台に作られた父のお墓に 向かってユジンはでつぶやいた。
「パパ。私 夢を見ていたの。
チュンサンと私でここに挨拶に来て・・・2人でお酒でも飲んで
パパの前で 仲の良いところを見せたいって・・・。
2人でいつまでも ずっといつまでも・・・。」そう言って ユジンは
父親のお墓を撫でるのだった。そして墓に触れながら・・・
「あんなにチュンサンを 初めて会った時から好きだったのは
最初から 私達が1つだったからなのね・・・。
・・・そうなんでしょ?・・・パパ。」お供えの白い花も 墓の傍で聞いている。
ユジンは 泣きながら「それじゃもう・・・夢を見ちゃダメね。そうよね・・・パパ。」
そう自分自身を説得するように 父親に語りかけるのだった。
ユジンが墓参りを済まして 墓地へと続く坂道を反対に下って行くと
正面から仲の良いカップルが歩いてくる。それは自分とチュンサンだった。
ユジンがチュンサンの腕に手を回して 片方の手に花束を抱えて歩いてくる。
「疲れた?」「大丈夫よ。あなたは?」
そう言って近づいて来ると全く知らない赤の他人だった。
「平気だよ。男だから。」「お父様が喜ぶわ。」「彼女と一緒に来たから?」
カップルの明るい喋り声が ユジンを取り越してゆく。
ユジンの夢が 去って行ってしまった・・・。また泣きたくなるユジン・・・。
ユジンは傷心のまま バスに揺られていた。
バスに座った席は いつもの2人の指定席ではなかった。
そして以前は ユジンの胸に輝いていたチュンサンの
愛の証のポラリスも すでに無くなっているのだ。
ユジンは 心の中でつぶやいた。「チュンサン。チュンサン・・・さようなら・・・。」
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19話の放送が始まってしまったのに・・・
忙しくて 今朝から書いて 今やっと18話の後半を書きあげました。
19話は 先ほど見ました。・・・不覚にも泣いてしまいました・・・。
ああ・・・また19話も 頑張ってみます!!(笑)
なので・・・皆さま・・・よろしくお願いいたします(*^_^*)
今回も きょこままさんから 画像をいただきました。ありがとう~❤
BGMはYuちゃんの提供です❤ 毎回お世話になってま~す! 感謝~❤
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