2012/11/15 22:19
テーマ:太陽を抱いた月 カテゴリ:韓国TV(その他)

断念!!

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 このブロコリでUPしていた

 『太陽を抱く月』のノベライズですが・・・

 私の文章の中に ここでは使用許可されていない言葉が

 どこかに入っているらしく・・・

 それがどの言葉なのか 判明できないため

 残念ながら 途中ではありますが・・・

 このブロコリでのUPは断念いたしました。

       (>_<)


 もし、楽しみに読んでくださった方が

 いらっしゃいましたなら

 心からお詫び申し上げます!!

       m(_ _)m

 

 

 

 

 来年 NHKBSプレミアムで1月から放送される

      『太陽を抱く月』

 
 歌姫の三男のスヒョン君は

 第6話からの出演ですが・・・

 最初に登場する 歌姫、四男のジング君も 

 相手役のユジョンちゃんも 他の子役も 

 めちゃくちゃ素晴らしい演技で 楽しめます!!


  本当に面白いので、観てくださいね!!

      \ (*´∀`*) /

 







 歌姫の『太陽を抱く月』ノベライズの続きを

 読みたい!!と思ってくださる方は・・・

  
http://ameblo.jp/suhyon3392/theme-10054569875.html

  で読むことができます。

 覗いてみてください  (^_^)/
 





 


        では・・・2013年 1月にお会いしましょう~!!
 


2012/11/15 19:44
テーマ:歌姫のひとりごと カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

枯葉

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  今日も寒かった!!(>_<)


 結局、今日はガレージから車を出すこともなく

 家でずっと過ごしてました~

 BANAZOさんからの宮田大さんのチケットは 

 明日、ベルの練習が終わってから

 受け取りに行くことにしちゃった~

 でも、楽器店に寄る時間はないので

 楽器店へは また今度、

    時間を作って行かなくちゃ~






 


 それでも今日は 風は強くなかったので

 庭の木蓮の大きな枯葉の掃除と

 プランターにパンジーやシクラメン

 チューリップの球根を植えたりして

 頑張って、庭仕事をしてました


 大きな枯葉でいっぱいだった庭も

 やっとサッパリ!!

 
 庭が綺麗だと やっぱり気持ちいい!!

      (*^_^*)

 

 



 

 ヨンジュンの家は

 きっとお屋敷のように大きいだろうから

 庭だって立派なんじゃないだろうか?


 庭には どんな樹を植えてるんだろう?

 枯葉のお掃除とか 自分でするのかな?

 お掃除オバチャン、もしくはお掃除青年がいて

 犬の世話とかも してくれてたりして~

      (*´艸`)ププ


 


 それにしても

 亡き義父が好きで 我が家の庭に2本も植えた

 紫の花が咲く木蓮は 今年もいっぱい大きな花や

 大きな枯葉をドッサリ落としてくれて・・・

 実は内心、いらな~い!!って思ってる

 歌姫なのでした・・・(-_-)
 

 


 


2012/11/14 12:42
テーマ:歌姫のひとりごと カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

さむ~~い!!!

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    さむ~~い!!!


   ((((>_<))))ブルブル


 今、北風がピュ~ピュ~!!吹いてるよ~!!


     ((((>_<))))ブルブル


 歌姫、こんな日は1歩も外へ出たくありません!!

 
 毎日お勤めで 朝早くから出かける皆様

 本当にご苦労様!!心から尊敬します!!(^_^)/




 

 夫が出張でいないので 今日の夕食は 

 歌姫の大好きな あっという間の簡単酢豚と

 お味噌汁だけ作って、あとはモズクにしてダイエットしよう!!

        (^_^)/

 
 買い物は 昨日してあるし~

 今日はレッスン前に 北風の中、義母に夕食を届けるだけ!!

 あとは 外出しないことに決めました~


 





 しばらく弾いてなかったピアノを練習して(笑)

 花壇と庭の手入れをしようと思ってたけど・・・

    今日は 花壇と庭はパス!!!

 この風で枯葉はもっと増えるだろうし・・・

 風が収まった 暖かい日に作業しようっと~


 今日は ピアノの練習とベルの楽譜を整理して

 あとは大好きな『太陽を抱く月』の解説を書くつもり~

        (*^_^*)

 




 
 明日は BANAZOさんに取っていただいてる

 宮田大さんのチェロのコンサートのチケットを

 受け取りに出かけて 帰りに楽器店にも寄るつもりだけど

 寒くないと嬉しいな・・・

   明日はどうか 風よ、止んでおくれ~~!!

          \(´□`)/

  


 ヨンジュンのいるソウルは・・・

 現在 晴れてるけど・・・気温が6度!!   

 ひぇ~~~!!!!((((>_<))))ブルブル


 



 ヨンジュン スヒョン君

 家族のみなさんも 風邪ひかないでね~

 

 
 

 

 


2012/11/13 10:18
テーマ:歌姫のひとりごと カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

うぇ~~~ん!!!

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  ガ~~~ン!ガ~~~ン!!!


  
   めちゃくちゃショック!!!

        (>_<)



 歌姫は やっぱりボケてる!!

 先週、月命日だと思ってたのは義父ので

 今日の13日が義弟の 月命日だった!!


  まぁ、それはいいとしよう!!(笑)



 で・・・

 今日は いつもより1時間も早く(;一_一) 

 朝の9時前にお勤めに来た 院主様の香取君に

 「ところで、この仏様の本当の命日っていつ?」

 と尋ねたところ 12月13日と判明した!!

 で・・・


 やった~~!!!


 来月で13日の月命日とオサラバできる!!


     バンザ~~イ!!

 
 と、心の中で叫んだら・・・

 「来年が本当の50回忌です!」

 と香取君がおっしゃった。(@_@;)

 「えっ??でも、

  今年義父の三回忌と一緒に法要してもらったから

  もう月命日は 無しでいいんじゃないんでしょうか?」

 と歌姫が質問すると

 「いえいえ、来年の12月まで拝ませていただきます!」
 
 と言われてしまった!!!!(>_<)


 
      うぇ~~~~ん!!!!

         (T_T)


 あと1年・・・毎月2回も 坊さんが来る!!


       うぇ~~~~ん!!!!

         (T_T)

 

  ヨンジュン!!慰めて~~~~!!!!


        


 


 


2012/11/12 21:57
テーマ:歌姫のひとりごと カテゴリ:日記(その他)

今日のつぶやき

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 歌姫は虫が嫌いではありません。

 嫌いではないというより・・・

    むしろ、好きなほうです


       (*´艸`)ププ


 




 で・・・

 今日、我が家の雨戸にへばりついてた

     カマキリ!!

 今の時期、カマキリって・・・

 流石に、めちゃくちゃ元気がなかった。


 

 
 数日後に 庭のどこかで

 干からびて死んじゃってるのかも・・・
 
 そう思うと 可哀そうだと思う歌姫です。


 



 

 それから~

 uraraちゃんに見せて!!って頼まれてた

 ド派手な革のコートってこれです!!

       ↓


 



 裾にモコモコお花がついてるの

 これを孫がいるオバサンが着ちゃう!!

 イベントだから着られるのであって・・・

 普段、田舎では絶対に着られません!!

      (>_<)

 

 それから・・・

 もう1つ 衝動買いしちゃった

 可愛い革のジャンバー♫ 

        

 

 


 イタリア製なので・・・高い!!

 臨時収入があったから買っちゃったけど

 この2つで 使い果たしちゃいました!!

      (>_<)

 

 この、あればすぐに使っちゃう金銭的感覚・・・

 どうにかならないものか・・・と思いつつ・・・

 でも、しっかり

 韓国行の500円貯金は 貯めている~♫ 


       (^_^)/

 

 

 

 

 

 


2012/11/11 21:30
テーマ:歌姫のひとりごと カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

今日はゴルフ!

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  今日は雨。

 歌姫が大嫌いな冷たい雨が朝から降っていた。

 
 夫は昨日に続き 今日も朝から

 県のテニス大会に出かけたのだが

 昨日のうちに試合をかなり進めていたので

 今日は小雨の中、午前中には試合を終えられた。

 夫は帰りに 義母宅に寄り そのまま

 義母を法事があったので 実家に送り届けて

 お昼に 我が家に戻ってきた。


 おかげで歌姫は 助かった!!(*^_^*)


 義母の実家は 道が狭くて分かりにくく

 方向音痴の歌姫には まったく覚えられないので

 もし、夫が帰ってこなかったらどうしよう・・・

 と困っていて・・・実は

 「タクシーで行けば?」と意地悪く思っていたから。

        (^_^;)


 かくして義母は しっかり息子に送迎してもらって

 実家の法事に出席できたのであった。

 めでたし、めでたし~


 





 それで夫は、お昼から好きなゴルフの練習も行けて

 帰りに義母を法事から連れて帰ってから

 家でもTVで 大好きなゴルフの試合をゆっくり観ていた。

 今日の試合は 三井住友VISA太平洋マスターズ

 この試合は 8日の木曜日から始まっていて

 歌姫も毎晩、その模様を夫とTVで観戦していた。

 まぁ歌姫は PCをしながらいい加減に観てたんだけどね(笑)

 


 


 それでも 今回の太平洋マスターズは面白かった!!

 昨年大会優勝のアマチュア選手の松山英樹君も

 出だしは悪かったが 終盤、頑張って追い上げたし

 ずっと不調が続いてた石川遼君が 

 今回は 最初から調子が良かったから (*^_^*)

 
 今日は 雨の中でも みんな平気で試合をしていた。

   プロって凄いなぁと思った歌姫~


 



 
 それで、今日の太平洋マスターズは

 結局、石川遼君が2年ぶりに優勝した!!

 本当に最後まで 面白い試合だった~

 史上最年少となる21歳での10勝目!!

 遼君、本当におめでとう~!!!

    \ (*´∀`*) / 



 
 





 それにしても・・・

 我が夫は ゴルフが大好きだ。

 毎週、仕事がなければ 

 必ずゴルフの打ちっぱなしに行くし TVの試合も観る。

 そうそう、我が父も運動神経がない割に 

 ゴルフは好きで練習もしていたし、TVの試合も好きだ。

 だから歌姫も 小さい時から 毎週のように

 父の傍で TVでゴルフの試合を観て育ったのだが

 歌姫は未だに ゴルフの良さがイマイチ分からない。


 




 あんな小さな玉を クラブで打つのが

 なんでそんなに 楽しいのだ??

 歌姫は絶対に 上手くいかないから 苛々すると思う。

       (-.-)

 ゴルフウェアは可愛いから 着たいと思うけど(爆)

 日焼けも嫌だし、一生ゴルフ場には 行かないと思う。


 




 でも、ヨンジュンも ゴルフは大好きなんだよね。

 ヨンジュンがいるなら そのゴルフ場には行きたい~

         (*´艸`)ププ


 だいたい、運動神経がいいヨンジュンのスコアは 

      いくつくらいなんだろうか?


 ちなみに 我が夫は 最近ずっと80代。

 定年して 毎週コースに出られれば 

    70代になれる!と豪語している。(爆)

 






 ヨンジュンと夫のゴルフなら 

 キャディさんでもなんでもいいから

 日焼けしてでも ついて行くよ~♫

     ┗(*´∀`*)┛

 

 

 

 


2012/11/10 21:35
テーマ:歌姫のひとりごと カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

シャープな輪郭

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 今日も曇り空だった。

 朝から夫は 仕事があっていなかったので

 夫を送り出してから・・・

 体の電池を切って ダ~ラダラしてた歌姫(笑)

 それでも、どうしても必要な物があって

 午後には 嫌々車を運転して 

 市内のデパートまで出かけた。


 で・・・疲れた~~~!!!(>_<)


 でも、先週に続き、デパートの特設会場で

 北海道物産展をやっていたので

 帰りに 蟹たっぷりの蟹ずくし弁当と

 めっちゃ美味しい男爵コロッケを買って

 帰宅して お味噌汁だけ作って 夕食にした。

 夫は蟹とコロッケが大好物なので

 凄く喜んで食べてくれた。(^_^)/

 



 
 で・・・カロリーオーバーと知りつつも・・・

 美味しい北海道のチーズケーキも買っちゃって

 夕食後に コーヒーを入れて食べてしまった!!

 う~~ん・・・苦しい!!(>_<)

 本当は あと3kg痩せなくちゃなのに!!

 根性が足りない歌姫なのであった。(-.-)

 


 3kg痩せたら 

 輪郭も少しシャープになるでしょ?

 お腹や背中のお肉も 落としたい!!

 12月は仕事で 

    ドレスを着なくちゃならないから・・・

 





 ヨンジュンの ↑ の輪郭は好きだわ!

 本当に ヨンジュンの横顔って綺麗~

     
 


2012/11/09 10:15
テーマ:歌姫のひとりごと カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

曇り空

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    寒い!!(>_<)


 最近、朝 布団から出るのが辛くなってきた。

 今年の秋は あっという間に過ぎ去って

 駆け足で 冬が一気にやって来た気がする。

 

 冬は冬眠したいくらいだと思う歌姫は

 冬の曇り空や雨は 苦手だ。

 嫌、苦手というより嫌いだ!!


 どよ~んとした暗い空の冬の日は

 近所のスーパーにだって 行きたくない。

     

 

 



 

 今日は どよ~んと暗い空。

 ガレージを開けて 車を出すのも嫌だけど

 近所の小学校のバザーの物品募集が

 今日までだから・・・持って行かなくちゃ。


 久しぶりに 息子たちが通った小学校に行ってくる。

 

 そうそう・・・話は変わるけど・・・

 最近、物忘れが酷くなった気がするの。

 夕べは お風呂に浸かっていて ふと

 さっき体を洗ったんだっけ?まだだっけ?

 と自分の行動を思い出せなかった。

 さっきは 仏壇と神棚の灯りを消し忘れてる!

 と思い出して、慌てて和室に引き返したら

 ちゃんと自分で消してたりした。(>_<)


 
 これって老化現象だよね・・・

       (;一_一)

 
 こんな風に どんどん体も頭も

 年老いて、壊れていくのか・・・

 そう思ったら 気が滅入ってきた。








 こんなマイナーなことを思うのは

 きっと 今日の曇り空のせいだ!!


 そうだ!!

 小学校で子供たちの声でも聴いたら

 気分が明るくなるかもしれない!!


 じゃ、行ってくる!!

     (^_^)/

 

 
 


 

 


2012/11/08 16:02
テーマ:太陽を抱いた月 カテゴリ:韓国TV(その他)

『太陽を抱く月』第3話(3)

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恋しいヨヌと 隠月閣で再会するつもりが

ユン・デヒョンの娘、ポギョンがやって来てしまい、

驚いて慌てふためいて 東宮に戻ったフォンは 

机を拳で叩いて怒り ポギョンを連れてきた

ヒョンソンを怒鳴っていた。

「それが言い訳のつもりか!!」

しかしヒョンソンは納得いなかい様子で、

フォンに訴える。「悔しゅうございます。

 ホ文学の妹でないと 本人が言ったのです!」

すると今度は フォンが納得いかず

「あの娘が なぜ嘘をつくのだ?」と また怒る。

「そんなことを 私に言われても困ります。」

ヒョンソンは ほとほと困り果てた。

 「私を避ける理由がどこにあるのだ?」

フォンは苛々してヒョンソンに尋ねるのだが

ヒョンソンは「あえて申し上げますと・・・」と言うと 

意味深な顔をして ヨヌがなぜ避けたのかというお題目で

フォンに向かって 上から目線での講義を始めた。

まずヒョンソンは ヨヌの頭の断面図を書いて

彼女の脳の構図を説明するつもりだ。。

その脳の断面図には7割、2割、1割と書かれた

脳の領域が示されている。

「それは何だ?」と フォンが呆れて質問した。

すると恋愛学の講師、ヒョンソンは語る。

「ヨヌお嬢様の頭の中を絵にしてみました。」

「頭の中?」フォンは これには興味を示した。

「ではまず、ヨヌお嬢様の兄 ホ文学でございます。

 このように 7割以上占めています。」

ヒョンソンが説明すると フォンは驚いて

「そんなに?」とため息をつく。講師ヒョンソンは

「はい。ヨヌお嬢様は ホ文学のような

  美しい超天才を見て これまで育ちました。

  ですから、その辺の男は眼中にありません!」

フォンはそれを聞いて 少しうつむきがちになる。

ヒョンソンは 講義を続けた。

「また、同じ家で学んだヤンミョン君と

  キム・ジュウンも魅力的です。

  豪快で愉快な魅力を持つヤンミョン君が2割。

  何でも絵になる冷廷男、ジュウンが1割でございます。」

「冷廷男とは何だ?」とフォンが質問した。

「”冷たい宮廷の男”の省略で、女官がつけたあだ名です。」

それを聞くと フォンは今度は 深くため息をついた。

ヨムが7割、ヤンミョンが2割、ジュウンが1割では

ヨヌの脳の中は 彼らだけで満杯ではないか!!

しかし、その図面をよく見ると 2割の領域のすぐ下に

黒い小さな点があるのに気が付く。そこでフォンは

「ところで、その小さな点は何だ?」と、小さな黒点を指差した。

ヒョンソンは手にした筆で その点を示しながら

 ”これのことですか?”と目で尋ねた。

うんうんと頷いて答えるフォンに向かって 

ヒョンソンは言った。「邸下でございます!」

これには フォンは震えるほど動揺して

「ヨヌ嬢にとって、私の存在は

 そんな目クソほどの点なのか?」と声を荒げた。

ヒョンソンは慌てて「それには理由があります!

  邸下とヨヌお嬢様は 物理的に離れており

  邸下は泥棒と誤解を受け、さらに自ら内侍と偽られました。

  ですから邸下は 泥棒か内侍と思われ

  それ以上でも以下でもありません。」と早口で講義する。

フォンはその内容を聞いて、眉を吊り上げ

「黙れ、黙れ!黙らぬか!」と大声を出し

「顔も見たくない!後ろを向け!」と命令するのだった。

怒鳴られたヒョンソンは しまった!と思い

悲しそうな顔で講師の座から降り、部屋の隅で小さくなった。

 

 


 

 

フォンが怒っていると「邸下。尚膳でございます。」

と部屋の外から声がする。機嫌が悪いフォンは

国王の使いの尚膳に「入れ!」と怒鳴った。

尚膳は部屋に入ってお辞儀をすると

「邸下、殿下がお呼びでございます。」と告げる。

突然の呼び出しに「殿下が?」と驚くフォンだった。

 
父である国王の急な呼び出しに フォンは訳が分からず

ヒョンソンを連れて 尚膳と一緒に承政院へ向かう。

しかし、庭に出てみると 国王の護衛兵である禁軍が大勢

屋敷にやってくる。フォンは彼らに向かって

「禁軍が東宮殿に何の用だ?」と尋ねると 禁軍の1人が

「王命です!」とだけ言い、2人でヒョンソンの両腕を抱えて

「邸下、お助けください!」と泣き叫ぶヒョンソンを

強引に、フォンの元から連れ去ってしまった。

フォンはすぐ、父がヒョソンを罰するのだと直感した。

隠月閣にミナの学友を手引きしたことを 責めているに違いない。

そして、それは自分のせいなのだ。

自分に従順なヒョンソンを 気の毒に思うフォンだった。

 


 


 



フォンは承政院で 檀上の父と向き合って正座していた。

「史判の娘と会ったのは事実か?」

国王成祖が息子の世子 に大声で厳しく質問した。

フォンは「確かに会いましたが、あれは過ち

 いえ、間違いで・・・」言いかけている途中で

「言い訳のつもりか!」父の怒鳴り声が響く。

フォンは困った顔で 必死に言うのだ。

「弁明の余地がないのは承知していますが

  誤解を解かせてください。」すると成祖は

「何が誤解なのだ?」と尋ねてくれたので

フォンは正直に 自分の想いを父に吐き出した。

「私は ある女性に思いを抱いております。」

すると成祖は「何だと?」と怒るのだが フォンは続けた。

「その者が学友で入宮したため 会おうと試みましたが

  史判の娘とは違います!私が心を寄せているのは

  弘文館 大堤学の娘です。」この告白に成祖は驚いた。

2人の息子が 同じ女性を慕っていたのだから。

王である実父に 子供の頃から甘えたことがない

長男でありながら側室の子のヤンミョンが、

父親に”生涯に一度の願い!”と訴えたのが

大堤学の娘、ヨヌとの婚礼だった。

「私の気持ちは 以前からあの娘に・・・」

告白を続けるフォンの言葉を遮って、成祖は言った。

「聞かなかったことにする。」

成祖は ヤンミョンの願いを叶えてやりたかった。

今まで 何もしてやれなかった父として

長男の”生涯に一度の願い!”だけは

心から叶えてやりたいと思う成祖は 

フォンの言葉に 耳を塞ぐのだった。

しかし、そんな理由は分からないフォンは必死だ。

「しかし、父上!」と懇願するのだが

成祖は厳しい顔で 大声でフォンを叱りつける。

「そなたは王世子なのだぞ!そなたの軽率な行動で

  あの娘を政争の犠牲にしてもいいのか?」

あまりの父の激怒ぶりに フォンは口を閉ざした。

「今回だけは見逃そう。二度と余を失望させるな。

  分かったか?」と成祖はフォンに尋ねる。

フォンは仕方なく「肝に・・・銘じます。」と

やっとの思いで声に出して言った。

傷心のフォンに 成祖は今度は穏やかな声で言った。

「近々 嘉礼都監が設置される。承知しておけ。」

  嘉礼都監とは 婚礼のための臨時官庁のことだった。

フォンは自分の望みとは関係なく、王妃候補となる

伴侶を決められてしまうのかと思うと、悲しくて

世子という立場を投げ出したくなるのだった。

 

 

 


夕方になり、薄暗くなった宮廷の庭を通り

灯りを手にした女官に付き添われながら

ヨヌとポギョンがミナと遊び終えて帰るところだった。

2人並んで歩くのだが、ポギョンは昼間の隠月閣での

フォンの態度がショックで 虚しく暗い表情で歩いていた。

ヨヌはポギョンが具合が悪いのだと思って 心配そうに

「ポギョン、もう輿に乗れる?

  朝 酔ったんでしょ?」と 優しく尋ねた。

するとポギョンは眉間に皺を寄せて 激しい口調で

「あなたとは関係ないじゃない!」

と言ってしまった後で、意地悪な顔をしてヨヌに言う。

「ああ朝のことね。心配してくれてありがとう。

  でも本当は 別の理由で遅れたの。」

と わざと嬉しそうな顔で喋るポギョン。

ヨヌは驚いて「何があったの?」と聞いた。

すると ポギョンは「これは秘密よ。」と言ってから

「さっき 隠月閣で、邸下に会ったの。」と

ヨヌの耳元でささやくのだった。

目を丸くして驚くヨヌに ポギョンは 勝ち誇った顔で言った。

「私を遠くから見たらしくて 

  どうしても 会いたかったそうなの。

  秘密だから 必ず守ってね。」

ヨヌの表情を面白そうに眺めながら そう嘘を語るポギョンは

本当に根っからの意地悪女だった。

フォンに好意を持たれているヨヌを 

意地悪で我儘なポギョンは どうしても許せなかったのだ。

ヨヌはショックのあまり 庭に立ち尽くしてしまった。

私があんなに会いたかった邸下に ポギョンが会った。

しかも、邸下のほうから会いたいと言われた・・・。

素直なヨヌは それがポギョンの嫉妬からくる

嘘だとはまったく思わずに 悲しみにくれるのだった。


 


翌朝、国王成祖は 承政院で臣下たちに

「世子嬪を迎えるよう 大妃様より要請があった。

  世子も15歳なので、納嬪を考えておるが

  皆の意見はどうだ?」と言った。すると

「殿下の仰せのとおりでございます。」

「私の意見も同じです。国婚を急ぎ、安定を図ってください。」

と、外威ユン一族の臣下たちが口々に言った。

そこで成祖は「礼曹判書に告ぐ。全国の12歳から

  16歳までの娘の婚礼を禁じ、処女単子を提出させよ。」

と命令し「ご命令に従います。」と礼曹判書は答えた。

これを聞いたヨンジュの顔が険しくなり

反対にユン・デヒョンは満面の笑みになった。

成祖は続けて「今晩は儺礼があるので 楽しむが良い。」

と一堂に告げるのだった。

儺礼とは 陰暦の大晦日に邪鬼を払う儀式だった。

「はい、殿下!」一同が礼をしながら答え、

その日の承政院での議会は終了した。

 

 

 


父にヨヌとのことを認めてもらえなかったフォンは

ヨヌを諦めきれずに ヨヌからもらった木筒から

元気に生えてきた緑の葉を見つめていた。

「邸下 もうすぐ進宴が始まります。

 早くお仕度を!」とヒョンソンが促す。

しかし、フォンはその場から離れず

「ヒョンソン。これは何の花だ?」と聞いた。

ヒョンソンは「しばし拝見いたします。」

と言いながら 王命の刑罰で痛めた体を引きずって

近くに寄り、その葉を眺めて 驚いた顔をして

「これは花ではなく、サンチュです。」と言った。

「サンチュ?」とフォンが聞き「はい。」とヒョンソンが頷く。

「サンチュか・・・私に これを送った理由は何だ?」

フォンはヨヌの気持ちが分からずに 途方にくれるのだが

すぐにため息をついて あきらめたようにつぶやいた。

「その答えは 永遠に聞けなくなった。」

 そう涙目で言うと、「片付けろ!」とヒョンソンに命令した。

フォンは”王世子として”という父からの教えを

従順に守ろうとする、素直な王子だったのだ。

そしてそれは いずれ自分が一国を治めなければという

責任感が強く 賢い王子の証だった。

自分の恋心だけで 王妃となる妻を選べるはずもない。

フォンは虚しい気持ちを隠して 

女官たちに手伝ってもらい、進宴での正装の仕度を始めた。

ヒョンソンは 今までフォンが 大事に育てていた

サンチュをどう片付ければいいのか、迷うのだった。

ヒョンソンがサンチュを手にして フォンを振り返ると

泣きそうな気持ちを堪えながら 

無表情で立っているフォンがいた。

フォンの気持ちが痛いほど分かるヒョンソンは

”お気の毒に・・・”と心の中で思うのだった。

 


 
 

 


正装をしたフォンが 重い足取りで進宴に向かっていると

ヨヌとポギョンが女官たちと連れだって 

ミナの屋敷のスギョン斎から出てきた。

ヨヌたち一行は 世子フォンの一行に気が付くと 

お辞儀をして立ち止まる。フォンはその中のヨヌを探した。

美しく可愛い花のようなヨヌが うつむいていた。

フォンの視線を感じて ヨヌは顔を少しあげて

上を見ると、フォンと目が合った!

ヨヌが会いたかったフォンが そこにいたのだ。

しかし、目の前にいる世子の正装姿のフォンは

一切、ヨヌに微笑むことはなかった。

フォンの耳には 父の声が響いていたのだ。

「そなたの軽率な行動で あの娘を政争の犠牲にしてもいいのか!」

そうなのだ。自分がヨヌに好意を抱いていることを

ユン一族から世子嬪を出したいと願う大妃や

デヒョンには 決して知られてはならないのだ。

世子が大堤学の娘が好きだと知れば 必ずユン一族は

ヨヌを何らかの形で 傷つけ妨害してくるに違いない。

自分の恋心は 周囲の誰にも 悟られてはならない!

そう強く確信する 賢い世子のフォンは

ヨヌの視線を無視して そのまま無表情で歩いて行く。

フォンの冷たい態度に ヨヌは悲しく泣きそうになる。

ポギョンはそんな2人を見て 訳が分からず、

ただ怪訝な顔をするだけだった。

 







一方この日、星宿庁では 国巫女のノギョンが

「慰霊祭を行うために 宮廷に移動する。

 大妃様に許可は得たが、目立たぬように動かねばならぬ。」

そう巫女たちに命令していた。

どうやら宮廷の祭典である儺礼と

星宿庁の執り行う慰霊祭とが重なっているので、

自分たちは目立ってはいけないということのようだ。

「分かりました。」と巫女が言い

ノギョン星宿庁の祭殿から立ち去ると、1人の巫女が

「ところで、どなたの慰霊祭なの?」と仲間に尋ねた。

「ウィソン君の母上よ。数年前から住まいで

 幽霊の鳴き声がするの。だから1年の終わりに 

 大妃様の命令で慰霊祭を行ってるの。」と先輩の巫女は答えた。

ウィソン君とは 大妃が密かにデヒョンに頼んで暗殺した

国王成祖の義理の弟だ。そして反逆者に貶められた息子と

その悲しい死を嘆き悲しんで死んでいった先王の側室の霊を 

大妃が星宿庁に銘じて 慰霊祭をさせていたのが実態だった。

ウィソン君とその母は さぞ自分を恨んでいるに違いない。

そう思う大妃は いつからか

幽霊の鳴き声が聞こえる耳になっていたのだ。

それは罪の呵責からくる 空耳に違いないなかった。

 



 


 

宮廷の陰でノギョン達巫女が 慰霊祭を行う中

宮廷の表では華やかな儺礼が執り行われた。

正面の壇上に国王と王妃が並んで座り

その横に国王の母の大妃と王の側室の禧嬪が並んだ。

世子のフォンも妹のミナ公主と一緒に並び檀上にいた。

大太鼓が鳴り響き、大筆に墨をたっぷりつけて

昭格署の道師が大きな半紙に おまじないの言葉を書いた。

ヤンミョンは下に座り、ユン・デヒョンの隣で

微笑んで酒を酌み交わしている。

ヨムも父のヨンジュと並んで 酒を父に勧めたり

みんなで華やかな宴会を楽しむのだった。

雅楽の演奏が始まると 大きなお面をつけた踊り子たちが

優雅に舞いを始めた。ヨヌとポギョンも並んで宮中の宴を

珍しそうに立って眺めていた。

そのヨヌに気が付いたヤンミョンは 嬉しくて笑顔になった。

しかし、ヨヌは檀上にいる笑わないフォンを見上げていた。

フォンはずっと能面のように 無表情で座っていた。

そんなフォンが気になって仕方がないヨヌ。

ヨヌの視線の先にいるのがフォンだと知るヤンミョンは

とても悲しそうな顔をした。

実はフォンのために作り直した長命縷を ヨヌは

大事そうに 手の中に握りしめていたのだ。

これをフォンに渡したいのに・・・そう願うヨヌだった。

しかし、ヨヌがフォンから視線を離した後で 

今度は 壇上のフォンが下にいるヨヌを見つめた。

ヨヌは兄と父の姿を探し求めていた。

フォンはヨヌの姿を見ると 我慢していた気持ちが

抑えられなくなってくる。やはり恋しいと思うフォン。

ヤンミョンはヨヌとフォンの視線のやりとりに

不安なものを感じた。もしかするとこの2人は

お互いを想っているのだろうか?

”まさか!”ヤンミョンは 心の中で必死に否定する。

 

 



 
 
一方、ウィソン君の母の屋敷前では 慰霊祭が始まっていた。

国巫のノギョンが霊を静める祈りの舞をしていると

突然、自分の魂がアリの墓の元へと飛んで行った。

宮廷では儺礼の面踊りが激しくなり 賑やかに盛り上がっている。

宴会に参列する誰もが皆 笑顔で祭りを楽しんでいた。

賑やかな鐘や太鼓や笛の音に 

大人たちの酒は 心地よく回って夢心地だった。

そんな中、フォンだけは 泣きたい気持ちで笑えなかった。

そして、自分の気持ちを伝えられないヨヌもまた

笑顔になれずに 立ち尽くしていた。

するとヨヌの耳に突然「逃げてください!」と言う声が聞こえた。

驚くヨヌに「お嬢様には運命を受け止められません。

ご縁を結んではいけません!」と諭す声がした。


「今しかありません!」ハッキリとした声で聞こえるのだが

声の主の姿は見えない。ヨヌは誰が喋っているのかと思い

声の主を探しに 面踊りの中へ入って行く。

すると踊りの輪の中に ノギョンの姿を見つけた。

ノギョンはヨヌに向かって「ご縁を結んではいけません!」

そう強く心の声で訴えるのだった。

「今しかありません!逃げられる時に できるだけ遠く

 逃げてください!」そう伝えると ノギョンは消えた。

どこへ行ったのだろう?と探すヨヌの前に

突然、大きな顔の面が現れる。「キャ~!」と驚いて叫び 

ヨヌは 手に持っていた長命縷を落としてしまう。

大きな面はシッ!と指で示して ヨヌの手を取り

宴会場からヨヌを走って連れ去るのだった。

手を握られたヨヌは 大きな面と一緒に宮廷の庭を走った。

初めて宮廷に来た時も こうしてフォンと走ったと思い

それに「できるだけ遠くへ逃げてください。」という声もあったので、

訳も分からないまま ヨヌは素直に従って走っていた。

しかし、厠へ行った帰りのヤンミョンが 

そんな風に 宮廷の中を走るヨヌを目撃する。

まさかヨヌとは思わずにいたが、走り去る姿をよく見れば

それは誰かに引っ張られて走る ヨヌに違いなかった。

ヤンミョンは驚き 慌てて2人を追いかけた。

 

 

 


大きな面は 門を開けて隠月閣にヨヌを連れて来た。

隠月閣の正面まで来ると ヨヌの手を放し

ヨヌと向かい合って その大きな面をゆっくり外した。

面の中から現れた顔は フォンだった。

ヨヌは驚いて、声も出なかった。

あんなに 自分が会いたかったフォンなのだ。

そして、フォンはヨヌをじっと見つめたままで口を開いた。

「私を覚えているか?」

声が出ないヨヌは 首を縦に振るのが精一杯だった。

自分を覚えてくれていると分かると フォンは

「私が誰か、言ってみろ。」とヨヌに迫った。

ヨヌは やっとのことで口を開く。

「我が国の・・・」と震えながら言うと 

フォンが堂々と後を続けた。

「王世子、イ・フォンだ。」

そう言うと フォンはやっと ヨヌに優しく微笑む。

フォンの微笑みに包まれたヨヌの幸せな気持ちを

まるで祝福するかのように 宮殿から花火が揚がって

大きな色とりどりの光の花が 夜空に開くのだった。

大妃も国王も王妃も 花火に見惚れて

世子がいないことに気がついていなかった。

王女のミナも隣にいないフォンなど気にも留めずに

花火よりも 下に座るヨムの顔ばかり眺めて微笑んでいた。

しかし、そんな中 ただ一人ポギョンだけは

ヨヌとフォンがいないことを知っていた。

宴会場の皆が 空に浮かぶ花火を眺めているのに

ポギョンだけが 下を向いて 虚しく

ヨヌの落とした長命縷を見つめていた。

 

 




 
隠月閣では ヨヌを見つめて フォンが言う。

「忘れてほしいと?・・・忘れてほしかったのか?」

フォンを目の前にして ヨヌは人形のように固まって

何も言えなかった。そんなヨヌにフォンは優しく言った。

「すまない。忘れようにも 忘れられなかった。」

フォンの告白に 花火が”よく言った!”と言うように

また華々しく打ち上がり 綺麗な光の花を咲かせた。

そして冬の空からも 待ってましたとばかりに 

ピンクの花びらがハラハラ舞うのだった。

あの日、ヨヌとフォンが初めて出会った時のように。

嬉しくて嬉しくて、フォンをじっと見つめるヨヌ。

 

 



 

そのヨヌの姿を 悲しい瞳で見つめるのは 

2人を追いかけてきたヤンミョンだった。

兄、ヤンミョンのヨヌへの恋心や傷ついた気持ちなど 

一切 知る由もないフォンは

ヨヌに告白できた喜びで 白い歯を見せて

ヨヌに明るく笑いかけるのだった。

 

 

              第3話 完

 

 


2012/11/08 15:35
テーマ:歌姫のひとりごと カテゴリ:韓国TV(その他)

『太陽を抱く月』第3話(2)

Photo

 


 
女官に促され、渋々蹴鞠場を後にして

 ミナがスギョン斎へ ヨヌたちを引き連れて戻る途中

宮廷の中を移動している国王成祖と臣下達に出くわした。

 成祖を見つけたミナが、まず「父上!」と大声をあげた。

 「おお公主ではないか。」と微笑む成祖に

 ミナ以外の女官やヨヌやポギョンはひれ伏した。

 成祖は笑顔でミナ達に近づくと

 「学友と遊んでいるのか?」とミナに尋ねた。

  ミナは明るく「はい!特にこの子が好きです!」

  と、隣にいたヨヌの肩を抱いた。

 後ろにいたポギョンは暗い顔で、

 成祖の後ろに立つ父のデヒョンの顔を伺った。

 デヒョンはポギョンを睨む。

 一方、ヨヌの父のヨンジュは誇らしげな顔だ。

 ミナが好きと言うヨヌに興味を持った成祖は

 「誰の娘だ?」とヨヌに尋ねた。

 「大堤学の娘、ホ・ヨヌと申します。」
 
 とヨヌは頭を下げたまま、そう答えた。

 成祖は満足そうな顔をしてヨヌを見た後、

 後ろにいるポギョンの顔を見て

「そなたは史判の娘か?」と尋ねる。

「さようでございます。」とお辞儀をするポギョンと

ヨヌの顔を 成祖は交互に見ながら少し考えて

「大変、立派な娘たちだ。」と満足そうに言うのだった。

すると後ろにいたデヒョンとヨンジュは声を揃えて

「恐れ入ります、殿下。」とお辞儀をしながら言った。

「これから公主のよき友になってくれ。」

成祖はヨヌとポギョンにそう言うと 2人も声を揃えて

「肝に銘じます。」と言い、お辞儀をした。

ミナはヨヌの方ばかりを見て、微笑んでいる。

すると成祖は 少し厳しい声で

「入宮したからには 温室樹を語ってはならなぬ。

  何の意味か分かるか?史判の娘が答えて見ろ。」

とポギョンに質問した。デヒョンは娘の答えに緊張する。

意味が分からないポギョンは困った。そして

「申し訳ありません。私は父に日頃から学問と政治は

  男性の役割で、婦徳と純情は女性の役割と学びました。

 よって私は小学と内訓、列女伝を懸命に学びました。

成祖が「そこまで学べば十分であろう。」と慰める。

デヒョンはホッと胸をなでおろした。

するとそこで成祖は「ならば、大堤学の娘が答えてみろ。」

とヨヌに問題の答えを尋ねる。

ヨヌはまず父の顔を見て、目で”答えてもいい?”と聞く。

父のヨンジュは”ああ、いいよ。”という合図を顔で送った。

すると安心したヨヌは 口を開いた。

「”温室樹を語らず”とは漢の名臣孔光の故事でございます。」

すると成祖は「そうだ。どんな故事だ?」とすかさず聞く。

「家人に宮廷の温室にある木を聞かれても

孔光は決して答えませんでした。」とヨヌが答えると

感心しながら「その意味は?」と成祖が尋ねる。ヨヌは答えた。

「宮廷でや朝廷でのことは 外で語るなという意味です。」

成祖は嬉しそうに微笑んで「よくぞ答えた。そのとおりだ。」

そうヨヌを褒めてから 2人に向かって威厳を持って

「宮廷で見聞きした物を 外で語ってはならぬ。分かったな。」

そう命令するのだった。「はい。」と返事をして

頭を下げるヨヌを見て 成祖はミナに向かって微笑むのだった。

”お前が好きな娘は 本当に賢い良い子だ!”と言うように・・・

そして臣下を引き連れて 成祖は去って行った。

ミナは嬉しそうに ヨヌと顔を見合わせて笑った。

面白くないのはユン・デヒョンだった。

答えられなかった娘ポギョンに腹が立ったのか・・・

スラスラ答えを言えたヨヌに腹が立ったのか・・・

また、成祖が優しい眼差しで ヨヌだけを見つめたのが

自分の野望に影を落として 不安になったのか・・・

デヒョンは険しい顔をして、成祖の後を歩いて行った。

そしてポギョンは 悔しそうな顔で父を見送っていた。

 

 





成祖が慶成殿で、書類に目を通しているといると

「殿下。ヤンミョン君様がお見えです。」と声がした。

「通せ。」と成祖は言ったまま 書類から目を離さない。

そこへヤンミョンが入室して 正式な挨拶である

床にひれ伏してするお辞儀を 成祖の前で行った。

部屋の外で様子を伺う内官たちは ため息をついて

「また雷が落ちるだろう。」と ヤンミョンを気の毒がった。

ヤンミョンがお辞儀をしている間も 成祖の目線は書類にあり

ヤンミョンは無視された形だったが 

「殿下。ご挨拶申し上げます。」とヤンミョンは口を開く。

すると、やっとチラリとヤンミョンを見る成祖は

「そなたが何の用だ?」と冷たく言うのだった。

ヤンミョンは「申し訳ありません。」と悲しそうな顔で言い

「個人的な入宮を慎めと仰せでしたが・・・」

と言いかけるヤンミョンを遮って、成祖は冷たく

「余を訪ねてきた理由は何だ?」と目も合せずに尋ねる。

ヤンミョンは 勇気を振り絞り言う。

「私から殿下に ささやかなお願いがございます。」

すると成祖は ヤンミョンを見つめて

「そなたが余に 頼みごとか?」と聞くのだった。

ヤンミョンは「はい。」と答える。成祖はヤンミョンから

もう目を離さなかった。「話してみろ。」そう言う成祖に

ヤンミョンは 切実なお願いを 父にするのだった。

「好意を抱く女性がいます。いつか伴侶として

 迎えたい女性です。もし、私の婚礼に関する

 ご計画がありましたら、何卒私の気持ちをご考慮ください!

 誠に僭越ではございますが、これが最初で最後の

 お願いでございます。」そう言い切ると ヤンミョンは

父の罵声が飛ぶかと思い、目をつぶって覚悟した。

しかし、成祖は神妙な顔でヤンミョンの言葉を聞いていた。

そして、「誰の娘だ?」とヤンミョンに尋ねた。

ヤンミョンは怒鳴られないので、驚いて目を開けた。

あまりにも予想に反した父の態度に思わず「はい?」と

不思議に思う言葉が出てしまう。成祖はまた書類に目をやり

 「聞こえなかったのか?誰の娘かと聞いたのだ。」と言う。

ヤンミョンは「あの・・・弘文館 大堤学の娘

 ホ・ヨヌです。」とやっと言えたのだが、成祖は

大堤学に娘と聞いて、少し驚いた顔をした。

そしてヤンミョンの顔をまじまじ見つめると

「分かった。考えてみる。」と答えるのだった。

たぶん、国王の成祖も 聡明で美しいヨヌを

昼間の問答で 気に入ったに違いなかった。

その娘を選んだヤンミョンの見る目を

成祖は父として 誇らしく思ったのだろう。

しかし、ヤンミョンにすれば

いつも自分を咎める言葉しか言わない父の

「分かった。考えてみる。」という言葉は

ヤンミョンを心底驚かせるのだった。

思わず「い・・・今、何と仰せに?」と 聞き直してしまうヤンミョン。

「考えてみると言った。」と父の成祖の返した言葉に

ヤンミョンは 涙が出そうなくらい感激して

「あ・・・ありがたき幸せに存じます。」と言い

こみ上げる喜びを抑えられない表情をした。

しかし、もう成祖はヤンミョンを見ていなかった。

ヤンミョンが 信じられないという顔で 

慶成殿を後にして表へ出ると やっと我に返って

笑顔でガッツポーズをしながら慶成殿を振り返った。

”父上!ありがとうございます!!”と心で叫び

夢心地で慶成殿を後にするヤンミョンだった。

 一方、父の成祖は ヤンミョンを想い、つぶやいていた。

”愚か者め。宮廷への出入りは慎重にしろと言ったのだ。

 来るなとは言っていない。”

成祖は本当は ヤンミョンを心から不憫に思う父だったのだ。

長男でありながら正室の子でないヤンミョンが 

王世子の座を欲するような野心は

決して抱かないように 成祖は国王として

常に嫡子のフォンをヤンミョンより優位として扱い、

徹底的に差別してきた成祖だったが

実は情が深い男の成祖は 国王でなければ 

ヤンミョンにも愛をたっぷり注ぎたかった父だった。

だから本心は 賢く素直で可愛いヤンミョンの顔も

頻繁に見たかったに違いない。

 

 




 

初めての入宮を終えて 我が家に戻ったヨヌは

一家団欒を過ごしていた。お茶を飲みながら父はヨヌに言う。

「公主様の学友として 入宮した感想はどうだ?」

母も兄のヨムも ヨヌの答えを興味津々で待っていた。

すると ヨヌはそんな家族の顔を見て笑い

「良かったです。」とだけ答えた。

あまりにもそっけない返事に 母は驚き

「それだけなの?」と聞き返した。ヨヌは微笑んで

「はい。」とだけ、また言った。母はがっかりした顔で

「つれないわね。宮廷でどう過ごしているか気になって

一日中待っていたのに。教えてくれないとつまらないわ。」

と文句を言う。するとヨヌは笑いながら

「あ!宮廷で兄上を見ました。」と言う。

ヨムは驚いて「お前がどうやって?」と聞いた。

するとヨヌは「秘密です!」と微笑んで答える。

「何だと?」と不満げなヨムに ヨヌは澄ました顔で

「”温室樹を語らず”です。これ以上聞かないでください。」

と言うのだった。すると父のヨンジュが大声で笑った。

「ヨムが一手取られたな。」と言う父に ヨムも

「そうですね。」と納得する。父のヨンジュは嬉しそうに

「ヨヌを入宮させるべきか 随分悩んだが余計な心配だったようだ。

 私は この世にいるどこの娘よりも

 ヨヌが一番、情け深く賢明だと思うぞ。」とヨヌに言った。

「私にとっても 父上が最高です。」と言い返すヨヌ。

母は「あらまぁ、父娘の間に入る隙がないわ!寂しいわね。」

とすねたフリで夫に言うと、今度は息子のヨムに

「母は この世のどの儒生よりも

 あなたが賢明で男前だと思うわ。」と言う。ヨムも

「私にとっても 母上が最高です!」と言い返す。

こんな幸せな会話で ヨヌの家族は明るい笑い声に包まれた。

本当に誰が見ても 明るく美しく、幸せな一家だった。

 

 

 

そんな幸せな一家の使用人のソルは

この大好きな家族たちを守りたい一心で

夜の庭で必死に 大好きな剣術の稽古をしていた。

ソルは剣術の才能があるようで、ヨムやジュウン達の稽古を

真似した独学で学んだ剣術だが、とても見事な剣さばきだ。

そこへヨヌがソルを探しにやってくるが

誤ってヨヌに剣先を向けてしまうソルに ヨヌが驚いて

「ソル、私よ!」と言うと、ソルは我に返って

「申し訳ありませんでした!」と慌てて謝った。

ソルがこれほど熱心に剣術の稽古しているとは知らず

ヨヌは目を丸くして驚くのだった。

ソルの木刀を見て「その木刀はどこにあったの?」と聞く。

「時間が出来るたびに少しずつ作った物です。

 ところで何か用ですか?」とモジモジしながらソルが答えた。

すると、ヨヌは思い出したように言った。

「実は お前に聞きたいことがあって。」「何でしょう?」とソル。

「ある人が誰かから手紙をもらったのだけど

 その意味がよく分からないの。」そうヨヌが言うと ソルが

「どんな内容ですか?」と尋ねる。ヨヌは言った。

「”お前のせいで眠れなかった。使いを送るから会おう”」

それを聞くと ソルは「果たし状ですね。」と即答した。

驚くヨヌにソルは言う。「それで使いの者は訪ねてきたのですか?」

ヨヌは「訪ねてきたけど、人違いだと言ってしまって・・・」

言ってる途中で「それじゃこじれます!正々堂々と闘わないと!」

武士のような気質のソルは そう言って怒るのだった。

ヨヌは驚いて「あとが怖いかしら?」と尋ねた。

「当然です!逃げて嘘をついたから最悪ですね。

 近々血を見ますよ!!」ソルがそんな

トンチンカンな助言をしたので

ヨヌはとても不安になって 庭を一人で彷徨った。

ふと人の気配がして庭を見ると 

そこには 昼間の運動着姿のフォンが立っていた。

凛々しい姿のフォンは 横を向いて笑っている。

ヨヌはフォンに近づいてみる。するとフォンが言った。

「私がお前を脅したと思うのか?」

「違うのですか?」とヨヌが聞き返すと

フォンは笑って「さて、どう思う?」とまた聞いてくる。

「私が違うと答えたら また使いをよこしますか?」

ヨヌがまた聞き返すと フォンもまた聞き返す。

「送ったら、会ってくれるか?」

ヨヌはもじもじして、なかなか答えられない。

「会ってくれるのか?」またフォンが尋ねた。

ヨヌはやっと「一度くらいは 会いたいです。」

と素直な気持ちを フォンに伝えることができた。

昼間、ヒョンソンに嘘を言ったことを

実は後悔していたヨヌだったから。

そして恥ずかしくてうつむきながら 言葉を続ける。

「また使いを送りますか?」

そう言ってフォンを見ると もうそこに

フォンの姿はなかった。

今度こそ ヒョンソンに本当のことを言って

フォンに会いたいと思う、ヨヌの願いは叶うのだろうか?

 

 


同じ晩、ユン・デヒョンの屋敷きでは

昼間、国王成祖の質問に答えられなかった娘のことを

デヒョンが苦々しく思い、スラスラ答えられたヨヌのことを

腹立たしく思っていた。

何よりデヒョンは、ミナ公主が自分の娘よりも

ヨヌを気に入っているのが腹立たしい。

成祖もヨヌを気に入ったようだったから

これでは娘を王妃にさせる夢が叶わない!!と焦るデヒョン。

デヒョンは娘を呼びつけ ミナに気に入られなかったのは

なぜなのか問い詰めようとした。

「今日 宮廷で不始末をやらかしたのか?」

と尋ねるデヒョンに ポギョンは必死に答えた。

「いいえ!そんなことはありません!」

「では公主様に気に入られない理由は何だ?」

と聞く不機嫌な父に ポギョンは泣きそうになる。

「べそなどかくな!」と怒る父に ポギョンは

「私はホ文学の妹ではないからです!」と大きな声をあげた。

「何だと?」と驚くデヒョンに ポギョンは言う。

「公主様は ホ文学をお慕いしています。

 ですから妹のヨヌをひいきするのです!

 公主様だけでなく、イ・フォンという王族は

 ヨヌに手紙を送りました。宮廷では皆がヨヌの味方ですのに

 私がどうやって・・・」と父に訴えると デヒョンは

イ・フォンという名前に驚いて「今、何と言った?」と聞く。

「はい?」と訳が分からないポギョンに

「手紙を送った王族のことだ。」とデヒョンは尋ねた。

ポギョンが「確かではありませんが姓がイで・・。」

答える横から「その王族の名前は何だった?」と迫るデヒョンに

「イ・フォン。イ・フォンとはっきり書いてありました。」

と覚えている名前を告げるポギョン。

これにはデヒョンが仰天した。そしてマズイ!と思うのだった。

世子のフォンがヨヌに好意を持たれては 

益々自分の娘を妃にすることが難しくなると焦るデヒョン。

翌朝、デヒョンはすぐに大妃に相談するのだった。

 


 


 
「手紙?世子も恋をする年頃なのですね。」

デヒョンにフォンの恋文を聞かされた大妃は笑って言った。

「でも宮廷にいる世子が どうやってその娘を知ったのだ?」

そう疑問に思う大妃に デヒョンは言う。

「侍講院にその者の兄がいます。」

すると勘の良い大妃は すぐに分かって

「ホ・ヨンジュとは悪縁ですね。」と言うのだった。

「とても賢い娘に見えました。」と不安そうなデヒョンに

大妃は言う。「ご心配なく。世子がその娘を想っていても

 何も問題にはなりません。恋心で国婚は決められませんから。」

しかしデヒョンは「邸下の気持ちだけではないのです。

 あの娘を見る殿下の目も特別でした。

 大堤学の娘まで入官させた殿下の本心は 果たして何でしょう?」

そう聞くデヒョンに 大妃がこわばった顔で言う。

「外威を牽制するということでしょう。」

するとデヒョンは「国婚をお急ぎください。」と大妃に迫った。

大妃は「国婚か。」と大きく息を吸い込んで言う。

 「国巫の予言で安心していたら、王妃が変わるかもしれません。

  天が定めたのなら 動かねばなりません。」

デヒョンは自分の野望のために 大妃をそそのかすのだ。

ユン一族の繁栄と自分の力の誇示を願う大妃も

「”人事を尽くして天命を待つ”いい言葉ですね。

 史判は大臣を、私は内命婦を動かします。」と言った。

「ご命令に従います」デヒョンは やっと安心してそう言った。

 


 


 

ポギョンを乗せた輿が宮殿に到着した。

輿から出たポギョンは付き人に「髪を整えて。」と命令する。

髪飾りを直す付き人だが もう一人の付き人が

「身支度に時間がかかったので遅れています。」とせかした。

ポギョンは「心配ないわ。父上がちゃんと話してくれる。」

と威張って言い、「帰る時に来て!」と高飛車に命令した。

「はい。行こう。」と去ってゆく輿と付き人たちを背に

ポギョンは宮殿を見上げて 夕べのことを思い出していた。

ポギョンは父のデヒョンに頼んでいた。

「父上。私は宮廷で暮らしたいんです。そうさせてください!」

すると父は”よく言った!”というように 自分に微笑んだのだ。

ポギョンは父が自分の望みを叶えて 

きっとフォンの妃にしてくれるのだと思い 

身支度に時間をかけて宮殿に入ったのだった。

まさか、フォンがヨヌに恋しているなどとは

夢にも思わないポギョンは 自分がフォンの心を射止めるのだと

この時は自信に溢れて、堂々としていた。

門を入ろうとすると 待ち構えていたヒョンソンが

ポギョンに近づき「東宮殿から参りました。」とささやいた。

怪訝な顔のポギョンに ヒョンソンは微笑んで言う。

「邸下が隠密に会いたいと仰せでございます。」

これにはポギョンも驚いた。そして胸が高鳴るのだった。

ヒョンソンが間違えて ポギョンを連れてくるなど

夢にも思わないフォンは ヨヌに会えると思い

ワクワクして 待ち合わせ場所の隠月閣で待っている。

隠月閣の奥の部屋までやってくると”この場所にしよう!”

そう決めると ヒョンソンの言葉を思い出す。

「邸下は凛とした後姿がとても魅力的です。」

それで、フォンは入口に背をくるりと向けて

腕を後ろに組んで背筋を伸ばして立ってみた。

「後ろ向きに立ち ゆっくり振り向いて

 必殺の微笑みを向ければ どんな女性も

 虜にできるでしょう」そう、ヒョンソンの声が響いた。

フォンは思い出したその言葉が嬉しくて 思わず吹き出す。

ヨヌが自分の虜になる!そう思うと嬉しくて仕方がなかった。

すると人が来る気配がしたので フォンは我に返って

ドキドキしながら 凛として後ろ向きに突っ立った。

ポギョンがしずしずと 隠月閣の奥へ入って来た。

もうすぐ自分の傍にヨヌが来る!!

そう思うフォンは 胸の鼓動が激しくなる。

すると、自分のすぐ後ろで足音が止まった。意を決して

「やっと会えたな。」フォンが後ろを向いたまま言った。

「そうだ。知ってのとおり、私は内官ではなく

 我が国の王世子なのだ。」そう言うのだが 

何の反応もないので フォンは後ろを振り返った。

ポギョンは嬉しくて微笑んでいるのだが 

下を向いているので フォンには顔が良く見えない。

「り・・・理由は分からないが

 あの日から そなたを忘れられなかった。

 そなたが入官すると聞き どうしても もう一度

 会いたかったのだ。」とフォンが言う。

ポギョンは嬉しくて 満面の笑みで下を向いていた。

蹴鞠場で、きっと自分を見て好感を持ってくれたと

ポギョンは信じて疑わなかったからだ。

「冷たいな。ようやく会えたのだ。顔を見せてくれ。」

と言うフォンに ポギョンはゆっくり顔を上げた。

ポギョンの顔を見て フォンは驚いてのけ反った。

自分に微笑むポギョンに向かって

「そなたは誰だ?」と聞くフォン。

「えっ?」と驚くポギョンに フォンは怒った顔で

「そなたは誰だと聞いているのだ!」と聞くと

「史曹判書の娘 ユン・ポギョンでございます。

 東宮殿の内官に従い ここに来ました。」

ポギョンが笑顔で答えると 戸惑ったフォンは

「すまない。間違えた。」とだけ言うと

慌ててその場を逃げ出すのだった。

 

 

 

残されたポギョンは どうしていいか分からなかった。

困惑して、隠月閣の部屋から逃げ出したフォンは

扉の前にいたヒョンソンを見つけると 睨みつけ

”どうしてくれる!”と怒りながら隠月閣を後にする。

ヒョンソンはようやく 自分の失敗に気づき

泣きそうな顔で「邸下!」とフォンを追いかけるのだった。

フォンが去ってしまった月隠廊から出てきたポギョンは

放心状態で ミナのいるスギョン斎へ向かうのだったが

そんなポギョンとフォンを見ていた一人の女官がいた。

隠月閣から出てきた2人を目撃したその女官は 

中で2人は きっと逢い引きをしていたのだろうと

すっかり勘違いしてしまい、あっ!と驚くのだった。


 


 

ポギョンがフォンに呼ばれて遅くなっているとも知らず

ヨヌとミナは 二人で楽しく手芸をしていた。

出来上がった腕輪を「どうだ?」とミナがヨヌに見せて

「私の長命縷が可愛いだろう?」と言う。

長命縷とは 人の長寿を願う5色の腕輪だった。

「はい。公主様のほうがずっと素敵です!」

ヨヌは優しくそう言うと ミナは真剣に

「これは誰に渡すのかと聞いてみろ。」と言う。

ヨヌは笑って「どなたに渡すのですか?」と素直に聞いた。

ミナは周囲を見渡して 女官に聞こえないように

こっそり「ホ文学だ。」とヨヌにささやいた。

これには「えっ?」と驚くヨヌだったが、 ミナは

「そなたは誰の物を作ったのだ?」と聞いてきた。

ヨヌは困った顔で「私も兄上に渡そうと思って・・・・」

と言うと 今度はミナが驚き 慌てて「ならぬ!」と大声で言い

「そなたの兄には私が渡すから

 そなたは私の兄上に渡して!それで公平だろ。」

とヨヌに言う。「せ、世子?邸下にですか?」と驚くヨヌに

ミナは「私が渡してあげよう。」と手を差し出した。

しかしヨヌは手にした長命縷を隠して

「もう一度作り直します。これは下手すぎて・・・」

と うつむいて答えた。

フォンにあげるのなら もっと綺麗に作りたかったと思う

それは完全に恋する乙女の心理だった。

自分の長命縷がヨヌよりも下手くそなのが分からないミナ。

笑って「構わぬ。」とヨヌの返事に納得して、

自分の長命縷に見とれて、

早くヨムに渡したいとワクワクする 可愛いミナだった。

そこへ、隠月閣でのフォンの態度に

相当ショックを受けながらも 内心を隠したポギョンが 

やっとスギョン斎のミナの部屋へやって来た。

ポギョンに気づいたミナが「ごきげんよう!」と

明るく笑って手を振った。ポギョンは黙ってお辞儀をして

ヨヌの横に座り、楽しそうにミナと遊ぶヨヌを眺めた。

「そなたが入宮すると聞き

 どうしても もう一度、会いたかった。」

先ほど隠月閣で聞いた フォンの言葉が蘇った。

世子が会いたかったのは 私ではなく、このヨヌなのか。

この時やっと、盗み見たヨヌの手紙の主が

世子だったのだと分かったポギョンだった。

 

 

 

 


しかし、隠月閣での庭でフォンとポギョンを目撃した女官は

仲間の女官たちに 邸下と史判様の娘が逢引していたと

言いふらしていた。しかし、ヒョンソンから頼まれて

ヨヌへ手紙を渡した女官は「大堤学の娘ではないの?」と

驚いて聞き返した。しかし、目撃者の女官は言う。

「隠月閣から出てくるのを この目で見たの!

 普通の仲ではないわ!」

「じゃあ、入宮する前からの知り合い?」

「史判様は 大妃様の親戚だから

 大妃様が橋渡しされたのかもしれないわ。」

そんな噂話に 女官たちが花を咲かせていると

「今、何と申した!」と 王妃が通りかかって怒って尋ねた。

後ろを振り向き「王妃様!」と深くお辞儀をする女官たちに

「ちゃんと説明しなさい。」と王妃は威厳を持って言うのだった。

かくして、フォンとポギョンの2人の噂が

フォンも知らないところで 王妃の耳に入ってしまったのだった。

 

 

                      つづく
 


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