2009/11/18 07:50
テーマ:アニソナ カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

アニメ☆冬のソナタ☆第5話(後半)

Photo

 

 今回の第5話は 実写版とほとんど変わりなく

 新たな展開は 発見が難しかったですが 

 頑張って書き起こしましたので

 前半に続き 残りのアニソナをお楽しみください。


    

 

 「今日は申し訳ありませんでした。」サンヒョクの両親が 招待客に丁寧に謝っている。

 氷の彫刻が溶け出している・・・もうかなり時間が過ぎてしまったようだ。

 「ユジン。」ユジンの母が消え入りそうな声で呟いて ヒジンに付き添われて立っている。

 「きっと無事でいますよ。」サンヒョクの母親が ユジンの母にそう言った。

 「そうさ。もう少し待ってみましょう。サンヒョク。」ジヌがそう言うと サンヒョクが

 「父さん。」と走ってきた。「警察は何だって?」とジヌ。

 「通報はないって。」とサンヒョクが答えて

 「僕が探しに行ってきます。」と両親達に告げた時

 ユジンが とぼとぼと会場に向かって歩いてきた。

 「ユジン!!」ジンスクが見つけると みんなが一斉にユジンの元に走リ寄った。

 「どこへ行ってたの?」みんなに囲まれるユジン。「何をしてたの?」ユジンの母が責める。

 セットした髪の毛もボサボサになって 目がうつろなユジン。

 「ユジン。」と母が詰め寄って 「黙ってないで答えなさい。」

 ユジンを揺すりながらそう言うと

 「私にもよく分からないの。」と小さい声でようやく答えた。「あなたったら。」と母。

 「心配して損したわ。先に帰るわよ。」

 吐き捨てるように言うと サンヒョクの母親は去ってしまう。

 「お母さん。」と動揺するサンヒョク達。「ユジン。何があったの?」

 サンヒョクは 母親がへそを曲げてしまったことに腹を立てて

 「なぜ遅れたんだ?今日は婚約パーティーだぞ。」とユジンを責めた。

 「サンヒョク。私・・・」ユジンはそう言うと その場で気が遠くなり 倒れてしまう。

 「ユジナ。しっかりして。」サンヒョクが抱きかかえると ユジンは小さな声で

 「チュンサンを見たの。」そう言って 気を失うのだった。

  正直者のユジンは しっかりここでサンヒョクに 

  チュンサンのことを告げていたのです!(@_@;)


 


 

 ユジンはアパートに運ばれて ベットに寝ている。横に付き添っている母。

 ユジンは目が覚めて 重い体をやっと起こした。まだ辛そうな様子だった。

 「サンヒョクは帰ったわ。何があったの?言ってごらん。」母がまた聞いてきた。

 ユジンは涙をためて、うつむいているだけだった。

 だって・・・言えない。大好きなチュンサンを見つけたなんて・・・。

 死んだはずのチュンサンを あの時 

 自分は街で必死に追いかけていただなんて・・・。


 「ママにも言えないこと?」ユジンは何も言わない。益々涙があふれてくる。

 「サンヒョクとうまくいってないの?そうなの?」母が優しく心配そうに聞いてくる。

 ユジンの頬に涙が零れおちた。・・・母に申し訳なくて。

 大切な婚約式をダメにして サンヒョクにもご両親にも申し訳なくて・・・。

 そして チュンサンへの気持ちが消せなかった自分に やっと気がついて泣いたのだ。

 チュンサンに会いたい気持ちが 再び大きく蘇った自分が 哀れで・・・。

 ユジンはきっと その晩泣き明かしたに違いない。

 





 場面は 夜更けの飲み屋の屋台のテント。サンヒョクとヨングクの影が映っている。

 「事情があったんだよ。」とヨングクがサンヒョクを慰めている。

 サンヒョクは一気に酒を飲み干した。「ゆっくり飲めよ。」ヨングクが心配している。

 「酔いたいのに 酔えないんだ。」とサンヒョク。「ユジンは何て?」とヨングク。

 自分で酒を継ぎ足して また一気に飲んでからサンヒョクが言った。

 「子供の頃。ユジンと美容室に行ったら 同じおかっぱ頭にされたんだ。

  ”双子みたい”と周りが言ったら ユジンが言い返した。

  ”同じ歳だけど似てません!!”」

 サンヒョクは 子供の頃のユジンを真似して言うと 

 ヨングクが笑って「本当に?」と言った。

 「それから”将来 結婚する”って言ったんだ。」とサンヒョク。「ユジンが?」とヨングク。

 「いや、僕が・・・。」サンヒョクがそう言うと

 「何があった?」ヨングクが 婚約式のことを訊ねた。

 「チュンサンさ。」サンヒョクが答えると「誰だって?」とヨングクが驚いて聞き返した。

 「チュンサンを見たと言われて 正直動揺した。

  ・・・あの時 山でユジンをチュンサンでなく

  僕が見つけていたら・・・今はどうだったかな。」

 サンヒョクは 不安そうな顔で遠くを見つめた。

 これは ユジンの心の中で 今でもチュンサンがやはり1番だということを

 サンヒョクが認めてしまっている・・・その証の言葉のような気がする。









 

 一夜明けて サンヒョクの家。サンヒョクの後ろで 沈んだ顔のユジン。

 サンヒョクは 必死で「お母さん。怒らないで!」と扉を叩いている。

 どうやらサンヒョクの母は 部屋に閉じこもって 謝りに来たユジンに会おうとしないようだ。

 「話す気はないわ。」部屋の中から怒った声がする。

 「とにかく部屋から出てきて!」サンヒョクは声を荒げていると「サンヒョク。」とジヌが来て

 「今日はやめておけ。」とたしなめた。「父さん!」サンヒョクが叫ぶと 

 ジヌは「逆効果だぞ。ユジンが余計気まずくなるだろう。」と息子を諭した。

 仕方なくユジンとサンヒョクは外に出て 「帰るだろ?」とサンヒョクがユジンに聞いた。

 「サンヒョク。私・・・。」とユジンが何か言おうとすると

 「婚約パーティーをしなくても 何も変わらないよ。」とサンヒョクが優しく言った。

 「送ってくよ。」と言われ「大丈夫。1人で帰る。」とユジン。「送るってば。」

 しつこいサンヒョクに「私はいいから。お母さんを慰めてあげて。」ユジンはそう言った。

 「じゃあ後で電話するよ。気をつけて。」そう言って ユジンを見送るサンヒョク。

 ユジンの去っていく後ろ姿を サンヒョクは いつまでも考え深そうに眺めていた。

 




 アパートに着いたユジンは かつて高校時代に

 自分が描いたチュンサンの顔を出して見つめていた。

 泣きそうになりながら そっとユジンは指でチュンサンの顔をなでいた。

 そしてここで あの感動的なンユジンの心の声が静かに語られる。





 

 私が見たのは 夢だったのかな?

 今でも 全部覚えてる。

 あなたの弾くピアノ。

 一緒に歩いた湖の夕焼け。

 私の手を握りながら 浮かべていた微笑み。

 私は 全部覚えてる。


 いつも祈ってた。

 あなたの笑顔を もう一度見せてくださいって・・・。

 初雪が叶えてくれたのかな?

 あの日 初雪の中で 私1人だけが夢を見ていたの?


 チュンサン。

 今 どこにいるの?

 一体 どこにいるの?

 

 ユジンはチュンサンの記憶が蘇る中 あの日の夜の街をまた彷徨うのだった。

 




 

 画面は ネオンに彩られた繁華街の高級ブティック。

 ”久し振り チュエリンよ。忘れてないわよね?

  私の近況を知らないでしょ?だから連絡したの。

  期待してて・・・驚かせることがあうわよ。”

 チェリンがブティックの開店準備で動き回っている映像と共に

 このメールが チュエリンの口から読み上げられる。

 このメールは ヨングク初めかつての放送部のメンバーに届けられたのだろう。

 「チェリンが自分から連絡してくるなんて。」と 

 ヨングクのPCを覗きながらジンスクが言った。

 「友人の大切さを悟ったか。」とヨングク。「驚かせるって?」とジンスク。
 
 「フランス人と結婚?」「まさか!」驚くジンスクに ヨングクは言った。

 「チェリンなら あり得る。お前も見習え。まともな恋愛経験ないだろ。」

 「それなら ヨングクは?」「俺は休憩中だ。経験がありすぎてさ。」

 「偉そうになによ。」この二人は チェリンのメールから恋愛話に盛リ上がって

 そして 一番心配な友人のことに話が進んだ。

 「ユジンの様子は?」とヨングク。「元気ないわ。」とジンスクが答えた。

 「ユジンたちに何かしてあげれないかな・・・。」ジンスクが言えば

 「そうだな。」とヨングクが溜息をついた。

 「婚約パーティーが順調だったら・・・。」そう言いかけて 

 ジンスクがいいことを思いついた。

 「それよ!婚約式!!」こうしてジンスクとヨングクは ユジンとサンヒョクのために

 仲間内で 婚約式を執り行う計画を立てるのだった。

 

 ある休日。サンヒョクはユジンをアパートから連れ出して 自分の車に乗せようとしている。

 「どこに行くの?」「いい所。」「どこなの?」「秘密だ。」

 ユジンを車に強引に押しこんで サンヒョクは車を走らせた。

 「お楽しみに。」とサンヒョクは嬉しそうにハンドルを握っている、

 「洗濯の途中だったのに。」とユジンが言うと サンヒョクが笑った。

 「洗濯より いいことさ。」サンヒョクが ユジンとドライブで向かった先は 春川。

 自分達の母校の高校へ サンヒョクは車を走らせていた。

 懐かしい校門を車でくぐり 校庭の前に駐車した。

 ユジンが車から降りて 「いい所って学校?」とサンヒョクに聞いた。

 サンヒョクは先に校庭に向かって階段を上がりながら

 「おい。遅刻常習犯! 早く来て。」とユジンに言うと ユジンは怒って「もう!」

 そう言った端から すぐに笑顔になって サンヒョクの後を追いかけた。

 二人は手をつないで 「久しぶりだね。」と言いながら校庭を歩いている。

 校舎の上では 「そろそろ来るはずなのに・・・。」とカメラを構えたジンスクがいた。

 そして ユジン達を見つけるとヨングクを呼んだ。

 ヨングクは放送室のTV画面で 校庭のユジン達の様子が分かるようになっていた。

 広い校庭を 仲良く手をつないで歩くユジンとサンヒョク。

 「変わってないね。」「そうね。」そんな会話をしていると

 突然。大きな声がスピーカーから聞こえる。「あ~あ~・・・聞こえてる?」

 ヨングクの声だった。「皆さんの熱い要望により 10年ぶりにマイクを持ちました。」

 ユジンとサンヒョクは 顔を見合せて笑った。ヨングクは続ける。

 「今日は何の日かな?サンヒョク君とユジンさんの婚約式をやり直す日です!」

 そう言われて ユジンは嬉しそうに微笑んだ。

 「では、二人向かい合って・・・。俺が緊張する。・・・サンヒョク君。例の物を。」

 ヨングクの放送に促されて サンヒョクは胸の内ポケットから指輪の箱を取り出した。

 そしてユジンの目の前で蓋を開け、

 指輪をユジンの左手の薬指にしっかりはめるのだった。

 ユジンが自分の指に輝く指輪を眺めると 

 向かい側のサンヒョクも指輪をした薬指を見せた。

 「僕の傍にいてくれて 本当にありがとう。僕もずっと傍にいるよ。」

 ユジンは嬉しそうに うんと頷いてみせた。

 するとスピーカーから「おおいい感じだね!」とヨングクの声。

 「神聖な学校で恋愛か?2人で熱いキスをどうぞ。」「キスして!」ジンスクの声もした。

 ユジンの手を握り締めたまま サンヒョクが「お前たちもやりたいんじゃないか?」

 照れながらそう言うと 「ユジン。サンヒョク。久し振り。10年も付き合ってるなんて

 よく飽きないわね。」と意地悪い声。ユジン達は顔を見合わし あっと気が付いた。

 この声は・・・「チェリン?」そう口に出すと 二人は校舎に向かって走り出した。





 懐かしい放送室を開けると ワ~!!と歓声がして

 クラッカーが二人めがけて飛んできた。

 「婚約おめでとう!!」ヨングクとジンスクが 声を合わせて祝福する。

 すると「ユジン。おめでとう!」と花束を差出したのは チェリンだった。

 「チェリン。」喜んでユジンが花束を受け取ると

 「変わってないわね。髪はダサイけど・・・。」と言う。

 
やはりチェリンはチェリン。意地が悪かった(笑)

 「えっ?」「冗談よ。」と誤魔化して チェリンは一体何を企んでいるのだろう・・・。

 ヨングク達が用意したケーキに蝋燭を立てて 「さぁ1,2、3!」で

 ユジンとサンヒョクが 仲良く蝋燭の火を吹き消した。

 「おめでとう!」3人の友人から祝福されて 

 流れてしまった婚約式のわだかまりもなくなったようだ。

 「ありがとう。」ユジンがお礼を言う。サンヒョクがチェリンに

 「いつブティックを?」と聞いた。「先週オープンしたばかりよ。」とチェリン。

 「男物もある?」とヨングクが聞けば

 「あるけど、義理で買うにはお高いわよ。」とチェリンが返した。

 「俺も義理で着るには お前のセンスはちょっと・・・。」ヨングクも負けてはいない。

 「何よ!」チェリンが怒りだして「2人ともやめて。」とユジンが止めた。

 「音楽でも聴こう。」とジンスクが言いだし 席を立って棚のレコードを探しに行った。
 
 すると「彼、遅いわね。」と チェリンが腕時計を見て言う。

 「何なの?」とユジンが聞くと チェリンは「何でもないわ。」と言うだけだった。

 「”初めて”?懐かしいわ。」と ジンスクが手にしたのは チュンサンが残していった

 ミヒのピアノのレコードだった。「これ ユジンがいつもかけてた曲よ。」

 ジンスクは 何も知らずにユジンにレコードを見せる。

 「別のにしない?」ユジンは この場ではチュンサンを思い出すのが辛くてそう言った。

 「なんで?好きだったでしょ?」そう言われてユジンの顔が曇る。

 ジンスクは何も気がつかずに そのレコードをかけ出した。

 

   


 放送室に響くのは かつてチュンサンがユジンに聞かせてくれた”初めて”だった。

 サンヒョクの隣で ユジンはチュンサンの思い出の曲を静かに聞いていた。

 途中で コンコンと扉をノックする音がした。「誰だろう?」「さぁ?」

 みんなが扉に集中していると その扉が開いてそこに現れたのは

 ユジンが 婚約式の時に追いかけたチュンサンだった。





 茶髪で眼鏡をかけているが その優しい眼差しは 

 高校時代と変わらないチュンサンだった。

 ユジンは息もできないほど驚いて 思わず立ち上がった。

 どうして?どうしてここに チュンサンが?? 

 ユジンが心で叫んだところで この第5話は終了です。

 


前回も今回も きょこままさんのご協力により 

 アニメの映像を入れることができました。 きょこままさんに心から感謝です

 

 


2009/11/17 22:57
テーマ:アニソナ カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

アニメ☆冬のソナタ☆第5話(前半)

Photo

 実は一気に全部書き上げたのですが・・・

 あまりにも長くなってしまい、読みにくいと思いますので

 前半と後半に分けさせていただきます。

 後半は また明日UPします。

 


 



  ユジンがカセットテープを再生すると

 懐かしいチュンサンの優しい声が響いた。

 「驚いた?遅れたけどクリスマスプレゼントだよ。」

 ユジンにチュンサンとの思い出が 次々と蘇ってきた。

 初めて出会ったバスの中。煙草をふかすチュンサンの横顔。

 学校の塀の上の自分に チュンサンが優しく靴を履かせてくれたこと。

 そして初デートの帰りの船の中。 ユジンが手で作ったカメラの

 シャッターを切った時の あの不器用なチュンサンの笑顔・・・。


 


 「メリークリスマス!!」 ・・・まるで季節外れの言葉のようだった。

 チュンサンが 自分に最後に残してくれた言葉。

 それが メリークリスマスだったなんて・・・。

 その声があまりにも 元気で明るくて・・・ユジンの涙は止まらない。

 チュンサンの弾く”初めて”のピアノを聴きながら

 机に突っ伏して ユジンは深い悲しみに包まれるのだった。

 窓の外は 静かに白い雪が舞い降りていた。


 ここで サンヒョクの声でナレーションが入る。

 ”チュンサンは死に その年の冬は終わった”

 
 画面にユジンの描いたチュンサンの顔が大きく映り

 それを優しく ユジンの指がなでている。

 
                       ここでタイトルが入る。



 

 

 第5話 《あなたを見たのは夢だったのかな》


 



 

 ビルの工事現場。まだ骨組が出来たばかりの建物で作業員が仕事をしている。

 その中を「おい、気をつけて!」と言われながら バタバタ走る女性がいる。

 「はい、責任者に代わりますね。」下でそう言う声がして

 「お~い。ユジン!」とヘルメットを被った現場の作業員に呼ばれたのは

 丸めた設計図を抱え おかっぱ頭にヘルメットを被った 

 大人に成長したユジンだった。

 「ポラリスのチョン・ユジンです。」明るいユジンの声がした。




 
 バス通り。発車寸前のバスに「待ってください!」と走り込んできたのは

 ヘルメットを脱いで 現場から帰るユジン。やはり設計図を抱えている。

 「すみません。」と急いでバスに乗ると ユジンは一番後ろの座席に向かった。

 そう。向かうのはチュンサンとの指定席。そこに腰を下ろすユジンがいた。

 ユジンはバスに揺られながら ふと隣を見る。


 ポラリスという会社名といい、バスでの行動といい、それはユジンが大人になっても

 まだチュンサンを忘れていないことを物語っている。

 

 
 ユジンが事務所に戻って 自分のデスクにつくと 会社の同僚の女性が

 「スンリョンが タイルの注文を忘れて おかげで今日の仕事がパアよ。」

 と言って怒っている。怒られたスンリョンと呼ばれた男が 

 「今日。初雪が降るとか・・・。」と ユジンに向かって、バツが悪いのを誤魔化した。

 「のんきなこと言ってないで!」とまた 女性に怒られてしまうスンリョン。

 (この怒っている女性の名前が出てくるのは物凄く後なので 

  チョンアだと名前を知っている私はこれから 彼女をチョンア姉さんと書くことにする)

 ユジンがデスクのパソコンを覗くと”5時15分。93.1”とメールが届いていた。

 それを見て ユジンはにっこり笑うと

 「ラジオで”オンリー・ユー”を聞かない?」と2人に言った。

  「どのラジオ?」「93.1」「それクラシック番組よ。」

 そんな会話があって スンリョンがラジオをユジンに言われた局に合わせると

 いつもクラシックを流している番組から ”オンリー・ユー”が聞こえてくる。

 「流れてる!」驚く同僚の二人に微笑んで 

 その曲を聴きながら仕事を続けるユジンだった。

 
 そのラジオ局では サンヒョクが

 「リスナーもビックリだぞ。」と番組のパーソナリティから言われていた。

 「ポップスを流すとは・・・恋人のリクエストか?」と聞かれ
 
 「今回だけです。」と弁解するサンヒョク。

 どうやら彼は この番組のプロデューサーらしい。

 「うまくいったら俺に感謝しろ。」そう言われて笑ったサンヒョクは 幸せに満ちていた。


 ユジンも 会社で頬杖をつきながら”オンリー・ユー”をうっとり聞いていた。

 サンヒョクが 自分のために選曲してくれて放送してくれている・・・

 その気持ちが嬉しくて、ユジンは幸せな気分だった。


 サンヒョクの合図で パーソナリティの男が音楽に乗せて語り始める。

 「先日 みぞれが降った時、初雪と間違えた方はいますか?

  デート中、初雪かどうかで言い争いになったカップルは?

  早く初雪が降って 初雪デートができるといいですね。」




 賑やかな街の イルミネーションの綺麗な大きなクリスマスツリーの下で 

 ユジンは 微笑んで誰かを待っている。

 「お嬢さん。」突然 ユジンは見知らぬ中年女性に声をかけられた。

 「えっ?」と振り向くと「恋人と別れた?」と変なことを言う。

 「男が見えるわ。その人に会いたいんでしょう?」と また言って来る。

 ユジンは困って「そんな・・・おばさん。」と言うと

 「会わせてあげるよ。30分 話を聞いてくれたら会えるわよ。」

 としつこくユジンに 話しかけてくる。

 「その男って 僕のこと?」そう声がして 振り向くとサンヒョクが歩いてやってきた。

 サンヒョクはユジンの肩を抱いて「失礼します。」そう言うと 

 その場から ユジンを連れて立ち去った。ユジンとサンヒョクは 仲良く顔を見合せて

 「いつから?」「少し前。」「聞いた?」「うん。」と笑い合いながら歩いている。

 大きなツリーの傍で先ほどユジンに声をかけた中年女性が 

 取り残されたように佇んで二人を見送っていた。





 広いレストランの中。客はユジンとサンヒョクしかいない。(マズイお店なのだろうか?笑)

 「食事は任せればいいし、お花も注文したし・・・これで全部よ。」

 ユジンがメモを見ながら サンヒョクに言っている。

 「何か 忘れてない?」とサンヒョク。えっと顔をして もう一度メモに目を落とし

 「ないわよ。」とユジンが言うと「本当に?」と サンヒョクが言って取り出して

 ユジンに見せた物は 指輪だった。「指輪ね!」と嬉しそうにユジン。

 「気に入った?」とサンヒョクが気けば「うん。凄く綺麗!」とユジンが頷いた。

 「予行練習しよう。手を出して。」と言い、テーブルの上の蝋燭の灯りの揺れる中

 ユジンの長く細い指に サンヒョクは指輪をはめるのだった。

 「あなたも。」ユジンも 同じようにサンヒョクの指に指輪をはめた。

 「これからも ずっと僕の傍にいて・・・。」サンヒョクがユジンに優しく言うと

 ユジンはこっくり頷いて「分かった。」と言って笑った。

 そう・・・二人は婚約指輪を交換し 未来の愛を誓ったのだった。


 サンヒョクがユジンのアパートまで車で送り 

 ユジンはアパートの階段を上がる途中で振り向いている。

 「入りなよ。」とサンヒョク。「寒いから乗って。」とユジン。「大丈夫だから。」

 サンヒョクとユジンの会話は やはり恋人同士のものだ。

 ユジンがまた階段をあがり 急に振り向いておどけたように「気をつけて!」と手を振った。

 「あとで電話する。ぐっすり寝るんだよ。」と 優しく言うサンヒョクに

 「あなたもね。」とユジンの声が足音と共に響いた。

 

 

 
 ポラリス事務所の中。ユジンがデスクの設計図に向かって

 立ったままペンを走らせている。

 「時間よ。急いで!」とチョンア姉さんが入ってくる。

 「もうすぐよ!」と焦って返事をするユジン。

 「マルシアンもひどいわね。」とチョンア姉さん。

 「新しい理事になって厳しくなった。」とスンリョン。

 「建築は素人じゃないの?」とチョンア。

 「いや。海外のリゾートや博物館を設計した人だよ。

 それに 有名な建築の賞も取ってるみたいだし・・・。」とスンリョンが言うと

 眼鏡をかけて 必死に設計図を修正していたユジンが顔をあげた。

 ちょっと興味が湧いたのだろうか?

 「そんなプロが なぜ雇われ理事に?」とチョンア姉さんが言うと

 「現場スキー場の跡取りらしい。」とスンリョン。

 「それでハンサムなら完璧ね。ユジン。ハンサムだった?

  独身?」とチョンア姉さんがユジンに聞く。

 ユジンは 設計の手を休めずに「会ったこともないから 分からないわ。」と言った。

 「何度も行ってるのに・・・。」とチョンア。「僕よりも いい男?」とスンリョン。

 するとユジンは 「出来た~!」と設計図を完成させて 

 万歳をしてから設計図を丸める。

 「無視かよ。」とスンリョンがむくれると

  「スンリョン。届けて。」とチョンア姉さんが言った。

 するとユジンが設計図を手にしたまま放さず、「私が届けて 直帰します。」と言った。

 「僕が行くよ。」とスンリョン。「何かあるの?」とチョンア姉さん。
 
 ユジンが眼鏡をかけたまま「今日は 婚約式があるの。」と言うと 

 二人は「ええっ!?」と絶句するのだった。

 (婚約式に招待されていないなんて 二人とも可哀そうに! 笑 )





 ユジンの取引先の事務所、マルシアンではトラックが止まり、

 沢山の荷物が運ばれていた。

 ユジンが設計図を手に丸めて 走ってやってくる。

 事務所の中に入れば 大きな段ボールが部屋中に置かれていた。

 荷物を運ぶ業者のオジサンとぶつかり 設計図を落としてしまうユジン。

 「すみません。」ユジンから謝って 設計図を拾おうとすると

 別のほうから手が伸びて 設計図が拾われる。

 拾ったのは このマルシアンのキム次長だった。ユジンに設計図を返しながら

 「理事室の模様替えで バタバタしてるんです。」と言った。

 「新しい理事ですよね。」とユジン。

 「新理事が厳しすぎて ポラリスも大変だろう?」とキム次長。

 「これで書き直し5回めです。」

 「でも お宅には優しいよ。”ポラリスがあれば 未知に迷わない”とか・・・。

 私が預かるよ。」キム次長が設計図をもらおうと手を出した。

 ユジンは キム次長の言葉を聞いて一瞬ドキッしたが
 
 はいと言って設計図を手渡した。 荷物を運びこむ業者に向かって 

 キム次長が大声をあげる。

 「待って! これは理事の部屋へ。」そう言って 受け取ったのはジグソーパズル。

 「パズルが趣味だって・・・何が面白いのかね。」キム次長が言えば ユジンは

 「とても暇なのか・・・1つ1つ覚えておきたいことがあるのかどちらかでしょう。」と言う。

 「暇なのさ。それじゃ。」とキム次長。

 ユジンも「お願いします。」と言って事務所を後にした。

 ユジンがマルシアンの玄関を出て 外の階段の踊り場で

 荷物を運ぶ業者を避けて待っていると

 ジグソーパズルの1つのかけらが落ちているのに気が付いた。

 ユジンは事務所のほうをチラっと見るが ふっと笑って

 自分のコートのポケットにしまい込んでしまう。
   


 その小さな1ピースがユジンの手に渡り これからどれだけの歳月をかけて 

 ユジンにとって 大事な1枚の絵を完成させることが出来るのか・・・

 この時のユジンには知る由もなかった。

 


 


 タクシーの中で サンヒョクは後部座席の母に

 「お父さんは向かってるって。」と声をかけた。

 「そう。」と母親。「ユジンは今 美容室にいる。」とサンヒョク。すると母親は

 「仕方なく結婚を許したけど 私は気が進まないのよ。」と意地悪く言った。

 「きっと大丈夫だよ。」とサンヒョクが優しく言い返すと

 「そう言われると 何も言えないわ。」と母親はそれ以上何も言わず 口をつぐんだ。


 美容室のユジンといえば 「綺麗な髪ですね。」と美容師に褒めてもらいながら

 美しく髪をセットしてもらっていた。

 目を開けて鏡の中の自分を見てみれば 普段の自分とはまるで別人。

 「凄く綺麗です。」美容師にも絶賛される美しさだった。

 
 「おめでとうございます。」サンヒョクの両親が 

 婚約式の会場で来賓から祝福を受けていた。

 「今日はお越し下さりありがとうございます。」とジヌが挨拶していると

 「お母さん!」とサンヒョクが ユジンの母と妹を連れて来る。

 「こんばんは。」とお互いにお辞儀をして

  「遠くから大変だったでしょう?」とサンヒョクの母。

 「いいえ。」「お変わりありませんね。」と母親同士で話していると

 「ユジンのお母さんにそんな他人行儀な・・・。家族と同じだからね。」と言ってジヌが笑った。

 「そうですね。恐れ入ります。」と答えながらユジンの母は まだ緊張しているようだった。




 
 美容室から出たユジンは 携帯電話をかけながら急ぎ足で歩いている。

 「ごめん。もうすぐ着くわ。」そう言って電話を切ると 空を見上げた。

 空から白いものが降ってきたのだ。・・・初雪だった!!

 「雪だ。」「今年の初雪だわ!」道行く人々の嬉しそうな声がする。

 ユジンがしばらく空の雪を眺めて 前を向いて歩こうとした その瞬間だった。

 ユジンは 心臓が止まりそうなほどの衝撃を受ける。

 ユジンの正面には 死んだはずのチュンサンにそっくりな()男性が歩いてくるからだ。

 ユジンの大きく見開いた目には その男は紛れもなくチュンサンに見えた!!

 髪の毛が黄色に近い茶髪であろうが 眼鏡をかけていようが・・・

 ユジンには 彼の放つオーラがチュンサンと同一であると直観したのだ。





 その男は 雪に見とれながらゆっくり歩いていた。

 周りの人間が見えなくなって ユジンの眼にはその男しかもう見えていなかった。

 あまりの衝撃に ユジンは持っていた携帯電話を落としてしまう。

 ユジンにはそれさえも分かっていなかった。チュンサンだ!・・・チュンサンだ!!

 心が爆発しそうなほど ユジンの中で

 自分にそう叫ぶ声がしたのではないだろうか・・・。

 眼鏡をかけたチュンサンに似たその男は 右の掌で雪を受け取りながら 

 幸せそうに静かにユジンに向かって歩いていた。

 彼が近づいて大きく見えるほど ユジンは確信を持った。

 「チュンサン。」・・・ユジンは消え入りそうな声で やっとその名前を口にした。

 嫌、心の中で呟いたのかもしれない。・・・ずっと封印していたその名前を・・・。

 その男は ユジンの見ている前で急に向きを変えて 直角に曲って行ってしまった。

 ユジンはもう我慢できなかった。大声で「チュンサン!!」と叫んでいた。

 そして必死に男の後を追いかけるのだった。



 

 ”婚約”ユジンとサンヒョクと書かれた ハートに象られた氷の彫刻が待つ婚約式の会場。

 サンヒョクは「おめでとう。」とやってくるお客様に 会場の前で頭を下げて迎えている。

 「サンヒョク。顔がに焼やけっぱなしだぞ。」

 「本当だわ。」と親友のヨングクとジンスクもやってきた。

 「嬉しいか?」とヨングクに言われ「当然だろ。ユジンは?」と聞くサンヒョク。

 「もうすぐ来るって。」とジンスク。

 先ほどユジンが電話した相手は ジンスクだったことが分かる。

 「あいつの遅刻癖は 昔から変わらないな。」と呆れたようにヨングクが言った。

 「まだ20分前だよ。」サンヒョクが ユジンを庇うとジンスクが笑った。

 

 一方、降りしきる雪の中 ユジンはまだチュンサンに似た男の後を追いかけていた。

 繁華街で行きかう人が多いせいか なかなか男に追いつけいユジンだった。

 そして 人ゴミの中でユジンは 男を見失ってしまうのだった。

 それでも 懸命に男を捜し続けるユジン。「チュンサン。チュンサン・・・。」

 チュンサンを探し出すことしか もうユジンの頭の中にはなかった。

 婚約式やサンヒョクのことなど ユジンの中から消えてしまっていた。

 10年間・・・逢いたくて、恋しくて・・・

 それでもずっと心の奥にしまい込んできたチュンサン。

 そのチュンサンが 目の前に現れたのだ。
 
 ユジンは無我夢中で チュンサンを追いかけた。

 どうしても・・・逢いたかった!!

 




 
 サンヒョクが腕時計を見ている。「もう時間なのに・・・。」「来ないわね。」

 ヨングクとジンスクも心配して、ジンスクがユジンの携帯に電話すると 

 鋪道に落ちて 雪に埋もれたユジンの携帯電話から 着信音が鳴り響いた。


 雪の繁華街が ユラユラ揺れて映っている。ユジンの見ている風景だった。

 ユジンは放心状態で 今にも倒れそうになりながら 

 まだチュンサンを求めて彷徨っている。

 信号機が赤から青になった。

 その横断歩道を渡って行くチュンサンの後ろ姿を見つけた!!

 「チュンサン!!」ユジンは 力を振り絞って チュンサンのほうへ駆けだした。


 
 婚約会場では サンヒョクの両親やユジンの母親が 困った顔で立ち尽くしている。

 


 横断歩道を渡りきってしまいそうなチュンサン。

 それを追いかけるユジン。手を伸ばしても 届かない。

 「チュンサン。」ユジンが必死に追いつこうとした瞬間。眩しい光に包まれた。

 横から大型トラックが ユジンに向かって来て危うく引かれそうになるユジン。

 昔。ユジンがキャンプで迷子になった 

 暗い夜の山の中。木の幹でうずくまって泣いてるユジン。

 その時に 自分を探してくれた時の 光に包まれたチュンサンの優しい笑顔。

 「ユジン。」という彼の声。

 その光景が一瞬のうちに ユジンに蘇って

 トラックの前で ユジンは膝をついて動けなくなってしまう。

 ユジンは まるで悪い夢を見ているような感覚だった。



 

 

                           ・・・ 後半に続く


 
 

 

 


 
 

 

 

 

  
 

 

 

 

 

 

 

 

 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 
 

 

  

 
 
 
 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 


2009/11/17 07:58
テーマ:歌姫のひとりごと カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

すれ違う心・・・

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 《太王四神記》の中で 最も見所の多い回だと思う17話。

 ヨンジュンの鮮やかな殺陣のシーンが素晴らしい。

 しなしながら この回の撮影で 

 ヨンジュンは指や肩に大きな怪我を負うことになる。

 色々な意味で 彼にとっても 

 忘れられない 重要な17話なのではないだろうか。

 

 そして キハとの切ない決定的な決別のシーンのある回。

 私が好きな場面でもある。
 
 
 この時の言葉のすれ違い・・・。

 せっかくやっと 二人きりで話ができるチャンスだったのに・・・。

 本心を打ち明けて また仲直りができるチャンスだったのに・・・。

 
 二人の悲しい運命は やはり引き裂かれる定めだったのだろう。

 噛み合わない言葉・・・すれ違う心・・・。

 


 今日も 昔、公式掲示板にUPしたテサギ解説の中から

 あのキハとの決別のシーンを抜粋しました。


 




  神殿でキハと向かい合ったタムドクは 

  キハを射るような目つきで睨んでいた。

 キハが大神官になっていることが 許せないタムドクだった。


 かつて前大神官は タムドクに打ち明けたからだ。

 自分の生命線は とても長い。だから長く大神官を務められる。

 しかし、もしその運命に逆らって

 誰かが自分に代わって大神官になるとすれば 

 その大神官はタムドクの敵なのだと。

 それは 自分が暗殺されるかもしれないと ほのめかしたことになる。

 キハが大神官なら キハは暗殺者の手下だと思うタムドクだった。

 あくまでも 手下。キハが自ら前大神官を殺めたとは思いたくなかった。

 自分が信じて心から慕った女性・・・それがキハだったから。
 
 キハにすれば タムドクがスジニと仲良くなっていることに内心嫉妬し

 自分は一時の慰めに過ぎなかったのかという怒りがある。

 それでも 過去のキハに対するタムドクの想いやりを思えば 

  優しい言葉のひとつも期待していたかもしれない。

 「そなたが火天会との板挟みで苦しいのはよく分かる。

  本心を申してみよ。」・・・などと。

 そんな言葉を一言言ってもらえたのなら、

 まったく違った展開になったかもしれない。

    

       




 キハは実はこの時、これが最後のつもりで・・・

 タムドクの気持ちを確かめたかったのだ。

 自分に未練は残っていないのか。

 実は自分の中にも未練はあった。だからこそ・・・

 本当にホゲをチュシン王として支援していくか、

 彼女が心から愛するタムドクに仕えるのか・・・。

 火天会に逆らう運命になってもいいと キハの本心は迷っていた。

 火天会など 今のキハには道具にすぎなかった。

 自分が主雀の守り主という自覚はできているキハ。

 主雀の守り主として生きるか、それよりも

 チュシンの王をも手玉に取って 自分がこの世の王となるか。

 カジンの霊が乗り移ったようなキハは 

 以前にも増してプライドが高かった。







 神殿で二人きりで目を合わせた時、キハは

 大神官としての挨拶をかわす。

 そしてお祓いを執り行うその前に・・・と

 タムドクに言いたいことがあったはずだ。

 しかし、タムドクは開口一番

 「先の大神官はなぜ死んだ?」とキハに鋭く言葉を刺した。

 そして「そなたの仕業か?」と攻めたのだ。

 「天の御心だと申してはいけませんか?」とキハ。

 タムドクの顔を見れずに答える。

 「私の知るそなたなら 一人ではできない。」そうタムドクが言えば

 キハは初めてタムドクを見据えて 答える。

 「はじめから 何も私のことをご存じなかったのです。」

 キハが火天会に縛られていることを 

 タムドクは知らずに出会い キハを信じて求めたのだった。

 そして自分の中に眠るカジンの激しさを自覚するキハは 

 これまでその本性は タムドクには見せてはいなかった。

 かつてファヌンが愛した心優しいセオのように 

 キハはタムドクの前では従順だった。

 しかしながら 今のキハはカジンがファヌンと対等で向かったように

 タムドクと自分は対等であろうとした。




 そして、もうひとつ タムドクが分かっていないことがあった・・・。

 タムドクが誤解しているということだ。

 キハは伝えたかった。私はあなたの父上を殺してはいないと。

 あなたが思う以上に 私はあなたを心から愛しているのだと。

 あの夜に打ち明けた言葉が 私の本心だったのだと。

 それが分からないあなたは 

 私のことを本当に理解していなかったのですね。

 キハのこの言葉には そういう意味があるのではないだろうか。

 タムドクは言う。

 「そうか。ならば今 答えてくれ。

 そなたとその背後にいる火天会の望みは何だ?」

 「国内城で反乱が起きた夜。

 私がお連れした難民村で あなたはお聞きになりました。

  私の気持ちを・・・。覚えておられますか?」

 この時のキハの気持ちは 本当に切ない。

 あの時にきちんと言えなかった言葉を伝えたい。そう思っていた。

 それなのにタムドクは冷たい顔のまま答える。

 「あの夜のことは とうの昔に忘れた。」

 心が凍りつくようなタムドクの言葉だった。

 それでも堪えて 最後にキハは本心を語る。

 「あの時の質問に 今お答えいたします。

  私の心はチュシンの王の元にあります。

 無事 チュシン国を再建するためなら何でもします。

  必要なら チュシンの星を作って空に掲げるでしょう。」

 この時「そなたが慕うのはこの私であろう。」そうタムドクが言ったのなら

 キハは すべて救われたのだと思う。しかしタムドクは言った。

 「そのチュシン王とは ホゲのことだろう。

  私もそう思っていた。ホゲなら 高句麗の立派な王になるだろうと。」

 もう完全に心が通じ合わないと この時、キハは思い知るのだ。

 タムドクは続けて言う。

 「だが、私が王になったのは 一人でも多く民を救うためだ。

  それは高句麗人も百済人も 皆チュシンの民だと信じたからだ。

  そう信じる私のために 私の兵は危険な戦いに身を投じた。

  偽りの清めの儀式で兵士を貶めるな!」

 もうキハは タムドクと自分の道が絶望的で 永遠に交わらないと知る。

 だから自暴自棄に 四神の神器を揃えるために 

 重臣を人質にとっているから 

 タムドクの持っている玄武の神器を欲しいと言ったキハ。

 ホゲが白虎を手に入れるから 

 私の持っている朱雀の神器を合わせれば3つ揃うのだと。

 それが叶わないのなら ここで私を殺してと言うキハ。





 キハは タムドクの愛が消えたと知った時、死にたかったのだ。

 お腹にいるタムドクの子供と共に・・・。

 タムドクは言う。「まだ 未練が残っていた・・・。

 だから会いに来たのだ。だがもういい。これで終わりだ。」

 キハへの思いはもう消えたと 面と向かって告げるタムドク。

 ・・・立っているのがやっとのキハ。

 今までのタムドクとの思い出が、走馬灯のように浮かんでは消えていく。

 どうして こんなにも想いが届かないのだろう。

 それは タムドクも同じ思いだった。

 キハに残っていた愛情を タムドクは神殿を出る際のしめ縄に託して

 怒りを込めて剣を振りかざして バッサリ断ち切ったのである。

 二人が子どもの頃から育んできた愛が 

 この時 粉々に砕け散った気がした。




 

 そして この17話で見せた怒りのタムドクの顔。

 
 ここでも ebeさんが書いています・・・

 ”この世の物とも思えぬ美しいタムドク”
     
            ・・・同感です!!(笑)

 


 

 怒った顔も美しい・・・ヾ(´▽`*)ゝ

 ヨンジュンは やっぱり凄いですね!!








 「談徳応援団長のつぶやき」の時に作った 古い加工の数々ですが・・・

 並べてみました・・・ああ・・・タムドクの妻になりたかった・・・!!

           (≧▽≦*)\(- - ) バシッ!





2009/11/16 08:03
テーマ:歌姫のひとりごと カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

美しい戦士

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 今日から 我が家に4人の庭師がやってきて

 庭木の剪定が始まります。

 今回は4日がかりで 丁寧に仕上げるのだとか・・・!!


 ええ~~~~っ??4日間も ??嘘~~~!!

 公園ではあるまいし・・・なんで4日も??



 今回 舅が頼んだ先はいつもの業者ではないようで

 ボッタクリの業者ではないのかな???心配・・・。


 

 それに私は 10時と3時のおやつの時間に

 4人の庭師さんにお茶を用意しなければならない。

 ・・・出かけられないということだ・・・。

 ピアノや歌の練習だって 気になるからできやしない(>_<)

 ・・・まぁ最近、全然練習してないけど(笑)


 
 それでも木曜日は 高松の楽器店までベルの練習があるから

 絶対にお茶出しは無理です!!う~~ん・・・。


 現在8時前ですが・・もう来ました!!庭師たち4人!!(@_@;)

 



 
 このように我が家は 舅の趣味で作られた庭なので

 住んでる歌姫たちとは関係なく こういった作業が入ります。

 ある日突然 大きな石灯籠がクレーンで釣りあげられて

 庭にドド~~ンと置かれたりするわけ・・・(;一_一)

 もう慣れましたけど・・・笑。



 まぁいいや・・・綺麗になるのは結構なことなので

 美味しいお茶とお菓子・・・用意してお出しします。










 さてさて・・・今晩は テサギの17話!!

 きっと今晩は みなさんTVに釘付けなのではないでしょうか?

 歌姫も今晩は 楽しみにしています!!


 実家にも 絶対に録画を失敗しないように言っておかなくては!!







 
 前回から 美しい顔で颯爽と登場したチョロ。


 この素敵な戦士、チョロの登場で この物語に色が添えられ

 華々しい戦闘シーンが繰り広げられます。


 チョロとタムドク・・・本当に美しいコンビです!!


 さぁ・・・今晩は しっかり鑑賞できるように頑張ります!!

 

 

 
 実は昨日は 夫がゴルフを一生懸命に観ててうたた寝はせず

 アニソナの解説を全く書けませんでした(>_<)

 今から・・・家事をたったか済ませて 取りかかります!!

 

 

 

 

 

 


2009/11/15 10:17
テーマ:歌姫のひとりごと カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

どっぷり・・・ペ・ヨンジュン!!

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 ああ 今日も良く寝た(*^_^*)

 昨日は 夕方1時間ウォーキングもしたし爆睡でした。

 
 頼まれていた ベルのコンサートの演奏時の原稿も書けたし。

 そう。例のクリスマスコンサートはプロの司会者が

 歌姫の原稿を読んでくださるので・・・

 曲やメンバー紹介などの原稿を頼まれて書いていたのでした。


 これで アニソナの解説に没頭できます(*^_^*)

 今日の午後、夫がお昼寝してくれれば出来る!!(爆)

 今も 午前中はゴルフの練習に言っております(*^^)v


 そして夫のいない間に

 歌姫は どっぷりヨンジュンの世界に浸れる~



 

 
 そうそう・・・

 昨日の土曜日のお昼に アニソナの後でDATVで

 来日の密着取材の模様第2弾を15分放送してくれてた。

 その時も 夫はゴルフの練習でいなかったので

 どっぷり・・・画面に集中していた(*^_^*)

 そしたら 途中で夫が帰宅してしまい・・・

 チャンネルを変えようとした(怒)本当に意地が悪い!!

 「駄目!!これはあと10分で終わるから待って!」

 録画はしていたが そう夫にお願いして観させてもらった。

 でも・・思えば それはイベントの模様を映しだしていて

 大勢の家族がドームに群がる映像が大半だった。

 9月29日。妻が東京にいた日にち・・・。


 もしかして・・・バレテル??(笑)

 あえて何も聞かず、言わない夫・・・感謝しようっと(笑)



 そしてスカパーさん!!

 ペ・ヨンジュン祭り・・・どうもありがとう(^O^)/

 こんなにヨンジュン特集をしていただけて

 歌姫大満足!!感謝してます





 

 
 そしてスカパーペ・ヨンジュン祭り写真を


                       改めて見なおしてみる。






 やっぱり 長髪も物凄く似合ってて素敵!!

 長髪のヨンジュンは 大人っぽく見える。

 まぁ 十分に大人なんだけど・・・笑。





 
 髪の毛が短くなって ヨンジュンは可愛くなった。

 少年のように見えて仕方がない。

 痩せて華奢になったからか 肩幅も少し狭くなったからか

 本当に少年のように思えてしまう。

 こんな風に若返ってしまうと もう自分の息子と変わらない(笑)




  


 こんな息子がいたら 溺愛して片時も離れたくない!!

 嫁選びは 物凄く厳しく・・・

 きっとどんな素敵な嫁でも いびりたくなるだろう(爆)

 
 ああ・・・こんな狭い心の歌姫が母親でなくて

 ヨンジュンは幸せだと思ってしまった。

            (≧▽≦*)\(- - ) バシッ! 





 


 朝から こんな妄想をゆっくりできる

 仕事の入っていないこんな休日・・・

 ああ幸せです(^-^)

 


 

 

 

 

 


 


2009/11/14 10:34
テーマ:歌姫のひとりごと カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

健康第一!!

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 ああ・・・今日は 良く寝た~~~(^O^)/


 風邪気味だったのですが だいぶよくなりました♪

 ご心配おかけして申し訳ありませんでした・・・<(_ _)>アリガトウゴザイマス


 12時前に就寝して 姑の電話で起こされたのが(笑)

 何と・・・8時20分でした!!

 隣の夫は もうすでに病院の診察に出かけていませんでした。

 ・・・なんという出来の悪い妻!!(>_<)

 夫は糖尿病で 月に一度の検診を受けています。

 でも通院して2か月めから 薬も飲んでおらず

 血糖値も正常値の中(といっても高めですが)に収まり

 病状は改善されていて 経過を見る程度なのですが・・・。

 体重も10kg以上減り スーツはすべて作り替えました。

 顔立ちもシャープになって 若返った!!と言われております。

 ・・・羨ましい(;一_一)

 今日は病院の帰りに ゴルフの練習に行くといい

 お昼までは帰ってきません・・・ラッキー!!

 あはは・・・ぐうたらできます(笑)



             ★最近は 野菜ばかりでなく、こんな揚げ物も 入れてます★


 ぐうたらしているからなのか・・・

 歌姫は 夫に作ったお弁当のおかずの残りを

 朝から平らげてしまうからでしょうか・・・

 正反対に 太ってきてしまいましたぁ(T_T)

 う~~ん。何とかしなければ!!




 今月の末には クリスマスイベントのコンサートで

 ベルの仲間と演奏があって・・・

 その時に 黒のロングドレスを着ることになっています。

 この分だと お肉がはみ出して・・・見苦しい状態!!

 はぁ・・・やっぱり・・・ダイエットせねば!!

 ということで 今月のフランス料理教室は お休みします(笑)





 昨日 ベルの練習が我が家であったので 写真に撮ってみました。

 ベルとトーンチャイムの違いが分かりますでしょうか?

 この2種類は 全く違う音色なんです。






 

 そしてついでに 大きくなったパンジーの花もお見せします。

 ナメクジにプリムラの葉っぱが食べられてしまって 可哀そう!!

 そのうちまた 大好きなナメクジ退治をしなければ・・・。



 うふふ・・・手で捕まえて生ゴミ機にポイしちゃうの(爆)

 ナメクジを手掴みできる女・・・ヨンジュンは嫌いかな・・・。

 農夫の妻には ピッタリではないかしらん(≧▽≦*)\(- - ) バシッ! 






 ヨンジュンといえば インフルエンザの予防のために

 外出は控えているとのこと・・・当然です!!

 それが大正解!! 本当に気をつけてもらいたいです。

 ヨンジュンに逢えると思って ランタンフェスティバルに参加した

 多くの家族の方々は お気の毒でしたが 仕方ありませんよね。

 ヨンジュンの健康が 第一ですもの(*^_^*)

 みなさん 十分に納得されて帰国されたことと思います。


 ソウルの街では ABの看板やポスターが見られたのではないかしら?





 今年の冬のABの写真も 素敵ですよね!!


 これからも ヨンジュンには仕事を選んで 

 温かくして 今年の冬を乗り切ってほしいと思います。



 


2009/11/13 08:07
テーマ:歌姫のひとりごと カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

お薦めです(^-^)

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  昨日から 風邪がぶり返したみたいで・・・

 喉が痛いんです。嫌ですね・・・(;一_一)

 今日は 我が家でベルの練習。

 先週もあって・・・10時からねって言ったのに・・・

 ハリキッテ9時半に来るメンバーもいたりして

 ああ・・・こんなことやってる暇はない(>_<)


 
 で・・・おととい届いて もう大満足の

 日刊スポーツがみたペ・ヨンジュン

 とっても素晴らしい内容です(^-^)


 


 写真もいいし・・・

 この中身が素敵なのは

 やっぱり 先日のインタビュー記事。




 この記事の内容が 濃くて素晴らしかったのは

 「韓国の美をたどる旅」の本を

 この日刊スポーツ出版社が携わっていたからでしょう。

 インタビューしている方が素晴らしい質問をしています。

 勿論、ヨンジュンが答えたその内容が 一番素晴らしいのは言うまでもありません!!







 まだ手になさってない方・・・

 絶対に買って損しません!!






 

  「韓国の美をたどる旅」と共に 揃えるといいと思います!

 


2009/11/12 23:59
テーマ:アニソナ カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

アニメ☆冬のソナタ☆第4話

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 はぁ・・・遅くなりましたが やっと書きあがりました(笑)

 今回は 一気に最後まで書きました。

 インタビューの疲れもあって(笑)

 なかなか上手く書けませんでしたがお許しくださいね。

 そして アニメなのですがアニメの画像が手に入らないので

 実写版の写真ばかりになりました。いいよね?(笑)

 では・・・アニメの脚本をお楽しみください(^-^)


 追記 きょこままさんが アニメの画像をくださいましたので・・・

 間に入れさせていただきました!! きょこままさん ありがとう~❤ 

 



 チュンサンの心無い一言で傷ついたユジンは 

 悲しみに襲われて夢中で走っているうちに 山の奥に入ってしまった。

 ユジンが我に返って ふと気がつくと

 いったい自分がどこにいるのだか 見当もつかなかった。

 驚いて来た道を振り返ってみても 暗がりで何がなんだか分からなくなった。

 (多分、ユジンは相当な方向音痴だ。)

 「チンスク!サンヒョク!!」ユジンは必死で 友達の名前を叫んだ。

 ユジンにしてみれば 山小屋の方向に走ったつもりだったのだろう。

 「ユジナ!ユジンどこだ?」サンヒョクも必死で 探しまわっていた。

 ユジンは下り坂を降りようとして 木の根につまずき転んでしまう。

 思いっきりコケタので 地面に突っ伏してしまい、もう涙が止まらない。

 なんで?どうしてこんなに辛いことが 連続で起きなくちゃならないの??

 戻れなかったらどうしよう・・・怪我の痛さよりも 心が悲鳴を上げていた。

 必死で立ち上がるが、片足をくじいてしまったのか 歩けなかった。

 すぐ傍にあった 木の根元にうずくまって泣くユジン。

 大粒の涙が頬を伝って 止まらなかった。


 
 それから どれだけ時間が経過したのだろう?

 懐中電灯の明かりが ユジンを照らし出した。

 ハッと気がついて 顔を上げて振り向くと

 その光の先には 嬉しそうな笑顔のチュンサンが立っていた。

 「ユジナ!」チュンサンが 声をかける。

 「チュンサンガ~。」消え入りそうな。それでも安心したようなユジンの声。

 チュンサンは優しい満面の笑顔で ユジンに近づいた。

 ユジンの目から また涙が溢れてくる。

 ヨロヨロ立ち上がると チュンサンがユジンを抱きとめた。

 ユジンをしっかり包み込むチュンサン。

 ユジンはチュンサンにしがみつきながら 子供のように泣きじゃくった。

 「良かった。見つかって・・・。本当に良かった。」

 チュンサンは 無事にユジンを見つけ出させた喜びでいっぱいだった。






 いつもでも チュンサンの腕の中で 声を上げて泣いているユジン。

 そのユジンの鳴き声を聞きつけたのか サンヒョクも近くにやってきていた。

 そして見てしまうのだった・・・。

 サンヒョクにとっては 胸が締め付けられるような二人の姿を。

 チュンサンは 怪我をしたユジンをおぶって歩いていた。

 そして 優しい声でユジンに語った。

 「ユジナ。嫌われても仕方ないけど・・・僕は本気だった。」

 ユジンの心を溶かすような 甘い声と言葉。

 その言葉に ユジンも優しく呟いた。

 「チュンサン。私も あなたのこと嫌いじゃないわ。」

 
 近くにいたサンヒョクは そのユジンの呟きを聞いてしまう。

 顔が曇るサンヒョクの顔。

 サンヒョクは 許せなかった。チュンサンが・・・そしてユジンが。

 なんでユジンを見つけたのがあいつなんだ!!なんであんな奴に騙されるんだ!!

 暗闇の中に サンヒョクの心も包まれてしまったようだった。





 人影を感じた気がしてユジンが振り返る。「何?」とチュンサンが聞く。

 「こっちで 大丈夫なの?」とユジン。「心配?」とチュンサン。

 うんと背中で頷くユジンに チュンサンが言った。

 「ほら。W形の星座が見えるだろう。」「カシオペア?」

 「そう。その隣のポラリスが見える?」「ポラリス?」

 「うん。北極星のことだよ。」「ああ、ポラリスって言うのね。」

 「今度 道に迷ったら ポラリスを捜すといい。」

 ユジンが聞いた。「星座は 季節で変わるでしょ?」

 「いや。ポラリスは 絶対に動かないよ。どんな時も同じ所にある。」

 ユジンを背負って歩くチュンサンは 本当に優しい声で 語りかけていた。

 ユジンは 不安のどん底からチュンサンに助け出されて

 彼の背中の上で 限りない幸福に包まれていたのだろう。

 ユジンはチュンサンに自分の体を預けて そっと目を閉じた。

 チュンサンも暗い山道を照らしながら

 契れかけてしまった ユジンとの絆をまた結びなおせて 

 心から幸せな気分で ユジンを背負って歩くのだった。

 二人が歩くその先に 山小屋が見えてきた・・・。


                              ここでタイトルが入る



         第4話《守れない約束》




 

 サンヒョクは 夕暮れにの鋪道を 怒って早足で歩いている。

 ユジンは後ろから「サンヒョク。サンヒョク。」と呼びながら 

 困ったように 一生懸命に追いかけている。

 そう。キャンプが終わって 駅で解散した後のシーンなのだ。

 「サンヒョク。ちょっと待ってよ!」

 ユジンが走ってやっとサンヒョクに追い付いて

 「サンヒョク!!何を怒ってるの?」と聞いた。

 そう言われてサンヒョクは 眉間に皺を寄せ、

 そして 大きく溜息をついてから 強い口調でこう言った。

 「本当に理由が分からないのか?君は チュンサンに利用されたんだぞ。

  誤解だって言ってたか?当然 謝ったろうな。

  ユジン。あいつは 誰かを本気で好きになるような奴じゃない!!」

 するとすかさず ユジンが言う。「私が好きなの。」

 「えっ?」驚くサンヒョクに ユジンは正直に言ってしまう。

 「チュンサンのことを 私が好きなの。」

 サンヒョクは もう目にいっぱい涙がたまって ユジンを見つめる。

 そして ユジンを振り切るように 家に向かって歩いて行った。

 「サンヒョク!」ユジンは どうすることもできなくて

 サンヒョクの背中を見つめて 深く溜息をついた。


 場面は変わってサンヒョクの部屋が映し出される。

 ドアの向こうで「疲れたからもう寝るよ。」と サンヒョクの声。

 ドアを開けて サンヒョクが重い足取りで入ってくる。

 そして机の写真に目をやった。

 それは サンヒョクとユジンが肩を組んで笑っている写真だった。






 

 夕暮れの校庭。焼却炉から煙が立ち込めている。

 焼却炉の前でかがみ込んでいるのは ユジンとチュンサンの二人だ。
 
 ユジンが両手で枯れ葉をすくって 火の中に投げ入れている。

 「燃やしてもキリがない。」チュンサンに向かってそう言った。

 「そうだね。」相変わらず 優しいチュンサンの声。

 「チュンサン。初雪はまだかな?もう降る頃よね。」ユジンが言えば

 「そのうち降るよ。」とチュンサン。「早く降らないかな。」とユジン。

 すると チュンサンが何かを思いついて 

 「ユジナ。雪を降らせようか?」と言って立ち上がった。




 

 枯れ葉のすぐ傍に置かれた台の上に乗って 両手で枯れ葉を集めて抱えるチュンサン。

 そして それをユジンの頭めがけて「ワ~!」と言って放り投げた。

 枯れ葉は散らばって 雪のようにユジンの上に降り注ぐ。ユジンは嬉しくて笑った。

 そしてそれを もう一度繰り返すチュンサン。

 「凄い。」と手を広げて クルクル回って喜ぶユジン。

 「ユジナ。初雪の日に 何するの?」チュンサンがそう聞くと

 「チュンサンは?」と逆にユジンが聞いてきた。

 「僕は 湖で誰かとデートかな・・・。」それを聞いたユジンは 嬉しそうに

 「もう1回。」と言いながら 自分の上に枯れ葉を投げ上げた。

 夕暮れの校庭には 明るい二人の笑い声が響いていた。






 所変わって ユジンの家。大きな窓の前に座って

 ユジンとヒジンが同じポーズで頬杖をつきながら 空を眺めている。

 二人は同時に 頬杖の手を変えて溜息をついた。

 きっともうすぐ雪が降る・・・二人はずっと待ち焦がれていた。






 そして場面は 町の郵便局。 受付のお姉さんが チュンサンに

 「年末で送れる場合もあります。」と言って何かを受け取った。

 チュンサンがドアを開けて郵便局を出ると チラチラ雪が舞っている。

 チュンサンは 一瞬驚いて そしてにっこり微笑むのだった。



 ユジンは台所で 食器を洗っている。そこへヒジンが走ってきて

 「お姉ちゃん。雪だよ!」と叫んだ。

 ユジンは 手にしたお皿を放り投げて「本当?」と 窓へと急いだ。

 慌て過ぎてつまずいて 窓に頭をぶつけるユジン。

 窓の外を見れば 本当だ!・・・初雪が空から舞い降りていた。





 そして雪が積もる並木道。

 ユジンが黄緑色のジャンバーを着て 一人で歩いてくる。

 首には白いマフラー。髪の毛もポニーテールで 実写版とそっくり!!

 そこへ ユジンをめがけ雪玉が飛んでくる。ユジンの首に勢いよく当たって砕け散る雪。

 飛んできた方を見れば 白いセーターに白いコート。

 赤と青の大胆な横縞のマフラーをした あのチュンサンが立っていた。

 肩の雪を払いながら 「ここで何してるの?」とユジンが聞いた。

 「待ち合わせ。君は?」とチュンサンが言えば「そうなんだ。私も待ち合わせ。」とユジン。

 チュンサンが近づいて「そうか。」と言って 二人並んで歩きだす。

 「来てないね。」「すぐ来るわ。」照れながら歩く二人。

 すると ユジンが倒れた古木を見つけて走って行き、またそれに乗っかる。

 バランスが取れず フラフラしていると チュンサンが「ほら。」と手を差し出す。

 二人はしっかり手をつないで歩いて行く。





 そして大きな雪だるまがもう登場。画面は横に流れて・・・

 ベンチで並んで 小さな雪だるまを作っている二人を映しだす。

 ユジンは 自分の雪だるまに大きな口をつけた。

 「雪だるまに口がいるの?」チュンサンが訊ねると ユジンは「あなたに話があるの。」と言った。

 「どんな?」とチュンサン。「あとで教えてあげる。」

 ユジンはチュンサンの顔を見ずに 恥ずかしそうに言うのだった。

 するとチュンサンはその大口のユジンの雪だるまと 自分の雪だるまをゆっくり近づけた。

 そして「さぁ」と言いながら ふたつの雪だるまの口をくっつけた。

 「キスしてる。」とユジン。「お前はいいなぁ。」と自分の雪だるまをの頭をなでるチュンサン。

 そのチュンサンの横顔を見つめて ユジンは少し考えると

 思いきって チュンサンのほっぺたにチュッとキスをした。

 驚くチュンサン。「これで羨ましくないでしょう?」とユジンは横を向いて恥ずかしそうに言った。

 嬉しそうに微笑むチュンサン。そしてやっぱり少し考えてから「ユジナ。」と呼んだ。

 「えっ?」とユジンが振り返ったその時だ! 

 チュンサンが思い切って 勢いよくユジンの唇を奪ったのだ。

 
 

 あまりの突然なチュンサンのキスに 目を丸くして驚くユジン。

 それでも二人は しばらくの間キスをしたまま動かなかった。

 時間が止まってしまったように・・・。



           



 夜の街。二人は肩を並べて歩いている。

 「今から私の質問に同時に答えるのよ。どれくらい相性がいいか調べるの。」ユジンが言った。

 「いいよ。」チュンサンが応じて ユジンが質問を始める。

 「好きな色は?」「白。」「好きな季節は?」「冬かな。」「好きな食べ物は?」

 「う~~ん。トッポッギ」仲良く顔を見合せて歩いていたが

 「なんで自分は言わないんだ?」とチュンサンがユジンを責めた。

 ユジンはじっとチュンサンを見つめて そして可愛く言った。

 「覚えておきたいの。あなたが好きなものを全部ね。」そして先を歩いて行くのだった。

 チュンサンは 心の中が温かくなるのを感じた。ユジンがとても愛おしかった。

 ユジンに追いつくと「今度は君の番だ。好きな花は?」とチュンサンが聞いた。

 「白いバラ。」「好きな動物は?」「子犬。あなたは?」「人。」

 「人?誰?」「大みそかに会ったら教える。」「じゃ。私も。」「何を?」

 「好きな動物。」そう二人の会話が展開し 大みそかのデートが成立した。


 そしてユジンの家に向かうバスの中。

 二人はいつもの一番後ろの左側に座っている。

 ユジンが チュンサンにピンクの手袋を片方渡して 

 それをはめたチュンサンはユジンとジャンケン。

 手袋の中でグーやチョキをする形が面白くて 二人は笑いあった。







 ユジンの家まで あっという間に着いてしまった二人。

 門の前で「じゃあね。」とユジンが言うと チュンサンは「ああ。」と言って

 離れずにユジンの顔を見つめていた。

 ユジンが自分の手袋をはずし「はめて。」とチュンサンに渡した。

 「大丈夫。」とチュンサンは断るが「寒いから はめて!」とユジンは強引に チュンサンに勧める。

 チュンサンは そのピンクの手袋をはめると 

 ”これでいい?”と聞くように両手を広げてユジンに見せた。嬉しくて笑うユジン。

 自分の身に着けているものを 今好きな人が身につけてくれている・・・

 そう思うと ユジンは嬉しかったのだと思う。

 「あの。」「あのさ。」二人が同時に言葉を発して重なった。

 ユジンが先に言ってと促すと チュンサンが言った。

 「ただ”大みそかに会いたい”って・・・。ユジンは?」

 「ご飯食べて行く?」ユジンが夕食を誘ったのだ。嬉しいチュンサン。

 ユジンは チゲ鍋を手際よく作っている。きっといつもの光景なのだろう。

 チュンサンは 落ち着かないように 立ったまま部屋を見回している。

 「この家はパパが設計したの。元々は画家だけど、設計の仕事を凄く楽しんでたわ。」

 (ええっ??ユジンのお父さんって画家だったんだ!!驚く私。)

 「だからあの話をしたの?」とチュンサンが聞いた。

 「”好きな人の心が一番素敵な家だ”?」ユジンが料理をしながら答えた。

 「その意味が分かる気がする。」そう言いながら 壁にかかった家族写真に目が止まる。

 それはスーツを着たユジンの父がユジンを抱き、母がヒジンを抱いている写真だった。

 「この方か。」チュンサンは ユジンの父親の顔をしげしげと見つめた。

 その時、ヒジンが自分の部屋から大きなアルバムを抱えて「お兄ちゃん。」と出てきた。




 「お姉ちゃんの小さい時 見る?」「どれどれ」チュンサンはワクワクしながら アルバムを開いた。

 ユジンが隣の台所から「ヒジン。私の悪口言ってるの?」と 二人の様子を心配するユジンが叫ぶ。

 ユジンの幼い頃の写真に興味深々のチュンサン。「可愛くないよね。」とヒジン。
 
 「そうだね。可愛くないね。」と笑って「ヒジンは可愛いのに。」と言う。

 「私はお姉ちゃんと違って 好き嫌いは言わないわ。それにお姉ちゃんは いつも寝坊して・・・」

 そこまで言うと 慌てて台所から走ってきたユジンに口をふさがれてしまう。

 「ヒジン。お手伝いしてよ。」「嫌だ。ここにいる。」「ご飯が早くできたら お兄ちゃん喜ぶよ。」

 そんな会話の最中も チュンサンは楽しそうにアルバムのページを次々にめくっている。

 そして「あっ!」と思わず声に出して驚いてしまう。

 そこには ユジンの父親と自分の母とサンヒョクの父が3人で並んでいる白黒写真だった。

 そう・・・自分が肌身離さずに持ち歩いているあの白黒写真。

 自分の写真とは違い、母親の隣にはユジンの父がいて 二人はしっかり腕を組んでいる。

 心底驚くチュンサンは「この写真は?」と小声で聞いた。

 「父の写真なの。サンヒョクのお父さんと3人とも同級生よ。」そう言うと

 ユジンは嫌がるヒジンを連れて台所へ戻って行きながら「綺麗な人でしょ?」と言う。

 「お母さんはただの同級生って言うけど 腕を組んでるなんて変よ。」そう言うユジンの声。

 チュンサンは 自分の写真を取り出して アルバムの写真と比べてみた。

 それは 紛れもなく同一の写真。自分の写真は ユジンの父親だけを燃やしてあるのだった。

 「恋人だったのかもね。」そのユジンの声に チュンサンは大きなショックを受ける。

 チゲ鍋が完成して テーブルに乗せると ユジンは妹に向かって

 「ヒジン。お兄ちゃんを呼んで来て。」と言った。「分かった。」と走って呼びに行くヒジン。
 
 「お兄ちゃんいないよ。」ヒジンの声に驚くユジンが 居間に戻ってみると

 そこには チュンサンの姿がなかった。ただ、アルバムが開きっぱなしで置いてあるだけだった。

 「さっきまでそこにいたのに。」「おかしいわね。」二人の姉妹は さぞかし

 チュンサンが突然消えてしまったことに驚き、そしてがっかりしたことだろう。


 
      


 チュンサンは 夜道を夢中で走っていた。心臓がドキドキして苦しかった。

 今までずっと サンヒョクの父が 自分の父親だと信じていたのに・・・。

 母の恋人がユジンの父親だとすれば 自分はユジンと腹違いの兄弟になってしまう。

 チュンサンは混乱していた。 急に訪れた不安に今にも押しつぶされそうで・・・。 

 チュンサンは電信柱に寄りかかって 悲しいほど大きな不安と格闘している。

 「あなたの父親はいない。死んだのよ。」ミヒの声が聞こえた。

 チュンサンは必死でその声を払いのけ 

 真実を確かめるためにサンヒョクの父の大学を目指した。

 違う!違うに決まっている。違っていてほしい・・・

 チュンサンの心はそんな思いで溢れていた。


 「こんな時間に何かね?」驚いたようにサンヒョクの父ジヌは チュンサンを迎えた。

 しかし優しく 温かいお茶を入れてチュンサンに勧めるのだった。

 チュンサンはうつむいたまま「ピアニストのカン・ミヒさんを知っていますか?」と聞いた。

 ジヌは驚いて「なぜそれを?」と聞いた。チュンサンは 険しい表情でうつむきがちに言う。

 「ユジンの家で3人の写真を見て・・・」「ああ。あの写真がまだ残っていたのか。」

 ジヌは懐かしそうに言う。「そう。ユジンの父親は一番の親友だった。」

 「カン・ミヒさんは?」とチュンサン。ジヌは不思議に思って 眼鏡を外しながら

 「なぜそんなことを気にするんだ?」と聞いた。チュンサンはまだうつむいたまま

 「カン・ミヒさんの大ファンなんです。

  彼女とユジンのお父さんが親しい仲だったって本当ですか?」

 やっとチュンサンは顔をあげて まっすぐジヌの顔を見た。ジヌは少し困ったように

 「こんな話を 君にするのも何だが、恋人同士だったよ。

  ヒョンスが結婚後、ミヒは姿を消したんだ。」そう言った。

 チュンサンは大きな目を見開いて ジヌの言葉に動揺する。

 そして押し殺したような声で聞いた。 「それじゃ 先生は?」

 「ただの友人だ。片思いさ。ミヒはヒョンスが好きだった。」

 ジヌのその言葉に チュンサンの顔が険しくなった。

 胸が張り裂けそうに苦しかったから・・・。

 「最初から・・・昔の話だがね・・・。」ジヌはそう言いながら 

 ミヒのCDをプレーヤーに入れてスイッチを押すと”初めて”の曲が流れだした。

 「いつもヒョンスが歌っていた曲だ。専攻は美術だったが、多才な奴でね。

  自分が作曲したこの曲をミヒにあげたんだ。」


 ミヒの弾く”初めて”が流れる 暗い大学の廊下を

 チュンサンは悲しみを抱えて とぼとぼ歩いている。

 泣きたい気持ちでいっぱいだった。廊下の窓に自分が映る。

 「あなたの父親はいない。死んだのよ。」・・・母の声がまた聞こえた。




 



 ユジンの家。ヒジンがアルバムに突っ伏して うたた寝をしている。

 ユジンは優しく「ヒジン。ここで寝ちゃダメよ。」と起こしてあげる。

 ヒジンは 寝ぼけ眼で「ママは?」と聞いた。「まだだよ。」とユジン。

 もう夜も更けていた。姉妹は二人きりで 母の帰りを待っている。


 チュンサンは放心状態で 薄暗い電信柱の陰でうつむいて立っている。

 母が父親が死んだと言ったのは本当で そしてそれは・・・ユジンの父親だった。

 チュンサンが初めて愛したその人は 血を分けた兄妹だった。

 チュンサンは もうユジンには会えないと思った。

 そして画面は チュンサンの家を外から映す。チュンサンの声が聞こえる。

 「母さん。決めた。アメリカに行くよ。」チュンサンは母親に電話をかけている。

 「すぐ支度する。」チュンサンは 暗い声で呟くように言った。

 家の外では 雪が静かに降り積もっていった。





 


 31日の大みそかに丸印があるカレンダーが映る。ユジンの机に置かれたカレンダーだ。

 ユジンは鼻歌を歌いながら 鏡を見ながらマフラーを巻いている。

 今日がその約束の大みそかだった。

 真っ赤なセーターに 白いマフラー。

 ユジンはとびっきりお洒落をして出かけたかった。

 今日は 特別な日になるはずだから・・・。

 チュンサンに告白されたら 私も素直に彼への気持ちを伝えよう。

 ・・・「あなたが 好き」・・・ ユジンが 初めて男性に 告白する日。

 それが 今日の大みそかの日だった。


 「怪しいな。」ヒジンがユジンの様子を見ながら言った。

 「あのお兄ちゃんと会うんでしょ?」鋭い妹の質問に

 「ち、違うわよ。・・・ヒジン、どっちのマフラーがいい?」

 ユジンは 緑のマフラーを手にして誤魔化した。

 「どっちも変!」とむくれるヒジン。

 しかし、ヒジンはゆっくりあち上がると「貸してあげる。」と言って

 自分の大事なウサギの可愛い耳あてを差し出した。

 「お兄ちゃんにいいとこ見せなきゃ。」

 「そうね。」ユジンは おませなヒジンが可笑しくて、可愛くて ヒジンの頬っぺたをつねった。

 

 雪が降る中、車を走らせてミヒは空港に向かっていた。

 運転手に向かって「飛行機に間に合うかしら?」と聞いている。

 「どうかな。この渋滞ですからね。」そう答える運転手の隣で 

 チュンサンが暗い顔で外を眺めている。

 
 雪が降る商店街。道路の真中に ツリーの形をした街灯が立っている。

 ユジンは雪の中を歩いて そのツリーに到着した。

 車の中のチュンサンは 頬づえをついてボ~とした顔をしている。

 窓の雪を見て あっと何かを思い出した。

 ポケットに手を突っ込むと ユジンのピンクの手袋があった。

 チュンサンは その手袋を握り締めて「止めて!寄るところがある。」と言いだした。

 「駄目よ。そんな時間ないわ。」とミヒがきつく言う。

 「約束があるんだ。少しでいいから。」チュンサンは必死で頼み込む。

 ミヒは大きく溜息をついて言う。「電話でいいでしょ。」「お願い。少しでいいんだ!」

 チュンサンは後部座席に座っている母親を振りかえって懇願した。

 「駄目よ。このまま行って!!」ミヒは強い口調で運転手に命令した。

 我慢できなくなったチュンサンは シートベルトを外して 車から外に飛び出した。

 勢いよく飛び出したので 雪で滑って倒れてしまうが 

 すぐに起き上がりチュンサンは走り出す。

 「チュンサン!待ちなさい!!」ミヒも追いかけて出てくるが

 チュンサンは振り向きもせずに 必死でユジンのもとへ向かった。

 ユジンは待っている。何も知らないで、自分が来るのを待っているはずだ。

 2度と会うまいと心に決めたはずだったのに・・・チュンサンは会いたかった。

 ユジンとの約束を やはり守りたかったのだ。


 ユジンはどのくらい ツリーの街灯の下でチュンサンを待っているのだろう・・・。

 ジャンバーのポケットに手を突っ込んで いじらしくじっと待っていた。

 ふと 道行く人の中にチュンサンを見つけた。

 しかしユジンには見向きもしないで去ってしまう。

 ユジンは追いかけて「チュンサン。」と呼ぶと 

 振りかえったその男は 見知らぬ中年男だった。

 「すみません。」悲しい思いで 頭を下げて謝るユジン。

 傍にあった募金箱に ユジンはお金を投げ入れた。

 チュンサンは 必死でユジンのもとへ走っている。

 ユジンは手袋をした手に ハァ~と息を吹きかけて寒さを我慢している。

 (ユジンはチュンサンに貸した手袋以外にも 

  同じピンクの手袋を持っていた!!(@_@;)


 雪が降り続ける中、チュンサンはめちゃくちゃに道路を駆け抜ける。

 すると急に チュンサンの目の前に大型トラックが突進してくる。

 驚くチュンサン。画面は見開いたチュンサンの大きな眼のアップになって

 ユジンとつないだ手が現れる。「ユジナ。」チュンサンの声がした。

 街灯の下のユジンは 花火の音で空を見上げる。

 年越しを祝う花火が雪の空を美しく飾っていた。

 チュンサンは来なかった・・・。

 どうしてなんだろう。ユジンは泣きたい気持ちだった。





 高校の教室。誰もいない薄暗い教室のチュンサンの席には1輪の白い花が活けてある。

 激しく泣くユジンをサンヒョクがなだめてる絵が映る。

 ユジンがチュンサンの死を知って教室を飛び出し チュンサンを探そうとするシーンだ。

 ユジンが泣きながら喚いている静止画。

 泣き顔のユジンのアップ。そして夕暮れの湖で 

 放送部の仲間がチュンサンのお葬式をしている絵。

 「お葬式だから 何か燃やさないと・・・。」ヨングクの声がした。

 ジンスクがすすり泣いている。

 「チュンサンの物は何も残ってないな。・・・紙でも・・・。」

 ヨングクがそう言うと 紙にライターで火をつけた。

 そして「チュンサン。さようなら。」

 そう言ってみんなで 空へ向かって紙を燃やした。

 サンヒョクが「ユジナ。」と心配して言うと

 ユジンは涙も見せずに「チュンサンの顔が思い出せない。

 思い出せないの。」空を見上げてそう言った。





 ユジンがチュンサンとピアノを弾いた講堂。

 映画に誘われた放送室。二人で過ごした焼却炉。

 画面は次々に二人の高校の思い出の場所を映し出してから 

 真っ暗なユジンの部屋を映す。ユジンが部屋に入ってくる。

 リュックサックを下してコートを脱ぎ 机に目をやると

 机の上に小さな小包が置かれていた。

 宛名はユジンなのだが 送り主の名前は書いていなかった。

 開けてみるとカセットテープだった。





 早速ラジカセで 聞いてみるユジン。スイッチを押せば 

 「あははは。驚いた?遅れたけどプレゼントだよ。メリークリスマス!うふふ。」

 あの優しいチュンサンの明るい声だった。

 そして流れてくるのは”初めて”のピアノ。

 あなたが弾く方がいい・・・ユジンにそう言われて 

 チュンサンはユジンのために

 カセットテープに自分が弾いて録音してくれたのだった。

 チュンサンの奏でる”初めて”のメロディー・・・。

 ユジンは あの日の講堂でのチュンサンの姿を思い出した。

 驚いているユジンの横で 微笑みながらピアノを弾いていたチュンサンを・・・。

 すると ユジンがずっと我慢していた悲しみが 一気に込み上げてくるのだった。

 ユジンは机に突っ伏して 肩を震わせて思いっ切り泣くのだった。

 
 
                              ここで第4話の終了です。
 

 

 

  

 

 

 


 
 

 

 

 

 
 

 

 

 

 


 

 

 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 


 

 
 


2009/11/12 09:18
テーマ:歌姫のひとりごと カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

昨夜のキハ

Photo

 また 夜更かしして観てしまったぁ・・・。

 昨夜は キハに思い入れのある方は またまた涙だったろう。

 キハ・・・本当に 悲しい定めの女。

 前世がカジンだったばっかりに・・・。






 そうそう・・・実家の両親が 毎晩録画して観てるのです。

 昨日電話したら 母親は

 「剣で胸を突き刺すとか、怖くて嫌だわ。」とまず否定的なことを言う。

 「でも頑張ってみて見るわよ。」と 本当に可愛くない言い方をする。

 うん・・・全く、母は素直でない。

 そこへ「代わってくれ!!」と父の声。

 父は 私の電話を待っていたようだった。そして真っ先に

 「おい。あのキハとスジニ・・・ホゲ。・・・どうなるんだ??
 
  あの四角関係・・・この先どうなるのか教えろ!!」ときた。

 はっはっは!!しっかりテサギの虜になってる父なのであった。

 私は「それを言ったら つまらないでしょうに!!」

 「どっちとくっつくんだ?ちょっとでいいから 結末が知りたい。」

 「嫌だね。そんな単純なお話じゃないから言わない。

  ただず~っとこの四角関係は 最後まで続く・・・。」

 「ええっ?これを最終回まで引きずるのか??」

 「うん。」と私は父に対して 物凄く優位に立って喋っていた。

          快感~!!(爆)

 で、私は興味があって聞いてみた。

 「ねぇ、パパはキハとスジニ、どっちが好き?」

 すると父は答えた。

 「俺はスジニがいいぞ!」だって!!(*^_^*)

 えへへ・・・スジニが好きな私は嬉しかったぁ♪


 でも夕べの13話を見たら キハにも同情するのでしょうか?


 またまた 以前公式にUPしたものの中から抜粋します。

 この13話のキハのセリフは 私も大好きなんです。




 

 ケマ騎兵隊と共にホゲ軍に出向くことになったキハは・・・。

 出発前、大長老に 真のチュシン王はタムドクだったのに 

  なぜ火天会はホゲを王とするのかと訊ねる。

 すると大長老は 必要なのは真のチュシン王なのではなく 

  チュシン王の血を継ぐ男なのだと言う。

 その血と四神の神器があれば天の封印が解け 

  自分たちが世界を征服することができるという。

 タムドクの子を身ごもっているキハは 

  もし第3のチュシン王の血を受け継ぐ者がいたらどうするのかと聞くが

 その答えは キハを絶望させるものだった。

 必要なのはチュシン王の血を受け継ぐ男の血なのだ。血さえあればよい。

 天の封印を解き 天の力を得たら 

  天の手先の者はこの世に残してはならないのだ。

 所詮 生まれ来る命も 火天会のために捧げなければならない。

 生きる希望を失ったキハ。

  タムドクの心変わりに対する怒りと絶望がキハを支配していたし

 さらに火天会に操られるだけの自分と生まれ来る子供の運命を思うと 

  益々悲しみと絶望がキハを襲うのだった。

 ケマ騎兵隊とホゲ軍へ向けて旅立った途中で 

 キハはこっそり抜け出し崖の上に立つ。

 

 「あの人は聞きもしなかった。
 
   ”その話は本当なのか?”と聞いてもくれず 私を殺そうとした。

  私を信じていなかったのに なぜ私を傍に置いたの?

  私は何だったの?
 何が間違っていたの?

  朱雀の守り主になりたいと望んだことはない。

  火天会の望み通りにしただけなのに・・・なぜ?

    私が望んだのは ただひとつなのに。

  あの人だけだったのに・・・それが大きな罪なの?

  火天会もあの人と同じだわ。私が必要だから利用したの。

    そして捨てるのよ。あの人がしたように。
 
  捨てる前に言うべきだわ。

    ”ありがたく利用した。もう必要ないから捨てる。すまない”と。」

 

  キハを追ってきたサリャンはそんなキハを見つけて 必死で説得する。

  キハの妊娠を知るたった一人のサリャン。

   キハの唯一の味方であるサリャンは言う。

 「それで飛び降りる?そんな風に逃げるのですか?お腹の子供も道ずれにして?」

 「どうせ死ぬ運命よ。

    私のように利用されて殺されるのを 傍で見ていられない。」とキハ。

 「利用してください。キハ様。キハ様が利用する番です。

    この世も、あの世も 火天会も・・・

  嫌なら捨ててください!それでこそ お子様を守れます!」

   キハを想い、心から叫ぶサリャン。

 「この子は望んでいるのかしら。

    こんな悲しい世に生まれるのを。私はこの世が嫌いだけど、あなたはどう?」

  涙が溢れて そうお腹の子に尋ねながら キハは崖から身を投げる。

  すると 不思議なオーラが現れて キハは地上に引き戻されるのだ。

 チュシン王の血を消してはならぬ・・・そう天が計らったのか。

 または 生まれ来るチュシン王の子が その母を助けたものなのか。

 キハは知る。自分は生きて この天の子を産まなければならないのだと。

 そしてそのオーラを目の当たりにしたケマ騎兵隊長

 チョ・グァンは やはりキハが朱雀の守り主であると改めて確信し、ひれ伏すのだった。
 
 サリャンもまた、キハが天の子を身ごもったと改めて知ることとなる。

 サリャンはタムドクがチュシン王だと この時確信したはずだ。

 しかし キハの妊娠など知る由もないチョ・グァンは それが分からなかった。 
 





 キハは あの雨の晩。タムドクが自分を殺そうとしていると思った。

 それで怖くて タムドクに近づけなかった・・・。

 キハを殺そうなんて タムドクが思うはずもないのに。

 ただ キハが火天会の一味だということをこの目で知って

 そしてそれを今まで ずっと自分に隠していたキハが許せなかた。

 その怒りだったのに・・・。

 何も弁解しなかったのは キハ。

 キハを100%信じていた自分が 少しずつ不安になっていく。

 そしてキハを信じられなくなって、心が離れていく・・・。

 裏も表もなく、信頼できるスジニに心惹かれて行く・・・。

 そんなタムドクの気持ちが 私にはよく分かる。


 

 

 

 


2009/11/11 08:52
テーマ:歌姫のひとりごと カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

笑顔の練習

Photo






 ヨンジュンは 昨日、大統領夫人とお会いしたのね。

 韓食世界化推進団の名誉会長をしてらっしゃる大統領夫人と

 その推進委員であるヨンジュンが 

 韓国料理についての内容で会談したようです。







 ヨンジュン、やっぱり俳優以外のお仕事で

 病み上がりだというのに・・・

 ひっぱりだこで 忙しそうですね。

 今日もイベントなんだっけ??

 ああ・・・大変だぁ!! 頑張れ~!!


 



 
 この大統領夫人の金さんって とっても気さくな感じの方のようで

 ヨンジュンも 楽しそうにお相手してますね。

 東京では 日本の鳩山首相夫人ともお会いしているし・・・。

 その時の夫人も嬉しそうな顔で 写真に写ってましたね。





   


 うふふ。一国の頂点に立つ男の妻が 

 ヨンジュンに会いたい!!って思ってくれて・・・

 そしてヨンジュンの前で この笑顔(*^_^*) 

 ヨンジュンの家族としては 気分いい~♫








 それにしても・・・です!!

 こんな風に ヨンジュンのカメラの前に立ったら

 歌姫は足がガクガク・・・顔は緊張して

 きっと、笑顔なんてとても作れそうにない(>_<)




 
        流石、大統領夫人!! 凛として試写体になってます。




 


 そういえば 東京ドームで

 ヨンジュンは 家族写真が撮りたいって言ってたよね。

 うう~~ん。それってどんなシチュエーションで??

 偶然 ヨンジュンに出会った時に「家族です!!」って申請したら

 では「ハイ。チーズ!!」ってなるんだろうか??

 それなら 笑顔の練習 しとかなくっちゃ!!(笑)



 


   そうそう・・・笑顔といえば・・・

  昨夜のタムドクとスジニ(*^_^*)

  第12話の中の タムドクの書斎でのシーン。大好きなんです。

  また公式に書いた解説の一部から抜粋で

  ここに付け加えさせていただきます。


 


  キハはこっそり夜更けにタムドクに会いに行く。

   自分に新しい命を与えた本人のもとに。
 
  タムドクの屋敷に忍び込んで キハが目にしたのものは・・・

  タムドクが可愛いスジニに向ける くったくのない明るい微笑みだった。

  酒好きのスジニが 王宮の酒蔵に忍び込んで持ち出した酒を飲もうと

  夜更けにタムドクの書斎にやってくる。

  タムドクは山のような文献に目を通すため 

   毎日寝ずに仕事をしていたのを知っているスジニ。

  タムドクが心配でもあるし 酒も飲みたいスジニ。

   一石二鳥でタムドクの手を休めてもらう算段だった。

  特別高級な酒を持ち出し 

   これは王様の酒だからと まず王様が飲むように勧め 

  自分はその飲み残しをもらいうけるつもりだった。

  「一口どうぞ。」と笑って言うスジニ。タムドクは仕方なく飲んでみせるが 

   スジニがあまりにも酒を欲しそうな様子なので可笑しくて仕方ない。
 
  わざと なかなか酒壺を返さずにもう一口の飲んで

 「香りはいい。でも、味は・・・。」とまた一口。

 「随分、きつい酒だな・・・。」とガバガバ飲んでしまいそうな

   タムドクに スジニは怒りそうになる。

  すると「マズイ。」と言って 酒壺を放り投げるタムドク。

   慌てて受け取るスジニ。

  邪心のまったくない可愛いスジニが 

   タムドクの傷ついた心を 唯一癒してくれるのだった。

  部屋から出て行こうとするスジニを 引き留め傍にいろと言い、

   無邪気に酒に酔うスジニを笑うタムドク。


  スジニの笑顔を 心のどこかで独り占めしたいタムドクがそこにいた。


 その様子を遠くで見つめるキハ。

  タムドクは自分と離れている間に 

  あんなに楽しそうにあの娘と笑い合っている。

 二人の間に生まれた”絆”を感じて 

  タムドクの心が自分から離れた・・・とキハは誤解するのだった。

 自分はタムドクに捨てられた・・・。そう思うキハは 

  悲しみの中、タムドクに背を向けて ホゲのもとへ戻って行った。

  


 


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