2009-09-02 01:50:03.0
テーマ:【創】恋がいた部屋 カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

【BYJシアター】「恋がいた部屋」5部-1






BGMはこちらで^^




BYJシアターです。

本日は「恋がいた部屋」5部です。


今まで、元の形でアップしてきましたが、
ちょっと長いので、短く区切ってアップします。


もともとは、何日もかかってアップしていったものなので、
読まれる方もゆっくり読めたんですが、
ここでは一日置きなので、こんな量はちょっとしんどいですよね。

ということで、
オリジナルとは、切れる部分が変わりますが、

お楽しみください^^




これより本編。
ではお楽しみください。




~~~~~~




恋を失うというのは
どんな状態だろう


あなたが
心の中から消えてしまうことか

それとも
現実的に
別れた状態を言うのか
  


あなたのいない世界を
考える

あなたと
交わした言葉を
忘れる・・・  


そんなことは
私にはできない



そんなことを
してしまったら

私が
私でなくなってしまうから


  
あなたなしには・・・
私は
存在しないから









「こんにちは」
「いらっしゃい」

ヘスがミンスの新しいマンションへ遊びにやって来た。



ミ:どんどん中へ入って。
へ:うん。はい、これ。ケーキ。
ミ:ありがとう。
  

へスは部屋の中へ通されて、リビングの窓から外の景色を眺めた。





主演:ぺ・ヨンジュン
    チョン・ジヒョン
    キム・へス

【恋がいた部屋】5部-1







へ:ここ、見晴らしがいいわねえ。
ミ:でしょ? ねえ、紅茶にする? ローズヒップティもあるけど・・・。
へ:それがいい。そっちにして。
ミ:わかった・・・。

へ:ずいぶん広いのねえ・・・。(今度は部屋の中を見る) ここって・・・ワンルームだったの?
ミ:そうよ。だけど、私には使いにくいから、カーテンで部屋を仕切っているの。あっちはベッドだけ。
へ:そうお・・・。


ヘスは部屋の中の家具を眺め、大きく息をついてから、ソファの背を手でなぞりながら、ダイニングテーブルのほうへ戻ってくる。


ミ:お姉ちゃん・・・。ここの家具は全部私のよ・・・。(姉を見つめる)
へ:わかってるわよ・・・。でも、ヒョンジュンのもあなたが選んであげたんでしょ?
ミ:・・・。


姉妹はちょっと見つめあった。



その通り・・・。

ヒョンジュンが新しいマンションに移る時、家具は全てミンスが選んだ。



「おまえの好きなのでいいよ」
「でも・・・」
「そのほうが一緒になってからでも使えるじゃない」
「やだあ」(うれしそうな顔をする)
「そうだろ? そうして」
「うん!」


ヒョンジュンとミンスはまるで新婚のように、二人で、家具やカーテンを見て回った。



だから・・・ここにある家具も同じテースト・・・。
カーテンもそう・・・ベッドも同じ・・・。
お姉ちゃんにはわかるのね・・・。
  



ミ:おねえちゃん・・・モンブラン・・・。
へ:そうよ。(席に着きながら)あいつの好きだったやつ・・・。なんでこんなマズイの好きだったのかしらね。(笑う)
ミ:私も好きよ。
へ:実は私も。(笑う)


ミ:好きなお店のだわ・・・。
へ:うん・・・。

ミ:お茶が入ったわ。食べよう。
へ:うん・・・。
  
へ:あいつって、子供の頃から、栗とかお芋が好きだった。(思い出し笑いをする)
ミ:そう?
へ:うん・・・。だから、しょっちゅう、プープーしてたわよ。
ミ:やあだあ・・・。(笑う)

へ:ジェンスとヒョンジュンと三人で、よく遊んだ・・・。
ミ:お兄ちゃんのこと、よく覚えてないの。
へ:そっか、うん・・・。あの子が死んだのって、12の時だもん・・・。あなたはまだ5つで・・・。覚えてるわけないよね・・・。

ミ:ヒョンジュンとは、どこで再会したの?(ケーキを食べる)

へ:ソウルの本屋さんで・・・。デートの前にね、時間潰してたら、あいつが声をかけてきたの。「ヘス姉さん?」って。その時、私って、ちっとも顔が変わってないって言われちゃった。ちゃんとお化粧してキレイになってたはずなのに・・・。(笑う)あいつは・・・カッコよくなってたけどさ・・・。(ケーキを食べる)

ミ:それで・・・恋に落ちたの?

へ:というかね・・・。その時、時間があったから、一緒にお茶を飲んだのよ。そしたら・・・ジェンスを思い出しちゃったの・・・。あいつと、すごくよく似てるんだ・・・。表情とか癖が・・・。それで・・・別れた後、また会いたくなっちゃって・・・。

ミ:ふ~ん・・・。お姉ちゃん、別れたあと、「考えてみたら、ヒョンジュンは弟みたいなものだった」って言ってたよね・・・。
へ:そうだっけ? 忘れちゃった・・・。そんなこと、言ったんだ・・・。ミンスは、どうやって知り合ったの?

ミ:画廊に食器を納めに行って・・・。そこに彼がいたの。画廊のチェスクさんて、お姉ちゃんも挨拶したことあるでしょ? あの人が紹介してくれた・・・。私の名前を聞いて、あのミンス?って、彼が驚いて・・・それから・・・。

へ:そうかあ・・・。全部、ジェンスが引き会わせてくれたんだね・・・。
ミ:うん・・・。


へ:ねえ、それにしても、ここって、一人で住むには高くない? 大丈夫? 赤字でしょう?
ミ:まあね・・・。でも、お金がなくなったら、それでおしまい・・・。


へ:金の切れ目が縁の切れ目?
ミ:・・・たぶん・・・。
ヘ:・・・そう・・・。

ミ:それまではいるわ。(微笑む)
へ:なんで、結婚しちゃったんだろうね・・・。考えてもみなかったなあ・・・こんな結末。
ミ:・・・。



ミンスが両手でマグカップを包み込むように持った。



へ:ずいぶん、金色が濃いのね、その指輪。
ミ:そうお? 24金だからかな。
へ:へえ、そんなのつけてるんだ。すごくおしゃれね。太くって。ミンスに似合ってるわよ。でも、あなた、そんなところにしてたら、モテないわよ。中指にしたら?


ミンスは、左薬指にはまっている指輪を見た。


ミ:でも、これ、サイズが小さいの。中指だとはまらなくて・・・。今は、どこの指にはめてもいい時代よ。お姉ちゃん、古いわね。
へ:そうかな・・・。(指輪を見ている)少し伸ばしてもらったら?
ミ:いいのよ・・・ここで。


ミンスは右手で指輪を触った。
  

へ:ねえ、あなたに聞くのもおかしいけど・・・なんで、ヒョンジュンが結婚したか、知ってる?

ミ:・・・うん・・・。それはね。

へ:どうして? あなたとうまくいってたじゃない。
ミ:・・・あっちに赤ちゃんができちゃったの・・・それで・・・。父なし子にはできないからって・・・。ましてや、中絶なんて駄目だって言って・・・。

ヘ:・・・浮気してたの? (驚く)
ミ:・・・うん・・・。
へ:そうなんだ・・・。ショック・・・。あなただけを愛してると思ってたのに。

ミ:それが・・・ちょっとした心のスキだったと思う・・・。本人はその時だけって言ってたけど・・・。それでも・・・。(辛くなる)
へ:それにしても、どんな女?
  

ミンスは、ヒョンジュンが結婚したソルミの話をかい摘んで話した。
ヘスもやるせない顔になった。


二人はしばらく黙ってお茶を飲んだ。
  

へ:辛かったね・・・。
ミ:・・・。
へ:そんなことがあったんだ・・・。愛だけじゃ超えられないこともあるのね・・・。
ミ:・・・。


ヘスは、ミンスをじっと見つめた。
  

へ:ミンスは・・・本当に知らないんだ・・・。
ミ:何が?
へ:私たちが別れた理由・・・。
ミ:うん・・・。

へ:もう終わったことだから・・・話しておくね。
ミ:秘密にしておきたかったら、言わなくてもいいよ。もうヒョンジュンはいないんだし・・・。
へ:うううん・・・こういう時こそ、妹のためにならなくちゃ・・・。あなたに教えてあげたいの、なんで・・・ヒョンジュンが結婚しちゃったかもわかるかもしれないから・・・。


ミ:・・・。
へ:さっき、本屋でデートの前に時間を潰しているところで、ヒョンジュンと会ったって言ったでしょ? 私、その頃、会社の人と・・・不倫してたの・・・。それが・・・ヒョンジュンと付き合い始めても別れられなくて・・・。

ミ:・・・お姉ちゃん・・・。(内心驚く)

へ:両親や周りの反対だけで、駆け落ちしたんじゃないの・・・。ソウルにいると、私がズルズルしちゃうからって・・・ヒョンジュンが二人でどっか違う所へ行こうって言って・・・。それで、駆け落ちしたの・・・。
ミ:・・・。
へ:ヒョンジュンは若かったけど、男らしかった・・・。オレがおまえを食べさせてやるからとか、言っちゃって・・・。なのに・・・。
ミ:なのに?

へ:駆け落ちした先でわかったことは、私が妊娠してたこと・・・その人の子をね。
ミ:・・・。
へ:それで・・・。



ヘスは言葉につまって、上を向いた。

姉の目が涙でキラキラと光っているのを見て、ミンスは確信した。姉は当時のことを後悔している。いや、今でもヒョンジュンのことが好きなのだと。

  
へ:それでね・・・。その田舎町の設備もよくない病院で中絶することにしたの・・・。
ミ:・・・。
へ:ヒョンジュンは止めたわ。ソウルに戻ってちゃんとした病院へ行けって。こんなところでするのはやめろって。あまりに怒ったように言うから、あの時の私は、意地になっちゃって・・・結局、ヒョンジュンを付き合わせちゃった・・・。それで・・・自分から別れを言ったの・・・。

ミ:・・・。愛してたんでしょ? ヒョンジュンを?
へ:まあねえ・・・。でも、私がひどいことしちゃったのよ。だから、仕方ないの。それに・・・その時、感じたの・・・。ヒョンジュンは、私を肉親の姉のように思っていて、私のバカみたいな不倫をやめさせるために、私を田舎町まで引っ張っていったんじゃないかって。・・・なんだか、私の中で、彼を愛していることや、彼が私を愛してくれる理由がわからなくなっちゃったの・・・。それで、自分から別れを言ったの。

ミ:今はどう思ってるの?
へ:ヒョンジュンにとっての私は・・・半分、アネキだったと思う・・・。懐かしかったアネキ。その懐かしさと恋が、彼の中でごっちゃになってたんじゃないかって思う・・・。彼が気がつかなくてもね。
ミ:どうしてわかるの?
へ:あなたといるのを見て、確信したの。彼は私を姉として、守ったって・・・。あなたには・・・ホントの心を見せていた気がするもん・・・。全部預けてる気がしたもん・・・。


ミンスが一瞬泣きそうになった。そんな風な間柄だって・・・壊れてしまう恋もある。


ミ:お姉ちゃんは・・・ヒョンジュンをどう思ってるの? 本当は・・・?

へ:え?(困って口ごもる)そんなの、どうでもいいじゃない・・・もう、終わったことよ。それより、ミンス。あなたに言いたいのは・・・あの時のことを、ヒョンジュンがとても気にしているんじゃないかってことなの・・・。今、私に子供がいないでしょ? だから・・・あれでできなくなったと思っているかもしれないわ・・・。でも、本当のことはわからない
の・・・。うちのが駄目なのか、私が駄目なのか、検査もしていないし・・・わからないの・・・。ただの相性かもしれないし・・・。

ミ:・・・そうだったの・・・。知らなかった・・・。
へ:ヒョンジュンに重い足枷をしちゃったね・・・。いけないのは・・・私ね・・・。


ミ:・・・。
へ:でもね、ミンス。こうなってしまったからには、仕方ないじゃない・・・。あいつを忘れるか・・・。忘れられなくても次に進まないと・・・。

ミ:・・・。(涙ぐむ)
へ:・・・残念だったね・・・。
  

二人はまたしばらく黙り込んだ・・・。

  
ミ:あ。コーヒーでも入れようか。



ミンスが立ち上がった。

ヘスは、ミンスを不憫に思いながらも、自分のことを思った。もう12年も前のことなのに、今だに、あの恋を引きずっている自分。ヒョンジュンの気持ちに気づいて別れたけれど、別れた後で、自分自身は彼を誰よりも愛していたことに気づき、それをずっと後悔した自分・・・。それを思うと、3年という月日を彼とともに過ごし、結婚直前までいったミンスが、簡単に彼を諦めて、すぐに出直すなんてことは、無理なことだろう。


かつて恋人が暮らしていた部屋を借りて住んでいる妹・・・。


きっと、家具なども同じようなものに違いない。

妹が手の中に包み込むように持っているマグカップは、もしかしたら、ヒョンジュンの使っていたものかもしれない・・・。妹の手がそう言っている・・・これは、ヒョンジュンのよって・・・。彼が好きそうなデザインだ・・・。
  

へ:ミンス・・・今着ているカットソーって・・・H・joon(アッシュ・ジュン)の?


ミンスはその言葉にドキッとして、姉を見た。


ミ:そうよ・・・。
へ:ピッタリね。まるであつらえたみたい。

ミ:コーヒーが入ったわ。

へ:あなたがこんなに似合う服を作るヒョンジュンて・・・。人の心の中ってわからないものね。

ミ:お姉ちゃん・・・H(アッシュ)、覗いたの?
へ:うん・・・。


ヘスは恥ずかしそうに俯いた。


へ:私もヒョンジュンのものがほしかったから・・・。でも、細いのよ。(笑う)今度、ミッシー用に作ってもらわなくちゃ・・・。(顔を上げる) あなたはよく似合ってるわ。
ミ:・・・・。




ヒョンジュンは、半年前に、キム・ソルミと結婚した。

そして、今では絵を捨て、ソルミの父親のアパレル・グループのデザイナーズ・ブランドのデザイナーとして成功している。作る作品の美しいフォルムや着やすさもさることながら、彼という人の美しさも、20代、30代の顧客の心を掴んでいる。

ミンスは彼がデビューしてから、ほとんどの洋服をH・joonの製品に変えた。
どれを組み合わせても、ミンスの体にぴったりだった。人より背が高く、細身で、腕の長いミンスが着ても、それはピッタリとフィットした。
  

姉もあのブランドを訪ねたんだ・・・。


ミンスは、自分たち二人にとっての、ヒョンジュンを思った。
とても近くにいたのに、手に入れることができなかった男・・・。




へ:たまには、うちへも遊びにいらっしゃいよ。
  
ヘスが玄関で、ミンスの腕を掴んで笑んだ。

ミ:うん・・・今度ね・・・。
へ:じゃあ・・・。


姉は笑顔を残して帰っていった。
  
ミンスは部屋に戻り、部屋の中を見回す。
そして、部屋を仕切っていたカーテンをザッと開き、部屋を広くした。





5部-2へ続く・・・・





[コメント]

1.Re:【創作】「恋がいた部屋」5部-1

2009-09-02 04:54:27.0 yayoi

面白くて目が話せません。一日おきと言う事だったけど、今覗いたら
アップされてたので嬉しくなって・・・次は~と待ちどうしいです。
楽しみに読ませて頂いて有難う!これからも次々読ませてくださいね。


2.Re:【創作】「恋がいた部屋」5部-1

2009-09-02 17:02:05.0 ツインズ母

こんにちは!
こんな展開だったんですね~
前のコメント削除します~><
そうよね…
今日のヘスの話を聞いたら…ヒョンジュンはいい加減な男ではな
く、根は真面目な男なんだ…
イッキにヨンジュン風^^
でも、男の責任だからって…こんな愛の無い結婚…
ヒョンジュンは今、どんな思いでいるのでしょう…
続き楽しみです。

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3.Re:【創作】「恋がいた部屋」5部-1

2009-09-02 21:57:13.0 kiko3

yayoiさん、

こんばんは^^
いつもありがとうございます^^

一話ずつが長いので、2部に分けて、毎日にすることにしました^^

ミンスになりきってどうぞ~^^



コメント削除

4.Re:【創作】「恋がいた部屋」5部-1

2009-09-02 22:00:55.0 kiko3

ツインズ母ちゃん、

こんばんは^^
レスが遅れましたvv

4話は重かったんですよね。
二人の間に亀裂が入っていくので・・・。
幸せだったはずが、気がつくと全く違う方向に向かってしまっている・・・。

これからは1話を2つに分けてアップしていきます。

最後まで、ミンスになりきって、お付き合いください^^

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