2009/10/31 09:58
テーマ:元気かい^^? カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

ハンバッチャチョンチョーニ

Photo




ハロウィンのオバケかぼちゃも放っておいて・・・

二人だけの時間を熱く過ごそう^^




ところで・・・

↓こちらは、茂朱リゾート。

韓国の人が驚くほど、ソウル市内から離れているみたい?

 よくなってきたとはいえ、病身であることは変わりないから、
ホントに少しずつ、仕事の再開は少しずつ、近場でなんて思ってしまいます。

こちらでア~ノの冬物の撮影でした。

でも、実際、冬物って・・・
ア~ノさんとしては出遅れてて焦っているのかもしれないねえ・・・。

で、

韓国公式で、「え~!」というスレッドがあがったから、
公知が出たのかなと思ってしまいます。

でも元気になってきたことは確かだよね^^


 




こちらは、先日もサークルでは書いたのですが、

ジアちゃんが日本で静養しています。


以下、記事。


女優イ・ジアは足がまひ状態となり、すべての芸能活動を中止し、日本で休息を取ることにした。

 イ・ジアの所属事務所側は27日、「9月に最終回を迎えたドラマ『スタイル』(SBS)の撮影中から、足の感覚が鈍くなるなどの症状があり、治療を受けてきたが、なかなか好転しないため、すべての芸能活動を中止し、安静を取ることにした」と語った。


 イ・ジアの足の症状は、過労とストレスが引き起こしたものとみられる。病院側は無理をせず、十分な休息を取ることを勧めている。


 しかしイ・ジアは、22日に行われた「東京ドラマフェスティバル」で、ドラマ『ベートーベン・ウィルス~愛と情熱のシンフォニー』(MBS)が海外ドラマ特別賞を受賞したことにより、イ・ジェギュ・プロデューサーとともに、同フェスティバル出席のため日本を訪問した。その後、足のまひ症状がさらに悪化し、27日に予定されているテレシネマ『顔と心と愛の関係』の制作報告会にも参加できなくなった。


 所属事務所側は26日、イ・ジアの制作報告会への欠席が決まったことを発表し、現在イ・ジアは日本で休息を取っている。



イ・ジンホ記者

スポーツ朝鮮/朝鮮日報日本語版





頑張った末に、体を壊しては元も子もないよね。

とても、心配・・・。

ゆっくり、心身とも静養してほしいと思います。



joonもゆっくり、スローライフだよ。



ハンバッチャチョンチョーニだよ~!!






2009/10/30 23:24
テーマ:【創】君に会えるまで カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

【BYJシアター】「君に会えるまで」2



BGMはこちらで^^



BYJシアターです。


本日は「君に会えるまで」第2部です。

また、こちらはフィクションですので、ここに登場する人物、団体は実在のものとは異なります。


【配役】
インジュン、ケイジュン、ウォンジン:     ぺ・ヨンジュン
ユナ、    メイリン、  メイファー:     チェン・ツィイー




ここより本編。
お楽しみください。


~~~~~~~~~~





初めて
あなたに
恋したのは

いつの日だったろう



どんなに
激しい恋をしても


どんなに
ある人を切なく思っても


いつも
心のどこかで

あなたが囁いて



あなたのほうへ
心が
動いていく



愛しいあなた


きっと

私の心が
あなたを見つけるわ




どうか

そこで
私を
待っていて



そして


私に
気づいて






主演:ぺ・ヨンジュン
    チェン・ツィイー

【君に会えるまで】第2部



メイリンはここのところ、毎日自分の部屋に貼ったあの似顔絵を眺めている。
そこにいるのは、確かに自分だが、今の自分よりもう少し大人で、とても切なく熱い目をしているような気がする。



なぜそう思うのか。



あの絵描きは、大してメイのことなど見ていなかった。


あの人の頭の中に、私に似た女の人の面影があるのだろうか。


もう一度、あそこへ行ってみようかな。
あの人はあそこで絵を描いているはずだわ・・・。





メイは翌日、またあの絵描きが座っていたモンマルトルのテルトル広場を訪ねた。


しかし、男はいなかった。代わりに違う男が座って似顔絵を描いていた。



メ:すみません・・・。ここにこの間いた絵描きさんは?
絵:ここは僕の場所だけど・・・。
メ:・・・そうですか・・・。どうもすみません・・・。



メイが帰ろうとすると、今の絵描きが声をかけてきた。



絵:あのお、もしかして、先週座っていたやつのことですか?
メ:ええ、そうです! ここで似顔絵を描いてもらったんです。・・・あの方は?
絵:僕の友人だけど、なんか用ですか? 先週は僕の具合が悪くて午後からここを代わってもらったんだ。他の絵描きに場所を取られるといけないからね。なんか用ですか? 彼に。
メ:・・・。(躊躇うが)ええ・・・。あの方の絵があまりに素敵だったので、また妹や家族も描いてほしくて・・・。
絵:そうか・・・。そんなによかったんですか? (興味深々)
メ:ええ。


絵:あいつは、本職が壁画の修復なんですよ・・・。僕じゃだめかな? 僕も結構、ここでは腕がいいほうなんだけど・・・。
メ:(困って)あの方の絵が気に入っているんです・・・。
絵:そうか。(笑) やつなら、サン・ピエトロ寺院で壁画の修復をしていますよ。行ってみますか? でも、似顔絵なんて描くかな・・・。
メ:ありがとうございます。行ってみます。(立ち去ろうとする)
絵:あ、お嬢さん。やつの寺院での仕事はいつも午前中です。午後は寺院の中が暗くなるので、アトリエに戻ってるんですよ。でも、アトリエまであなたに教えていいのか、わからないから。
メ:ありがとうございます。明日にでも寺院に行ってみます。ところで、あの方は・・・日本人ですか?
絵:彼は韓国人ですよ。僕は日本人だけど・・・お嬢さんは・・・また感じが違うな・・・。
メ:私は中国人です。
絵:やっぱり。雰囲気がちょっと違うから、お互い東洋人同士だと、その辺がわかるね。こっちへ来ると、皆中国人って聞いてくるけど、やっぱり雰囲気がぜんぜん違いますよね。
メ:ありがとうございました・・・。




あの人は韓国の人だった。私には、韓国人に知り合いはいない・・・。

でも、この懐かしさって・・・何?





明日、あの人がいるサン・ピエトロ寺院を訪ねることにしよう。


きっと、何かがわかるわ・・・私の勘違いか・・・本当に縁があるのか。



ひとまずは彼のいるところはわかった。
でも、何を話したらいいかしら・・・。
ただ似顔絵を描いてもらっただけだもの。
あの人は私を覚えているかしら。


でも、会わずにはいられないこの気持ちって、何?





メイリンはテルトル広場の帰りに、本屋に立ち寄り、楽譜を覗きにいくことにした。
しゃれた本屋のウィンドーに、「あなたの前世を旅する」という新刊本が飾られている・・・。


なんかちょっと怖い本・・・。



メイが本屋のウィンドーを覗いていると、後ろを通りかかった人の荷物が肩に当たった。


男:あ、すみません!
メ:いえ・・・。


メイは振り返って、ぶつかった男のほうを見た。



あの男だった・・・。



メ:あ!(目が釘付けになる)
男:・・・あなたは・・・・?(思い出そうとする)
メ:あのお、先週似顔絵を描いていただきました。
男:似顔絵?・・・ああ。あそこでね。
メ:ええ。
男:気に入りましたか?
メ:ええ、とても!
男:そう、それはよかった。肩は大丈夫ですか? 重い荷物がぶつかってしまってごめんなさい。
メ:・・・大丈夫です。(控えめに微笑む)

男:よかった。じゃあ、どうも。(ちょっと頭を下げる)



男はそれだけ言うと、立ち去ろうとしている。



でも・・・何か話したい。

何を? 
どうしたらいい?

あの人と私の接点は似顔絵だけだもの・・・。

でも、もし、ここであの人を行かせてしまったら、明日、私がサン・ピエトロ寺院を訪ねるのはおかしなことになる・・・。



彼の後ろ姿はどんどん離れていく。


あの人は、私の思った通りのニオイがした・・・。
そして、目も口元も・・・その周りにできるしわも・・・想像通り。




メ:すみません! すみません、ムッスィウ! 待ってください! ムッスィウ!


男は背が高く足も長いので、大きな歩幅でドンドン歩いていく。


メ:ムッスィウ! ムッスィウ!


メイは人を掻き分け、必死に男の後を追いかけていく。
自分でもよくわからないのだが、どうしても、このチャンスを逃してはいけないような気がするのだ。



やっと彼に追いついて、背中に手を当てた。


メ:待って・・・ムッスィウ! ああ。(息が切れる) 待ってください!



男が振り返った。


男:どうしたんですか? ここまで追いかけてきたの?(驚く)
メ:ええ。すみません。
男:どうかしましたか? (見つめる)
メ:あのお・・・・。
男:はい?
メ:・・・・。(なんて言おう・・・)
男:・・・・。(見つめている)
メ:あのう、あなたが描いてくれた絵が気に入って・・・妹の顔も描いてほしいんです。
男:・・・そうですか・・・。でも、僕は似顔絵描きが本職ではないんです。美大時代の友人の代わりに、半日、あそこに座っていただけなんですよ。
メ:それでもいいです!
男:しかし・・・困ったな・・・申し訳ない・・・。お引き受けできないな。僕の仕事ではありませんよ。


メ:そうですか・・・。実は今日、あの広場へ行って、そのお友達の方に、あなたが今、仕事をしていらっしゃるのが、サン・ピエトロ寺院の壁画だと伺ってきたんです・・・。
男:・・・・。(メイをじっと見つめている)
メ:ごめんなさい・・・。変だと思われるかもしれないですけど・・・あのあなたの描いてくれた絵が私を惹きつけるんです。よくわからないけど・・・あの絵がなんか・・・。
男:なんか?
メ:なんか・・・大人のあなたにこんなことを言うのはおかしいけど・・・。
男:どうぞ。
メ:あなたの心の奥深く・・・心の深層にいる人の姿かなって・・・ちょっと興味を持ちました。
男:僕の?(笑う)
メ:ええ、私であって私ではないんです・・・もっと大人の、違う人みたいなんです。



男:う~ん・・・。僕は似顔絵を描きなれてないから、違うイメージが入り込んだかもしれませんね。ごめんなさい。
メ:いえ。
男:・・・。
メ:気に入ってるんです、私。
男:そうですか・・・。それはよかった。じゃあ僕はこれで・・・。
メ:あ・・・そうですね・・・・。(諦める)



男はまたスタスタと歩き始めたが、振り返って、



男:もしよかったら、明日の午前中、サン・ピエトロ寺院へいらっしゃいませんか? 僕のホントの仕事を見れば、僕が似顔絵を描けないこと、あなたも納得いくでしょう?
メ:ええ。行きます。行かせてください! 必ず、行きます!



男は若いメイリンを見て笑い、去っていった。

メイは男の後ろ姿を見送った。







それにしても。

あの男はたぶん、私より10歳は年上だ。でも、とても懐かしい。

年上なのに、気兼ねせずに話せる・・・というより、普段の私は、初めての人と話をするのが苦手だ。
なのに、あの人には、自分から話しかけなくてはいけないような気がした。


それは、まるで義務みたいに・・・。

あの人とのつながりを切ってはいけないような。

私の心の奥深いところから、私をけしかけるものがあって、それに突き動かされて、あの人と話をした。


明日、寺院へ行く約束をした・・・。
また、あの人に会うために。


なぜか、私の心の一部がそれをとても喜んでいるのがわかる。
不思議なほど・・・・幸せをかみ締めている・・・。


恋をしているのか・・・?

うううん、いつもの恋の感覚ではなくて・・・。

そうじゃなくて・・・・初めてあの人に恋をしているのではなくて、あの人に会いにいくのが当たり前のような感じがするのだ。
あの人と一緒にいることが当たり前のような。


必然。


これは必然。


こういうのを、人は運命の恋というのだろうか?

一目ぼれとか、胸が痛くなるほどあの人が好きというより、必然・・・。

あの人に抱かれるのが当たり前のことで、私はそこまで行き着かなければいけないような気がする・・・。



想像していた通りのニオイの人だった。

離れて話をしていても、あの人の胸の厚みまで、胸の熱さまでわかるような・・・。



私は少しおかしい・・・。

男の人なんて、ぜんぜん知らないのに・・・。

あの人のことがわかる。



明日は行かなくちゃ!

あの人に会いに行かずにはいられないから・・・。














翌日の午前11時。

メイリンは、あの男が壁画の修復をしているサン・ピエトロ寺院へ出かけた。



その寺院は、パリの郊外にあった。

バスを降りて、寺院のほうへ歩いていくと、たくさんのバラが咲いていて、草木の甘い香りもした。
鳥が鳴いている。

とてものどかな情景の中に、その寺院は立っていた。



重いドアを押し開けて、中へ入り、声をかける。



メ:すみません! どなたかいらっしゃいませんか?


メイリンの声が響く。


男:いらっしゃい!


メイは周りを見渡すが、姿が見えない。


男:上を見て。君の上!


メイが見上げると、二つの高い梯子の間に渡された板の上で男が笑っていた。


メ:おはようございます! (笑顔で見上げる)


メイはにこやかに彼を見た。

男は最初、にっこりと笑っていたのに、急に表情を変えて、メイをじっと見つめている。


メ:あのう・・・お邪魔でした?
男:(我に返ったように)あ、いえ、お待ちしていました。ちょっと待ってね。降りていくから。
メ:ええ。


男と会ったのはこれが四度目なのに、メイの胸はときめいている。
ずっと長い間待ち続けた彼に出会えたように、彼が梯子を降りてくるのが待ち遠しい。

こっちへ歩いてきたら、抱きつきたいほど、心の奥が彼を待ちわびている。


男がやってきた。


男:いらっしゃい。
メ:お邪魔します。すごいですね。(上を見上げる)あんなところでお仕事されているんですね。
男:ええ。
メ:怖くないんですか?
男:え? まあね・・・。
メ:私だったら、落ちそうだわ・・・。
男:実は僕も落ちそうになったことがあるんです。
メ:え? (驚く)
男:あまりに夢中になり過ぎて、自分のいる場所を忘れてしまって。普通に動こうとして、足を踏み外しそうになりました。
メ:たいへん・・・。
男:あわやで落ちなかったけど(笑う) 画材は全て落としました。
メ:大変なお仕事ですね。
男:まあ、好きなんですよ。
メ:お仕事、見せてもらっていいですか? 午前中しかできないんでしょ? どうぞ、続けてください。
男:ここは照明がないからね。午後は天井に近い壁画がよく見えなくなるんですよ。でも、今日はもういいです。
メ:私のせいですか?
男:いえ、用意してきた色がちょっと違ったから、また作り直さないと・・・。それはアトリエでの仕事だから・・・。
メ:そうなんですか。確かに似顔絵なんて描いている暇はないですね・・・。
男:どうです? ちょっと外を歩きませんか? ここの寺院は庭がとてもキレイなんですよ。
メ:・・・ええ・・・。


男がメイリンを見つめた。
そして、後片付けをして、メイを案内するように外へ出た。



二人は自然がいっぱいの庭に出る。バラも草木もやさしい風に揺れている。
庭にある小道を並んで歩く。


メ:バラがキレイですね。
男:そうでしょ? 今が見ごろですよ。あそこに腰かけませんか?


小さな屋根つきのベンチがあった。

並んで座ると、男がメイの顔をまたじっと見つめた。


男:なんか不思議だな。さっき、あなたが入ってきた時、一瞬でしたが、あなたがちょっと違って見えたんです。もっと大人で、少し憂いがあって、僕にやっと会えたという顔をしていたんです。
メ:・・・。
男:ごめんなさい。変なことを言いましたね。
メ:いえ・・・。
男:あなたを一瞬、知っているような気がしました。
メ:・・・実は私・・・あなたが・・・とても・・・懐かしくて・・・。ごめんなさい・・・。
男:・・・。僕もあなたが懐かしく感じた・・・。変ですね。
メ:自分でもよくわからないんだけど・・・。まるで、あなたを昔から知っていたみたいな気がして・・・。
男:・・・。デジャブかな・・・。二人とも。(笑う) でも、二人でそう感じるのはおかしいですよね。あ、お互い自己紹介していませんでしたね。僕は、ソン・ケイジュンです。
メ:私は、チェン・メイリンです。皆はメイって呼びます。中国人です。
ケ:僕は韓国人です。(メイの顔をじっと見る)
メ:・・・なんですか?(ケイジュンの顔をじっと見る)



二人はお互いをただじっと見つめ合った。


年も離れていて国も違って・・・でも、なぜだか懐かしくて、触れたこともないのにお互いを知っている感じがする。
キスもしたことがないのに、その唇の柔らかさまでわかる・・・。



彼のアトリエは寺院のすぐ近くだった。ここでの仕事の間、そこを借りているという。


彼に勧められて、アトリエを訪ねた。
そこは、あの寺院と同じく、花や木々が蔽い茂っていて、マーチ型をしたバラの門を潜り抜けると、彼の間借りしている部屋のドアがあった。


メイはこの風景が、彼と歩いていることが、当たり前のように思えた。


部屋の中へ入ると、大きな格子の窓があり、その外は緑でいっぱいだった。
天井には天窓が開いており、そこから晴れ渡った青空が見えた。


ケ:どうぞ、ゆっくりして。散らかっているけど。
メ:素敵なお部屋ですね。天窓があるんですね。(窓を見上げる)
ケ:ええ。ここは北向きで、普通はあまり借りたがらないみたいだけど、絵を書くにはいいんですよ。南側と違って、光が一定だから、僕のような人間にはぴったり。(笑う)
メ:・・・。(周りを見渡している)
ケ:コーヒーを入れるね。少し待ってて。



ケイジュンは、小さなコンロに火をつけ、お湯を沸かす。


メイリンには、彼のそんな姿がなぜか素敵に見える。ただ火をつけているだけ・・・。




大きな格子の窓の前にある出窓の部分に腰を軽く載せて外を眺める。
木々の緑がメイリンを迎え入れている。


ケイジュンはそんなメイの姿にしばし見とれて、


ケ:ねえ、よかったらそこに座って。君を描きたいな。
メ:私を?
ケ:いい?
メ:・・・ええ・・・。
ケ:今、スケッチブックを取ってくるから。そこに深く座っちゃって。そのほうがラクだから。


ケイジュンはデッサンの準備をしてメイリンをじっと見つめる。
バックの明るい緑の中に座り、こちらを見つめているメイリンが、とても・・・何物にもかえがたいほど愛しく、美しく思える。
ただそこに佇んでいるだけなのに、まるで自分に語りかけてくるようだ。


メイはケイジュンがデッサンしながら、メイを見つめるその目がとても・・・・愛しい・・気がする。
その瞳がまるで自分を狂おしく追い求めているような・・・。



座って、見つめ合っている二人の間に存在する空間の空気が、水を打ったように止まり・・・呼吸さえも止まったように、静かに、二人の魂だけが語り合い、愛し合っている。



ケイジュンが手を止めて、何か言おうとした時、お湯が沸いた音がした。
彼はメイをちょっと見つめていたが、コンロの火を止めに行った。



しかし、コーヒーは入れずに戻ってきた。

戻ってきたケイジュンとメイリンの目が合った。
二人の視線が絡んで、熱を発しているような・・・。


ケイジュンは黙ったまま、メイリンの前に立った。
二人はただ見つめ合ったが、彼が座っていたメイリンを抱き上げた。
メイリンは彼に吸い寄せられるように立ち上がり、抱かれるまま、二人は口付けを交わした。


不思議なほど、彼のキスは懐かしく、それはとても愛しいものだった。
それは・・・想像通りの唇であり、手順であり、その通りの熱を持っていた。

そして、ケイジュンもまた、彼女がまさに彼女そのものだった。



やっと追い求めてきた人に巡り会えたような・・・そんな思いに、二人は驚きと困惑と・・・甘い恋の訪れに、しばし見つめ合った・・・。














早く授業の終わった午後、インジュンがぶらぶらと家への道を歩いていると、女の人がメモを片手に、家を探しているようである。

インジュンは駆け寄って声をかけた。


イ:あのう、どこかお宅を探しているんですか?
女:ええ。この近くだと思うんですけど・・・。


女はメモを差し出しながら、顔を上げた。
その人は、ユナ先生の母親だった。
ユナの母親もインジュンに気づき、驚いて、彼を見つめた。


母:あ、あなたは・・・。
イ:ユナ先生のお母さんですね。
母:ええ・・・。(じっとインジュンを見つめている)
イ:こんなところでお会いするなんて。どこか家を探しているんですか? ちょっとメモを見せてください。僕も一緒に探しますよ。
母:いえ・・・。(メモを引っ込める)いいんです・・・。
イ:探させてください。
母:いえ・・・いいんです。
イ:・・・。(どうして?)
母:せっかくご親切に言ってくれたのに、ごめんなさいね。・・・ちょっと訳のあるお宅なの。だから結構よ。
イ:そうですか・・・。あのう、この間はフルートの演奏ありがとうございました。
母:いえ・・・気に入ってもらえた?
イ:ええ、とても。僕はあの曲がとても・・・。(ちょっと笑う)これを、先生に言うと、笑われるけど、懐かしいんです。・・・大好きなんです。
母:・・・ありがとう・・・。
イ:・・・僕のピアノ、聴いてくださいましたか?
母:・・・いいえ。(見つめている)
イ:あれをピアノで即興で弾いてみたんですよ。
母:そうですか・・・聴いてみたかったわ・・・。
イ:・・・。
母:・・・また、うちへ遊びにいらしてね。そして聴かせてください。私もあの曲は・・・とても思い出深い曲なんです。
イ:はい。
母:じゃあこれで・・・。(頭を下げる)
イ:・・・あのう、よかったら、今からうちへ来ませんか? もう、すぐそこなんです。
母:え?
イ:聴いてもらいたいんです、僕のピアノを。
母:(躊躇する)でも、娘の生徒さんのお宅へお邪魔するのって、ちょっと変でしょう。
イ:変じゃないですよ。僕のほうが・・・先生の家の前に立ってて変なんですから・・・。(笑う)




インジュンに案内されて、そこから3軒目のインジュンの家へユナの母親はお邪魔することになった。
インジュンの家の庭はなぜか、ユナの家の庭に似て、自然な感じに草木が植えてあった。



母:素敵なお庭ね。
イ:うちのお袋が、イングリッシュガーデンというのに凝っているんです。バラも結構育てているんです。おばさんと・・・すみません、おばさんなんて言っちゃって。
母:いいのよ。他に言いようがないもの。(笑う)
イ:おばさんときっと庭の話、合うかもしれませんね。この間、そんな気がしました。なんか好みが似てますよ。



庭を通りながら、ユナの母親は、インジュンの母親が丹精こめて育てているバラをじっと見つめた。そして、インジュンの顔を見てにっこりと笑った。



家の中へ入ると、インジュンの母親が出てきて、インジュンが二人を紹介すると、インジュンの母親は愛想よく、ユナの母を受け入れて、リビングへ通した。


ユの母:まあ、こちらにもバラがあるんですね、素敵ですね。
イの母:ここ4~5年、イングリッシュローズに凝っているんです。インジュンが先生のお宅はお庭が素敵だと言ってましたよ。
ユの母:ありがとうございます。でも、こんな素敵なバラはないです・・・ただ自然な感じの庭がとても好きで・・・。
イ:同じだわ。



イ:おばさん、僕の部屋へ来ませんか? 僕の部屋にピアノがあるんです。母さんも来る?
イの母:私はいいわ。お茶、持っていくわね。
イ:うん。じゃあ、おばさん、あ、なんか変な呼び方ですね。
ユの母:チェンです。チェンさんって言えばいいわ。
イ:そうですね。チェンさん、どうぞ、2階です。
チ:ではお邪魔します。(インジュンの母親に頭を下げる)



イの母:インジュン、窓、開けなさいよ。臭いから。(笑う)
イ:ああ。
チ:そんな、お気遣いなく。私も子供の親ですから。
イの母:すみません、男の子の部屋はホントに臭いから。(笑う)
イ:何度も言わないでよ。さあ、どうぞ。




二人は2階のインジュンの部屋へ入っていった。

チェン夫人はインジュンの部屋を珍しそうに・・・いや、胸をときめかせながら、見回した。


イ:散らかってるけど。
チ:うううん。いいのよ。素敵なお部屋だわ・・・。


インジュンが窓を開けた。
外から草木の香りが入ってきて、チェン夫人は胸がいっぱいになり、少し涙ぐんだ。


イ:どうかしましたか?
チ:いえ。気にしないでください。
イ:だって・・・。
チ:ごめんなさい・・・。私、少し目が悪いものだから、時々涙ぐむの。気にしないでね。理由はないの。
イ:そうですか・・・。ええと~。どこに座ってもらおうかな・・・。
チ:よかったら、この窓際に立って聴いてもいいかしら。お庭の草木の香りが素敵だから。
イ:ええ、どうぞ。



チェン夫人は、インジュンの部屋の窓際に窓枠に寄りかかるようにして立った。そして、インジュンを見て笑った。

インジュンも微笑みを返して、ピアノの前に座り、少し落ち着いてからあの曲を弾き始めた。


彼女はじっと息を殺したように、インジュンの横顔を見つめ、ピアノを聴き入っている。
まるで、魂の全てで、全身でその曲を受け止めるように。

インジュンはこの間より、よりアレンジを効かせて、情感たっぷりに弾いている。



階下では、2階の窓から漏れるピアノの音を聴きながら、インジュンの母親が鼻歌混じりにお茶の準備をしている。



ピアノが終わり、インジュンが一息をついてから、チェン夫人のほうを振り返った。
そして、チェン夫人を不思議そうにじっと見つめた。


二人はしばらく、声もなく、じっと見つめ合った。

チェン夫人から切り出すように、


チ:素敵な演奏でした。ありがとう・・・。
イ:・・・いえ・・・。(じっと見つめる)
チ:・・・どうかしましたか?
イ:いえ、あなたがとても・・・。

インジュンはそう言って言葉を飲んだ。
チェン夫人もじっとインジュンを見つめている・・・。



ドアのノックの音がした。


インジュンは母が来たのに気が付いて、ドアを開けた。



イの母:お待たせ。お聴かせしたの?
イ:うん。
イの母:どうぞ、おかけになって。インジュン、椅子を勧めなかったの?
チ:ああ、いいんです。ちょっとお庭の草木の香りが素敵だったんで、ここに立って聴きたかったんです。
イの母:そうですか。どうぞ、お掛けになって。お庭のお話も伺いたいわ。
イ:母さん。僕は音楽の話が聴きたいんだよ。チェンさんはちゃんとしたフルート奏者だからね。
イの母:そうでしたか・・・。じゃあまた後で。すみません、息子のお世話をさせてしまって。(笑う)ホントにこの子は強引で。
チ:いいんです。私もそういうお話が好きなんです。私のほうが、返ってお邪魔してしまって恐縮です。
イ:母さん、さっさと行ってよ。長々とそんなこと言い合ってもしょうがないじゃない。
イの母:(笑って)そうね。じゃあ、あとで声をかけてね。





インジュンの母親が出ていってから、チェン夫人は部屋の中を見回している。


イ:(紅茶を飲みながら)どうですか? 男の子の部屋は珍しいですか?
チ:え? そうね。そう・・・とても興味深いわ・・・。
イ:(笑って)チェンさんは・・・先生に似ているけど・・・。なんか僕にはおばさん、じゃない、チェンさんのほうが合ってるな。
チ:(どきっとして)え?
イ:だって、先生みたいに攻撃的じゃないし。なんか趣味も合いそうですよね。(微笑む)
チ:そ、そうね・・・。(ドキドキしてまた部屋を見渡す)ねえ、あそこにあるのは何? 絵も描くの?



部屋の隅に置かれたキャンバスが目に入る。


イ:(困る)あ、あれですか・・・。前、美術を選択していたから・・・。残りの油絵の絵の具で描いてみたんです・・・。
チ:見てもいい?
イ:(困った顔をして)どうしても見たいですか?
チ:ええ。どうしても。(笑う)
イ:いいですけど・・・怒らないって誓えますか?(心配そうな顔をする)
チ:なんで? (不思議)
イ:そういう絵なんです・・・。
チ:なんかとても興味深いわね。(笑う)



インジュンが観念して絵のほうへ行く。


イ:言い訳も聞いてくださいね。(心配そうに言う)
チ:わかった。言い訳も聞きます。(微笑む)
イ:じゃあ・・・。


チェン夫人はインジュンの後をついていき、部屋の隅に裏表に立てかけてあった絵のほうへ行く。

インジュンがチェン夫人の顔を見て、そして、絵を見せた。



それは、若い女が窓辺に立っている絵だった。
その女は韓服を着て髪を結っているが、その顔は、とてもユナに似ていた。

チェン夫人は感慨深げにじっとその絵を眺めている。


イ:怒らないでくださいね。これは・・・先生を描いたんじゃないんです。先生が来るずっと前に、いつも頭に浮かんできていた人の顔を描いたんです・・・。


彼女は黙って、じっと絵を見つめている。


イ:誤解しないでください・・・。(チェンの顔を覗きこむ)
チ:誤解なんてしてません・・・。(真剣に絵を見る)
イ:ホントに? (驚く)
チ:ええ。ただ娘に似ているだけでしょ?
イ:・・・ええ・・・。それに、今見ると、先生よりおばさんに似ている気がします。さっきもそう思ったけど・・・。
チ:そう・・・。
イ:気分を害さないでくださいね。
チ:ちっとも・・・。なぜ、私のほうが似ているの?
イ:性格とか顔つきとか・・・先生よりやさしくて情感があるというか・・・雰囲気ですよ。
チ:(インジュンをじっと見つめる)そう・・・。そうなの。(絵を見る)いい絵です・・・。瑞々しくて・・・タッチがいいわ・・・。
イ:そうですか?
チ:ええ。


チェン夫人がまた、じっとインジュンを見つめる。インジュンはバツが悪そうに少し下を向いた。


チ:ねえ、お願いがあるんだけど・・・。
イ:なんですか?
チ:この絵をいただけるかしら・・・。下さる?
イ:え?
チ:いただきたいの。
イ:やっぱり怒ってますか? この絵のこと・・・。
チ:そうじゃないの。この絵がとても気に入ったから、ほしいんです・・・。娘にも内緒で・・・私にください。
イ:・・・・。(チェン夫人の顔を見つめる)
チ:・・・・。
イ:差し上げます。先生には内緒で。
チ:ええ、内緒にしてくださいね。誰にも言わないで。(念を押す)
イ:わかりました。おばさんも先生には言わないでください。バレると怒られそうだから。
チ:もちろんよ。私も怒られるわ。生徒さんに絵をねだったって。(微笑えかける)



チェン夫人は、インジュンの母親とひとしきり庭や薔薇の話をすると、その絵を抱えて帰っていった。







家へ帰ると、ユナの母親は、自室に入り、スタンドを一つだけ点けて、もう一つの絵と、瓜二つの顔をしたインジュンの絵を並べ、一人眺めている。



こみ上げる思いに、目頭が熱くなるのを抑えることができなかった。










第3部へ続く



2009/10/29 12:52
テーマ:ひとりごと カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

MJ、BYJ、牛肉ダシダ^^v

Photo

昨日は、息子たちとマイケル・ジャクソンの[This is it]を見に行った。

私が映画館へ行く時は、いつもレイトショーなので、
ガラガラということが多いのだけれど、

さすがに昨日は席の予約をしていかないと駄目かなと思って
おととい、ネットで予約してから出かけた。

400人の定員に半分は入っていたから、やっぱりすごい。

たぶん、繁華街の映画館だと、満員だったんだろうね^^


もう、マイケル登場から、ちょっと泣けそうになった・・・。

ああ、もういないんだな・・・と思うと、胸が痛くなるよね。


これは、リハーサルをまとめたものだから、
服装もとりあえずの格好だけど、さすがにマイケルはすごかった。

やっぱり卓越した人だよね。

バックとの打ち合わせにも、彼のセンスが出ていたし、
音楽の全てを知っている人だった。


これから見る人も多いだろうから、あまり詳しいことは書かない。



だけど、長い髪を後ろに束ねて、痩せてとてもスレンダーな姿で
登場した彼は、私の愛する彼によく似ている^^


卓越した才能と
仕事に対する厳しさ・・・
ここで一番すばらしいもの、画期的なものを提供しようとするホスピタリティ、
相手に対する思いやり、

その愛らしさ・・・
これって年齢を超越してるよね^^


よく似てる・・・



帰りに息子が

「ペ・ヨンジュンも早死にしちゃうんじゃないの?」

なんて、不吉なことを口にする。


「そおんな。彼はちゃんとした医者にかかっているから
大丈夫よ。マイケルもちゃんとした医者にかかっていたらよかったねvv」

「それじゃあ、きっと絶対安静で仕事なんてできなかっただろう」

「まあね・・・」


リハーサルとはいっても、ものすごくハードなものだった。
ホントに、すごい・・・。




joonはちゃんとした一流の医者にかかって、
しっかり治してほしいよ。


ホント・・・
その才能を、存在を惜しまれて、早死にするなんて、
残念すぎるから・・・・。





韓国公式公知でも大分体はよくなったと書いてあったけど、
それに油断しないように、家族が見張っていることが大事だと思う。

時々、韓公に書き込みして、「無理はしないように」と釘を刺す。

じゃないと、危ない・・・。

うるさいなあ~と思われても、
本当にあなたの体を管理できる人は来るまで・・・
やらないとね・・


トコトンやる人には、トコトン付き合わないといけないよね。。






話は変わって・・・^^v



【そういえば、前のスレで、「牛肉ダシダ」の質問あったね^^】

これは、牛肉のダシです^^

何にでも使えます^^

スープでも炒め物でも。

最近、気に入っているのは、「ブロコリキムチ」との豆腐チゲです。

ブロコリキムチは少し置くと、ホントにおいしく発酵します^^

このダシダとブロコリキムチ、
お好きな野菜(ねぎ、大根、ニラ、韓国かぼちゃ、えのき、なんでもいいです)、
それに、あさりなどの貝や牡蠣を入れて、
お豆腐を入れると、
とてもおいしい本格的な豆腐チゲができます^^


最低、牛肉ダシダ、ブロコリキムチ、ねぎ、豆腐だけでもおいしいです^^

なんといってもこれ、超簡単だから^^

まず、調味料が全然いらない^^

普通だと、自分で何か足すでしょう?
なんにも足さなくていいんです^^

私的には、ダシダを少し多めに入れるといいと思います。




そういえば、
Face Shopのフォトとパック、届いたね^^

皆も届きましたか?^^

登録するとただでもらえるやつ^^

かわいいね~^^v




2009/10/29 01:33
テーマ:【創】君に会えるまで カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

【BYJシアター】「君に会えるまで」1



BGMはこちらで^^



BYJシアターです。

シアターはお久しぶりです^^

本日から連載の「君に会えるまで」、これは3年8ヶ月前に書いたものです。

当時は、中国のチャン・ツィイーと共演できたら素敵だなと夢のように思っていました。
でも、最近、ジソプが共演していましたね。
この3年で、アジアは、世界はホントに狭くなってきたんだなと思いました。

ところで、
いつも創作にぴったりと自分では思っているBGMをつけています^^
こちらは、私のお気に入りで、私の中ではシアターBGMベスト5に入っているので^^
どうぞ、BGMも合わせてお聞きください。


また、こちらは1回1回が長いのですが、
切ってアップすると、おもしろさが半減するような気がするので、
一日置きにアップします。

話の進行がわからない人は、手を挙げてくださいね・・・。




「君に会えるまで」

これは、【二人】の恋の不思議な世界。

二人の恋の行方を追ってください・・・・。


【配役】
インジュン、ケイジュン、ウォンジン:  ぺ・ヨンジュン
ユナ、    メイリン、  メイファー:   チャン・ツィイー(初恋のきた道、グリーンデスティニィ、さゆりなど)




ここより本編。
では、お楽しみください。



~~~~~~~~






坂の上からトレンチコートを着た男が現れた。
片手には大きな白い花束を抱えて・・・男が歩いてくる。

教会の墓地に入り、一つの墓の前に立つ。
墓をやさしく撫でて花を手向けた。

長い時間見つめてから、彼は呟いた。


彼:いいよね? 僕は結婚するよ。そして、彼女を大切にするよ。それでいいだろう? 

彼はじっと見つめたまま、立ち上がった。そして、また呟いた。


彼:また会う日まで・・・。僕の愛する君、愛しかった君、さようなら!


彼はそう言って、墓を後にした。






人生というものは皮肉なものだ。

たとえ、どんなに深く愛し合った二人だとしても、必ず別れの時がやってくる。

死が二人を別つ。それは否応もなくやってくる。

でも、それで本当の別れがきたのだろうか。


今日、会ったばかりのあなたがなぜか懐かしくて仕方がないのはなぜだろう。

もしかしたら、これが私たちの初めての出会いではないのかもしれない・・・。









朝の通学路。
たくさんの高校生たちが次から次へと登校していく。

先週から、産休教員として、この高校に勤め始めたユナもまた、皆と一緒に登校している。

中国人の母と韓国人の父を持つ彼女は、アメリカから帰国して職を探す間、しばらく、この男女共学校で、英語の産休教員として働くことにした。



後ろから歩いてきた男子生徒がじっとユナの顔を眺めている。
それも、まじまじという感じである。

「な~に?」と言う顔をして見つめ返すと、さっさと行ってしまった。


彼は不思議なくらい、ユナを見つめていた。




主演:ぺ・ヨンジュン
    チャン・ツィイー
【君に会えるまで】第1部




初めて
君に
会ったのは

いつの日だったろう



どんなに
激しい恋をしても

どんなに
ある人を切なく思っても


いつも
心のどこかで

君が囁いて



君のほうへ
心が
動いていく



君は


どこにいるのだろう




僕は

君を

探し求めている







ここのところ、インジュンは変な夢にうなされている・・・。
というか、とり憑かれている。


夢の中では、彼は朝鮮時代の両班で、いつも白い着物を着て、寂しそうに筆を走らせている。

彼はいつも同じ女の人の絵を描いていて、なぜか、耳元には、衣擦れの音とともに、女と自分の囁く声が聞こえるのだ。





ウォンジン、来てくれたのね。


メイファー・・・。


ああ、そんな悲しい顔をしないで、お願い。


ああ・・・。


衣擦れの音がして、彼はその女性の横に添い寝しているようだ。


泣かないで・・・。
悲しまないで。

これはきっと運命よ。
そんな目をしないで。


私を置いて逝かないでおくれ。




ごめんなさい・・・・。
でももう限界なの・・・。
許してね。


君がいなくなってしまうなんて・・・。


そんなこと、言わないで・・・。



また、衣擦れの音がする。



ああ、あなたの腕が懐かしいわ・・・。
ああ、温かい・・・。


メイファー・・・。


こうやって、添い寝してもらうと、昔を思い出して幸せになるの。


ああ、メイ・・・。


泣かないで。

これで最後じゃないわ、きっと。
また生まれ変わって、あなたと一緒になるわ。


メイ・・・。
これから、君をずっと待ち続けるのかい?


ええ、私を待っていて・・・。

ずっと待っていて。
必ず戻ってくるから・・・。
大丈夫よ。



でも、君に会えなかったら?
君を探し出せなかったら?




大丈夫。
私があなたを探すから。


たとえ、
どんなところでも
どんな時代でも
絶対に、あなたを探し出すから
安心して。



ほら、見て・・・。



衣擦れの音・・・。



爪を染めたのかい?


ええ、これで私の爪は二度と褪せないわ・・・。
いい? このままでもいい?

怒ってる?


うううん・・・いいよ。

私たちの愛は色褪せない・・・。
永遠に続くんだね?



そう・・・。だから、今は逝かせてちょうだい。


お願いだから、まだ、逝かないでおくれ。



泣かないで。
大丈夫よ。
永久(とわ)の別れじゃないもの。
悲しまないで。
また会えるから。


私が・・・あなたを探し出すから。


私をおいて逝かないで。


ごめんなさい・・・。
もう疲れてしまったの・・・。
眠らせて。

ああ・・・。
あなたにこうして抱かれて・・・ああ・・・こんなに幸せに眠れるなんて・・・。

もう・・・とても・・・起きていられないのよ・・・。



メイファー、愛してるんだよ・・・。



ありがとう・・・とても・・・幸せだったわ。
これからも・・・ずっと・・愛し続けるわ・・・。
だから、心配しないで・・・。


メイ?

メイファー!













ユ:ねえ、ちょっとあなた!


ユナが、自分の学校の生徒であるインジュンの前に立ちはだかっている。


ユ:いつも私の顔ばっかり見てるわね。なんなの?(怒った顔で睨む)
イ:何なのって言われても・・・・。(少し困った顔をするが、見つめている)
ユ:あなたが生徒だから、あまり言いたくないけど、そんなに見つめられると、ちょっと気味が悪いのよ・・・。それで今日は、うちの前に立ってるでしょ。なんか・・・。(眉間に皺を寄せている)
イ:すみません。先生の顔が・・・なんか僕には・・・。
ユ:なあ~に?! (睨みつける)
イ:懐かしいというか、前に知ってたような気がするんです。・・・先生、僕を知りませんか?
ユ:あなたを? 知らないわ。だって、あなた、まだ18でしょ? そんな子供、知るはずないじゃない!
イ:子供って・・・先生はいくつですか?
ユ:・・・23・・・。(バツが悪そうに言う)
イ:5つしか違わないくせに・・・僕は子供ですか?
ユ:う~ん・・・そうよ!(怒ったように言う)


ユナの家の一階の窓が開き、中から女性の声がする。



女:ユナ? 誰かお客様なの? 玄関先であまり大声で話すものではないわ。上がってもらったら?
ユ:ママ。生徒さんなの。(まだインジュンを睨みつけている)
母:なら、上がってもらいなさい。
ユ:・・・来る?(ぶっきらぼうに言う)
イ:いいんですか?
ユ:仕方ないわ。母が気にしているから。いらっしゃい!


ユナはインジュンを引き連れて家へ入った。


ユ:上がんなさい。
イ:お邪魔しま~す。


二人は中へ入っていく。リビングの奥のサンルームにユナの母親がいるらしい。


ユ:ママ~。上がってもらったわ。
母:(遠くから)そうお。お茶でも入れましょうね。


インジュンがちょっとユナの顔を見て笑った。



ユ:何よ?
イ:先生でも、ママとか言うんですね。(笑顔で見つめる)
ユ:あら、おかしい?
イ:う~ん・・・ちょっとかわいいです・・・。
ユ:もうあんたって子は。人をおちょくってるの?
イ:いえ、別に・・・。さっき、フルートの音が聞こえてたけど・・・あれって先生が吹いてたんですか?
ユ:うううん。うちのママ、じゃない、母が吹いてたのよ。なぜ?
イ:(笑う)ママでいいですよ。いや、なんか懐かしい感じがして・・・。それで、聞き入っちゃって。

ユ:あんた、この間から、私を見ると、懐かしいとか言っちゃって。
イ:何ていう曲なんですか?
ユ:さあ、母に聞いて。よくわからないの。ただね・・・。
イ:ただ?
ユ:う~ん・・・亡くなった父がね、あの曲を「魂の在り処」って呼んでいたのよ。
イ:「魂の在り処」?
ユ:そう・・・。曲のタイトルじゃないけど、そのくらい、母が愛してやまない曲というか・・・。父の言いたかったことが、ホントのところ、私にはよくわからなかったんだけど。(笑う)
イ:どうしてちゃんと聞かなかったんですか?
ユ:父ってね、いい人なんだけど、なんでもそんな風に観念的にものを言う人だったから・・・。
イ:へえ・・・。(不思議そうにユナを見る)

ユ:うちの母は中国人なの。だから、あっちの曲かもしれないわね。・・・母の心の根っこにある曲というか。もうすぐ来るから、直接聞いてみたら?
イ:・・・。



ユナの母親がお茶の支度をして、リビングへ入ってきた。



母:お待たせしたわね。



インジュンがソファから立ち上がって、母親に挨拶をする。


イ:お邪魔してます。
母:ずいぶん、礼儀正しい生徒さんだこと。
ユ:そうかな~?


母親は、お盆をリビングテーブルに置き、顔を上げてインジュンの顔を見た。



にこやかだった母親の顔が凍りついたように強張って、じっとインジュンを見つめている。
インジュンもその顔を驚いて見つめている。


ユ:ママ、どうしたの?
母:え? いえ、別に・・・。(じっとインジュンを見つめている)
ユ:インジュン、あんたまでどうしたの? おかしいわよ。
イ:いえ、先生にそっくりだから、驚いちゃったんです。同じ顔してるんですね。
ユ:何言ってるんだか。(笑う) 親子だもん、似てるに決まってるでしょ? でも、そっくりじゃないわよ。


インジュンが、ユナの顔を見た。ユナによく似ているが、確かにそっくりではない。
でも、誰かにそっくりな感じがするのだ・・・。




ユ:ママ、大丈夫?
母:ユナに習ってらっしゃるの?
イ:はい・・・。ここが先生のうちだとわかって・・・。
ユ:ママ。この子って、ストーカーかもしれないのよ。(インジュンを睨む)
母:なんで?
ユ:私の後をついてきたの。私のことが懐かしいとか、言っちゃって。


母親がインジュンをじっと見つめている。



母:この子が懐かしいんですか?
イ:・・・すみません、変なこと、言っちゃって。でも、そんな気がしたので・・・。
母:そうですか・・・。
イ:あのう、さっきフルートで吹いていらした曲は何ていう曲なんですか?
母:え? (インジュンの瞳をじっと見つめる)
イ:また変なこと、言っちゃいますけど、懐かしいんです、さっきの曲・・・。
母:そうなんですか・・・? (じっと見つめたまま)
ユ:ママ、この子、ちょっと変わってるでしょ? ねえ、あの曲って確かママの故郷の曲よね?
母:え?・・・ええ・・・。曲名は私もよくわからないの。ただ、私の心に残っている曲で、とても好きで・・・、よく吹いているんですよ。
イ:そうなんですか。もう一度、聞かせていただいていいですか?
母:・・・。
ユ:ママ。いいお客さんじゃない。吹いてあげてよ。
母:そうね・・・。




母親はサンルームへフルートを取りに行き、インジュンたちからは少し離れたところで、顔を隠すようにフルートを演奏し始めた。


ユナは楽しそうに聞いていたが、インジュンは、じっと真面目に聞き入っている。そんなインジュンの様子がユナには不思議に思えた。


インジュンの魂が、母親のフルートの音色に乗って飛んでいってしまうように見えたのだ。

母親は一番を吹き終えると、リピートすることなく吹くのをやめて、サンルームのほうへ消えてしまった。



そんな母の態度も少し妙な気はしたが、インジュンと母は、そんなに社交的な感じではないから、きっとお互い、人見知りをして緊張しているだけなのかもしれない。



ユ:ママ~! こっちへ来て一緒にお茶を飲まな~い?
母:私はいいわ・・・。生徒さんにゆっくりしていかれるように言って。


ユ:ええ・・・。(お茶を飲む)あなたも飲みなさい。でも変ね・・・。ごめんなさいね、なんか妙な感じで。いつもはあんな人じゃないんだけど。
イ:いえ・・・。でも、とてもいい演奏でした。胸が熱くなりました。
ユ:大人っぽいこと言うわね。(笑う)
イ:でも、素敵でした。

ユ:そうね。ママはいろいろ演奏するんだけど、この曲を吹いている時は・・・なんか、郷愁が漂うのよねえ・・。ねえあなた、なんか楽器できる?
イ:え? ピアノを少し・・・。
ユ:そうなの? 今の曲、即興で弾ける?
イ:ええまあ・・・。
ユ:ねえ、弾いてみてよ。私、即興とかできないの。譜面があるものしか弾けなくて。一度、ピアノで聞いてみたかったのよ。こっちへ来て。


ユナはインジュンをピアノのほうへ連れて行き、ピアノの前に座らせた。



ユ:ママ~。インジュンがあれ、ピアノで弾いてくれるわよ~。どうしたのかしら? どっか行っちゃったのかな? まあいいわ。ねえ、弾いて。(ピアノの横に立つ)



インジュンはちょっと鍵盤を見てから、ピアノを弾き始めた。

それは、とてもセンチメンタルで、胸が痛くなるような演奏だった。




ユ:素敵だわ・・・。あなた、すごいわね・・・。(驚いた顔でインジュンを見る)
イ:・・・。(ユナの顔を見上げる)
ユ:すごい才能よ。(インジュンを見て微笑む)


ユナがインジュンを見直して、さっきまであった二人の間のギクシャクした感情がなくなり、二人はにこやかに笑いあった。



サンルームの奥から、そんな二人の様子を覗き見て、ユナの母親は、涙を溜めて静かに部屋を出ていった。











パリの街を闊歩する音楽学校に通うメイリン、通称メイ。


彼女は今年、20になったばかり。音楽学校の卒業試験も終えて、あとは卒業を待つばかりだ。
彼女の父は華僑でここパリでも手広く仕事をしている。


フルートのケースと楽譜を入れた大きなバッグを肩から提げ、石畳の街を歩く。


前から来た背の高い男の顔を何気なく見る。

同じ東洋人の彼と目が合って、ちょっとバツが悪い気がしたが、瞬間彼の目が笑ったような気がした。


何か不思議な思いで見つめていると、男もメイを見つめたまま、通り過ぎた。








妹:お姉ちゃま! どうしたの?


リセから帰ってきた妹のシャオリン、通称シェリーが部屋の入り口に近いスタンドの明かりをつけた。


メ:あっ! (驚いたように妹を見る)

真っ暗な部屋のベッドの上に、メイは座っていた。


妹:どうしたのよ? 考え事?


姉のベッドの上に上がり込む。


メ:え?
妹:電気もつけないで、おかしいわよ。


シェリーがベッドの横にあるスタンドの電気をつける。
二人は同じ部屋を使っている。


妹:どうしたの? 座って寝てたの? へんなの。
メ:・・・今日ね、道で男の人と擦れ違ったの・・・。
妹:いい男だったの?(顔を覗きこむ)
メ:というより、何か知ってる人だったのかなって思って。
妹:向こうが挨拶してきたの?
メ:そうじゃないの。ただ何となく、雰囲気がね。知ってる人みたいな・・・懐かしいような・・・前にもこんな風に道で見つめ合ったことがあったような・・・。変なのよ、感覚が。

妹:デジャブね、きっと!
メ:デジャブ?
妹:うん、前にこんなシーンがあったなって感じるのが、デジャブよ。
メ:そうなのかな。ホントに知ってるって感じなのよ。変な言い方だけど、擦れ違った瞬間、わかったの。私がその人を見て頭に描いたのと、同じニオイがしたのよ。

妹:へえ・・・。(不思議そうに姉を見る)いくつくらいの人?
メ:いくつだろう? 28か30か31か、その辺の人の区別ってよくわからない。
妹:な~んだ、おじさんか。
メ:おじさんと言っても、私と10歳くらいしか違わない人だもん。気になるのよ。
妹:ふ~ん・・・。でも、その人って今日初めて会った人なんでしょう? また会うか、わからないじゃない。
メ:まあね。(妹を見て微笑む)
妹:また会ったら教えて。
メ:うん。

妹:今ね、リセで流行ってるんだけど、占い師というか祈祷師みたいな人がよく当たるんだって。何かあったら、おもしろいからお姉ちゃま見てもらったら? その人に。友達にその人のこと、聞いてきてあげるよ。
メ:うん・・・・。
妹:お姉ちゃま? 大丈夫?
メ:うん・・・・。


メイはそのまま、ズルズルとベッドに寝転がった。


シ:ねえ、そんなに心に残る人なの?
メ:うん・・・。
シ:それって恋かな?
メ:30秒くらい見た人に恋するの?
シ:そうだよね・・・・。


シュリーも一緒になってメイの横に寝転び、二人は手をつないで天井を見つめた。







それから、2週間ほど経ったある日、親友のイザベルに誘われて、メイリンはモンマルトルのテルトル広場へ出かけた。

ここは、似顔絵描きの画家や風景画を売る画家、そして観光客で賑わっている。

そんな賑わいの中を、二人は最近流行しているミニスカートをはいて、伸び伸びと歩く。


イ:今度の大学はニューヨークだし、英語だからちょっとやだな。(周りを覗きながら言う)
メ:素敵じゃない。いいなあ、ニューヨークなんて。
イ:でも、フランス語訛りがあるから、すぐ外人だってバレちゃって、やだな。
メ:そうかなあ。フランス人の女の子ってモテるらしいわよ。いいじゃない。(突く)
イ:すぐ裸になると思われてるだけよ。ねえ、メイ。あそこで似顔絵、描いてもらわない?
メ:ええ、面倒臭いわ。恥ずかしいもん。
イ:一度描いてもらいなさいよ。私は前に描いてもらったことがあるの。パリに住んだ記念になるわ!
メ:でも、やだな・・・。
イ:あの人がいい! ハンサムだわ! いらっしゃい!(メイの手を引っ張って走る)



メイはイザベルに引っ張られて一人の絵描きの前へ座った。


イ:この子をお願い!


メイが恥ずかしそうに顔を上げると、この間、擦れ違った男である・・・。



男:こんにちは、お嬢さん。どうぞ、座ってください。
メ:・・・・。

男:まっすぐ僕を見てくださいね。


メイは震えそうなほど緊張しながら、男の顔を見つめた。


男はじっとメイを見つめてから、後はまるで彼女の顔を空案じているかのように、もうメイの顔を見ることなく、彼女の似顔絵を描き上げた。


そうして、顔を上げて、メイと絵を見比べている。


男:・・・。
メ:どうかしましたか?
男:・・・・。こんなにあっさり描けるなんて・・・不思議だな。まるで、あなたを知っているみたいに。
メ:知っているんですか?(同じ感覚に驚く)
男:え?(笑う) 今日は気持ちよく描けたので、この絵はあなたに進呈しますよ。
メ:え? お代は?
男:いらないです。差し上げますよ。
メ:・・・・。
イ:よかったじゃない。見せて・・・・。これって・・・。すごいわ。まるで、生き写し・・・。それになんか・・・。(男の顔を見て言うのをやめる)
男:なんですか?
イ:いえ。とても素敵!ということです・・・。





メイとイザベルはその絵を見ながら、歩いている。


メ:ねえ、あなた、さっきなんて言おうとしたの?
イ:え?
メ:言ってよ。私にならいいでしょ?
イ:うん・・・。(躊躇する)
メ:なんて言おうとしてたの。なあに? それになんか、の次・・・。


イ:それになんか、愛を感じるわって・・・。
メ:愛?
イ:変でしょ? でもさっきはそう思ったの。・・・この絵には相手に対する恋しさを感じるの・・・・。




メイは振り返って、さっきの絵描きのほうを見た。


男はもう次の客の仕事にとりかかっていたが、あの懐かしさと、この絵には何か、秘密があるのだろうか。




メイは立ち止まり、じっと男のほうを見つめた。











2部へ続く



2009/10/28 01:16
テーマ:外へ出かけよう カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

京都旅行と、joonについてチョビッと・・・^^

Photo
BGMはこちらで^^



こんばんは^^

ご無沙汰してしまいました。


先週の金曜日から日曜日まで、京都へ行ってきました^^

立命館大学でRicks 韓国映画フェスティバルをやっていたからね^^


他のブログ等でも、このフェスティバルについてはご報告が書かれていましたね^^




さて。

私は~~^^

初日は席取りもあり、5時起きで出かけました^^

実際には、13時過ぎからのプログラムですが、
東京駅に出るまでまず1時間かかるし、新幹線に乗り遅れると大変なことになるので、
もう早起きして行きました^^

そのおかげで後ろ寄りではありましたが、正面真ん中の席が取れました^^

お顔はバッチリ見られました^^v

トークの前に、まずは、ヘスさん主演の「タチャ」いかさま師の映画からでスタートです。

地元の人は、

「次のヘスさんのトークからでええやろ、どうせ、あそこはいつもガラガラに空いてるやんから・・・」

なんて思ってくる人が多くて、
トークの時間に合わせて来た人がぎょうさんいてはりましたが・・・^^

残念ながら、定員オーバーで入場規制。
中へ入れない方がいっぱいいました。



(トイレでお話したおばちゃんが言ってはりました。
「あんた、毎年来てはるの?」
「いえ・・・」
「いっつもガラガラなんやけど、今年は違うな。あの国民的スター(アン・ソンギさん)が来はった時もガラガラやったんよ」
「そうですか~」

ほら、どこでも、知らない人とお話しちゃう私ですのでvv)




さすがにキム・ヘスでした。

これには、主催者側の大学もちょっと興奮^^


トークで舞台に登場したヘスさんは、
黒尽くめの服装の「お顔がちっちゃい^^ プロポーション抜群のとびきりの美人」
でした~^^

大学でのトークということもあってか、
以前、大学講師*1も勤めたヘスさんは、さすがに聡明な方で、
お話もとても明快で的を外れたところがなく、順序だってとても誠実に話されたので、
一つ一つが長くて、通訳さんがどこを訳していたか忘れちゃいそうな場面もいくつかありました^^




*1皆さんもご存知の通り、ヘスさんは以前、成均館大学で講師をされていましたね。
愛群のあと、ペ・ヨンジュンは入学を果たして、まさに、講師と学生という関係になるわけですが、
確か、ヘスさんはjoonの入学と入れ替わりに、講師職を退いていたと思います。
一説にはヘスさんがjoonに成均館大学を勧めてくれたという説もありますが、
その真偽はわかりません。でも、歳はたった2つ違いなんだよね。
ホントに姉御肌だよね・・・)



トークは、人柄も出ていて、健康的であったかくてさっぱり、才色兼備というのがわかります。
はっきり言って、ジウちゃんたちとは格の違いを見せ付けたヘスさんです^^

と言っても、「ご本人はただご本人だっただけ」で、誠実な方でした^^


日本にはこれだけのオーラのある女優さんているかな?
と思いました。
社会的意識を持って主体的に生きる・・・
日本であってもそれはあるけれど、韓国という基盤がよりそれを強固にしていくのかなとも思いました。
ご本人もそれだけの努力をしているわけですが・・・。

最終日はヘスさんの都合で、シンポジウムは欠席になったのですが、
その代わりに、ビデオでのご挨拶があり、
自分の個人的に所属している団体のネパールでのボランティアと日程が重なってしまったため、
チェソミダ~ということでした。


全くもって映りの悪いビデオだったけど^^、そこに映っているヘスさんは素敵でした^^




こういう会に行って思うのは、韓国は芸能界を通しても
まだまだ世界と戦い続けているってことですよね、いろいろな面で。
そういう社会の構図、自分の住む日本という国とのあり方の違いなど
いろいろ考えさせられるものがあります。

お近くの方がいらしたら、次回は是非参加してみてください。
って、席取りのライバルが増えちゃうけど^^


joonもこういう落ち着いたところで、一席話をしてみたいだろうなと思う・・・。

でもね、joonが来ちゃったら、会場は家族だらけで・・・
まあ、やめておこう・・・ということになるよね・・・。



一人一人の俳優が韓国の未来を担い、賢明に働いている・・・・
と言う点からのお話として、京都旅行から離れて

次はペ・ヨンジュンの記事から一つ^^



皆も知っている記事だが、


韓流という流れの翳りをいち早く察知したBOFは、その火を絶やさないようにと、先手を打って、
日本にBOFiという会社を興したという話がありました。

それをより強固にするために、DAという会社を現金12億円で手に入れた。

DA側は当初、今まで韓国人と一緒に仕事をしたことがなかったので、
最初は躊躇して断ったそうです。

でも、最終的には、ペ・ヨンジュンという安定した後ろ盾を持つこの会社(BOF)に 12億円で会社を受け渡しました。



ペ・ヨンジュンは実業家と言う点で、韓国社会や韓流へ大きく寄与をしているわけですが、
(俳優としては韓国ではまだ頂点を極めていないのに、その人気を一身に受けている点で多くの妬みもあるでしょう)
どうだろう・・・韓国に寄与している点は、ちょっと文化人さんは見落としてしまいそうだったね・・・。
(韓国へ行くと、「お金持ちのヨンジュンさん」と言われて、彼のやりたい方向性までは汲み取られなかった)



でも、最近は、観光年に合わせて、身を削りながら仕上げた「韓国の美~」が、家族だけでなく、多くの人々に受け入れられた・・・^^
ということで、少しjoonも報われたかな・・・という気がする^^


彼は体を壊すほど、ノメッてしまう点があるから、
家族はとても心配になるけど、
それが「ペ・ヨンジュンという人」なんで、彼は彼なりに幸せなんだと思う。



先日、「韓国の美~」を見た下の息子が「すごい本だね」と言った。
だいたい、タレント本は、自分のことを書くだけで終わったり、
観光と言っても、さらっと何箇所か紹介するだけで終わってしまうものが多いから・・・。


「これ、一年で取材して体験して書いたんだよ」
「へえ・・・すごいねえ・・・。なんか、ちょっとこわい人だね・・・これだけ一年でやっちゃうって。
ちょっと病的にのめり込むというか、ちょっとあぶないよね・・・へえ・・・」

なんて驚いてた・・・確かにそうだ。





話はまたまた京都に戻り・・・^^


京都へ行ったら・・・
まったけやろ^^
栗ご飯やろ・・・^^


なんて、秋の京都の味覚を考えていたが・・・

実際は、まつたけは「まつたけうどん」で食べた。

「早食べな、時間に間に合わへんよ!」


ということで、うどんで済ませた^^


栗はどこでもあるしね、東京で食べたらよろしって・・・^^;


丹波の黒豆は・・・
「きなこソフトクリーム」という形で登場^^

これ・・・味がまるで、昔懐かし「きびだんご」^^

なんて具合に、形を変えて出てきた^^



「松茸の土瓶蒸し・・・ふ~ん、ええ香りや~~~」は、なかった!
「栗ご飯・・・ほこほこやね~~~~^^」も、なかった!vv



じゃあ、何があったの?@@ って思うでしょう^^


初日はそれでも頑張って、
立命館の帰りに、ちゃんとしたコースの和食をいただきました^^

ここには、ちゃんと「ゆばのおさしみ」はありました^^



2日目は、友人と会うということもあり、夕食は大阪は鶴橋まで^^

実はこの日は私の誕生日^^で、ご馳走をいただきました^^

おいしい・・・これは場所を書いたらあかんね・・・ってことで、
中身は飛ばして、お食事をいただき、
来日した韓国スターのフォトを見て回りました。


その中で、ムン・ソリさんもにこやかに、京セラの笑顔で笑ってました・・・。

joonもちょっと自由に動けるとよかったね。





それから・・・せっかく大阪まで来たのだから、【たこ焼き】も食べなくちゃ!
ということで、難波まで行きました^^


街がたった一年でもちょっと変わってたね。
もうjoonのフォトの看板の店はなかったし・・・。


たこ焼きを並んで買って食べたんだけど。

お店のお兄ちゃんがすごいの^^
私たちの前の人には、中国語^^
後ろの人には英語で注文取ってた^^

韓国語もできるのかな・・・^^
ちょっと試してみたかったけど^^



これ、孫さんも食べたんだよね。



なんで差し入れしてあげなかったのかしら・・・?

他のスターさんもたこ焼き食べたんでしょう?



joonが食べたがってたって・・・。




これ、家族が友達だったら、簡単に食べられたのにね・・・。

私だったら、「お土産に買っていってあげようよ!」ということになる。

入れ物がないんだったら、タッパを買ってさ、
そこにたくさん入れてもらって、持っていってあげるよ。


「あ、joonは中ほどのあったかいとこ、食べてね^^」
なんて、ほじくっちゃって^^

他は「スタッフの皆さんもどうぞ~~~~^^v」なんて言って、
冷めた部分のたこ焼き、あげちゃう^^


ホント!
スタッフが家族だったら、joonの口に「たこ焼き」なんて簡単に入ったはずだよ・・・。




いつも思うな。

ペ・ヨンジュンが動くのは大変かもしれない・・・

そんなことは皆知っているんだから、ちょっとぐらい、助けてあげてもいいじゃない・・・。



たとえ、彼が食べなくても・・・私だったら、買っていってあげる・・・。

それができないなんて・・・。


持っていったものが実は捨てられちゃったって、怒ったりしないもんね・・・
でなきゃ、長い間、見返りのない愛やプレゼントなんて送り続けられない・・・。


私にできるのは、仮想空間で
寅ちゃんに料理を作ってあげることぐらい・・・


今度、なんかご当地物があったら、
是非、joonにも食べさせてあげてくださいね^^


私たちにはそれができないから・・・お願いするしかできないから・・・。





まあ、京都の旅はこんな感じです^^

最終日も、シンポジウムまで出席して、
急いで京都駅へ向かって、駅の地下アーケードで

ラーメンを食べて帰ってきました~~~^^

それでも、家に着いたのは午前様。


楽しい旅だったよ^^


ほら、すぐ、横道にそれちゃうのが好きだから、
あっちに寄ってこっちに寄って・・・

細い横道に入り込んだり・・・^^





そうそう^^


それから、なんと24日の私は2回、おみくじを引いて、「凶」で・・・

「キコちゃん、凶ってそうそうないんだから、後はよくなるだけよ~~~^^」

なんて励まされて@@、ホント、同じ日に2回引く人も少ないでしょうね。。


それも京都と大阪で・・・^^


法善寺横町のお不動さんでも引いちゃったの^^


3日目の朝ごはんは、私の好きなホテルの前のスタバで食べたんだけど、

そこは裏が六角堂で、お店はそれを借景していて、
全面ガラスの前に六角堂があって、目を楽しませてくれるの・・・

といえば、
あ、また、おみくじを引くのだろうとわかる?^^


そう、また、お参りして、引きました^^


な、なんと!
今度は「大吉」ね^^


運勢が回りまわっている・・・というのはわかるけど・・・

3箇所で引いて、
本日の運勢と翌日の運勢が順に回っているって
すごいと思わない・・・?


これってとても不思議ですよねえ・・・。




お寺さんや神社、お不動さんを回るのは楽しいよね。

私は、信仰するする場がないから、
そういうところで、一生懸命拝んでいるのを見ると、
ああ、いつもこうやって拝んでいるんだなあ・・・
これだけ一生懸命なんだもん、願いが叶うといいなと思う・・・。

水かけ不動とか、その手順とかね、いろいろ観察する・・・。

私の「キコはん」は寅ちゃんに何かあると、拝んでいるから・・・

彼女はきっとこうやって、
寅ちゃんの無事を祈っているのやなあ・・・なんて思うんだ・・・・。









2009/10/23 01:49
テーマ:ぶらぶらと・・・ カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

ちょっとお休みで~す

Photo

こんばんは^^

昨日、今日といいお天気だったね~

皆はオリオン座流星群は見られましたか?^^

私は・・・駄目でした・・・。


さて。

明日(金曜日)から日曜日まで出かけてきますので、
ブログはお休みします^^





また、来週からのBYJシアター連載ですが・・・

おやすみを入れるので、予告編のあるものを探しました^^

最近はPCが変わってしまったので、
フラッシュもフォトストーリーも作らなくなってしまいました・・・。

これは、フォトストーリーで下手な作りですが、
予告編としては楽しみでしょう?^^

ということで、

「君に会えるまで」を連載したいと思います。

これは、生まれ変わりのお話ですが・・・

ちょっと話の流れが変わっています。

これも・・・とても、切ないストーリーです・・・。


予告編↓

http://club.brokore.com/user/data/download.jsp?circleid=a0100618&instid=36&serial=33


では、皆様もよい週末をお過ごしくださいね^^v


2009/10/22 01:53
テーマ:【創】Oh, My NY ! カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

【BYJシアター】「Oh, My New York !」終

Photo

BGMはこちらで^^



BYJシアターです^^

「Oh,My New York !」もとうとう最終回。

では、最終レポートをお届けします。


ここより本編。
お楽しみください^^

~~~~~~~~~~~






「ねえ、オッパア」
「うん?」
「オッパのお店ってなんていう名前?」
「・・・ん? どれえ~?」


「・・・たくさんあるんだ・・・」


「ん? なあに?」


ヨンジュンは本を読んでいるので、生返事だ。


「う~ん・・・オッパの、ソウルのオーガニック・レストランの名前」

「ああ・・・ゴリラ?」

「ゴリラ・・・。他は?」

「ええ~?」

「レストラン」

「ゴシレ?」

「へえ・・・・」



ホーリーが突然起き上がった。

「オッパと一緒に韓国へ遊びに行こうかな・・・」

「・・・・」

「オッパが帰る時、一緒にソウルへ遊びに行く!」


「・・・。・・・。ええ!?  今、なんて言ったの?!」





【Oh, My New York !】 最終回





ホーリーがヨンジュンの胸に手をついて起き上がった。


「痛い!」
「ごめん・・・」
「肩のほうまで響いたよ」


書斎の一人掛けのソファにオットマンをくっ付けて、ヨンジュンとホーリーは一緒に抱きあうように寝転んで本を読んでいた。

一緒にというより、ヨンジュンが座っていたところに、ホーリーが割り込むように入ってきて、ヨンジュンの胸に頭を載せて寝ころんだ。


「急に体重移動するなよ」
「ごめん・・・痛かった?」
「少しね」
「肩、痛む?」
「少しね。体はつながってるんだからさ」
「ホントにごめん・・・。ねえ、一緒にソウルへ遊びに行っていい?」
「一緒にって・・・」
「駄目なの?」
「駄目ってねえ・・・」


「オッパの家は大家族だから・・・来られると困る?」
「う~ん・・・。ねえ、何で急にオッパになったんだよ。(笑) ヒョンでいいよ。ホーリーらしくて」
「いいじゃない。オッパのほうが甘ったるくていいのよ!」
「ふ~ん」
「そうでしょ?」
「そうかなあ」

「・・・自分からキスしておいて、やる気ないわね」
「ふん。(笑) それとこれとは別さ」


ホーリーは、またヨンジュンの胸に頭を載せて寝転がった。
ヨンジュンの胸に人差し指を突き立てて、胸を軽く突いた。


「来てほしくないんだあ・・・。ただ遊びに行きたいと思っただけなのに・・・」
「う~ん・・・」
「いいじゃない。ただソウルに遊びに行くだけよ。長居はしないわ」
「う~ん・・・でもなあ、いろいろね・・・」

「ふ~ん・・・。手、貸して」
「手?」
「うん」

ヨンジュンは本を持っていない右手を差し出した。

ホーリーはその手を自分の胸に当てた。ブラジャーをしていないので、ヨンジュンには、手のひらに真ん中に当たっているものが何かわかった・・・。


「感じないの?」
「ええ?」
「わかんないの?」
「・・・わかるよ・・・。(笑)」

「なんとも思わないの?」
「ふ~ん・・・・」

そういって、彼は本を読んでいる。


「でも、手はどけないんだ・・・」
「だって・・・いいんだろ? 触ってて」
「まあね」


ホーリーもそう言って、また本を読み始めた。

さっきの韓国行きの話は、彼は歓迎しないらしい・・・。
まあ、アメリカ育ちの自分より、彼は韓国の男で少し頭が固いだろうから、そんなに付き合ってもいない女の子に、家族の前に出られたら、嫌なのだろう・・・。

だから、今だ独身なのよ・・・。
もっと気軽に付き合えばいいのに・・・。

友達ができたんだよって言ってさ・・・。




「ちょっとページをめくりたいんだけど・・・手を離してもいい?」
「駄目~」
「なんだよ」


ヨンジュンは手を離して、ページをめくった。


「ちゃんと手を戻してね」
「・・・」
「オッパア。手を貸して」
「・・・」
「いつもお外では手をつないで歩いてあげてるじゃない」
「ふん。(笑)」

「ねえ、もっと手を伸ばせないの?」
「ゴム人間じゃないからね」
「なんだ・・・。でも、もう少し伸ばして」
「お腹?(笑)」
「うん」
「さっきのとこのがいいかな」
「どんどん下へ下がってきていいわよ」
「いや、さっきのところへ戻る」
「なんで?」
「ん? あっちのほうが気持ちいいから」
「ふ~ん。(笑)」
「あっちのほうが好きだから。(笑)」
「へえ、ホント?」
「うん」
「なら、いいわよ」


ヨンジュンの手がまだ元へ戻った。


「ねえ、オッパア」
「何・・・?」
「私の気持ち、わかるでしょ・・・?」
「・・・」

「オッパはホントは好きじゃないの?」
「え? ホーリーは好きだよ」
「好き・・・。でも、友達として。なんて言わないでね」
「・・・」
「アメリカだって、唇にキスするのは友達じゃないわよ。それもあんなキスしちゃうことはないわ」
「そうだったの・・・。知らなかった」

「本気!?」

ホーリーがまた起き上がった。


「もう!」

「ホーリーは大好きだよ。でも、オレたち時間がないだろ?」

「そんなの、わからないじゃない」
「・・・」

「時間は作るものよ」
「・・・だね・・・」

「やっぱり、ちょっと人恋しかっただけなんだ!」
「そうじゃないけど・・・」
「・・・でも、そうでしょ」
「ごめんな」

「いいわよ・・・」


ホーリーは、今度こそ本当に起き上がって、ソファから降りた。


「わかったわよ。ただの遊びね。ちょっとそんな気分になったから、キスしちゃって、肩抱いて、胸触ったりしちゃったりしただけなんだ」
「・・・そうじゃないけど・・・今はごめんとしか、言えないか・・・」
「大人のあなたが年下の私を泣かせてどうするのよ」
「そうだね・・・」


ヨンジュンも持っていた本を置いて起き上がった。


「ミアネヨ」
「・・・」


「ホーリーには、いつも幸せをもらってるのに・・・。ヒドイね・・・」
「・・・」
「・・・」


「もっと・・・ちゃんと謝らなくちゃダメよ・・・」
「・・・」


ホーリーは、書斎の中を見回して、部屋の片隅に置かれたギターを持ってきた。


「これで、ちゃんと謝罪しなさい!」
「これでって・・・。これで叩くの?」

「何、ボケてるの。私のために弾いて。この間、一人で弾いてたでしょ?」
「ああ・・・。うん・・・」


ヨンジュンはギターを受け取って、オットマンに腰かけると、ギターのチューニングを始めた。
ホーリーは、先ほど、少し涙がこぼれたが、今は気付かれないように涙を拭って、ヨンジュンの前に座りこんだ。

ヨンジュンはチューニングをしながら、何気なくホーリーの顔を見たが、彼の前では泣かなかったホーリーの顔に、明らかに泣いたあとがあるので、彼は胸が痛くなった。


「じゃあねえ・・・。ムーンリバーね」
「うん!」


ヨンジュンはギターを爪弾いて、軽い感じで歌を口ずさんだ。



「♪~Moon river~~」




「あ・・・」
「どうしたの? 続けて。いい感じよ」

「この映画、見たことある? ティファニーで朝食を」
「あるわよ」

「これ・・・。主人公って・・・ホーリーと同じ名前だね」
「そうだよ」
「そうなんだ・・・」

「うん・・・。パパがね、つけたの。パパがオードリー・ヘップバーンのファンだったから。オードリーは、名前としては目立ちすぎるでしょ? それに・・・」
「・・・それに?」

「ママにプロポーズして婚約指輪を買ったのが、ティファニーなの」
「そうなんだ・・・」
「そうなの。だから・・・この曲は、うちの家族の思い出の曲なのよ」
「・・・・。それを弾いてよかったかな?」
「うん・・・。また、思い出が一つ増えた」

ホーリーは、ちょっと泣き笑いのような顔をして微笑んだ。


「そうか・・・。オレにも思い出が一つできたな、この曲に。ただ好きな曲だったのが・・・ホーリーとの・・・恋の思い出に・・・」
「・・・」

ホーリーは、そんなことを言ったヨンジュンの顔を真っ直ぐ見つめた。


「ありがとう・・・ホーリー」
「・・・うん・・・・」


二人はなんとなくしんみりしたが、それは返って、お互いの想いを確認し合った瞬間ともなった。







翌朝、いつものようにホーリーが階段を下りて、キッチンへ向かうと、ヨンジュンが朝食の準備をしながら、携帯で話をしていた。


「ああ、そう。でも、そっちは順調なんだね? うん・・・。予定通りに帰るよ。うん・・・。ああ、じゃあね」

「・・・。打ち合わせ?」

「あ、おはよう。うん、ちょっと仕事のね」

「オッパは・・・私が思ってるより大きなビジネスをしてるのね、きっと」
「どうかな・・・。コーヒー飲むか」
「うん」

「予定通りに帰るの?」
「うん、そうだね」

「・・・もう、ニューヨークへは来ない?」
「どうかな・・・。来たいけどね」
「うん・・・」

「はい。朝ご飯」
「ありがとう」


二人は朝のダイニングテーブルに着いた。


「来て」
「・・・」
「また、遊びに来て。ニューヨークへ」
「う~ん・・・」

「オッパがホントのところ、ソウルでどんな暮らしをしているのかわからないけど・・・。ここは自由だから・・・。骨休みに来るといいわ」
「そうだね・・・」

「私もそのうち、仕事に就いちゃうと、オッパと遊んであげられないけど・・・。いい所だから・・・」

「うん。いい所だ」
「・・・そう思う?」
「うん」


ヨンジュンは窓の外を見ながら、コーヒーをゴックンと飲みこんだ。


「全部素敵に見えるのは・・・おまえがいたからかな・・・」

「・・・きっと、そうよ」
「・・・」

「おいしいよ、これ」
「そうか」
「うん」



二人の生活はもうすぐ終わる。

ヨンジュンは一週間のたった一人の自由な時間を終える。
ホーリーも直に就職して、ここには叔母も戻ってくるだろう。



「ねえ、今日はどこへ行く? まだ見てないとこはねえ・・・」
「いいよ、この近くの散策で」
「そうお? もっと写真になるところ、いっぱいあるわよ」
「でも、ここがいい」
「そ? そうだね、ヒョンも疲れちゃうしね。少し体を休めたほうがいいかも。午後から近くを散歩しようか?」
「うん」


ヨンジュンはホーリーの顔を見て微笑んだ。
ホーリーは今、「ヒョン」と呼んだ。甘酸っぱくも寂しさが彼を包んだ。
ヨンジュンはそんな気持ちをホーリーに気付かれないように、コーヒーを飲むふりをして、カップで顔を隠した。



朝食を終えて、彼はいつものように、コーヒーを持って書斎に入っていった。

ホーリーは、食器を洗い終わると、書斎のほうを振り返って、じっと彼の座っているであろうソファを見つめていた。


ホーリーがキッチンを出ていくと、ヨンジュンは書斎の角の窓のレースのカーテンを閉じた。

ここからは、キッチンがよく見えた。
食器を洗っているホーリーの後姿を眺めていたら、彼女は急に後を振り返って、ヨンジュンがいつも座っているソファのほうをじっと見つめていた。

いつ、書斎のほうへ歩み出すのか、気がついてこちらの窓のほうへ視線を移すのか、それが気になって、ヨンジュンもずっと彼女を眺めていたが、彼女は長い間、ソファを見つめていただけで、さっと体の向きを変えて、キッチンを出ていってしまった。


どんな気持ちで見つめていたのか・・・。


あれは、ちょっとした出来心というより、あの時は、本当にホーリーが愛しくて、キスせずにはいられなかった。
自分の中からわき上がってくるホーリーを愛おしいと想う気持ちが、彼女を抱きしめさせた。
あの瞬間は・・・自分でも心にしっかり刻んでおきたい・・・。


いつも慎重すぎると思うぐらいの自分ではあるものの、時として、湧き上がる感情に押し流されるように、心に浮かぶ全てのものを吐き出すように、その感情に飲まれていく時がある。


ホーリーはかわいい。
大好きだ・・・。
きっとずっと一緒にいれば、もっともっと好きになるだろう。

それはわかっている。


でも、彼女とは全く違うフィールドにいることもよくわかっている。

それは、自分が少し彼女より大人だからか、あるいは背負っているものがそうさせるのか・・・。

今は好きでも・・・これは叶わないことだと最初からわかってしまうのだ。


さっきのホーリーの姿はいじらしかった。
それを感じた自分のことも、よく覚えておきたい・・・。そんな感情で彼女を見つめていたことも。





午後まで、ホーリーは自分の部屋から出てこなかった。出発を明日に控えて、ヨンジュンは、自分ではホーリーを振っているくせに、またすぐに彼女の顔を見たい衝動にかられていた。


本を読む振りをしたり、PCを覗いてみたりしたが・・・実は、ホーリーの部屋のドアが開いて、彼女が出てくるのを待っていた・・・。


午後になって、階段を軽快に下りてくる音がした。

ヨンジュンは待ちきれなくて、自分からリビングへ飛び出した。


「ああ、ヒョン!」


「どうした?!」


「ん? いや・・・。あのう・・・。ほら、あそこ・・・おいしいケーキ屋さんあったでしょ? あそこのチョコレート、まだ試してなかったかなと思って」
「ケーキ屋・・・。ああ、酒屋の先の」
「そう・・・。チョコレートがかわいいのよ」

「それで?」
「行ってみない?」

「う~ん・・・チョコか・・・」

「もう!行くわよ!」

「な、なんだよ!」

「早く!」



ホーリーがいつものようにヨンジュンの手を引っ張った。

でも・・・。
この感触は、いつもと違っていた。

昨日を経て、二人の手の感触が変わった。

ホーリーの手は温かく、そこから愛情が滲み出してきて、自分の中へ流れ込んでくるようにも感じられたし、ヨンジュンの手はただ大きいというより、ホーリーの手を包み込んでいるようであった。

手をつないで、二人は一瞬気恥ずかしさに戸惑ったが、またすぐにいつもの笑顔に戻って、散策兼ケーキ屋へチョコレートを買いに出かけた。




ホーリーがほしがっていたチョコレートの全貌がわかった。
それは、かわいい手作りの小さな板チョコの表面に似顔絵を書いてくれるというものだった。


「これがほしかったの?」
「いいでしょ? 協力するわね?!」
「ふん。(笑) わかったよ」

「お願いします」


店員が出てきて、二人をポラロイドのカメラで撮って中へ入っていった。



「コーヒー飲みながら、待つか?」
「そうねえ・・・。少し歩く?」
「歩くのか」
「足が痛い?」
「まあ、いいけど・・・」

「外へ行きたいわ。なんか、中は息苦しいから」
「・・・いいよ」


二人は近くの街をブラブラ歩いた。



「もう夏も近いなあ・・・」

「そうね。ニューヨークの夏は蒸し蒸しするけど・・・」
「そうかあ・・・」

「いつか来るといいわ。夏のニューヨーク」
「・・・。そうだね」

「まだ、できないかしら・・・」

「顔がついてるなんて、食べられないな。(笑)」
「そうかな」
「おまえは食べちゃうのか?」
「少しおいたらね・・・」

「・・・ふ~ん」

「行ってみよう。きっと仕上がってるわ」

「うん、そうだな」



チョコレートはかわいい絵にデフォルメされていたが、ホーリーはホーリーらしく、ヨンジュンにはヨンジュンの面影があった。
1箱に5個ずつ二人が入っていた。それを2箱買った。

「よくできてるねえ・・・」
「ホント・・・・」

「これは土産に持って帰ろう。食べるのは勿体ない」


「長持ちするように、パウチしますか?」
「ええ、お願いします。二箱とも」
「かしこまりました」

「いいだろ? すぐには食べないんだろ?」

「うん・・・」



パウチされたチョコレートを土産に、二人はまた街を歩く。


「ホントに上手にできてて食べるのが惜しいね」
「そうね」

「でも、いつかは食べようと思ってるわけだ。(笑)」
「そうよ、もちろんよ。勿体ないじゃない」

「そうかあ・・・。思い出を食べちゃうか・・・」

「食べちゃうわよ。ヒョンなんかどうでもいいやって、思えるようになったら」
「・・・・」
「ヒョンはどうする? どうでもいいと思ったら捨てちゃうの?」

「さあ・・・」

「捨てちゃうんだろうな」

「・・・じゃあ・・・オレも食べるよ・・・」

「・・・」

「おまえを食べてやろう」
「ホント?」
「うん・・・。思い出はオレの中へしまうよ」

「うん! そうしてね」


「凄い土産を買っちゃったな」
「でしょ?」
「でも、いいよ。ありがとう」

「うん・・・」



もう明日の朝には、ブライアンたちの待つホテルへ向かう。
自分だけの時をうまく過ごせたか・・・。きっと、いい時を持ったはずだ。

ホーリーのお蔭で・・・。いい時を過ごせた。







最後の夜になって、ヨンジュンはなかなか眠れなくて、冷蔵庫にミネラルウォーターを取りにいった。

キッチンの電気をつけると、ホーリーがキッチンテーブルに座っていた。


「どうしたんだよ。電気ぐらいつけろよ」

「ちょっとコーラ飲みにきただけだから」
「コーラなんてやめろよ。体に悪いぞ」
「いいじゃない、体に悪くたって・・・。ヒョンには関係ないでしょ」
「・・・」

「一杯飲んだら寝るぞ」
「それも関係ないじゃない・・・」
「・・・」

「もう今日、帰っちゃうんだし」
「・・・」

「勝手に帰っちゃえ・・・」
「・・・」

「送らないわよ」
「・・・」
「荷物が重くても手伝わない」
「・・・」
「自分で2階から降ろしてね」

「・・・ずいぶん、意地悪だな・・・」

「ヒョンが意地悪だから・・・」

「なんで?」

「帰る前の日ぐらい・・・最後まで一緒にいるものよ・・・」
「・・・。一緒にって・・・」

「一緒にいてくれないの?」

「だけど・・・もうオレは・・・いなくなるからね」

「そうだけど・・・」

「・・・」


ホーリーは寂しそうにグラスの中のコーラを見つめた。



「じゃあ・・・こっちへおいで・・・」



ヨンジュンは、暗い書斎へ入っていった。

「ここで、一緒にいよう・・・いつもの場所で・・・最後もいつの場所で過ごそう」


ホーリーは、一人掛けのソファの中に寝転んだヨンジュンを少し見つめていたが、自分も折り重なるように、寝ころんだ。

「そうね・・・ここがいいわ・・・」
「だろ?」


暗闇の中で、ヨンジュンの顔に、ホーリーの顔が近づいて、二人はキスをした。


「抱いて」
「いいよ。狭いね。(笑)」

ヨンジュンがホーリーの腕枕をするように抱いた。


「そっちの手を貸して・・・」
「・・・」

「これでいいわ・・・」
「この間の続き?」
「そう・・・」
「・・・じゃあ・・・もっと下のほうへ行ってもいいんだ・・・」
「いいわよ・・・。もっと下がっても・・・。オッパが好きだから・・・」
「・・・」
「オッパと一緒にこうして寝てると、なんか安心・・・」
「・・・」

「明日は起こさないでね・・・。せっかく気持ちよく寝てるんだから・・・」
「・・・うん・・・」
「気付かないように、出ていってね・・・」

「・・・思わず、キスするかもしれないな」
「・・・今して・・・。朝なんかしないで。起こしたりなんかしないで」

「うん・・・」


ヨンジュンの手がホーリーの顎を掴んで、二人はキスを繰り返した。




朝はもうそこまで来ていた。

闇は明けてしまいそうだ。
でも、まだ闇の中にいたい。どちらともなく、二人はお互いを抱きしめた。







翌朝、ホーリーが目覚めた時には、彼はもういなかった。
毛布がホーリーの上にかけられていて、それがまるで彼の温もりのように感じられていただけだった。

書斎のデスクの上に、ヨンジュンがソーホーの店で買った帽子とホーリー宛ての手紙が置いてある。

手紙には、こう記してあった。



「愛しいホーリーへ

君に残せるものを考えた。
実はあの時、後で君にプレゼントしようと思って、蝶ネクタイを買ったんだ。
でも、あれは僕がもらう・・・君の思い出にね・・・。

その代わり、君には僕の思い出をあげよう。

そのうち・・・君がチョコレートを食べる時には、これは捨てていいよ。


僕はきっと・・・君を思い出して寂しい時に、チョコレートを食べるかもしれない・・・。
君の元気がいっぱい詰まっているからね・・・。


君を大好きだったjoonより」





ホーリーはその帽子を目深にかぶると、2階の自分の部屋へと階段を駆け上った。

そして、引出しの中から、あの蝶ネクタイを出した。

最後に渡そうと思って買ったヒョンのための、紫色の蝶ネクタイ。


「ここにあるよ・・・。ちゃんと、オッパと私の思い出は・・・」



昨日は、一緒に過ごせて幸せだったよ。

しばらくは、オッパを想って過ごす・・・。
オッパのニオイや温もりを思い出してね・・・。



ホーリーは、ベッドの上に座って、ヨンジュンの帽子を手に取って愛しそうに見つめた。
後について部屋へ入ってきたロミオがホーリーを見つめて座りこんでいる。


「あんたもそうでしょ?  そうだよね」


ホーリーが笑うと、ロミオも舌を出してにっこりと笑った。









「ヨンジュンさん、どうでした?」
「うん?  いい休暇だったよ」

「それはよかったです。体は大丈夫でしたか?」
「なんとかね・・・」

彼を乗せた車がニューヨークの街を走る。


「忘れられない思い出をくれた街になったよ。この街が好きになった・・・」




I like New York !
I love my life !!

I love My New York !!





ひとときの休息。
ひとときの恋。

それが時の長さを超えて、人に何百倍もの幸せや力をもたらすことがある・・・。







The End









2009/10/20 01:00
テーマ:ぶらぶらと・・・ カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

久しぶりに新大久保へ

Photo
BGMはこちらで^^



今日は新大久保へ行ってみたい!という友人と一緒に
新大久保へ出かけた^^

この方、一家で「韓ドラ」ファンである^^

ご主人が「韓国へ行きたいね~~~~^^」っていつも言っているそうで^^

「行きなよ^^ いいねえ、ご主人も行きたいなんて^^」
と言うと、

「いや。私は友達と行きたいのよねえ。洋服なんかいろいろ見たいし^^」
なんて言っている。

でも、共通の趣味があるっていいじゃない^^

今日は、友人が食べたいと言っていた「サムギョプサル」と「豆腐チゲ」を食べて・・・
この豆腐チゲ、ランチセットにプラス350円で出てきたのに、中に牡蠣が入っていて、
チゲ全体がまろやか~~~になってて、おいしかった^^

「これ、おいしいね~~~^^」

友人もすっかり満足した^^





「そういえば、ヨン様、来日して頑張ってたね~^^テレビで見たよ~」

「そうなのよ」

「2日間もイベントに行けてよかったね^^」


そんなことを言っていると、

スターのグッズの並ぶ店の前に、先日のイベント写真が売っていた。

「ああ、かわいい~^^ どれもいいわ・・・」
なんて、私がうっとり言っていると、

「買えば~」
「う~ん・・・いいのと、へんなのが混在しているよねえ・・・」

なんて、しばし、写真をセレクト。

何せ、8枚セットで1000円。
それが4セットあって、もちろん、いい写真だけ!という組み合わせのはないんだよね。

「う~ん・・・」

選びに選んで(と言ってもどれも似たようなんだけど)、1セット購入。

そこに、先日、韓国サイトに注文した携帯「ヨモギ蒸し」(これは私のお気に入り)もあって、
安かったので、1箱購入^^


あとは、食料品店で、私のオススメの「牛肉ダシダ」を買わせて^^

それで帰る予定だったけど、

「いやあ~ラーメン、おいしそう^^」なんていい出して、
彼女はインスタントラーメンをいっぱい買っていた。

友達へのお土産なんだって^^

牛肉ダシダでもいいんでないかい?と思ったけど、
ラーメンがいいそうだ。

ところで、

友人が韓国かぼちゃを買ってみると言い出した。

「これって、どんなの?」
「ズッキーニに似てるの。よくジョンにしたり、チゲに入ってるよ」

なんて話しながら、
生かぼちゃ^^を持って乾物のところへ・・・。

「あれ?」

韓国かぼちゃを干してあるものには、
なんとズッキーニという表示が!

「え? そうなの?」

見た目、味、食感も似ているけど、仲間だったんだね。

ズッキーニはかぼちゃ科?^^だったの?

きゅうりとかぼちゃを足して、二で割った感じだけど。

似ている点を結んで並べると、

かぼちゃ → 韓国かぼちゃ → ズッキーニ → きゅうり^^

となる^^

【これは余談だけど、
私は、豚キムチいためを作る時、きゅうりも一緒に炒める^^
これ、おいしいです^^
縦半分に切って、斜め切りね。
味は・・・ズッキーニっぽく、いもっぽい味になっておいしいです^^】



そのあと、

コリプラへ行ったら、「韓国の美~」の韓国版があったので、
(これ、おまけなしの2800円。まだの人は、ブロコリで初版おまけつきで買ってくださいね)

「これ、日本語版読んでね~~すごくいいから^^」
と言ってみたけど、

「今度、本貸して。読むから」
なんて言う・・・。

韓ドラが好きな人でも、ペ・ヨンジュンに興味がないと、
ちと値段が高いのかも・・・
でも、それだけの内容なんだけどね。

もう、買って読む人はいないのか!
私の友人には!

(内心・・・う~む、回覧用も買わんと駄目か・・・なんて思ったよ)

でも、値段が値段だから、
自分の好きでもない人、興味を持ってる本でもなかったら
ちょっと買わないかな・・・


そう考えると、

今、巷で売れに売れている状況は、
この値段でも、
本当に買って読みたい!と思っている人たちが買っているわけだから、
うれしいよね^^


話は変わって。

なんとなく彼の今度の作品を考えてみた。

まずは、1本、ラブストーリーをよろしく^^

そんなことを考えてみたら、
ふと、
皆知っているかな・・・
キドク監督の「悪い男」

やくざが自分が好きになった女子大生を罠にかけて
自分の世界へ引き入れていく話・・・
彼女は知らない借金を抱えて、売春婦になるんだよね
他の男たちに抱かれていく彼女を鏡の向こうから覗く・・・

これは恋の話でもあるけれど・・・。

最後まで言うと、見たい人にはつまらないから書かないけど。

こんな超汚れ役をjoonがやったら、たいへんだろうな・・・。


joonがやったら・・・本当に超悪い男だよね・・・
絶対に女は彼から離れられない・・・。


この映画自体はなんか乾いた感じがするんだけど、
joonだと・・・女はアリ地獄に堕ちていく感じがする・・・。


そんなことを考えた。


でも、きっと、しばらくは、というか、彼はそんな汚れ役はやらないだろう。


まずは、アニソナのチュンサンの声と、
お願いできれば、次はラブコメか、とにかく、今はラブ・ラブがいいな。



2009/10/20 00:40
テーマ:【創】Oh, My NY ! カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

【BYJシアター】「Oh,My New York !」5



BGMはこちらで^^


BYJシアターです。

こちらは、昨年のヨンジュンさんです^
いったい、どのようにNYで過ごしていたのでしょうか^^

では「Oh,My New York !」5をお楽しみください^^


注)ホーリーは「ヒョン」とヨンジュンを呼びますが、
これは二人の関係を表している言葉で、
「オッパ」の間違いではありません。


~~~~~~~~~~~~~





トントン!

トントン!



「ねえ、ヒョン、起きてる?」

「・・・・」

「ヒョン!」

「・・・・」

「入るよ。入るからね!」





【Oh,My New York !】5



真夜中、ホーリーは、ヨンジュンの部屋のドアを開けた。

昨日の午後から降り出した雨は、夜半過ぎからより激しくなってきた。
午前2時。今は、稲光が窓のレースのカーテンを通してもわかるし、木々は大きく揺れて、外は大荒れの様相となっている。ついさっき、稲光は「ドスン!」という大きな音を立てて近くへ落ちた。
ホーリーは、子供の頃から雷が怖くて一人で暢気になんて寝ていられない。


ここで、頼れるのは、隣の部屋のヨンジュンしかいない・・・。


ドアを開けて、部屋に入っていくと、ヨンジュンは気持ちよさそうに寝息を立てて寝ていた。



「ヒョン! 起きてよ!」

「グーグー・・・スースースー・・・・」

「もう、ヒョンたら!」


ホーリーは寝ているヨンジュンの肩を叩いた。


「むにゃ・・・フ~・・・スースー・・・」
「・・・」

今度は、ヨンジュンの鼻をつまんでみる。


「ウっ・・・・スースー・・・」


一瞬、苦しそうな顔はしたが、つまんだ指を離すと、また、スースーと寝息を立てている。結局、イビキが止まっただけだ。


「この人って・・・まるっきり、危機感がないのねえ・・・。あんたは大物だわよ! あ、光った! ヒョン! ヒョン! 雷がすごいの! ねえ!」
「・・・」
「ヒョン!」
「・・・・うう~ん・・・」


執拗に肩を揺らすホーリーの手が気に入らなかったのか、ヨンジュンはちょっと顔をしかめて、ホーリーの手を
払うように、寝返りをしようとすると、ホーリーは、今度はヨンジュンの体の上に乗って、彼の顔を覗き込んだ。


「ヒョン? ねえ、起きてよ・・・」
「・・・・ああ・・・」
「ねえったらあ。怖いの・・・」
「う~ん・・・」
「雷がさあ・・・」


ヨンジュンはホーリーから顔を隠すように、ベッドに顔をつけた。


「わかった・・・またな・・・・また、明日な・・・」

「ヒョン!」

「・・・また、明日・・・遊ぼ・・・。スースー」

「遊ぼって・・・。私、子供じゃないわよ!」



ドッス~ン!



「ヒョン! ヒョン! ほらまた、雷が鳴ったでしょう!」

「・・・うん・・・・スースー」


「どういう神経してんの・・・」



ホーリーは、雷の音にも動じないヨンジュンの顔を覗きこんで、半ば呆れた。こんな時でもちょっと顔をしかめただけで、また円満そうな顔に戻って、気持ち良さそうに寝ている。ホーリーは諦めて、自分の部屋に戻ることにした。


ホーリーが部屋を出ようとドアを開けると、「ドデン!」と大きな音が鳴り響いたので、ホーリーは慌てて、ヨンジュンのベッドに潜り込んだ。











翌朝、午前6時30分。体内時計に起こされるように、定時に目が覚めたヨンジュンは思い切り伸びをして、大の字になろうと腕を大きく開いた。すると、左手が何かに当たった。


あれ・・・? ロミオか?   
でも、ロミオはいつも・・・足元で寝てるよね・・・。

おい!



驚いて、起き上がると、ヨンジュンの寝ているダブルベッドの隅に、ホーリーが寝ている・・・。


なんで・・・?
なんで、おまえがここにいるの?


待てよ・・・昨日は、ワインを飲んで・・・下のソファでうたた寝してから、ここへ来ただろ・・・?
それで?
それからちょっと寝て、ああ、また起きて風呂に入ったんだ。
でも、そのあとは・・・ちゃんと一人で寝ただろ?



ヨンジュンは、自分の服装を確認する・・・。
パジャマの上着は、ちゃんとズボンの中に入っている。
彼はいつもお腹が冷えないように、上着をキチンとズボンの中に入れて眠る。これは子供の頃からの習慣で、これをしないと気持ちが悪いのである。

でも・・・。

女の子と一緒の時は、さすがにそれがあまりカッコよくないのを知っているので、上着をズボンには入れたりはしない・・・。


ちゃんと、上着が入っているということは・・・そんなことは、してないだろ?
おい・・・なんで、自分に、確信が持てないんだ・・・。
いや、していない・・・。
うん、してない・・・。
たぶん、してないだろ・・・?
最近してないんだから、自分でだって感触ぐらいはわかるだろう・・・いや、わかる。絶対にわかるはずだ。
そうだろう、ヨンジュン君。


ヨンジュンがもう一度、自分自身の昨日の行動を思い起こしていると、ホーリーが目を覚ました。


「あ~あ! あ、おはよう。今、何時?」

「え?! い、今か? 6時40分・・・」

「あ、そう・・・もう少し寝ようっと!」


ホーリーが起き上がった。


「ど、どこ行くの?」

ヨンジュンは目を丸くして、ホーリーを見た。


「もちろん、自分の部屋よ。自分のベッドで、もう一寝入りするね。あ、そうだ! 昨日はありがとう」


ありがとう・・・?


「お世話様でした~^^」

お世話様・・・?




「あ~あ!」

ホーリーは、大あくびとともに出ていった・・・。



なんで、あいつがここにいたの?

オレが誘ったのか・・・?



「あ、ヒョン!」

いきなり、また、ドアが開いて、ホーリーが顔を出した。
ヨンジュンは驚いて思わず、掛け布団を丸めて抱きしめた。

「昨日、ヒョンにはお世話になっちゃったから、今朝は朝ご飯作るねえ」

ホーリーは幸せそうな顔をして、ヨンジュンにウィンクをした。

「あ、あ、ありがとう」

「お陰で気分よく寝られたよ。Thank you so much !!」

「そ、そうか。 Yo、you’re welcome ! 」

「じゃあまたね! 8時半頃ね!」


ホーリーがドアをバタンと閉めた。





なんだよ・・・。

今さら、なんで、ここで寝てたんだって、聞けなくなっちゃったじゃないか・・・。参ったなあ・・・。

ホーリーと?
まさか!


ああ、自堕落っていうのは、やっぱり、危ない・・・。


自分でも何をしでかすか、わからないよ・・・。










朝食の時間になって、ヨンジュンも隠れているわけにはいかないので、階段をゆっくりゆっくり下りながら、キッチンのほうを伺ってみると、ホーリーはいつになく、上機嫌で、朝食を作っている。

ホーリーが鼻歌を歌っているのが聞こえた。


「おはよ・・・」

「おはよう! どうしたの? ヒョン! 元気ないわねえ」
「そうかあ?」

ヨンジュンは朝刊を見るふりをして、ホーリーの様子を伺った。


「昨日は幸せそうな顔して寝てたのにねえ・・・。どうしたんだろうねえ・・・」
「え? (ドキッ!) そうか?!」
「うん! 幸せ~って顔で寝てたわよ。今日は、なんか暗い感じ」
「う~ん・・・」


ま、そうだな。
『おまえとなんかあったかもしれないと思うと、気分が落ち込むんだ』なあんて言ったら、女の子は軽蔑するだろ?


「今日は・・・味噌のにおいがするけど・・・」
「わかったあ?! ヒョンの好きな味噌汁に挑戦してみたのよ!」
「え!」(ギクッ)

「どうしたの? 食べるの、怖い(笑)? ひどいわねえ」



いつもはトーストとサラダしか作らないくせに・・・。



「・・・」
「まあ、食べてみてよ。意外にいい感じだと思うのよ。日本の味噌汁ってさあ、韓国のと違って、出汁が出てて、味があるじゃない・・・・。ほら、この間、ヒョンが買ってきた、無添加だしの素っていうの。あれが結構いい味出してるんだ」
「・・・」
「ねえ、座って!」

「うん」

「ホントにやだなあ・・・。そんなに緊張しないでよ。怖がらなくても大丈夫よ。それとも・・・」
「・・・(ドキッ)」

「・・・足が痛いの?」

「え?」

「昨日、雨に濡れたじゃない。それで・・・」
「そんなことはないよ・・・」


「でも、なんか、顔色が悪いよ、今朝は・・・」
「だ、大丈夫だよ」
「やせ我慢なんかしないほうがいいわよ。そういうことで、怪我を悪化させること、よくあるんだから」
「そうだね」

「ホントに大丈夫?」
「うん・・・」
「あとで温湿布してあげる」
「・・・ありがと」

「まずはご飯ね・・・。ねえ、食べてみて。ヒョンの好きなわかめとお豆腐入れたよ」
「そうか」
「うん。日本のって、コクがあって、おいしいよねえ」
「うん・・・。いただくよ」
「・・・」
「うん・・・おいしい」

「よかったあ」


ホーリーの笑顔に、思わず、ヨンジュンも微笑んだ。


「よかったあ。マズイって言われたらどうしようかと思っちゃった! はい、ご飯と、キムチ・・・」
「うまいよ。大丈夫だよ」
「そ?」

「うん。これで、おまえもりっぱにお嫁に行かれ・・・う、うん!」
「大丈夫? 味噌汁で喉詰まらせないでよ!」
「う、うん!」
「・・・」
「だ、大丈夫、う、うん!」
「お水あげるね・・・」


ホーリーは、ミネラルウォーターをヨンジュンの前に出すと、斜めの席に座り、彼の顔を見つめて、ちょっと頭を掻いた。


「ホントにおいしいよね?」
「ああ^^」
「よかった・・・。昨日、ヒョン・・・やさしかったからさ・・・」

「ゴホン!」

「ねえ、ホントに大丈夫?」
「う、うん! ごめん。なんか・・・喉が、いがらっぽくて。う、うん!」
「はあ・・・。まあ、そういう時もあるけど・・・」
「う、うん!」

「昨日さあ・・・。ベッドに飛び込んで、『ヒョン、お願い!』って言ったら、手を握ってくれたでしょ?」
「・・・」
「『ねえ!もっと!』って言ったら・・・『おいで』って・・・肩を抱いてくれたでしょ。やさしいよね・・・ヒョンて。(笑)」


どういうことだよ・・・。


「でも、すごいよねえ」
「な、何が?」
「だって、あんな雷でも、スースー寝てられるんだもん。ヒョンはやっぱり、大物だよ。(笑)」


あ~あ・・・そういうこと・・・って・・・。
そういうことって・・・?
非常にグレーゾーンではあるが・・・。まあ、事件はなかった・・・と、思っていいんだよね?


「で・・・よく眠れたわけだ・・・」
「うん! おかげ様でね! 一人でいたら、気が狂っちゃうわよ、あんなに雷に豪雨じゃあ」
「そう」


ヨンジュンは、ホーリーの顔を見つめて、にっこりと笑った。


「お代りもあるからね」
「ありがとう・・・」
「こちらこそ」
「ふん。(笑)」


自分が心配してたようなことはなかったわけだよね?
まあ、そういうことにしておこう!



「今日は晴れたから、リバーサイドパークに行く?」
「ああ・・・そうだねえ」
「この間、The 91st Street Gardenでお花の写真、撮りたいって言ってたでしょ?」
「そうだなあ。ほら、あそこ、ユー・ガット・メールで出てくるだろ?」
「そうだったねえ! ヒョンて、映画好き?」
「え? う、うん・・・」
「なら、インディ・ジョーンズ、一緒に見に行きたいねえ」

「・・・」

「あ、そうか・・・。ヒョンは・・・もういなかったね・・・」
「・・・」


「じゃあ、行こう! リバーサイドパークは一緒に行こう。ね?」
「うん! そうしよう!」


二人はにっこり笑って、お互いを見つめ合った。









朝食を済ませて、二人の住むアッパーウェストサイドにあるリバーサイドパークへ向かった。
ハドソン川に面したこの公園は、セントラルパークの設計者によって設計された公園で、アッパー・ウエストの住人たちにとっては憩いの場でもある。映画「ユー・ガット・メール」のクライマックスシーンで登場したのが、ここの花壇「The 91st Street Garden」である。



ホーリーに手を引かれながら、ヨンジュンは、ハドソン川のほとりを歩いている。


「今日はいい天気だなあ」
「緑が生き生きとしてるよね」
「大雨が降ってくれたおかげだなあ」
「ふん。(笑)」
「何?」
「スースー、寝てたくせに!」



ヨンジュンはちょっと恥ずかしそうに笑った。


「・・・」
「ヒョンの手は大きいでしょう」




ホーリーがつないだ手をちょっと持ち上げて見つめた。


「だから、私の肩を掴んで、ぐいっと引き寄せてくれたわ」
「・・・」
「でも、寝てた。(笑)」

「・・・まいったなあ・・」


二人は笑いながら、歩いた。


「木々の緑の色も、空の色も・・・風もいいねえ・・・。並んでいるベンチも・・・。川のにおいも・・・まあ、まずまず・・・」
「やだ。(笑)」

「それに・・・。このホーリーの手もいい・・・」
「・・・うん・・・」

「・・・」
「もう少し歩いていくと、ヒョンの行きたい花壇があるのよ」
「そう・・・」

「何?」

「少し、川を見よう・・・」



ヨンジュンは手を引っ張って、ホーリーと川に面したフェンスの前に並んだ。
二人は、フェンスに体を預けて、ハドソン川の流れを眺めた。


「ソウルでも一番好きなのは・・・漢江かな」
「そうなの? 川が好きなの?」
「なんかゆったりとした気分になれるだろう?」
「ふ~ん」
「川ってさ、何を見るというより、この漠然とした流れがさ・・・。なんでもない時は、空っぽな気分で眺めても、心が和むだろ? それに、なんかある時は、自分の中のことを・・・自然と整理してくれるんだよねえ・・・」
「・・・そうなのかなあ・・・」
「・・・・」
「・・・」



ヨンジュンは、ホーリーの顔にかかった髪を直した。
すると、その美しい横顔がヨンジュンのほうを見て、にっこり笑った。


「ありがと」
「・・・うううん・・・」


二人はまた、川を眺めた。




「ホーリーにも・・・いい時間をもらってるよねえ・・・」
「そうお?」
「うん・・・」
「川みたい?(笑)」
「う~ん・・・もっと・・・」

ヨンジュンは、ホーリーの手を振り解き、その手で肩を抱いた・・・。



「・・・」
「このシーンでは、こっちのほうがピッタリだ」
「うふ。(笑)」

ホーリーはちょっと吹き出しそうに笑った。


「それに・・・」
「なあに?」

ホーリーがヨンジュンの顔を見上げると、ヨンジュンの顔が近づいて、ホーリーの唇に、軽くキスをした。

「え?」と見つめたホーリーの唇に、また彼の唇が重なって、二人は、長いキスをした。
ホーリーの手が、ヨンジュンのジャケットの背中の部分をギュッと握りしめた。


顔を離して、ホーリーの顔を覗くと、ちょっとふくれているように見えた。



「な、何? なんだよ・・・?」
「急にしちゃって・・・」
「・・・」
「断ってからしてよ・・・」

「・・・そしたら・・・断られるかもしれないじゃない・・・」

「怖かった・・・?」

「う~ん・・・」

「ねえ・・何よ?」
「う~ん・・・」
「ふん。(笑)」
「何だよ?」

「もっとしてよ」
「おい。(笑)」

「いいじゃない・・・。好きならいいじゃない」
「おまえも好きなら・・・いいけど・・」
「・・・そうね」
「ふん。(笑) そうね?」
「そうね」

「そうか・・・?」

「そうよ・・・」



ヨンジュンが、ホーリーを引き寄せて、顔を真顔で覗き込んだ。
彼の視線がホーリーの唇にいくと、ホーリーが笑いそうな口元をしている・・・。



「笑うなよ」
「笑わないわ」
「・・・」
「笑わないから」

「・・・」
「して」



ヨンジュンは、ホーリーを腕の中に抱き締めると、にっこり幸せそうに笑って、彼女に覆い被さるように、キスをした・・・。






続く・・・







ヨンジュンさん・・・

なんか、今、とってもハッピーな気分です・・・^^





2009/10/19 00:36
テーマ:【創】Oh, My NY ! カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

【BYJシアター】「Oh, My New York!」4



BGMはこちらで^^



BYJシアターです。


これは・・・昨年書いたものなんですが、
最近、ヨンジュンさんを見ていて・・・
やっぱり、この人はこういう人だよね~^^って思う点が多くて・・・。

ペ・ヨンジュンという人は、創作でもどこでも変わらない人なんだ^^
と思いました^^



では、実録BYJレポート^^
「Oh, My New York!」4をお楽しみください^^


注)ホーリーは「ヒョン」とヨンジュンを呼びますが、
これは二人の関係を表している言葉で、「オッパ」の間違いではありません。

~~~~~~~~




「おい、ホーリー! 昼飯できたぞお!」

「おい!」


「聞こえてるって! 先に食べててよお~」


「・・・。なんだよ・・・」


ヨンジュンはちょっとつまらなそうに、口を尖らせて、階段の下から、キッチンへ戻っていった。




【Oh, My New York!】4



ヨンジュンが、一人で寂しそうにキッチンで昼食を取っていると、ホーリーがリズミカルに階段を下りてきた。
ドンドンドン!と廊下を踏みしめる音が近づいてきたので、ヨンジュンはうれしそうにキッチンの入り口のほうを振り返った。


「ねえ!」


ホーリーが怒った顔で入ってきて、ヨンジュンの斜め横の背の高いイスをグイッと引き寄せた。


「ねえ、何度も呼ばないでよ。聞こえてんだから!」
「そおんなあ・・・。そんなに何度も呼んでないよ・・・」
「呼んだ!」

「2、3回だろ?」

「5回!かける3! 計15回。ホーリー、ホーリー、ホーリーって一回に3回は呼んだ!」

「だ、だったら、ちゃんと返事をしろよ・・・」
「だって、仕事中だって言ったでしょ!」

「う~ん・・・。食べるか・・・?」
「うん・・・」


ヨンジュンはイスから立ち上がって、ホーリーは二人の食卓であるキッチンのアイランド型の作業テーブルに着いた。
ご飯を作ってやっているほうが怒られて・・・。ヨンジュンのほうがちょっと弱腰で、ホーリーの昼食の準備をすると、彼女の前に並べた。


「どうだ、就職のための資料作成はうまくいってるのか?」

「うん、なんとかね。・・・。おいしそう。ありがとう。明日は、私が作るからね」
「うん。(笑)」


ヨンジュンは、ホーリーのグラスにミネラルウォーターを注ぐと、ゆっくりと背の高いイスに座った。


「なんかさあ、会社に提出用の資料をまとめてみると、意外に、私もいい仕事してるのよね」
「へえ・・・」

「あ! この生春巻き、おいしい・・・。このソースと・・・ハムね・・・合うね」


ホーリーは生春巻きの中の具を覗き込んだ。


「そのハム、うまいだろ? あのデリカで買った」
「へえ、SEI ウォーター、売ってるところ?」
「そう」
「高かった?」
「でも、ないよ」
「へえ・・・このソースに合うわあ。ヒョンて食べ物には鼻が利くよね」
「ええ?」

「おいしい」
「よかった^^」

ヨンジュンは料理を褒められてうれしそうに笑った。



「ヒョンは、料理の組み合わせのセンスが抜群なのよ」
「そうかあ」
「うん! 私はいっつも同じものばっかりだけど・・・」
「おまえは、まだ発展途上人だからな」
「まあね」

「で、いい仕事をしていたホーリーさんは、今回は自信あり?」
「うん。だんだん、自信が戻ってきたわ」

「よかったなあ」
「うん!」

「何社ぐらいに出すんだ?」
「一応、三社ね。手ごたえがあったところと、憧れの出版社ね」
「うまくいくといいなあ」
「うん・・・。どこか、拾ってくれるといいけど・・・。そうじゃないわね、拾ってじゃなくて、私の実力を認めてくれるとうれしいけどね」
「うん・・・」


「ヒョン!」

「何?」

「今日は出かけちゃ駄目よ」
「何で?」

「私は仕事で相手ができないんだから!」

「おまえがいなくてもさ・・・」
「駄目よ! その足で一人で出かけていって、帰れなくなったら困るでしょ?」


ホーリーは口にいっぱい物を頬張りながらも、ヨンジュンを睨みつけている。


「大丈夫だよ」

「今日は駄目! ね! あ、ゴホン、ゴホン!」

「おい、水、水!」
「ゴホン、ゴホン!」

「大丈夫か?」

「ああ・・・・。直った」

「食べ終わってから話せよ。おまえ、いつも二つのこと、同時にしようとするだろ? お尻で冷蔵庫のドアを閉めながら、ケーキを食べるとかさ。一つずつしろよ」
「わかったわよ!」
「ふん。(笑)せっかちだよな?」

「人のこと、言えないくせに・・・」
「オレは・・・そんなことないよ」
「うそお・・・。自分の都合で、すぐ『見てみろ、いいぞ』とか、『食べろ』とか言うじゃない」
「そうかあ」
「そうよ。自分で思っているより、せっかちなとこ、あるわよ」
「ふ~ん・・・そうかなあ・・・」


「ヒョン! 今日は駄目よ。TVで午後から雨って言ってたもん・・・。もうすぐ、降り出すわよ」

「そうかなあ・・・」


ヨンジュンはイスから立ち上がって、キッチンの窓から見える空を眺めた。



「駄目だからね!」
「おまえ、うるさいよ」

「でも、駄目よ。ねえ、公園のお花の写真撮りたいんなら、明日行こう。明日は晴れるから。私も仕事、今日中に終わらせるからさ。ね!」

「う~ん・・・。こういう曇った日も結構いい写真撮れるんだよねえ・・・」

「ねえ・・・」

「わかったよ・・・」

「なんか、文句あるの?」
「なんで、おまえ、そんなにオレに強気なの?」
「強気って・・・」

「食べ終わったら、片づけておけよ。オレは、あっちで本読んでるから」
「・・・」

「わかった?」
「わかったわよ・・・何よ・・・」


ヨンジュンはコーヒーを片手に、書斎の定位置である一人掛けのソファに向かった。



あ~あ、やっぱり、ここはくつろげる・・・。


ヨンジュンはオットマンに足を投げ出して、身も心も預けるように、ソファに埋もれると、コーヒーを一口飲んでにんまりとした。


いつもは、煩わしいぐらいそばにくっついているホーリーであるが、今日はニューヨークでの就職のための職歴の資料をまとめている。彼女のような仕事は、どんな記事を書いたか編集したか、自分の仕事をリクルートのための資料として添付する。






昨晩は、ヨンジュンのお気に入りの書斎のデスクで、ホーリーがPCに向かって仕事をしていた。
書斎のスタンドとPCの画面に照らされたホーリーの横顔は、いつもと打って変わって、知的な感じで、きりっとしていて魅力的だった。
ヨンジュンは一人用のソファに寝そべりながら、時々本から顔を上げて、そんなホーリーの横顔を眺めた。ホーリーを見ているだけで、何だか幸せな気分になった・・・・。


あ~幸せ・・・と、身も溶けるようないい気分になったところで、ホーリーの声が頭上から響いた。


「ヒョン! こんなところで、うたた寝なんかしないでよ!」

「・・・・」

「もう、起きて!」
「ふ~・・・・」

「もう! 飲み過ぎよ!」

「ああ・・・・」

「起きて!」
「待って・・・」

「起きて」
「わかった・・・」



「もう、よだれ垂らしてたわよ」
「・・・なわけないだろ?」
「はい、タオル! お口の周り拭いて」
「お、おい、うそだろ?」
「さっさと拭いてよ」
「なんだよ・・・」
「なあに? タオルまで貸してあげてるのよ」

「わかったよ・・・おまえって、どうしてそんなにうるさいの・・・?」

「さあ、2階まで連れてってあげるから。ここで、うたた寝してたら風邪引くわよ」

「う~ん・・・」

ヨンジュンはいつの間にか、寝ていた・・・・。

ホーリーに起こされて、立ち上がる。こんな風にちょっと自堕落な感じにしているのも・・・・なんか幸せな気分だ・・・。


ホーリーがヨンジュンに肩を貸して歩く。


「ねえ、なんかうれしそう。顔がほころんでるわよ」(笑)


ホーリーが下からヨンジュンの顔を見上げて笑う。


「まあねえ・・・」
「なんかいい夢、見たの?」
「うん、かなりね」
「へえ。ヒョンのお酒は、いつも幸せになっていいね」
「そうかあ?」
「うん。酔っぱらうのがうれしいみたいに見えるもん」

「へえ・・・そうかあ・・・」
「ねえ、ちゃんと歩いてよ!」
「うん。ごめん」


ワインも楽しいが、近くでこうしているホーリーの存在もちょっと楽しいのかもしれない。
彼女は、言い方はキツイが、酔った自分を見捨てないし、いつも肩や腕を貸してくれる・・・。



「どうしたの?」
「いや・・・。いつもお世話様」


ヨンジュンは少し酔ったように、頭を下げた。


「バカみたい!」


ホーリーは笑った。
やっぱり、彼女はいいやつだ。









というわけで、昨日から、ホーリーは自分の仕事で忙しそうにしている。

今のヨンジュンは、ホーリーから解放されて、喜ばしくも自由であるはずが、ソファに身を沈めて本を読んでみても、なんだかあんまり頭に入ってこない。

寂しい気分になる・・・。

足元には、ロミオが気持ちよさそうに、寝息を立てて寝ているので、ソファから起き上がって、ロミオの背を撫でててみるが・・・やっぱり、心の端っこが満たされない・・・。


あ~あ・・・。なんか暇だなあ・・・。
暇すぎる。
まあ、暇なはずではあるんだけどね・・・。
休暇なんだから・・・。


でもねえ・・・。

どっか、行こうかなあ・・・。

まだ、天気は持ちそうだよね・・・。

公園行って、写真撮って・・・酒屋にでも酔ってくるか・・・。

今晩は何食べるかなあ・・・それによって、買うワインが違ってくるな・・・。
それとも、まずはワインありきか・・・。


まずは、冷蔵庫の中身だな!









夕方になって、仕事が一段落したホーリーが2階の自分の部屋から出てきた。

階段を下りてくると、下には人の気配がしない・・・。



「ヒョ~ン!」


シーン~。


「ヒョン?」


「あれ・・・あいつ・・・・出かけた・・・?」


ホーリーが窓の外を見ると、雨がぼつぼつ落ちてきた。



「雨だ・・・どこ、行ったんだろ・・・。まさか、公園は行かないよね・・・。買い物かなあ・・・」


ホーリーは、コーヒーを入れながらも天気が気になる。


「痛くなるよ、膝が・・・」



コーヒーを一口飲んで、また窓の外を見る。


「あのおじさん、何してんのよ! まったく、バカなんだから。明日、一緒に行ってやるって言ったでしょう・・・。まったく、おバカよね! いったい、何やってんのよ!」



ホーリーは、ソファに座ろうとしたが、いても立ってもいられなくなって、薄手のレインコートを引っかけて、ヨンジュンの傘を持って、家を飛び出した。


あのおじさんたら・・・心配かけやがって・・・。

どこにいるのよ!





ホーリーは、ヨンジュンの行きたがっていた、小雨の公園を回って、スーパーを回って、最後に酒屋を覗いた。

ヨンジュンは、またまたテースティングコーナーに、店の主人と二人で座りこんで、幸せそうに笑っていた。

ホーリーはもうすっかり呆れた。


なんで、あんなに幸せそうに笑えるんだ!



「ヒョン!」


「おお~^^」

「あ、お迎えだ。今日も楽しませてもらいましたよ。これ、試してみてくださいよ。タイ料理にはぴったりだ」
「御馳走様でした」
「じゃあ、ジュンさん、また」
「どうも、お世話様で~す」

「まったく・・・」
「なんだよ」

「人の気も知らないで・・・」
「なんだよ」

「・・・行くわよ!」
「・・・」


酒屋を出ようとすると、雨足が強くなってきた。




「これじゃあ・・・」

「行くわよ!」
「・・・」
「はい!傘!」

「わかった」



酒屋から家まで大した距離ではないが、雨の中を歩いていると、ヨンジュンの足が痛くなってきた。



「どうしたの?」

「ちょっと待って」

「痛いの?」

「うん・・・オレは少しゆっくり歩くから・・・先へ行ってていいよ」
「やだ・・・。ねえ、大丈夫?」


ホーリーは自分の傘を閉じて、ヨンジュンの傘に入ってきた。


「ワイン貸して持つから・・・。ほら、肩に捕まって・・・。これで、歩ける?」
「うん・・・。ありがとう・・・」
「我慢しなくていいから」
「じゃ・・・もう少しゆっくり歩いて」
「うん。これでいい?」
「うん・・・」


ヨンジュンとホーリーは相合傘でゆっくりと歩く。


「痛い・・・?」
「でも、しょうがない。緑がキレイだねえ・・・。雨に濡れていい感じだ」
「ふん。(笑)」
「何だよ?」

「だってえ、足が痛くてしかたないくせに・・・。でも、ホント、キレイ。こんな緑のプリントの生地ほしいわ」
「そうだねえ・・・」

「写真撮りたいんでしょ?」

「まあねえ。でも、心の写真に撮っておくよ」

「そうね。これ以上、ずぶ濡れになんかなりたくないわ。ふん。(笑)」
「うん。この街の緑と・・・ホーリーのあったかい肩と、一緒に心の写真に撮っておく」
「・・・」

「いいだろ?」

「うん・・・。じゃあ、私は・・・この緑と・・・ちょっと酒臭いヒョンの重たい腕を、心の写真に撮っておくわ」

「おい! 酒臭い?」
「どれだけ、飲んだのよ!」

「どれだけねえ・・・。忘れた。あそこのオヤジ、飲んべだから」
「そうなのお?」

「なんだよ、その目」
「疑わしい・・・」

「足は痛いけど、楽しいね」

「やっぱり!」
「何?」

「もう、陽気なお酒なんだから!」

「おい!」

「もうすぐよ。頑張って」



「うん・・・。ああ、いい雨だなあ・・・」



ヨンジュンは傘を少し上げて、そぼ降る雨を眺めた・・・。









続く・・・









雨の中の相合傘も、雨に濡れた緑も・・・

今日のヨンジュンさんには楽しいようで・・・^^




2009/10/18 00:33
テーマ:【創】Oh, My NY ! カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

【BYJシアター】「Oh, My New York!」3



BGMはこちらで^^





BYJシアターです^^

皆さん、洋画は好きですか?^^

現在上映中の「私の中のあなた」(My Sister's Keeper)、
すごくいいです・・・。


では、本日もニューヨークのヨンジュンさんのその後をお知らせしましょう^^

ここより報告^^
お楽しみください!

~~~~~~


【Oh, My New York!】3




先に出かける準備を終えたヨンジュンは、ゆったりとリビングのソファに腰かけて、たばこを燻らせていた。
しばらくすると、軽快な足音をさせて、ジーンズ姿のホーリーが階段を駆け下りてきた。
リビングに現れたホーリーは、胸のクリの大きめなカットソーに手編みの長めなカーディガンを着ていた。それだけでも、彼女の顔は小さく見えたが、首に長いストールも捲きつけているので、スレンダーな彼女がより細長く見えた。


「お待たせしました~」
「もういい?」


ヨンジュンが灰皿でたばこの火を消した。


「また、吸ってたの?」
「だって、ここじゃあ、家の中でしか吸えないからさ」
「ホントにたばこが好きなのね」
「まあね」
「原始人みたい。(笑)」
「何だよ、それ?」
「もうたばこなんて、流行らないのに・・・。体に悪いだけよ」
「None of your business !!」
「全く!」


ヨンジュンがソファから立ち上がってホーリーのほうへ体を向けると、ホーリーは自分の目を疑うように、彼の胸の辺りを見入った。


「やだ。そんな季節外れのものなんて着ないでよ」

「何があ?」


「これ・・・・。ほら、これよ!」


ジャケットのポケットを指差した。





「あ~あ、かわいいだろ、これ?(笑)」
「かわいくても駄目よ! トナカイの柄なんて、クリスマスよ」
「でも、生地はほら、今の4月にぴったりだし・・・」
「じゃないわよ! そんなんじゃあ、今最高にポップなデザイナーのお店に入れないじゃない。洋服はね、季節とTPOは大切なのよ」
「まあ、君はファッション屋さんだから。(笑) そうかあ・・・。結構、気に入ってるんだけどなあ。かわいいじゃない、これ。ブランド品だよ」

「ブランド品たって・・・・。ねえ、あなた・・・。まさか、クリスマス過ぎても着てたんじゃないでしょうね?」

「え?(ドキッ) 少しね・・・。3月辺り・・・。医者に行く時に・・・・」

「3月?(驚く) やあねえ・・・。クリスマスから3カ月以上も経ってるじゃない・・・。と言っても、医者に行くのなんか、別に何着てても構わないけどね」
「まあねえ・・・。ああ・・・。ちょっと構ったかも・・・・」

「彼女と一緒だったの?」

「違うよ」
「なら、いいじゃない」
「ふ~ん・・・。人の目っていうのも、結構あったなあと思って・・・」
「あ~あ。レストランのオーナーだからねえ・・・・。仕方ないわね。終わっちゃったことだし」
「まあねえ・・・」

「昨日のストライプのシャツ、素敵だったのに・・・。他にないの?」
「他って・・・着替えろってこと?」
「もちろんよ!」

「なんだか、君と出かけるの、億劫になってきちゃったな・・・」
「でも、行くわよ!」
「!!」

「もう私が選んであげる! 全部見せて。あなたの服」
「え?!」
「早く!」
「わ、わかったよ」
「見るわよ」

「参ったなあ・・・」

「こっちだって参るわよ。ここはニューヨークよ。ソウルじゃないのよ」
「全く、高ピーなんだから」
「何よ・・・その言い方」
「君と君の編集長って、似た者同士だったんじゃないの?」
「ひどい!」

「ふ~。(ため息) じゃあ、おいで。全く・・・君みたいな子なんてソウルにはいないよ・・・」
「なんか、言った?」
「いいよ、いいよ、わかったよ」
「何よ・・・」

「別にい・・・。スタイリストさん、よろしく」
「・・・」
「やっぱり、オレにはスタイリストが必要なのかな?」
「よくわかってるじゃな~い!」
「ふん。(笑)」


ヨンジュンは思わず笑った。旅のスタイリストは、ホーリー・・・なのかもしれない・・・。


「さあ、おいで」


二人は階段を上って、ヨンジュンの部屋に入り、ホーリーが一枚一枚彼の服をチェックしている・・・。


「ああ、やっぱり。昨日のシャツはラルフ・ローレンね。生地も仕立てもいいわ・・・。スーツもあるんだ・・・。仕事もするの?」
「うん、まあね。ちょっと仕事関係の人にも会うから」
「ふ~ん。でも、おもしろい取り合わせね。超まじめラインとお遊び着に分かれてて・・・。あなたはどっちが好き?」
「どっちも」
「そう! そうねえ・・・。今着てるTシャツはいいでしょ。問題は上着ね・・・」

「そんなに悩むほどのこと、ないじゃない。何でもいいよ」
「そういうわけにはいかないわ・・・」


ヨンジュンはベッドに座りこんで、ジャケットを真剣に選ぶホーリーを見ている。


「だってえ・・・。私と歩くのよ」
「でも、君だってそんなに・・・」
「なあにい?」
「まあ、いいよ・・・好きにして」


「これで、いいわ」
「ずいぶん、平凡なジャケット選ぶんだね」
「だって、ちゃんとしたの買ったら、捨てちゃうもん。これでいいわ」

「君さあ。わかってるの? これは、オレの服だよ。捨てるってさあ・・・」

「でも、これ、もうかなり傷んでるよ」

「そうかあ?」


ヨンジュンが近くへ行って、ジャケットを見る。


「ほら、見てよ。この辺とか・・・。だから、惜しくないわ」
「ふん。(笑)買い直すまで、これ着てるよ。いいの?」
「いいわよ・・・その代わり! ソーホー行ったら、いいやつ、買うわよ!」
「わかったよ」


ヨンジュンは、ホーリーの勢いに呆れて笑った。


「なんか、言いたげね」
「君には参った!」
「ふん。(笑)」

「じゃ行こうか?」
「うん!」








今日も昨日に引き続き、空は晴れ渡っている・・・。絶好の・・・デート?日和だ。



「いい天気だねえ」
「うん。イースターって感じの空よね」
「うん?」
「なんか、空が重くって、とっても近い感じ・・・。神様がすぐそこから、私たちを見守っている・・・」
「うん。(笑)」

「なんで、笑うのよ!」

「いや、君にも詩的なところがあるんだと思って」

「あら、これでも編集者よ」
「そっかあ・・・。そうだったねえ・・・うん・・・」

「何、感心してるのよ! 行くわよ!」


そう言って、ホーリーがヨンジュンのほうへ手を伸ばした。
その手の上に、ヨンジュンが、ドンと手を重ねた。


「では、ガイドさん、よろしく」
「OK!」




住宅地の並木道は本当に整然として、気持ちがいい。




「こうやって、散歩してるだけでもいいねえ」
「でしょう? そこがここの、いいとこよ」

「うん」

「ねえ、ヒョン!」
「何?」

「いつも、サングラスにハンチングなの?」
「え?」

「なんで、そんなに武装してるの?」
「サングラスも、帽子も、好きだから。(笑)」
「へえ・・・。あんまり、帽子ばっかり被ってると、早く禿げるわよ」

「ふん。(笑) 口の減らないやつだ」



そう言って、ヨンジュンは自分の帽子を取って、ホーリーの頭に被せた。
笑って、彼女の顔を覗き込むと、意外に帽子が似合っていて、かわいい。



「何?」
「いや・・・」

「なんか、言いたげだったあ」

「うん? ちょっとかわいく見えたからさ」
「・・・」

「ちょっと、驚いただけだよ」

「チッ!」

「ふん。(笑)」

「私はもともとかわいいわよ」
「う~ん。(大きく頷く)・・・だな」


「あなたもかっこいいけど・・・」
「ん・・・?」

「ちょっと、趣味がダサいかも・・・」


ヨンジュンはちょっと睨んで、ホーリーに被せた帽子のツバを下のほうへ引き下げた。


「かわいいなんて言うんじゃなかったよ」
「バカね」

ホーリーは怒らず、余裕で笑った。そして、思いきり彼の手を引っ張った。


「さあ、地下鉄に乗っていくわよ! ついてらっしゃい!」


ヨンジュンは「参った」という顔をしたが、すぐにうれしそうに彼女を見つめた。










ソーホーに着いた二人は、まず、ヨンジュンが見たいと言った、カースト・アイアンでできている建物を見て回った。


「カメラも持ってくるんだったな」
「そうね」




そして、いよいよ街のショーウィンドーを見て回ることにした。


「いろんな店があるねえ」
「でしょ?」
「なんか楽しいところだね」
「ね!」




ヨンジュンは、ホーリーに手を引かれながら、通りのウィンドーショッピングを楽しんでいる。たまに、気になるものがあれば立ち止まり、ホーリーを引き寄せる。ホーリーが気に入ったものがあれば、彼女はヨンジュンを力いっぱい引き寄せた・・・。





「ねえ、見て~かわいい^^」
「どれ?」


ホーリーのほしがるものに、それほど興味のないヨンジュンの手をグイッと引っ張って、ホーリーは、新進デザイナーの紳士服の店へ入っていった。


「かわいいって何が? ここ、男物の店だろ?」
「そうよお~^^あれあれ!」
「どれ? どれだよ?」



ホーリーはヨンジュンの手をさっさと放して、奥の棚に飾ってある蝶ネクタイの所へ行った。


「蝶ネクタイ?」
「ショーウィンドーに飾ってあったでしょう・・・。見なかった? これよお!」


ふわふわに結ばれた少々大きめな蝶ネクタイが並んでいる。


「パワーネットでできてるのかな・・・。ああ、やっぱり。ふ~ん・・・・」


ホーリーは手に取って、その蝶ネクタイの品定めにしている。


「誰がつけるの?」

「そ・れ・は・・・あなたよ!」

「ええ! これを?」
「そうおよお。ちょっと顔貸して。サングラス外して。ねえ、もっと、ちっちゃくなってよ」



ホーリーは、選んだ紫色のタイを、少し屈んだヨンジュンの首の辺りに当てた。


「ふ~ん」


視線を少し上げたホーリーの目に、ヨンジュンの端整な顔が正面から入ってきた。素直にホーリーに顔を突き出し、ホーリーを見つめている。その紫色は彼の肌や目の色によく合って、とても華やかでいてシックだ。
彼女は胸がドキッとして、軽く咳払いをした。


「どう? 似合ってるの?」
「・・・見てみたら。自分の目で、鏡に映して」
「ふ~ん」


ヨンジュンが自分で鏡に合わせて見ていると、ホーリーが横から顔を出して覗き込んだ。


「ほら、似合ってるでしょ? まるで・・・・」
「まるで? 王様? 王子様?」


「腹話術の人形みたい!」


「・・・おい・・・」
「だから、似合ってるって・・・」
「・・・・」

「そおんな、子供みたいな、フテくされた目なんてしないの! 貸して!」
「なんだよ!」


ホーリーは今の紫のタイをヨンジュンの手から取り上げると、また棚の上に戻した。


「私が買いたいのよ、この蝶ネクタイ。ただし、違う色を」
「おまえが?」
「そうよ。・・・ねえ、あなた、今、おまえって言った?」

「言った・かな・・・?」

「失礼ね・・・・。(ちょっと睨む) これのさ、このピンクベージュの、かわいいでしょう?」
「そうかあ・・・。こっちの棚にも似たようなの、あるぞ」
「ああ・・・。いいの。そっちは高いから・・・。こっちでいいの」
「そうか・・・」
「うん・・・」
「・・・」
「買うわ。これ」
「・・・」

「あなたは・・・。あ、あっちに帽子あるわよ。帽子好きなんでしょ?」
「どこ? (振り向く) あ、ホントだ。見てこようかな」
「どうぞ」


そういうと、ホーリーは、ヨンジュンが帽子売り場に行った隙に、先ほどの紫も手に取って、レジへ向かった。




ヨンジュンはいろいろ帽子を試してみたが、結局、いつもの自分の好きな形に落ち着いて、キャップを一つ選ぶと、レジにいるホーリーの後ろ姿を確認してから、また蝶ネクタイの売場へ戻った。

さっきの紫を買おうとしたが、もうそこにはなくて・・・しかし、他の客と言っても・・・・蝶ネクタイなど、そうそう、皆が買うようには思えなかったのだが、紫がもうそこにはなかったので、茄子紺に近い色のものを選ぶと、また、隣の棚の蝶ネクタイも見た。
そこには、シルクに刺繍が施されているものが並んでいて、さっきのホーリーの様子では、予算的には無理だが、きっとホントは、こっちのものがほしかったに違いないと思えた。ホーリーが手にしたものに近いベージュ系のものがあったので、それも手に取って、ヨンジュンは、レジへ向かった。


レジへ行くと、ホーリーが振り向いた。


「何買うの?」
「え? キャップ」
「やっぱり・・・」

そう言って、ヨンジュンの手元を見た。被ってみろと言われるかとドキドキしたヨンジュンだったが、彼女は意外にあっさりとしていた。


「よさそうじゃない。じゃあ・・・私、先に出てるわね」
「うん・・・・いいけど・・・」


彼女はそう言うと、さっさと行ってしまった。




ヨンジュンは、帽子の中から蝶ネクタイを2本出して、レジの店員に渡した。
買い物を済ませ、店のドアを開けると、ドアの横にホーリーが立っていた。


「買ったの?」
「うん」

ヨンジュンが店を出ると、ホーリーはパッと彼のほうへ向きを変えた。


「どうよ!」
「・・・・」


目の前に飛び出したホーリーの首には先ほどの蝶ネクタイがついていた。
ヨンジュンのハンチングを被って、胸の大きく開いたカットソーとざっくりとしたカーディガンに細い首・・・。さっきまでつけていたストールはダラリとカーディガンの線に沿って垂らしているだけだ。
一見、ファニーとも思えるその取り合わせが、ホーリーの手にかかると、魔法のように、チャーミングに映えた。
蝶ネクタイのやさしい色合いが、彼女の顔を華やかで、愛らしく見せた。

彼は一瞬、見惚れて・・・・そして、笑った。



「ああ~。気に入ったって目したあ。似合ってるでしょ?」
「まあね」


そういうと、ヨンジュンは歩き出した。


「いいと思ったくせに」

ホーリーがそう言って、横に並ぶと、彼はちょっとツンとした顔をしたが、横にいるホーリーのほうを流し眼で見るようにして、微笑んだ。


「馬子にも衣装だ」
「…だよね? ありがとう」


そう言って、ホーリーがまたヨンジュンの手を握った。
ヨンジュンは、つないだ手をちょっと持ち上げて、見つめた。


「さあ、行くわよ。まだまだ回らなくちゃいけないお店も、レストランもあるんだから!」
「・・・」

「いらっしゃい! ガイドしてあげるわ!」
「ふん。(笑)」


ヨンジュンはすっかりホーリーのペースに巻き込まれたが、彼女の快活さが心地よく、今の彼を包んでいた。







それから、何件かブティックを回って、とうとうヨンジュンはコートを買わされた。



「いいわ、これ・・・」

「そうかあ。かっこいいけどね。少し、ホルスタインに見えない?」


彼は大きな鏡に映った自分の姿を確認している。


「それがいいんじゃない^^ これ、この春夏の新作よ。 ほら、この裾はさ、この後ろの紐を絞って、バルーンにするのよ。ほら、今、流行りの形」

「あ、ホントだ・・・。いいけどね。この値段ねえ・・・すごいよ」

「だってえ・・・あなた、おばさんの家が借りられるような人でしょ?」
「何言ってるんだか」

「とは言ってもね・・・。いいわ。値切ってあげる」

「そんな。こんなブランドで・・・いいの?」
「いいわよ!」



店員がやってきた。



「これ、ほしいんだけど」

「よくお似合いですねえ・・・」

「で、どうかしら? いくらになる?」

「いくらとおっしゃっても、お値引きは・・・」
「でも、イースター過ぎたら、こんな厚手のもの、着なくなるでしょ? 少し値引いて」


ヨンジュンは少しハラハラしながら、ホーリーを見ている。


「と申しましても・・・」
「じゃいいわ・・・。こんなの似合う人、少ないのに。残念だわ・・・」
「え・・・では、少々お待ちを・・・」



店員がレジの奥へ入っていった。


「いいの?」
「大丈夫よ、きっと。2割は引いてくれると思う」
「そうかな」
「うん・・・こういう高いのって結構割り引くのよ」

「じゃあ、その分で、飯を奢ろう。(笑)」
「あ~ん、いいわね。フルコースで食べられるわ!」




店員がやってきた。


「では、こちらで・・・」


電卓を叩く。


「そんなもん?」
「お嬢さん・・・。これはもう残り一点なんですよ」

「う~ん・・・いいわ」

「ありがとうございます」


「30%引いたわ」
「え~え!」
「そんなものよ。こういうのって、着られる人は少ないもの。残ったら、バーゲン。でも、バーゲンでなんか売りたくないでしょ。ブランドの顔みたいな商品だもの。これから、夏に向けて売っちゃわなくちゃ」
「ふ~ん・・・」
「高いものほど、割り引いてくれるわ」
「へえ」

「毛皮なんか、定価でなんて買わないわよ」
「そうなの?」

「あなたって・・・・お金持ち・・・・」
「や・・・・買ったことないだけだよ」
「・・・・」
「ホント・・・」

「・・・」
「ホント」

「じゃ、フルコースね」
「・・・わかった」
「ふん。(笑)」


「お客様、お包みは?」
「着ていくわ」

「では、そちらのジャケットを・・・」

「捨てちゃってください」
「おい・・・・」

「よろしいんですか・・・?」

「う~ん・・・まあ、そう言ってるので、お願いします・・・」

「ねえ、いいんでしょ?」
「・・・おまえのせいだからな・・・」
「な、何よ!」



結局、ヨンジュンは着てきたジャケットを捨てて、新たに購入したコートを羽織って出てきた。



「似合ってる」
「そ?」
「うん」
「ありがとう」


ヨンジュンがホーリーのほうを向き直った。


「おい」
「何?」


彼はホーリーに手を差し伸べた。


「一緒にいたいのね・・・・・いいわよ」


ホーリーがヨンジュンの手を握った。



「・・・最後までちゃんとガイドしろよ」
「いいわよ。でも、奢ってよ」
「いいよ」
「隣のノリータで食べよ。オーガニックレストラン、ブラジル料理、それから・・・・」
「オーガニック!」
「そ?」

「うん。見学も兼ねて行ってみたいんだ」
「OK! 老舗があるの。こっちよ」




ソーホーの隣町になるノリータには、しゃれたレストランがいくつか存在する。
その中でも、老舗のオーガニックレストランは人気だ。

二人はそのレストランの近くまでやってきた。


「やだ・・・。混んでる・・・。なんでだろ?」
「でも、人気なんだろ?」
「そうだけど。こんなに人がいるなんて・・・。混み方が普通じゃないもん・・・。なんか、東洋人ばかり・・・。韓国人か日本人かな・・・。東洋系のおばさんがいっぱい並んでるわね」

「え?」


ヨンジュンはなぜかドキッとした。東洋人のおばさんの集団・・・というと、彼は反射的に緊張してしまうのだ。


「なんかのパーティでも、やってるのかな?」
「様子、見て来てくれる?」
「いいわよ。ここで待ってる?」
「うん」


ヨンジュンは通りの反対側で、ホーリーが店の様子を見にいくのを見守った。

ホーリーは通りを渡って、中の様子を見に行った。



「あ、お客様は何名様で?」
「2名です。今日はずいぶん混んでますね」
「ええ、日本からの観光客の方が多くて。この分ですと、1時間程度お待ちいただきますが、ご予約なさいますか?」
「うん・・・そうねえ・・・」



ホーリーが考えていると、件のご婦人方の話が聞こえてきた。


「たぶん、こういうお店は必ず見に来ると思うのよ」
「そうよね。遊びと偵察を兼ねてね。あの人、そういう人だもん」
「もう来ちゃったかもしれないけど、やっぱり彼の足跡って辿りたいじゃない^^」
「そうなのよね~^^」



「彼って誰だろう・・・?」



ホーリーは中学時代の2年間を父の仕事の関係で、日本で過ごした。だから、簡単な日本語はできるのである。


「すみません。どなたかいらっしゃるんですか?」
「え、まあ・・・来るというかね・・・」
「いつもと違って、ずいぶん混んでるみたいだから」
「ちょっとね、あこがれの方がね・・・・う・ふふ」





「おい、どうだった?」
「なんか、日本人のおばさんばかりなんだけど」
「へえ・・・」




ヨンジュンは遠めから、店の様子を伺った。


「なんかスーパースターが寄りそうなんだか、寄ったんだか。で、皆ここのお店でご飯食べたいみたい」

「・・・日本語、わかるの?」
「少しね。中学2,3と日本で過ごしたから。ああ、父の仕事の関係でね」
「そう。へえ…スーパースターね・・・」
「なんかね、オーガニック系のレストランもやってるらしいよ、その人」
「へえ・・・」

「キムタクって・・・なんかレストランやってたっけ・・・?」


ホーリーが頭をかしげている。


「キムタク?」
「だって、日本のスターでしょ? 知ってる? 私が日本にいた頃、すごい人気だったんだけど」
「ふ~ん・・・へえ・・・」

「あなたと同じね!」
「!」(ドキッ!)

「オーガニックレストランなんて」
「あ、ああ・・・」(ふ~)

「どうしようか。すぐには席が空かないみたい」
「いいよ、違うところで」
「そうお? また今度来て見る?」




二人はまた、ノリータの街を歩き出したが、急にヨンジュンが立ち止まった。



「どうしたの?」
「違うとこ、行かない?」

「なんで? まだ、いろいろ見てないじゃない」
「でもさ。う~ん・・・。また、散財しそうだから。このコート買っちゃったし」
「そんなあ・・・。折角来たのに、つまんない」

「何か…嫌な予感がするんだよねえ・・・」

「私、あなたに買ってもらおうとか、思ってないわよ!」
「そうじゃなくてさ・・・。今日はついてないような・・・」
「あら。ついてたわよお。こんなにいいコート買えたじゃないの」

「ふ~ん・・・」


「わかったわ。ヒョンは足も治りきってないから、この辺にしておくか・・・」

「ごめんな」
「・・・うううん、いいよ・・・」

「飯、奢るから・・・」
「・・・」

「ホントにごめん」
「わかった・・・。あ!」
「何?」

「名案あり!」

「何?」
「家へ帰って一休みしたら・・・」
「休んだら・・・?」

「庭の芝刈って!」
「おい!」

「だってえ、少し休めば、大丈夫でしょう?」
「おい!」


「そうだ! それがあったね^^ なんか、テイクアウトして、うちで休もう!」
「おい!」


「さあ、行くわよ!」

「やっぱり・・・嫌な予感が的中したよ」

「ふ~ん。(笑)」
「ふん。(笑)」



二人はノリータでちょっと有名なハンバーガーを買って帰った。











少しゆっくり休んだあとは、二人で庭の芝刈りに専念した。
ホーリーも協力的で・・・。確かに、ここでのんびり過ごしたほうが、ヨンジュンには楽しい時間となったかもしれ
ない。



夕方、二人は、近くの有名スーパーマーケットに出かけ、おいしそうな食材を手に入れた。
そして、ホーリーの叔母の行きつけの酒屋でワインを買うことにした。
ヨンジュンがあまりに蘊蓄を言って、ワインを一つ一つ手に取って見ているので、ホーリーはすっかり飽きてしまった。先に店を出て、スーパーの袋を提げて、酒屋の前のカフェで、コーヒーを飲みながら一人、彼を待った。
しかし、いくら待っても、店から出てこないので、しびれを切らして、酒屋へ戻ってみると、テ―スティングのコーナーに、店の主人と二人で座りこんで、楽しそうにワイン談義をしている。ヨンジュンは出されたワインを味見して、気持ちよさそうに笑いながら、揺れていた。


「ねえ! もう帰るわよ!」
「まだ、いいじゃない!」

「何時間いるつもりなの?」
「そんなに経ってないだろ?」

「やだあ、少し酔ってる!」
「酔ってないよ!」

「・・・もう!」

「ジュンさん。また、来てくださいよ。あんた、楽しいから、こっちも仕事を忘れそうだ」

「すみません。おじさん」
「いえいえ、いいんですよ」


「じゃあまた、明日・・・か、あさって。寄らせてもらいます^^」
「また、来てくださいね^^」



帰りたくなさそうな彼を引っ張って、ホーリーが店を出た。


「また、明日かあさってって・・・」
「いいじゃない。毎日来ようっと!」
「ええ?」

「おまえは来なくていいよ、オレだけ、遊びにくる・・・。ここにあるの、何本飲めるかな・・・」


そう言いながら、彼は愛しそうに酒屋を眺めている。
ほんのり酔っているのか、嬉しそうな顔で、幸せそうに、ヨンジュンは今手にしている2本のワインを見つめた。


「バカみたい。(笑)」

「おまえも手伝えよ」
「・・・」
「な!」

「わかったわよ!(笑) こっちの荷物も持ってね、ヒョン!」



ホーリーは重いスーパーの袋をヨンジュンに手渡した。













続く・・・





おお、大好きなワインで幸せいっぱいなヨンジュンさん・・・^^
今日もあなたは幸せなようで・・・^^




2009/10/17 00:06
テーマ:【創】Oh, My NY ! カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

【BYJシアター】「Oh, My New York !」2



BGMはこちらで^^




BYJシアターです^^

さて、本日も昨年のニューヨークのヨンジュンさんの報告です^^

ではお楽しみください^^



~~~~~~~~~~




【Oh, My New York !】2




着替えをしたヨンジュンとホーリーは、家から歩いて10分ほどの所にある小さなイタリアン・レストランへ出かけた。


ホーリーが言った通り、カジュアルでフレンドリーな感じのこの店は、通りにもテーブルが並んでいて、若いカップルで賑わっていた。
ホーリーが予約を入れておいたので、二人は奥のテーブルに通された。



「結構、混んでるんだね」
「でしょ」
「なんか雰囲気がいいねえ」
「でしょ。味もいいのよ」
  

店主がやってきた。


「やあ、ホーリー! いらっしゃい。何年ぶり? 久しぶりだねえ」
「どうも。2年ぶりです。またしばらく叔母の所に滞在してますので、寄らせてもらいます」

「それはありがたいな。今日は・・・ボーイフレンド?」
「え~え! そうじゃないけど・・・」

「候補生です^^」

「なるほど。では、候補生さんに選んでもらおうかな。ホーリーの好きなのはこれだけど・・・」

「ああ・・・どれもうまそうだなあ・・・。う~ん・・・では、前菜はこれで・・・」
「OK!  何か召し上がるかな、アペリティフを?」
「そうだな・・・シェリー酒で。君もそれでいい? それとも・・・リキュール?」
「うううん、同じシェリーでいいわ」

「じゃあ・・・。(メニューを指して)こちらで。あまりドライじゃないほうがいいよね?」
「うん」
「あとは・・・赤ワインをもらおうかな」

「こちらのページにワインが」

「あ・・・そう・・・。ええと・・・。あれ、これは珍しいな。これ、置いてるの?」
「ええ、よくおわかりで^^ ホーリー、いい彼を見つけたねえ^^」

「彼じゃないって・・・」

「じゃあ、これを・・・」
「グラスで?」
「1本。残ったらいただいていきます」

「かしこまりました」

  

店主は、ヨンジュンにウィンクをして、オーダーに厨房に入っていった。



「なあに、あれ。ウィンクなんてしちゃって」
「ふん、楽しいじゃない」

「あなたねえ。候補生なんて変なこと、言わないでよ。おじさん、本気にしちゃうじゃない」
「まあ、いいじゃない。ジョークだよ」
「困るなあ・・・」

「ホントに困る?」
「困るわよ」


「あ、来た!」

「まずは、アペリティフ。これは、私からの驕りです」
「いいんですか?」
「ええ、ヒイキにしてください。ホーリー同様にね」

「御馳走様です」
「調子がいいんだから」


ホーリーはあきれ顔で、ヨンジュンを見た。


「あなたって、真面目なんだかふざけてるんだか」

「まあ、いいじゃない。まずは乾杯しよう! 乾杯!」
「もう! じゃあ、乾杯!」

「ホントに感じのいい店だなあ」
「あなたって調子いいわよ」

「何だよ、怒ったの?」
「ちょっとねえ・・・。私、あなたみたいな年上、興味ないから」
「オレだって・・・」
「なら、よかったけど」

「でも、ここの店は気に入った」
「でしょ? ここ、付き合いが古いのよ。叔母夫婦によく連れて来てもらって・・・。今は叔母だけだけどね」
「亡くなられたの、ご主人」
「うううん、離婚。今は30歳の彼女とカリブ海で休暇取ってるわ」
「へえ・・・」
「それが、アメリカよ。こっちで成功して、若い金髪の彼女と一緒になる。アメリカン・ドリームね」
「はあ・・・ふ~ん」



前菜が運ばれて、ヨンジュンがワインのテースティングをしている。

  

「いいですねえ・・・。この舌の上で転がる感じが・・・。薫りの広がりといい・・・。韓国でいただくより、テ―スティですねえ。う~ん・・・これってここの空気との相性があるのかなあ・・・。グラスに移した時、触れる空気」

「ああ、そうかもしれませんねえ。やっぱり、気候って言うのがあるんでしょうね。ここではバッチリですか?(笑) ではごゆっくり。料理とワインを楽しんでくださいね。あ、ホーリーもね」

「ありがとう」



店主はまたにこやかに帰っていった。



「うまいねえ、これ」


ヨンジュンはグラスに目を落として、うれしそうに微笑んだ。


「ホント。お料理によく合うわ」
「だろ?」
「うん・・・。ねえ、あなた」
「何?」

「私、やっとあなたの職業がわかったわ!」

「!」


ヨンジュンはドキッとして、一瞬、心臓が止まりそうになった。


「あなたって」

「・・・」

「ソムリエでしょ?」

「え?」
  
「やっぱり、そうよね?」
「・・・どうして、そう思うの?」
「だって、ワインのことやお料理をよく知っているみたいだもの。それより、不思議だったの。韓国でそんな長い髪の男の人なんて見かけたことなかったもん。と言っても、10年前に行ったきりだけど」
「そう」
「最初、何かのアーティストかと思ったけど、アーティストのニオイとは違うし・・・ソムリエだわ!」
「・・・。(笑)違うよ」

「隠しても駄目よ」
「う~ん・・・ここのマスターには内緒にしてね」
「OK ! や~っぱりねえ・・・」

  
ホーリーも自分の勘が当たったので、うれしそうな顔をしている。

  
「ねえ、このサラダも食べてみて。私、これ好きなの。アンチョビソースがいい感じよ。少しあげるわ」

「いいよ」

「食べてみてよ。折角ニューヨークまで来たんだし」
「ええ、いいの? ありがとう」

「どうお?」
「あ、いけるね。もっと飲みたくなっちゃうな」
「でしょ?」(笑)
「う~ん、食もワインも進むね」
「ね!」

「いいお店を紹介してもらってよかったよ。家からも近いし、散歩がてら来られていいね」
「でしょ? でも、この辺は歩いていける、いいお店がたくさんあるの。だから、いろいろ試してみるといいわ」
「そうだねえ。ここはグルメのための食材がいろいろ揃ってるって聞いたから、期待してるんだ。もちろん、ワインもね」
「そうよ。庶民的なものから高級食材まで。酒屋さんも楽しいわよ」

「へえ。行きつけの酒屋ってあるの?」
「叔母の行きつけのお店ならわかるわよ。結構いろいろ置いてあるみたい。叔父が飲むのが好きだったから、きっといいワインがそろってると思うわ」

「へえ。今度連れていって」
「いいわよ。ここに住むと、居心地が良くて離れられなくなっちゃうから」
「ふ~ん」
「きっとあなたもそうよ」
「かな」
「うん・・・」

「ところで、君はどんな仕事してたの?」

「私? 召使い」

「え?」


ヨンジュンが驚いて、ホーリーを見つめた。

  
「ボスのね」
「ああ」
「ファッション誌の編集してたの」
「それを辞めたの?」
「う~ん、辞めさせられちゃったってとこね」
「・・・なんで?」
「う~ん・・・・電信柱みたいな女だって・・・」
「何、それ?」
  
「編集長が高ピーの女で、やな人だったんだけど、それでも頑張って、召使いのように仕えて・・・一日中働いて・・・それなのに、あいつ・・・」
「・・・」

「あの人の犬よ。ノー足りんのバカ犬。私のプラダのスーツにおしっこしたのよ!」
「え?」

「ごめん・・・食事中だったわね・・・」

「まあ、いいけど・・・」

「私の大枚つぎ込んだやつ・・・。それに、あの犬、おしっこかけたのよ。それなのに、あの女、私に謝るどころか、『あなたって電信柱みたいな女ね』って。今や、時代遅れの電信柱・・・。それで、あいつ、私に、クビって言ったのよ」

「すごいなあ・・・」

「それがアメリカ。傍若無人でもちょっと力のあるやつが生き残る・・・」
「・・・・」

「だから、私もシカゴを捨てたの。ニューヨークで出直しね。あいつなんかに負けないわ!」
「うん、そうだね、頑張って」
「うん」


ヨンジュンは若いホーリーを見て、微笑んだ。


「ところで、君の親御さんは?」
「身上調査?」
「違うよ。なんでおばさんのとこへ来たのかなって」
「ハワイに住んでいるの。あそこじゃあ、私の就きたい仕事がないのよ」
「ふ~ん」
「それで、大学からこっち」
「そうか・・・」
「だから、おばさんが親代わりね」
「なるほどね・・・」

「ねえ、ところで、あなた、足、怪我してる?」
「・・・わかる?」
「ちょっとね、階段下りる時、痛そうだから」
「そうか。左足の膝を怪我してて、まだ完治してないんだ」
「そうなんだ。それで・・・。歩くの平気なの?」
「まあ、痛いけど、歩かないとね」
「いいのお? ちょっと心配ね。まあ、スロースローで」
「そうだね」

「お互い、辛いとこ、あるわね?」
「ふん。(笑) そうだね」

「あなたなんか、仕事は成功してそうなのに足が悪くて・・・。私はこんなに健康なのに仕事がなくて」
「そんなもんさ。うまいよ、ここ。ありがとうね」

「また、違うお店、紹介してあげる」
「うん、ありがとう」



二人の初めての夜は、なんとか楽しいイタリアンで終わった。






通りに出て、二人はブラブラと、整然と並木が続く歩道を歩いている。



「ちょっと飲み過ぎたかな・・・」

「大丈夫?」

「大丈夫。いつも、もっと飲んでも大丈夫」
「へえ。強いんだ・・・。まあ、職業だもんね」
「ふん。(笑)」

「ねえ。今、コーヒーで食事を終えたでしょ? そのあと、ニューヨーク流だと何するか、知ってる?」
「何?」
「食後酒を飲みにいくのよ」

「へえ。いやあ、それ、楽しい習慣だなあ」

「でも、今日はお開き」

「なんで?」


「だって、あなた、少し酔ってるもん」
「そうかなあ・・・」
  
「もう真っ直ぐ歩いてない!」
「ホント? うそだあ!」

「なんで疑うのよ?」
「オレって酔わないのになあ」

「それ、思い込みよ」
「そうかなあ・・・」

「そうよ。・・・わかった! あなたは、頭でっかちのソムリエで・・・」
「頭でっかち?」
「そう、なんか難しい本、置いてたじゃない」
「ああ、わかってもわからなくても読むことにしてるんだ」
「へえ・・・。それで思い込みが激しいタイプね・・・」
「そおんなあ・・・」(笑)

「ほらほら! 曲がってるわよ!」
「うそ!」

「もう、手を引いてあげるわ。酔っ払いさん」
「あ、ありがとう、おばあちゃん」

  
ヨンジュンがホーリーのほうへ手を伸ばした。



「やっぱり。酔ってる…。私、おばあちゃんじゃないわよ!」
「うん? そんなこと言った?」
「言ったあ・・・。でも、あなた・・・ちょっとハンサムね・・・感じがいいわ・・・」
「ん? なんて言ったの?」
「別にい・・・。あ!」
「何?!」

「空!」
「え? あ!」

「大きいねえ・・・」
「ずいぶんデッカイ満月だね・・・」
「雲も見て・・・。流れが速い・・・」
「ホントだ・・・すごいなあ」


二人は手をつないだまま、夜空を見上げた。



「気持ちいい宵だねえ・・・。なんか晴々するよ・・・」
「そうねえ・・・。風もちょっと冷たくていい感じ」

「ホーリー。いい晩をありがとう。まずは、第一日目はいい日だった・・・」
「よかった」

「君は?」
  
「う~ん・・・。電信柱から、おばあちゃんに昇格!」
「よかったな。人間らしくなった」

「やあねえ。あと少しよ。頑張って歩いて! 酔っ払いさん」
「酔っ払いかあ・・・。それも楽しいなあ」

「バカね、ホントに酔ってる」



ヨンジュンは、ホーリーに手を引かれながら、自由に酔っぱらって往来を歩く楽しさに、ちょっと心が弾んだ。


この開放感!
これがほしかったものだ。

飲んだくれて乱れて歩いても楽しいなんて・・・。
いい感じだ!
  


「ねえ! あなたも真剣に歩いてよ! 私が引っ張ってるだけじゃない!」
「そおんなに急がなくても!すぐそこじゃない。こうやって気持ちよく風に吹かれていたい気分なんだあ」
「まったく!(笑) あなたって暢気ねえ」
「酔っ払いだから・・・」(笑)



ヨンジュンの第一日目の終わりはまずまずのようだ・・・。








  


さて、翌朝。

ホーリーがブラブラ階段を下りてくると、キッチンのほうで音がしている。



「おはよう・・・。早いのね」

「おはよう。もう8時だよ」
「そうだけど・・・。昨日は酔っ払いだったのに。元気ね・・・。あ、サンチュサム。一人分?」
「・・・」

「自分の分しか作ってないの?」

「なんで? 君は君で朝飯作るんだろ?」
「ケチね・・・」

「あるよ。食べたい?」
「お腹が鳴ってるの、聞こえるでしょう?」
「まあねえ」(笑)



ヨンジュンは皿にサンチュを敷き、色とりどりのゆで野菜を並べて、その上に生野菜をあしらい、コチジャンなどのソースをかけて、ホーリーの前に出した。

ホーリーはにっこりして、キッチンの真ん中にあるアイランド型の作業台兼テーブルに背の高いイスを持ってきて座った。
  

「すごい! キレイに盛り付けるのね・・・」
「なんか飲む?」
「うん」
「グレープジュースとオレンジジュースが冷蔵庫に入ってたけど」
「う~んと、グレープジュース!」
「ふん」


彼女の前に、グレープジュースが出された。


「ありがとう^^ あなたって、ホントに親切ね」
「まあね。でも、人の弱みに付け込まないようにね」
「わかってる、わかってるわよ。でも、ラッキーだったわ、いい人で」

「あ、ちょっと、どいて。テレビが見えない」
「あなた、私よりテレビなの?」


ホーリーがヨンジュンの前に顔を出した。


「ちょっと・・・。どけよ。ああ、終わっちゃった。(ホーリーを見る) 言っておくけど、僕は、君の世話をしにここへきたんじゃないんだからね」
「わかってるけど・・・」

「毎朝、テレビのニュースを見るのが、僕の日課なんだ」
「ふ~ん」
「食べたら?」
「ええ・・・いただきます」


ヨンジュンがTVをリモコンで切って、コーヒーを入れている。


「あなた、もうシャワーも浴びたの?」
「なんで?」
「ボディシャンプーのいいニオイがする」
「そう? 君は・・・それ・・・パジャマのまま?」
「うん。顔は洗ったわよ」
「ふ~ん。オレは地下室での筋トレも終わった」
「へえ」

「ロミオも飯、食べたよな」


ヨンジュンはロミオを見て微笑んだ。


「あ、もう手なずけた」
「世話してくれる人がわかるんだよ。君じゃなくて、オレだって」
「へえ・・・」

「まあ、君も・・・」
「なあに?」
「そう思ってるみたいだけど」
「私は犬じゃないわ」
「だよな?」

「思ったけど、あなたってレストランとかやってる?」
「!」


ヨンジュンはちょっと素性が知れたかと思って、汗を掻いた。


「思ったんだけど、ソムリエだけじゃないわね・・・。経営者っぽい感じもするもん。レストランもやってるの?」
「ああ・・・。(ちょっと溜息)よくわかったね」
「やっぱりね」
「すごい洞察力だ」
「ありがとう」



ヨンジュンはちょっと安心して、大きめなマグカップに入れたコーヒーと新聞を持って書斎へ向かう。


「どこ行くの?」
「書斎! 君はついてくるなよ!」
  
「何、言ってるのよ・・・。ついていくはずないじゃない・・・」



寝転がっていたロミオは、すくっと立ち上がって、ヨンジュンの後を、プリプリと尻尾を振りながら、ついていった。
  






「ねえねえねえ」
「・・・・」
「ちょっと」
「・・・読書中・・・」
「わかった・・・」



ホーリーはヨンジュンの足を載せたオットマンに座りこんで、下に寝そべっているロミオの背を撫でている。
ヨンジュンは本の隙間から、彼女を見たが、一向に去っていく様子がない・・・。

彼はホーリーの態度がイライラしてきて、ポンっと本を閉じた。



「終わった?」

「・・・なんなの?」
「なんなのって?」
「僕は本を読んでいるんだよ」
「わかってるわよ」
「だったら、あっちへ行っててくれない?」
「なんで?」
「なんでって? この家は、こんなに広いんだよ」
「・・・」
「くっついていることないだろ?」
「くっついてるわけじゃないわ。ここにロミオがいるのよ」
「だったら、連れて行けよ。こいつだって、ついていくだろ?」
「・・・」

「君たちはいいカップルだよ」
「あら、それはあなたとロミオでしょ?」
「それじゃ、男と男になっちゃうだろ?」
「あら! ロミオはメスよ」
「え~え?」

「ほら、見て。ついてないでしょ?」
「あ、ホントだ・・・。おまえ、メスか?」



ロミオが潤んだ瞳で、ヨンジュンを見つめた。



「ねえ、僕は休暇でここへ来てるんだ・・・一人で好きにさせてよ」
「でも、本を読んでるだけじゃ、つまらなくない? それじゃあ、韓国にいるのと変わらないじゃない。せっかくニューヨークに来ているのに、勿体ないじゃない」

「はあ・・・。好きにさせてよ・・・」


ヨンジュンはため息をついて、閉じた本を胸に抱いて、目を閉じた。


「・・・ねえ・・・ジュン・さん・・・。オッパ!」

「うるさい」

「そうか・・・。家でも家族が多くて、一人になれないのね?」
「まあね」
「大家族?」
「ああ、大、大、大家族」
「そうなんだ。それで、いつも周りがうるさいのね。ねえ、結婚してるの?」
「いいや」

「そうか。長男で一家のヒョンなんだ。そうでしょ?」
「そう・・・」
「へえ・・・やっぱりね。いい人だけど、ちょっと硬いと思ったわ。ヒョンだからか・・・しっかりしてるのね」
「もうわかったら、あっちへ行けよ」
  
「ねえ、ヒョン。タイムズスクエア辺り行かない? 楽しいよお、うきうきするわよ」
「行かない・・・」
「どうして?」
「だって、家族がいっぱい・・・いや、知り合いも休暇取って、ニューヨークに来てるからさ」
「逢いたくないんだ・・・」
「まあねえ・・・」

「それじゃあ、つまんないじゃない! あ、そうだ! ソーホーは? ソーホー行こ! あそこ、楽しいよお」
「何が?」

「新進の作家の作品で、結構いいのが売ってるのよ」
「何の?」
「服よ」
「ああ、君はファッション屋さんだからね」
「ねえ、それだけじゃないわよ。芸術家が多いの・・・と言っても、今は、ギャラリーやレストランやブティックだらけで、アーティストたちは最近チェルシーに移り住んでるけどね」
「へえ」

「でもね、あ! カースト・アイアンって知ってる?」
「うん?」


ヨンジュンが目を開けた。ホーリーはシメタ!と思って、話を続けた。

  
「カースト・アイアンっていう歴史的な建築様式が残ってる指定地区なの」
「ああ、ちょっと待って・・・。ええと。あれだ! 19世紀にイギリスから伝わった建築技術だ。溶解された鉄塊を鋳型に流し込んで、建物の骨格や外観の鉄の枠組みを作るやつ」
「そうそう! それでできた建物が残ってる地域よ。あなたって本当に物知りね」
「ふん」(笑)

「見たいでしょ?」
「行きたいんだろ?」
「あら! 隣のノリータやロウアー・イースト・サイドもいいわよ」
「行きたいんだ」
「あなたの好きそうな老舗のオーガニックレストランもあり!」
「へえ!」
「メキシカン、食べてもいいわよ」
「ふ~ん」
「ノリータで、ブラジル料理もいいわね。あ、フレンチカフェもあるわよ!」
「わかったよ。一緒に来てほしいんだろ?」
「バレた?」

「ボディガード?」
「もあるけど・・・」

「奢ってほしいんだ・・・」
「・・・」

「服は自分で買えよ」

「もちろんよ! その代わり、最高のガイドになるわ!」
「わかった」

「いいの?」

「いいよ、君のせいで、本もオチオチ落ち着いて、ここの家では読めないからね」
「そうお? でもさ、せっかくのニューヨークだもん。楽しまなくちゃ」
「だな?」
「うん・・・」


「よし! 着替えるか!」


ヨンジュンが立ち上がった。


「ゆっくりでいいから。休み休み、歩いていいから」

「ありがと」


ヨンジュンはホーリーをちょっと睨んで、笑った。







続く・・・










二日目も落ち着いて、自分の世界に浸っているわけにはいかず・・・^^;

でも、それがいいのかも?^^



Enjoy your life !
We love New York and you !!

注)ホーリーがヨンジュンを「ヒョン」と呼ぶのは、間違えではなく、
彼女にとっては、「オッパ」ではなく、「ヒョン!」なんです。
その辺のニュアンスを読んでいただけるとうれしいです^^






2009/10/16 22:03
テーマ:TV番組・映画 カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

アニソナは3話まで完成・・・

Photo

これがホントなら・・・

joonの病気を押して急ピッチで作業しなければならないよね・・・・。

少し延期ってできないのかな。

日本でしか、放送しないんだもん・・・

って、言えるのは、私がスカパーに入ってないからかも・・・


遅れたら、暴動になる・・・?






10月16日16時57分 夕刊フジ



日本でも大人気となった韓流ドラマ「冬のソナタ」のアニメ版の放送が17日からスカパー!でスタートするが、
全26話(週1回、30分)のうち、まだ3話分しか完成していないことが分かった。

アニメ「冬のソナタ」製作委員会は「スケジュール通り」としているが、声優に初挑戦したヨン様こと俳優、ペ・ヨンジュン(37)の体調不良もあり、
「最低でも5話程度必要なのに、大丈夫か」(アニメ製作関係者)と心配の声が漏れている。

 
 アニメ版「冬ソナ」は韓国で2002年、日本で03~04年に放送された実写ドラマをベースに製作。
放送開始に先立つ9月27日には、ドラマで共演したジウ姫こと女優のチェ・ジウ(34)とともに、アニメのPRのために来日した。
東京ドームで開かれたイベントは満員の盛況で、ヨン様人気の健在ぶりをみせつけたばかり。


 アニメ「冬ソナ」について、製作委員会は現時点で完成しているのは今月放送分の3話だけであることを認めたうえで、

「脚本やシナリオはもうできており、放送と同時並行的に製作していく。遅れているということはない」と強調している。


 一方でアニメ製作に携わった関係者は
「最低でも5話程度必要。いま、韓国で急ピッチで作業をしているが…」と心配顔だ。

楽しみにしている日本ファンも多いはずなのに、なぜこうした声が聞こえてくるのか。

 関係者が続ける。

 「ヨン様が第1話のアフレコの際、『顔はこうしてほしい』『髪型が違う』など、いろいろ注文をつけて修正させている。
アニメの修正は全体の雰囲気とのバランスも考慮する必要があり時間がかかる。
6月には監督も辞めさせられたこともあって『もう辞めたい』とこぼすスタッフもいるほどだ」


 これに対し、製作委員会は、
「(ヨン様は)アニメに関しては素人。修正など注文をつけたことはない」と全面否定。
監督の辞任については「製作上で問題で監督が交代したのは一度あった」と認めた。


 財団法人デジタルコンテンツ協会のアニメ専門家は、
「日本の場合は全話を作ってから始めることは滅多にないが、作業の進み具合はケース・バイ・ケース。
日本と韓国の認識の違いもあるのではないか」と話す。


 こだわり抜いた作品だけに、期待は高まるのだが…。










joonが元気ならね、徹夜でもやるんだろうけど・・・

ちゃんと1週間に1本上がっていけば間違いないけれど・・・


とにかく、健康であることを祈るしかないね!





↓スカパーでいただける壁紙です^^



2009/10/16 13:19
テーマ:元気かい^^? カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

ピンキーリングが・・・

Photo

BGMはこちらで^^




かわいいヨンジュン・・・

素敵なヨンジュン・・・

いつもたおやかな笑顔で・・・・


でも、ライトの加減では疲れがにじみ出てた




見落としそうになったけど・・・・


ピンキーリングが、

ゆるゆるだったんだねえ・・・。



ずいぶん、指も細くなっちゃったんだ・・・・。



これは、フルエタニティみたいなデザインだから、
直せないけど・・・

もとのサイズに戻るまで、そのままにしておくのかな・・・




今は少しは元気になっているよね・・・?

細身の体に、スタイリッシュなスーツが似合って・・・

素敵にしているかな?


まだまだ、ゆっくり、空いている時間はベッドにいてください・・・





このスカーフ・・・というより、ストールかな、
よく見ると、デザインが凝ってる。

先っちょにリボンがついているのね・・・女の子用?^^

皆も使えそう^^





2009/10/16 00:43
テーマ:【創】Oh, My NY ! カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

【BYJシアター】「Oh, My New York !」1

Photo


BGMはこちらで^^



BYJシアターです。

これは昨年の4月の出来事です^^

私ことkiko3の密着取材により^^
ニューヨーク在住であった当時のペ・ヨンジュン氏の極秘滞在完全ルポを
内々に手に入れたので(って創作^^)、ご報告しておきましょうね^^

とはいっても、まるっきりホントのことはヤバイので^^
住まいはチェルシーではなく、アッパー・ウェスト・サイドとしています^^
ここって、映画「You've got a mail」の舞台です。

あと、CMの撮影シーンも違いますが、ご愛嬌でありま~~す^^


これより本編。
お楽しみください^^

~~~~~~~~




ニューヨークはミッドタウン。巨大なビルの中。

ビジネスマンのペ・ヨンジュンがエレベーターの中で、ポケットから「ビルリブX70 VANT」を取り出す。
彼は、お気に入りの動画を見て笑う。エレベーターのドアが開き、彼の顔は、颯爽としたビジネスマンに変わる。
彼のオフィスに着くまで、ビジネスマンたちに笑顔で、挨拶をする。「Hi !」
摩天楼の自室のドアを開けると、全面ガラスでできた窓に広がるニューヨークの景色。
その前にある彼のデスクの上に、「ビルリブX70 VANT」を置く。


「今日もおまえのお蔭だ」


彼はホッとした顔で、巨大な窓の外に見える街を見下ろす・・・。

「時間は人を待ってくれない。だから、私はこれを選んだ。忙しい私が手にする一時のやすらぎと楽しみ。そう、ビルリブX70 VANT、私のベスト・パートナー」

  


カット!





撮影を終えたペ・ヨンジュンは、スーツケース一つをタクシーの運転手に預け、今まさに、タクシーに乗り込もうとしている。


「ヨンジュンさん!」
「お疲れ様。ケンチャナヨ。たった一週間だろ。そおんなに心配しなくても平気だよ。昔から一人旅は好きな方だし」
「でも・・・」


マネージャーのブライアンが、心配そうに、じっとヨンジュンの目を見つめた。


「君の生徒を信じないの? まだ勉強不足?」
「いえ、英語は十分堪能になられました。でも、今のヨンジュンさんは昔のヨンジュンさんではありませんから。誰が見ているかわかりませんし、お一人で行動されるなんて、やっぱり、無謀な気がするんです。それに膝だってまだ完治してないのに・・・」

「でも、君も言ったじゃない。あの辺は安全だって。大丈夫だよ。それにこれが完治するのを待ってたら、僕は一年間寝たきりになる・・・」
「まあ、そうですけど・・・でも、サブレットなんて(部屋をまた借りすること)」
「じゃあ、もう行くよ。時間が勿体ないからね」

「ヒョン!」
「テファン。君も心配しないで。一人でゆっくりしたいんだ」
「・・・そうですか・・・。そんなヒョンの姿も撮りたいけど・・・。では、ホントに気をつけて」

「皆、大丈夫? 心配し過ぎだよ。(笑) 携帯があるんだからさ、何かあったらメールするよ」
「何かあったらじゃなくて、一日の終わりにはメールを入れてください。ヤンさんにも報告しなくちゃ」
「ああ・・・」


ヨンジュンは颯爽と一人タクシーに乗り込み、手を振った。

「じゃあ、一週間後に! 君たちもバケーションを楽しめよ。ああ、メールは何か事件が発生したらね!」

「ヒョン!」




「アッパー・ウェスト・サイド ●●●●、please!」
「OK!」


彼を乗せたタクシーは軽快に走り出し、心配顔のマネジャーのブライアンとカメラマンのテファンは、その場に取り残された。




【Oh, My New York !】1




「Here? う~ん・・・。ここかな・・・。地図で見ると、そうだ。Thank you !」


ヨンジュンは、ニューヨークはアッパー・ウェスト・サイドの、とある住宅の前に降り立った。
目の前の家のアドレスはまさに彼の目指す家のようだ。

  
ここ、アッパー・ウェスト・サイドは、ゆったりとした雰囲気の気取らない高級住宅地である。ニューヨークのヤッピーたちが住まうアッパー・ウェスト・サイドには、庶民派から高級素材までグルメストアがずらり。こぢんまりとはしているが、こだわりのレストランもあり、食の好きなヨンジュンには楽しみな街である。映画「ユー・ガット・メール」もこの地に住む男女のストーリーであった。これで、街の様子は少しわかっただろうか。
また、ここはジョン・レノンの暮らしたダコタ・アパートなどの19世紀に建てられた美しい建物などでも有名である。
ちなみに、セントラル・パークを挟み、アッパー・イースト・サイドがあるが、こちらはウッディ・アレンなどスターが多く住まう高級住宅地で、これまた敷居の高いところである。

  

ヨンジュンは、スーツを持ち上げて、一歩一歩ゆっくり、その家のエントランスの階段を上る。
そして、預かったカギを差す。回す・・・。

「開いた・・・」



ドアを押して入ると、部屋の中から、そこはかとなく甘い花の香りが漂ってくる。
玄関ドア横の電気のスイッチを入れる。玄関ホールの明かりがついて、目前に2階へ上る階段が目に入って、その脇の通路に直置きされた大きな花瓶にバラの花がたわわに生けてある。


ヨンジュンはちょっとうれしくなった。
この家の持ち主が、僕を温かく出迎えている・・・。


ひとまず、スーツケースを玄関に置いたまま、部屋の中を探索することにした。

玄関ホールの左手にリビングがある。
部屋の電気のスイッチを入れながら、リビングへ進み、窓のカーテンを開ける。

  
「ふわあ・・・。いい感じだ・・・」



大きなクリーム色の木製の窓枠を押し上げて、外の空気を入れる。
通りに面した窓から見る街路は、生き生きとした新緑だ。

振り返って、部屋の中を見渡すと、その窓から一直線に長く部屋は続き、庭へのドアまで続く。
部屋の天井は高く、リビングの天井はアールの線を描き、ドーム型になっている。
壁は、窓枠より一段明るいアイボリー。
大きな暖炉の前には、ゆったりとくつろげそうなソファ。
リビングに続く書斎は、天井の高さまである作りつけの書棚があり、その隣に大きな鏡がある。鏡の下は暖炉。
部屋の中央寄りにあるマホガニーの机もなかなか古いものでがっしりとして素敵だ。

デスクの前にある一人用のソファにはオットマンもあり、読み物をしやすいように、サイドテーブルが置いている。

ヨンジュンはこれまた、うれしくなって、そのソファに座ってみる。
大きめなオットマンに足を延ばし、サイドテーブルの上のスタンドのライトをつけてみる。


「ふ~、くつろげるね~^^」



韓国で開いてみたニューヨーク・サブレットルームのHPで一番印象的だったのは、この空間だ。


やっぱり、よかった・・・。


ここは、他のサブレットルームより高級で少々値が張ったが、その分、環境は抜群だ。

また、立ち上がって、書斎の奥のドアを開けると、庭に続いている。


柔らかな4月の風が彼を包む。

  
いいねえ・・・。
  

書斎に戻り、机の上を見ると、テープレコーダーがある。


「おお、年代物だね^^」

  
スイッチ・オン!


「ハイ! こんにちは。私はマーガレット・リー。ようこそ我が家へ! メグと呼んでちょうだい。一週間ほど留守にするわ。あなたは・・・ヨンジュン・・・・ベイね? よろしく。 ご自由に、好きに使っていいわ。行ってはいけない部屋など一つもないわ。 冷蔵庫の中のものは新鮮よ。果物も入れておいたわ。フリーザーの中のものもOK! 自由に食べてね。 部屋をキレイに使ってくれたら、それだけで十分よ。特に、私からのお願いはないわ。 2階の右側のベッドルームを使ってちょうだい。そこがマスタールーム。 私の部屋だけど、ダブルベッドだから・・・。寝やすいと思うの。 シーツはスカイ・ブルーでまとめてみたわ。気に入っていただけるかしら。 左側奥がゲストルーム。他のお部屋も自由に使ってちょうだいね。 きっと、気に入ると思うわ。

それと・・・。

これはあなたの自由だけど、犬がダイニングで1匹寝そべっているの・・・。よかったら・・・餌をやってちょうだい」


「よかったらって・・・やらないわけにはいかないだろ? 生きてるんだから・・・」


驚く。

  
「それから、キッチンの水道が少々水漏れ。でも、使わないならそれでいいわ・・・。もし、直すようなら・・・ええと、工具は流しの一番下の引き出しね」

「使わないわけにはいかないだろ?」
  
「それから・・・そうね。部屋の中の観葉植物の土が乾いていたら、水をやって。あなたができたらでいいわ」

「どれ・・・。(土を触る) カラカラじゃないか・・・」

「それと、庭に出てみて・・・・もし芝生が伸びすぎてると思ったら、刈ってもいいわよ。これも自由ね」

「どれ・・・・ああ・・・・よく見ると、結構伸びてるね・・・」

「芝刈り機は、庭の物置の中ね。もし、動きが悪かったら・・・」


ヨンジュンはテープレコーダーのスイッチを切った・・・。


「もうここまでで結構。聞かない自由もあるだろ?」


う~ん・・・。

ヨンジュンは部屋を見回した。


まずは、部屋に荷物を置くか。
ええと、本は少し、書斎に置いて・・・。


ヨンジュンはスーツケースから5冊ほど本を出すとソファ脇のサイドテーブルに置き、荷物を2階へ運ぼうと階段に足をかけた。
階段裏に当たるダイニングのほうから、クンクンという声がする・・・。


ああ・・・犬かあ・・・・。



ヨンジュンは階段にかけた足を下して、スーツケースを置いたまま、階段横の廊下を通って裏側にあるダイニングへ行ってみた。

そこは、家族用のあっさりとしたダイニングで、そこの窓際に大きな犬が座って、笑って尻尾を振っている。



「こんにちは。君・・・韓国語わかる? わからないか・・・。それにしても、愛想がいいなあ。うちのなんて、ちょっと会わなかったら、吠えてきたよ。ええと名前・・・なんて言うんだ、君は。困ったねえ」


犬はすくっと立ち上がって、尻尾を振りながら、キッチンのほうへ歩いていく。


「何があるんだい、そっちに?」



犬は、大きめなポリバケツの前で座った。


【Romeo's Food】

  
「おお、ロミオか、君は」

バケツの蓋を開けると、紙が入っていて、「一日朝夕2回食。3カップずつ」


ヨンジュンは参ったなと苦笑いして、犬の餌の準備をした。


「君のお母さんはちゃっかりしてるねえ。餌をやらない自由なんてあるんだろか。これで、いいか。ロミオ」


ロミオが水のボールを鼻で押してくる。


「水ね・・・。ああ、水漏れをまず直さなくちゃ。君の分だけ先にやるよ」


ヨンジュンは、ロミオに水をやって、キッチン周りを見る。


「きれいにしてるのにね・・・。女一人で直せないんだろうか。君は・・・ゴールデン?」


話しかけると、ロミオが口をきっと開いて笑った。


  
ヨンジュンは早速、2階の寝室に荷物を運び、普段着のジャージーに着替えて、キッチンの流しの下を覗いた。

  
「どこが漏れるわけ・・・」


ロミオがそばに座りこんで、じっと見ている。


「困ったねえ・・・。このネジが弛んでるのかな?」

ヨンジュンは引出しから、六角ペンチを取り出して、流しの下に四つん這いになって、中を覗き込んだ。
すると、ロミオがヨンジュンを励ますように、ヨンジュンのお尻に顔を突っ込んで、ニオイを嗅いだ。


「Stop. Stop it, ロミオ!」


ヨンジュンのニオイをいっぱいに吸い込んだロミオは、最後に鼻から息を吐いて、離れた。
ヨンジュンのお尻に、モアッとした温かい息がかかり、そこに、ロミオの鼻水がついた・・・。


「Stop, ロミオ。 まったく、おまえは困ったやつだなあ」


中から顔を出したヨンジュンは、お尻を拭きながら、ロミオを見て呆れた。


「だめだよ、こっちは仕事をしてるんだから、ね」
  

次に、仰向けになって、また流しの下を覗く。
ロミオは、今度は「前」のほうのニオイを嗅いで、舐め始めた。


「Stop. Stop it ! ロミオ!」


でも・・・・ロミオはヨンジュンが気に入ってしまったようでやめない・・・・。


「Stop ! ハジマ~」


ロミオの動きが止まった。
ヨンジュンが中から顔を出して、ロミオを見て笑った。


「あれ? おまえ、英語より韓国語のほうがわかるの?(笑) 全然、ニューヨーカーじゃないんだねえ」


ロミオはうっとりとした目で、ヨンジュンを見つめた。

  
「そうか・・・オレを好きか? じゃあ、家族になれ」


そんな冗談を言っていると、玄関で「ピンポ~ン!」とチャイムが鳴った。


  
「誰だ?」


ロミオが耳をピッと立てて、うれしそうに尻尾を振って玄関へ走っていく。


「知り合いか、おまえの・・・」



ヨンジュンも起き上がって、玄関に向かい、ドアの覗き窓から外を見た。
東洋人の20代の女の子が立っている。


「はい」
「ねえ、早く開けてよ!」
「・・・」


ドアを軽く開けると、女の子はドアを押し開けて、さっさと中へ入ってきた。
そして、ロミオを見た。

「ロミオ、元気だった? いい子だ。(頭を撫でる) ねえ、おばさん!おばさ~ん! いないの!?」


押し開けられたドアを戻すようにして、ヨンジュンが現れた。


「あの・・・」

「あ、びっくりした。脅かさないでよ。ところで、あなた、誰?」
「誰って」


女の子は、ヨンジュンの顔をしげしげと見つめて、それから全身を見た。
そして、濡れた「前」の部分が目に入って、軽蔑したような顔で、彼を見上げた。


「最低・・・・」

「何が?」

「あなた・・・。誰? それに・・・やだ・・・何してたの?」
「え?」

「変態?」
「え!?」

「いやらしい・・・」
「はあ?」

「一人で何してたのよ?」

  
ヨンジュンはやっとその視線で気がついた。
黒のトレーニングパンツの前がロミオの唾液で濡れてテカテカと光っている。
  

「こ、これはロミオが舐めて・・・」
「ホント?舐めさせたんじゃないの?」

「まさか。今、水道を直してて・・・それで」
「水道屋?」
「いや」
「じゃ何?」
「部屋を借りた者です」
「あ~あ。そう」
「だから、おばさんはいないよ」
「そう・・・」
「だから・・・」
「だから?」
「だから、帰ったら?」
「なんで?」
「だって、僕が泊まってるわけだし」
「でも、私だって泊まるとこないのよ」
「ええ~!」

「ここに泊まりに来たんだもん」
「そんなあ・・・」
「まあ、いいじゃない。部屋はいっぱいあるんだし」
「・・・。困ったなあ・・・」
「なんで? 寝室はゲストルームもあるわけだし・・・」
「しかし・・・女の子と一緒っていうのは・・・」
「あなたが変態だから?」
「・・・なんだよ、その言い方・・・そうじゃなくて・・・」
「じゃあ、気にしなくてもいいわよ」
「というわけにはいかないだろ?」
「そうかしら? 部屋をシェアするなんてよくあることだし」
「と言われてもなあ・・・」
「そんなに嫌?」
「というか・・・」

「あなた、変人ではなさそうだし・・・私はいいわよ」

  
女の子は、大きな荷物を引きずりながら、リビングルームへ入って行った。




「・・・ああ、そうか・・・。あれか! あれの続きを聞かないと、ヤバいわけだ・・・・うん・・・」

  
ヨンジュンは、書斎のデスクの上のテープレコーダーのスイッチを入れた。

  
「・・・潤滑油もあるから、差してみてね。そ・れ・か・ら・・・。これは、申し訳ないけど・・・。今回は、あなた一人じゃないの。私の姪がね、訪ねてくるの」


ヨンジュンは「これか・・・」という目をして、女の子を見た。

  
「名前は、ホーリー・チャンね。大学出て、シカゴで働いてたんだけど、ちょっとね、ニューヨークに来ることになったの。それで、しばらくここに滞在するの。ホントは私が帰ってからのほうがよかったんだけど、向こうのアパートの契約が切れちゃうから・・・申し訳ないわね・・・。でも、あの子はゲストルームを使うから・・・。いい子だから。よろしくね。仲良くやって。では」
  
「よろしくね、仲良くやって。では・・・。君のおばさんは、見知らぬ男がここに滞在しようとしているのに、君を置いていくんだね・・・」

「まあ、そういう人よ。よろしく、ホーリーって呼んで!」
「・・・よろしく・・・」

「What’s your name? 教えて」
「う~ん・・・ジュンと呼んで」
「OK, ジュン! Nice to meet you !」
「Nice to meet you, too」

「でも、どうするかな・・・。まず、寝室は・・・」
「私がゲストルームでしょ? OK」
「いいの?」
「だって、あなた、お金払ってんでしょ?」
「まあね」


ヨンジュンは、彼女をじっと見た。
20代半ば、スレンダーで・・・まあ、美人か・・・。



「何?」
「いや・・・」
「わたしは25よ。あなたは?」
「35・・・」
「オジサンね」
「なんだよ、その言い方。たった10歳しか上じゃないだろ?」
「ふん。(笑) まあ、気にしないで。楽しく過ごしましょうよ。どうせ・・・何日?」
「一週間」
「そのくらいの期間なんて・・・なんとか過ぎちゃうわよ」
「そうかなあ・・・」


ホーリーは、書斎の一人用のソファの横のサイドテーブルに積まれた本を見た。


「あなたの?」
「そう」

「ふ~ん・・・難しそうなものばっかり・・・。頭でっかち?」
「なんだよ、それ?」
「OK! ここはあなたにあげるわ」
「それはそれは・・・どうもありがとう」

「私は・・・TVの前と・・・。あら、もう7時なの? あなた、お腹空いてない?」

「そういえばね」

「なら、何か食べに行こ」
「行こうと言っても」
「それとも、これから何か作る?」
「ああ・・・そうだね・・・しかし、この辺は初めてだから」

「そう、いいわ。私が連れてってあげる。いい夜にしましょう。なにせ今日は、Welcome Partyでしょ?」
「ああ、そうだね」
「じゃあ、行こう」

  
ヨンジュンはホーリーの顔を見つめて、初めてにっこりと笑った。
  

「わかった。ちょっと着替えてくるよ。これじゃ・・・君、嫌だろ?」

「うん。そうね、それはディナーには向かないわね。(笑)」
「じゃあ、待ってて。ところで、何食べる?」
「そうねえ・・・ここはいろんな料理があるのよ。イタリアンのお店はどう? カジュアルな感じの」

「パスタ?」

「ええ、そう。それに、結構ワインもおいしいお店なのよ」
「いいねえ、それ! ちょっと待ってて。着替えるから・・・あ、シャワーも浴びてきてもいい?」
「ええ、いいわよ! ロミオのニオイもちゃんと洗い流してね」
「なんだよ、それ」(笑)

「私も準備するわ。そうだ、予約も入れとく!」
「OK !」






続く・・・



  




おお!

なんとこんな形で、BYJのニューヨークの日々は始まってしまったのだ!


これからいったいどうなる、ヨンジュンさん!


ということで、昨年のNY滞在ルポの続きをお楽しみに~^^










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