2010/09/19 02:19
テーマ:【創】探偵物語 カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

【BYJシアター】探偵物語 8





↑BGMはこちらをクリック






BYJシアターです^^

皆さん、連休ですか~?

おうちにいる方、シアターで楽しんでくださいね^^


今日は、「探偵物語」8話です・・・。




ではここより本編。
お楽しみください^^



このストーリーはフィクションです・・・。




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~









「・・・ねえ・・・一人で取らないでよ」
「おまえこそ引っ張るなよ・・・」

「もう!」


「・・・こっちへ来て一緒に寝ればいいじゃないか・・・」
「・・・」


一枚の掛け布団を取り合っていた二人が寄り添う。



「ほら、取り合わなくてもいいだろ?」
「・・・まあね・・・」
「何だよ」

「うううん・・・うふ(笑う)」
「ふん(笑う)」


ワトソンがヨソクの隣にぴったりとくっ付いて寝る。


「腕枕は?」
「え?」


「腕枕もしてよ・・これじゃあ、寝にくいもん」
「わかったよ・・・」




二人は顔を見合ってにっこりと笑った。








ぺ・ヨンジュン主演
イ・ジア

「探偵物語」8







ワトソンが本を読んでいると、手の甲をすうっと撫でる指があった。

最初、それはヨソクの指かと思い、その手をうれしそうに見た。でも、それは少し毛深くて、ヨソクの手ではなかった。

この手は・・・!と気がついたが、引っ込めようにも手が動かない。

その指は嬉々として、ワトソンの手の甲を行ったり来たりしている・・・。
そして、耳元に息がかかって、「キレイな指だね・・・」と囁いた。


目覚ましが鳴り、ワトソンは、どんよりとした嫌な気分で目を覚めた。








ワ:あ~あ、今日から学校だ。
ヨ:そうだな。


二人は朝食のご飯に海苔の佃煮を乗せた。



ワ:なんか、大学行きたくなくなっちゃった・・・。(ため息)
ヨ:でも、そういう訳にはいかないだろ。行かないと卒業できないだろ?
ワ:うん・・・。ドングクの授業を落として留年しても、来年もまたドングクなんだよねえ・・・。
ヨ:・・・困ったな・・・。


そういいながらも、ヨソクはどんどんご飯を食べている。


ワ:あ~。(ため息)まあ、何とかやるわ。あのデートの日は、急にお腹が痛くなったとか、適当に言って。
ヨ:ふん。(笑う)そうだな、仕方ないな。大学も友達と一緒なら大丈夫だろ?
ワ:うん。
ヨ:ま、一人にならないこと。隙を与えないことだな。
ワ:・・・簡単に言うわね・・・。(睨む)


ヨ:オレがついていくか?

ワ:・・・まさか。(食べ終わってバッグを持つ)そんなことしたら、余計話がこじれちゃうわ。
ヨ:だな。
ワ:とにかく行ってきます。それに今日はドングクの授業はないから、隠れていって、さっと帰ってくる。
ヨ:ま、気をつけて。
ワ:うん。では行ってきます!


ヨ:行ってらっしゃい!


ワ:あ、先生!
ヨ:なんだ?
ワ:布団、干しておいてね。お天気いいから。
ヨ:おまえってやつは・・・行ってらっしゃい。








ヨソクは朝食を片付けてから、ベランダに出て布団を干した。


確かに、パピーの事件には関係ないだろうが・・・ドングクは・・・ヤバイなあ・・・。なんかヤバイニオイがする・・・。

それにしても、今日はよく晴れてるなあ・・・。



ヨソクはまぶしそうに空を見上げた。








パピーの事件から約1ヶ月半。
犯人の手かがりも掴めないまま、夏が終わった。
パピーは特別なアルバイトをやっていた。
そして、それを調べているうちに出会った、大学時代の同僚のドングクとリボンなる紐女の関係・・・。

いったいどこで知り合ったんだ・・・。リボンはどこへ行ったんだ・・・。





ヨソクはデスクに座って、ファイルを開きながら、先日会ったパピーのエージェントとの話を思い出した。






ヨ:エージェントさん。リボンが行方不明って、あんた、知ってたね?
エ:・・・・。
ヨ:ハンさん・・・。あんた、ハンさんだろ?
エ:・・・。
ヨ:リボンの捜索願いは、あんたが出したんだね?
エ:・・・ああ・・・。

ヨ:やっぱり・・・。

ハン:あいつは一人ぼっちだった・・・。大学の薬学部に入ったとこまではよかったが、その夏に父親を亡くして一人ぼっちになってしまった。当てにしてた奨学金もダメで・・・一時は大学を辞めようと思ったそうだ。でも・・・ここで頑張って資格を取れば、将来はなんとかやっていける・・・今はそのためには何でもやる・・・そういう気持ちで、うちへ来たと言ってた・・・。
ヨ:ふ~ん・・・。(頷く)

ハ:それで、客を取ることになって・・・。まあ、それまでは・・・うちは・・・売るものは一つしかなかったんだ。それで、それはやっぱりできないって言ってきて・・・。
ヨ:・・・。(エージェントを見つめる)

ハ:ところが、またしばらくしてやってきたんだ。こんな商売もできるんじゃないかってね。
ヨ:それが・・・紐?

ハ:そう。あいつは頭のいい女だった。インターネットで新しい仕事を見つけて、ここでやって・・・。リボンは自分で客も取ったが、ここで女の子たちに教えたりもしたんだ・・・。あいつは賢い女だった・・・。だから、あいつは別格だ。他の女とは違った。
ヨ:・・・。

ハ:オレはあいつと組んで仕事を続けたかったんだ。でも、ご本人はやっぱり、シャバで胸を張って仕事をしたいって言ってね。うん・・・。オレもあいつの気持ちがよくわかったから、「それがいいよ」って言って送り出したんだ。
ヨ:それがなぜ、行方不明に?

ハ:うん・・・。オレにもわからない・・・。病院に勤め出してしばらくしてから、オレの所へ客の引継ぎをしにきたんだ・・・。それに、いわゆるマニュアル本?もくれてさ・・・。その時ね、笑って、「エージェントにプレゼントあげるわ。元素記号表。使ってね」そう言ったんだ。それで、今度持ってくるからって。ところが、それから姿をくらました。なかなか来ないんで、病院へ様子を見に行ったら、ずっと欠勤だって言うじゃないか・・・。それで、捜索願いを出したんだ。


ヨ:それはいつ頃?

ハ:ええと・・・捜索願いを出す2ヶ月前に会ったのが最後だ。オレが会ってから、1週間後には行方不明になった。3年前に7月だよ。
ヨ:ふ~ん・・・。あの捜索願いには、あんたが・・・恋人みたいに書いてあったけど・・・。
ハ:ホントの関係は書けないさ。お縄で捕まっちまうよ。あいつには家族がいなかったからな・・・オレが、ここが実家みたいなもんさ。

ヨ:そうか・・・。しかし、リボンに何があったんだろう・・・。
ハ:あいつには、行方をくらます理由なんてなかったんだ。やっと社会で認められる職業に就いて、これからだっていう時に。そんな時に、自分からいなくなるか?
ヨ:うん。誰かにつけられているとか・・・あるいは付き合っている人がいるとか・・・恋人の話とか、何か聞いてないのか?

ハ:その時は、何とも思わなかったんだが・・・。でも・・・。
ヨ:でも?
ハ:でも。この間のパピーの事件の後で、ふっと思ったんだ。
ヨ:何を?

ハ:うん・・・。病院の薬剤師の先輩から合コンに来ないかって誘われたって。
ヨ:合コン?
ハ:うん。なんだかね・・・リボンの手をキレイだと言って、付き合いたいと言った男がいたとかで・・・。

ヨ:いつ? いつ聞いたんだ?
ハ:最後に会った時だった・・・。ここで何気なくあいつが話したんだ。もっとよく聞いておくんだった・・・。そいつがどんなやつだったか、リボンはどう思ってたか。まさか、あの後、行方不明になるなんて思わなかったから。


ヨ:手? 手がキレイだと男が言ったのか?


ハ:ああ。あいつは指が長くてキレイな手をしていた・・・。それに、とっても器用だったんだ。それで、頭がいいから、紐の結び方もさっと覚えた・・・。うん・・・キレイな手だったよ。



その時、ヨソクの脳裏に、ペンを持つワトソンの長い指が浮かんだ。
ヨソクは、自分でも驚くほど背中の辺りから汗が噴出した。




ヨ:・・・。

ハ:どんなやつだったんだろう・・・。
ヨ:・・・。何をするやつだったんだろう・・・。

ハ:さあ・・・。あんた、そいつを疑っているのか? まさか、リボンまで殺されてるなんて思ってないだろうね?

ヨ:ハンさん。リボンは、やっと薬剤師になったんですよ。世間に胸を張れる仕事についたんだ。いなくなる理由なんてないって、さっき、あんたが言ったんだろう?
ハ:・・・。
ヨ:リボンの人生はこれからだった・・・。この世の中、人の裏の顔ってやつは、わからないもんさ。リボンだって、そりゃあ、苦学生でいい女だったかもしれない。立派な薬剤師になったかもしれない。でもね、その裏の顔までは誰も知らないんだ。リボンが何をやって金を稼いでいたか。どんな気持ちで稼いでいたかなんてね・・・・。人を殺したって、笑顔のキレイなやつだっているんだよ。まずは、リボンが絡んだ男は全て調べなくちゃ。


ハ:・・・あんたが探しているのは、パピーを殺したやつだろ?

ヨ:でも・・・性犯罪ってやつは、繰り返すもんだ・・・それにエクスタシーを感じたらね。
ハ:(ぞくっとする)・・・。

ヨ:ありがとう・・・。また、寄らせてもらうよ。
ハ:ああ。



ヨソクが席を立った。


ヨ:客に変わった動きはないね?
ハ:ああ。今、紐はお休みだ。女の子たちが田舎に帰っているからね。9月にまた再開するよ。
ヨ:気をつけてくださいよ。命がかかってるんだから・・・。
ハ:・・・わかってるよ。

ヨ:じゃあ。



ヨソクが玄関まで来ると、ハンが後ろから声をかけた。




ハ:そういえば・・・。
ヨ:何?
ハ:うん・・・。うちに、リリーって子がいるんだけど、リリーをご指名で何度も電話してくるやつがいるんだ。

ヨ:え?
ハ:今、休みを取ってるからって言ったけどね。ホントに夏休みで実家に帰っているんだが。
ヨ:指名ってことは、常連か?
ハ:いや、初めての名前なんだ。
ヨ:でも、初めてのやつが指名できるわけがないだろ?
ハ:・・・。
ヨ:そいつは怪しいな。今度電話してきたら、録音して。その男の声を。
ハ:わかった・・・。なんとかするよ。

ヨ:リリーが戻っても、その客を取らせるな。危ない・・・。
ハ:わかった。





あのリリーか。
パピーの友人だった女の子だ・・・。

次は彼女を狙おうとしているのか・・・しかし、どうして、リリーを知っているんだ・・・。











ワトソンは重い足取りで大学へ向かった。
あのドングクと顔を合わせないで、大学生活を過ごすことはできないからだ。
ドングクの民法の授業を捨てたら、単位が足りなくて卒業ができない・・・。それに、あの授業は必修でしかも現在はドングクしか持っていないので、留年してもまた来年取らなければならない。全く、ややこしい事になった。

普通に笑顔で接すればいいのだが、頭の中で彼と紐女のリボンが結びついていて、なんとも、不潔な感じがする。それに・・・。





「リリー!」




正門脇の守衛所の横に、親友のスジンが立って、手を振った。


ワ:おはよう!
ス:久しぶり! 元気だったあ?
ワ:まあね。
ス:元気じゃないよね。私を呼び出すんだもん。(見つめる)
ワ:・・・まあね。(困った顔)




二人は、校内を歩く。


ス:先生に付きまとわれるなんて、最低だよね・・・。
ワ:ごめんね。つき合わせちゃって。
ス:いいよ。どうせ、同じ授業だもん。こんな時に役立たない親友でどうする!(笑う)でも、あいつ。よく考えると、確かに気持ち悪いとこ、あったよね。

ワ:そうお? 
ス:うん・・・。だってさ。質問に行ったとき、ノートを持ってる私の手ばっかり見てるんだもん。それもじいっと・・・。目つきがネチッコイ。
ワ:そうなんだ・・・。知らなかった。まいったなあ・・・バイト先まで世話してもらっちゃって・・・。
ス:仕方ないよ。1年生の頃はわかんなかったもん・・・。それに、見かけはちょっとハンサムだし。でも、いいバイト先でよかったじゃない。
ワ:まあねえ・・・。



そうだよね・・・ドングクがいなかったら、先生に会えなかったわけだし。




ス:リリー、掲示板見ていこ。なんか変わったことでもあるかな・・・。



スジンが法学部の掲示板の前に立った。


ス:あれ?
ワ:何々?
ス:ドングク、休講だ。今週と来週。
ワ:ホントだ。(ホッとする)
ス:でも、なんで休みなんだろうね。
ワ:さあ。
ス:だって、獲物はここにいるのに・・・。(不思議そうに言う)
ワ:怖い言い方しないでよ。(突付く)
ス:ふん。(笑う)でもさ、居場所がわからないって言うのも、不気味じゃない?
ワ:もうやめてよ。神経衰弱になっちゃう。
ス:でもよかったね。2週間は会わないですむよ。
ワ:うん。



二人は、掲示板を後にして、教室へと向かった。




でも。
なんで休みなんだ・・・?


ワトソンの中にふとそんな疑問が残った。











ドングクは今、景色のよい高原の別荘へ来ている。


ド:へジン! どう? このワインは。これ、シャトー・マルゴーだよ。おいしいだろ?
やっぱり生ハムとメロンは合うねえ・・・。さてと・・・。


ドングクは、2階にあるリビングからベランダに出て、高原の空気を胸いっぱい吸い込んだ。


ド:いい天気だねえ・・・空気もおいしいし・・・ずっとここにいる君が羨ましいよ。この間、冷蔵庫が壊れちゃってさ・・・久々に君の手を見て・・・君に会いたくなっちゃった。(笑う)ここへ来てよかったよ・・・。へジン。



ドングクはそう言いながら、ベランダから、リビングへ入る。



ド:へジン。君が突然、僕にさよならを言った時は悲しかったよ。
でもね。あれが3年前の7月で、12月にはもう僕の前に現れてくれたから・・・うれしかった・・・。
大学の教務課の前の掲示板で、君はアルバイトを探していたね。突然だったから驚いたよ・・・。
君の長い指がペンを持って、掲示板の文字をなぞっていた・・・。
僕にはすぐに君だってわかったよ。姿は変わっても、あの優雅さは君独特のものだからね。(笑う)
他の女の子のガサツな事と言ったら・・・。(笑う)
あの時は胸がときめいた・・・。
でも。今の君は、まだ僕の事を思い出せないみたいだね。夏休みに、あの化学記号表を見せてみたけど、君は、ぜんぜん気がつかなかったね・・・。
僕は密かに期待してたんだ。「これは・・・」って驚いて僕を見るのをね・・・でも、ぜんぜん気がつかなかった・・・。(笑う)
まだ早かったのかな・・・もっと親しくなってから見せるべきだったかな・・・。でも、リボンの結び方なんて、へジン、君そのものだったよね・・・。やっぱり、君が帰ってきたって、確信したよ。
なのに・・・・。あんな男と手をつないで・・・。
ヨソクのどこがいいんだ? 僕のほうがどう見たってハンサムだし、頭もいいし、育ちもいいよ。
僕は大学の助教授だけど、あいつなんて、今やただの私立探偵じゃないか。つまらない人の浮気を調査して・・・何が楽しい・・・。
それに、君も気に入ってると思うけど、この別荘だって、この周りの山だって、み~んな、僕のうちのものだよ。
ヨソク・・・あいつに何があるって言うんだ。恋人のアネキまで殺しておいて・・・。



ドングクは、テーブルの上に並んだ二つのワイングラスの、まだ手をつけていないほうを手に取って、じっと眺めてから、決意したように、中のワインを一気に飲み干した。



ド:へジン・・・前回は君を手に入れられなかったけど・・・今度の君は、ちゃんと手に入れるよ。僕がどんなに素敵かって思い知らせてやる・・・。もう君は・・・リリーに乗り移ってしまった・・・。
だから、もう君の前の体はいらないよね・・・。君をちゃんと葬ってあげなくちゃ。今まではペットのお墓だといって、周りの人を誤魔化してきたけど・・・もし、野犬が骨でも掘り出したら大変だからね・・・。もっとちゃんとした墓にしなくちゃね。



テーブルの上に置いてある説明書を見る。



ド:う~ん・・・コンクリートなんて扱うのは初めてだよ。君は、ホントに手がかかる子だね。でも、一つの魂に二つの体はいらないからね。僕が手を貸してあげるよ。
あ、でも、まだ手だけは眺めていたいんだ。だから、手元に置かせてね。でも、冷たい手はちょっと悲しくなるよ・・・。やっぱり、君の温かな手を握りたいよ・・・。



ドングクは、瞬間、しんみりとした気分になったが、外の天気を見て、早速、本格的な墓作りに出かけていった。











ヨ:ああ!


ヨソクが急に大きな声を出した。


お:どうしたんですか? 先生。
ヨ:いや、ごめん!(笑う)どうも、今回の事件はうまく頭が回らなくて、まいったなあ。(頭の上に両手を置く)もう9月に入ってしまったし・・・パピーのお袋さんにもすまないな・・・。
お:う~ん、最初はいい感じだったのにねえ。

ヨ:う~ん・・・頭ん中がすぐ、リボンとドングクのことに行っちゃうんだよねえ・・・。
お:あ~あ・・・。(頷く)ワトソンが絡んでいるからじゃないですか?

ヨ:そうなのかなあ・・・。う~ん・・・。なあんか、ドングクが臭いというか・・・パピーは殺(や)ってないと思うんだけどね・・・。


お:(にんまりして)それが恋ってやつですよ。わかってないなあ。(笑う)


ヨ:え、何?
お:別に。

ヨ:そうそう。この間、エージェントが言ってたが、あそこのリリーにご執心の客がいるそうだ。初めてのハンドネームで、リリーに拘って予約を入れる男・・・。
お:ヤバイなあ。ああ、二人のリリー、危うしねえ・・・。(頷く)

ヨ:うん・・・。なんなんだ! この胸騒ぎは。



ヨソクが、デスクから立ち上がって事務所の窓の外を見た。



ヨソクはパピーの事件が壁に突き当たった。
今、彼の興味はパピーよりドングクだ。ここのところ、ドングクとリボン、ドングクとワトソンのことばかり考えている。なぜか、ドングクが気になって仕方がない。ただの同僚から、奇妙なハンター、女の指を愛する男へとドングクが頭の中で変貌している。









探偵事務所のドアをノックする音がして、ドアが開いた。




レ:こんにちはあ・・・。(中を覗く)

ヨ:(振り返る)やあ。
レ:あ、先生。あのう、アネキは? 大学ですか?

ヨ:うん。今日は授業だって。
レ:そうかあ・・・。

ヨ:何?
レ:え? ちょっと買い物に付き合ってほしくて。
ヨ:へえ。珍しいねえ。(閃く)もしかして、彼女へのプレゼントとか?(笑う)
レ:やだなあ。なんでわかるんですか? まいったなあ。
ヨ:まあ、そのくらいだろ? 一人で買えないものって。
レ:まあ、そうです。(笑う)

ヨ:もうすぐ帰ると思うよ。今日は午前中って言ってたから。
レ:そうですか。遊んではこないんだ。
ヨ:うん・・・。ああ、もう12時半か・・・。今は、大学よりこっちのほうが安全だからな。
レ:・・・?


ヨ:昼でも食べていく? 店屋物でも取るか。
レ:いいですか?
ヨ:いいよ、大したものはないけどね。

お:(大向こうから)先生のおごり?
ヨ:レオン君はね。おじさんは払ってよ。
お:なあんだ。

ヨ:じゃあ、なんか取ろうか。
お:では私が。オモニ定食でいい?
ヨ:ああ、それがいいや。夏限定だし。それにしよう。オモニ定食3つね。おじさんは別会計で。
お:けちだなあ・・・。








ヨソクとレオンとおじさんの三人が応接セットで昼食を取っている。




レ:そう言えば、先生。
ヨ:何?
レ:この間、ふと思い出したんですよ。
ヨ・お:・・・。

レ:あの2階の子ね。オレ、3回ほど話したことがあるんです。
ヨ:ウンジュさんと?
レ:ええ。アネキを待って、アパートの階段に座ってたときに声をかけられて。
ヨ:へえ・・・。
レ:「お姉さんを待ってるんですか?」って。
ヨ:お姉さんって言ったの?
レ:ええ。

ヨ:ふ~ん。どんな子だった?

レ:う~ん、キレイな子でしたけどね・・・なんか、妙に化粧が濃くて。オレの顔を見ないで話すんですよ。それで最初は、胸ばかり見て話してるから、胸になんかついてたっけと思ったりして。

ヨ:シャイなんだ・・・男慣れしてない・・・。ああ、女子大だったね。

レ:それなのに、お茶とか階段に持ってきてくれて。

お:あんたのこと、気に入ってたんじゃないの?
レ:え? そうかなあ・・・。
お:にぶいなあ・・・。

ヨ:同じ年の男の子には、うぶで・・・。ふ~ん・・・。

お:お仕事と恋愛は別ってことですかね?
ヨ:うん・・・。じゃあ、ワトソンを知ってるんだ。そして、君が弟だと言うことまでわかってた・・・。

レ:そういうことですよね・・・アネキはぜんぜん知らなかったみたいだけど。
ヨ:ふ~ん・・・。2階に住んでた女は下の住人を知っていて、訪ねてくる男が弟であることまで知っていた。つまり、下の住人の生活を見ていたんだ。しかし、下の住人は彼女の存在さえ、知らなかった・・・。

お:最近はそうみたいよ。隣がどんな人が住んでるか知らない。

ヨ:ウンジュは、ワトソンに興味があったんだな・・・。
お:ということになりますね。
ヨ:うん。(頷く)
レ:なんででしょうね・・・。




ウンジュはワトソンの生活を見ていた。
弟を知っていたということは、時折訪ねてきた年上のボーイフレンドも知っていただろう。
アパートの近くの電灯の下で、男が彼女を抱きしめてキスしたところも見ていたかもしれない。

彼女は、オレたちを知っていた。
でも、オレたちはあんな哀れな姿になるまで知らなかった。


母親の言う通り、恋もしないで、死んでしまったのかもしれない・・・。




ヨ:そういえば、ワトソンの引越しの時、君、引越しですかって聞かれたんだよね?
レ:ええ。
ヨ:覚えてる? その人。
レ:おぼろげには・・・。

ヨ:ちょっと待ってね。



ヨソクは、デスクの中から大学時代のスナップ写真を探した。


ヨ:これだ。


ヨソクはそれをレオンに見せた。


ヨ:この人だった?
レ:・・・。(よく見る)いいえ。

お:ドングク?

ヨ:うん。違うのか。

レ:もっと厳つい人でした。30代半ばかな。先生より少し上かな。もっと筋肉質で大きな感じの人です。僕が190ですから・・・185はあったと思います。
ヨ:ふ~ん・・・。

レ:その人は、毛が柔らかい感じで長いけど、僕と話した人はスポーツ刈りでした。
ヨ:そうか。


お:またまた迷路ですか?
ヨ:どうかな。







事務所のドアが開いた。





ワ:ただいま~。暑かったあ・・・。あ、レオン!

ヨ:お帰り。おまえ、なんで電話してこないんだ?
ワ:携帯、忘れちゃって・・・。
ヨ:死にそうになっても助けないよ。
ワ:ひどい。


レ:なんかあったんですか?
ヨ:・・・。

ワ:ところで何の用? あんた、お昼ご馳走になってるの?
レ:うん。

ワ:私の分は?
レ:ないよ。
ワ:ええ!

ヨ:おまえがいつ帰るかわからなかったから。
ワ:ひどい。


お:なんか取るかい?
ワ:一人前じゃ持ってこないでしょう。あ~あ。あんた、少しは残しておきなさいよね。(レオンを見る)
レ:そんなこと言ったって。



もうレオンの弁当は空っぽである。

ワトソンは、ヨソクが食べている弁当を見て、にこっと笑った。
そして、自分の箸を持ってきて、ヨソクの弁当の中の芋を口に入れた。


ワ:あ、おいしい。
ヨ:あいつ、いたか?
ワ:今週と来週、休講だって。
ヨ:へえ・・・。

ワ:(レオンに)ねえ、それで何の用だったの?



ワトソンが顔を上げて、レオンのほうを見ようとすると、おじさんとレオンがじっとワトソンの顔を見つめて、それからニヤリと笑った。



ワ:え?(何?)

お:(ヨソクに)お母さんのしつけが悪いから、人前でもやっちゃうんだなあ・・・。
ワ:え? (何を?)


おじさんとレオンが見つめるので、ヨソクが顔を赤くした。


ワ:なあに?(箸をくわえて、皆を見る)
お:何でもないよ。

ワ:何よ。ねえ、レオン、何の用?(食べながらレオンを見る)




ヨソクの弁当は、もうワトソンに乗っ取られて食べられているので、ヨソクは静かに席を立った。



元気にヨソクの弁当を食べながら、屈託なく話すワトソン。

同じ年頃の男の顔もまともに見られなかったウンジュ。
同じ年頃の息のいい女の子を見て・・・羨望を抱いていたかもしれないウンジュ・・・。

彼女にとっての仕事とは、いったいどんなものだったのだろう。





ヨソクは、窓の外を見て、深いため息をついた。






続く・・・






2010/09/10 01:30
テーマ:【創】探偵物語 カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

【BYJシアター】探偵物語 7





↑BGMはこちらをクリック




BYJシアターです^^


本日は「探偵物語」7話です・・・。
いよいよストーリーは全貌を見せ始めます。

とはいっても、まだ 糸口が見え始めたばかり・・・。


この7話は長いですが・・・よろしくです^^




ではこれより本編。
お楽しみください^^



この物語はフィクションです。



~~~~~~~~~~~






「誰?」



「起きてたのか?」
「うん・・・」

「ふん」


ヨソクはちょっと苦笑して、暗い事務所の応接セットのソファにバタンと寝転がった。
部屋の中は月明かりだけだ。



「酔ってるの?」
「うん、少しね」


真っ暗な奥のベッドから、ワトソンがヨソクのことを見つめている。



「こっちへ来て」
「いいよ、ここで」

「どうして?」

「おまえ、酔っ払いは臭いって、嫌うだろ(笑う)」
「そんなこと・・・」
「こっちで、一人で寝転がってたほうがましさ。おまえに蹴られるより」
  
「来てもいいわよ!」
  
「最近、ずいぶん寂しがりやになったな、おまえ・・・」

「こっちへ来て」
「・・・・」

「来てくれたっていいじゃない!」

「・・・」

「・・・」


「酔いを醒ますよ」



ヨソクはさっと起き上がって、バスルームへ向かった。
  





ぺ・ヨンジョン主演
イ・ジア

「探偵物語」7







ワ:ふん。


ワトソンは起き上がって、寝ているヨソクの顔を覗き込む。
ヨソクの胸を撫でていると、ヨソクが目を覚ました。
  
ヨ:・・・。(顔をゆっくり見上げる)
ワ:おはよ。コーヒー入れるね。
  
ヨ:ああ・・・。
  

ワトソンは幸せそうに微笑んでさっと立ち上がり、キッチンへ向かった。



ワ:なんか朝ごはん、作るねえ。卵があるから・・・。ゆで卵!
ヨ:スクランブルエッグ!
ワ:難しいこと言わないの! 目玉焼きね。

ヨ:ふ~ん・・・。
ワ:シャワー浴びてきていいわよ。こっちは朝ご飯の用意するから。



ヨ:ワトソン、ちょっと。
ワ:なあに? これから、目玉焼き作るのに。

ヨ:ちょっと、こっちへおいで・・・。
ワ:うん・・・。

  

ワトソンは、ガスの火を止めて、ヨソクのほうへ向かう。
ベッドの上にドンと座り込んで、ヨソクを笑顔で見下ろした。

  

ワ:なあに?
ヨ:ねえ・・・。


ヨソクは、自分を見下ろすワトソンの腕を撫でた。


ヨ:最近・・・どうしたんだ?
ワ:何が?
ヨ:う~ん・・・。なんか気持ちのアップダウンが激しいというか・・・。どうしたの?
ワ:別に。


ヨソクがじっとワトソンの目を見つめている。


ヨ:オレたちの関係は、今までとちっとも変わってないだろ? 何を悩んでる?
ワ:別に・・・。(俯く)
ヨ:あの事件以来、少し変だぞ。

ワ:・・・少し考えちゃうのよ・・・。私と同じ年ぐらいの子が、お金のために体を売ってて・・・それで、恋もしてなかったなんて・・・。
ヨ:・・・。

ワ:じゃあ、私は?って・・・。私は・・・ちゃんと・・・ちゃんと、好きな人と恋をしてるかしらって・・・。
ヨ:・・・。
ワ:今までは・・・大好きな先生と一緒にいて、それで幸せだった・・・。
ヨ:・・・。

ワ:今までの幸せって・・・本物よね? 本物だったよね?
ヨ:・・・。
ワ:誰かの代わりじゃないわよね? 近くにいて・・・手っ取り早いから・・・私を抱いてるわけじゃないわよね?



ワトソンは、ここのところ、心にひっかかっていたことを、ヨソクにぶつけた。

今までは、自分のほうが子供でその分、大人のヨソクより愛に対する要求が強すぎて、それが、自分を辛くさせていると思っていた。ヨソクの存在に負けないように、強がってきたけれど・・・もしかしたら、それはただの一人相撲で、ヨソクの心自体が他にあったのかもしれない。



ヨ:おまえはおまえだよ、誰の代わりでもない・・・。
ワ:それって・・・。(本当に聞いてしまっていいのかしら・・・)愛してるとは・・・違うの?
ヨ:・・・。大好きだよ、おまえを。
  

ヨソクがワトソンの髪を撫でた。
今朝のワトソンは、久しぶりにヨソクに愛されて、心の充足感に満ち溢れている。
顔も髪もキラキラと輝いて、彼女から光を放っているようにも見える。
でも、そんな輝きの中で、今、ワトソンの顔は翳った。


ヨ:どうした?

ワ:やっぱり・・・本当には愛してないのね・・・。
ヨ:そんなことはないよ・・・。


ワトソンは、泣きそうな思いに顔を歪ませた。

  
ワ:でも、先生は愛してるとは言ってくれないのね・・・。
ヨ:ワトソン。
ワ:・・・。でも。でも、私は自分の感覚を信じるわ!


涙を溜めた目で、ヨソクをぐっと睨みつけた。


ワ:先生は気づいてないだけよ。私のこと、すごく好きなこと。
ヨ:・・・。
ワ:男の人は先生しか知らないけど、でも、わかるの。愛してなきゃあんなふうに愛せないもん・・・。
ヨ:・・・。
ワ:いつか、言わせてみせる。やっぱり、おまえが一番好きだって。
ヨ:ワトソン。
ワ:・・・・。

ヨ:心配するなよ・・・おまえしかいないから・・・。
ワ:・・・近くにはね・・・。
ヨ:・・・。


ワ:朝ご飯、作るね。(にっこりする)
ヨ:・・・。

ワ:私、先生を幸せにしてあげたいの。だって、先生は、私のこと、いろいろ面倒見てくれるでしょ? それに抱きしめてくれるし、いっぱい幸せをくれるもん。だから・・・だから、私も幸せにしてあげたいの・・・。
ヨ:・・・。

ワ:いいのよ。何も言わないで。いいの。昨日・・・わかったから。ホントにわかったから・・・。先生もすごく私を愛してるって。・・・ご飯、作るね。シャワー浴びてきていいよ。



ワトソンが立ち上がろうとすると、ヨソクがワトソンを抱き寄せ、ワトソンの頭を自分の胸に押し付けるように、ギュッと抱きしめた。


ヨ:・・・ありがとう、ワトソン・・・。
ワ:・・・。

  
ワトソンは顔を上げて、にっこり笑い、また、キッチンへ向かった。


  

やっぱり、そうだ・・・。
私を愛していると言い切れない何かが、先生の心の中にある。

でも。
でも、大丈夫よ。

先生は私を愛してるもん・・・女はわかるわ、そういうこと。先生がそれに気がつくまで、ずっと、ずっと、そばにいるね。




二人が向かい合って、朝食を食べる。ワトソンの焼いた目玉焼きはヨソクが作るものより硬くておいしくないが、ワトソンの愛がいっぱい詰まっているように思える。

ワトソンが立ち上がって、ヨソクにコーヒーのお替わりを入れた。
ヨソクが顔を上げてワトソンを見ると、ワトソンからは、光がこぼれ落ちてくるようだ。
  
ヨソクは少し胸が痛くなった。


こんなに・・・おまえは輝いているのに・・・。
オレは・・・。








いつもより少しフォーマルな服装に、ネクタイをしたヨソクがワトソンを見た。


ヨ:ちょっと出かけてくるから。
ワ:(どこへ?)待って。昨日、あのエージェントのところへ行ったんでしょ?
ヨ:うん・・・。
ワ:それでどうなったの?

ヨ:また帰ったら、話すよ。

ワ:・・・仕事じゃないの?
ヨ:ちょっとね。
ワ:ちょっとって・・・なあに?
ヨ:ん? うん・・・墓参り。
ワ:・・・。

ヨ:留守番よろしく。
  

ヨソクが事務所のドアのほうへ向かおうとすると、ワトソンが後ろからヨソクの腕を掴んだ。

  
ワ:昨日、抱いたのは・・・お墓参りがあるから・・・?(不安そうだが、少し怒った目)
ヨ:・・・。(どういうこと?)
ワ:お墓参りって・・・それだけじゃないでしょ?
ヨ:何が言いたい?

ワ:・・・好きだからじゃないの? 私を抱いたのは好きだからじゃないの? 他の人を思い出して・・・それで・・・それで、寂しくなってなの?
ヨ:・・・違うよ。(顔を見つめる)
ワ:・・・酔ってて、相手が誰だかわからなくなったから?
ヨ:ワトソン。(困った顔になって)違うよ。おまえといたかったんだ・・・それだけだよ。


ワトソンがヨソクを掴んでいた手を放した。


ワ:(寂しそうな目)・・・。少し考えるね・・・。
ヨ:何を?
ワ:・・・。
ヨ:何を考えるんだ? ワトソン。今日は・・・。(時計を見る)ああ、もう、行かなくちゃならない・・・。帰ってきたら、ゆっくり話そう。わかったね。
ワ:・・・。
ヨ:わかったね?
ワ:・・・。
ヨ:返事は?
ワ:うん・・・。
  

ヨソクはワトソンを見つめたが、予定の時間になってしまったので、出かけていった。




やっぱり・・・あの人のお姉さんの墓参りだろうか・・・。
今日、会うのかな・・・、あの人と。

  






ヨソクが花束を持って、墓地の大きな木にもたれていると、遠くから、年の頃は28、9の美しい女がやってきた。


サ:・・・・。
ヨ:しばらくだね・・・。(微笑む)


ヨソクは、彼女のほうへ近づいていった。






ワトソンがデスクでうなだれていた。


お:おはようございま~す。あれ、誰もいないの?
ワ:いますよ~。(低い声)

お:なあんだ、いたの。寝てるから見えなかったよ。
ワ:そうですか。
お:あ、先生は?
ワ:お墓参り。
お:は・か・ま・い・り・・・なるほどね。うん。


おじさんは自分のデスクに着く。



ワ:ねえ、おじさん。

ワトソンがおじさんのほうへやって来る


ワ:誰のお墓参り?
お:誰って、さあ。(首を傾げる)

ワ:言いなさいよ。
お:何よ、その言い方。(驚く)

ワ:だって、知ってるんでしょ?
お:知り合いの婦警さんの命日。(カバンから書類を出す)

ワ:・・・。知り合いって・・・恋人のお姉さん?
お:よく知ってるねえ。
ワ:おじさんが話したんじゃない。
お:そうだっけか。

ワ:で、なんで墓参りに行ってるの?
お:そりゃあ、行くでしょう?

ワ:恋人と別れても? 嫌われても? なんで?
お:嫌って別れてるわけじゃないからねえ。(PCを立ち上げる)

ワ:何よ、それじゃあ、新しい幸せが掴めないじゃない。

お:・・・恐いねえ・・・今日のワトソンちゃん・・・。新しい幸せって言ったって、あんた・・・。
ワ:・・・。(おじさんを睨んでいる)


お:(顔を上げる)あれえ、もしかして・・・。

ワ:・・・。

お:先生を好きなの?
ワ:・・・。
お:やめておいたほうがいいよお。今まで通り、先生はお母さんだと思ってたほうがいいよお。



お母さんだなんて! 
思ってたことなんて、一秒たりともないわよ!

  

ワ:なんで・・・? 今でもその人を・・・。
お:何かねえ・・・。(書類をパラパラ見る)
ワ:・・・。

お:その人が幸せになるまで見届けるらしいよお。
ワ:・・・。

お:自分じゃできなかったからって。幸せにしてあげられなかったからってさあ。

ワ:・・・やっぱり、愛してるんじゃない・・・。(呆然とする)


お:まあ、あっちのお母さんが倒れちゃったからさ。あちらさんはずっと看病してるわけよ。だ・か・ら、先生もず~っとそれを見届けてるわけで。先生が、いつ気楽に恋ができるようになるかわからないよ、ワトソンちゃん。

ワ:でも、結婚はしないんだ、その人とは。

お:じゃないの? 別れたわけだし・・・。見た感じではねえ、先生の中ではもう終わっちゃってるんだなあ・・・。でもさ、あちらさんはね、先生しか頼れる人がいないわけだから・・・。精神的にね。
ワ:自分から振っておいて、そんなのってちょっとひどいじゃない・・・。頼らないでほしい・・・。

お:ワトソンちゃん、それが恋ってもんよ。だから、先生はやめときな。
ワ:・・・。



ワトソンは口を尖らせておじさんを睨みつけると、自分の席に帰っていった。



何よ。
そんな人がいるなら、私と関係なんか、持つな、バカ・・・。

でも・・・ず~っとダメなのかな・・・ふう~。




ワトソンが切なそうな目をして、頬杖をついた。









ヨ:どうお? お母さんの様子は?


墓参りの帰り道、二人は並んで歩く。


サ:良くなったり悪くなったり・・・。体は少しずつ治ってきても、なんか気力がなくなっちゃったみたいなの・・・。うつ状態ね・・・。
ヨ:そうかあ・・・。相当ショックだったんだろうねえ。

サ:お医者様がね、姉の事件が引き金になって、更年期のうつに突入しちゃったんだろうって。タイミングが悪かったって・・・。
ヨ:うん・・・。(顔を見る)君は? 君は元気なの?
サ:まあまあね・・・。でも・・・ピアノのお弟子さんも今は3人・・・。それ以上はもう無理なの・・・。母がね、ピアノの音にも反応しちゃって・・・。(俯く)

ヨ:そうか・・・。(俯く)
  


隣に立っているヨソクの体の熱が伝わってきて、サヨンは寄りかかりそうな気分になった。でも、そんな思いを抑えて、にこやかにヨソクを見上げた。



サ:あなたは元気そうね。(笑う)
ヨ:まあね。元気で働かないと食えないから。(微笑む)

サ:うん・・・。マンションは引き払ったの?
ヨ:ああ・・・。一人じゃ広すぎるだろ?・・・もっと狭い所に住めばよかったよ・・・。(遠くを見る)

サ:・・・・。(時計を見る)あ、もう帰らなくちゃ。帰りが遅いと母が心配するの。
ヨ:そうっか。じゃあ・・・元気でね。
サ:あなたも。(微笑む)
  
ヨ:あ、そうだ。(内ポケットから)これ、オヤッさんから。
サ:そんな・・・。
ヨ:受け取っとけよ。
サ:なんか悪いわ。もう亡くなって、5年以上経つのに。あの方が悪いわけじゃないのに・・・。
ヨ:・・・。

  
サヨンはちょっと頭を下げて、香典をもらい、バッグにしまった。



サ:じゃあ、もう行くわ。(笑顔)
ヨ:じゃ。
サ:うん・・・。



サヨンがあっさりと笑顔を作って手を振った。
去っていく後ろ姿をヨソクが見送る。
ヨソクからは見えなかったが、彼女は今にも泣きそうな顔をしていた。










ヨ:ただいま~。あ、おじさん。あれ、ワトソンは? 


ヨソクはポケットから携帯を出して、デスクに置き、堅苦しいネクタイを外し、席についた。

  
お:あれ? じゃあ、先生って、先生じゃないの?

ヨ:え?

お:先生と外でランチするからって。


ヨソクが顔色を変えた。


ヨ:いつ?
お:ええと・・・。
ヨ:おじさん、いつよ?!

お:ええと・・・15分ぐらい前。
ヨ:あいつ! ちょっと出てくるよ。(携帯を持って立ち上がる)
お:ああ。行ってらっしゃい。

  
ヨソクが小走りに飛び出していった。



お:先生も忙しいねえ。元恋人に会って、ワトソンちゃんのお母さん役もで。ん? そうじゃないの・・・? 先生・・・。あれ・・・?







ヨソクは歩きながら、携帯でワトソンに何度も電話する。
地下鉄の入り口に来て立ち止まった。



ワ:はい。
ヨ:なんですぐに出ない!(怒る)
ワ:だって、電車に乗ってたんだもん。(ホームの階段を上がる)
ヨ:おい。勝手な行動をとるなって言っただろ?
ワ:でも・・・。

ヨ:でもじゃないよ。なんで言うことを聞かないんだ。
ワ:だって・・・ドングク先生が会いたいって。
ヨ:すぐに戻ってこい。
ワ:でも、もうすぐ着くの。
ヨ:戻ってこいよ!
ワ:・・・。

ヨ:どこの駅だ? 迎えにいく。
ワ:一人で帰れるわよ。子供じゃないんだから! それに、レストランでランチだもん。危なくなんかないわよ。

ヨ:どこだよ。どこだ!
ワ:××。
ヨ:待ってろ。
ワ:・・・。
ヨ:返事は?
ワ:・・・。
ヨ:返事は!
ワ:はい!








ヨソクがワトソンの待つ駅の改札に着いた。


ヨ:ワトソン!(走ってくる)
ワ:・・・。

ヨ:勝手な行動はするな。帰るぞ。
ワ:・・・。
ヨ:・・・。なんだよ・・・。
ワ:一緒にランチするだけだもん、ぜんぜん危険じゃないわよ。

ヨ:関係ないよ。ほら、帰るぞ。
ワ:・・・。

ヨ:おいで。


手を引こうとする。

  
ワ:・・・。

ヨ:おい。


ヨソクがワトソンの手を握った。



ヨ:心配させるな・・・。
ワ:・・・。


ヨソクの手はギュッとワトソンの手を握って放さない。ワトソンはヨソクの顔を見上げた。
ヨソクは怒った顔でワトソンの手に引いて歩く・・・。






待ち合わせの時間を過ぎても、ワトソンが現れないので、ドングクは心配になって、約束の場所から駅の改札に、覗きに現れた。

ちょうどホームへ向かうワトソンが見えた。
その横に、ヨソクがいて、ワトソンの手をしっかり握っている。

ワトソンがヨソクを見上げた。その横顔はドングクが見たこともないほど愛らしかった。




リリー・・・。
  

ドングクは今のリリーの様子が妬ましい。  




「ねえ、やめて・・・」

突然、ドングクの耳元に、3年前のへジンの声が甦った。




「君は、僕とはできないと言うのか?」

「もうこんなこと、やめて。あなたと私では生き方が違うの」
「こんなに君が好きなのに・・・愛しているのに」

「お願い・・・」

「へジン・・・」

「お願い、やめて・・・やめて・・・やめて・・・」

「なぜ? なぜ、僕じゃダメなの?」

「く、苦しい・・・」

「Hって誰? 君がこれをあげようとしている人」

「お、お願い、手を緩めて・・・た、助けて・・・」

「誰なの?」

「う、う、苦しい・・・」

「誰!」

「あ、あ、ほ、解・い・て・・・」

「ねえ!」

「・・・あ・・・あ・・・」

「・・・へジン? へジン?」

「う・・・う・・」


へジンがドングクにぶら下がるように、しがみつく・・・。


「どうやったらいいの? どうやったら緩められるの? 君がやって! ねえ、へジン!」

「・・・」

「教えて! ぼ、僕にはできないよ! どうやったらいいの?」

「・・・」

「ねえ・・・ねえ! ねえ! へジン!」


あの時のへジンは、僕のYシャツの胸を掴んだまま・・・。





リリー。
君まで、僕じゃダメなの・・・?

リリー。
君は・・・僕のものだよ・・・。

僕が一番最初に君を見つけたんだ・・・。
ヨソクなんかじゃない・・・君を見つけたのは、僕だよ。

なのに、あいつの言うことばかり聞いて・・・。

放さないよ・・・君は。
君を絶対に放さない・・・。






ヨ:心配させるなよ。


二人は、地下鉄のホームの壁際に立って、見詰め合っている。


ワ:そんな大事に考えなくても・・・。
ヨ:ドングクは、パピーの事件とは関係ないかもしれない。でも、あいつはどこかおかしい・・・。そんなやつに近づくな。(眉間にしわを寄せて、睨む)
ワ:でも・・・。

ヨ:あの化学記号の表のHという名前は、エージェントだったよ。ハンさん・・・。なんで、リボンが、ハンに贈ろうとしたものをドングクが持っているんだ・・・それだけでも不可解だ・・・。
ワ:・・・。
ヨ:ワトソン、そんなやつに近づくな・・・。

ワ:それだけ? それは、お母さんとしての心配?
  

ワトソンは、ヨソクを睨みつけた。  


ワ:・・・今日・・・・恋人だった人に会ったんでしょ?
ヨ:・・・。(驚いて見つめる)
ワ:それで、どう思ったの・・・。うれしかった・・・?
ヨ:・・・。

ワ:帰ってきたら、私が出かけていて・・・厄介だと思った・・・?

ヨ:思ったよ。
ワ:・・・。(泣きそうになる)
ヨ:おまえがいなくて・・・なんてやつだと思った。
ワ:・・・。

ヨ:ワトソン・・・。(握った手を見る)今、オレが一番ほしいものは・・・この手だよ。
ワ:・・・。

ヨ:彼女とはもう終わったことなんだ。でもね・・・不幸なんだ、今。彼女には、ちゃんと幸せになってほしい・・・。今日・・・彼女の話を聞いて、大変だなと思ったけど・・・もう抱きしめて、一緒に泣く人ではないんだと気がついたんだ・・・。おまえを思い出した・・・。もう・・・心の中は、おまえが占領してるって・・・。

ワ:先生・・・。

ヨ:(しっかり握った手を見る)この温もりを失っちゃいけないって、そう思った・・・。だから・・・おまえが、あいつのところへ行くのはいやだ。事件とは関係なくね。

ワ:・・・ずっと、こうして、私の手を握っててくれる?
ヨ:うん・・・。
ワ:私を放さないって、ホントね? ホントにホントね?
ヨ:疑い深い女だな、おまえは。(笑う)
ワ:・・・だってえ・・・私のほうが、先生を好きだもん・・・。先生が他の人のところへ行くなんて・・・耐えられない・・・。(下を向く)

ヨ:・・・。困ったやつだな。


ヨソクがワトソンを抱き寄せた。

  
ワ:困らないでいいのよ。(笑う)私の手を握っててくれればいいの。簡単でしょ? (顔を見上げる)
ヨ:・・・。うん・・・。(頷く)
ワ:うん・・・。(頷く)

  
ワトソンは、ヨソクの体に腕を回して抱きしめる。



ワ:(うれしそうに顔を見つめる)これからは・・・変なことはしないから・・・。先生を信じるから・・・。
ヨ:うん・・・・。



ホームを行き交う人が二人を盗み見ている。
でも、ヨソクとワトソンは気にせず、笑顔で見つめ合い、お互いを引き寄せるように抱き合った。




  



ワトソンとのデートをヨソクによって台無しにされたドングクは、仕方なく自分のマンションへ戻った。
ムシャクシャして、イライラと物に当たりたくなり、テーブルを叩く。
キッチンへ行き、冷蔵庫から缶ビールを取り出して、一気に飲み干す。




ド:ぬるいなあ・・・。


見ると、缶ビールが汗をかいている。


ド:・・・え・・・!


ドングクはもう一度、冷蔵庫の中を開けた。

中からは、ほんの少ししか冷気が感じられない。


故障?


冷凍庫を開けてみると、もう汗をかき始めている・・・。


なんてこった・・・。





ド:もしもし。冷蔵庫の修理、すぐにお願いしたいんですが。
電気店:本日は無理ですので・・・最短で・・・明日の午後になります。

ド:そんなあ・・・。じゃあ、それでお願いします。




ドングクは急いで、近くの大型電気店へと向かった。




ド:冷凍庫はこれだけ?
電:ええ。こちらだけで・・・。


背の低い冷凍庫が並んでいる。


ド:じゃあ・・・。


ドングクは一番大きな冷凍庫を選ぶ。


ド:じゃあ、これください。
電:かしこまりました。こちらはお取り寄せとなりますので・・・中4日いただいてのお届けになります。
ド:今日はダメなの?
電:はあ・・・。
ド:・・・大切な大きな冷凍品を預かってるんだ・・・。困るなあ・・・溶けたら、責任問題なんだよ・・・。
電:そう言われましても・・・。

ド:じゃあ・・・これでいいよ。この展示品で。
電:こちらでございますか?
ド:ああ、とにかく、今、ほしいんだ。
電:では今、お売りできるか、店長に確認してまいります。
ド:それから、今日配達してもらえるかな。送料は弾むから。
電:かしこまりました。少々、お待ちください・・・。


  
大型電気店の冷蔵庫売り場で、目を吊り上げて、流れる汗を拭うドングクがいた。



外はまだ暑い・・・。

しかし、この電気店の冷房の効いた店の中で、汗をかいている人など、ドングク以外には、見かけられなかった・・・。





続く・・・









2010/09/04 00:30
テーマ:【創】探偵物語 カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

【BYJシアター】探偵物語 6





↑BGMはこちらをクリック




BYJシアターです。




キャメロン・ディアスが8月30日に38歳になったとか。

ぺ・ヨンジュンとため^^

すごい人が出る年ってありますよね^^
1972年はそういう年だったんでしょうか^^




秋夕(チュソク)連休は、
22日はロッテ百貨店、インサドンのほとんどのショップなど休業です。

この時期のお出かけはお店や観光地のお休みをチェックしてからお出かけくださいね^^
って、観光広報大使のkikoさんでした~^^





では、
本日は「探偵物語」6です^^





これは全てフィクションです。
ここに出てくる全てのものは実際とは異なります。


これより本編
ではお楽しみください^^


~~~~~~~~~







19歳のパク・ウンジュは、憂鬱そうに10月の空を見上げた。


空はこんなに晴れ渡っているのに・・・。


ここ2ヶ月というもの、働きづめに働いて・・・何のために大学に入ったのか、最近、わからなくなってきている。体を痛めて、心を虚しくして、お金を得る・・・。そんなことを望んでいたのだろうか。

でも、確かにお金は手に入った。ほしい服もほしい化粧品も全て手に入った。

なのに・・・。


ウンジュは腕にボディローションを塗りながら、溜息をついた。







アパートの2階の窓辺に佇んでいると、あの子が帰ってきた。
通りをあの子が歩いてくる。

自分の下の部屋の子だ。

いつものように、少しよれたTシャツにジーンズをはいている。
そして、ちょっと生意気そうな顔をして、肩で風を切って歩く。

胸の辺りまで伸ばした髪に日が当たって、きらきらと輝いている。
髪が風になびいて・・・とてもキレイだ。


今日は、あの子の後ろをあのハンサムな弟が歩いている。

ホントに素敵・・・。
背が高くて、くっきりとした目鼻立ち・・・。

二人は姉弟だ。

それは見てすぐにわかる。同じ鼻筋に、二人の目付きがそっくりだから。

それに、彼が彼女を「アネキ」と呼んでいるから。

彼も大学1年ぐらい・・・高校生ではないわね。
そうすると、私と同じ年。

一つ違いなのかしら? 
あの子だって、私と年がほとんど違わないもん。

あんなにかっこいい弟を従えて歩くなんて。


あ、何か言い合っている・・・。


弟が顔を覗き込んで笑うと、姉は思い切り弟の足を蹴飛ばした。



かわいそう!
よく、あんなにかっこいい弟を邪険にできるわね・・・。



それでいながら、二人は次の瞬間、笑った。


私にはできない芸当だ。
男の人を蹴飛ばしたりして・・・。



あの子と私と、何が違うの?

背格好だって同じくらい・・・美人度だって、きっと同じぐらいよ。

なのに、あの子はなぜか魅力的・・・。

私はこんなに化粧品を買い込んで頑張っているのに、リップグロス一つのあの子に負けちゃうなんて・・・。

あの子は疲れている時だって、私より魅力的に見える時がある。
試験前に髪を縛って、怒ったような顔で歩いていても・・・。






二人はアパートの入り口までやってきた。

ウンジュは部屋のドアを開け通路に出て、見えないように下を覗く。



「アネキ~。貸してよ」
「ダメダメ。だって、私だって、ぜんぜんお金がないのよお!」



そう言って、二人は部屋へ入っていった。








ぺ・ヨンジュン主演
イ・ジア

「探偵物語」6






レ:なんでえ、バイトしてるじゃない。


20歳になったばかりのワトソンと一つ下の弟レオンがアパートの部屋へ入ってきた。


ワ:でも、必要最小限しか持ってないのよ。
レ:なんで?

ワ:もう、先生がお召し上げなんだあ。 (流しへ行く)

レ:え、バイト料払わないの?

ワ:そうじゃないのよ。ラーメン食べるでしょ?

レ:うん。


ワトソンは、鍋に水を入れてコンロの火にかけた。



ワ:コーラ飲む?
レ:うん。


レオンがコップを2つ、流しの洗い場から取って、今買ってきたコーラを開ける。



ワ:それがさあ、母さんが先生に電話入れたんだあ。 (ムッとした顔をする)
レ:なんで? (驚く)

ワ:お世話になる先生に、よろしくって言いたいからって、わざわざ日本から電話してくるものだから、電話番号、教えてあげたら、案の定・・・・。「あの子にはそんな大金は要りません」なんて言ったらしいのよお。

レ:へえ~。参ったねえ。余計なお世話だ。(コーラを飲む)

ワ:でしょ? まったくバイトをなんだと思ってんのよ。(コーラを飲む) それで、先生が考えた方法。天引き預金。バイト料の支払い日に私に預金通帳を渡すの。「これで、預金しておいで」って。それで、半分お召し上げよ。

レ:それで、その通帳は?
ワ:また、先生に返すの。毎回、金額を見てうれしそうにするのよ。「貯まったね」なんて言っちゃって。それが母さんの顔に見えちゃうのよ。
レ:(笑う)ふん。乗りうつってんじゃないの?
ワ:かもねえ。(笑う)



ワトソンがインスタントラーメンを鍋に入れる。


レ:卵も入れてよ。
ワ:わかった。


ワトソンは、冷蔵庫から卵を2つ取り出して、解したラーメンの上に割り入れる。



レ:その通帳、最終的にはくれるんでしょ?
ワ:当たり前じゃない。私のお金よ。ただ・・・母さんとの約束なのよ。若い子にあまりお金を与えないでってね。でもさ、探偵事務所って事務だけじゃなくて他のこともするから、最低賃金って訳にはいかないって先生が言ってさ。

レ:いい先生だね。

ワ:でしょ? でも、母さんは「リリーがグレないように」って。
レ:でも、逆に金がないとグレるよね?
ワ:(笑う)ホント。もう、わかってないんだあ。 あ、できた。



ワトソンはラーメンの火を止めて、テーブルへ持ってきた。
弟のレオンが茶碗を2つ並べて、二人は食べ始める。



レ:あっちい・・・・。でも、足りてるの?
ワ:まあね・・・。だって、お昼も夜も事務所で出るし・・・。仕事のない時も顔出せば、一緒にお弁当とってくれるし。

レ:いいねえ、それ。食費が浮くって最高じゃない?
ワ:でしょ? テキスト買うお金がない時は、言いにいけばくれるし。

レ:え? 

ワ:なんか帳簿をつけてんのよ。 それで、翌月、その分を減らして預金するのよ。
レ:へえ・・・おもしろい先生だね。

ワ:でしょ? たぶん、母さんに言われてるんだと思う。親が近くにいないので、よろしくって。
レ:まるで、母親代わりだね。

ワ:そうなの。母さんから先生に代わっただけよ。(ラーメンを啜る)
レ:へえ・・・。
ワ:だから、お金が足りない時は事務所に来て。そうすれば、貸してあげる。
レ:先生ママが貸してくれるんだ。
ワ:そう。私のお金をね。(笑う)

  

ワトソンの首元で、Tシャツに隠れていた鎖が揺れた。



レ:どうしたの? それ? 首にかけてるやつ・・・。
ワ:これ? これは、20歳のプレゼントだって・・・。(少し表情が女になる)
レ:誰から?

ワ:(少し赤くなる)先生から・・・。

レ:好きなんだ、先生を・・・。(驚く)
ワ:と、というほどじゃあないわよ・・・。(鎖骨にかかった鎖をいじっている)


そう言った姉は、輝いていた。
20歳の誕生日辺りから、姉はますます、きらきらと輝いている。

  

レ:キレイになったのは、それのせいか。(鎖を見る)
ワ:(赤くなる)そんな目で見ないでよ。
レ:でもさ・・・。そうかあ・・・。へえ・・・。

ワ:何よ?
レ:意外だったなあ・・・。
ワ:何よ、やあね・・・。
レ:だって、10歳以上離れてるんだろ? へえ・・・。
ワ:・・・。

レ:でも、アネキみたいに強い女の子は年上のほうが楽なのかもしれないね。(感心する)
ワ:やあねえ・・・何も決まってないし、何にもないわよ。ただ、誕生日のプレゼントもらっただけよ。

レ:ま、そうだけど・・・。(笑う)



レオンには、わかる。
アネキの気持ちが・・・。

ただもらったといっても、人はそんなに易々と身に着けたりしないものだ・・・相手が好きでなければ・・・。



ワトソンは一番大事なことは、弟には言わなかった・・・。

憧れていた先生と20歳の誕生日前日・・・とうとう、二人は一つになったと・・・。

ホントはそれを弟に言って、一緒に喜びを分かち合いたいけれど、もう二人とも大人で、子供の時みたいにそんな幸せを分かち合えない。


あの日から、先生がなくてはならない人になっていることを。
そして、それが自分を輝かせてくれていることを・・・。


本当は、弟に報告したかった。


だから、先生のことを信頼して預金通帳も預けていることを。
先生を母親代わりに甘えていることを・・・。


そして、好きすぎる自分の気持ちと日夜戦って、先生には強い女にみせていることも。
先生が自分と同じぐらい好きだと思ってくれていることを確信するまで、戦い続けることを・・・。

自分の気持ちと戦い続けることをね・・・。




レオンがにっこりとやさしい顔で、姉を見つめた。


レ:いいよ、それ。すごく似合ってる・・・。
ワ:・・・サンキュ・・・。


ワトソンも照れくさそうに答えた。








ウンジュは、ホットカーラーで髪を巻き、化粧を始める。
今日もこれから仕事だ。

こうやって作り込むと、どう見ても、自分のほうが下の子よりキレイだ。

ぜんぜん負けていない。

それに、お金でピーピー言うことだってないもの・・・。
結局、私の勝ちかな・・・。

あの子が羨ましいなんて・・・バカみたい・・・。
ハンサムな弟もボーイフレンドもいないけど、私はまだ19だもん。

これからよ・・・。
いつか、もっとかっこいい男と並んで歩くわ!


ウンジュは丁寧にマスカラを塗った。










ヨ:う~ん。
ワ:・・・・。

ヨ:・・・・。
ワ:・・・・。


デスクで考え事をしながら、ヨソクが無意識にペンでトントンとデスクを叩いている。
それをワトソンがじっと見つめている。
ヨソクがワトソンを見た。


ヨ:おい、その顔、なんとかしろよ。
ワ:何ですか?

ヨ:おまえ。自分がどんな顔してるか、わかってる?
ワ:なあに? 先生よりはまだ私のほうが美形だと思ってるんですけど。

ヨ:ふ~ん。どこから来るんだろうねえ、その自信! 鼻の下にシャーペン挟むの、やめろよ。(笑う)

ワ:あ、いけない!


ワトソンは、いつものくせで知らず知らずに、鼻の下にシャーペンを当てていた。

これは、一人の時にやるくせだ・・・。
少なくとも・・・ヨソクにこんな顔は見せてはいけなかった・・・。


ヨ:なんで、赤くなるんだよ? (笑う)
ワ:なんでもないです・・・。


ヨソクはワトソンをじっと見つめて笑った。



ヨ:それにしてもだよ。(本題に入る)

ワ:・・・・。
ヨ:なぜ、ワトソンに、ドングクが元素記号の表を見せたかっていうところが謎だよなあ・・・。もしもだぞ、ドングクが「リボン」のお客で、本気で好きになって振られたとしても、なぜ、おまえに見せる?
ワ:・・・う~ん・・・。

ヨ:それに、「リボン」にとっての元素記号は、客の評価であって、それを客に教えるだろうか・・・?
ワ:ですよね・・・。でも、わかっていることは、ドングク先生は「リボン」を本気で好きだったということ。それから、私がその紐になんか関係していると思い込んでいることですよね。

ヨ:そして、ドングクは、おまえを好きだってことだな。

ワ:よくそんなこと、口に出せますね・・・。

ヨ:でも、おまえもそう感じたんだろ?
ワ:・・・。

ヨ:それでも・・・元素記号の表には、結びつかないんだよねえ・・・。


ワトソンは立ち上がって、ヨソクのデスクの前へ行った。



ヨ:なんだよ。(見上げる)
ワ:私のこと、好きじゃないの?

ヨ:なんだよ、いきなり・・・。(驚く)
ワ:好きじゃないの?
ヨ:・・・。

ワ:ぜんぜん嫉妬しないの? ドングク先生が手を出したらどうしよう!とか・・・思わないの?
ヨ:だけどさあ・・・。
ワ:平気なんだ・・・。

ヨ:それとこれとは、違うだろ? 今は事件のことを考えて・・・。
ワ:他の男が私を好きそうだってわかってても、私のこと、放っておくのね?

ヨ:別に、放ってないだろ?

ワ:でも・・・昨日もしなかったじゃない・・・。(下を見る)
ヨ:でも・・・ほったらかしではないだろ? (やさしく言う)

ワ:・・・。(俯いて、机を爪でトントンと叩く)
ヨ:・・・。

ワ:気持ちは・・・伝えなきゃ、駄目よ・・・。態度で示さなきゃ・・・。
ヨ:・・・。








事務所のドアが開いた。



お:おはようございます! あれ、どうしたの? ちょっと深刻?

ヨ:おはよ。深刻かどうか知りたかったら、こっちに参加して。
お:え~え! やだなあ・・・。でも、なんか出てきたんだあ・・・。

ヨ:おぼろげながらね・・・。
お:へえ。
ヨ:今、警察のほうに照会してもらってるんだけどね。


そう言っていると、ヨソクの前の電話が鳴った。



ヨ:はい。ぺ探偵事務所。あ、オヤッさん。え、「リボン」のことがわかったの、早いなあ。それで? コン・へジン。27歳。偽名と言っても一字違いだったんだ。それで・・・。ソウル外科内科病院勤務の薬剤師・・・。へえ、薬剤師ねえ・・・。行方不明なの? いつから? 3年前? 

ワ・お:・・・。

ヨ:捜索願いも出てるんですかあ・・・。ふ~ん、それのコピーもいただけます? お願いします・・・。



ヨソクが受話器を置いた。



ワ:行方不明なんですか?
ヨ:ああ・・・。なんだろうなあ!(頭に両手を当てる)

お:どうなってるわけ?
ワ:聞きたいですか?
お:え? でも、聞いたら・・・。
ワ:それは、ただじゃおかないですよ。
お:それ、困るんだよねえ・・・。(頭を掻く)

ワ:困っても参加してくださいよ。
お:参ったなあ・・・。

ワ:じゃあ、お茶飲みながら、話してあげる。
お:そうお? ブルーマウンテンでよろしく。

ワ:お砂糖入れます?
お:ミルクもね。
ワ:OK !







お:へえ・・・。そうお・・・。
ワ:それで、先生がエージェントに「リボン」の本名と当時の大学のこと、聞いたんです。
お:へえ・・・。それで、現在は行方不明・・・。それにしてもさ、そのドングクとの関係はいろいろ考えられるなあ・・・。

ヨ:まずは?

お:まずは、その彼女が紐女と知らないで恋に落ちていたら・・・。
ワ:だってそれじゃあ・・・。

お:だって、わからないじゃないの、そこんとこはさあ。
ワ:まあ、そうですねえ・・・。

お:それに、その先生が愛好者かどうかも疑問だなあ・・・。
ワ:なんで、この写真見たでしょ?
お:でもさ、リボンがかけられないんでしょ? その先生。
ワ:それは私にかけさせたかっただけで・・・。

お:でも、本当に結べないかもしれない・・・。
ヨ:その場合、どうなるのよ?

お:その場合はさあ・・・恋人だった、「リボン」からこの紐の結び方だけ習ったのかもしれない。だって、その先生、ワトソンちゃんの指先を見てたんでしょ?

ワ:そう。

お:自分が縛るのが好きなんじゃなくて、相手が紐を結んでいる手が好きなんじゃないの?

ヨ:おじさん、冴えてるねえ・・・。(笑う)
お:という説も考えられるわけよ。
ヨ:うん・・・・。

お:ワトソンちゃん、そいつ、ただのねちっこい男かもしれないよ。あるいは、ワトソンちゃんに縛られたい男ね。
ワ:・・やだ・・・。縛られたいなんて・・・。
お:だって、ワトソンちゃんの指が好きみたいじゃないの。

ヨ:・・・・。

ワ:・・・それにしても、あの人、「リボン」が行方不明だって知ってるのかしら?
ヨ:そうだなあ。

ワ:「リボン」も、もしパピーみたいに殺されていたら?

ヨ:うん・・・。エージェントの話では、あの仕事は、学生の時しかやってなかったそうだから、仕事を卒業したあともつけまわしてたやつがいるということだな。
ワ:怖いですね・・・。

お:だから、風俗なんかに手を染めちゃ駄目なのよ、ワトソンちゃん。
ワ:私は・・・。(ちょっとムッとする)

ヨ:ドングクと彼女の関係を知りたいねえ・・・。
ワ:デートしてみようか・・・。
お:それ、危ないよ。
ヨ:・・・。

ワ:してみたほうがいいですか、先生? (睨むように見る)
ヨ:しなくていいよ。(きっぱり言う)

お:そうだよ、そこまですることないよ。ワトソンちゃん、あんた、危ないことはやめたほうがいいよお。




おじさんが席を立って、トイレに行く。




ワ:私を行かせたくない? (睨む)
ヨ:つまらないことで、意地を張るな。
ワ:・・・・。意地を張って、言ってるわけじゃないわ。
ヨ:・・・。(睨む)




おじさんがさっぱりした顔で戻ってきた。



お:まあ、慎重にしたほうがいいよ。 ・・・あれ、どうしたの? 二人。
ワ:・・・。(ムッとしている)

ヨ:ちょっと出てくるよ。



ヨソクがデスクの上のファイルを閉じた。



お:どうしたの、急に? 
ヨ:ちょっと調べたいことがあるから。
お:そう・・・・。


ヨソクは、ワトソンと目が合って・・・少し睨みつけたが、そのまま、何も言わず出て行った。

  

お:おじさんがいない間になんかあったあ?

ワ:せっかく、私がドングクとデートしてあげるって言ってるのに・・・。
お:ワトソンちゃん、危ないことはおやめ。あんた、バイトなんだからさあ。
ワ:でも・・・。
お:先生はそういうの、好きじゃないから。

ワ:・・・どういうこと?
お:まあ・・・ちょっとねえ・・・。

ワ:おじさん、教えて。

お:うん。先生の恋人のお姉さんがさ、事件に巻き込まれて・・・死んでるのよ。

ワ:え? 恋人・・・? (初めて聞く)
お:うん、もう別れちゃったんけどね。

ワ:なんで? 何があったの? (胸がざわざわする)

お:う~ん・・・。この事務所ができる前の話なんだけどね。通り魔殺人があって、その時、犯人のプロファイルをオヤッさんが先生に頼んだわけよ。
ワ:・・・。

お:そこで、警察で考え出したのが、おとり捜査・・・。たまたま先生の恋人だった女性のお姉さんがね、婦人警官でさ、そのおとり捜査を手伝ったのよ・・・。

ワ:・・・。

お:ところが、警察の上のほうがさ、先生の提案したことを無視して指示を出しちゃったもんだから・・・相手に気づかれて・・・お姉さん、殺されちゃったんだよ・・・。

ワ:そんなあ・・・。

お:警察は、その通り魔はナイフしか使わないと思っていたけど、実は拳銃を手に入れていてね、それで、撃たれちゃった。それを助けようとした先生も肩を撃れた・・・。先生は、犯人の起こしている事件の手口がどんどんエスカレートしているから、次は銃に手を出すかもしれないって言ってたのにさ・・・。警察はそれに従わなかった・・・。

ワ:でも、恋人と別れる理由にはならないじゃない。

お:それがさ。先生の肩の傷を見ると、お姉さんを思い出すからって・・・。親御さんも、いやな思い出とつながる先生の顔を見たくなくなったんだよね。

ワ:そんなあ・・・。

お:先生にはその気持ちが痛いほどわかるから・・・別れるのを承知したんだ。
ワ:・・・。

お:だからね、ワトソンちゃん。 この事件を頼んできたお母さんだって、娘の本当の姿がわかれば、ワトソンちゃんや先生のこと、恨むかもしれないし、もう会いたくなくなるかもしれないんだよ。

ワ:・・・。

お:人の心っていうのは難しいもんさ。ワトソンちゃん・・・そんなおとり捜査みたいなデートは、やめときな。先生だって、そんなことで、ワトソンちゃんを失いたくないんだよ。

ワ:・・・。それって・・・何年前の出来事?

お:えっとお、もう5年前か。ワトソンちゃんが来る1年ちょっと前。
ワ:・・・。そう・・・。

お:そのお姉さんが亡くなったのは、先生のミスじゃないのに、大学のほうで体面気にして、先生を辞めさせちゃった。それで、今は探偵事務所。

ワ:ふ~ん・・・。





だけど・・・。

だけど、
もうその人のことは・・・愛してないわよね?

そうじゃないの?





お:どうしたの?
ワ:ん? 大変なことがあったんだなと思って。
お:そうだよお。だから、ワトソンちゃんも正義感だけで動いちゃダメだよ。
ワ:ふ~ん・・・。






ヨソクには、そんな過去があった。

でも、その頃の恋人はまだ健在で・・・心の中では先生を思い続けているかもしれない。

先生の気持ちは・・・。
どう思っているの・・・?









ヨソクがマンションのドアのチャイムを押した。


「はい」


ヨ:この間の探偵ですが、もう少し詳しい話を・・・。


ドアが開いた。



エ:もう教えただろ?
ヨ:あの「リボン」が今、行方不明なんだ・・・。
エ:・・・。(驚く)
ヨ:もう少し「リボン」について聞かせてくれ。



ヨソクがマンションに入り、ドアが閉まった。








続く・・・・




ではまた・・・・しばらくしたら・・・^^






2010/09/03 01:02
テーマ:【創】探偵物語 カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

【BYJシアター】探偵物語 5






↑BGMはこちらをクリック



BYJシアターです。


それにしても暑い夏です・・・

それでも、少し風が秋に変わってきましたね^^




ここのところ、忙しくて滞っておりまして
本当にごめんなさい・・・vv

ということで、

シアターは久しぶりに、「探偵物語」5話です。



では^^



この物語は全てフィクションです。
ここに出てくる警察や団体、事件は実際には存在しません。





ここより本編
お楽しみください^^





~~~~~~~~~~~~~~~





「呼び出しって?」



「うん、夏休み前に大学院に進もうと思ってるって話したからだと思う」
「ふ~ん、それでお呼び出しねえ・・・」
「うん」

「それで、ここに電話がかかってきたんだ」
「だって、先生が知ってるのって、ここの事務所でしょ?」
「まあね」

「何?」
「え?」

「妬いてるの、先生?」

「バカな。(笑う)トースト一枚回して」

「バター塗る?」

「それはご親切に」
「どう致しまして」


「ありがとう。でも、ゼミも卒論も関係ないんだろ?」
「まあね。(笑顔) 会いたいのかしら、私に?」
「かもね」

「あ、もう時間。行かなくちゃ」


「じゃあ、行ってらっしゃい」

「戻りがお昼頃になると思うから、お弁当でも買ってきましょうか?」
「それはそれはありがとう。じゃあ、おじさんの分もよろしく」

「じゃあ、お弁当3つね。わかった。じゃあ、もう、行ってきま~す」



「おい、おまえ」

「何ですか?」

「ブラウスの胸に、ジャムがついてるぞ」
「あ!もう! なんで早く言ってくれないのよお・・・もう・・・」


ワトソンが胸についたジャムのシミをタオルで拭くが、うまく取れないので、急いで、カットソーに着替える。

ブラウスは、ベッドの上に脱ぎ捨てて置かれたままだ。



「ではでは、行ってきま~す」
「行ってらっしゃ~い」



ワトソンは、大学へ出かけていった。



「ふん。(笑う)」

ヨソクは立ち上がって、ワトソンのブラウスを取って、洗面所へ行った。









ペ・ヨンジュン主演
イ・ジア

「探偵物語」5

  





今朝は、ワトソンが大学の「民法」の教官であるソン・ドングクから、大学の研究室に呼び出されていたので、二人は早めに朝食を取った。

ヨソクが、ジャムのシミが残ったブラウスの部分に、軽く石鹸をつけて洗っている。


それにしても、卒論を抱えているわけでもない学生を、わざわざ、夏休みに呼び出すものかな・・・。うん・・・。


そんな考えがヨソクの頭を過ぎったが、まあ、学校のことだと、あっさり考えるのをやめた。

そして、洗い終わったブラウスを絞って、シミだった部分をかざしてみる。


ま、こんなもんか・・・。


ヨソクは、シミが取れたのを確認すると、ブラウスをハンガーにかけた。








午前10時に約束していたワトソンは、法学部の研究室のある建物の階段を一気に駆けあがった。

汗を拭きながら、3階の一番奥にある、ソン・ドングクの研究室を訪ねた。


ワ:失礼しま~す。
ド:ああ、おはよう。ちょっと待ってくれ。今、これを片付けちゃうから。

ワ:引っ越しでもするんですか?


部屋の壁沿いにおびただしい本や雑誌の山がある。


ド:いや、溜まっちゃってて、もういらない雑誌や本を片付けないと、部屋がいっぱいになっちゃうから。こういうのは、放っておくとどんどん溜まるだろう。
ワ:ああ・・・。



ワトソンは、研究室の入口に積まれた雑誌の束を見た。
それはキレイに紐がかけられていた。



ワ:へえ・・・。先生って几帳面ですねえ。(笑う) ヨソク先生なんてこんなにキレイに縛れませんよ。



そう言って、その結び目を見る。
ただの雑誌の紐掛けなのに、その結び目はちょっと複雑で芸術的だった。

ワトソンがその結び目を触って見ていると、ドングクはうっとりした目つきで彼女の指先を見つめた。ワトソンがその視線に気がついて、顔を上げると、自然と目が合い、ワトソンは笑顔を作った。



ド:さあ、こっちに来て、座りたまえ。

ワ:はい。


ワトソンとドングクは、デスクを挟んで、向かい合って、座った。



ド:冷たいお茶でも飲むかい? 外は暑かっただろう。
ワ:いえ、お構いなく。

ド:うん・・・。ところで、バイトは楽しいかい?
ワ:ええ、まあ。

ド:そうか・・・。もうそろそろ、勉強に身を入れないといけない時期だが・・・。大学院へ進む予定だとこの前言ってたけど。

ワ:ええ、できれば・・・。司法試験はその後でと考えています。
ド:ふう~ん・・・。まあ、君の成績なら、推薦で入れると思うけど・・・。
ワ:そうですか? (ちょっとうれしい)
ド:うん、たぶんね。

ワ:・・・一応、受験勉強も始めているんです。

ド:そうか・・・。なら、万全ということかな?
ワ:・・・・。

ド:ヨソク先生は、何か教えてくれる?
ワ:勉強ですか?
ド:ああ。

ワ:ええ、ときどきですけど、レポートを見て下さいます。
ド:ふ~ん・・・他は?

ワ:他って・・・。

ド:他には?

ワ:他にって・・・。

ド:うん。(咳ばらい)・・・。

ワ:具体的にと言っても、今すぐには思い出せないんですけど、私が躓くと、いつもヒントを下さいます。
ド:そう・・・。(じっと見つめる) どんな?
ワ:どんなと言われても・・・。

ド:ヒントか・・・。 それから?
ワ:それからって。(質問の趣旨が掴めない) 日常的なことでしょうか?
ド:・・・。(ねっとりとした瞳で見つめている)


ワ:(何よ・・・) どんなことでしょうか?
ド:う・うん。(咳ばらいする) う~ん、君が大人になるのに・・・いろいろと・・・。



なあに・・・?


ワ:いろいろ便宜は図って下さいますし、一緒に考えて下さいます・・・。ああ、先生には、ヨソク先生の探偵事務所をご紹介していただいてありがとうございます。(頭を下げる)

ド:紹介すべきじゃなかったかな・・・。
ワ:え?・・・なぜですか?(驚く)
ド:君がちょっと、道から外れたりしているから・・・。

ワ:(え?) そんなことはないです。 (何でそんな言い方するの?) バイトのために、学校を休んだことはないし。成績も落としてませんし・・・。何しろ、ヨソク先生は、そういうことには厳しいんです。学校を蔑ろにすると怒られちゃいますから。それがバイトを始める時の約束で・・・。まあ、司法試験については、私自身の実力が至らないということだけです。

ド:ふ~ん。立派な先生なんだね。(少し皮肉)
ワ:・・・。(何よ)



ドングクが正面から、ワトソンをじいっと見つめている。まるで、獲物を見るように。


ド:わかった。つまり、僕の心配は不要だったわけだ・・・。いいよ、もう。
ワ:あ、はい・・・。(立ち上がる)



ワトソンは、今日なぜ、呼び出されたのか、よくわからなかった。

自分のアルバイトのことを聞きたかったのか、ヨソクのことを聞きたかったのか?

ただ、ドングクの視線がなぜか不愉快なほどねっとりしていたので、気味が悪かった。



ド:そうだ。君に一つやってほしいことがあるんだ。
ワ:なんでしょうか?

ド:このテキストにリボンをかけてくれないか?
ワ:リボンですか?
ド:ああ。

ワ:いいですけど、先生のほうがきっとお上手です。
ド:いや、チョウチョ結びはあまり得意じゃないんだ。


そう言って、デスクの中から、リボンを取り出した。



あんなに上手に紐が縛れる人がおかしなこと言って・・・。


ワトソンは、頼まれた通りに、分厚い民法のテキストに赤いリボンをかけ始めた。
ドングクが、そばにやってきて、ワトソンの指の動きを、うっとりとした目付で眺めている。

ほっそりと長いキレイな指が、真っ赤なリボンと相まって、それは華麗でとても優雅なもののように思えて、ドングクは、見ているだけでうれしくなった。

ワトソンは、ドングクの不愉快とも思える視線に、心の中でヨソクを思った。



ワ:・・・先生・・・。(呟く)

ド:何だい?



ドングクがワトソンの顔を見た。


ああ、今、心で思ったのは、「先生」だったのに・・・。
つい、言葉が口から洩れた・・・。



ワ:・・・こんな感じでいいですか?
ド:うん、いいよ・・・。
ワ:じゃあ・・・ここで、結びますね?
ど:うん。


ワトソンは、視線を合わせないように、リボンだけを見つめる・・・。



この視線は何・・・?

この何とも言えない重い感じ・・・ねっとりとこびりつくような視線・・・。

「先生」とは大違い。
たとえ、少しいやらしい話をする時でも、「先生」の目はいつも穏やかで明快だ。



ワ:できました。

ド:見せて。



ド:うん。キレイだ。
ワ:・・・。

ド:さあ、これを君にあげよう。
ワ:え?
ド:これで、勉強しなさい。君に期待しているよ。(睨む)
ワ:あ、はい・・・。ありがとうございます。




ワトソンは、思いがけないプレゼントに少し動揺したが、ほんのちょっぴり、笑顔を作って受け取った。

バッグの中にプレゼントのテキストをしまって、部屋を出ようとすると、壁になぜか化学の元素記号の一覧表が貼ってある。



ワ:先生、これなんですか?(不思議に思う)
ド:おかしいかい? 元素記号の表だよ。
ワ:いえ。ただ、法学部の研究室に、なぜ、これがあるのかなと思ったんです。

ド:これはね・・・。昔の彼女がくれたものなんだ・・・。妙なものを大事に持っているだろう。(笑う)
ワ:いえ・・・。(それにしても・・・)

ド:・・・。(ねっとりした目で見る)
ワ:(視線を避けて)でも、おもしろいです・・・。
ド:うん・・・。(眺める)

ワ:大切にしてらっしゃるんですね。
ド:うん・・・。

ワ:忘れられない人なんですか・・・?
ド:僕が初めて、人生のパートナーだと思った人なんだよ。
ワ:・・・。

ド:なのに・・・。・・・。(呆然として) 彼女は、僕の愛を拒否した・・・。二人が一緒になるなんて、「あり得ない、ナンセンス!」ってね・・・。

ワ:・・・。(驚く)

ド:どうした?
ワ:いえ・・・ずいぶん、厳しい言葉を言うなと思って・・・。パートナーとまで思い合っていた人なのに・・・。
ド:それは、僕だけの気持ちだったということだよ。



ドングクがじっとりとした目で、ワトソンを見つめた。



ド:君にはそういう人がいるの? (じっと見つめる)
ワ:・・・いえ。私にはまだ・・・。
ド:ふ~ん・・・。(首を傾げて、ワトソンを見る)



ワトソンはその視線に困って、目のやり場を探して、またその表を見ると、隅っこにサインが入っていた。


「Hへ  リボン」


声に出して読みそうになったが、あえてそれには気づかなかったふりをして、研究室の出口まで来た。



ワ:今日はありがとうございます。(頭を下げる) では、失礼します。


ワトソンがドアを開けた。


ド:リリー君!
ワ:(振り返る)はい・・・?

ド:今度、一度、食事でもしよう。
ワ:・・・。
ド:ヨソクの近況も聞きたいし・・・それに、(笑う) 実は、僕も、探偵に興味があるんだ。
ワ:・・・わかりました・・・。では、失礼します。



ワトソンは、研究室を出てドアを閉めると、溜息をついた。


なんだか妙な気分だ。

今日の目的は何だったのだろう。
一介の学生である私に、テキストをプレゼントしたかったのか。
そもそも、あの人は、教官として、私を呼び出したのだろうか・・・。

それとも、本当に言いたかったのは、最後の「今度、一度、食事をしよう」だったのだろうか・・・。

ヨソク先生に、嫉妬しているのだろうか・・・。私が好きなの?





見ると、研究室の外にも、縛られた本が積まれていた。
ワトソンは、その結び目を見る。

不思議な結び目・・・。
何かに符合しそうな怪しいインスピレーション。


ワトソンは咄嗟に携帯を取り出して、それを写真に撮る。



そして、少し歩いて、また振り返る。


何かがおかしいわ・・・。
何かが変よ・・・。








ヨソクのところへは、オヤッさんこと、刑事のキム・ソクジュンが訪れていた。ヨソクのデスクの前に座って、オヤッさんがたばこをふかしている。


ヨ:朝早くから、すいません。オヤッさん、こっちから行ったのに。
キ:や、いいんだよ。警察の中は息が詰まる。
ヨ:それで、パピーを縛っていた紐には犯人の指紋も何もないんですね?
キ:ああ、パピーのものだけだった。新しい紐だそうだ・・・。

ヨ:そうかあ・・・。全く、困った事件ですよ。ヘンタイのやることはわからない・・・。それに・・・探偵料を出してくれてる母親のソ夫人には申し訳ない気がして。

キ:なんで?

ヨ:大枚払って知る事実といったら・・・親としては、耐えられませんよ。
キ:うん・・・・。
ヨ:ソ夫人は、身なりもよかったし、家庭状況も悪くないと思うのに。
キ:遊ぶ金かな。
ヨ:わかりませんね・・・。

キ:ところで、あの暗号は何だった?
ヨ:あれは、化学の元素記号でした。
キ:ふ~ん・・・。

ヨ:前にあのエージェントに勤めてた女の子が化学に強い子で、元素記号で、客の引き継ぎをしていたらしいんです。ええと・・・。(ノートを見る) Auは金だから・・・金回りがいい・・・Ptはプラチナだから、プラチナ会員。Caは、カルシウムだから、ガタイのいい男。Heはヘリウム。つまり、軽いやつ。Hは水素だから、どこにでもいるおっさんだそうです。・・・あれ・・・。

キ:どうした?

ヨ:水素ってこれでいいのかな・・・。宇宙には多く存在していても、空気中にはそんなに存在しない・・・。どこにでもいるおっさんでいいのかな・・・。(考える)
キ:そう言えば、最近、水素水が活性酸素を取り除いて、体にいいって言うじゃない。(笑う) それでいくと、いい人ってわけだ。

ヨ:・・・。(真面目に考える) でも、この子は古い子ですからね・・・。水素は、分子が一番小さいから・・・小物とも言えるし。無色無臭だから・・・危険でも気がつかないとも言える・・・。分子が軽くて燃えやすいから、すぐに火がつく危ない人間とも言える・・・。う~ん、わかんねえなあ・・・。

キ:問題の男でもいるのか?
ヨ:いや、それもまだ。あ、電話でお願いしたホテルのビデオ、お願いしますね。これがパピーの出勤日なんです。まずはこの相手が問題かなあ。客につけられてたと言ってたそうですから・・・。あ、それから・・・水素のおじさんも要チェックかなあ・・・。ええとお・・ああ、「ラッパ」さんね・・・HeでH。そう考えると、かなりヤバいやつなのかなあ・・・・。(ノートをじっと見る)

キ:わかった。しかし、そのビデオを押収するのは、相手も嫌がるな。売春も絡むからねえ。破棄されないようにしないと。

ヨ:ええ。その辺をよろしく。

キ:わかった・・・。おまえさんもこれで、現場復帰って感じだな。(にこっとする)
ヨ:冗談じゃないですよ。(笑う)オヤッさんに上手いこと言われて、事件を手伝ってたおかげで、撃たれるわ、大学は首になるわで、ろくなことはないんですから。(睨む)

キ:でも、浮気の調査ばっかりじゃ飽きるだろ?
ヨ:飽きても、命あってのモノダネですからよ。オヤッさんは、刑事なんだから・・・職業でいいけど・・・こっちは浮草稼業ですからねえ。

キ:まあ、そう言うな。おまえさんには、大学よりこっちのほうが合ってるだろ?
ヨ:調子のいいこと、言わないでくださいよ。







事務所のドアが開いた。



ワ:ただいま~。(オヤッさんに気がつく) あ、こんにちは。(会釈をする)
キ:よう。元気そうでよかったよ。
ワ:この間は、ご心配をおかけしました。
キ:うん。

ヨ:あ、弁当、買ってきたんだろ?
ワ:ええ。3つ・・・。

ヨ:オヤッさん、食べていってくださいよ。今日は、おじさんはこっちへは顔を出さないって電話が入ったから。

ワ:そうなんですか?

ヨ:どうぞ。召し上がってってくださいよ。
キ:では、ごちそうになるかな。

ワ:じゃあ、お茶入れます。

ヨ:サンキュ。





ヨソクが応接セットのほうへ弁当を持って移動する。




ヨ:おい、ワトソン! 大学はどうだった?

ワ:(お茶を持ってくる) ああ、民法のテキストをもらいました。

ヨ:それだけ?
ワ:・・・それだけです。
ヨ:ふ~ん・・・。それだけか・・・。まあ、いっか。じゃあ、食べましょうか?

ワ:あ、先生! ちょっと争奪戦なんです。キムチ丼と、焼き肉丼と、うなぎ丼。
ヨ:なんで、同じの買わないの?(面倒くさいな)

ワ:だってえ~。


オヤッさんが笑った。



キ:楽しそうでいいじゃない。年長者から選んでいいだろ? オレは・・・うなぎ丼。

ヨ:じゃあ・・・。

ワ:私が焼肉!

ヨ:おい!

ワ:ふ~ん。(笑う) 






ヨ:それにしても・・・。(箸を止める) パピーの出勤簿を見ると、大学はどうしたの?って感じですよねえ。いったい何のために始めた仕事なのか。誘ったのは誰か。その辺、知りたいですよね。

キ:うん・・・。(頷く)

ヨ:大学での様子も調べたいですね。まずは、出席率。よろしくお願いします。
キ:大学の出席率ね。わかった。それだけか?

ヨ:あとは、友人関係・・・。女子大でしたよね? 今のところ、それでお願いします。
キ:困った事件だが、おまえさんがやってくれると助かるよ。明日にでも、うちの新人さんに調べさせるから、わかったら知らせるよ。

ヨ:すんません。ワトソン、おまえは休まず学校へは行ってるもんな。
ワ:ええ。
キ:エライな。

ワ:それだけは、ヨソク先生がうるさくて。
キ:そうか。(微笑む)

ヨ:それにしても、テキストを渡したくておまえを呼び出したのか・・・ふ~ん。(首を傾げる)

ワ:変?

ヨ:変でしょ? 夏休みだよ。それもゼミの学生でもなくて、卒論の教官でもない・・・。


ワ:それがねえ・・・。(どうするかな・・・)
ヨ:何だ。

ワ:今はちょっと・・・。
キ:私がいると話しにくいか?

ワ:というか、事件とはまったく関係ない話かもしれないんで・・・。ここはオフレコって感じで・・・。

ヨ:何だ?

ワ:今日、なんか、とても不思議だったんです・・・。まず、ソン先生が雑誌を縛ってたんです・・・。その結び目がキレイというか、凝ってるんです・・・。写真見る? 研究室の外にあった雑誌の束を携帯のカメラで撮ったの。 

ヨ:うん。



ワトソンが携帯を持ってきて、写真を二人に見せた。



ヨ:・・・。
キ:・・・。

ワ:これって凝ってるでしょ? というか、普通、こんな結び方しないでしょう?
ヨ:うん・・・。

ワ:この事件がなかったら、なんとも思わなかったかもしれないけど・・・。この結び方でどんどん束を作っちゃうんです。
キ:・・・。

ワ:それなのに、私にリボンをかけてくれって言って、私がリボンをかける指先をじっと見たりして・・・なんか変・・・。

ヨ:・・・。(顔をじっと見る)

ワ:目付が普通じゃないというか、ねっとりっていう感じ。それに・・・。

ヨ:それに?

ワ:ヨソク先生に・・・。
ヨ:ん?
ワ:勉強以外に何を習っているのかとか、聞いてきたりして・・・。
ヨ:・・・。

ワ:質問の意味がよくわからないんです。
キ:ふ~ん。ワトソンに興味があるってことだな、男として・・・。

ワ:それで、「今度、一度、食事をしよう」って。
キ:ふざけた教師だなあ。

ワ:それに、もっと気持ち悪いのが・・・。
ヨ:何だ?

ワ:化学の元素記号の一覧表があったんです。
ヨ:え?

ワ:法学部の研究室に何であるのって思ったんで、聞いたら、昔の彼女にもらったものらしいです。

ヨ:でも、何で貼ってあるんだ。ワ:でしょ? それで、帰りに思ったの。もしかしたら、私に見せたかったのかしらって。

ヨ:なぜ?
ワ:そこがわからないの・・・。でもね、前にも研究室に行ったことがあるけど、見たことがないの、たぶん・・・。貼ってなかったと思うんです。なんか・・・今、私たちが事件で知っていることと、なんとなく符号しちゃって。

ヨ:でも、それは・・・。なぜ、あいつが・・・。
キ:そうだなあ・・・。

ワ:それにね、それをくれた彼女を人生のパートナーだと思っていたのに・・・彼女は、ドングク先生の愛を拒否したって・・・。二人が一緒になるなんて、「あり得ない。ナンセンス!」だって言ってね・・・。それ、聞いて、「パートナー」がちょっと違う意味に聞こえちゃったの。

ヨ:・・・。
キ:それは、いやな臭いがするなあ。その男が犯人でなくても、その男は、まともじゃないぞ。

ヨ:また、会うのか? (睨む)
ワ:約束はしてません。ただ、何かあれば、ここに電話があると思うんです。携帯は教えてないから。

キ:そうか。自宅は知らないんだね?
ワ:ええ。それに、もうアパートは引き払っちゃったし。電話はもともと携帯しか、持ってなかったから。

ヨ:でも、大学の教務で聞けば、携帯だってわかるだろう・・・もしかしたら、もう知っているかもしれないな。でも、突然の電話は怖いから、おまえが警戒するだろ? やっぱり、ここにかかってくるな・・・。

ワ:そしたら、どうする? どうしたらいい?

ヨ:オレが断るよ。少し、おかしいよ、それは。

キ:うん・・・。(考える)

わ:それとね、その元素記号の表に、サインがあったの・・・。
ヨ:何て?

ワ:「Hへ・・・リボン」って・・・。ソン・ドングクのSでもDでもなくて、「H」なの・・・。相手が「リボン」よ。

ヨ:何だ、その女は・・・。
キ:・・・。

ヨ:その女を探そう。そいつが元素記号の女かも知れない。そんなやつ、何人もいないだろう?



3人は顔を見合せた。









続く・・・





2010/07/26 01:01
テーマ:【創】探偵物語 カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

【BYJシアター】「探偵物語」4の2


BYJシアターです^^

まずはjoonちゃん話^^


ハワイのサーフィンスクール?のブログ^^

http://rvs-sanae.jugem.jp/?day=20100720



~~~~~

「ハワイでヨン様とサーフィン!」7/20


今日は、なんとあの冬のソナタのヨン様が

ロイちゃんと一緒にサーフィンレッスン!

当の本人は、ヨン様の事ぜんぜん知らないので?

なんか、この人韓国人で、有名なんだってなんていいながら

写真を見たらあのヨン様では、ないですか?

ビックリ!

とは言いながらも、私も未だ、冬のソナタ見た事がないのです!

権利の関係で、写真を掲載できないのが残念!

もし、OKがでたら、次回写真掲載します!

今度、ロイに会ったら、聞いてみて!



~~~~~~~


←He is Roy!^^




って、皆でロイちゃんのレッスンに参加しちゃったりして^^

スノボーが上手だから、結構やる気満々だったでしょうね^^

ということは、膝の具合がよくなったんだね~^^

ロイ先生にお話を伺いたい!^^v (kiko3)





と明るい気分になったところで、


本日のシアターは「探偵物語」4の2です。









↑BGMはこちらをクリック

「探偵物語」4の2です^^




ではこれより本編。
お楽しみください^^




これはフィクションです。
ここに出てくる全てのことは、実際とは異なります。





~~~~~~~~~~~








ペ・ヨンジュン主演
イ・ジア
「探偵物語」4の2






エージェントと、ヨソクとワトソンの3人で事務室の応接セットに座った。

エージェントは40代半ばだろうか、少し脂ぎった感じの男で、ワトソンをちらっと見た。その目付きが下卑ていたので、ワトソンは、自分が商売物になったように思えて、気分が重くなった。

ワトソンが今までに知っている男と言えば、親兄弟と、ヨソクだ。
彼らはこんな目付きで、女を見たりしない・・・。



エ:・・・ということは、犯人が、うちの客の中にいるってことか?
ヨ:でしょうね。まあ、そんなことは、先刻ご承知ってわけだろうけど。
エ:しかし、調べろって言われてたって。
ヨ:パピーの顧客リストはないんですか?
エ:う~ん・・・見てもさ、本名はないからさ。

ヨ:でも、携帯番号とかあるはずだ。どうやって客から仕事が入るんだ。
エ:一応、携帯のメールと電話で受けるんだけど。マズイなあ・・・。PCに顧客リストを作っているのが、客にバレるとマズイんだな。

ヨ:なぜ?
エ:客には、携帯で受け付けてるように見せかけてるからさあ・・・。PCに記録を残しているとなると、警戒するだろ? あの人たちは、人に知られたくないわけだから。
ヨ:そんなこと、他に漏らすはずがないだろ? それより、お宅の女の子たちの命がかかってるんだよ。
エ:う~ん・・・・。



事務室のドアが開いてるので、出勤してきた女の子たちが声をかけていく。



女:兄さん、おはようございま~す。
エ:あ、おはよう。


女2:行ってきま~す。
エ:おい、今日の客はどこだ?
女2:ステーションホテルで~す。
エ:そうか、行ってらっしゃい。



ヨ:ホテル名で何がわかるんだ?
エ:やってること。パピーとは違うから・・・。
ヨ:ふ~ん・・・。(頷く)
エ:パピーたちが行くホテルは特別なんだ。
ヨ:・・・。


エージェントがPCの画面を見せる。



エ:これがリストだけど・・・。
ヨ:コピーをくれ。
エ:しかし・・・。

ヨ:あんたのとこも非合法なヤバい商売をやってんだ。それを、パピーの両親の金で、殺人犯が捕まるなら、ラッキーじゃないの。
エ:まあ、そうだが・・・。



ヨソクがコピーを受け取る。


ヨ:ところで・・・AuとかPtってなんだ?
エ:え?

ヨ:客について、あんたらが書いてる・・・。
エ:ああ・・・。元素記号だよ。
ヨ:・・・?

エ:化学の元素記号・・・。前いた女の子が、化学が好きな子でね・・・それで、引き継いだんだ。Auは金だから・・・金回りがいい・・・Ptはプラチナだから、プラチナ会員と言ったところかな。

ヨ:Caは、カルシウムか?
エ:ガタイがいい男ってことだ。
ヨ:Heは?
エ:ヘリウム。つまり、軽いやつだ。
ヨ:Hは?
エ:水素だから、どこにでもいるおっさんてとこかな。
ヨ:なんで、こんなことを書いてるんだ。
エ:どんな客か、女の子たちから様子を聞いてるんだ。女の子はここを卒業していくからね。お馴染みさんの引き継ぎってとこかな。

ヨ:ふ~ん・・・ということは、ここに書かれている面子は長い客だから、ある意味、安心な訳だ。
エ:ま、そういうことにもなるね。

ヨ:うん・・・。今日は、紐を扱った客は?
エ:一人。まあ、今日、入っている客は、女の子の常連だから、そっちは大丈夫だろう・・・。

  
リリーか・・・。



ヨ:しばらくは、パピーの客は危ないから、仕事を受けないほうがいい。特に、常連以外は危ないぞ。
エ:うん・・・そうだな。
  
ヨ:人を殺すっていうのは、後を引く・・・。
エ:・・・。(ヨソクを見る)

ヨ:うまくいけば、またやりたくなるのさ・・・。
エ:・・・。(ぞっとする)


ヨ:ところで、彼女たちは・・・売春もするのか?

  
ヨソクの横に座ってメモをとっていたワトソンは息苦しくなってきた。ヨソクの口をついて出てくる言葉は、どれも重くワトソンに圧し掛かる。それは、この場を逃げ出したい気分にさせる。



エ:一応、しちゃいけないことになってるが・・・実態はわからないさ。こっちも確かめようがないからね。
ヨ:金は折半?
エ:まあね。
ヨ:ずいぶん、ふんだくるんだな・・・。
エ:・・・。

ヨ:そうだ。ホテルは決まってるんだね? パピーたちの行くホテルを教えてくれ。
エ:ええっと、クィーンズホテル。

ヨ:これは普通のホテル?
エ:いや・・・ちょっとその道の・・・。
ヨ:・・・その道?
エ:ええ・・・いろいろ道具が揃ってるところで・・・。

ヨ:そこは素人でも入れるのか?
エ:ええ、できますよ。いろいろ技が必要なやつはここのホテルなんだ。うちと提携しているから、安く泊まれるし、それに、監視カメラがあるんだ。

ヨ:ふ~ん・・・ホテルのマージンも入るわけだ・・・。ということは、そこに行けば、相手も映っているってことか?
エ:まあね。でも、犯人じゃない客も映ってるから・・・公にはできないよ。
ヨ:でも、記録はあるわけだ。
エ:まあね・・・。

ヨ:今日はここまでにしよう・・・。また、尋ねることがあると思うけど、その時はよろしく。こちらも、あんたと同様、命を張って商売してるもんでね。
エ:・・・わかった。



また、若い女が覗いた。


女3:兄さん、おはようございま~す。
エ:あ、おはよう。







ヨソクとワトソンの二人はマンションの外へ出た。

  

ヨ:大丈夫か?(ワトソンの顔を覗き込む)


ワトソンの顔が青ざめている。



ワ:もう死ぬかと思った。あそこの空気は、淀んでる・・・。
ヨ:うん・・・。
ワ:やっと呼吸ができるわ・・・。


ヨ:行こう。
ワ:どこへ?

ヨ:決まってるだろ? ホ・テ・ル!
ワ:え~え!

ヨ:誤解するなよ。パピーの仕事場だ。見学しに行こう。
ワ:う、うん・・・。(少し困る・・・)







そこは、裏通りを少し行った所で、表向きは普通のラブホテルのようだった。


ヨソクが入ろうとすると、ワトソンがヨソクのシャツを引っ張った。


ヨ:何だよ。行くぞ。これは仕事だ。
ワ:・・・うん・・・。

ヨ:・・・オレ一人じゃ、入れないだろ?
ワ:う~ん・・・わかった・・・。


一見、普通のラブホテル・・・
しかし、クイーンズホテルの部屋の中は少し違った。

  

ヨ:すごいな・・・。
ワ:いろんなものがありますね・・・。

ヨ:こんなとこって・・・。


二人は部屋の中を見回した。

妙に紫がかった照明にミラーボールが回っている。 
天井からロープが下がっている・・・。


ワトソンがそのロープを引張りながら、呟いた。

  
ワ:知らないおっさんと二人、こんな隠微な部屋に入るなんて・・・。先生、これって、何のために下がってるの? (天井を見上げる)
ヨ:さあ・・・。
  

そして、並べられた道具・・・。
ワトソンが興味深げに覗いている。


ワ:何だ、これ? わかんないものばっかり置いてありますねえ・・・。
ヨ:わかんなくていいよ。触るな。
ワ:先生はわかるの?
ヨ:オレだって、知らないよ。


ワ:それにしても、説明書なくて、使えるのかしら・・・。これ、おもしろい・・・。(いろいろスイッチを入れて遊ぶ)

ヨ:触るな。手が穢れる!
ワ:何動揺してんの、バカみたい。(笑う) あ、これ・・・ムチだ。(黒革のムチを持つ)
ヨ:そんなもの、触ってるんじゃないよ。
ワ:あら、そうお? 先生! これ、楽しそうですよ。 このムチ。『女王様の言うことが聴けないの?』 バシ~ン!
ヨ:・・・悪趣味・・・。

  
ヨソクが如実に嫌な顔をした。



ワ:でも、先生。ちょっとおもしろそうじゃない・・・ほしいな、これ。(ムチを振っている)
ヨ:おい、やめろよ。おまえ・・・変な方向に行ってるよ・・・。(困った顔で睨む)
ワ:(笑う)そんな目で見ないでよ。先生だって、ちょっとやってほしいでしょ?

ヨ:やだよ。オレは・・・。痛いのは嫌いだから・・・。
ワ:なあんだ・・・弱虫。(笑う)
ヨ:危険だなあ・・・おまえは・・・。
ワ:・・・先生と二人だと、怖くないわ。(笑う)
ヨ:そりゃそうだろ?

ワ:何、探してるんですか?
ヨ:ふむ・・・。隠しカメラがあるって言ってたろ? 部屋の入口に1個あったろ。まだ、あるのかなと思って・・・。
ワ:そっか。部屋の中ね。
ヨ:盗聴はどうかな・・・。


ヨソクが携帯している探知機で盗聴器を探す。
壁の端から、ヨソクが丁寧に調べていく。盗聴器はないようだ。


カメラは、玄関入ってすぐの所と、ベッドと水平な位置に、カーテンに隠れて仕掛けられていた。


ワ:へんな位置にありますね。
ヨ:うん・・・。これじゃあ、売春をしているかどうか、実はわかってるわけだな・・・。
ワ:・・・。(溜息)


ヨ:つまり、犯人が客なら、ここに映ってるはずなんだ。オレたちは映らない位置に立とう。
ワ:はい。


ヨソクはカメラに隠れて、部屋の中をデジカメで撮影する。
そして、隠しカメラの位置に立ってそこに映る情景を、写真に撮る。


そして、ヨソクは、並んで置かれた道具を触った。



ヨ:ここにも道具はあるが・・・彼らみたいなセミプロは、自分たちの使い慣れてるものを持ち歩いてるんだろうな、きっと。ここにある紐は新しくて、こんなに毛羽立っていたら、扱いにくいもんな。

ワ:それがいいのかも。ひりひりしちゃって。

ヨ:おまえ・・・危ないよ・・・。(苦笑する) でも、扱いやすい太さとか・・・手に馴染んだ感じってあると思うんだ・・・。それとも・・・女が持ち歩くのかな・・・聞くんだったな、エージェントに・・・。

ワ:でも、あの、リリ、(言いにくい) って子の話だと、客はいろいろなやり方するって言っていたから・・・やっぱり、客が自分にあったものを持ってくるんじゃないの、好みで・・・。まあ、初めての人は、女の子に借りるんだろうけど・・・。 

ヨ:だよな? そうだ。パピーの紐は新しかったのかな・・・。
ワ:古いと指紋とか汗とかいろいろついちゃってるんじゃないですか。
ヨ:そうだな・・・。あとで確認しよう。

ワ:あ!(ひらめく)
ヨ:何?
ワ:ねえ。初めての人って・・・縛り方だって、よくわかってないんじゃないの? ということは、女の子も、結構結べるのかも・・・。
ヨ:・・・だな。おまえ、冴えてるねえ・・・。(笑う)
ワ:でしょ?
ヨ:つまり、仲間が犯人にもなりえるわけだ。
ワ:そう。
ヨ:うん、でかしたぞ。うん・・・。


ワ:それにしても、ほしいな、これ。(またムチを持つ)
ヨ:ずいぶん、ご執心だな・・・。あ、そうだ。(ひらめく) 今度、はたき買ってやるよ。フサフサの長いやつ。あれで掃除のほう、よろしく。
ワ:なあんだ、つまんない・・・。(がっかり)


ヨ:でも、ここが彼女の仕事場だ。今日のリリーだって、ここのどこかの部屋にいるんだ。
ワ:・・・やですね・・・。ここが仕事場だなんて・・・。

ヨ:行こう。

  


ヨソクは部屋を出る前に振り返った。
そして、隠しカメラの映らない位置に立った。


ワ:どうしたの?

ヨ:おまえ、少し欲求不満だな・・・。
ワ:何よ。


ヨソクがワトソンをぐいっと引き寄せ、キスをして、顔を見つめる。


ヨ:ふん。(笑う)行くぞ!


ワ:ねえ、好きって言って。(真面目な顔をする)
ヨ:・・・。(見つめる)

ワ:言ってよ。

ヨ:・・・ちゃんと卒業できたらな。
ワ:・・・ズルイ・・・。

ヨ:バカ・・・。行くぞ!


ワトソンが残念そうな顔をしたので、ヨソクはまた、頬に軽くキスをした。
ワトソンの目が輝いた。


ワ:もっとして。


ワトソンが抱きついて、唇を押しつけた。
ヨソクはそれを受けて、ワトソンにキスを返す・・・。
ヨソクの手がワトソンのお尻をキュッと掴んだ。


ワ:あ~ん・・・。
ヨ:・・・。(顔を見ている)


ワトソンがトロンとした目でヨソクを見上げた。



ヨ:行くよ。

ワ:・・・一日に一回はキスして・・・。
ヨ:行くぞ。
ワ:もう・・・。一緒に住んでから・・・そういうこと、してくれないよね?
ヨ:・・・。(見つめる)
ワ:隣に寝てるのに・・・。
ヨ:けじめがなくなる。

ワ:それでもいい・・・。(見つめる)
ヨ:もう行くぞ。
ワ:わかったわよ。ケチ・・・。
ヨ:(やさしく微笑む)・・・。

ワ:でも、先生。
ヨ:・・・。


ワ:私たちは、恋をしてるのよね? (顔をじっと見る)
ヨ:・・・。

ワ:あの子たちみたいに、お金だけのための、快楽の相手なんてイヤ。あのお母さんが言ったみたいに、「まだ恋もしてないのに」なんて・・・そんなのイヤ・・・。先生も、ちゃんと、私を好きでなくちゃ、イヤ・・・。

ヨ:当たり前だろ? おまえはあの子たちとは違うよ。(見つめる)
ワ:・・・。(見つめる)


ヨ:行こう。
ワ:・・・。



玄関の監視カメラに彼らの出ていく後ろ姿が映った。


  


ホテルから二人が出てきて、少し歩くと、ワトソンが、ふと振り返った。


ヨ:どうした?
ワ:今、誰かに見られたような気がしたの・・・。(周りを見回す)
ヨ:気がつかなかったな。(やはり後ろのほうを見る)
ワ:勘違いかな。でも・・・ちょっと視線を感じたんだけど・・・。



しかし、夕暮れの街は、二人以外のものを静かに包み隠そうとしていた。






続く・・・

  




2010/07/22 20:37
テーマ:【創】探偵物語 カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

【BYJシアター】「探偵物語」4の1





↑BGMはこちらをクリック









BYJシアターです^^

今日も暑いですねえ・・・。

熱帯に住んでる感じですよね~~


「引越しの邪魔だから、どっか行ってて」
と言われて、

バカンス三昧だった^^joonも帰国して、

キーイーストもおうちの近くに移っていよいよ始動開始?

プロデューサーだけでなく、
ウル・ペ・ヨンジュンとしては、「役者」をがんばってほしいです^^




では本日は
「探偵物語」4の1です^^




ではこれより本編。
お楽しみください^^




これはフィクションです。
ここに出てくる全てのことは、実際とは異なります。





~~~~~~~~~~~








「その子に会ってどうするの?」


「ん?」

「その研修会に行くの?」
「まさか・・・」

「じゃあ・・・」
「知りたいじゃない。どんなことをしてるのか」
「でも・・・」


「そうすれば、なんで殺されたか、わかるだろう」
「ふ~ん・・・」


「できたよ」
「ありがとう・・・」

「きついか?」
「ううん、ピッタリ」



ヨソクが、ワトソンのブラウスの胸のボタンをつけ終えた。








ペ・ヨンジュン主演
イ・ジア
「探偵物語」4の1









ワトソンは胸のボタンをつけながら、ベッドから立ち上がった。


ワ:だけど、そんな人に会って、先生がやる気になっちゃったら、やだな。
ヨ:(笑う)何、言ってるんだよ。おまえがこの仕事、引き受けたくせに。

ワ:それはそうだけど・・・。先生、コーヒーでいい?

ヨ:ああ・・。



ヨソクは裁縫道具をしまいながら、今日会う予定の「リリー」のことを思った。











ソウルのある喫茶店。


ヨ:君が・・・。
リ:リリーよ。これ、芸名だけど。ちょっと笑っちゃう名前でしょ?(笑う)


やな感じ・・・こんなやつらと本名が同じだなんて・・・。


ワトソンの口がへの字になった。


ヨ:それで・・・リリーさん・・・うん!(言いにくい・・・) 君と彼女は、その紐の縛り方の研修会みたいのに、行ったことはあるの?
リ:もちろん。それが初仕事だった。それで、この仕事に入ったの。最初、仕事の意味がわからなかったけど・・・。

ヨ:わからなかった?
リ:つまり、お客と寝なくていいけど、バイト料がいいって言われただけだから。



ワトソンがリリーを睨みつけている。



リ:ねえ、この人がいると、話しにくいんだけど・・・。なんか、感じ悪い・・・。(ワトソンを見る)
ヨ:ワトソン、おまえ、ちょっと席を外してくれないか?
ワ:でも・・・。

ヨ:・・・。(睨む)

ワ:わかりました。



ふて腐れた顔をして、ワトソンは二人から少し離れた席へ移った。



同じ大学生のバイトでもこんなに違う・・・。
彼女らは、お金があればいいのか・・・。



ヨ:それで、まず、研修会に一緒に出たパートナーが・・・お客になるわけだね?
リ:うん、そう。最初のね。
ヨ:そこに行って、逃げ出したい気持ちにならなかった?
リ:ちょっとね。だって、いきなり、裸なんだもん。でも、周りもそうだったから・・・。

ヨ:皆の前で裸なの・・・?
リ:そうよ。

ヨ:ふ~ん・・・。
リ:でも、今は、もう慣れちゃったわ。縛られるだけだもん。
ヨ・・・痛くないの?
リ:それは、痛いけど・・・それで、お金もらってるんだもん。

ヨ:でも、あの子みたいに殺されることもある・・・。(少しキツイ目つきになる)
リ:ホントね。でも、私たち、指定されたホテル以外行かないの。なんで、自宅で縛られちゃったのかな。

ヨ:そうか・・・。二人は特別な関係だったってことか・・・。

リ:じゃないの? じゃなくちゃ、そんな人と深入りなんて嫌。だって、普段は学生だし、学生としての生活を大切にしたいじゃない。
ヨ:・・・。

リ:でしょ? バイトだもん。



彼女たちは、気軽なバイト感覚なんだ。


ヨ:ところで、君の縛られ方だが・・・。うん。(咳ばらいする) こんな感じ?


ヨソクがPCから仕入れた写真を見せる。これは、ウンジュが縛られていたものと同じだ。



リ:ええと・・・そうね・・・こういうときもあるけど・・・。お客さんが覚えてきたやり方でやるから、いくつか方法があって、いろいろね。
ヨ:そうか。じゃあ、君のエージェントが扱っているのもいろいろなんだ。

リ:そう。じゃないと、仕事が集まらないみたい・・・。

ヨ:そうか・・・。そういう客って、いくつぐらいの人が多いの?

リ:探偵さんぐらい? ある程度、お金がないと遊べないのよ。20代の人なんてほとんどいないわ。
ヨ:うむ・・・。


リ:もういい? (腕時計を見る) もうすぐバイトの時間なの。待たせるわけにはいかないから。
ヨ:ありがとう。またなんかあったら、よろしく。

リ:わかった・・・。じゃあ、しっかりね。
ヨ:あ、これ。


ヨソクがバイト料を払う。


リ:サンキュ。



リリーは席を立って、いったん帰ろうとして、振り返った。



リ:そうだ。そういえば、パピーが言ってたんだけど、最近、あとをつけて来る客がいるって・・・。気持ちが悪いって。

ヨ:え! (立ち上がる) どんなやつだって?

リ:う~ん。それはわかんない。だけど、終わったあと、あの子がホテルを出るのを待ってて、あとをつけてくるんだって。それで、気持ち悪いって。
ヨ:それで、アパートを知ってたのかな・・・。

リ:さあ・・・。社長に相談しようかなって言っててそのまんまになっちゃったから。
ヨ:そう。社長の・・・エージェントの名前は、「アラカルト」?

リ:そ。
ヨ:社長ってどんな人? エージェントのある場所、教えてくれる?

リ:それ、言うの? それはヤバいなあ・・・。
ヨ:どうして?

リ:それはマズイよお。だって、こういう商売って、法律違反でしょ?
ヨ:法律違反なことまでしてるの?
リ:わかんない。(ごまかす)

ヨ:・・・君のことは、決して口にしないから。ただ、君のところの客に、その気持ち悪いやつがエントリーされたままだ。いつ、君に当たるかもしれない・・・。

リ:やだ、それは怖い・・・。でもねえ・・・。(躊躇するが)

ヨ:教えて・・・。
リ:・・・うん・・・。


リリーは、少し躊躇したが、エージェントの住所と携帯番号を教える。



ヨ:ありがとう。
リ:じゃあね。ちゃんと犯人、捕まえてよ!




リリーはにこっとして去っていった。

そうして、もう一人のリリーがやってきた。




ワ:終わったんですか?
ヨ:ああ。
ワ:それで、何かわかったの?

ヨ:彼女たちは、行きつけのホテル以外では、プレイはしないってことがわかった。
ワ:・・・。(気分が悪そうな顔をする)・・・プレイね・・・。
ヨ:それから、自宅でそうなるのは特別な関係・・・あるいは・・・。
ワ:あるいは?

ヨ:ウンジュは、いや、パピーといったほうが、気がラクだな。リリーの話では、パピーはホテルの帰りに、客につけられてるみたいで、気持ち悪いって言ってたそうだ。
ワ:怖い・・・。でも、それが一番有力かも・・・。

ヨ:エージェントの所へ行ってみよう。

ワ:教えてくれるかしら?

ヨ:どうかな・・・。でも、それが近道。
ワ:ま、そうですよね・・・。









二人は、「リリー」から聞いた住所を訪ねた。


ヨ:ここのマンションだな・・・。おまえ、近くで待ってるか?
ワ:なんで?

ヨ:だって、気分悪いだろ?
ワ:でも・・・行きます。毒を食らわば皿までってね。

ヨ:人前でやな顔するなよ。皆、そういう商売の人間ばっかりのとこなんだから。
ワ:わかってます。
ヨ:どこまで、わかってんだか・・・おまえは。(横目で睨む)




二人は普通のマンションのドアのチャイムを鳴らす。




エ:はい。
ヨ:パピーさんの友達の友達なんですが。
エ:パピーなんていないよ。
ヨ:殺されたウンジュさんについてお聞きしたいんです・・・。



ドアが開き、男が顔を出した。



エ:なんだい、あんた。

ヨ:失礼しますよ。


ヨソクがドアを足で押さえてこじ開け、どんどん入っていく。ワトソンも後ろをついていく。



エ:な、なんだい、あんたらは。
ヨ:パピーの一件、調べてるんですよ。
エ:・・・警察か?
ヨ:いえ、探偵です。

エ:帰ってくれ・・・。
ヨ:あんた、犯人の共犯になるよ。

エ:何、言ってるんだ。
ヨ:あんたに教えてあげたいことがある・・・。その代わり、教えてくれ。







続く・・・




2010/07/19 07:18
テーマ:【創】探偵物語 カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

【BYJシアター】「探偵物語」3の2





↑BGMはこちらをクリック







BYJシアターです^^


joonはハワイで幸せな日々を送っているようで何よりです^^

仲間と大好きなゴルフと大好きなワインと~^^

真っ黒に日焼けして帰ってくるのかな^^


ハワイの抜けるような空を見ると、
こっちも行きたくなっちゃいますよね^^v






本日は「探偵物語」3の2です。

こちらは・・・ハワイの穏やかな空気と違って
話はどんどんエグくなってきます・・・。


ここより本編。
ではお楽しみください。







~~~~~~~~~~








ペ・ヨンジュン主演
イ・ジア

「探偵物語」3の2











翌日の朝、10時。
おじさんが定時に出勤してきた。


お:おはようございま~す。ワトソンちゃ~ん、出戻りだってえ?
ワ:ええ・・・。悪い弟なもんで。(仏頂面で言う)

  
ワトソンがデスクを拭いている。



お:だよねえ・・・。まあ、いいじゃない。これからは一緒に飲めるな、ここでえ。(うれしそうな顔をする)
ワ:おじさん。私、女給じゃないですから。
お:あんた、古い言葉、知ってるねえ。(笑う) ところで、先生は?
ワ:ああ、キム刑事のところへちょっと・・・。
お:ふ~ん、そうか・・・と。



おじさんは、今回の事件にあまり関わりたくないので、事務所の中を見回してから、座り、また立ち上がった。

  
お:じゃあ、ちょっくら、尾行に行ってきます。
ワ:え?
  
お:じゃあ、ワトソンちゃん、お留守番よろしく。
ワ:あ、はい。



おじさんは、所長がいないのをいい事に出かけていった。
たぶん・・・お仕事ではない・・・。


  
ワトソンは、大学が夏休みに入ったので、やることと言えば、司法試験の勉強くらいである。
  

ワ:今年は無理だよなあ・・・。やっぱ、大学院の受験勉強しようかな・・・。そのほうがいいなあ・・・。

  
鼻と口の間に、シャープペンシルを挟んで遊んでいたが、ちょっと立ち上がって、所長のヨソクのデスクに行って、座ってみる。

イスを少し揺らしてみる。



一人だけ、肘掛ついてるんだから・・・ズルイよねえ・・・。
王様のイスに座っちゃって・・・。



デスクの上の小引き出しを開けて、中をちょっと覗く。
  
経費用のレシートがいっぱいだ。

  
これも、自分でやらないくせに、溜めちゃって・・・。
早く回せっつうの!



すると、そのレシートの中にまみれて、何かの回数券が入っている。


なあに~?



ええと・・・。

「性感マッサージ・無料お試し回数券」?

10枚綴り・・・・。


やだ!


2枚、使ってる!

ゲ!

もう、不潔!

  
ワトソンが「回数券」を汚いものを掴むようにデスクの上に放り投げた。



すると、ドアが開く音がしたので、慌てて、「回数券」を親指と人さし指でつまんで、小引き出しにしまった。


  
ヨ:ただいまあ。あっちい・・・。お!(驚く)
ワ:・・・。(睨む)
ヨ:何だよ、いたなら、返事しろよ。「お疲れ様で~す」とかさあ。


ワトソンが汚らわしいものを見るような目つきで、ヨソクを睨んでいる。
  

ヨ:何?
ワ:別に・・・・。


ワトソンは、ふて腐れた顔をして、自分の席に座って、勉強を始める。

  
なんだよ・・・あいつ・・・。



ヨソクは、「オヤッさん」から預かってきた、殺されたパク・ウンジュの携帯電話の記録をデスクの上に置いた。
そして、デスクの小引き出しから、赤ペンを取り出した。


「回数券」が目に入った・・・。


ワトソンの様子を窺いながら、何気なさそうに取り出して、鍵のかかるデスクの引き出しの中へしまう。
ちょっと咳払いをして、仕事を始めた。


ワトソンは勉強するふりをして、そんなヨソクの様子を見ていた。



やっぱり…エロオヤジなんだ・・・。

汚らわしい・・・・。最低・・・。


  




午後になって、おじさんが戻ってきた。


お:ただいま~。あ・ついねえ、今日は・・・。参ったよ。

ワ:冷たいものでも飲みますかあ?
お:あ、うれしいねえ。
ヨ:いいねえ、オレにもちょうだい。
ワ:え? 先生も? ずっとクーラーの中にいるくせに・・・。
ヨ:何だよ・・・。突っかかるなあ・・・。

  
ワトソンがキッチンに行っている間に、ヨソクがおじさんを呼んだ。


ヨ:おじさん、ちょっと。
お:何?


デスクのカギを開けて、例の「回数券」を取り出した。


ヨ:これ。返すよ。
お:あれ? 先生。 いらないのお? よかったよお、これ。まだ、8枚残ってるし、使ってよん。おじさんからのプレゼントだと思ってえ。(笑う)

ヨ:いや。お返ししますよ。貴重なお品をありがとうございました。(頭を下げる)
お:そうかあ。勿体ないなあ。あんた、独身だからさあ、分けてあげたのにさあ・・・。
ヨ:いや・・・。おじさん、使ってよ。ちょっと・・・これはマズイんだ・・・。
お:そう・・・。では、いただきます・・・。ホントにいいのお? 勿体ないなあ・・・。今日、行くかなあ・・・。よかったよお。
  

おじさんは残念がりながら、席に着いた。

  
ワトソンが冷たいお茶を持ってきた。


ワ:はい、おじさん、お疲れ様でした。
お:ありがとう。


ヨソクの前へ来て、睨みつける。

ワトソンがグラスをドンと置く。



ヨ:何だよ? (驚く)
ワ:・・・。(スケベ!)

  
ワトソンは嫌な顔をして、くるっと向きを変えて自分の席へ向かう。



ヨ:何だよ・・・。(おじさんを見て、首を傾げる)
お:・・・さあ・・・。(首を傾げる)

  

ワトソンは席に着くと、ヨソクを横目で見た。



ホント・・・・。男はケダモノだわ・・・。

子ヤギ面したってダメよ・・・。

あんたのその、ちょっと、かわいいお顔の、頭の中は、ケダモノなんだから!

  






今日は半日、ヨソクはデスクに座ったままだ。
今回の事件の司法解剖の報告書や調書を読み直し、さっきから、ずっと「オヤッさん」から預かってきた「携帯電話」の内容を読んでいる。



パピーさん、本日は1本。ブラックマンさん、7時より。
パピーさん、本日2本。3時、綱おじさん。8時、ラッパさん。
パピーさん、本日は1本スペシャル。ブラックマンさん。7時より。
  

まず、パピーさんは、パク・ウンジュだろ・・・。
差出人、「アラカルト」は・・・元締めか・・・何の?


何が1本、2本か・・・。

薬の売人ではなさそうだから・・・風俗・・・売春か・・・。

この変てこな名前は客だろ。


それに、これは何だ。


「ブラックマン、AuでPt。
綱おじさんは、Ca系。
ラッパ、HeでH。」

これは、客への評価か・・・。
いったい何だよ。
  

この「リリー」って言う子は、友達かな・・・。
ワトソンと同じ名前だ。


まあ、源氏名だろうな・・・。


「綱おじさん」という客からして・・・。
紐で縛られて死んでるわけだから、この1本は、紐か・・・。

  
さて。
紐で何をするんでしょうか・・・。

ネットで見るか。



紐愛好会・・・。

あ・・・きも悪いねえ・・・。縛るわけねえ・・・。
  

ああ、見たくないけど・・・見るか・・・。


被害者ウンジュの検死記録、写真も合わせて見る。
手首を縛られているところ・・・胸、胴・・・足・・・すべて見る。
  

ヨ:う~ん・・・。
ワ:何が「う~ん」なんですか?
  
ヨ:ん? ちょっとねえ・・・。(PCを見ている)
ワ:何がですか?


ワトソンは、自分の席から大きな声で聞いた。

  
ヨ:ちょっと待っててねえ・・・。


ヨソクは何か調べることに集中している。


  
今日は、ヨソクのデスクの小引き出しから、変な「回数券」が見つかって、嫌な気分になったワトソンだが、ヨソクが仕事に熱中して、声をかけてくれないのも・・・なんだか、寂しい・・・。

勉強していても、身が入らない・・・。

  

ヨ:おじさん!
お:オレかよお~。


おじさんが呼ばれて、ヨソクのところへ行った。

ヨソクは、ワトソンを呼ばない。ワトソンはちょっとがっかりした。


ヨ:ねえ、これって・・・さ。


おじさんにPCの画面を見せている。


ヨ:ほら、この縛り方見てよ。こっちの写真と同じ・・・。
お:ホントだ・・・。紐の愛好者だね。
ヨ:うん。
  

ワ:どれ? どれよ!


ワトソンが話に参加したくてやってきた。



ヨ:おまえは見るな。来るなよ。


ヨソクがワトソンを睨みつけた。


ワ:ヒド~イ。

ヨ:おじさん、これだよね・・・。
お:う~ん・・・。

  
お:まさにそうだわ・・・。
ヨ:まず、一つわかったな。ここからだな。この愛好者さんのお相手をやっていたのかもしれないねえ。
お:うん、そうだねえ・・・この愛好者がどのくらいいるかだな。


ワ:もう、どれよ!


ワトソンが我慢できなくなって割り込んで、PCの画面を見ると、裸の女が後ろ手で縛られている・・・。

それはよかった。

それより、ヨソクが比較して見ていたもの・・・。それは被害者の写真だった。

  

ワ:あ・・・。

ヨ:・・・だから、覗くなって言ったろ?
ワ:・・・うん・・・。

お:ワトソンちゃん、大丈夫かい?
ワ:ダメ・・・。



ワトソンが考えていたより、強烈だった。
被害者のふやけた白い手が脳裏に焼きついた。
  

ヨ:おい、大丈夫か? 少し、横になってろよ。
ワ:・・・。
お:それにしても、こういう愛好者って、本とかPCだけで技術が身に付くんだろうか。
ヨ:そうなんだよね・・・。こんなの見て、手順を覚えられたら、すごい・・・。研修会みたいのとか、あるのかな・・・。


ヨソクがHPを探す。



お:あ、研修会ね・・・。うん。先生が言うと、真面目な会みたいに聞こえちゃうから、大したもんだ。
ヨ:何、感心してるの? 
お:いやいや・・・。


ヨソクが調べている。


ヨ:あった・・・。

お:お、すごいねえ、先生。ええと・・・何々・・・ああ、ちゃんと会員登録しないと詳細がわからないのか・・・。
ヨ:入会してみるか。
お:う~ん・・・そうだね。

ワ:先生! 入会するの?

  
デスクで、うつ伏せになっていたワトソンが驚いて、顔を上げた。

  
お:ワトソンちゃん、これも敵を知るためだよお。
ワ:ゲ~!・・・最低・・・。
  


ヨソクが入会続きをしている。
名前は仮名で、PCアドレスもネット上のHPからだ。



お:でもさ、先生。皆、こんなんで入会しちゃうわけだろ? これじゃあ、どこの誰だかわからないじゃない。
ヨ:うん・・・。でも、この目でメンツを調べることはできるよ。
お:まあねえ・・・。

ヨ:それに、もしかしたら、ハンドネームは同じかもしれないし。
お:ああ、そういうことね・・・。
  


研修会の募集ページを開く。

応募者はこの会については、他言しないこと。
参加費用:100万ウォン。 同伴者ある者のみ許可。


ヨ:同伴者か・・・。
お:つまり、縛られる女も連れてこいってことだな。
ヨ:うむ・・・。


ワ:先生! そんなのに行かないで下さい! イヤラしい・・・。(泣きたい!)


ヨ:同伴者か・・・。もしかすると、あの被害者が、こういうおっさん相手に仕事をしていたとすると、研修に同伴してるって可能性は高いな。
お:かもしれないねえ。(感心する)

ヨ:そうか・・・。同じように派遣してされる女の子に会って見ようか。
お:それもいいですね・・・。うん・・・。

ワ:なんでそんなことするの?!(ドキドキといらいらがワトソンを襲っている)


ヨ:まずは、動機。なんでこんな商売、始めちゃったのか。どこに、この商売に続く入口があるのか。それから手順とかさ、ホントのとこ、紐って言ったって、縛られるのはわかったけどね・・・詳しく知りたいじゃない。



ワトソンはドキドキしている。

先生がそんなものに手を出してしまったら・・・。



ヨ:この「リリー」って子、呼び出してみようかな・・・。
お:リリー・・・。
ワ:ええ!!  リリー?!



ヨソクは、「オヤッさん」がくれた携帯の記録に頻繁に出てくるリリーに目をつけた。






続く・・・・














2010/07/17 01:19
テーマ:【創】探偵物語 カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

【BYJシアター】「探偵物語」3の1





↑BGMはこちらをクリック







BYJシアターです^^



本日は「探偵物語」3の1です。

さて・・・どうなっていくのでしょうか・・・。





ここより本編。
ではお楽しみください。


~~~~~~~~~~









「せえ~の~」


「よいしょ!」


「よし!」







ペ・ヨンジュン主演
イ・ジア

「探偵物語」3の1








ヨ:できたな。
レ:できましたね。



ワトソンの弟、レオンの部屋で、2段ベッドを組み立てたヨソクとレオンは、狭い部屋の天井ギリギリに芸術的に押し込まれたベッドを見上げた。


ワ:サンキュ。入ってよかった。(満足)

ヨ:う~ん、いいんじゃない。どっちが上に寝るか知らないけど。(笑う)上は相当きついよ。
レ:そりゃあ、姉さんだろ? 
ワ:ええ~。(嫌な顔をする)

ヨ:さて。・・・洋服ダンスは自分でやるとして・・・あとは、本棚に本を出すだけか?
ワ:うん。これが多いんだ。(段ボール箱を押してくる)

ヨ:よし! 手伝ってやろう。
ワ:ありがとうです!(笑う)

レ:ねえ、その前に昼食べましょうよ。前のアパートの掃除から、ここまで働き通しだもん。おなか空いちゃった。

ヨ:そうするか? 
ワ:うん、そうですね。
  

ヨ:この辺にそば屋はあるか?
レ:ありますよ。案内します。
ワ:え、おそばなの?

ヨ:引っ越しにはそばが付き物だろ?
ワ:ジャージャー麺! (うれしそうに言う)

レ:行きましょう。

  


弟のアパートから、5分ほど歩いたところに、小さなそば屋があり、三人はそこへ入った。


弟のレオンは、ワトソンとは一つ違いで、現在は大学の空手部に所属しており、190cmと背が高く、筋肉質でしまった体つきをしている。
アバンギャルドでいて、ちょっとコケティッシュなところのあるワトソンとは一味違って、体育会系のニオイのするサッパリとした男だ。

  
ヨ・レ・ワ:いただきま~す。

ヨ:・・・ん、結構、イケるじゃない。
ワ:そうですね。
  
ヨ:レオン君、あのベッドでよくそこまで大きくなったあ。
レ:ですね。自分でも感心してます。
ヨ:・・・骨が曲がらずに、真っすぐに成長できてよかったよ・・・。(感心している)



ワトソンは今にも吹き出しそうだ。

自分のベッドで、窮屈そうに体をくねらせていたヨソクの顔が頭に浮かんだ。

  
「これって、棺桶みたいだよな」
「ねえ、棺桶に入ってもできるように練習しよう」
「いいよお」


  
レ:先生。子供のころは斜めに寝てましたからね。

ヨ:斜め?
レ:そう、対角線上ね。少しは長さが取れるでしょう。

ヨ:ああ、なるほど・・・。ところで、あの2段ベッドって、いくつまで一緒に寝てたの?
ワ:ええと~・・・。

レ:アネキが14の夏までです。
  
ワ:よく覚えてるわねえ。(驚く)
レ:だって、あれは強烈だったよ。

ワ:何が?
レ:姉さん、知らないんだあ・・・。
ワ:何を?


レ:先生。うちの母さんてすごい人なんですよ。アネキが14の夏に、いきなり、オレのところに来て言ったんです。「レオン、リリーも女になったから、これからは、もう一緒に寝られないわよ」って、それで、部屋を分けたんです。

ワ:(そばを吐き出しそうになる)うそ?! 何よ、それ。知ってたら、抗議してたわよ、私!


  
ヨソクが笑った。


  
ヨ:14の夏か・・・。ふ~ん。(にんまりして、ワトソンを見つめる)
ワ:・・・先生! (赤い顔をして睨む)

レ:それで、部屋を2つに分けたんです。これって強烈でしょ? だって、オレ、まだ中学1年ですよ。
ヨ:しかし、お宅のお母さんが、そういうこと言うのが想像できちゃうのがまた恐ろしい・・・。(笑う)きっと、ワトソンに似てる人なんだろうなあ。

ワ:似てないわよ、母さんとなんか。

レ:似てるんですよ、これが。やっぱり、血は争えないよな。
ワ:失礼ね。

  

ヨソクがワトソンの顔をしげしげと見て笑っている。
ワトソンがゲエ~と嫌な顔をする。
  

レ:ほら、こういうとこも、そっくり!(笑う)
ワ:もう!!

  
弟とヨソクは楽しそうに笑ってそばを食べる。



レ:そういえば、今朝、アネキのところで荷物を軽トラックに乗せていたら、「お引っ越しですか?」って聞かれたなあ・・・。
ワ:誰かな。どんな人だった?

レ:ん? 普通のサラリーマン風の男の人。知り合いでいる?
ワ:さあ・・・。サラリーマンなんて知らないわ。あんまりアパートの周りの人と付き合いがないから。何だろうね。

レ:ただ言ってみただけかな。
ワ:うん・・・。(食べる)

ヨ:・・・。でも、今日は火曜日だろ? 火曜日の午前中に住宅地を歩いているって。セールスかな。

ワ:なんのセールスかしらね。いくつぐらいの人だった?
レ:先生ぐらいかな。30代前半って感じだったかな。

ワ:やっぱり、知らない人よ。そんな年頃の人って、先生ぐらいしか知らないもん。
レ:そう・・・。でも、荷物運んでるアネキの後ろ姿をじっと見てたよ。

ヨ:・・・。(そばから顔を上げる)

  

ヨソクが不思議そうな顔をして、レオンの顔を見た。



  
レ:ところで、本題です。
ワ:なんか話があったの? (驚く)
レ:うん。
ヨ:・・・。

レ:アネキの荷物は預かったけど・・・。
ワ:預かったって・・・。(何よ)

レ:・・・ホントに住むんじゃないよね?
ワ:え? 住むわよ。当たり前じゃない。今日から住むわよ。

レ:・・・他に行くとこ、ないの?
ワ:何言ってるの?

レ:引っ越しって・・・カモフラージュじゃないの?
ワ:なんで? 何のためにそんなことするの? ちゃんとした引っ越しよ。あんた、何言ってんのよ。


レ:先生とアネキって・・・違うの? (二人を見る)

ワ:な、な、な、何がよ? (少し動揺する)
ヨ:ゴホン!(咳込む)
  
レ:違うんだ・・・?
ワ:ち、ち、違うわよ。
  
レ:ふ~ん・・・そうなんだ・・・。へえ・・・。
ワ:バカねえ。

レ:ふ~ん。実は、オレのとこ・・・友達が来るからさ・・・。
ワ:いいわよ、来ても。

レ:それがさあ・・・。ちょっと困るんだよね・・・。

ワ:友達のために、アネキを捨てるの?
レ:いや・・・。
ヨ:??


レ:先生のところへは行けないの? 先週は事務所にいたんでしょ?

ワ:・・・な、何、言ってんのよ! あんた、肉親じゃない・・・。普通はこういう場合、姉弟で住むものでしょ?
レ:でも、オレも困るんだよねえ・・・。

ワ:・・・彼女でもいるの・・・?
レ:うん・・・。

ワ:何よ、それ・・・。

レ:先生、ダメですか?
ヨ:ダメですかって言われても・・・。

レ:(ヨソクを見つめる) ダメですか?


ヨ:う~ん・・・。じゃあ・・・来るか?
ワ:(ドキッ)・・・。(ちょっと胸が苦しい)

ヨ:事務所でよかったら・・・。
ワ:・・・。(少し喜びが半減)

レ:どうする? アネキ。
ワ:・・・。(困る)


ヨ:じゃあ・・・おいで。
ワ:・・・。(ドキドキしている)
  
レ:よろしくお願いします。(頭を下げる) そのほうがアネキも仕事しやすいだろ? 勉強も教われるし。
ワ:・・・・。(ちょっとヨソクのことを思ってドキドキしている)

レ:大きいものは預かっておくよ。身の回りのものだけ、持っていったら? いつでも取りに来ていいからさ。

ワ:・・・何よ。・・・レオン、あんたってひどい弟ね・・・。(ボソッと言う)
レ:ごめん。
ヨ:・・・。
  


ヨソクがあまりにじっとワトソンを見つめていたので、ワトソンは胸が苦しくなった。

弟は、ヨソクが今マンションを引き払って、事務所に寝泊まりしていることを知らない。

しかしまあ、とんだことで、ワトソンは、事務所で生活することとなった。

そう。ヨソクと二人で・・・。

  
なんとなく、ワトソンとヨソクがぎごちなくなった。
弟のレオンは、おいしそうにそばをすすっているが、ワトソンとヨソクは、時々、喉にそばが詰まるのか、咳払いをした。










勉強道具と着替えはそのまま段ボールに詰めたまま、軽トラックは事務所に戻った。





ワ:・・・よろしくお願いします・・・。(仏頂面で頭を下げる)

ヨ:・・・うん・・・。まあ、今までの続きということで・・・。ベッドは、半分ずつ使おう・・・。
ワ:はい・・・。



ワトソンはちょっと硬くなりながら、自分のデスクに本や教科書を並べる。
  

ヨ:何だよ・・・寡黙だなあ・・・。(笑う)
ワ:・・・ふ~ん。(溜息)

ヨ:あいつに一杯やられたな。(笑う)
ワ:え?(ヨソクを見る)

ヨ:さすが、ソウル大の空手部だ。
ワ:・・・。

ヨ:でも、オレがここに住んでるの、知らないんだろ?
ワ:ええ・・・。


ヨ:まあ、いいさ。・・・何だよ、おまえ。硬くなるなよ。どうしたんだよ。

ワ:だってえ・・・一緒に暮らすなんて・・・。
  
ヨ:・・・今までと変わらないだろ?
ワ:そうだけど・・・。

ヨ:おまえは嫌なの?

ワ:嫌って・・・。(口ごもる)

  

ヨソクがワトソンの横へやってきた。

  

ヨ:「放ったらかしにして」って、この間、毒づいてたくせに。
ワ:あの時とは、状況が違うでしょ?
  
ヨ:(笑う)何だよ。おまえ・・・。(にんまりする)

ワ:何かなあ・・・。

ヨ:うれしくないの?

ワ:・・・そう言われると・・・。

ヨ:うれしいだろ?



そう言って、ワトソンの顎を掴む。


ヨ:だろ?(顔を覗く)

ワ:う~ん・・・。

ヨ:(笑う)往生際が悪いやつだな。




ヨソクが体を摺り寄せて、ワトソンを抱いた。



ワ:ホントにいいのね?(顔を見上げる)

ヨ:うん・・・。うちの大切なスタッフさんだからね。
ワ:もう・・・。(睨む)

ヨ:14の夏なんだ・・・。(笑う)

ワ:(赤くなる)何よ。

ヨ:奥手なんだな・・・。
  

そう言って、ワトソンの胸に手を当てた。
  

ワ:だから、何よ?(下を向く)

ヨ:まだ、胸が大きくなってそんなに経ってないんだ・・・。
ワ:だから・・・?
ヨ:別に・・・。(笑う) ちょっと秘密を知るって、うれしいじゃない。
ワ:・・・バカ・・・。



ヨソクがワトソンの顔を上げて、やさしくキスをした。

ワトソンは上目遣いをして、ゆっくりと微笑んだ。





続く・・・・



2010/07/15 22:47
テーマ:【創】探偵物語 カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

【BYJシアター】「探偵物語」2の2





↑BGMはこちらをクリック





BYJシアターです^^


キーイーストもまた大きなところへお引越しされて
joonの周りは安泰のようです^^




本日は、「探偵物語」2の2です^^

ところで、このストーリーは殺人事件を扱うので
そういうのが苦手な人は・・・やめておいたほうがいいかもしれませんvv*



こちらは全くのフィクションです。
実際の警察や探偵、事件とは異なります。






ここより本編。
ではお楽しみください^^




~~~~~~~~




ぺ・ヨンジュン
イ・ジア 主演
「探偵物語」2の2






5日ほどして、探偵事務所のチャイムが鳴って、年の頃では50前後の女性が現れた。

  
ソ:すみません。こちらは、ペ・ヨソク先生の探偵事務所でしょうか?
ワ:はい。

ソ:あ、あなたは、もしかして、チョン・リリーさんですか?
ワ:え? あ、そうですが・・・。

ソ:私、パク・ウンジュの母の、ソ・ウンスと申します。
ワ:・・・? (わからない)


ソ:・・・先日・・・アパートの2階の部屋で、発見していただいた・・・。
ワ:あ・・・。

  
母親は切なそうにワトソンを見つめた。



ヨ:ワトソン。こちらへお通しして。


ワ:あ、はい。どうぞ、中へ。
ソ:失礼します・・・。


ワ:どうぞ、こちらへお掛けください。
ソ:すみません・・・。



ヨソクとワトソンは、ソ夫人の前に並んで座った。



  

ソ:この度は・・・大変お世話になりました・・・。ありがとうございました・・・。やっと、お葬式も終わりまして・・・。
ヨ:そうでしたか・・・。お母様もご心労のことでしょう・・・。お嬢さんのご冥福をお祈ります。
ソ:・・・ありがとうございます・・・。(涙を拭う)
  

ソ夫人がハンカチで涙を拭っている間、ヨソクとワトソンは黙って俯いていた。

  

ソ:実は・・・先生にお願いがあって伺ったんです・・・。
ヨ:なんでしょうか?

ソ:警察で、娘の死因を聞いて、殺されたって・・・。あんな自殺なんて、ありえませんものね・・・。もう、頭の中が真っ白になりました・・・。まだ、21になったばかりで・・・。恋もしたこともなかったのに・・・。あんな殺され方をして・・・。あの子が不憫で・・・。(言葉に詰まって涙を拭う)

ヨ:うん・・・。(頷く)
  
ソ:刑事さんとお話して・・・まだ、犯人の手掛かりもないって・・・。通り魔か怨恨かって・・・。恋人もいなかった子に、怨恨なんて・・・。ストーカーでしょうか・・・。

ヨ:・・・。

ソ:なんで、あんな酷い殺され方をしなくちゃいけないんでしょうか・・・。もう、胸が苦しくて、犯人が憎くて・・・気が狂いそうなんです・・・。

ヨ・ワ:・・・。


ソ:先生。調べて下さい。犯人を見つけてください! 警察だけに頼っていられません! 私たちもなんとかしないと。あの子が、あの子が! 私たち家族を助けてください!
  
ヨ:・・・。でも、ここはただの探偵事務所で・・・。殺人は・・・。
  
ソ:先生は、かつて殺人事件の検挙にも協力されたと伺いました。助けてください!
ヨ:・・・。 (誰だよ、そんな余計なこと言ったの・・・)


ソ:お願いです! その・・・チョンさんだって、もしかしたら、うちの子の代わりに、殺されていたかもしれないでしょう?
ワ:!(胸が痛い!)


ヨ:奥さん、少し落ち着いてください。まずは、警察に任せてみましょう。ソウル警察は優秀です。

ソ:・・・!



ソ夫人は、驚いた顔をして、ヨソクを見つめた。



こんなに、頼んでいるというのに!



ソ:人が一人死んでいるんですよ。
ヨ:だから・・・。


ワ:・・・先生。引き受けてあげましょうよ。


ヨ:何を言ってるんだ。おまえ、事の重大さがわかってないな。(睨む)
ワ:だって、かわいそう・・・。私とたった1歳しか違わないんだもの・・・。そうよ、私がそんな目に合ってたら、先生、どうするつもりですか? 見守るだけなの?

ヨ:いや・・・・。


ソ・ワ:先生!!


  
二人はすごい迫力で、ヨソクを見つめた・・・。








  


お:って、わけで引き受けちゃったんだ・・・。(やな顔をする) 先生が、もう刑事事件はやらないっていうから、安心してここに勤めてるのにさあ・・・参ったなあ・・・。(頭を掻く)

ワ:おじさんまで、ヒドイ!

お:ヒドイって、ワトソンちゃんは、まだ知らないから言えるんだよ。こっちも命がけで捜査しなくちゃいけないって事、わかってないねえ・・・。(呆れる)

ワ:でも、かわいそうじゃない・・・。

お:かわいそうなんて言ってたら、キリがないでしょう? 殺されちゃう人なんて、いっぱいいるんだからさあ。

ヨ:おじさん!(顔をしかめる)

お:だって、先生。 こっちだって、仕事なんだからさあ。
ワ:・・・。


ヨ:いずれにしても、これは、もう引き受けてしまったわけで・・・。オヤッさんもいろいろデータを横流ししてくれるって言ってるし。

お:そりゃあそうでしょ? あのボンクラの新人さんが担当じゃあ、所長にお願いしちゃったほうが楽だもん。それに費用は被害者の親持ち。なんて楽な話だ。

ヨ:ふ~。


ワ:二人ともやな感じ。(二人を睨む)


ヨ:何だよ、引き受けただろ? (ムッとする)

ワ:・・・まあねえ・・・。(横目でヨソクを見る)

お:私は抜けさせていただきますよ。こっちは2件、抱えてるし、もう殺人事件はまっぴら。

ワ:おじさん!

  
お:では、捜査に出かけます。失礼!


おじさんはちょっと怒ったように事務所を出ていった。




ワ:もう!
ヨ:ワトソン!
ワ:だって、あんな言い方しなくても・・・。

ヨ:おじさんはそれだけ、捜査がたいへんなことを知ってるし、嫌っていうほど、危ない目に合ってるんだ。 でも、いざとなったら、自分が出てこなくちゃならないのもわかってる・・・。現実を知ってるのさ。
ワ:・・・。

ヨ:おじさんを責めるな。 とにかく、オヤッさんがくれた調書と司法解剖の結果を見てみよう。

  
ワトソンがヨソクのデスクに近づこうとすると、ヨソクが怖い顔で睨みつけた。



ヨ:おまえは見ないほうがいいよ・・・。ある程度、目途が立ったら、教えてやるから・・・。
ワ:わかった・・・。わかりました。あ~。(溜息)








パク・ウンジュは、こうして殺されていた。

全裸の体に、手は後ろ手で縛られ、全身を麻紐できつく縛られていた。もがくと首が絞まる巻き方だ。
その姿のまま、あのアパートの小さな浴槽に沈められた。浴槽の大きさは70×75×60cm・・・。
たとえ、意識があっても、起き上がろうにも起き上がれない。
狭い穴に閉じ込められたようなものだ。

彼女は生きたまま、そこに投げ入れられ、シャワーのホースを首に巻きつけられて、固定された。
そして、手首をナイフでサッと切られて、その浴槽の水道の蛇口は開かれたまま、放置された。
いや、犯人は、彼女がもがき苦しみながら、死んでいくのを見ていたのかもしれない。



それは、オレたちが、クリーニング屋の軒先で、恋の駆け引きをしていた時か。
あるいは、酔って寝ていたオレをワトソンが足蹴りしていた時か・・・。

  

いずれにせよ、彼女は、オレたちが笑っていた時に魔の手に落ちた。
  


それが、ワトソンを苦しめているのに違いない。

もしかしたら、2階のウンジュではなく、1階に住む自分が命を落としていたかもしれない恐怖・・・。



  
しかし、どうだろう。


いくら女とはいえ、抵抗する女にこんな風に紐が掛けられるものだろうか。

少なくとも、自分にはできない。

  
まず、このような精巧な結び方はできない。
これは、紐を扱い慣れているものの仕事だ。


そして、犯人は一人なのか。
2人、あるいはそれ以上か。


嫌がる女にあれだけの紐を巻きつける・・・。2人でもやりにくいのではないか・・・。

ということは、女は抵抗しないで、それに従ったということだろうか・・・。

たとえば、複数なら、一人がナイフで脅している間に、一人が紐を掛ける。

  
「直径30ミリなる麻紐1本を使用・・・」

1本ということは、一人の人間が巻き上げているということか・・・。
この太さを扱える点を考えても、浴槽に陥れている点でも、犯人は力のある男だ。


ウンジュは、身長が165cmだ。
ワトソンとほぼ変わらない。


オレが、縛り上げたワトソンを、深さ60cmの浴槽に一人で入れることができるだろうか・・・。


レイプは・・・B型、一つだけ?
一人?

  





ヨ:オヤッさん。ちょっと教えてほしいんだけど。
キ:なんだ。


ヨソクは、この事件の調書を見ながら、キム刑事に電話をしている。


ヨ:このウンジュって子は・・・いったい、どんな子だったんでしょうね。
キ:それはおまえの分野だろ。

ヨ:しかし・・・普通の女子大生ですか?
キ:うん・・・。
ヨ:なんかわからないんです・・・。

キ:携帯の記録を回そうか・・・。
ヨ:手がかりがあるんですね?

キ:うん・・・この暗号のような内容を読み解ければ・・・。
ヨ:暗号・・・。いいんですか、いただいても?

キ:隠密にだが・・・。大変な子だよ。
ヨ:どんな?

キ:普通じゃないね。何か商売をしている・・・。
ヨ:商売?

キ:非合法のな。

ヨ:薬とか?
キ:いや・・・。

ヨ:売春?

キ:に近いかもしれないな・・・。その道のバイトでもやっていたように思われる節がある・・・。

ヨ:・・・。

キ:ま、あとで届けるよ。
ヨ:すいません。
キ:とんでもない娘だ・・・。
ヨ:では、よろしく。




ヨソクがしかめっ面をして、ゆっくりと受話器を置くと、ワトソンがヨソクのほうへやってきた。

  
ワ:売春て?

ヨ:・・・。(首を横に振る) まだ、わからない・・・。でも、ただの、普通の子じゃないかもしれないね・・・。

ワ:でも、恋もしたことないって、お母さんが・・・。
ヨ:お母さんはね。(イスの背にもたれて、ワトソンを見る)
ワ:・・・。


ヨ:ワトソン、殺されるには理由がある・・・。もちろん、通り魔もあるだろう・・・。しかし、これだけ手が込んだ方法を取るとは・・・。通り魔は考えにくいかもしれないな・・・。
ワ:・・・。 (真剣にヨソクを見る)
  

ヨ:だから・・・おまえは安心して、眠っていいんだよ。たとえ、同じところに住んでいても、同じ大学生だとしても・・・。彼女はおまえの身代わりでも、おまえが彼女の身代わりになれるわけでもない・・・。彼女には、彼女の、理由があるんだ・・・。

ワ:・・・。

ヨ:殺されるね・・・。



ヨソクとワトソンが見つめ合った・・・。





  

続く・・・






ではまた・・・


2010/07/12 22:03
テーマ:【創】探偵物語 カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

【BYJシアター】「探偵物語」2の1





↑BGMはこちらをクリック





BYJシアターです^^



本日は、「探偵物語」2の1です^^

ところで、このストーリーは殺人事件を扱うので
そういうのが苦手な人は・・・やめておいたほうがいいかもしれませんvv*



こちらは全くのフィクションです。
実際の警察や探偵、事件とは異なります。






ここより本編。
ではお楽しみください^^




~~~~~~~~





「あ、ヨソク!」

「あ、オヤッさん!」



警察の取り調べ室の前で壁に寄り掛かっていたヨソクを、刑事のキム・ソクジュンが見つけた。


  


ペ・ヨンジュン主演
イ・ジア
「探偵物語」2





キ:おい、女子大生殺し、おまえが第一発見者だって。
ヨ:まあ、そういうことになりますか。やっぱり、殺しですか?

キ:う~ん、はっきり断定はできないが、あの様子ではそうだろ? で、被害者の下の部屋に、ワトソン君が住んでるんだって?
ヨ:ええ。

キ:二人で勉強してたって?
ヨ:ええ。明日、大学のレポート提出日なんで・・・。

キ:そうか。それで何時頃、水漏れに気がついた?
ヨ:ちょうど12時を回った頃ですかね。オレが10時ごろにトイレに立った時には、洗面所の辺りに変わったことはありませんでしたから。
キ:う~ん。



ワトソンが風呂に入ったのが午後9時半頃。
そのあとに、ヨソクがシャワーを借りた。それが午後10時頃だ。

二人が洗面所をうろうろとして、ふざけ合っていた時には、全く何の変調もなかった。




ヨ:12時近くになって、床が耐えきれなくなったということですかね。

キ:まあ、そうだな。おまえがワトソン君を訪ねたのは何時だ。
ヨ:ええと、二人で一緒に仕事先から帰ったんです。ワトソンがレポートでわからないところがあるから、見てくれって。それが、午後6時頃です。
  
キ:う~ん。その時は、特に変わった物音はしなかったんだね?

ヨ:ええ。雨音もすごかったですけど、あの水漏れのぽたっぽたっていう音ははっきり聞こえましたからね。2階で乱闘騒ぎがあれば聞こえると思うんですよ。それに、オレたち、出前を取ったんです。それが来たのが、7時頃かな。その時も特に変わったことがなかったな・・・。あ、太王苑っていう弁当屋です。
  
キ:太王苑ね・・・。(メモする)・・・ということは、事件は午後6時以前にあったということだな。
ヨ:うん・・・。(頷く) あの遺体からして、もっと前でしょう。

キ:まあ、そうだろう・・・。それにしても、あの安普請のアパートで被害者もよかった。でなきゃ、あんなすぐには水漏れしないからな。発見が遅れただろう・・・。水の強さにもよるが・・・。水を止めたのは?

ヨ:警察の方です。オレはそのままにしておいたから・・・。でも、水の出方は、そんなにも強くはなかったな。しかし、犯人は、早く発見してほしかったんだろうなあ・・・。
キ:そうか?

ヨ:じゃなきゃ、水を出しっぱなしにする必要もないでしょう・・・。そのままでも、実行されてたわけですから・・・。

キ:うん、そうだな。・・・縛られて、浴槽に入れられて・・・シャワーのホースで首を絞められて・・・手首を切られる・・・だな。
ヨ:そうですね。殺してからでは、あんな風には縛れないでしょう・・・。シャワーのホースは首を絞めるというより、体を固定したと考えたほうが妥当かな・・・。あそこの浴槽は小さいから、閉じ込められたら動けないでしょう。




ヨソクは、身長が180cmと大柄なので、あの浴槽に入って座るのも苦しい・・・。
だから、いつもシャワーしか浴びない。

  

キ:うん・・・。残虐だ・・・。

ヨ:死後経っても一日。半日ってとこでしょうか?
キ:そのくらいだな。あの様子じゃ。ところで、ワトソン君は?
ヨ:今、医務室で安定剤をもらってます。
  
キ:遺体を見たのか? (驚く)

ヨ:いえ、それはなかったんですけど。オレが中に入るなって言ったから。
キ:それはよかった・・・。


ヨ:でも、天井に浮かんだピンクのシミと、2階の部屋から湧き出るピンクの水は見てるんですよ。それに、被害者が同じ女子大生だったって聞いて、ちょっと放心状態です。

キ:うん・・・。それは辛かったなあ・・・。


ヨ:通り魔・・・?
キ:う~ん・・・怨恨かもしれん・・・。
ヨ:・・・。


キ:ところで、今日はどうする? ワトソン君の泊まるところはあるのか? 下にも鑑識が入るぞ。
ヨ:あそこには戻れませんよ。気持ち悪くて・・・。今日は事務所で預かります。

  
キ:これから先、どうする?
ヨ:弟もソウルにいるんで、そこに行くと思います。
キ:そうか。ご両親は今、東京だったなあ。
ヨ:ええ。自宅を貸しているので、家には戻れないんです。

キ:うん、まあ、おまえのところにいれば、安心だ。面倒見てやってくれ。まるでオヤジみたいな言い草だが、この年になると、つい、オヤジになっちまうよ。(笑う)
ヨ:はい。(笑う)今日はこれで帰っていいですか?


キ:また、何かあったら、よろしく頼むよ。ああ、うちの新人さんに送らせるよ。外はまだ雨降りだ。
ヨ:すいません。(軽く頭を下げる)


  





ヨソクが警察の医務室からワトソンが出てくるのを待っていると、ワトソンは婦警に付き添われてよろよろと出てきた。


ヨ:あ、すみません。(駆け寄る)


婦:安定剤が効いてるので、少しふらつきますけど・・・。
ヨ:すいません。おい、大丈夫か? (ワトソンを抱きかかえる)
ワ:うん・・・。(げっそりしている)


ヨ:どうもお世話になりました。(軽く頭を下げる)行くぞ。
ワ:うん。掛け布団、持ってきた?
ヨ:あそこに置いてあるよ。



ベンチの上に、ワトソンのボストンバッグと、紐で括って小さくなっている掛け布団があった。


ワ:うん。



ヨソクがワトソンを抱きかかえるようにして、歩く。




新:お待たせしました。ヨソク先生。お送りします。
ヨ:?
新:あ、オレ。いえ、自分は大学時代、先生の「犯罪者の心理」の授業を取ってたもので。
ヨ:ああ、そう・・・そうか・・・。じゃあ、すまないけど、あそこにある彼女の布団とバッグを持ってくれるかい?
新:わかりました。



刑事課の新人は、ワトソンの荷物を取りにいった。



ヨ:歩けるか?
ワ:なんか、足元がおぼつかないの・・・。薬のせいね。普段、薬なんて飲まないから。すごく効いてる・・・。

ヨ:そうか。(心配そうに)背負うか?
ワ:え? こんなとこで・・・?

ヨ:じゃあ、もっと捕まれよ。
ワ:うん。(ヨソクに体を預ける)
  
新:先生。自分もお手伝いします。僕の肩にも捕まってください。(ワトソンに言う)
ヨ:あ、すまん。
  

新:先生は、もう刑事事件は、扱わないんですか?
ヨ:ああ・・・。



3人はゆっくり、2階から階段を下りて、パトカーへ向かう。



新:寂しいなあ・・・。先生には続けてほしかったなあ。
ヨ:一度、撃たれたからね・・・。それで、今は民事事件だけだ。


そう・・・ほとんどが、浮気の素行調査ばかり。



新:そうですか・・・。 あ、車を玄関につけるので、ここでお待ちを。先生、布団、お願いします。バッグは持っていきますから。
ヨ:(受け取る)あ、ありがとう。




刑事の新人さんは、雨の中、覆面パトカーのほうへ走っていった。



ワ:先生。撃たれたの?

ヨ:うん。ちょっと肩をかすっただけだけど。
ワ:あの星形の傷、そうだったの?
ヨ:うん・・・まあな。
ワ:そう・・・。



ワトソンが疲れ切った顔で、ヨソクを見上げた。
でも、その目はやさしく、尊敬の念が感じられた。



新:先生~。お待たせしました~。


ヨ:もう一頑張り。行くぞ。
ワ:はい。



ヨソクは、ワトソンと布団を抱えて、車のほうへ向かった。


  








ヨ:どうだ。眠れるか?



事務所のベッドに寝そべるワトソンに声をかけた。


ワ:うん・・・目が瞑れない・・・怖くて・・・。



ワトソンは、事務所の天井を見つめている。
ヨソクがデスクのライトを消して、ベッドのほうへやってきた。


ヨ:ここの天井、いくら眺めたって、何にも起こらないよ。
ワ:でも・・・。(不安げな目をする)


  
ヨソクがベッドの横に座り、ワトソンをやさしい目つきで見つめた。



ヨ:怖かったか?
ワ:うん・・・。あの水を見たら、突然、立っていられなくなっちゃった。


ヨ:今日は・・・風呂に入りそびれたな・・・。
ワ:怖くて・・・今はお風呂に入れない。
  
ヨ:体、拭くか?
ワ:うううん、いい、このままで。

ヨ:でも、あの後だったから。
ワ:でも、いい・・・。先生とだから、いいよ。そのままでも。
ヨ:・・・。(頭を撫でる) じゃあ、朝になったら入れよ。

ワ:うん・・・。だるいなあ・・・薬のせいだよね。
ヨ:早く寝ろよ。もう夜が明けそうだけど。(やさしく笑う)


ワ:先生。少しだけ、そばにいて。一人だと、あのあふれてきた水が頭に浮かんじゃうの。
ヨ:いいよ。



ヨソクは、ワトソンの横に寝そべって、腕枕をしてやる。

ワトソンがまた天井を見ている。




ヨ:寝ろよ。
ワ:うん・・・。

ヨ:天井じゃなくて、オレの顔見てたら?
ワ:・・・。(ヨソクの横顔を見る)

ヨ:好きな男の顔を見ながら、眠りについたほうがいいじゃないか。
ワ:うん・・・。

  
ワトソンは、ヨソクの顔をじっと見つめて、彼の胸に手をやった。


ワ:ここにいてね。
ヨ:いるよ。オレのベッドだからな。(やさしく笑う)
ワ:(少し笑う)そうだよね・・・。



ヨソクのシャツをギュッと掴む。


ワ:おやすみ・・・。
ヨ:おやすみ。



ヨソクとワトソンの二人は静かに眠りについた。












翌朝、10時を過ぎて、おじさんが出勤してきた。


お:おはよう~ございます・・・。あれ、先生、寝てるの?


ヨソクが応接セットで目を覚ました。


ヨ:ああ、おはよ。

お:先生、聞いたよ。 大変だったねえ、昨日は。
ヨ:ああ。
お:ワトソンちゃんは?
  
ヨ:ん? ああ。 ベッドでまだ寝てる。昨日、眠れなかったみたいだから。
お:そうか・・・。でも、現場は見てないんでしょ?

ヨ:でもね、血の色した水があふれてきたのは見たんだよ。
お:そりゃあ、びっくりだ。


ヨ:おじさん、今日は何だっけ? あ、あの一件ね。

お:あと、もう一件。あれ。
ヨ:ああ・・・あれかあ。なんか頭が回らないなあ・・・。


お:うん・・・。お茶、入れますよ。
ヨ:済まない。
お:私も飲みたいのよ、実は。(笑う)
  

ヨ:ちょっとシャワー浴びてくるわ。頭がスッキリしないから。

お:どうぞ~。





  

しばらくして、ワトソンが目を覚ました。



ワ:あれ・・・先生は?

お:シャワー。
ワ:そう・・・。

お:大変だったなあ。
ワ:うん。

お:大丈夫かい?
ワ:わかんない。

お:まあ、弁護士になったら、こういう事件を扱わなくちゃならないかもしれないから、どれも勉強だよ。

ワ:殺人事件はやだ。
お:そうか・・・。



  

ヨソクがシャワーから出てきた。


ヨ:起きたか? 少しは元気になったか?
ワ:わからないです・・・。先生、私もシャワー借りていいですか?

ヨ:いいよ。あ、今日は学校だな。
ワ:ええ。レポート出しに行かないと。
ヨ:そうか。


ワ:お借りしま~す。
  


ワトソンが着替えを持って、バスルームへ行き、しばらくしてまた戻ってきた。



ヨ:どうした? 

ワ:・・・ドア、開けて入るので・・・二人とも、こっちへ来ないでくださいね。(睨む)
ヨ:わかった。
ワ:おじさんもね!(睨む)
お:(笑う)信じてないねえ・・・行かないよ。
ワ:じゃあ、私が出てくるまで、来ちゃダメですからね!



ワトソンが洗面所へ入っていく。



お:怖いのかな?
ヨ:だろ?
お:うん・・・・。(頷く)





  

その後、ワトソンの弟の携帯にメールしたものの、返事は戻ってこなかった。
夕方になって、弟から、空手部の大会のための合宿に出ているから、今週いっぱいは帰れないというメールが返ってきた。



ヨ:どうする? ここでしばらく、共同生活するか?

お:おじさんちへ来るか?
ワ:え、いいの?

ヨ:やめとけ。
ワ:なんで?

ヨ:この人、3回、結婚してるから・・・。危ない・・・。
ワ:え! そうなの!?

お:先生。人のプライバシー、簡単に言っちゃダメよお。ワトソンちゃん、正式に結婚してるんだから。 安心して、おじさんのとこへおいで。

ワ:なんか・・・きもい・・・。私、ここにいます。

お:ひどいな。まるで、人を性犯罪者みたいに・・・。

ヨ:(笑う)まあ、いいじゃない。
お:よくないよお・・・。全く~。


  
てな訳で、ワトソンは、ヨソクのところで預かることにした。
まあ、それが順当だ。
  







続く・・・




2010/07/11 14:44
テーマ:【創】探偵物語 カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

【BYJシアター】「探偵物語」1

Photo




↑BGMはこちらをクリック




BYJシアターです^^


本日からの連載は「探偵物語」です。

これは、2007.7.19よりサークルで連載を始めました。

が!

その後、私の周りがいろいろ立て込み、連載途中で中断してしまったものです。

ここのところ、まともにシアターが書き続けられない状況が続いたので、
こうした宙ぶらりんができてしまったのですが、

このストーリーは大好きなので、
ここに連載しながら、今度こそ、最終回までたどり着きたいと思います。

ということで、以前、サークルや公式の連載を読んだけど、「忘れた~」という方は
私と一緒にもう一度読み進んでみてください^^


といっても、

壊れて空っぽになったPCに、コピーを取り込んだら、300ページもあり・・・

ホントにたくさん読んでもらったのに、申し訳なかったですvv



ということで!


こちらは途中から、本当のライブ連載になっていくので、
今までのように毎日は読めませんが、

よかったら、お付き合いください!


これは太王四神記の撮影中に書いていたものなので、
共演は、スジニのイ・ジアです。

といっても、その頃は、ジアちゃんを写真でしか知らなかったんですよね^^

それでも、ぴったりです!

それに、何でか、彼が彼女を呼ぶときの掛け声が「おい!」で、
後で読むと、笑っちゃいます^^


注として・・・

これは殺人事件ですので、そういうのが苦手な人は後半がヤバイです・・・。


と、ご忠告申し上げて、連載を始めます!^^v


BGMもストーリーに合わせているので、是非聞いてみてくださいね^^


ではこれより本編。
お楽しみください!



~~~~~~~~~~~~








「おはようございま~す」


「やだ・・・まだ、寝てるんですか!」
「・・・」
「先生、先生!」

「ああ・・・おはよう・・・」
  

探偵事務所に出勤してきたワトソンは、所長のぺ・ヨソクの呆れた寝姿に驚いた。
  

ワ:わあ。もう・・・臭い! やだあ~。


ヨ:うん? なんだよ! おい、急にカーテン開けるなよ。眩しい! 目が痛い。 おい! 目が潰れる!

ワ:何言ってるんですか? もう10時ですよ。

ヨ:あ~あ。

  
ヨソクは、横に置いてある目覚ましを潰れそうな目をしながら、覗いた。

  
ワ:起きて!


ヨ:あ~あ。


大きな口を開けて、あくびをしながら、ヨソクが伸びをした。
  

ワ:昨日・・・どれくらい飲んだんですか?

ヨ:ええっとねえ・・・忘れた~。
ワ:もう、だらしがないんだから! やだ、先生! 臭すぎ! う~、吐きそう・・・もう耐えらんない!

  
ワトソンは、窓を全開に開き、窓から顔を突き出した。

  
ワ:げ~、きもい。


ヨ:もう少しだけ寝かせてくれよ・・・。

ワ:何、言ってるんですか!



ワトソンがベッドの上に乗っかって、ヨソクを蹴った。
  

ワ:早く!早く! 起きてくださいよ。
ヨ:う~ん。

ワ:もう!


ヨソクから、力いっぱい布団をむしり取る。
  

ワ:今日はクライアントが11時に来るんですよ。
ヨ:ああ、そうだった・・・わかったよ・・・。

  
布団を取られたヨソクはまたしても、ベッドの上で大の字になって眠る。
身に着けているものは・・・薄手のパジャマのパンツだけ・・・。

  
ワ:もうやだ。なんて格好!・・・裸で寝てるなんて、風邪引きますよ。
ヨ:大丈夫だよ・・・。あ~あ。(あくび) パンツははいてるんだからさあ。

ワ:もうお! 私じゃない人が入ってきたらどうするんですか!
ヨ:他? 鍵が開けられるのは・・・あと、おじさんだろ? おまえとおじさんなら、構わないじゃないの。

ワ:・・・(バ~カ)
ヨ:あ~あ。(気持ち良さそうに伸びをしてほほ笑む)

ワ:全く知性のかけらもない!



ワトソンは怒って、ヨソクを足蹴りしてベッドから落とし、持っていた掛け布団を掴んで、ベランダに干しに出た。

所長のヨソクはベッドから落とされて、床で打った腰を擦りながら、今度はソファに倒れ込んだ。


ワ:だめだめ!
ヨ:おい・・・。

  
ワトソンが今度はソファのほうへ来て、寝ている所長のおなかに足をかけた。


ワ:もう、いい加減にしてくださいよ!
ヨ:(ワトソンの足を掴んで押しやって) おまえさあ・・・。(顔を見上げる)


ワ:早く、シャワーして! もうやだ・・・酒臭い・・・嫌われますよ。お酒抜いてくださいよお。時間がないんだから。

ヨ:わかったよ・・・うるせえなあ・・・。ホントに足癖が悪いんだから、おまえは!



ヨソクはちょっとキレて立ち上がった。



ワ:何?! 何よ、今の態度!
ヨ:なんでもござんせんよ!

ワ:なあにい~?

ヨ:もう、何で、使用人のほうが強気なんだよ!





ペ・ヨンジュン主演
イ・ジア
「探偵物語」1

  




ここは「ペ探偵事務所」。

「ワトソン」なる助手の大学生チョン・リリーと、刑事崩れの「おじさん」こと、コン・チュンソン、そして、偉大なる・・・はずの所長「先生」こと、ぺ・ヨソクの3人がここの住人である。
リリーは・・・本名で・・・本人はこんな名前をつけた親を少々恨んでいる・・・。全く、これじゃあ、ホステスの源氏名だ・・・と、彼女は思っている。

さて、先生は、自分のマンションの家賃が払えず、現在は事務所の一角にベッドを持ち込んで暮らしている。
もっとも、ここには、バスルームも小さなキッチンもあるので、生活にはなんの支障もない・・・。


いや、ある!
と、すれば、私生活がない! ということだけである。





ちょっと楽しいことにお出かけして朝帰りなどしようものなら、その時間が営業時間すれすれだと、ワトソンもおじさんも出勤してきてしまう。
それに、何を隠そう、ワトソンはここの合鍵を持っているので、下手なことはできない。
いや、してしまっているので、ワトソンの目が、最近では、「尊敬」から「非難」に変わっているのは確かだ。


階段を上ってくるワトソンとすれ違うなぞの女・・・。
もう、ゲエ~!である!

この頃の彼女の口癖は「最低・・・!」であり、それも横目のちょっとキツイ流し目で、ヨソクを眼づけするのである。



ワ:先生! お茶入りました~。
ヨ:あ、ありがとう。

ワ:二日酔いの薬も。
ヨ:サンキュ!
  

ワ:ひげ、ちゃんと剃ったほうがいいですよ・・・。顎に少し残ってます。

ヨ:ホント? そうかあ?(あごの辺りを撫でる) おまえ、チェックが厳しすぎ! 

  
そう言いながら、ヨソクの目は甘えている・・・。


ワ:剃ってあげましょうか?(嫌そうに言う)

ヨ:・・・ああ、やって・・・。
ワ:ほら、貸してください!


シェーバーを渡す。


ワ:ちょっと顎、上げてください。
ヨ:うん。

ワ:今度は右向いて・・・。私の顔、見ないで。
ヨ:ふん。(笑って横目で見る)

ワ:・・・OK!


ヨ:サンキュ。いつも悪いねえ。(ニッコリ) さて・・・と・・・。


ワ:先生。今日はダークなシャツがいいと思います。
ヨ:なんで?

ワ:クライアント、おばさんですからね。先生の「男」で仕事取らないと。

ヨ:・・・やなやつだねえ・・・。オレはホストか・・・。ダークねえ・・・。
  

嫌がっているようで、素直にワトソンの言うことを聞く。
  

ワ:ほら、着替えるくせに・・・。


ヨ:なんか、言ったか~?
ワ:いえ。


ヨ:ん・・・。(着替えている)


ワトソンはちょっと笑って、所長のヨソクを見た。



ヨ:満足って顔してるな。
ワ:そんなことはないですよ。(睨んで笑う)
ヨ:まあ、いい。おまえがそういう顔をした時は・・・いいってことだから・・・。(睨んで笑う)
ワ:・・・。



ワトソンがちょっとふて腐れた顔をして、自分の席へ向かうと、ズボンの裾がほずれてきている。



ヨ:おい! ワトソン。おまえのパンツの裾、ほずれてるぞ。

ワ:あ! やだあ、まいった・・・。さっき、先生を起こすとき、靴脱いだから・・・。もう、サンダルの金具に引っかかっちゃったんだあ・・・。こういうミシンの仕上げってすぐほずれるから・・・。チェッ!(裾のほずれを見る)



ワトソンがデスクの引き出しの中を一生懸命に何か探している。



ヨ:裁縫道具か?
ワ:いえ。安全ピン・・・。


ヨ:貸してみろ。
ワ:え?


ヨ:縫ってやるよ。
ワ:だって、今、はいてるんですよ。

ヨ:脱げよ。
ワ:・・・。

ヨ:どうせ、おまえは縫えないんだろ?
ワ:やあねえ・・・。その言い方・・・。

ヨ:早く。クライアントが来る前にさ。
ワ:わかりましたよ。



ワトソンは洗面所で先生のバスタオルを借りて腰に巻きつけ、先生のところへパンツを持っていった。



ヨ:よし。縫ってやろう・・・。



ヨソクは自分のデスクの中から、裁縫箱を出して、マチ針を刺して縫い始める。

ワトソンは自分のデスクに座って、頬杖をつきながら、先生の仕事を見ている。


ワ:先生ってそういうの、好きですよね。
ヨ:裾あげは縫うだけでいいからな・・・。頭ん中は他のことが考えられる。時間を有効に使えるってとこかな。
ワ:ふ~ん。


ヨ:(縫いながら) そうだ、おまえ、これからどうする? もう司法試験の勉強、身を入れてやらんといかんだろう。
ワ:ええ・・・。でも・・・。私、大学院へ進もうか、今、迷ってるんです。

ヨ:ふ~ん。
ワ:今のままじゃあ、とても受かりそうもないし。

ヨ:週4日来るのがきつかったら・・・週2とか・・・週1にするか?



先生は、週1でも、私に来てほしいんだ。



ヨ:まあ、おまえも生活があるから、給料も、もう一度考え直さないといけないな・・・。(生地の表に縫い目が出ていないか見ている)
ワ:・・・。

ヨ:回数減らして、時給を上げるか・・・。

  
先生は、ホントに私にいてほしいんだ・・・。

  
ワ:先生。その件は少し考えさせてください。
ヨ:ん? わかった。

  

先生は今、縫物に集中している。
いや、頭の中は何を考えているか、わからないが。







昨日、ワトソンは、大学の構内で、民法の教官で助教授である、ソン・ドングクに声をかけられた。
彼こそ、ここの探偵事務所のアルバイトを世話した張本人だ。そして、ヨソク先生とは、大学の同期である。



ド:チョン・リリー君! リリー君!
ワ:あ、先生!


ドングクがにこやかにやってきた。

  
ド:どうだ。司法試験の準備のほうは?
ワ:まあまあです・・・。

ド:君に手間のかかるバイトを紹介した手前、ちょっと心配でね。
ワ:まあ、何とかやってます。(軽く頭を下げる)


ド:しかし、もう勉強に専念しないといかんだろう。
ワ:はあ・・・。でも、私、バイトも必要なんです。
ド:そうかあ・・・。かえってもっと単純作業のバイトのほうがよくないか? 探偵って君もなんかやってるんだろう?
ワ:まあ・・・。

ド:うん・・・。1年生の終わりからだっけ?
ワ:はい。

ド:うん・・・。あまり長いと、あいつも君を当てにしちゃうからなあ。そろそろ、替わったほうがいいかも知れないなあ。
ワ:それって・・・。ヨソク先生が言ってらしたんですか?

ド:いや。あいつは何も。最近会ってないから。まだ、やつが大学に講座を持ってた時一緒に飯も食べたけど、最近はご無沙汰だ。元気なんだろう、あいつ。
ワ:はい。とても。

ド:だろうな。 まあ、あまり仕事に追われないで、将来を考えなさい。君は将来の法曹界を担う人なんだから。
ワ:はい。ご心配おかけして、すみません・・・。






ヨソク先生は、私を本当に当てにしてるかな。



ワトソンが頬杖をついて、先生を見つめていると、事務所のドアが開いた。



お:おはようございま~す。


おじさんがにこやかに入ってきた。細面の顔をして、どこか癖のありそうな目つき。いかにも、刑事上がりである。
おじさんは50代半ばといったところか。



ヨ:(目は縫いもの)あ、おはよ。
ワ:おはようございます。

お:どうしたの? 所長。
ヨ:ん? これ? ワトソンのパンツ。


お:ワトソンちゃん、もうそろそろ縫物も覚えたほうがいいようお。
ワ:大きなお世話。(ふて腐れる)

お:いつまでも、先生に甘えちゃダメだようお。パパじゃないんだから。

ヨ:ま、いいさ。ワトソンがエラくなったら、うちの顧問弁護士を格安でやっていただくから。
ワ:先生~。格安って何ですかあ。

ヨ:これだけ、おまえに尽くしてるわけだから。安くしろよ。(笑う)
ワ:こっちだって、尽くしてますよ。


ヨ:できた! よし。

ワ:あ、すみませ~ん。



ワトソンがヨソクの所へパンツを取りに行こうとして立ち上がると、腰に巻いていたバスタオルがストンと落ちた。


ヨ・お:あ!

  
男二人の視線がワトソンの下半身に向けられた。

  
ワ:もう・・・何よ!


ワトソンが目を三角にして、バスタオルを拾う。

二人の目には、彼女の細く括れたウエスト、贅肉のないきれいなお腹、かわいいお尻がバッチリ見えた。



お:いいもの、見せてもらったなあ。ワトソンちゃん、ありがとう。(笑う)
ワ:おじさん!(睨む)

お:黒のパンティ・・・そそられるなあ・・・。(感心する)
ワ:エロオヤジ!


ヨ:早く取りに来いよ。(笑う)
ワ:もう!


ワトソンがヨソクからパンツを奪うように受け取った。
ヨソクがにんまりとワトソンを見た。


ワ:先生まで・・・。バカ。(睨みつける)


  


ピンポ~ン!



事務所のチャイムが鳴った。




ヨ:早くはけよ。
ワ:わかってますよ! 言われなくても!



ドアがゆっくり開き、女が顔を出した。



女:あのう・・・すみません・・・。
ワ:(パンツをはき終わって)はい~・・・。どちら様でしょうか・・・。

女:あのう、お電話したパクと申しますが。

ワ:あ、どうぞ。お待ちしてました。中へお入りください。奥の応接セットのほうへ。
女:あ、はい。

  
ワ:先生~。パクさんがお見えです。

ヨ:ああ、いらっしゃい。どうぞ、お掛けください。ワトソン君、お茶。
ワ:はい。


40代半ばと思われる女は、所長の顔を見ると、頭を下げて深刻そうな顔をしてソファに腰かけた。







ワ:今の人・・・美人でしたねえ・・・。
ヨ:本当だねえ・・・あれでも、ダンナに浮気されてるわけだ。結構いい女なのにな、勿体無いなあ。
ワ:・・・。

ヨ:うん? 何?

ワ:今、先生が薄汚いオヤジに見えました・・・。
ヨ:なんだよ、おまえ!
ワ:・・・。(睨みつける)

ヨ:なんだよ?
ワ:・・・。

ヨ:おい・・・。


ヨソクがワトソンの腕を引っ張る。

  
ワ:触んないでください。バッチイ!
ヨ:あ、ごめん。(思わず手を引っ込める)


ワ:先生、下心ありですか?

ヨ:何言ってるんだか、この一件はおまえにやろう。

ワ:ええ? 私、ハンサムな男の浮気がいいです・・・。自分がカッコいいと思い込んでるやつらの実態調査、好きなんですよね。

ヨ:悪趣味だねえ・・・。ま、このダンナも、結構いい男だぜ。見てみろ、この写真。
ワ:どれどれ・・・わあ、ホントだあ・・・。

ヨ:おい。
ワ:何?

ヨ:よだれ・・・。
ワ:え?

ヨ:ものほしそうだぞ。(顔を覗き込む)
ワ:・・・ひどい。

ヨ:では、よろしく!(にんまり)

  
ヨソクはワトソンにバンと書類を渡した。



ワ:もう、先生ったら! もう・・・。はい! おじさんにプレゼント! これ、先生からね。

お:いきなり、私?

ワ:だって、あのクライアント、美人だったでしょ?
お:いいの? (喜ぶ)
ワ:ふ~ん。(にんまり)

ヨ:ワトソン!

  
所長のヨソクが睨みつけている。



お:ごっつんです。(笑う)
ワ:どう致しまして。



ワトソンは自分の席に帰りながら、男二人を見る。



ワ:・・・二人とも私の知らないところで、不正行為なんてしてないでしょうねえ・・・。

ヨ:まさか。(驚く)

ワ:怪しい・・・ここって、まともな事務所ですよね?
ヨ:おまえ、何年いるの? わかりきってるじゃない。

ワ:おじさんも大丈夫ですよね? クライアントになんか、手え、出しちゃダメですよ。
お:大丈夫だよね。私ね、職場では手は出さないの。(笑う) 

ワ:・・・。(睨む)






今日もこうやって、三人は軽口をたたきながらも、気持ちよくそれぞれの仕事をしている。
嫌なクライアントや、ちょっといただけない依頼もあるが、この仲間なら結構気がおけなくて楽しい職場だ。





午後から、ワトソンと所長のヨソクは、クライアントの一つである企業に依頼の報告書を持って出かけた。
  


夕刻の帰り道、急に雨が降り出して、二人はクリーニング屋の軒下で雨宿りしている。
二人は、雨の様子を眺めている。



ヨ:結構降ってきたよなあ。雨って言ってなかったよな、今日は。
ワ:ですよねえ・・・。

ヨ:ここからどうやって帰るかな・・・。どこかで傘、買うか。
ワ:そうですねえ・・・。 あ! いけない・・・。(思い出す)

ヨ:どうした?


ワ:私、先生の布団、干しっぱなし!
ヨ:おい! なんでこんな日に布団を干すんだよお。

ワ:だって、朝、臭かったでしょ? 二日酔いで。それに、雨降るなんて言ってなかったし。忙しかったから、忘れちゃった。

ヨ:まいったな・・・。
ワ:・・・。



二人とも気まずそうにそれぞれ遠くを見ている。



ヨ:それにしたって・・・今晩はどうするんだよ・・・布団がないんだぜ。(ぼそっと言う)
ワ:そ、そんなこと言われても・・・。 ソファでもよく寝てるじゃないですか。布団なんか掛けないで。

ヨ:減らず口だなあ・・・。

ワ:・・・でも、そうでしょ?

  
気まずい。


ヨ:・・・久しぶりに・・・。


ヨソクが、ちらっと彼女の顔を見た。


ワ:・・・。(ちょっと緊張する)



二人はちょっと見つめ合うが、気恥ずしくて、また、そっぽを向いた。
ヨソクが少し柔らかい声で、気軽そうに言った。



ヨ:おまえの所に泊まるか。(そう言いながらも他所を見ている)
ワ:・・・。


ワトソンは少し赤い顔をして、ちょっと口を尖らせた。

  
ヨ:いいだろ?
ワ:・・・。

ヨ:おい。何とか言えよ。


ワ:・・・明日までに、『刑法』のレポート書かなくちゃならないんです・・・。
ヨ:ふ~ん・・・どのくらい、かかるの?
ワ:・・・う~ん・・・先生が手伝ってくれたら・・・。早く終わると思います。
ヨ:う~ん・・・。(考える)


ヨソクも口を少し尖らせる。


ヨ:どうするかな・・・。

ワ:ふん。(急に笑う)
ヨ:・・な、何だよ?(ワトソンを見る)

ワ:来たいんでしょ? ホントは。



ワトソンは、今にも噴出しそうになりながら、言った。
  

ワ:過去に先生も、未成年者に手を出したわけですから・・・。ホントは犯罪者ですよね・・・。『刑法』の勉強にはピッタリだわ。
ヨ:な、なんだよ、いきなり。人聞きが悪いなあ。
  

ヨソクは驚いて、ワトソンのほうを見た。


ワ:あの時、私、19でした・・・。
ヨ:つ、次の日、誕生日だっただろ? は、はたちのお祝いにってさ・・・おまえが言い出したんだろ?
ワ:でも、正確には未成年でしたよ・・・。先生が誕生日の日は用があるなんて言っちゃって、前日でしたから・・・。

ヨ:でも、普通、恋人同士はいいだろう・・・?
ワ:そうお?


ワトソンがそう言って、横目で睨んだ。


ヨ:おまえって、やなやつ・・・。

ワ:ふん。(笑う)手伝ってくれるの、レポート?

ヨ:少しは手をつけてあるんだろ?
ワ:もちろん。あとはまとめるだけ。でも、ちょっとわからないところがあって困ってたの。助かるわ。
ヨ:そう・・・でも、なんか面倒だなあ・・・やめようかなあ。


ワ:先生~。 ちょっとおまけつけてあげてもいいわよ。

ヨ:(ごっくん) 何?
ワ:う~ん・・・いろいろ・・・。

ヨ:たとえば?
ワ:こんなところでは、口に出せないわよ。


ワトソンは思わせぶりな顔をして、眉毛をぴくっと上げた。

  
ヨ:ええ? う~ん・・・あんなことも?
ワ:やだ。・・・何、考えてるの?
ヨ:でも、あんなこともしてくれるんだ・・・ふ~ん。(うれしそうな顔をする)

ワ:・・・スケベオヤジ・・・。
ヨ:何だよ!

ワ:ふん。(笑う)妄想は勝手ですけど。お願い。手伝って。
ヨ:ふ~ん、いいねえ。その態度。もっと頼めよ。

ワ:どうします? いろいろ・・・保障しますよ。
ヨ:う~ん・・・。今夜は徹夜になるのかな? (やる気満々)

ワ:先生。悪いようにはしませんから・・・。
ヨ:ふん・・・おまえ、ポン引きかよ。

ワ:ふ~ん。(笑う)
ヨ:ふん。(笑う)

ワ:でも、まずはレポートよ。レポート優先ね。
ヨ:ああ、いいよ。でもまあ、おまえがそんなにやる気満々でいるんじゃあ、男としては引けないな。手伝わないわけにはいかんだろう、人情として。ワトソン君・・・キミもなかなか駆け引きがうまいね。

ワ:そうお?
ヨ:ふん。(うれしそう)
ワ:これも先生のおかげ。
ヨ:よし、わかった。早く終わったら、あっちをたくさんね。
ワ:・・・。(ちょっと睨む)

ヨ:じゃあ、おまえのとこ、行くよ。
ワ:どうぞ!


ヨ:ではまずは・・・約束手形のキスね。
ワ:え?

ヨ:契約書にサインと捺印、お願いします。
ワ:う~ん・・・OK!

ヨ:きっちり、バッチリしたのをお願いします。
ワ:やあねえ・・・。

ヨ:久しぶりなんだからさ。いいじゃない。


ワトソンが首を伸ばして、ヨソクの唇にキスをした。

  
ヨ:OK! 契約成立! 善は急げだ。 よし、行くぞ!
ワ:走るの?
ヨ:そう!

ワ:だって、どしゃぶりよ!

ヨ:服なんていいだろう? どうせ、裸になっちゃうんだから!


ヨソクが走り出す。


ワ:もう、先生ったら! 待って~。








夜も深まって、ワトソンのアパート。


ヨ:おまえ、このベッド・・・そろそろ変えろよ、動きにくいよ。
ワ:だって、ママがね、ベッドから落ちるといけないからって。

ヨ:こんな枠のついてるので、寝てるやつなんていないよ。
ワ:だってこれ、子供用の2段ベッドだもん。弟もこれよ。
ヨ:あいつ、190近いじゃないか。(驚く)

ワ:だから、ちっちゃくなって寝てるの。

ヨ:すごい家だなあ、おまえんちは。
ワ:そうよ、使えるものは使えね。

ヨ:ふ~ん・・・それで、先生のものも、頭の先からあそこまで、全て使えるものは、こき使っちゃうわけだな、おまえは。
ワ:いいでしょ? 先生だって気持ちいいんだから。
ヨ:おまえねえ・・・。それにしても、このベッドって棺おけみたいだよな。
ワ:棺おけに入った後もできるように、練習しちゃう?
ヨ:おっと。そんなに好きなの? いいなあ・・・。おまえがその気なら、もっと練習しておこう。

ワ:うん・・・。先生、いい心掛け・・・。ねえ、もう一回して・・・。
ヨ:・・・いいよ・・・。
  
ワ:ねえ、もっと抱きしめて・・・。
ヨ:う~ん。
ワ:もっとキスして・・・。

ヨ:久しぶりだと、要求が多いな。

ワ:そりゃあそうよ・・・普段放っておかれてるだもん。

ヨ:そんな。学生のうちは、駄目だよ。卒業するまでは控えめにして、我慢しなくちゃ。親が泣くよ。
ワ:もう、調子いいんだから・・・ねえ。もっとやって、ねえ。

ヨ:おまえが勉強に専念できるように、普段してないんだからさ。

ワ:そういうこと言っちゃって。浮気してるからやあよ。
ヨ:してないよ。

ワ:うそつき。

ヨ:少しだけ・・・ほんの少しだけ。

ワ:ほらね・・・。ほんの少しだって、やってるんじゃない・・・。若い子だって、恋しくてしかたがない時があるのよ。そんな時に勉強だけしてろなんて酷だわ。
ヨ:フッカー。(注:淫乱)

ワ:ふん。(笑う) なんといわれても平気。先生が、私を一番好きなのはわかってるんだから。
ヨ:・・・どこから来るんだろうね、その自信。


ワ:ふん。(笑う) でも! 先生は、私がいないと、寂しくて、すぐ浮気しようとするから・・・駄目よ。
ヨ:全く。ワトソン君。キミ、それじゃ、司法試験は受からないぞ。

ワ:そんな女に誰がしたの? (笑う)

ヨ:いいねえ・・・その台詞・・・もっと言ってよ。やる気が出るなあ。

ワ:う~ん・・・もっとして。
ヨ:いいよ・・・。今夜は素直でいいねえ。(笑う)




ふと、ヨソクが、ワトソンの胸から顔を上げた。



ヨ:うん? あれ?

ワ:何?

ヨ:なんか、ぽたっぽたって音がしてない?
ワ:音?
ヨ:水漏れのような・・・。

ワ:だって、外はどしゃぶりだもん。それに、ここの軒はトタンだから雨音がうるさいわよ。
ヨ:でもさあ・・・。


ヨソクが起き上がって、耳をすませる。



ヨ:うん?
ワ:何よ・・・?
ヨ:やっぱり変だよ。どこから聞こえるんだ。


ヨソクは裸のまま、起き上がって、洗面所のほうへ行く。



ワ:やだ、先生・・・。オカルト系弱いんだから・・・。一人にしないでよ。ねえ・・・なんかあったあ?

  
ワトソンも起き上がり、薄掛けの夏用布団を握りしめて、洗面所に行ったヨソクに声を
かけた。

  

ヨ:おい。すごい水漏れだぞ・・・。
ワ:え~え!?
  


ワトソンは、裸に薄掛けを巻きつけて、洗面所のほうへ出て行く。


ワ:やだ・・・何これ・・・。


天井を見上げると、ボタボタと水が染み出てきている。


ヨ:上も同じ位置に風呂場?
ワ:だと思う・・・。こういうアパートってそうでしょ?

ヨ:深夜だけど、お二階さんのとこ、注意しに行くか。
ワ:そうですね。でも、先生、こんなに漏れてたら、気がつくはずですよね?

ヨ:うん、だな・・・。うん・・・。
ワ:・・・どうしたんだろ? 留守?

ヨ:・・・。まずは、管理人に電話するか。あれ・・・?


よく見ると、黄ばんだ天井のシミの色が、ピンクのようにも見える。


ワ:先生・・・色がついてるよね?

ヨ:管理人に電話だ!
ワ:・・・。


ワトソンが不安げにヨソクを見上げた。





60代の管理人がやってきて、二人と一緒に2階へ上がるが、その部屋はノックしても返事がない。



ヨ:開けてみてください。なにしろ、一階は水浸しになってるわけですから。
管:そうですね。



鍵を開け、ドアを開ける。


ヨ:あ、これは・・・。



中から湧き出るピンク色の水を見る・・・。



ワ:何?

ヨ:・・・おまえは来るな。
ワ:え?

ヨ:管理人さん。これは警察ものですよ・・・。
管:え?


ヨ:警察を呼びましょう!

管・ワ:!!



探偵は、管理人とワトソンを睨みつけた。






続く・・・
  




[1]

TODAY 84
TOTAL 1052897
カレンダー

2017年7月

1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31
ブロコリblog