2010/12/25 22:37
テーマ:【創】アマン第2部 カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

【BYJシアター】アマン「A Fine Day」4







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BYJシアターです^^

クリスマスも終わり^^

さあ!

BYJシアターは今日もアマンの「A Fine Day」の続きであります^^


本日は、
「アマン A Fine Day」4話です^^

とりあえず、この回はここまで~^^








ではここより本編。
お楽しみください!




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~










「すみません。お休みのところ・・・」
「いいのよ。スワンのお産だもの、皆で行かなくちゃ!」


スワンの母親が荷物を持って、ヨンジョンたちの部屋へ入ってきた。



「ヒョンス! 支度はできたか?」
「うん、もういいよ」

「あれ・・・荷物はこれだけだっけ?」
「お父さん、大丈夫? なんか・・・変だよ・・・」

「ふん。(笑う)ヒョンス。これから、お父さんになる人は皆、こんなもんよ。(笑う)」
「へえ・・・。お父さん、カメラのバッテリー、充電したまま・・・」
「おっと、忘れるところだった・・・。他にはないよなあ・・・」


頭を掻きながら、ヨンジョンが部屋の中を見回している。


「もうないよ!」

「よし! 行くか!」


「ヨンジョンさん!」
「はい」

「運転、気をつけてね。(笑う)」
「え? (笑う)もう、参ったなあ・・・」


ヨンジョンは恥ずかしそうに笑った。








主演ペ・ヨンジュン
 チョン・ドヨン

「アマン-A Fine Day-」4









母:ここからどれくらいかかるの?
ヨ:スムーズに行けば、2時間弱ですね。
母:そう。ま、大丈夫よ。初産でしょう。まだまだ始まらないわよ。
ヨ:だといいですけど。破水したって・・・。ちょっと電話してみます。


ヨンジョンは、ホテルの駐車場を出る前に、スワンの携帯に電話を入れた。



ス:はい・・・。あ、ヨンジョン。
ヨ:どうした?
ス:もうすぐスーザンが着くと思うわ。 でもね、今、動けないの。ソファで横になってる。姿勢を変えると、お水が出てきちゃうのよ・・・。
ヨ:それは困ったね・・・。バスタオルでも巻いていたら?
ス:うん、そうしてる。病院には電話を入れた。ちょうど、ヤン先生が当直でいるって。(明るい声)
ヨ:それはよかったね。だったら、安心だ。

母:ねえ、代わっていいかしら?
ヨ:あ。お願いします。お母さんに代わるよ。(携帯を渡す)


母:スワン?
ス:あ、母さん・・・。(ちょっと弱気になる)
母:陣痛はあるの?
ス:うううん、まだ。
母:なら、まだ慌てなくても大丈夫だから。落ち着いてね。出産はまだまだよ。
ス:うん・・・。
母:破水しても、すぐには感染したりしないから、大丈夫だからね。
ス:うん・・・。今、動けないの。羊水がどんどん出てきちゃうの。
母:そう・・・。スーザンさんが着たら、ゆっくり車に乗ってね。2時間もあれば、私たちもそっちへ着くからね。
ス:うん。


ヨンジョンに代わった。


ヨ:これから出発するよ。頑張ってね。
ス:うん・・・。立ち会えるといいね・・・。
ヨ:そうだね・・・。じゃあね。
ス:うん、待ってるからね。
ヨ:じゃあ・・・。



ヨンジョンは夜中の高速を飛ばして、スワンの病院へと向かった。






スワンは寝たきりの状態で、スーザンを待った。

30分ほどして、家の前に車が止まり、ドアの鍵が開く音がした。
ヨンジョンが、もしもの時のためにスーザンに家の鍵を預けておいたのだ。



スーザン:スワン! スワン! どこ?
ス:こっち! リビング!

スーザン:ジョージ。スワンはリビングよ。



スーザンは夫のジョージとやってきた。



ス:(ジョージに気がついて)あ、こんばんは。すみません。夜分に。
ジ:いいんですよ。僕が抱いていってもいいかな?


ジョージが笑顔でスワンに尋ねた。


ス:ええ。お願いします。 あと、入院用のバッグは玄関脇のイスの上に・・・。

スーザン:ああ、この赤いバッグね?
ス:そう。


体の大きなスーザンの夫のジョージが、スワンをゆっくりと抱き上げた。


ジ:掴まって・・・よし。このまま、車に乗っちゃおう。OK?
ス:ありがとうございます。

スワンは、ヨンジョン以外の男性に抱かれたことがなかったので、少し硬くなりながら、ジョージの肩に腕を回した。
スワンは抱かれながら、ジョージの顔を見て思った。

これがヨンジョンだったら、どんなによかっただろう・・・。


ジョージはスワンと目が合って、やさしく微笑んだ。
「大丈夫だよ」

スワンもにっこりと頷いた。


ああ、こうやって、ヨンジョンに「大丈夫だよ。オレがついてるから」と言われたかった。



ジョージは壊れ物を抱くように、ゆっくりとステーションワゴンの後部座席にスワンを乗せた。
スワンは後部座席に横になり、車は一路、病院へと向かった。










母:ヨンジョンさん、スワンは普通分娩なのかしら?
ヨ:ええ、一応、そのつもりで。立会い出産をお願いしてるんですけど。呼吸法も一緒にやったし・・・間に合うといいなあ・・・。

母:大丈夫よ、ヨンジョンさん。初産は時間がかかるから、間に合うわよ。
ヨ:だといいですけど。今日は主治医のヤン先生が当直でいらっしゃるそうですから、まあ、ラッキーでした。
母:そうなの? それはよかったわ。韓国の方?
ヨ:3世の方なんですよ。一応、韓国語はできるんです、ちょっと発音はおかしいけど・・・。それでも助かりますよ。
母:うん。言葉って細かいニュアンスがあるから、話が通じる先生でよかったわね。
ヨ:ええ。








病院に着いて、ヨンジョンは、母親やヒョンスより一足先にスワンの部屋へ向かった。




ヒ:お父さん、走っていっちゃったね・・・。(驚く)
母:うん。(笑う) お父さんて、かわいい人だったのね・・・。
ヒ:え?
母:だって・・・心配で飛んで行っちゃって。(ヒョンスを見る) 病室を聞いた後、私たちのこと、忘れてたでしょ?
ヒ:・・・。(笑う) ホントだね。
母:スワンは、幸せだわ・・・。


ヒ:ねえ、僕たちはどうする?
母:ゆっくり行こうか?
ヒ:ゆっくり?
母:うん。あ、ジュースでも買う?
ヒ:うん。



母親は、近くの自動販売機の前に立つ。



母:どうやって買うのかしら・・・。
ヒ:お祖母ちゃん! 僕が買ってあげるよ。
母:ありがとう。(お金を渡す)



ヒョンスがジュースを2本買う。


ヒ:お父さんの分はどうする?
母:後で。 きっとジュースどころじゃないわ。 さ、私たちも305号室、探さなくちゃ。
ヒ:僕が探すよ。 でも、こんなに早く行っていいの?
母:お部屋の前で、ジュース飲もう。じゃないと、私たちが迷子になったと思って、また心配しちゃう。
ヒ:そうだね。 あ、こっちだ。お祖母ちゃん、こっちだよ。



ヒョンスが母親の手を引いた。
二人は、真夜中の暗い病院の廊下を、手をつなぎ、楽しげに歩いた。








ヨンジョンが305号室のドアを開けた。



ヨ:スワン?


ス:あ、ヨンジョン!



スワンが笑顔でヨンジョンのほうを見た。スワンは2人部屋の奥のベッドに一人、ひっそりと寝ていた。
ベッドサイドの小さなスタンドだけがついている。



ヨ:一人?
ス:うん。今朝、隣の人は退院したんだって。

ヨ:そう・・・たいへんだったね、今日は。


スワンがうれしそうに、ヨンジョンの顔を見た。


ヨ:どうした?(笑う)
ス:ヨンジョンがいると、安心する。


ヨンジョンがスワンの顔近くに立ち、顔を覗き込んだ。


ヨ:元気そうでよかった・・・今はどうなの?
ス:今は破水の処置をしてもらって、安静にしてる。

ヨ:陣痛は?
ス:まだないの。ただ、横になってるだけ。(微笑む) とにかく、安静です!って言われちゃったの。
ヨ:そう。(微笑む)



ヨンジョンがスワンの髪をやさしく撫でて、軽くキスをした。
二人は幸せそうに見つめ合った。



ヨ:もうすぐだね。
ス:うん・・・。

ヨ:今の体勢は苦しくないの?
ス:うん。ベッドの頭が少し起き上がってるでしょ? だから、こうやって寝ていても、楽チン。
ヨ:そうか。(掛け布団をなおしてやる)


ス:母さんやヒョンスは?
ヨ:ああ・・・。(忘れてた)もうすぐ、来るよ。心配だったから、先にきた。
ス:そう。

ヨ:スーザンにもお礼を言わなくちゃね。
ス:ご主人も来てくれたの。それで、抱っこして車に乗せてくれたの。
ヨ:そうか・・・・。(手を握る)

ス:ホントはね・・・ヨンジョンに抱っこしてもらいたかったけど・・・。(笑う) でも、重いのに、ゆっくり、ゆっくり、車まで抱いていってくれて・・・。
ヨ:そうか・・・二人にお礼を言わないといけないね。
ス:うん・・・。





ドアをノックする音がした。




ヨ:はい。お母さんたちかな。

ヤ:いいですかあ?


主治医のヤンが顔を覗かせた。



ヨ:あ、先生。お世話になります。
ヤ:ご主人、間に合ってよかったですねえ。
ヨ:はい。

ヤ:それでと・・・。お二人にお話があるんです。

ヨ・ス:・・・。


ヤ:超音波を見ながら、話しましょうか。



主治医のヤンが、横にあった超音波の機材を持ってきて、スワンのお腹に当てた。



ヤ:どうです? わかりますか? お顔がはっきりわかるでしょう。

ス:かわいい。(笑う)
ヨ:かわいいねえ・・・。(うれしくなる)

ヤ:それで、見ていただきたいのは、ここの部分。お顔の下。この横に入ってるの、何だかわかる? 
ス:・・・へその緒・・・?

ヤ:そう・・・これは臍帯ね。へその緒。

ヨ:首に絡まってるっていうことですか?

ヤ:ええ。でも、今はゆるく巻きついているので、赤ちゃんに問題はありません。心音がしっかりしてるからね。ただ、これを強引に陣痛を起こして下から産もうとすると、首が絞まってしまう。
ヨ:・・・。
ス:・・・帝王切開するということですか?

ヤ:そう。そうした方がいいね。ということで、これから、帝王切開の準備に入りたいんです。
ヨ:・・・。
ヤ:ご心配なく。今は赤ちゃんも元気だし、お母さんも陣痛が来ていないし、ベストな状況ですから・・・。破水してよかったね。じゃないと、見つからないまま、大変なことになったよ。赤ちゃんがSOSを出したんだね。
ヨ:・・・。


スワンがヨンジョンの手をギュッと握った。



ヤ:じゃあ、こちらに、ご本人とご家族のサイン・・・お二人のサインをいただけるかな。



二人は手術の承諾書にサインした。




ヤ:OK。(書類を確認する)では、これから準備にかかります。後ほど、麻酔医がきますから。
ス:麻酔で寝ているうちに、赤ちゃんが生まれちゃうんですか?
ヤ:大丈夫。下半身麻酔だから、生まれたら、すぐ起こしてあげますよ。
ス:わかりました。

ヤ:ご家族の方が病室の外にいたけど・・・ここで待ちますか?
ヨ:どのくらい、かかるんでしょうか?

ヤ:今・・・午前1時40分でしょ・・・これから、麻酔医が来て・・・う~ん、4時まではかからないと思うけど。手術自体は時間がかからないから。
ヨ:わかりました・・・。では、どうするか聞きます。僕は手術室の前で待機しますので・・・。

ヤ:わかりました。

ヨ:よろしくお願いします。
ス:よろしくお願いします。


ヤ:では。




ヤン先生は、ドアのところまで行って振り返った。



ヤ:かわいい赤ちゃんにもうすぐ会えますよ。かなり美人のお嬢さんだな。


先生は笑って出ていった。




ヨンジョンとスワンは一瞬、唖然として・・・そして、顔を見合って、笑った。



ヨ:かなり美人のお嬢さん?
ス:女の子?

ヨ:女の子か・・・。(呟く)


ス:でも、何よ。今まで明かさないで、最後に・・・。ヒド~イ。なんで今なの! 楽しみが減っちゃうじゃない!
ヨ:女の子ね・・・。(微笑む)いいじゃない、うちに女の子が来るんだよ。
ス:もう! パパはすっかりデレデレね。(睨む)今のタイミング、どう思う?
ヨ:ホントだね。いい先生だと思ってたのに。(笑う)
ス:全く!(笑う)


ヨ:でも、楽しみが増えたな・・・。スワン、頑張って。赤ちゃんは元気なんだから、もう一頑張りだよ。
ス:わかった。でも・・・ごめんね、ヨンジョン。

ヨ:・・・なんで?

ス:帝王切開だと、何人も産めないもん。

ヨ:いいよ。ヒョンスもいるし、かわいい娘も来るし・・・。十分だよ。(やさしく見つめる)
ス:うん・・・。
ヨ:それに君がいるだろ?
ス:・・・。
ヨ:二人の時間も確保しなくちゃ・・・。
ス:・・・うん・・・。(うれしい)


ヨ:そうだ、お母さんたち、呼ばなくちゃ。待たせっぱなしだ。





ヨンジョンが病室のドアを開けた。



ヨ:すみません・・・お待たせしちゃって。
母:いいのよ。(笑う)おかげで、ヒョンスと楽しい時間が持てたから。ね、ヒョンス。
ヒ:うん!

ヨ:ホントに?
母:(笑う)ホントよ。さあ、スワンに会いましょう。




母親とヒョンスが部屋に入ってきた。




ス:あ、母さん。ヒョンス。こんな夜中にごめんね。
母:いいのよ。赤ちゃんは時を選ばないから。


ス:ヒョンスも眠いよね。
ヒ:大丈夫だよ。

ス:なんか、ヒョンスが大人に見えるわ・・・。大きくなったねえ・・・。


すっかり、逞しくなったヒョンスの姿が目にまぶしい。



母:ヨンジョンさんに似てきたでしょ?
ス:ホント。ヒョンス、雰囲気がお父さんに似てきた。
ヒ:ええ~ホント? (照れる)
ヨ:おまえ、嫌なのか?(笑う)
ヒ:そうじゃないけどさ。(笑う)


ス:実はね、赤ちゃんのへその緒が首に巻きついているので、これから帝王切開なの。
ヒ:・・・。
ス:お腹を切って、赤ちゃんを取り出すの。
ヒ:大変だね。
ス:でも、赤ちゃんは元気なんだって。
母:そう、それは大変だわ・・・。

ヨ:お母さんとヒョンスはどうする? ここで待ってても徹夜になっちゃうから・・・一度家に帰るかい?
ヒ:どうする? お祖母ちゃんと一緒がいいな。

母:そうねえ・・・。(ヒョンスを見る)じゃあ、ここはヨンジョンさんに任せて私たちは帰る?
ヨ:それじゃあ、送っていきます。家までは車で15分だから、二人を置いて戻ってからでも、手術に間に合うし。
母:そうお?

ヨ:ええ、麻酔医がこれから来るんです。
母:そうなの。じゃあ、また明日来るね。そうしたら、かわいい赤ちゃんも見られるし。
ス:うん。母さん・・・ヒョンスをよろしくね。
母:わかった。

ス:あ、そうだ! 冷蔵庫にヒョンスの好きなレモンケーキとプリンが入ってるから。
母:よかったわね。
ス:母さん。私が作ったの。一緒に食べて。
母:・・・お母さんらしくなったんだ・・・。(うれしい)

ス:・・・・。

ヒ:ありがとう。少し、お腹が空いてきちゃったから、うちへ帰ったらすぐ食べていい?
ス:いいよ。

ヨ:じゃあ、お母さん、行きましょう。スワンの手術までに戻りたいから。
母:あ、そうね。パパさんは、心配性だから。
ス:え?
母:なんでもない。スワン、頑張ってね! グッド・ラック!(おどける)
ス:母さんたら!(笑う)


ヨ:じゃあ、送ってくるよ。なんかあったら、ナースを呼ぶんだよ。
ス:わかってる。気をつけて行ってきてね。
ヨ:うん。






ヨンジョンは二人を自宅へ送っていった。

家の玄関のカギを開け、荷物を入れると、母親がヨンジョンに言った。



母:もう行ってちょうだい。心配でしょ? 後はヒョンスに聞くから。

ヨ:すみません。ヒョンス。お祖母ちゃんの部屋はお前の隣の部屋だよ。
ヒ:わかった。

ヨ:あ、スーツケースは運びますよ。
ヒ:お父さん、僕がするからいいよ。
ヨ:でも、重いぞ。
母:重いものは明日、運んでもらうわ。ヒョンスと楽しくやるから、OKよ。

ヨ:じゃあ・・・よろしく。
母:生まれたら、電話ちょうだいね。
ヨ:わかりました。

母:帰ってこなくていいから。
ヨ:・・・。
母:こっちに気を使わないで、スワンのところに泊まっていいから。
ヨ:・・・すみません・・・。ヒョンス、お祖母ちゃんを頼んだよ。
ヒ:うん!






ヨンジョンが出ていくのを、ヒョンスが窓から眺めている。



母:ヒョンス、今日のお父さんはいつものお父さんとちょっと違うね。
ヒ:うん・・・。


ヒョンスは、車が出ていくのを、ちょっと寂しそうに見ている。


母:また少し、お父さんがどんな人か、わかったわね。
ヒ:・・・。
母:とっても家族思いでしょ? きっとヒョンスが生まれる時も、ああやって、いつもよりちょっと心配性で、あわてんぼだったと思うわ。
ヒ:そうかな?
母:うん。人ってそう変わらないものよ。きっとそうだったわ。だから。赤ちゃんを見るお父さんの目を見たら、ヒョンスが赤ちゃんの時に、どんな風に愛されていたか、よくわかるわよ。
ヒ:ふ~ん・・・。


母:スワンのケーキ、食べてみようか。
ヒ:うん!
母:少しは、上手になったの?
ヒ:おいしいよ。僕はレモンケーキが好きなんだ。お祖母ちゃん、キッチンはこっちだよ。










ヨンジョンは、産科の手術室の前のベンチで転寝をしていた。今日は、一日中動き回って、徹夜でここにいる。



ナ:お父さん! お父さん! チェ・ヨンジョンさん!

ヨ:あ、はい!


ヨンジョンは慌てて飛び起きた。それを見て、ナースが下を向いて笑った。


ナ:赤ちゃんが生まれましたよ。中で抱かれますか?
ヨ:いいんですか?
ナ:どうぞ。手術着に着替えてお入りください。
ヨ:あのお、妻は元気ですか?
ナ:ええ・・・。赤ちゃんを見て、涙ぐまれてましたよ。
ヨ:・・・。

ナ:どうぞ、ご案内します。
ヨ:はい。






手術着にキャップをかぶり、マスクをしたヨンジョンが手術室へ入ってきた。
手術台で寝ているスワンと目が合うと、スワンはちょっと誇らしそうに微笑んだ。



ヤ:お父さん。どうぞ、抱いてあげてください。
ヨ:・・・。


ヨンジョンが幸せそうに赤ん坊を見た。


ヤ:やっぱり、女の子だったねえ・・・。美人だ。



ヤン先生の手から、ヨンジョンの腕の中に小さな命が渡された。
赤ん坊は顔をしかめているが、鼻筋の通ったかわいい赤ちゃんだ。



ヨ:ああ・・・。(うれしそうに見つめる)
ヤ:かわいいでしょう?
ヨ:ええ・・・ありがとうございます・・・。


ヨンジョンはやさしい目をして、赤ん坊をじっと見つめ、スワンを見て、また微笑んだ。


ヨ:スワン・・・ありがとう。
ス:うん・・・。


スワンの目がきらっと光った。



娘の顔は、どことなくスワンに似ていて、自分の鼻筋にそっくりだ・・・。
そこには、昔から知っていたような懐かしさがある。



ヨ:(腕の中の娘に)君のパパだよ。よろしくね。



ヨンジョンがやさしく話しかけると、赤ん坊は父親の腕の中で安心しているのか、長い指を動かして、力いっぱい顔をしかめ、大きくあくびをした。














さて!

もう年末ですね~

先日、孫さんがHappy Holidayと書いていて・・・

思い出しました~^^


過去の作品ですが、そういうタイトルのオムニバスがありました^^

今までの登場人物のクリスマスから年末にかけて
どうしているか^^というオムニバスなストーリー^^

明日からはこちらをアップします~^^


お楽しみに^^






2010/12/23 01:15
テーマ:【創】アマン第2部 カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

【BYJシアター】アマン「A Fine Day」3









う~ん・・・どこまでいっても、美しい~^^

こんな姿は家族しか知らないシークレット^^

ガクトさんも参加しちゃって、好きになっちゃってるけど、
このカーデとこのブーツで、ヨンジュン・オーラをガンガン感じちゃって

彼はjoonに感動^^

君の目は正しいですよ~^^











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BYJシアターです。


さあ!

BYJシアターは今日もアマンの「A Fine Day」の続きであります^^


本日は、
「アマン-A Fine Day」3話です・・・。



ヒョンスは・・・スワンはどうしたでしょうか・・・。



これより本編。
お楽しみください^^





~~~~~~~~~~~~~~~~~






小さな命が
私たちをより近づけてくれる


あなたと私を
もっともっと
近くに

もう私たちが
離れることはないでしょう?


二人で一人・・・
うううん、

二人で
もっともっと
大きな世界へ・・・










夜遅くなって、ヨンジョンの車が帰ってきた。
リビングで今か今かと待っていたスワンは玄関から飛び出していった。






主演:ぺ・ヨンジュン
  チョン・ドヨン

「アマン-A Fine Day-」3

(2007.7~9月作品)




ス:お帰り!

スワンは玄関前に立って、ヨンジョンを迎えた。
ヨンジョンが車のキーをかけながら、スワンのほうへやってきた。


ヨ:ただいま。
ス:ねえ、早く話を聞かせて 。
ヨ:おいおい。(笑う) あ、これはママへのプレゼント。
ス:なあに?

ヨ:ヒョンスの学校のTシャツ。
ス:へえ・・・。そんなのあるんだ・・・。




二人は、リビングへ入って、ソファに腰掛けた。
スワンがヨンジョンの土産のTシャツを広げた。




ス:素敵ね、このロゴ。EST.1893・・・へえ・・・もう創立100年以上の学校なんだね。
ヨ:そう、校舎も素敵だよお。これ、見てごらん。(デジカメを出す)
ス:わあ、いい感じ。大学みたいねえ・・・。ヒョンスはどう? 気に入ったみたい?

ヨ:うん。これが寮の部屋。同室の子は、アメリカ人。一つ上って言ってたかな。
ス:へえ・・・すっきりした部屋ね。(デジカメを覗いている)

ヨ:寮で荷物を整理してたらねえ、韓国人留学生の代表の子が来てくれて、ヒョン・ジュンホン君って言うんだけどね。校内を案内してくれて、すごく感じのいい子で、ヒョンスもうれしそうだったよ。
ス:そう。よかった・・・。その子の写真、ある?

ヨ:それは撮れなかった。(笑う) いきなり、写真をなんて言えないだろ?
ス:まあね。

ヨ:それでね、一緒に学食に行ったんだけど、ヒョンスと同じ年の子も紹介してくれて、この子がまた、かわいい、いい子なんだ。
ス:へえ。

ヨ:ジュンホン君の親友の弟で、キム・ギョンス君ていうんだ。なんか、ヒョンスとは、馬が合いそうだよ。
ス:よかったねえ。(うれしそうな顔になる)

ヨ:これで、ひとまずは、安心かな。一週間、一ヶ月・・・少しずつ、様子を見ていこう。
ス:そうね・・・。

ヨ:でも、皆なんか爽やかな感じだったから、今回は期待できそうだな。ま、行儀のいい子が多いよ。ヒョンスにはそのほうが合ってるな。


ス:ヨンジョン。お疲れ様。本当によかった・・・。何にもしてあげられなくて、ごめんね。

ヨ:・・・。そんなことはないよ。最初に、変調を見つけてくれたのは、スワンじゃない。ありがとう。


ス:うううん・・・。(首を横に振る)



スワンは、俯いて、涙を拭いた。


ヨ:バカだなあ。
ス:・・・。

ヨ:最近のスワンは、ちょっと涙もろいね。これからお母さんになるからかな。
ス:そうかな・・・。

ヨ:あとは・・・赤ちゃんが無事に生まれれば、OKだね。
ス:うん・・・。

ヨ:スワン、そんなに気にしなくてもいいよ。いい学校も見つかったし・・・。ヒョンスだって、今の君の体調をわかってるんだもん。君の気持ちもわかるさ。
ス:うん・・・。


ヨ:日曜日に電話をくれる約束になってるんだ。それで、OKならきっとうまくいくよ。
ス:・・・そうね・・・。


ヨ:さ、シャワーを浴びて寝るかな。
ス:うん・・・。




ヨンジョンは立ち上がって、2階の寝室に向かおうとして、階段に足をかけたところで立ち止まった。




ヨ:スワン・・・。
ス:なあに?

ヨ:ホントはね、オレ・・・学食でちょっと泣きそうになったんだ・・・。(俯く)
ス:・・・。
ヨ:ヒョンスの前にギョンス君がうれしそうに座って、ヒョンスに微笑みかけた時にね・・・。ヒョンスが同じように微笑んで・・・。これで、ヒョンスもやっと居場所を見つけたかなと思ったら・・・ちょっと泣きそうになっちゃったよ。

ス:ヨンジョン・・・。



スワンは、ヨンジョンの背中を抱きしめた。



ス:ホントだね・・・。きっと、きっと、うまくいくよ・・・そんな気がする。



ヨンジョンが振り返った。



ヨ:そうだね・・・きっと、そうだ。



ヨンジョンがスワンを見つめた。



ヨ:よし! ママを後ろから押してやろう!
ス:え~え!

ヨ:体が重いだろ。ほら、先へ行けよ。

ス:もう・・・。押して!
ヨ:OK!

ス:楽チン!
ヨ:だろ?
ス:ずっと押してよ。最後まで。

ヨ:おい、こっちへは寄りかかるなよ。
ス:いいじゃない。
ヨ:それ、反則だよ。
ス:押してよお。(笑う)



ヨンジョンとスワンはここのところの、心の痞えから、少し解放された気分になって、少しおどけて笑った。










日曜日の昼近く、ヒョンスからの電話があり、とても楽しくやっているという報告があった。

まだ、ギョンスたちの普通クラスには編入できないが、頑張って、来学期には、英語準備コースから普通クラスに入れるようになりたいと、楽しそうに語った。
いつも、放課後はギョンスが誘ってくれて、一緒にサッカーをしたりしていると言った。

そしてまた、ギョンスの父親は今ワシントンDCに住んでいるとも言った。



ヒ:僕んちにもうすぐ赤ちゃんが生まれるんだよって話したら、驚いてた。それから、ちょっと悲しそうな顔をしたんだ。
ヨ:なんで?
ヒ:ギョンスのお母さんは、2年前に亡くなったんだって。そっと教えてくれたんだ。
ヨ:そうか・・・。
ヒ:だから、僕もそっと教えてあげたんだ。僕もそうだよって。新しいお母さんの赤ちゃんなんだよってね。
ヨ:・・・。

ヒ:そしたら、それでもうれしい?って聞くから・・・。僕はうれしいって答えた。それに、ギョンスには、お兄さんがいるから、いいなって。
ヨ:そうか・・・。

ヒ:うん・・・。兄弟がいるっていいよねって。
ヨ:うん・・・そうか・・・。

ヒ:お父さん、僕、ここで頑張るよ。なんとかやっていけそうだよ。ジュンホンお兄さんたちもいい人だし・・・。ふざけることはあっても、苛めたりしない・・・。ここでの生活の仕方や勉強の仕方も教えてくれるから。

ヨ:それはよかったなあ・・・。(胸がいっぱいになる)

ヒ:だから、ここのサマースクールに申し込んで。6月中はしっかり勉強するから。
ヨ:わかった。
ヒ:家に戻る時期が、お母様の出産時期と重なっちゃうけど。

ヨ:それはいいよ。それに、その頃になったら、スワンのお母さんも来るからね。こっちも賑やかになる。
ヒ:そうだね! それを楽しみに頑張るよ。

ヨ:ヒョンス。まずは、よかった。でも、何かあったら、すぐにお父さんのところへ電話を入れるんだよ。いいね?
ヒ:うん。あ、これから、皆とピザ屋さんに行くから。
ヨ:ピザ?
ヒ:うん! でも、この辺には、それしかないんだって。(笑う) だから、休みの日は、いつもピザ屋さんだって。じゃあね。行ってくるね。

ヨ:じゃあな・・・。





ヒョンスの声は弾んでいた。
ヨンジョンもやっと肩の荷が下りた・・・。多少の学費の負担など、心を蝕む苦労に比べたら、大したことはない。
自分が頑張って働けばいいだけのことだ。












いよいよ、6月も下旬に近づき、スワンはいつ出産を迎えてもいい状況になってきた。


今日は、スワンの母親がボストンにやってくる日だ。
そして、ヒョンスを学校に迎えにいく日でもある。

朝早くから、ヨンジョンが出かける準備をしている。


ヨ:何かあったら、スーザンに連絡をとって、入院するんだよ。スーザンは出産経験者だからさ。


スーザンはヨンジョンの秘書で、3人の子持ちだ。


ス:うん・・・。わかった。でも、ヨンジョンが戻るまで意地でも頑張るわ。
ヨ:そんなこと言ってえ・・・ダメだよ。頑張らないで、入院しろよ。

ス:するわよ、大丈夫。心配しないで。(笑う)それより、ヨンジョンも気をつけてね。母さんを空港に迎えに行ってから、ヒョンスのお迎えなんて、忙しいけど。
ヨ:でも、お母さんもヒョンスを心配してくれてるし、学校も見たいって言ってたからね。チャンスだと思うんだ。今日は、ちょっとしたバスツアみたいなもんだよ。

ス:でも、いいなあ。参加したい! 

ヨ:スワンは、静か~にいい子で赤ちゃんとお留守番しててね。(スワンのお腹に向かって)いいかい。パパが帰ってくるまで、ママのお腹にいるんだよ。いい子にしてるんだよ。わかったね。(撫でる)

ス:パパの言うことなら、聞くかしら?(笑う)
ヨ:だといいねえ。あ、宿はわかるね。学校の前にあるここね。これが電話番号。ここで一泊して戻る。昼には帰るようにするから。

ス:(メモを見る) わかった。大丈夫よ。一日ぐらい、静かにしていれば過ぎちゃうわ。そんなに慌てて帰ってこなくたって大丈夫よ。
ヨ:そう願いたいよ。





ヨンジョンは、ボストンバッグは持って、玄関のドアの前に立ち、スワンに軽くキスをした。


ヨ:行ってくるよ。
ス:行ってらっしゃい。母さんとヒョンスによろしくね。
ヨ:うん。では、ママとお留守番、よろしくね。(お腹に挨拶する)
ス:ヨンジョンったら。(笑う)



ヨンジョンは出かけていった。





スワンはちょっと伸びをしてから、部屋を見回した。
一人になった。
ソファに寝転んでみる。
ヨンジョンが出かけてしまって、少し心細いが、実は今が全くのフリータイムだ。赤ちゃんが生まれれば、もう全くのフリータイムはないし・・・。

本を好きなだけ読んで、借りてきたDVDを好きなだけ見て、好きなだけお菓子を食べて、好きなだけ寝そべって、楽しくのんびりと過ごそう。


明日の昼には、ヨンジョンのことだもん。心配して帰ってくるに違いないもん・・・。

だから、安心して過ごす!

そうしよう!










午前10時に着く便を待って、ヨンジョンは国内線の到着ロビーにいた。
スワンの母親が国際線から途中乗り換えをして、ここボストンにやってくる。しっかり者の母親のことだ。たぶん、間違いなく、ここまでたどり着けると思うのだが・・・。



ヨ:あ!(姿が見えた)

母:あ、ヨンジョンさん!


お互い手を振り合って、近寄る。


ヨ:いらっしゃい。大変でしたね。ありがとうございます。(頭を下げる)
母:やっとたどり着いた。途中で、乗り換えを間違えそうになったの。でもね、空港の人が助けてくれて、よかったわ。
ヨ:あ、カート。
母:ありがとう。


ヨンジョンは、土産物をいっぱい載せているであろう、たくさんの荷物を積んだカートを押した。



母:キムチも持ってこられちゃった。ラッキー。(笑う)


その顔を見て、ヨンジョンがにっこりとした。


母:どうしたの?
ヨ:今、スワンにそっくりでしたよ。
母:そうお? あの子もだんだん母親に近づいてきたってことかしら?
ヨ:だといいですけど。(笑う)
母:そうお?

ヨ:ええ、お母さんのような母親になってくれたら、最高ですけど。
母:そんなこと言って。(笑う) あれで、スワンはかわいい子でしょ?

ヨ:それはもちろん。(幸せそうな顔になる)
母:そうよね。(笑う) それで、恋に落ちちゃったんだから。(笑ってヨンジョンを見る)




なんだかんだ言っても、スワンはかわいい・・・。

母親のように、落ち度のないタイプもいいが、いつも悩んだり笑ったり落ち込んだりして、あっちこっちにぶつかりながら進むスワンが愛おしい。






ヨ:ここから、ヒョンスの学校までだいたい車で2時間です。どうしますか? 少し休んでいきますか? 乗り物ばかりじゃあ、お辛いでしょう。
母:ヨンジョンさんが平気なら、このまま行きます。だって、ヒョンスが待ってるでしょう? 早く行ってあげなくちゃ。
ヨ:そうですね。 じゃあ、ちょっと飲み物でも仕入れて、行きましょうか。
母:そうね。あ、化粧室もお借りして。
ヨ:そうですね。(にっこり)









朝から1本、映画を見終えた・・・。
こんなに時間があるのに・・・なんか気乗りがしない。


いつも、ヨンジョンが隣にいると、話しかけられる間も惜しんでドラマに熱中するのに・・・。


ヨンジョンに電話してみようかな・・・。

でも、運転中か・・・。


次のを見るかなあ・・・。









母:ヨンジョンさん。スワンの具合はどうお?
ヨ:ええ。今のところ、順調です。というか、やっと物が食べられるようになって。つい最近までは、食後にしょっちゅう戻してましたから。
母:それは大変だったわね。
ヨ:だから、ここのところで、急にお腹が大きくなってきたみたいです。
母:そう。臨月になると大きくなるのよ。
ヨ:今は早く産みたいみたいで。(笑う) 早く腹ばいになって、本が読みたいとか、あおむけで寝たいとか、そんなことばっかり言ってますよ。
母:そう。元気な証拠ね。でもね、この前は、ヒョンスのことを心配して泣いていたから。
ヨ:そうでしたか・・・。

母:ちょっと情緒不安定かも・・・。それにしても、ヒョンスの学校がうまくいっているみたいでよかったわ。
ヨ:ええ。今日は久しぶりに会うので・・・どうしたかな・・・。
母:ホントね。成長が楽しみね。
ヨ:ええ・・・。








スワンは、なんとなく気分が乗らなくて、DVD鑑賞もやめて、横になりながら、本を読む。それでも、すぐに飽きてしまって、やることがなくなった。


やっぱり電話してみよう。



ヒョンスの学校へ行く途中、ガソリンスタンドで、ヨンジョンの携帯が鳴った。



ヨ:はい。どうしたの?
ス:なんか、飽きちゃった。
ヨ:なんだ。具合でも悪くなったのかと思ったよ。
ス:それは大丈夫・・・のはず。ただ、なんかだるい感じ。
ヨ:寝てろよ。
ス:それも飽きちゃって・・・。
ヨ;困ったやつだなあ・・・。

ス:母さんは?
ヨ:今、トイレ。
ス:そう。これから、学校?
ヨ:うん。

ス:そっか・・・。あと一日ね・・・なんとかするわ。

ヨ:ドラマが好きなんだから、見てればいいのに。赤ん坊が生まれるとそんな時間もなくなるからさ。
ス:そうなんだけど。今日は身が入らないの。

ヨ:じゃあ、ママ、赤ちゃんに絵本でも読んであげて。
ス:そうだね・・・。そうする。
ヨ:じゃあね。でも、ホントに体調が変わったら、スーザンに電話しろよ。
ス:アイアイサー。大丈夫。じゃあねえ。






スワンは、電話を切って、絵本を手にする。
独身が長かった分、自分の時間を上手に使えたはずだったのに、ヨンジョンと結婚してからは、かなりヨンジョンに依存してきてしまっている。

ヨンジョンがいないときは、ヒョンスに・・・。


今は、二人ともいない・・・。



あ~あ・・・。

そうだ! ケーキでも作ろう!

母さんにそんなこともできるようになったところを見せなくちゃ。

ヒョンスの好きなレモンケーキ!




スワンは嬉々として立ち上がって、キッチンへ行った。









母:ここ?

ヨ:ええ。ほら、前の建物が学校です。
母:まあ・・・。

ヨ:まずはホテルにチェックインしてから、歩いていきましょうか?
母:そうね。ずいぶん大きな素敵な学校ね。ゆっくり散策したいわ。

ヨ:じゃあ、お母さん。まずはチェックインしましょう。









あ、そうだ!
プリンも作っておこう!

結構、気分が晴れるなあ。









母:素敵なところね・・・。ハリーポッターもびっくりね。


母が学校の芝生の中庭を気持ち良さそうに歩く。


がっしりとした建物が建っている。


母:まるで、大学みたい。
ヨ:そうでしょう? ヒョンスを呼び出してもらいましたから、もうすぐここに来ると思います。
母:そう。なんか、どきどきしちゃうわ。



すると、寮のほうから走ってくる男の子がいる。
ヒョンスにしては、大きいような、しっかりしているような気がしたが、それは、ヒョンスだった。




母:ヒョンスね! まあ、なんてしっかりして・・・。 ヒョンス!  ヒョンス!




母親もヒョンスのほうへ小走りに走る。

ここに、スワンがいたら、きっとヒョンスの姿を見て、走り出すだろう・・・。







ヒ:お祖母ちゃん!!

母:ヒョンス!


母親がヒョンスを抱きしめた。



母:大きくなったわねえ・・・。顔をよく見せて・・・。まあ、ずいぶんしっかりして・・・。

ヒ:お祖母ちゃんに会いたかったよ。
母:うん・・・。私も。

ヒ:・・・。あ、お父さん!

ヨ:元気そうだな・・・。
ヒ:うん。

母:そうかあ・・・。お父さんによく似てきたんだ・・・。ヒョンスを遠くから見た時、誰かに似てると思ったら。背が伸びて、雰囲気がお父さんに似てきたのね。
ヨ:そうですか?
母:きっとスワンも驚くと思うわ。

ヒ:そうかな。お祖母ちゃん、学校の中、見る?
母:うん、見せて。いい所ねえ。
ヒ:すごくいい所だよ。
母:そうなの? (うれしそうにヒョンスを見る)

ヒ:勉強は厳しいけどね。(笑う)友達もできたし。楽しいよ。

ヨ:今日は、ギョンス君は?
ヒ:お迎えが午前中だったんだ。それで、もうワシントンに帰っちゃった。
母:そうだったの・・・。私が一日早く来ればよかったわね。

ヒ:また今度、会えるよ。ずっと一緒だもん。

母:そっか。案内して。
ヒ:うん!




ヒョンスは、「ずっと一緒だ」と言った。顔の表情も明るくなって、ヒョンスはここでやっていくつもりだ。

ヨンジョンは、言葉には出さなかったが、ヒョンスの成長がまぶしかった。











スワンは、ケーキとプリンを作り終えて、久しぶりに冷麺を作り、満足げに食べた。


そうそう、この味よね。


スワンは、久々の冷麺に幸せな気分になった。











ヒ:お母さん、一人で寂しがっているかな?
ヨ:そうだな・・・。今頃、一人で冷麺食べているかもしれないね。(にっこり)
ヒ:そうだね。 お祖母ちゃん、おいしい?
母:うん。おいしい。韓国からキムチやいろいろ持ってきたから、ヒョンスの好きなものを作ってあげるね。
ヒ:うん。
母:あとで、スワンに電話してみようか。きっと寂しがっているから。
ヨ:そうですね。









さて。
もう寝ちゃおうかな・・・。


そうだ!
また、満月にお祈りしなくちゃ。

元気な赤ちゃんと、ヒョンスが幸せでありますようにって。


その前にお風呂に入っちゃおう。









母:かからない?
ヨ:ええ・・・。風呂でも入ってるのかもしれませんねえ。なにしろ、一人で暢気にしていますから。
母:そう・・・・。じゃあ、また寝る前でも。
ヨ:ええ。








ああ、気持ちよかったあ・・・。



スワンはドカ~ンとベッドに大の字になった。


あ~あ・・・。でも、苦しい。ふ~。



長くはこの体勢は無理だ。




でも、なんかやる気が出てきた。

ドラマのDVD、まとめて見ちゃおうっと。



スワンがベッドからさっと降りて、階段を降り始めると、股の間がぐっしょりと濡れた。



あれ・・・。
おしっこじゃないよね・・・・。


これって・・・。

もしかして、破水?



スワンが足元を見ると、階段のカーペットまで濡れている。



そうだあ・・・。

ヨンジョン!




ヨンジョンの携帯に電話を入れるが、なかなか出ない・・・。


お風呂かも・・・。


スーザン、スーザン!



一階のデスクの上の緊急電話番号を見る。






ス:もしもし! 夜分すみません。スーザンいますか? あの、キム・スワンです。 J&C建築事務所のチェ・ヨンジョンの家内です。

夫:ああ、こんばんは。今、シャワーなんだけど、急用?

ス:あのう・・・今、破水しちゃって・・・。

夫:お~、それは大変。シャワーから出たら、そっちに向かわせるよ。ええと・・・ああ、患部をきれいにして、ナプキンを当てて、入院準備して待ってて。

ス:あ、はい!





ふ~。

そうだよね、3人の子持ちだもん・・・ダンナだって、知ってるよね・・・。



ああ・・・ヨンジョン! ヨンジョン!





ス:早く出て・・・早く出て・・・。


ヨ:あ、はい・・・。
ス:ヨンジョン! 破水しちゃったあ!
ヨ:ええ! スーザンは?
ス:今、シャワーだけど、出たらすぐにこっちへ向かってくれるって。

ヨ:ああ、そう・・・。それはよかった。 今、11時か・・・。これから、帰るよ。
ス:ええ! 

ヨ:今からだったら、間に合うだろう? 途中で電話を入れながらいくから・・・。
ス:うん・・・。

ヨ:スワン。頑張って。

ス:うん・・・。大丈夫よ。意外に動揺してないの・・・。決戦を前にして、気持ちが決まったって感じ。

ヨ:そうか・・・よかった・・・。スワンはお母さんだもんね。じゃあ、これから、そっちへ向かうから。スワンはスーザンに送ってもらって病院へ行ってて。

ス:うん。じゃあ・・・。


ヨ:スワン、愛してるよ。


ス:ヨンジョン・・・。うん・・・頑張るから!





いよいよ、スワンも出産の時を迎えた。









続く・・・・





2010/12/22 01:51
テーマ:【創】アマン第2部 カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

【BYJシアター】アマン「A Fine Day」2










↑BGMはこちらをクリック







BYJシアターです^^

今回の来日は・・・
お互いの垣根がちょっと取れた・・・感じがしましたね。


いつも韓国の家族がうらやましかったよね。

でも、ちょっと近づいた・・・そんな気がしました^^

日本のjoonはちょっと甘ったらしくて・・・そこもいいです^^

甘えてください・・・胸を貸します^^ 爆


アシア流ですからね^^

もうおんなじように愛していただいて^^


では、

本日は「アマン-A Fine Day-」2話です^^

「アマン」の第1部がまだの方は←一部からどうぞ^^
スワンのドキドキの恋に一緒にときめいてください^^
そのほうがヨンジョンの素敵さがわかります^^



ではこれより本編。
お楽しみください^^






~~~~~~~~~~~~~~~~








小さな命が
私たちをより近づけてくれる

あなたと私を
もっともっと
近くに

もう私たちが
離れることはないでしょう?


二人で一人・・・
うううん、

二人で
もっともっと
大きな世界へ・・・












「ヨンジョン、そんなに性急に・・・」
「子供は生きているんだぞ。一分一秒が惜しいところだよ」
「そうだけど・・・」

ヨンジョンは、一週間の休暇を取って、ヒョンスのために、目ぼしいいくつかの学校を見学しに出かけることにした。






主演:ペ・ヨンジュン
    チョン・ドヨン

「アマン-A Fine Day-」2
(2007.7~9月作品)






あの日、ヒョンスがヨンジョンの手から薬を取り上げて、自分の部屋へこもってしまったのを見て、ヨンジョンは意を決したように、階段を上っていった。



そして、いきなり、ヒョンスの部屋のドアを開けた。

ヒ:あ、お父さん!(振り返る)
ヨ:ヒョンス!


その時、ヒョンスは、シャツを脱いで、腕の怪我をしたところに薬を塗っていた。
突然、ドアが開いたので、体を隠すことができなかった。



ヨ:ヒョンス・・・。どういうことだ・・・。
ヒ:・・・・。

ヨ:ちゃんと見せてみろ・・・。


ヨンジョンは、ヒョンスの背中についた足跡のアザに驚いた。


ヒ:・・・。
ヨ:ちゃんと話してごらん。(じっと息子の目を見る)
ヒ:お父さん・・・。
ヨ:その背中のアザは何だ・・・。
ヒ:・・・。

ヨ:ん? ヒョンス。おまえがここにいて、幸せに暮らしてなければ、オレたちだって・・・ここでは暮らしていけないんだ・・・。
ヒ:(俯く)・・・。
ヨ:おまえを犠牲にして・・・オレたちが幸せになれると思うか?
ヒ:・・・。

ヨ:何があったんだ。その背中は、普通じゃないぞ。
ヒ:サッカーの時に、僕が倒れたところに、友達が上に乗って倒れちゃったから・・・スパイクで踏まれちゃっただけだよ・・・。
ヨ:本当にそうか? スポーツをやっていたら、転んだりもするさ・・・。でも、そんなに毎回、ケガをするようなサッカーなんて聞いたこと、ないよ。

ヒ:僕が・・・不慣れだから。
ヨ:一年生なんて皆、不慣れだろ? それに・・・おまえはそんなに運動神経が悪いほうじゃないし・・・。

ヒ:僕が・・・皆に馴染めないから・・・。
ヨ:・・・。
ヒ:言葉も下手だし。
ヨ:そんなことで皆がいじめるのか?

ヒ:だから、皆がイライラするんだ・・・。
ヨ:皆って誰だ。アメリカの社会はそんなに皆、気が短いのか?
ヒ:・・・・。

ヨ:お父さんだって、大学院で留学した時、初めは流ちょうに話せなかったよ。でも、そんなことで、意地悪なんてされなかったよ。
ヒ:・・・。(下を向いたまま)もう、英語で話すなって・・・。
ヨ:・・・。
ヒ:おまえみたいな人間は、アメリカでは暮らせないって・・・。
ヨ:先生もそういうのか?
ヒ:・・・。
ヨ:誰が言うんだ?
ヒ:・・・。
ヨ:皆って・・・皆のはずがないだろ?
ヒ:・・・。

ヨ:韓国の連中か?
ヒ:・・・なんでわかるの?(顔を上げる)

ヨ:ちゃんと話してごらん。

ヒ:僕が、まだ英語が下手だから・・・皆が笑うんだ。それに、挨拶の仕方とかもおかしいって。先生にへつらってるって・・・。
ヨ:その子たちは、こっちで育ったんだろ?
ヒ:うん・・・でも、僕がおかしいって・・・。

ヨ:それは国の違いだから、仕方ないだろ? よその国から来た子たちは皆、どこか違うはずだろ?
ヒ:僕が・・・他の国出身の子と話すと、あとで怒られる・・・。まともに、同じ国の人間ともコミュニケートできないくせにって・・・。

ヨ:それで、スパイクで蹴るのか?
ヒ:・・・靴を隠されたこともあるし・・・教科書も無くなっちゃったのがある・・・。でも、ほかの人は、怖くて、「皆」に抗議できないんだ・・・。
ヨ:なぜ?
ヒ:皆、いつも、ひと固まりで歩いてるから・・・。

ヨ:徒党を組んでるってわけか。なんてことだ・・・。(やりきれない)


ヨンジョンがヒョンスを抱きよせた。
こんなになるまで、自分たちは気がつかなかった。そして、ヒョンスは、自分やスワンのために我慢していた。








ヨンジョンはヒョンスの話を聞くと、すぐに転校できる学校を探し始めた。
スワンはそんなに性急にしなくてもと言ったが、ヒョンスの精神状態が病んでからでは遅いと譲らなかった。



ヨ:今なら、まだ、ヒョンスだってすぐ立ち直れる。本当に大きな事件が起きてからでは遅いよ。
ス:・・・。でも、その上の子が卒業したら・・・?
ヨ:そんな・・・。皆、団体でいるんだぞ。次のヒョンがいいやつである保障はないだろ? 今まで一緒に苛めてきて、急にいい人になるなんて、考えられないよ。
ス:・・・。
ヨ:探そう。
ス:でも、この辺の学校と言っても・・・引っ越すの?

ヨ:ボーディングスクールを探す。
ス:寄宿させるの?
ヨ:いいところなら、そのほうがいいだろ? なまじ、一緒に暮らしてなんて考えたのがマズかったよ。会社の連中にも聞いてみるよ。ジェームスは確かボーディングスクールの出身だったし・・・。



ヨンジョン自体、群れをなしてつるんで暮らすことがあまり好きではなかった。
人の顔色を見ながら、ヒョンスが自分を殺してやっていくのを見るのも嫌だった。

そばにいるスワンも驚くほど、ヨンジョンはヒョンスの学校のことにのめり込んでいた。





それから、しばらくして、ヨンジョンは休みを取って、ヒョンスの学校見学に出かけた。
いくつかの学校にアポを取り、こちらの状況を話し、学校の方針をきっちり聞くことにした。そして、寄宿生の生活もちゃんと見せてもらうように頼んだ。

朝、車のところまで送ってきたスワンを見て、ヨンジョンが微笑んだ。


ヨ:ヒョンスは、今日も学校へ行ったんだね。
ス:うん、負けたくないって・・・。
ヨ:そうか。
ス:頑張るよね・・・。
ヨ:うん・・・・。じゃあ、行ってくるよ。(車のドアを開ける)
ス:うん・・・。ヨンジョン、冷たいコーヒーとサンドイッチ。
ヨ:ありがとう。


受け取ったランチバッグをしばらく見つめて、ヨンジョンがスワンの顔を済まなそうに見上げた。



ヨ:スワン・・・。 ごめんよ。
ス:・・・なんで?

ヨ:だって・・・産休に使おうと思ってた休みを使っちゃったから。
ス:いいのよ。赤ちゃんはこれからずっと一緒だもん・・・。ヒョンスのことが今は一番大事よ。

ヨ:うん。(頷く)



ヨンジョンがスワンの手を取ってスワンを引き寄せ、抱き締めた。







ヨンジョンは、出かけていった。


スワンは、ヨンジョンの車を見送って、なぜだか、ちょっと寂しい気分になった。

今は、ヒョンスのことが一番なのはわかっている。

でも・・・。

ヨンジョンが、自分に対して、とても済まなそうにしているのが、スワンにはちょっと寂しい。

とても・・・水臭い。

こんなにお互いが近くにいて、なくてはならない存在なのに、ヨンジョンは今回のことで、スワンと少し距離をおいている。確かに、ヨンジョンが感じるように、のめり込むように、ヒョンスのことを考えられない自分がいることは、スワンも薄々感じている。

まだ、赤ちゃんができる前なら、自分も一緒になって、学校探しに燃えているはずだ。
でも、今は、守りに入っている・・・。

これが母親というものなのか。
自分の子供のほうがかわいいということなのか・・・。












ス:あ、母さん。こんな時間にごめんね。


スワンがソウルにいる母親に電話をかけている。


母:こんにちはかしら? (笑う) どうしたの? 臨月に入ったら、そっちに行くけど、もう少し一人で頑張れるわよね?
ス:うん。母さんも、ミンスの赤ちゃんの世話で忙しいのに、ごめんね・・・。

母:どうしたの? 赤ちゃんのことではないのね?
ス:うん・・・。

母:ケンカしたの、ヨンジョンさんと。(笑う)
ス:違うわよ。

母:そうよね、あの人はそんなことはしないわね・・・。ヒョンス?
ス:うん・・・。

母:どうしたの! 何かあったの?
ス:学校でいじめがあって・・・体に傷も作っちゃって・・・。中学校のね、「ヒョン」がやなやつなの。なんか、とっても小さな世界だわ。
母:それで、ヒョンスは大丈夫なの?
ス:うん・・・頑張って、学校へ行ってる。
母:・・・。


ス:でもね、母さん。ヨンジョンがもうここの学校じゃだめだって。一度ついた序列からは逃げられないし、同じ地元では、「ヒョン」がいなくなることはないし、徒党を組んでる皆の体質は、そんな簡単には変わらないからって。違うところの学校を探すって言って、今日から休みを取って、学校探しに、今、出かけたの。

母:どこへ?

ス:目ぼしい、いくつかの寄宿舎学校を見て回るって。話もちゃんと聞きたいって、アポも入れて出かけたわ。
母:そう・・・。
ス:ヨンジョンが、子供は生き物だから、時間を置いたら手遅れになるからって。
母:そうだったの。いいところが見つかるといいわねえ。


ス:母さんもそう思う?
母:ええ。
ス:寄宿舎に入れても大丈夫かしら?

母:へんないじめが続くよりいいでしょう・・・。スワン、あなたは反対なの?

ス:わからない・・・。ホントはヒョンスを手元に置きたいけど・・・。母さん、私、ヨンジョンと同じように考えられないの。彼みたいに熱くなれなくて・・・。ヒョンスのことは、ものすごく心配なのに。私・・・。今、自分のお腹の子がかわいくて・・・ヒョンスを同じように考えられないのかしら。
母:スワン?

ス:母さんは、自分の子よりヒョンスを大切にしなさいって言ったけど・・・生まれる前からこれじゃ、だめだよね・・・。

母:スワン。あなたは今、お腹が大きいから、きっと体が大儀なのよ。それでそう感じてしまうんだと思うわ。それに、ヨンジョンさんはヒョンスの本当のお父さんだもの。それは心配だし、彼の人生に責任があるわ。一生懸命になるのは、当たり前でしょ?

ス:母さん・・・。ヨンジョンも、たぶん気がついているの・・・。私がヨンジョンと同じスタンスじゃないってこと・・・。それで、私に、「ごめんね」って言うのよ・・・。なんか、そんなこと言われると、悲しくなっちゃう・・・。(少し泣き声になる)
母:スワン。あなたは大丈夫よ。だって、そうやって反省しているんだもん。ヨンジョンさんやヒョンスのことを十分、考えているわ。
ス:でも、ヨンジョンに悪くて。(涙が出てしまう)

母:ヨンジョンさんもちゃんとわかってるわよ。それに、あの人がヒョンスのために一生懸命になるのも、親としては当たり前だもの・・・。いいお父さんだわ・・・。
ス:うん・・・。

母:今は、ヒョンスの学校のことはヨンジョンさんに任せて、あなたは、ヒョンスにおいしいものを食べさせて、お家でゆったり過ごせるようにしてあげることよ。
ス:うん・・・。

母:スワン。元気出して。きっとヨンジョンさんがいいところを探してくれるわよ。
ス:うん・・・。(しゃくる)
母:母さんが行くまで頑張って。ね。
ス:うん・・・。(鼻をすする)



スワンは涙を拭いた。
ここのところ、涙もろくなっていて、ちょっとしたことでも泣けてくる。

今日は、久し振りに母の声を聞いて、スワンは母に抱かれて大泣きをしたい気分になった。
まだまだ、自分は甘ちゃんだ。










夕食を食べ終わって、ヒョンスと二人でリビングでテレビを見ていると、電話が鳴った。
また、母からの電話だった。



ス:あ、母さん?
母:ヒョンス、いる?
ス:いるけど・・・。

ヒ:お祖母ちゃん?
ス:うん、出る?
ヒ:うん!


テレビを見ていたヒョンスがうれしそうな顔をして、電話を受け取った。



ヒ:もしもし、お祖母ちゃん?
母:そう。元気だった?
ヒ:うん。どうしたの?

母:どうしてるかなと思って。予定では、もうあなたのところに遊びにいってるはずが、こっちの赤ちゃんの世話でなかなか行けないから。今日ね、急に、ヒョンスに会いたくなっちゃったから。
ヒ:そうなの?
母:うん。だから、声だけでも聞きたいなと思って。
ヒ:そうか。僕もお祖母ちゃんに早く会いたいよ。
母:うれしい・・・。お父さんは?

ヒ:お父さんは・・・。お父さんは今出かけているんだ。
母:そうなの。

ヒ:・・・実はね…。お祖母ちゃんが来たら、ばれちゃうから、言うけど、お父さん、今、僕の学校を探しに行ってるんだ・・・。



スワンは、少し離れたところからヒョンスの話を聞いていた。



母:今の学校は、だめなの?
ヒ:うん・・・。僕、英語が下手だから・・・皆に苛められちゃうんだ・・・。
母:皆って?
ヒ:同じ、韓国の子たち・・・。
母:そうなの・・・。
ヒ:それに・・・。僕は・・・相手が白人でも日本人でもベトナム人でも気にしないで遊んじゃうから、仲間意識が足りないって言われちゃうんだ。
母:それは辛いわね・・・。お父さんが、ヒョンスに合った学校を探し出してくれるといいねえ。

ヒ:・・・うん・・・。でも・・・。お祖母ちゃん、新しいところへ転校していくって逃げることでしょ? 僕は逃げたくないんだ、負けたくないんだよ。

母:お父さんが新しいところを探してるのが嫌なのね?
ヒ:うん・・・。負け犬になりたくないんだ・・・。

母:ヒョンス・・・。ヒョンスのお父さんは、負け犬なんかじゃないでしょ?
ヒ:うん。
母:立派な人よね? お父さんだって、ヒョンスをそんな弱い子にしたくないでしょ。でもきっと、今ある状況が、すぐには解決するものではないと、お父さんが感じたんじゃないのかしら? だから、つまらないことで、ヒョンスの時間を無駄にしたくないって思ったのよ。
ヒ:そうかなあ・・・。

母:きっと、つまらない人たちのために使う時間をもっと有効に、ヒョンスのためになることに使ったほうがいいと考えたんだわ。
ヒ:うん・・・。

母:ヒョンス。学校へは行ってるの?
ヒ:うん。
母:辛い?
ヒ:・・・。

母:本当に辛い時は休んでいいんだからね。我慢ばかりしていることが、いい事とは限らないからね。
ヒ:・・・そうお?
母:そうよ。嫌だったら、スワンに学校に行ってもらって、ちゃんと休みますって言ってもらいなさい。
ヒ:・・・。

母:どうする?
ヒ:・・・。お父さんが帰ってくるまで、学校は続けるよ。
母:それで大丈夫なの?
ヒ:うん。新しい学校が決まらないのに、休みたくないんだ。
母:エライねえ・・・ヒョンスは。それだけ、しっかりしていれば、大丈夫かしら・・・。でもね、無理は禁物よ。相手のあることだから・・・。少しでも、相手がおかしいと感じたら、学校の途中でも、帰ってらっしゃい。
ヒ:うん。

母:スワンにもよく言うわ。
ヒ:・・・。
母:ヒョンスを守ってって。
ヒ:大丈夫だよ、よくわかってくれてるから。

母:でも、お祖母ちゃんからもお願いする。お祖母ちゃんの大事なヒョンスのことだもん。

ヒ:・・・。(涙が出てくる)

母:ヒョンス?
ヒ:・・・。(しゃくる)
母:・・・。
ヒ:・・・お母さんに代わるね・・・。
母:ヒョンス?
ヒ:お祖母ちゃん・・・ありがとう・・・。



ヒョンスが泣きながら、スワンに受話器を渡して、自分は2階へ上がっていってしまった。

母と何を話したかわからないが、素直に泣き顔を見せたヒョンスを見て、スワンは胸につかえていたものが取れたように感じた。



ス:母さん、ありがとう。
母:ヒョンスが何か言ってきたら、好きなようにしておあげ。
ス:母さん。
母:学校を休みたいと言ってきたら、無理じいしないで、あなたが学校にちゃんと話してね。
ス:・・・うん・・・わかった・・・。
母:お母さん、しっかりね!
ス:うん・・・。(泣ける)


スワンは母の援護射撃がうれしかった。
自分ではうまく言えない分、母がヒョンスの心を解きほぐしてくれたように思う。


でも、結局、ヒョンスは休むことなく、学校へ行った。
彼は、ある日突然、バッサリと学校をやめたいと言った。










夜遅くなって、ヨンジョンからの電話が入った。




ヨ:そうか、お母さんが電話を入れてくれたんだね。
ス:うん、それで少し元気になったみたいでよかった。
ヨ:そうか、お母さんにお礼を言わなくちゃね・・・。今日、行った学校もなかなか感触がよかったよ。東洋系の子が少なくてあまり群れをなしてないんだ。
ス:そう。

ヨ:でも、今度は違う方向からの、いじめがあるかな・・・。ちょっと考えるなあ・・・。明日、ジェームスお勧めのところへ行ってくるよ。彼の母校だし、先生に問い合わせてくれたところ、東洋系の子たちはいいソサエティを作っているって言うし。
ス:それは期待できそうね。
ヨ:うん。


ス:ヨンジョン・・・。
ヨ:何だい?

ス:ごめんね・・・。あなたに気を使わせちゃって。私も、ヒョンスは大切な息子だし、ものすごく心配してるの・・・。ヨンジョン・・・私に「ごめんね」なんて、言わないで・・・。
ヨ:・・・うん・・・。
ス:・・・一緒に心配させて・・・。

ヨ:ありがとう・・・。
ス:うん・・・。



二人とも、少し気分がギクシャクしたが、お互いの想いは通じ合ったと思う・・・。
これからだって、こんなシーンは何度もあるのだろう。そんな時でも、二人で一緒に乗り切りたい・・・。いや、三人で・・・。スワンは心からそう思った。





それから、3日してヨンジョンが戻り、ヒョンスをジェームスの母校に預けることにした。
家からは遠いが、車で、1時間半で送っていけること。そして、清潔な学校の様子。ジェームスからの計らいで、先生とゆっくり話ができたこと、遠目からも「ヒョン」の様子を伺うことができたこと・・・。彼は、なかなか温厚で、サッカーをしている姿もフェアプレーで清々しかった。




夜ベッドの中で、ヨンジョンが学校のパンフレットをもう一度見直ししている。
スワンがバスルームから戻ってきた。


ス:どう? 決めた? (ベッドに入る)

ヨ:うん。ここに託してみよう。ジェームスの母校に。(パンフをスワンに見せる)
ス:そう・・・。大丈夫ね?

ヨ:またなんかあったら、考えよう・・・。今よりはずっといいはずだよ。寄宿舎で、先生の目も行き届いているし、その点少し堅苦しいかもしれないけど、裏で大きないじめもなさそうだ。
ス:うん。
ヨ:ヒョンスには、少し堅苦しいぐらいのほうが合ってるかもしれないな。あまり、行儀もいい加減なところだと、韓国での生活と違い過ぎて、返って合わないかもしれないから・・・。
ス:うん・・・。ヒョンスに見せるの?
ヨ:うん。今週中にヒョンスを連れていってみる。それで、本人も納得したら、決まりだ。あちらによくお願いするよ。
ス:うん。


ヨ:今学期は、あと2か月だから、英語マスターコースに入って、来学期から普通のクラスに編入する。夏休みは、サマースクールで鍛えるしかないね。
ス:大変だけど、それがいいんだろうね・・・。
ヨ:うん。


ス:いくらぐらいかかるの?
ヨ:寮費、食費等込み込みで、年間2万5000ドル近くかな。
ス:そうなんだ。
ヨ:それでいい教育が受けられれば、ありがたいよ。
ス:うん・・・お父さん、頑張って。(笑う)
ヨ:頑張るしかないねえ・・・。



ヨンジョンが笑って、スワンを引き寄せた。



ス:きっとうまくいくわよ。
ヨ:だといいけど。

ス:だって、学校の話をした時、ヒョンスもうれしそうだったもん。
ヨ:うん・・・。なんか苦労が絶えないなあ・・・あいつも・・・。
ス:でも、その分、強くなるし・・・大人になる・・・。

ヨ:子供らしく育てたかったけど、そんなのって理想だよね・・・現実は、いろいろあって、子供なりに苦しんで考えて・・・。
ス:ヨンジョン。それが大切なのかもしれないよ。何にもなくて、ふわふわと大人になるのはよくないよ、きっと。あとで 大人になって苦労する。
ヨ:かな? ま、なんとか皆で乗り越えよう。
ス:うん・・・。



ヨンジョンがベッドで大の字になった。


ヨ:久し振りに、気分が晴れたなあ・・・。今日は熟睡できそうだ。
ス:そうだねえ・・・。



ヨンジョンの腕にスワンがもたれた。
ヨンジョンと顔を見合せ、ヨンジョンがキスをした。そして、お腹をゆっくりと撫でた。



ヨ:この子も元気に生まれるといいねえ・・・。そうしたら、我が家も安泰かな。(笑う)
ス:そうだね。この子は、パパが好きみたいだから・・・。あ、また動いた!(笑う)
ヨ:ホントだ。触ると動くね・・・。パパの愛がわかるのかなあ?
ス:かもねえ・・・でも、不思議よね? なんでパパってわかるのかしら・・・。話を聞いているのかしら・・・。(笑う)

ヨ:そうか。オレの声が好きなんだな。(笑う)
ス:ホントかな・・・。


ヨ:いいねえ、生まれる前から、パパが好きなんて。(うれしそう)
ス:やだ、甘甘のパパになりそう。(笑う)

ヨ:パパも大好きだよ。(お腹に話しかける)
ス:全く。洗脳しちゃって・・・。(笑う)
ヨ:いいだろう?










そして、4月の下旬、ヒョンスが望んだように、今の中学校をバッサリとやめた。
周りの連中は驚いた顔をしたが、ヒョンスはにっこりと別れの言葉を述べた。



身重のスワンには、長い車の旅は体によくないので、ヨンジョンがヒョンスとヒョンスの荷物を車に乗せて、二人で旅立った。

次にヒョンスが自宅へ戻るのは、サマースクールを終える6月の末だ。





ヒョンスの寮の荷物を二人で整理していると、学校を見学にきたときの、男の子がやってきた。


男:こんにちは。初めまして。ヒョン・ジュンホンです。クラーク先生から、学校を案内するように言われて。
ヨ:あ、お世話になります。息子のチェ・ヒョンスです。
ヒ:初めまして。ヒョンスです。

ジ:いらっしゃい。もうすぐ昼食なので、学食までご一緒しましょう。そのあとで、校内を見て回りましょう。
ヒ:あ、はい。
ジ:お父様もどうぞ。
ヨ:ありがとう。



ジュンホンは、ほっそりとしたハンサムな青年で、10年生だと言った。
寮から学食まで、芝生の校庭の脇を歩く。



ジ:君より4つ上だよ。
ヒ:そうですか。
ヨ:お宅はどちらなんです?
ジ:僕の親は、今、中南米にいます。韓国からきたのは、ヒョンス君と同じ年の時でした。それから、父の転勤があって。
ヨ:それは大変だね。
ジ:でも、ここは暮らしやすいです。君もきっと気に入ると思うよ。
ヒ:はい。


ヒョンスは、うれしそうにヨンジョンを見上げた。


学食に入る前に、ジュンホンがポケットから、ネクタイを取り出した。
そして、簡単に制服のYシャツに、パチンと留めた。


ジ:食事は正装でね。(笑う) さあ、行きましょう。




大きな学食で生徒たちと一緒に、ヨンジョンとヒョンスがランチの列に並んだ。

そして、ジュンホンが二人をエスコートして、席についた。

すると、友人がやってきた。


友:今度、入る人?
ジ:そうだよ。そうだ。ギョンスと同じ学年だよ。


その友人の後ろから小柄な少年が顔を出した。


ギ:僕と一緒なの?! (うれしそうにヒョンスを見つめる) キム・ギョンス。よろしくね。


ギョンスはまだ幼さの残る笑顔でにっこりと笑った。


ヒ:チェ・ヒョンスです。よろしく。


ギョンスはうれしそうに、ヒョンスの前に座った。
ジュンホンと友人。そして、同じ年のギョンスがにこやかに座っている。

ジュンホンとその友人の語らいも少年らしく、好感が持てた。





子供たちに囲まれて、なぜか胸がいっぱいになるヨンジョンだった。









続く・・・







2010/12/21 02:11
テーマ:【創】アマン第2部 カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

【BYJシアター】「アマン」A Fine Day 1

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BYJシアターです。



ヨンジュンも帰っちゃったね^^

さあ、またいつもの生活に戻らなくちゃ。



そう思いつつ、
ここ何ヶ月も創作をしていなかった・・・。
せっかくjoonに会えたんだし、続きを書こうと思い出した^^



この「アマン」第2部「A Fine Day」は2007年の7月から書き始めて中断している。

それはなぜかというと、当時テサギが始まってしまったから。

2007年9月。
テサギのスペシャルがどうしても見たくて初めて韓国へ飛んだ。

そこで、止まってしまった・・・。

といっても、これはとてもとても短いその後のお話です^^

キコはんばかりでは飽きてしまうので、

ここで、ヨンジョンとスワンのその後のお話を置こう^^




その前に!


今回の帰国もあの靴、履いてたね~~~^^









お気に入り^^

帰りが雪だといけないと思ってか^^

いや、実は家族の皆にお気に入りを見せたいんだよね^^

「僕、これ、気に入ってんの^^」

一年ぶりに見たブーツ姿でありました^^


それにしても、いつも帰国の時はリラックスして素敵です^^

来日は気合の入った服装で、
中盤は着たきりスズメ化して、
帰国時がまたまた、フッと気が抜けたカジュアル^^

いいです^^

今回もウンギョンちゃん、良い仕事をしました^^










では!

「アマン-A Fine Day」です・・・。


あれから、ヨンジョン、スワン、ヒョンスはどうしたのでしょう・・・。

第1部はここのメニューから見てください^^

これは長いですが、とてもおもしろいです^^




これより本編。
お楽しみください^^




~~~~~~~~~~~~~~~~









小さな命が
私たちをより近づけてくれる


あなたと私を
もっともっと
近くに


もう私たちが
離れることはないでしょ?
  

二人で一人・・・

うううん、
  

二人で

もっともっと

広い世界へ・・・








スワンは、そっとヨンジョンの腕を外して、起き上がった。


まだ夜明け前・・・。

今日は満月・・・今、夜明けとともに、月が沈もうとしている。
スワンは、そっと寝室のベランダに出て、西の空を見上げた。



どうか、無事に出産できますように。
どうか、元気な赤ちゃんが生まれますように・・・。
そして、私とヨンジョンと、赤ちゃんとヒョンスが、これからもずっとずっと幸せに過ごせますように・・・。

・・・お守りください!


スワンは、沈もうとする満月に向かって、ヨンジュンがくれたブルームーンストーンのリングに口づけして、祈りを捧げた。


どうか、私のブルームーンストーン、私たちをお守りください・・・。





ベッドに戻ると、ヨンジョンが、意識があるのかないのか、反射的にスワンを抱きこんで布団を掛けた。  

ヨ:ん?・・・体が冷たいね・・・。どうしたの?
ス:うん・・・ちょっとね・・・。
ヨ:ふ~ん・・・。


ヨンジョンはそう言って、スワンを背中から抱きかかえるようにして、また眠りの中へ落ちていった。

スワンもまた、幸せそうな顔をして、ヨンジョンの腕を抱いて、眠りについた・・・。





主演
ペ・ヨンジュン・チョン・ドヨン

「アマン-A Fine Day-」1話
(2007.7.28作品)





ヨ:おはよう。
ス:あ、おはよう。

スワンがキッチンで朝ご飯の準備をしている。
ヨンジョンは取ってきた新聞の朝刊を開きながら、スワンのほうを見た。


ヨ:ねえ、昨日、どうしたの?
ス:昨日って?
ヨ:夜中。


ヨンジョンはグラスにジュースを注ぎながら、またスワンを見た。


ス:何が?


おかずをテーブルに並べる。


ヨ:ベッドに戻ってきた時、体が冷たかったから。
ス:うん。(ちょっと微笑む) 秘密。
ヨ:なんで?
ス:ちょっとねえ・・・。
ヨ:ま、いいけど。6月と言っても、夜は寒いからさ。
ス:うん。

ヨ:外へ出たの?
ス:うん・・・ちょっとねえ。



沈む満月にお願い事をしたの・・・。



ヨ:このサラダ、おいしいね。(微笑む)
ス:そう?


あなたと赤ちゃんと、ヒョンスと・・・皆が幸せになれるように・・・。


ヨ:スープもなかなかおいしい。(スワンの手元を見て) ねえ、また、そのリングつけ始めたの?
ス:うん。


ヨンジョンがスワンの左手の薬指にあるブルームーンストーンのリングに気がついた。
スワンはにっこりとして、リングを撫でた。


ヨ:子育てには向かないだろう。そんな大きな石がついてると。リングの爪が引っかからない?
ス:今はまだ、つけていたいの。


だって、願い事をしてるんだもん。


ヨ:ふん。(笑う)オレだったら、ここにいるじゃない・・・。いつも一緒だし。(ニッコリする)


ヨンジョンはこのリングを自分の身代わりだと思っている。


ス:うん。でも、これも今は一緒にいたいの。
ヨ:ふ~ん・・・。気にいってるんだ。
ス:もちろんよ。ヨンジョンが初めてくれたものだもん・・・。

ヨ:その石が好きなんだ。
ス:うん・・・。幸せをくれる石よ。

ヨ:そうか・・・。最近、食欲あるみたいだね。
ス:うん、何でもおいしく食べられちゃうの。(おなかを撫でる)今まで、この子が胃を圧迫してたでしょ? でも、今は胃がスッキリしてるから、どんどん入っちゃう。(うれしそうに、スープを飲む)

ヨ:赤ん坊が下に下りてきたんだ・・・。少し前までは、食べてはすぐ戻してたけど、楽になってよかったね・・・。でも、食べすぎは禁物だよ。君のお肉になって残るだけだからね。
ス:大丈夫よ。この子が欲しがってるんだもん。ラスト・スパートで元気な大きな子になってもらわなくちゃ。

ヨ:ラスト・スパートで、デブになるんだよ、君が。(笑う)
ス:違うったら! ラスト・スパートで大きな子に育つのよ。


ヨンジョンは、スワンがご飯をお代わりしているのを見ている。


ヨ:ラスト・スパートね・・・気をつけろよ。もう十分、大きいよ。
ス:(ヨンジョンの目を見る) 意地悪!

ヨ:でも、まん丸・・・というか、こっちから見ると、お腹が横に広がって見えるよ。
ス:そうお?
ヨ:うん。(お腹を見る)

ス:やっぱり。この間ね、スーザンに言われちゃった。横に広い感じのお腹は女の子だって。男の子は・・・。そうだ! ヒョンスの時、どんなお腹だった?
ヨ:ええ?(思い出そうとする)・・・う~ん、尖がってたかな・・・。

ス:やっぱり!
ヨ:やっぱり?

ス:スーザンが尖がってるのは、男の子だって。
ヨ:へえ・・・。
ス:3人も子供がいると、わかっちゃうのね。(ご飯を食べる)

ヨ:ということは・・・君のお腹の中には、太った女の子がいるわけだ。(笑う)
ス:太ったじゃなくて、かわいいよ。(笑う)
ヨ:だといいねえ・・・。ママと一緒に変身しないうちに会いたいな。
ス:やあね。

ス:でも、ちょっとうれしいでしょ?
ヨ:そうだなあ・・・。娘を嫁に出すときのことを考えると、男親は泣けるそうだよ。
ス:へえ・・・。

ヨ:もうすぐ、最愛の娘に会えるわけだ。
ス:・・・。
ヨ:なあに?

ス:最愛は私でしょ?
ヨ:(笑う) スワン、甘いな。
ス:え?
ヨ:娘のほうがかわいいに決まってるじゃない。
ス:うそお・・・。
ヨ:冗談だよ、冗談。 君に似てるといいな。きっとかわいくて。
ス:ホント?


スワンはうれしそうに微笑んだ。  







今日は久し振りに二人でのんびりと過ごしている。
もちろん、日曜日ということもあるが、スワンの大学での最後の授業も終わり、産休に入ったからだ。

家族でボストンへ移ってから、早6ヶ月が過ぎた。

スワンは大学奉職時代の先生の紹介で、週に3回、ここボストンの大学で第2外国語の韓国語講座の授業を2月から受け持っている。それがやっと5月末で今学期分を終了し、産休に入った。

新学期は9月からだから、その間に出産を終える。新学期からはまた、新しい講座が始まり、スワン自体もドクターコースの院生としての生活が始まることになっている。

ヨンジョンは、アメリカ留学時代の友人の会社のパートナーとなり、今では建築事務所の副社長だ。
腕がよくて、人柄もいいので、社内でも皆に愛されている。

そのおかげで、スワンの学費もヒョンスの学費もヨンジョンの収入でまかなっている。
そして、今住んでいる一戸建ては、この事務所の借上げ社宅だ。







ヨンジョンがソファに腰掛けて本を読んでいると、スワンがやってきた。

ス:ねえ、勉強してたら、腰が痛くなっちゃった。
ヨ:こっちへ来てごらん。
ス:うん。

スワンは、ヨンジョンの膝を枕に寝転んだ。


ヨ:どこ? この辺?(腰を擦る)
ス:うん。そこ、そこ。


ヨンジョンは本を読みながら、片手で横になっているスワンの腰を擦っている。


ス:もう長くイスに座ってられないの。腰が痛くなっちゃって。
ヨ:じゃあ、寝転んでいればいいのに。
ス:仰向けに寝ると息苦しいし、腹ばいもできないでしょ。寝転ぶのもやんなっちゃう!

ヨ:いずれにしても、もうすぐだろう? 
ス:もう人事だと思って、ノンキね。

ヨ:(笑う)もう臨月に入ったの?
ス:明後日ね。(笑う)そうしたら、いつ産んでもいいわ・・・。
ヨ:よかったねえ・・・。(本を読む)

ス:もう、どうでもいいような言い方。(下から見上げる)
ヨ:そんなことはないよ。赤ん坊が生まれたら、きっとオレも駆り出されるんだろ?
ス:もちろんよ。(笑う)
ヨ:だろうな。(笑う)今のうちに、のんびりしておこう・・・。(本を読む)

ス:そうね・・・。

ヨ:あ、お母さん、来週来るんだよね?

ス:そうよ。間に合うといいな。妹のミンスの赤ちゃん、手がかかって来るのが遅れちゃったから・・・。
ヨ:(笑う)どっちが手がかかるんだか・・・。

ス:ヒド~い。(笑う) でも、母さんはヨンジョンのファンだから、ヨンジョンに会えるから、こっちのほうがうれしいわよ。
ヨ:そんな・・・こっちは言葉の通じない外国だよ。
ス:まあね・・・。

ヨ:でも、お母さんの料理が食べたいなあ・・・。
ス:何よ、その言い方。私のじゃダメなの?

ヨ:君は、発展途上人だからね・・・。お母さんの芸術的な料理が食べたいんだよ。お袋の味だよね。(笑ってスワンを見る)
ス:フフフ・・・。私も。(笑う)
ヨ:(スワンを見て)だよね・・・。


そう言って、スワンの腰を擦っていた手で、スワンの頬を撫でた。




スワンは、ヨンジョンの膝枕に気持ち良さそうに目を瞑った。


ヨンジョンにとっては、二度目の結婚ではあるが、スワンこそ、ヨンジョンが自分から選びとって結婚した相手だ。

出会った時は二人、こんなふうに愛し合い、お互いを必要として生きるなんて思ってもいなかった。

でも、今、二人は穏やかで幸せな時を過ごしている。
二人でいるだけで心が温かくなる・・・。

最近のスワンにとっては、読書するヨンジョンの膝でうたた寝をするのが、至福の時である。





スワンの顔の上に、ヨンジョンの本の間から、写真が落ちてきた。


ス:痛・・・。もう、何・・・。(顔にかかった写真を見る) あれ、この写真・・・。イースターの時の写真だ。


ヨンジョンとスワンとヒョンスが、イースターパレードの前で笑っている。


ヨ:ああ、それ。この間、スーザンからもらったんだ。あの時、撮ってくれただろ。
ス:そうだったね。(笑顔で写真を見る) ヒョンス・・・。ヒョンス、どうしてるかな・・・今。

ヨ:まあ、元気でやってるんだろう。
ス:だといいけど・・・。あんなことがあって、学校変わっちゃったから・・・。うまくやってるといいけど。
ヨ:電話がないのが、いい兆候だと思おう。
ス:うん・・・そうだけど・・・。






ヒョンスはボストンに来たての頃、地元では評判の私立中学へ入った。
しかし、そこには韓国社会があり、そこの「ヒョン」は意地が悪かった。
アメリカ育ちの彼らの中では、韓国育ちのヒョンスは少々異質だった。
なにしろ、一番上の「ヒョン」の言うことに従わなければ仲間はずれになってしまう。
ヒョンスは自分を殺して、皆と付き合っていたが、それはある日、ひょんなことから、スワンとヨンジョンに知れることとなった。





ボストンに移り住んで、3か月半が経った4月のことだった。

スワンは、大学での韓国語講座を終えて、自宅方面へ向かうバスの中にいた。

そのバスは、ヒョンスの通っている中学校の停留所の脇を通る。もっとも、彼らは中学のスクールバスで通っているので、ここからヒョンスが乗ってくることはないのだけれど。


ふと、窓の外を見たスワンの目におかしな情景が入ってきた。

東洋系の男の子たちは7、8人徒党を組んで、笑いながら歩いている。
その一番後ろを皆のバッグをいっぱい持った背の低い男の子が体を揺らして歩いている。


ヒョンスはどこにいるの・・・?


その背の低い男の子がバッグを一つ落とし、立ち止まった。
そして、ゆっくり、腰を下ろして落ちたバッグを拾っている。


顔が見えた・・・ヒョンスだった・・・。


誰も、困っている彼を手伝おうとはしなかった。
それより、前を歩いてる子が後ろを振り返り、何か言っている。

ヒョンスの口が「ごめん・・・」と言って、また歩き出した。




スワンは、今垣間見た情景に目が釘付けになった。
そして、急いでバスを止め、飛び降りた。


少し先まで来てしまったが、スワンは、膨らんだお腹を手で抱えながら小走りに、中学校のほうへ戻っていった。


生徒たちが、下校のスクールバスの乗り込もうとしている。

ヒョンスの手から一つずつバッグを取って、無愛想にバスに乗り込んでいく。


ヒョンス!

ヒョンス!


ヒョンスは一番最後に、俯いてバスに乗り込んだ。


近くまで走って来たというのに、スワンにはヒョンスの前まで飛び出していく勇気がなかった。

スクールバスが動き出し、ヒョンスを乗せてスワンのいる場所を通り過ぎた。
スワンは見送るしかなかった。もう外からは、ヒョンスの顔は見えなかった。







その夜の夕食も、いつものように和やかに終わった。

ヒョンスには、どこといって変わったところなどなかった。
ヨンジョンの会社での楽しい話を聞いて、ヒョンスは屈託なく笑った。

デザートを出しながらも、スワンはヒョンスの様子を伺ったが、どこといって変わった点はない。

ただ、長そでのシャツをまくりあげた右腕のかすり傷を抜かしては・・・・。


ス:ヒョンス。どうしたの? その腕。
ヒ:どれ?
ス:右腕よ。見せてごらん。

ヒ:あ、これ? 今日、サッカーをしてて転んだんだ。
ス:そうなの? 消毒しよう。
ヒ:いいよ。
ス:でも、傷が大きいもん。薬つけておいたほうがいいわ。

ヨ:どうした? 見せてみろ?


ヨンジョンが立ち上がって、救急箱を持ってきた。


ヨ:シャツを脱いでごらん。そのほうが、薬がつけやすいから。
ヒ:・・・・。いいよ。自分でやる・・・。
ヨ:いいよ、やってやるから。(笑う)
ヒ:もう中学生なんだ。自分でできる・・・。


ヒョンスは、薬をヨンジョンの手からひったくるように取り上げて、さっさと2階へ行ってしまった。


ヨ:どうしたんだ・・・。(呆然としている)


ヨンジョンは、首を傾げながら、救急箱をしまう。



ス:ヨンジョン。話があるの・・・。
ヨ:何?
ス:うん・・・。あまり大げさにしたくないんだけど・・・今日ね・・・。


スワンはヨンジョンの目を見ながら、今日の帰りの話をした。


ス:遊びかもしれない・・・。でもね、ヒョンスの態度がおかしかった。全然楽しそうじゃなかった。皆とは・・・仲間っていう感じじゃなかったの。

ヨ:そう・・・。ヒョンスとそれについて話したの?
ス:うううん・・・。私が見たって言ったら、傷つくかもしれないし・・・。
ヨ:・・・。
ス:ヨンジョン。

ヨ:少し考えさせて。


ヨンジョンの視線は階段の上のほうを見ている。


ス:ヨンジョン。あんまり事を大きくするのはよくないわ。少し様子を見たほうがいいかもしれない。
ヨ:(スワンの顔を怒ったような目で見た) オレたちの都合でここまで連れてきたんだよ。あいつを放っておける訳がないだろ?

ス:そうだけど。少し様子を見るだけよ。
ヨ:様子ってあいつが苦しんでいたら、どうする?

ス:でも、たった1回のことで・・・。
ヨ:たった1回じゃないかもしれないだろ?
ス:そうだけど・・・。

ヨ:オレに任せて。

ス:ヨンジョン。ヒョンスに聞くの?
ヨ:・・・。(スワンを見つめる)

ス:ヒョンスを追い込まないで。私の勘違いかもしれないから・・・。

ヨ:・・・勘違いで、スワンがそんな話をするとは、オレには思えないけど。
ス:・・・。


ヨンジョンが階段を上っていった。


ヨンジョン・・・。



ヨンジョンは、大事な一人息子のことが案じられて仕方がない・・・。

スワンは今、ヨンジョンの後ろ姿を見送ることしかできなかった。






続く・・・








ヨンジュンとスワンの新生活が始まりました・・・。
そして、ヒョンスも・・・・。








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