2010/07/28 00:53
テーマ:ひとりごと カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

ホクシ、後姿のあなたは・・・

Photo




お一人・・・



ホクシ、後姿のあなたは・・・^^



joonちゃん?^^

そのデカバッグには見覚えが!^^




ハワイ滞在中に、ハワイ島に行くために、
貸しきったチャーター便に乗り込んでいます^^


ハワイ島では、コーヒー農園視察とゴルフへ^^






ここからは私の頭の中・・・^^


キコはん好きは・・・コーヒー農園と聞くと楽しいよね^^

キコはんはアメリカからコーヒーの輸入をしているから^^

「キコの仕事に役立つかな^^
ハワイの農園も見ておこう^^」


いつもjoonの行動とキコはんはリンクしてて、
そこが楽しいところです^^








ハワイから仁川空港に出発する前の大韓航空ラウンジです.


私(ソムリエさん)はルームにあったが
多分ファーストクラスだけルームに入場ができたように..



この・・・わざわざ、写りこんでいる人は誰でしょう?

足がよく日焼けしています。

横に置いたカメラがなんとも^^


実は存在をアピールしてる感じです^^





2010/07/26 16:02
テーマ:愛と料理を食べる カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

冷たい韓国ラーメンはいかが?^^

Photo





最近は、ブログに書くほどの変わった事件もないので・・・

(そう、だいたい他のブログを読むとそれで十分だから^^)

創作にちょこっとトッピング的なことだけ、書いている。



これは・・・
料理の話だから・・・って、どこが!@@

って、下のほうで少しお料理の話^^;

なんで書いてみた^^









今回の旅は・・・

カハラビーチの高級邸宅にお泊り^^

↓なかなかいい所だ。


http://blog.naver.com/mmatom/30090611211



主寝室はjoonちゃんだけ?


彼と一緒じゃないよねvv

たぶん、スポンサーのjoonが泊まったはず^^







う~ん・・・素敵なところです^^

規模はぜんぜん違うけど^^;
我が家に似ている・・・^^

遊びに来ても違和感ないよ、joonちゃん^^



まさに心と体の休息と保養^^

それに、いろいろスポーツもしちゃったから、
自分の体や体力にも自信ができた^^

なあんて、
勝手に思う^^


良いバケーションだった^^





もうやりたいこと、いっぱいやっちゃったよね^^

「あとは結婚だけだよ^^」

あ~あ、

それは、憧れとして取っておこうね^^

そういうの、一つあるといいよ~~~^^








ところで、



今は世界中、偏西風の大蛇行ってやつで、
気温がめちゃくちゃ。


日本も暑いけど、
暑さにも寒さにも耐えうるところだから、
まあ、よかった^^

南米では雪が降らないとこで、雪が降って
人が亡くなっているし・・・


ロシアも36度もあるんだね・・・。

ロシアの地下鉄ってエアコンがないんだね。

乗客が亡くなっている・・・



やっぱり、四季がしっかりある日本でよかった^^






こんな暑い日の昼ごはんには・・・

joonちゃんが帰りの大韓の機内のファーストクラスで食べたであろう

冷たい韓国ラーメンもいいだろう^^


汁を冷たくしていただく。


写真で見る限り、
まさに、それはインスタントラーメンの冷たいバージョンだ^^

そんな故郷の味がおいしいだろう^^

きっと、いつものように、
あのソムリエさんとご一緒では
スノッブな食生活をしていただろうから・・・。

あ、ごめんvv
ワインに合う料理って言えばよかったね^^



このラーメン、
日本的には白髪ねぎをトッピングすると
見た目にもキレイでおいしそうだ^^

「レーメンでない」とこがちょっといいよね^^







joonは時差ボケは直ったかな?^^

帰国早々にヒョンジュンと小栗君に会ってどうだったかな?

ハイテンションだったかな?



目いっぱい楽しい夏を過ごしたからね、
これからは仕事に頑張っちゃうだろう^^



でもさ、

石原軍団の裕次郎さんみたいに、
後半は所長役ばかりで座ってるだけ~ってのはまだ早いよ。

まだまだ、動き回る役をやってね^^


それに・・・

健康も取り戻せたんだから、
ガンガン動かなくちゃ!


それにしても、

楽しそうな夏休みでいいな^^


まずは、

この冷たいラーメンを作ってみて。


おいしいよ^^
















2010/07/26 01:01
テーマ:【創】探偵物語 カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

【BYJシアター】「探偵物語」4の2


BYJシアターです^^

まずはjoonちゃん話^^


ハワイのサーフィンスクール?のブログ^^

http://rvs-sanae.jugem.jp/?day=20100720



~~~~~

「ハワイでヨン様とサーフィン!」7/20


今日は、なんとあの冬のソナタのヨン様が

ロイちゃんと一緒にサーフィンレッスン!

当の本人は、ヨン様の事ぜんぜん知らないので?

なんか、この人韓国人で、有名なんだってなんていいながら

写真を見たらあのヨン様では、ないですか?

ビックリ!

とは言いながらも、私も未だ、冬のソナタ見た事がないのです!

権利の関係で、写真を掲載できないのが残念!

もし、OKがでたら、次回写真掲載します!

今度、ロイに会ったら、聞いてみて!



~~~~~~~


←He is Roy!^^




って、皆でロイちゃんのレッスンに参加しちゃったりして^^

スノボーが上手だから、結構やる気満々だったでしょうね^^

ということは、膝の具合がよくなったんだね~^^

ロイ先生にお話を伺いたい!^^v (kiko3)





と明るい気分になったところで、


本日のシアターは「探偵物語」4の2です。









↑BGMはこちらをクリック

「探偵物語」4の2です^^




ではこれより本編。
お楽しみください^^




これはフィクションです。
ここに出てくる全てのことは、実際とは異なります。





~~~~~~~~~~~








ペ・ヨンジュン主演
イ・ジア
「探偵物語」4の2






エージェントと、ヨソクとワトソンの3人で事務室の応接セットに座った。

エージェントは40代半ばだろうか、少し脂ぎった感じの男で、ワトソンをちらっと見た。その目付きが下卑ていたので、ワトソンは、自分が商売物になったように思えて、気分が重くなった。

ワトソンが今までに知っている男と言えば、親兄弟と、ヨソクだ。
彼らはこんな目付きで、女を見たりしない・・・。



エ:・・・ということは、犯人が、うちの客の中にいるってことか?
ヨ:でしょうね。まあ、そんなことは、先刻ご承知ってわけだろうけど。
エ:しかし、調べろって言われてたって。
ヨ:パピーの顧客リストはないんですか?
エ:う~ん・・・見てもさ、本名はないからさ。

ヨ:でも、携帯番号とかあるはずだ。どうやって客から仕事が入るんだ。
エ:一応、携帯のメールと電話で受けるんだけど。マズイなあ・・・。PCに顧客リストを作っているのが、客にバレるとマズイんだな。

ヨ:なぜ?
エ:客には、携帯で受け付けてるように見せかけてるからさあ・・・。PCに記録を残しているとなると、警戒するだろ? あの人たちは、人に知られたくないわけだから。
ヨ:そんなこと、他に漏らすはずがないだろ? それより、お宅の女の子たちの命がかかってるんだよ。
エ:う~ん・・・・。



事務室のドアが開いてるので、出勤してきた女の子たちが声をかけていく。



女:兄さん、おはようございま~す。
エ:あ、おはよう。


女2:行ってきま~す。
エ:おい、今日の客はどこだ?
女2:ステーションホテルで~す。
エ:そうか、行ってらっしゃい。



ヨ:ホテル名で何がわかるんだ?
エ:やってること。パピーとは違うから・・・。
ヨ:ふ~ん・・・。(頷く)
エ:パピーたちが行くホテルは特別なんだ。
ヨ:・・・。


エージェントがPCの画面を見せる。



エ:これがリストだけど・・・。
ヨ:コピーをくれ。
エ:しかし・・・。

ヨ:あんたのとこも非合法なヤバい商売をやってんだ。それを、パピーの両親の金で、殺人犯が捕まるなら、ラッキーじゃないの。
エ:まあ、そうだが・・・。



ヨソクがコピーを受け取る。


ヨ:ところで・・・AuとかPtってなんだ?
エ:え?

ヨ:客について、あんたらが書いてる・・・。
エ:ああ・・・。元素記号だよ。
ヨ:・・・?

エ:化学の元素記号・・・。前いた女の子が、化学が好きな子でね・・・それで、引き継いだんだ。Auは金だから・・・金回りがいい・・・Ptはプラチナだから、プラチナ会員と言ったところかな。

ヨ:Caは、カルシウムか?
エ:ガタイがいい男ってことだ。
ヨ:Heは?
エ:ヘリウム。つまり、軽いやつだ。
ヨ:Hは?
エ:水素だから、どこにでもいるおっさんてとこかな。
ヨ:なんで、こんなことを書いてるんだ。
エ:どんな客か、女の子たちから様子を聞いてるんだ。女の子はここを卒業していくからね。お馴染みさんの引き継ぎってとこかな。

ヨ:ふ~ん・・・ということは、ここに書かれている面子は長い客だから、ある意味、安心な訳だ。
エ:ま、そういうことにもなるね。

ヨ:うん・・・。今日は、紐を扱った客は?
エ:一人。まあ、今日、入っている客は、女の子の常連だから、そっちは大丈夫だろう・・・。

  
リリーか・・・。



ヨ:しばらくは、パピーの客は危ないから、仕事を受けないほうがいい。特に、常連以外は危ないぞ。
エ:うん・・・そうだな。
  
ヨ:人を殺すっていうのは、後を引く・・・。
エ:・・・。(ヨソクを見る)

ヨ:うまくいけば、またやりたくなるのさ・・・。
エ:・・・。(ぞっとする)


ヨ:ところで、彼女たちは・・・売春もするのか?

  
ヨソクの横に座ってメモをとっていたワトソンは息苦しくなってきた。ヨソクの口をついて出てくる言葉は、どれも重くワトソンに圧し掛かる。それは、この場を逃げ出したい気分にさせる。



エ:一応、しちゃいけないことになってるが・・・実態はわからないさ。こっちも確かめようがないからね。
ヨ:金は折半?
エ:まあね。
ヨ:ずいぶん、ふんだくるんだな・・・。
エ:・・・。

ヨ:そうだ。ホテルは決まってるんだね? パピーたちの行くホテルを教えてくれ。
エ:ええっと、クィーンズホテル。

ヨ:これは普通のホテル?
エ:いや・・・ちょっとその道の・・・。
ヨ:・・・その道?
エ:ええ・・・いろいろ道具が揃ってるところで・・・。

ヨ:そこは素人でも入れるのか?
エ:ええ、できますよ。いろいろ技が必要なやつはここのホテルなんだ。うちと提携しているから、安く泊まれるし、それに、監視カメラがあるんだ。

ヨ:ふ~ん・・・ホテルのマージンも入るわけだ・・・。ということは、そこに行けば、相手も映っているってことか?
エ:まあね。でも、犯人じゃない客も映ってるから・・・公にはできないよ。
ヨ:でも、記録はあるわけだ。
エ:まあね・・・。

ヨ:今日はここまでにしよう・・・。また、尋ねることがあると思うけど、その時はよろしく。こちらも、あんたと同様、命を張って商売してるもんでね。
エ:・・・わかった。



また、若い女が覗いた。


女3:兄さん、おはようございま~す。
エ:あ、おはよう。







ヨソクとワトソンの二人はマンションの外へ出た。

  

ヨ:大丈夫か?(ワトソンの顔を覗き込む)


ワトソンの顔が青ざめている。



ワ:もう死ぬかと思った。あそこの空気は、淀んでる・・・。
ヨ:うん・・・。
ワ:やっと呼吸ができるわ・・・。


ヨ:行こう。
ワ:どこへ?

ヨ:決まってるだろ? ホ・テ・ル!
ワ:え~え!

ヨ:誤解するなよ。パピーの仕事場だ。見学しに行こう。
ワ:う、うん・・・。(少し困る・・・)







そこは、裏通りを少し行った所で、表向きは普通のラブホテルのようだった。


ヨソクが入ろうとすると、ワトソンがヨソクのシャツを引っ張った。


ヨ:何だよ。行くぞ。これは仕事だ。
ワ:・・・うん・・・。

ヨ:・・・オレ一人じゃ、入れないだろ?
ワ:う~ん・・・わかった・・・。


一見、普通のラブホテル・・・
しかし、クイーンズホテルの部屋の中は少し違った。

  

ヨ:すごいな・・・。
ワ:いろんなものがありますね・・・。

ヨ:こんなとこって・・・。


二人は部屋の中を見回した。

妙に紫がかった照明にミラーボールが回っている。 
天井からロープが下がっている・・・。


ワトソンがそのロープを引張りながら、呟いた。

  
ワ:知らないおっさんと二人、こんな隠微な部屋に入るなんて・・・。先生、これって、何のために下がってるの? (天井を見上げる)
ヨ:さあ・・・。
  

そして、並べられた道具・・・。
ワトソンが興味深げに覗いている。


ワ:何だ、これ? わかんないものばっかり置いてありますねえ・・・。
ヨ:わかんなくていいよ。触るな。
ワ:先生はわかるの?
ヨ:オレだって、知らないよ。


ワ:それにしても、説明書なくて、使えるのかしら・・・。これ、おもしろい・・・。(いろいろスイッチを入れて遊ぶ)

ヨ:触るな。手が穢れる!
ワ:何動揺してんの、バカみたい。(笑う) あ、これ・・・ムチだ。(黒革のムチを持つ)
ヨ:そんなもの、触ってるんじゃないよ。
ワ:あら、そうお? 先生! これ、楽しそうですよ。 このムチ。『女王様の言うことが聴けないの?』 バシ~ン!
ヨ:・・・悪趣味・・・。

  
ヨソクが如実に嫌な顔をした。



ワ:でも、先生。ちょっとおもしろそうじゃない・・・ほしいな、これ。(ムチを振っている)
ヨ:おい、やめろよ。おまえ・・・変な方向に行ってるよ・・・。(困った顔で睨む)
ワ:(笑う)そんな目で見ないでよ。先生だって、ちょっとやってほしいでしょ?

ヨ:やだよ。オレは・・・。痛いのは嫌いだから・・・。
ワ:なあんだ・・・弱虫。(笑う)
ヨ:危険だなあ・・・おまえは・・・。
ワ:・・・先生と二人だと、怖くないわ。(笑う)
ヨ:そりゃそうだろ?

ワ:何、探してるんですか?
ヨ:ふむ・・・。隠しカメラがあるって言ってたろ? 部屋の入口に1個あったろ。まだ、あるのかなと思って・・・。
ワ:そっか。部屋の中ね。
ヨ:盗聴はどうかな・・・。


ヨソクが携帯している探知機で盗聴器を探す。
壁の端から、ヨソクが丁寧に調べていく。盗聴器はないようだ。


カメラは、玄関入ってすぐの所と、ベッドと水平な位置に、カーテンに隠れて仕掛けられていた。


ワ:へんな位置にありますね。
ヨ:うん・・・。これじゃあ、売春をしているかどうか、実はわかってるわけだな・・・。
ワ:・・・。(溜息)


ヨ:つまり、犯人が客なら、ここに映ってるはずなんだ。オレたちは映らない位置に立とう。
ワ:はい。


ヨソクはカメラに隠れて、部屋の中をデジカメで撮影する。
そして、隠しカメラの位置に立ってそこに映る情景を、写真に撮る。


そして、ヨソクは、並んで置かれた道具を触った。



ヨ:ここにも道具はあるが・・・彼らみたいなセミプロは、自分たちの使い慣れてるものを持ち歩いてるんだろうな、きっと。ここにある紐は新しくて、こんなに毛羽立っていたら、扱いにくいもんな。

ワ:それがいいのかも。ひりひりしちゃって。

ヨ:おまえ・・・危ないよ・・・。(苦笑する) でも、扱いやすい太さとか・・・手に馴染んだ感じってあると思うんだ・・・。それとも・・・女が持ち歩くのかな・・・聞くんだったな、エージェントに・・・。

ワ:でも、あの、リリ、(言いにくい) って子の話だと、客はいろいろなやり方するって言っていたから・・・やっぱり、客が自分にあったものを持ってくるんじゃないの、好みで・・・。まあ、初めての人は、女の子に借りるんだろうけど・・・。 

ヨ:だよな? そうだ。パピーの紐は新しかったのかな・・・。
ワ:古いと指紋とか汗とかいろいろついちゃってるんじゃないですか。
ヨ:そうだな・・・。あとで確認しよう。

ワ:あ!(ひらめく)
ヨ:何?
ワ:ねえ。初めての人って・・・縛り方だって、よくわかってないんじゃないの? ということは、女の子も、結構結べるのかも・・・。
ヨ:・・・だな。おまえ、冴えてるねえ・・・。(笑う)
ワ:でしょ?
ヨ:つまり、仲間が犯人にもなりえるわけだ。
ワ:そう。
ヨ:うん、でかしたぞ。うん・・・。


ワ:それにしても、ほしいな、これ。(またムチを持つ)
ヨ:ずいぶん、ご執心だな・・・。あ、そうだ。(ひらめく) 今度、はたき買ってやるよ。フサフサの長いやつ。あれで掃除のほう、よろしく。
ワ:なあんだ、つまんない・・・。(がっかり)


ヨ:でも、ここが彼女の仕事場だ。今日のリリーだって、ここのどこかの部屋にいるんだ。
ワ:・・・やですね・・・。ここが仕事場だなんて・・・。

ヨ:行こう。

  


ヨソクは部屋を出る前に振り返った。
そして、隠しカメラの映らない位置に立った。


ワ:どうしたの?

ヨ:おまえ、少し欲求不満だな・・・。
ワ:何よ。


ヨソクがワトソンをぐいっと引き寄せ、キスをして、顔を見つめる。


ヨ:ふん。(笑う)行くぞ!


ワ:ねえ、好きって言って。(真面目な顔をする)
ヨ:・・・。(見つめる)

ワ:言ってよ。

ヨ:・・・ちゃんと卒業できたらな。
ワ:・・・ズルイ・・・。

ヨ:バカ・・・。行くぞ!


ワトソンが残念そうな顔をしたので、ヨソクはまた、頬に軽くキスをした。
ワトソンの目が輝いた。


ワ:もっとして。


ワトソンが抱きついて、唇を押しつけた。
ヨソクはそれを受けて、ワトソンにキスを返す・・・。
ヨソクの手がワトソンのお尻をキュッと掴んだ。


ワ:あ~ん・・・。
ヨ:・・・。(顔を見ている)


ワトソンがトロンとした目でヨソクを見上げた。



ヨ:行くよ。

ワ:・・・一日に一回はキスして・・・。
ヨ:行くぞ。
ワ:もう・・・。一緒に住んでから・・・そういうこと、してくれないよね?
ヨ:・・・。(見つめる)
ワ:隣に寝てるのに・・・。
ヨ:けじめがなくなる。

ワ:それでもいい・・・。(見つめる)
ヨ:もう行くぞ。
ワ:わかったわよ。ケチ・・・。
ヨ:(やさしく微笑む)・・・。

ワ:でも、先生。
ヨ:・・・。


ワ:私たちは、恋をしてるのよね? (顔をじっと見る)
ヨ:・・・。

ワ:あの子たちみたいに、お金だけのための、快楽の相手なんてイヤ。あのお母さんが言ったみたいに、「まだ恋もしてないのに」なんて・・・そんなのイヤ・・・。先生も、ちゃんと、私を好きでなくちゃ、イヤ・・・。

ヨ:当たり前だろ? おまえはあの子たちとは違うよ。(見つめる)
ワ:・・・。(見つめる)


ヨ:行こう。
ワ:・・・。



玄関の監視カメラに彼らの出ていく後ろ姿が映った。


  


ホテルから二人が出てきて、少し歩くと、ワトソンが、ふと振り返った。


ヨ:どうした?
ワ:今、誰かに見られたような気がしたの・・・。(周りを見回す)
ヨ:気がつかなかったな。(やはり後ろのほうを見る)
ワ:勘違いかな。でも・・・ちょっと視線を感じたんだけど・・・。



しかし、夕暮れの街は、二人以外のものを静かに包み隠そうとしていた。






続く・・・

  




2010/07/22 20:37
テーマ:【創】探偵物語 カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

【BYJシアター】「探偵物語」4の1





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BYJシアターです^^

今日も暑いですねえ・・・。

熱帯に住んでる感じですよね~~


「引越しの邪魔だから、どっか行ってて」
と言われて、

バカンス三昧だった^^joonも帰国して、

キーイーストもおうちの近くに移っていよいよ始動開始?

プロデューサーだけでなく、
ウル・ペ・ヨンジュンとしては、「役者」をがんばってほしいです^^




では本日は
「探偵物語」4の1です^^




ではこれより本編。
お楽しみください^^




これはフィクションです。
ここに出てくる全てのことは、実際とは異なります。





~~~~~~~~~~~








「その子に会ってどうするの?」


「ん?」

「その研修会に行くの?」
「まさか・・・」

「じゃあ・・・」
「知りたいじゃない。どんなことをしてるのか」
「でも・・・」


「そうすれば、なんで殺されたか、わかるだろう」
「ふ~ん・・・」


「できたよ」
「ありがとう・・・」

「きついか?」
「ううん、ピッタリ」



ヨソクが、ワトソンのブラウスの胸のボタンをつけ終えた。








ペ・ヨンジュン主演
イ・ジア
「探偵物語」4の1









ワトソンは胸のボタンをつけながら、ベッドから立ち上がった。


ワ:だけど、そんな人に会って、先生がやる気になっちゃったら、やだな。
ヨ:(笑う)何、言ってるんだよ。おまえがこの仕事、引き受けたくせに。

ワ:それはそうだけど・・・。先生、コーヒーでいい?

ヨ:ああ・・。



ヨソクは裁縫道具をしまいながら、今日会う予定の「リリー」のことを思った。











ソウルのある喫茶店。


ヨ:君が・・・。
リ:リリーよ。これ、芸名だけど。ちょっと笑っちゃう名前でしょ?(笑う)


やな感じ・・・こんなやつらと本名が同じだなんて・・・。


ワトソンの口がへの字になった。


ヨ:それで・・・リリーさん・・・うん!(言いにくい・・・) 君と彼女は、その紐の縛り方の研修会みたいのに、行ったことはあるの?
リ:もちろん。それが初仕事だった。それで、この仕事に入ったの。最初、仕事の意味がわからなかったけど・・・。

ヨ:わからなかった?
リ:つまり、お客と寝なくていいけど、バイト料がいいって言われただけだから。



ワトソンがリリーを睨みつけている。



リ:ねえ、この人がいると、話しにくいんだけど・・・。なんか、感じ悪い・・・。(ワトソンを見る)
ヨ:ワトソン、おまえ、ちょっと席を外してくれないか?
ワ:でも・・・。

ヨ:・・・。(睨む)

ワ:わかりました。



ふて腐れた顔をして、ワトソンは二人から少し離れた席へ移った。



同じ大学生のバイトでもこんなに違う・・・。
彼女らは、お金があればいいのか・・・。



ヨ:それで、まず、研修会に一緒に出たパートナーが・・・お客になるわけだね?
リ:うん、そう。最初のね。
ヨ:そこに行って、逃げ出したい気持ちにならなかった?
リ:ちょっとね。だって、いきなり、裸なんだもん。でも、周りもそうだったから・・・。

ヨ:皆の前で裸なの・・・?
リ:そうよ。

ヨ:ふ~ん・・・。
リ:でも、今は、もう慣れちゃったわ。縛られるだけだもん。
ヨ・・・痛くないの?
リ:それは、痛いけど・・・それで、お金もらってるんだもん。

ヨ:でも、あの子みたいに殺されることもある・・・。(少しキツイ目つきになる)
リ:ホントね。でも、私たち、指定されたホテル以外行かないの。なんで、自宅で縛られちゃったのかな。

ヨ:そうか・・・。二人は特別な関係だったってことか・・・。

リ:じゃないの? じゃなくちゃ、そんな人と深入りなんて嫌。だって、普段は学生だし、学生としての生活を大切にしたいじゃない。
ヨ:・・・。

リ:でしょ? バイトだもん。



彼女たちは、気軽なバイト感覚なんだ。


ヨ:ところで、君の縛られ方だが・・・。うん。(咳ばらいする) こんな感じ?


ヨソクがPCから仕入れた写真を見せる。これは、ウンジュが縛られていたものと同じだ。



リ:ええと・・・そうね・・・こういうときもあるけど・・・。お客さんが覚えてきたやり方でやるから、いくつか方法があって、いろいろね。
ヨ:そうか。じゃあ、君のエージェントが扱っているのもいろいろなんだ。

リ:そう。じゃないと、仕事が集まらないみたい・・・。

ヨ:そうか・・・。そういう客って、いくつぐらいの人が多いの?

リ:探偵さんぐらい? ある程度、お金がないと遊べないのよ。20代の人なんてほとんどいないわ。
ヨ:うむ・・・。


リ:もういい? (腕時計を見る) もうすぐバイトの時間なの。待たせるわけにはいかないから。
ヨ:ありがとう。またなんかあったら、よろしく。

リ:わかった・・・。じゃあ、しっかりね。
ヨ:あ、これ。


ヨソクがバイト料を払う。


リ:サンキュ。



リリーは席を立って、いったん帰ろうとして、振り返った。



リ:そうだ。そういえば、パピーが言ってたんだけど、最近、あとをつけて来る客がいるって・・・。気持ちが悪いって。

ヨ:え! (立ち上がる) どんなやつだって?

リ:う~ん。それはわかんない。だけど、終わったあと、あの子がホテルを出るのを待ってて、あとをつけてくるんだって。それで、気持ち悪いって。
ヨ:それで、アパートを知ってたのかな・・・。

リ:さあ・・・。社長に相談しようかなって言っててそのまんまになっちゃったから。
ヨ:そう。社長の・・・エージェントの名前は、「アラカルト」?

リ:そ。
ヨ:社長ってどんな人? エージェントのある場所、教えてくれる?

リ:それ、言うの? それはヤバいなあ・・・。
ヨ:どうして?

リ:それはマズイよお。だって、こういう商売って、法律違反でしょ?
ヨ:法律違反なことまでしてるの?
リ:わかんない。(ごまかす)

ヨ:・・・君のことは、決して口にしないから。ただ、君のところの客に、その気持ち悪いやつがエントリーされたままだ。いつ、君に当たるかもしれない・・・。

リ:やだ、それは怖い・・・。でもねえ・・・。(躊躇するが)

ヨ:教えて・・・。
リ:・・・うん・・・。


リリーは、少し躊躇したが、エージェントの住所と携帯番号を教える。



ヨ:ありがとう。
リ:じゃあね。ちゃんと犯人、捕まえてよ!




リリーはにこっとして去っていった。

そうして、もう一人のリリーがやってきた。




ワ:終わったんですか?
ヨ:ああ。
ワ:それで、何かわかったの?

ヨ:彼女たちは、行きつけのホテル以外では、プレイはしないってことがわかった。
ワ:・・・。(気分が悪そうな顔をする)・・・プレイね・・・。
ヨ:それから、自宅でそうなるのは特別な関係・・・あるいは・・・。
ワ:あるいは?

ヨ:ウンジュは、いや、パピーといったほうが、気がラクだな。リリーの話では、パピーはホテルの帰りに、客につけられてるみたいで、気持ち悪いって言ってたそうだ。
ワ:怖い・・・。でも、それが一番有力かも・・・。

ヨ:エージェントの所へ行ってみよう。

ワ:教えてくれるかしら?

ヨ:どうかな・・・。でも、それが近道。
ワ:ま、そうですよね・・・。









二人は、「リリー」から聞いた住所を訪ねた。


ヨ:ここのマンションだな・・・。おまえ、近くで待ってるか?
ワ:なんで?

ヨ:だって、気分悪いだろ?
ワ:でも・・・行きます。毒を食らわば皿までってね。

ヨ:人前でやな顔するなよ。皆、そういう商売の人間ばっかりのとこなんだから。
ワ:わかってます。
ヨ:どこまで、わかってんだか・・・おまえは。(横目で睨む)




二人は普通のマンションのドアのチャイムを鳴らす。




エ:はい。
ヨ:パピーさんの友達の友達なんですが。
エ:パピーなんていないよ。
ヨ:殺されたウンジュさんについてお聞きしたいんです・・・。



ドアが開き、男が顔を出した。



エ:なんだい、あんた。

ヨ:失礼しますよ。


ヨソクがドアを足で押さえてこじ開け、どんどん入っていく。ワトソンも後ろをついていく。



エ:な、なんだい、あんたらは。
ヨ:パピーの一件、調べてるんですよ。
エ:・・・警察か?
ヨ:いえ、探偵です。

エ:帰ってくれ・・・。
ヨ:あんた、犯人の共犯になるよ。

エ:何、言ってるんだ。
ヨ:あんたに教えてあげたいことがある・・・。その代わり、教えてくれ。







続く・・・




2010/07/19 07:18
テーマ:【創】探偵物語 カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

【BYJシアター】「探偵物語」3の2





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BYJシアターです^^


joonはハワイで幸せな日々を送っているようで何よりです^^

仲間と大好きなゴルフと大好きなワインと~^^

真っ黒に日焼けして帰ってくるのかな^^


ハワイの抜けるような空を見ると、
こっちも行きたくなっちゃいますよね^^v






本日は「探偵物語」3の2です。

こちらは・・・ハワイの穏やかな空気と違って
話はどんどんエグくなってきます・・・。


ここより本編。
ではお楽しみください。







~~~~~~~~~~








ペ・ヨンジュン主演
イ・ジア

「探偵物語」3の2











翌日の朝、10時。
おじさんが定時に出勤してきた。


お:おはようございま~す。ワトソンちゃ~ん、出戻りだってえ?
ワ:ええ・・・。悪い弟なもんで。(仏頂面で言う)

  
ワトソンがデスクを拭いている。



お:だよねえ・・・。まあ、いいじゃない。これからは一緒に飲めるな、ここでえ。(うれしそうな顔をする)
ワ:おじさん。私、女給じゃないですから。
お:あんた、古い言葉、知ってるねえ。(笑う) ところで、先生は?
ワ:ああ、キム刑事のところへちょっと・・・。
お:ふ~ん、そうか・・・と。



おじさんは、今回の事件にあまり関わりたくないので、事務所の中を見回してから、座り、また立ち上がった。

  
お:じゃあ、ちょっくら、尾行に行ってきます。
ワ:え?
  
お:じゃあ、ワトソンちゃん、お留守番よろしく。
ワ:あ、はい。



おじさんは、所長がいないのをいい事に出かけていった。
たぶん・・・お仕事ではない・・・。


  
ワトソンは、大学が夏休みに入ったので、やることと言えば、司法試験の勉強くらいである。
  

ワ:今年は無理だよなあ・・・。やっぱ、大学院の受験勉強しようかな・・・。そのほうがいいなあ・・・。

  
鼻と口の間に、シャープペンシルを挟んで遊んでいたが、ちょっと立ち上がって、所長のヨソクのデスクに行って、座ってみる。

イスを少し揺らしてみる。



一人だけ、肘掛ついてるんだから・・・ズルイよねえ・・・。
王様のイスに座っちゃって・・・。



デスクの上の小引き出しを開けて、中をちょっと覗く。
  
経費用のレシートがいっぱいだ。

  
これも、自分でやらないくせに、溜めちゃって・・・。
早く回せっつうの!



すると、そのレシートの中にまみれて、何かの回数券が入っている。


なあに~?



ええと・・・。

「性感マッサージ・無料お試し回数券」?

10枚綴り・・・・。


やだ!


2枚、使ってる!

ゲ!

もう、不潔!

  
ワトソンが「回数券」を汚いものを掴むようにデスクの上に放り投げた。



すると、ドアが開く音がしたので、慌てて、「回数券」を親指と人さし指でつまんで、小引き出しにしまった。


  
ヨ:ただいまあ。あっちい・・・。お!(驚く)
ワ:・・・。(睨む)
ヨ:何だよ、いたなら、返事しろよ。「お疲れ様で~す」とかさあ。


ワトソンが汚らわしいものを見るような目つきで、ヨソクを睨んでいる。
  

ヨ:何?
ワ:別に・・・・。


ワトソンは、ふて腐れた顔をして、自分の席に座って、勉強を始める。

  
なんだよ・・・あいつ・・・。



ヨソクは、「オヤッさん」から預かってきた、殺されたパク・ウンジュの携帯電話の記録をデスクの上に置いた。
そして、デスクの小引き出しから、赤ペンを取り出した。


「回数券」が目に入った・・・。


ワトソンの様子を窺いながら、何気なさそうに取り出して、鍵のかかるデスクの引き出しの中へしまう。
ちょっと咳払いをして、仕事を始めた。


ワトソンは勉強するふりをして、そんなヨソクの様子を見ていた。



やっぱり…エロオヤジなんだ・・・。

汚らわしい・・・・。最低・・・。


  




午後になって、おじさんが戻ってきた。


お:ただいま~。あ・ついねえ、今日は・・・。参ったよ。

ワ:冷たいものでも飲みますかあ?
お:あ、うれしいねえ。
ヨ:いいねえ、オレにもちょうだい。
ワ:え? 先生も? ずっとクーラーの中にいるくせに・・・。
ヨ:何だよ・・・。突っかかるなあ・・・。

  
ワトソンがキッチンに行っている間に、ヨソクがおじさんを呼んだ。


ヨ:おじさん、ちょっと。
お:何?


デスクのカギを開けて、例の「回数券」を取り出した。


ヨ:これ。返すよ。
お:あれ? 先生。 いらないのお? よかったよお、これ。まだ、8枚残ってるし、使ってよん。おじさんからのプレゼントだと思ってえ。(笑う)

ヨ:いや。お返ししますよ。貴重なお品をありがとうございました。(頭を下げる)
お:そうかあ。勿体ないなあ。あんた、独身だからさあ、分けてあげたのにさあ・・・。
ヨ:いや・・・。おじさん、使ってよ。ちょっと・・・これはマズイんだ・・・。
お:そう・・・。では、いただきます・・・。ホントにいいのお? 勿体ないなあ・・・。今日、行くかなあ・・・。よかったよお。
  

おじさんは残念がりながら、席に着いた。

  
ワトソンが冷たいお茶を持ってきた。


ワ:はい、おじさん、お疲れ様でした。
お:ありがとう。


ヨソクの前へ来て、睨みつける。

ワトソンがグラスをドンと置く。



ヨ:何だよ? (驚く)
ワ:・・・。(スケベ!)

  
ワトソンは嫌な顔をして、くるっと向きを変えて自分の席へ向かう。



ヨ:何だよ・・・。(おじさんを見て、首を傾げる)
お:・・・さあ・・・。(首を傾げる)

  

ワトソンは席に着くと、ヨソクを横目で見た。



ホント・・・・。男はケダモノだわ・・・。

子ヤギ面したってダメよ・・・。

あんたのその、ちょっと、かわいいお顔の、頭の中は、ケダモノなんだから!

  






今日は半日、ヨソクはデスクに座ったままだ。
今回の事件の司法解剖の報告書や調書を読み直し、さっきから、ずっと「オヤッさん」から預かってきた「携帯電話」の内容を読んでいる。



パピーさん、本日は1本。ブラックマンさん、7時より。
パピーさん、本日2本。3時、綱おじさん。8時、ラッパさん。
パピーさん、本日は1本スペシャル。ブラックマンさん。7時より。
  

まず、パピーさんは、パク・ウンジュだろ・・・。
差出人、「アラカルト」は・・・元締めか・・・何の?


何が1本、2本か・・・。

薬の売人ではなさそうだから・・・風俗・・・売春か・・・。

この変てこな名前は客だろ。


それに、これは何だ。


「ブラックマン、AuでPt。
綱おじさんは、Ca系。
ラッパ、HeでH。」

これは、客への評価か・・・。
いったい何だよ。
  

この「リリー」って言う子は、友達かな・・・。
ワトソンと同じ名前だ。


まあ、源氏名だろうな・・・。


「綱おじさん」という客からして・・・。
紐で縛られて死んでるわけだから、この1本は、紐か・・・。

  
さて。
紐で何をするんでしょうか・・・。

ネットで見るか。



紐愛好会・・・。

あ・・・きも悪いねえ・・・。縛るわけねえ・・・。
  

ああ、見たくないけど・・・見るか・・・。


被害者ウンジュの検死記録、写真も合わせて見る。
手首を縛られているところ・・・胸、胴・・・足・・・すべて見る。
  

ヨ:う~ん・・・。
ワ:何が「う~ん」なんですか?
  
ヨ:ん? ちょっとねえ・・・。(PCを見ている)
ワ:何がですか?


ワトソンは、自分の席から大きな声で聞いた。

  
ヨ:ちょっと待っててねえ・・・。


ヨソクは何か調べることに集中している。


  
今日は、ヨソクのデスクの小引き出しから、変な「回数券」が見つかって、嫌な気分になったワトソンだが、ヨソクが仕事に熱中して、声をかけてくれないのも・・・なんだか、寂しい・・・。

勉強していても、身が入らない・・・。

  

ヨ:おじさん!
お:オレかよお~。


おじさんが呼ばれて、ヨソクのところへ行った。

ヨソクは、ワトソンを呼ばない。ワトソンはちょっとがっかりした。


ヨ:ねえ、これって・・・さ。


おじさんにPCの画面を見せている。


ヨ:ほら、この縛り方見てよ。こっちの写真と同じ・・・。
お:ホントだ・・・。紐の愛好者だね。
ヨ:うん。
  

ワ:どれ? どれよ!


ワトソンが話に参加したくてやってきた。



ヨ:おまえは見るな。来るなよ。


ヨソクがワトソンを睨みつけた。


ワ:ヒド~イ。

ヨ:おじさん、これだよね・・・。
お:う~ん・・・。

  
お:まさにそうだわ・・・。
ヨ:まず、一つわかったな。ここからだな。この愛好者さんのお相手をやっていたのかもしれないねえ。
お:うん、そうだねえ・・・この愛好者がどのくらいいるかだな。


ワ:もう、どれよ!


ワトソンが我慢できなくなって割り込んで、PCの画面を見ると、裸の女が後ろ手で縛られている・・・。

それはよかった。

それより、ヨソクが比較して見ていたもの・・・。それは被害者の写真だった。

  

ワ:あ・・・。

ヨ:・・・だから、覗くなって言ったろ?
ワ:・・・うん・・・。

お:ワトソンちゃん、大丈夫かい?
ワ:ダメ・・・。



ワトソンが考えていたより、強烈だった。
被害者のふやけた白い手が脳裏に焼きついた。
  

ヨ:おい、大丈夫か? 少し、横になってろよ。
ワ:・・・。
お:それにしても、こういう愛好者って、本とかPCだけで技術が身に付くんだろうか。
ヨ:そうなんだよね・・・。こんなの見て、手順を覚えられたら、すごい・・・。研修会みたいのとか、あるのかな・・・。


ヨソクがHPを探す。



お:あ、研修会ね・・・。うん。先生が言うと、真面目な会みたいに聞こえちゃうから、大したもんだ。
ヨ:何、感心してるの? 
お:いやいや・・・。


ヨソクが調べている。


ヨ:あった・・・。

お:お、すごいねえ、先生。ええと・・・何々・・・ああ、ちゃんと会員登録しないと詳細がわからないのか・・・。
ヨ:入会してみるか。
お:う~ん・・・そうだね。

ワ:先生! 入会するの?

  
デスクで、うつ伏せになっていたワトソンが驚いて、顔を上げた。

  
お:ワトソンちゃん、これも敵を知るためだよお。
ワ:ゲ~!・・・最低・・・。
  


ヨソクが入会続きをしている。
名前は仮名で、PCアドレスもネット上のHPからだ。



お:でもさ、先生。皆、こんなんで入会しちゃうわけだろ? これじゃあ、どこの誰だかわからないじゃない。
ヨ:うん・・・。でも、この目でメンツを調べることはできるよ。
お:まあねえ・・・。

ヨ:それに、もしかしたら、ハンドネームは同じかもしれないし。
お:ああ、そういうことね・・・。
  


研修会の募集ページを開く。

応募者はこの会については、他言しないこと。
参加費用:100万ウォン。 同伴者ある者のみ許可。


ヨ:同伴者か・・・。
お:つまり、縛られる女も連れてこいってことだな。
ヨ:うむ・・・。


ワ:先生! そんなのに行かないで下さい! イヤラしい・・・。(泣きたい!)


ヨ:同伴者か・・・。もしかすると、あの被害者が、こういうおっさん相手に仕事をしていたとすると、研修に同伴してるって可能性は高いな。
お:かもしれないねえ。(感心する)

ヨ:そうか・・・。同じように派遣してされる女の子に会って見ようか。
お:それもいいですね・・・。うん・・・。

ワ:なんでそんなことするの?!(ドキドキといらいらがワトソンを襲っている)


ヨ:まずは、動機。なんでこんな商売、始めちゃったのか。どこに、この商売に続く入口があるのか。それから手順とかさ、ホントのとこ、紐って言ったって、縛られるのはわかったけどね・・・詳しく知りたいじゃない。



ワトソンはドキドキしている。

先生がそんなものに手を出してしまったら・・・。



ヨ:この「リリー」って子、呼び出してみようかな・・・。
お:リリー・・・。
ワ:ええ!!  リリー?!



ヨソクは、「オヤッさん」がくれた携帯の記録に頻繁に出てくるリリーに目をつけた。






続く・・・・














2010/07/17 02:24
テーマ:本日の彼・・・ カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

ワンダーガールズ観賞?^^

Photo
アメリカにまだいるんだね~





(韓国公式家族の方より)

63345 [スポーツ韓国]ペ・ヨンジュン ワンダーガールス公演観覧?



スポーツ韓国原文記事転送2010-07-16 06:06


半月裂いて米国滞留…ハワイ訪問も計画


俳優ペ・ヨンジュンが半月裂いて米国を回って外遊中だと確認された。

ペ・ヨンジュンは今月の初めサンフランシスコなど米国一帯を回って日程を消化している。
CFと画報撮影などが進行している中で今後また他の活動計画を摸索中であることが分かった。
ペ・ヨンジュンの所属会社のキーイースト関係者は"7月末まで約一月間米国に滞留するだろう。
公式活動他にも個人的な日程が含まれていてかなり長い時間留まることになった"と明らかにした。


ペ・ヨンジュンは今回の米国滞留期間中ハワイにも訪問する計画だ。
偶然にも16,17日にはグループ ワンダーガールスがハワイでツアー公演を広げる。 だからペ・ヨンジュンがワンダーガールスの公演を観覧するという観測が用心深く出てきている。


ペ・ヨンジュンの所属会社のキーイーストはワンダーガールスが俗漢JYPエンターテイメントと手を握ってドラマ<ドリームハイ>を合作している。
だからペ・ヨンジュンがパク・チニョンと共同作業を本格化するためにワンダーガールスの公演に参加するという主張が説得力を持っている。
ある演芸関係者は"ペ・ヨンジュンはJYPと共同作業を発表する前パク・チニョンの公演会場を探すこともした。
事業家として彼のち密さが引き立って見える大きな課題だ。
ペ・ヨンジュンを一月間米国に留まって今後キーイーストが進む青写真を描くものと見られる"と観測した。


ペ・ヨンジュンの所属会社側は用心深い立場だ。
キーイースト関係者は15日スポーツ韓国と電話通話で"ペ・ヨンジュンは最近までサンフランシスコに留まっていた。
ハワイへ渡ったのかはまた確認してみなければならない。
米国で具体的にどんな撮影が進行されたのかは今言うことはできない"と言葉を慎んだ。



スポーツ韓国

アン・ジンヨン記者realyong@sportshankook.co.kr








まだ、アメリカをうろうろしているようです^^



でも、こうやって仕事しているのが、楽しいんだよね~~^^
joonは^^



「ヨンジュンさん、この子たち、いいですね~^^」

「だね^^ う~ん・・・あの子がかわいい^^」

「・・・? これって・・・ドラマのためですよね・・・?」


「あ~ん、かわいいなあ^^(ポア~ン)」


「ただ見たかったんじゃあ・・・ないですよね・・・?」

「うん? ただ見たかったんだよ^^ 皆かわいいじゃない^^」

「ヨンジュンさん・・・」




というわけで、

仕事、仕事といいつつ、好きなこと、してます~^^v



2010/07/17 01:19
テーマ:【創】探偵物語 カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

【BYJシアター】「探偵物語」3の1





↑BGMはこちらをクリック







BYJシアターです^^



本日は「探偵物語」3の1です。

さて・・・どうなっていくのでしょうか・・・。





ここより本編。
ではお楽しみください。


~~~~~~~~~~









「せえ~の~」


「よいしょ!」


「よし!」







ペ・ヨンジュン主演
イ・ジア

「探偵物語」3の1








ヨ:できたな。
レ:できましたね。



ワトソンの弟、レオンの部屋で、2段ベッドを組み立てたヨソクとレオンは、狭い部屋の天井ギリギリに芸術的に押し込まれたベッドを見上げた。


ワ:サンキュ。入ってよかった。(満足)

ヨ:う~ん、いいんじゃない。どっちが上に寝るか知らないけど。(笑う)上は相当きついよ。
レ:そりゃあ、姉さんだろ? 
ワ:ええ~。(嫌な顔をする)

ヨ:さて。・・・洋服ダンスは自分でやるとして・・・あとは、本棚に本を出すだけか?
ワ:うん。これが多いんだ。(段ボール箱を押してくる)

ヨ:よし! 手伝ってやろう。
ワ:ありがとうです!(笑う)

レ:ねえ、その前に昼食べましょうよ。前のアパートの掃除から、ここまで働き通しだもん。おなか空いちゃった。

ヨ:そうするか? 
ワ:うん、そうですね。
  

ヨ:この辺にそば屋はあるか?
レ:ありますよ。案内します。
ワ:え、おそばなの?

ヨ:引っ越しにはそばが付き物だろ?
ワ:ジャージャー麺! (うれしそうに言う)

レ:行きましょう。

  


弟のアパートから、5分ほど歩いたところに、小さなそば屋があり、三人はそこへ入った。


弟のレオンは、ワトソンとは一つ違いで、現在は大学の空手部に所属しており、190cmと背が高く、筋肉質でしまった体つきをしている。
アバンギャルドでいて、ちょっとコケティッシュなところのあるワトソンとは一味違って、体育会系のニオイのするサッパリとした男だ。

  
ヨ・レ・ワ:いただきま~す。

ヨ:・・・ん、結構、イケるじゃない。
ワ:そうですね。
  
ヨ:レオン君、あのベッドでよくそこまで大きくなったあ。
レ:ですね。自分でも感心してます。
ヨ:・・・骨が曲がらずに、真っすぐに成長できてよかったよ・・・。(感心している)



ワトソンは今にも吹き出しそうだ。

自分のベッドで、窮屈そうに体をくねらせていたヨソクの顔が頭に浮かんだ。

  
「これって、棺桶みたいだよな」
「ねえ、棺桶に入ってもできるように練習しよう」
「いいよお」


  
レ:先生。子供のころは斜めに寝てましたからね。

ヨ:斜め?
レ:そう、対角線上ね。少しは長さが取れるでしょう。

ヨ:ああ、なるほど・・・。ところで、あの2段ベッドって、いくつまで一緒に寝てたの?
ワ:ええと~・・・。

レ:アネキが14の夏までです。
  
ワ:よく覚えてるわねえ。(驚く)
レ:だって、あれは強烈だったよ。

ワ:何が?
レ:姉さん、知らないんだあ・・・。
ワ:何を?


レ:先生。うちの母さんてすごい人なんですよ。アネキが14の夏に、いきなり、オレのところに来て言ったんです。「レオン、リリーも女になったから、これからは、もう一緒に寝られないわよ」って、それで、部屋を分けたんです。

ワ:(そばを吐き出しそうになる)うそ?! 何よ、それ。知ってたら、抗議してたわよ、私!


  
ヨソクが笑った。


  
ヨ:14の夏か・・・。ふ~ん。(にんまりして、ワトソンを見つめる)
ワ:・・・先生! (赤い顔をして睨む)

レ:それで、部屋を2つに分けたんです。これって強烈でしょ? だって、オレ、まだ中学1年ですよ。
ヨ:しかし、お宅のお母さんが、そういうこと言うのが想像できちゃうのがまた恐ろしい・・・。(笑う)きっと、ワトソンに似てる人なんだろうなあ。

ワ:似てないわよ、母さんとなんか。

レ:似てるんですよ、これが。やっぱり、血は争えないよな。
ワ:失礼ね。

  

ヨソクがワトソンの顔をしげしげと見て笑っている。
ワトソンがゲエ~と嫌な顔をする。
  

レ:ほら、こういうとこも、そっくり!(笑う)
ワ:もう!!

  
弟とヨソクは楽しそうに笑ってそばを食べる。



レ:そういえば、今朝、アネキのところで荷物を軽トラックに乗せていたら、「お引っ越しですか?」って聞かれたなあ・・・。
ワ:誰かな。どんな人だった?

レ:ん? 普通のサラリーマン風の男の人。知り合いでいる?
ワ:さあ・・・。サラリーマンなんて知らないわ。あんまりアパートの周りの人と付き合いがないから。何だろうね。

レ:ただ言ってみただけかな。
ワ:うん・・・。(食べる)

ヨ:・・・。でも、今日は火曜日だろ? 火曜日の午前中に住宅地を歩いているって。セールスかな。

ワ:なんのセールスかしらね。いくつぐらいの人だった?
レ:先生ぐらいかな。30代前半って感じだったかな。

ワ:やっぱり、知らない人よ。そんな年頃の人って、先生ぐらいしか知らないもん。
レ:そう・・・。でも、荷物運んでるアネキの後ろ姿をじっと見てたよ。

ヨ:・・・。(そばから顔を上げる)

  

ヨソクが不思議そうな顔をして、レオンの顔を見た。



  
レ:ところで、本題です。
ワ:なんか話があったの? (驚く)
レ:うん。
ヨ:・・・。

レ:アネキの荷物は預かったけど・・・。
ワ:預かったって・・・。(何よ)

レ:・・・ホントに住むんじゃないよね?
ワ:え? 住むわよ。当たり前じゃない。今日から住むわよ。

レ:・・・他に行くとこ、ないの?
ワ:何言ってるの?

レ:引っ越しって・・・カモフラージュじゃないの?
ワ:なんで? 何のためにそんなことするの? ちゃんとした引っ越しよ。あんた、何言ってんのよ。


レ:先生とアネキって・・・違うの? (二人を見る)

ワ:な、な、な、何がよ? (少し動揺する)
ヨ:ゴホン!(咳込む)
  
レ:違うんだ・・・?
ワ:ち、ち、違うわよ。
  
レ:ふ~ん・・・そうなんだ・・・。へえ・・・。
ワ:バカねえ。

レ:ふ~ん。実は、オレのとこ・・・友達が来るからさ・・・。
ワ:いいわよ、来ても。

レ:それがさあ・・・。ちょっと困るんだよね・・・。

ワ:友達のために、アネキを捨てるの?
レ:いや・・・。
ヨ:??


レ:先生のところへは行けないの? 先週は事務所にいたんでしょ?

ワ:・・・な、何、言ってんのよ! あんた、肉親じゃない・・・。普通はこういう場合、姉弟で住むものでしょ?
レ:でも、オレも困るんだよねえ・・・。

ワ:・・・彼女でもいるの・・・?
レ:うん・・・。

ワ:何よ、それ・・・。

レ:先生、ダメですか?
ヨ:ダメですかって言われても・・・。

レ:(ヨソクを見つめる) ダメですか?


ヨ:う~ん・・・。じゃあ・・・来るか?
ワ:(ドキッ)・・・。(ちょっと胸が苦しい)

ヨ:事務所でよかったら・・・。
ワ:・・・。(少し喜びが半減)

レ:どうする? アネキ。
ワ:・・・。(困る)


ヨ:じゃあ・・・おいで。
ワ:・・・。(ドキドキしている)
  
レ:よろしくお願いします。(頭を下げる) そのほうがアネキも仕事しやすいだろ? 勉強も教われるし。
ワ:・・・・。(ちょっとヨソクのことを思ってドキドキしている)

レ:大きいものは預かっておくよ。身の回りのものだけ、持っていったら? いつでも取りに来ていいからさ。

ワ:・・・何よ。・・・レオン、あんたってひどい弟ね・・・。(ボソッと言う)
レ:ごめん。
ヨ:・・・。
  


ヨソクがあまりにじっとワトソンを見つめていたので、ワトソンは胸が苦しくなった。

弟は、ヨソクが今マンションを引き払って、事務所に寝泊まりしていることを知らない。

しかしまあ、とんだことで、ワトソンは、事務所で生活することとなった。

そう。ヨソクと二人で・・・。

  
なんとなく、ワトソンとヨソクがぎごちなくなった。
弟のレオンは、おいしそうにそばをすすっているが、ワトソンとヨソクは、時々、喉にそばが詰まるのか、咳払いをした。










勉強道具と着替えはそのまま段ボールに詰めたまま、軽トラックは事務所に戻った。





ワ:・・・よろしくお願いします・・・。(仏頂面で頭を下げる)

ヨ:・・・うん・・・。まあ、今までの続きということで・・・。ベッドは、半分ずつ使おう・・・。
ワ:はい・・・。



ワトソンはちょっと硬くなりながら、自分のデスクに本や教科書を並べる。
  

ヨ:何だよ・・・寡黙だなあ・・・。(笑う)
ワ:・・・ふ~ん。(溜息)

ヨ:あいつに一杯やられたな。(笑う)
ワ:え?(ヨソクを見る)

ヨ:さすが、ソウル大の空手部だ。
ワ:・・・。

ヨ:でも、オレがここに住んでるの、知らないんだろ?
ワ:ええ・・・。


ヨ:まあ、いいさ。・・・何だよ、おまえ。硬くなるなよ。どうしたんだよ。

ワ:だってえ・・・一緒に暮らすなんて・・・。
  
ヨ:・・・今までと変わらないだろ?
ワ:そうだけど・・・。

ヨ:おまえは嫌なの?

ワ:嫌って・・・。(口ごもる)

  

ヨソクがワトソンの横へやってきた。

  

ヨ:「放ったらかしにして」って、この間、毒づいてたくせに。
ワ:あの時とは、状況が違うでしょ?
  
ヨ:(笑う)何だよ。おまえ・・・。(にんまりする)

ワ:何かなあ・・・。

ヨ:うれしくないの?

ワ:・・・そう言われると・・・。

ヨ:うれしいだろ?



そう言って、ワトソンの顎を掴む。


ヨ:だろ?(顔を覗く)

ワ:う~ん・・・。

ヨ:(笑う)往生際が悪いやつだな。




ヨソクが体を摺り寄せて、ワトソンを抱いた。



ワ:ホントにいいのね?(顔を見上げる)

ヨ:うん・・・。うちの大切なスタッフさんだからね。
ワ:もう・・・。(睨む)

ヨ:14の夏なんだ・・・。(笑う)

ワ:(赤くなる)何よ。

ヨ:奥手なんだな・・・。
  

そう言って、ワトソンの胸に手を当てた。
  

ワ:だから、何よ?(下を向く)

ヨ:まだ、胸が大きくなってそんなに経ってないんだ・・・。
ワ:だから・・・?
ヨ:別に・・・。(笑う) ちょっと秘密を知るって、うれしいじゃない。
ワ:・・・バカ・・・。



ヨソクがワトソンの顔を上げて、やさしくキスをした。

ワトソンは上目遣いをして、ゆっくりと微笑んだ。





続く・・・・



2010/07/15 22:47
テーマ:【創】探偵物語 カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

【BYJシアター】「探偵物語」2の2





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BYJシアターです^^


キーイーストもまた大きなところへお引越しされて
joonの周りは安泰のようです^^




本日は、「探偵物語」2の2です^^

ところで、このストーリーは殺人事件を扱うので
そういうのが苦手な人は・・・やめておいたほうがいいかもしれませんvv*



こちらは全くのフィクションです。
実際の警察や探偵、事件とは異なります。






ここより本編。
ではお楽しみください^^




~~~~~~~~




ぺ・ヨンジュン
イ・ジア 主演
「探偵物語」2の2






5日ほどして、探偵事務所のチャイムが鳴って、年の頃では50前後の女性が現れた。

  
ソ:すみません。こちらは、ペ・ヨソク先生の探偵事務所でしょうか?
ワ:はい。

ソ:あ、あなたは、もしかして、チョン・リリーさんですか?
ワ:え? あ、そうですが・・・。

ソ:私、パク・ウンジュの母の、ソ・ウンスと申します。
ワ:・・・? (わからない)


ソ:・・・先日・・・アパートの2階の部屋で、発見していただいた・・・。
ワ:あ・・・。

  
母親は切なそうにワトソンを見つめた。



ヨ:ワトソン。こちらへお通しして。


ワ:あ、はい。どうぞ、中へ。
ソ:失礼します・・・。


ワ:どうぞ、こちらへお掛けください。
ソ:すみません・・・。



ヨソクとワトソンは、ソ夫人の前に並んで座った。



  

ソ:この度は・・・大変お世話になりました・・・。ありがとうございました・・・。やっと、お葬式も終わりまして・・・。
ヨ:そうでしたか・・・。お母様もご心労のことでしょう・・・。お嬢さんのご冥福をお祈ります。
ソ:・・・ありがとうございます・・・。(涙を拭う)
  

ソ夫人がハンカチで涙を拭っている間、ヨソクとワトソンは黙って俯いていた。

  

ソ:実は・・・先生にお願いがあって伺ったんです・・・。
ヨ:なんでしょうか?

ソ:警察で、娘の死因を聞いて、殺されたって・・・。あんな自殺なんて、ありえませんものね・・・。もう、頭の中が真っ白になりました・・・。まだ、21になったばかりで・・・。恋もしたこともなかったのに・・・。あんな殺され方をして・・・。あの子が不憫で・・・。(言葉に詰まって涙を拭う)

ヨ:うん・・・。(頷く)
  
ソ:刑事さんとお話して・・・まだ、犯人の手掛かりもないって・・・。通り魔か怨恨かって・・・。恋人もいなかった子に、怨恨なんて・・・。ストーカーでしょうか・・・。

ヨ:・・・。

ソ:なんで、あんな酷い殺され方をしなくちゃいけないんでしょうか・・・。もう、胸が苦しくて、犯人が憎くて・・・気が狂いそうなんです・・・。

ヨ・ワ:・・・。


ソ:先生。調べて下さい。犯人を見つけてください! 警察だけに頼っていられません! 私たちもなんとかしないと。あの子が、あの子が! 私たち家族を助けてください!
  
ヨ:・・・。でも、ここはただの探偵事務所で・・・。殺人は・・・。
  
ソ:先生は、かつて殺人事件の検挙にも協力されたと伺いました。助けてください!
ヨ:・・・。 (誰だよ、そんな余計なこと言ったの・・・)


ソ:お願いです! その・・・チョンさんだって、もしかしたら、うちの子の代わりに、殺されていたかもしれないでしょう?
ワ:!(胸が痛い!)


ヨ:奥さん、少し落ち着いてください。まずは、警察に任せてみましょう。ソウル警察は優秀です。

ソ:・・・!



ソ夫人は、驚いた顔をして、ヨソクを見つめた。



こんなに、頼んでいるというのに!



ソ:人が一人死んでいるんですよ。
ヨ:だから・・・。


ワ:・・・先生。引き受けてあげましょうよ。


ヨ:何を言ってるんだ。おまえ、事の重大さがわかってないな。(睨む)
ワ:だって、かわいそう・・・。私とたった1歳しか違わないんだもの・・・。そうよ、私がそんな目に合ってたら、先生、どうするつもりですか? 見守るだけなの?

ヨ:いや・・・・。


ソ・ワ:先生!!


  
二人はすごい迫力で、ヨソクを見つめた・・・。








  


お:って、わけで引き受けちゃったんだ・・・。(やな顔をする) 先生が、もう刑事事件はやらないっていうから、安心してここに勤めてるのにさあ・・・参ったなあ・・・。(頭を掻く)

ワ:おじさんまで、ヒドイ!

お:ヒドイって、ワトソンちゃんは、まだ知らないから言えるんだよ。こっちも命がけで捜査しなくちゃいけないって事、わかってないねえ・・・。(呆れる)

ワ:でも、かわいそうじゃない・・・。

お:かわいそうなんて言ってたら、キリがないでしょう? 殺されちゃう人なんて、いっぱいいるんだからさあ。

ヨ:おじさん!(顔をしかめる)

お:だって、先生。 こっちだって、仕事なんだからさあ。
ワ:・・・。


ヨ:いずれにしても、これは、もう引き受けてしまったわけで・・・。オヤッさんもいろいろデータを横流ししてくれるって言ってるし。

お:そりゃあそうでしょ? あのボンクラの新人さんが担当じゃあ、所長にお願いしちゃったほうが楽だもん。それに費用は被害者の親持ち。なんて楽な話だ。

ヨ:ふ~。


ワ:二人ともやな感じ。(二人を睨む)


ヨ:何だよ、引き受けただろ? (ムッとする)

ワ:・・・まあねえ・・・。(横目でヨソクを見る)

お:私は抜けさせていただきますよ。こっちは2件、抱えてるし、もう殺人事件はまっぴら。

ワ:おじさん!

  
お:では、捜査に出かけます。失礼!


おじさんはちょっと怒ったように事務所を出ていった。




ワ:もう!
ヨ:ワトソン!
ワ:だって、あんな言い方しなくても・・・。

ヨ:おじさんはそれだけ、捜査がたいへんなことを知ってるし、嫌っていうほど、危ない目に合ってるんだ。 でも、いざとなったら、自分が出てこなくちゃならないのもわかってる・・・。現実を知ってるのさ。
ワ:・・・。

ヨ:おじさんを責めるな。 とにかく、オヤッさんがくれた調書と司法解剖の結果を見てみよう。

  
ワトソンがヨソクのデスクに近づこうとすると、ヨソクが怖い顔で睨みつけた。



ヨ:おまえは見ないほうがいいよ・・・。ある程度、目途が立ったら、教えてやるから・・・。
ワ:わかった・・・。わかりました。あ~。(溜息)








パク・ウンジュは、こうして殺されていた。

全裸の体に、手は後ろ手で縛られ、全身を麻紐できつく縛られていた。もがくと首が絞まる巻き方だ。
その姿のまま、あのアパートの小さな浴槽に沈められた。浴槽の大きさは70×75×60cm・・・。
たとえ、意識があっても、起き上がろうにも起き上がれない。
狭い穴に閉じ込められたようなものだ。

彼女は生きたまま、そこに投げ入れられ、シャワーのホースを首に巻きつけられて、固定された。
そして、手首をナイフでサッと切られて、その浴槽の水道の蛇口は開かれたまま、放置された。
いや、犯人は、彼女がもがき苦しみながら、死んでいくのを見ていたのかもしれない。



それは、オレたちが、クリーニング屋の軒先で、恋の駆け引きをしていた時か。
あるいは、酔って寝ていたオレをワトソンが足蹴りしていた時か・・・。

  

いずれにせよ、彼女は、オレたちが笑っていた時に魔の手に落ちた。
  


それが、ワトソンを苦しめているのに違いない。

もしかしたら、2階のウンジュではなく、1階に住む自分が命を落としていたかもしれない恐怖・・・。



  
しかし、どうだろう。


いくら女とはいえ、抵抗する女にこんな風に紐が掛けられるものだろうか。

少なくとも、自分にはできない。

  
まず、このような精巧な結び方はできない。
これは、紐を扱い慣れているものの仕事だ。


そして、犯人は一人なのか。
2人、あるいはそれ以上か。


嫌がる女にあれだけの紐を巻きつける・・・。2人でもやりにくいのではないか・・・。

ということは、女は抵抗しないで、それに従ったということだろうか・・・。

たとえば、複数なら、一人がナイフで脅している間に、一人が紐を掛ける。

  
「直径30ミリなる麻紐1本を使用・・・」

1本ということは、一人の人間が巻き上げているということか・・・。
この太さを扱える点を考えても、浴槽に陥れている点でも、犯人は力のある男だ。


ウンジュは、身長が165cmだ。
ワトソンとほぼ変わらない。


オレが、縛り上げたワトソンを、深さ60cmの浴槽に一人で入れることができるだろうか・・・。


レイプは・・・B型、一つだけ?
一人?

  





ヨ:オヤッさん。ちょっと教えてほしいんだけど。
キ:なんだ。


ヨソクは、この事件の調書を見ながら、キム刑事に電話をしている。


ヨ:このウンジュって子は・・・いったい、どんな子だったんでしょうね。
キ:それはおまえの分野だろ。

ヨ:しかし・・・普通の女子大生ですか?
キ:うん・・・。
ヨ:なんかわからないんです・・・。

キ:携帯の記録を回そうか・・・。
ヨ:手がかりがあるんですね?

キ:うん・・・この暗号のような内容を読み解ければ・・・。
ヨ:暗号・・・。いいんですか、いただいても?

キ:隠密にだが・・・。大変な子だよ。
ヨ:どんな?

キ:普通じゃないね。何か商売をしている・・・。
ヨ:商売?

キ:非合法のな。

ヨ:薬とか?
キ:いや・・・。

ヨ:売春?

キ:に近いかもしれないな・・・。その道のバイトでもやっていたように思われる節がある・・・。

ヨ:・・・。

キ:ま、あとで届けるよ。
ヨ:すいません。
キ:とんでもない娘だ・・・。
ヨ:では、よろしく。




ヨソクがしかめっ面をして、ゆっくりと受話器を置くと、ワトソンがヨソクのほうへやってきた。

  
ワ:売春て?

ヨ:・・・。(首を横に振る) まだ、わからない・・・。でも、ただの、普通の子じゃないかもしれないね・・・。

ワ:でも、恋もしたことないって、お母さんが・・・。
ヨ:お母さんはね。(イスの背にもたれて、ワトソンを見る)
ワ:・・・。


ヨ:ワトソン、殺されるには理由がある・・・。もちろん、通り魔もあるだろう・・・。しかし、これだけ手が込んだ方法を取るとは・・・。通り魔は考えにくいかもしれないな・・・。
ワ:・・・。 (真剣にヨソクを見る)
  

ヨ:だから・・・おまえは安心して、眠っていいんだよ。たとえ、同じところに住んでいても、同じ大学生だとしても・・・。彼女はおまえの身代わりでも、おまえが彼女の身代わりになれるわけでもない・・・。彼女には、彼女の、理由があるんだ・・・。

ワ:・・・。

ヨ:殺されるね・・・。



ヨソクとワトソンが見つめ合った・・・。





  

続く・・・






ではまた・・・


2010/07/12 22:03
テーマ:【創】探偵物語 カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

【BYJシアター】「探偵物語」2の1





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BYJシアターです^^



本日は、「探偵物語」2の1です^^

ところで、このストーリーは殺人事件を扱うので
そういうのが苦手な人は・・・やめておいたほうがいいかもしれませんvv*



こちらは全くのフィクションです。
実際の警察や探偵、事件とは異なります。






ここより本編。
ではお楽しみください^^




~~~~~~~~





「あ、ヨソク!」

「あ、オヤッさん!」



警察の取り調べ室の前で壁に寄り掛かっていたヨソクを、刑事のキム・ソクジュンが見つけた。


  


ペ・ヨンジュン主演
イ・ジア
「探偵物語」2





キ:おい、女子大生殺し、おまえが第一発見者だって。
ヨ:まあ、そういうことになりますか。やっぱり、殺しですか?

キ:う~ん、はっきり断定はできないが、あの様子ではそうだろ? で、被害者の下の部屋に、ワトソン君が住んでるんだって?
ヨ:ええ。

キ:二人で勉強してたって?
ヨ:ええ。明日、大学のレポート提出日なんで・・・。

キ:そうか。それで何時頃、水漏れに気がついた?
ヨ:ちょうど12時を回った頃ですかね。オレが10時ごろにトイレに立った時には、洗面所の辺りに変わったことはありませんでしたから。
キ:う~ん。



ワトソンが風呂に入ったのが午後9時半頃。
そのあとに、ヨソクがシャワーを借りた。それが午後10時頃だ。

二人が洗面所をうろうろとして、ふざけ合っていた時には、全く何の変調もなかった。




ヨ:12時近くになって、床が耐えきれなくなったということですかね。

キ:まあ、そうだな。おまえがワトソン君を訪ねたのは何時だ。
ヨ:ええと、二人で一緒に仕事先から帰ったんです。ワトソンがレポートでわからないところがあるから、見てくれって。それが、午後6時頃です。
  
キ:う~ん。その時は、特に変わった物音はしなかったんだね?

ヨ:ええ。雨音もすごかったですけど、あの水漏れのぽたっぽたっていう音ははっきり聞こえましたからね。2階で乱闘騒ぎがあれば聞こえると思うんですよ。それに、オレたち、出前を取ったんです。それが来たのが、7時頃かな。その時も特に変わったことがなかったな・・・。あ、太王苑っていう弁当屋です。
  
キ:太王苑ね・・・。(メモする)・・・ということは、事件は午後6時以前にあったということだな。
ヨ:うん・・・。(頷く) あの遺体からして、もっと前でしょう。

キ:まあ、そうだろう・・・。それにしても、あの安普請のアパートで被害者もよかった。でなきゃ、あんなすぐには水漏れしないからな。発見が遅れただろう・・・。水の強さにもよるが・・・。水を止めたのは?

ヨ:警察の方です。オレはそのままにしておいたから・・・。でも、水の出方は、そんなにも強くはなかったな。しかし、犯人は、早く発見してほしかったんだろうなあ・・・。
キ:そうか?

ヨ:じゃなきゃ、水を出しっぱなしにする必要もないでしょう・・・。そのままでも、実行されてたわけですから・・・。

キ:うん、そうだな。・・・縛られて、浴槽に入れられて・・・シャワーのホースで首を絞められて・・・手首を切られる・・・だな。
ヨ:そうですね。殺してからでは、あんな風には縛れないでしょう・・・。シャワーのホースは首を絞めるというより、体を固定したと考えたほうが妥当かな・・・。あそこの浴槽は小さいから、閉じ込められたら動けないでしょう。




ヨソクは、身長が180cmと大柄なので、あの浴槽に入って座るのも苦しい・・・。
だから、いつもシャワーしか浴びない。

  

キ:うん・・・。残虐だ・・・。

ヨ:死後経っても一日。半日ってとこでしょうか?
キ:そのくらいだな。あの様子じゃ。ところで、ワトソン君は?
ヨ:今、医務室で安定剤をもらってます。
  
キ:遺体を見たのか? (驚く)

ヨ:いえ、それはなかったんですけど。オレが中に入るなって言ったから。
キ:それはよかった・・・。


ヨ:でも、天井に浮かんだピンクのシミと、2階の部屋から湧き出るピンクの水は見てるんですよ。それに、被害者が同じ女子大生だったって聞いて、ちょっと放心状態です。

キ:うん・・・。それは辛かったなあ・・・。


ヨ:通り魔・・・?
キ:う~ん・・・怨恨かもしれん・・・。
ヨ:・・・。


キ:ところで、今日はどうする? ワトソン君の泊まるところはあるのか? 下にも鑑識が入るぞ。
ヨ:あそこには戻れませんよ。気持ち悪くて・・・。今日は事務所で預かります。

  
キ:これから先、どうする?
ヨ:弟もソウルにいるんで、そこに行くと思います。
キ:そうか。ご両親は今、東京だったなあ。
ヨ:ええ。自宅を貸しているので、家には戻れないんです。

キ:うん、まあ、おまえのところにいれば、安心だ。面倒見てやってくれ。まるでオヤジみたいな言い草だが、この年になると、つい、オヤジになっちまうよ。(笑う)
ヨ:はい。(笑う)今日はこれで帰っていいですか?


キ:また、何かあったら、よろしく頼むよ。ああ、うちの新人さんに送らせるよ。外はまだ雨降りだ。
ヨ:すいません。(軽く頭を下げる)


  





ヨソクが警察の医務室からワトソンが出てくるのを待っていると、ワトソンは婦警に付き添われてよろよろと出てきた。


ヨ:あ、すみません。(駆け寄る)


婦:安定剤が効いてるので、少しふらつきますけど・・・。
ヨ:すいません。おい、大丈夫か? (ワトソンを抱きかかえる)
ワ:うん・・・。(げっそりしている)


ヨ:どうもお世話になりました。(軽く頭を下げる)行くぞ。
ワ:うん。掛け布団、持ってきた?
ヨ:あそこに置いてあるよ。



ベンチの上に、ワトソンのボストンバッグと、紐で括って小さくなっている掛け布団があった。


ワ:うん。



ヨソクがワトソンを抱きかかえるようにして、歩く。




新:お待たせしました。ヨソク先生。お送りします。
ヨ:?
新:あ、オレ。いえ、自分は大学時代、先生の「犯罪者の心理」の授業を取ってたもので。
ヨ:ああ、そう・・・そうか・・・。じゃあ、すまないけど、あそこにある彼女の布団とバッグを持ってくれるかい?
新:わかりました。



刑事課の新人は、ワトソンの荷物を取りにいった。



ヨ:歩けるか?
ワ:なんか、足元がおぼつかないの・・・。薬のせいね。普段、薬なんて飲まないから。すごく効いてる・・・。

ヨ:そうか。(心配そうに)背負うか?
ワ:え? こんなとこで・・・?

ヨ:じゃあ、もっと捕まれよ。
ワ:うん。(ヨソクに体を預ける)
  
新:先生。自分もお手伝いします。僕の肩にも捕まってください。(ワトソンに言う)
ヨ:あ、すまん。
  

新:先生は、もう刑事事件は、扱わないんですか?
ヨ:ああ・・・。



3人はゆっくり、2階から階段を下りて、パトカーへ向かう。



新:寂しいなあ・・・。先生には続けてほしかったなあ。
ヨ:一度、撃たれたからね・・・。それで、今は民事事件だけだ。


そう・・・ほとんどが、浮気の素行調査ばかり。



新:そうですか・・・。 あ、車を玄関につけるので、ここでお待ちを。先生、布団、お願いします。バッグは持っていきますから。
ヨ:(受け取る)あ、ありがとう。




刑事の新人さんは、雨の中、覆面パトカーのほうへ走っていった。



ワ:先生。撃たれたの?

ヨ:うん。ちょっと肩をかすっただけだけど。
ワ:あの星形の傷、そうだったの?
ヨ:うん・・・まあな。
ワ:そう・・・。



ワトソンが疲れ切った顔で、ヨソクを見上げた。
でも、その目はやさしく、尊敬の念が感じられた。



新:先生~。お待たせしました~。


ヨ:もう一頑張り。行くぞ。
ワ:はい。



ヨソクは、ワトソンと布団を抱えて、車のほうへ向かった。


  








ヨ:どうだ。眠れるか?



事務所のベッドに寝そべるワトソンに声をかけた。


ワ:うん・・・目が瞑れない・・・怖くて・・・。



ワトソンは、事務所の天井を見つめている。
ヨソクがデスクのライトを消して、ベッドのほうへやってきた。


ヨ:ここの天井、いくら眺めたって、何にも起こらないよ。
ワ:でも・・・。(不安げな目をする)


  
ヨソクがベッドの横に座り、ワトソンをやさしい目つきで見つめた。



ヨ:怖かったか?
ワ:うん・・・。あの水を見たら、突然、立っていられなくなっちゃった。


ヨ:今日は・・・風呂に入りそびれたな・・・。
ワ:怖くて・・・今はお風呂に入れない。
  
ヨ:体、拭くか?
ワ:うううん、いい、このままで。

ヨ:でも、あの後だったから。
ワ:でも、いい・・・。先生とだから、いいよ。そのままでも。
ヨ:・・・。(頭を撫でる) じゃあ、朝になったら入れよ。

ワ:うん・・・。だるいなあ・・・薬のせいだよね。
ヨ:早く寝ろよ。もう夜が明けそうだけど。(やさしく笑う)


ワ:先生。少しだけ、そばにいて。一人だと、あのあふれてきた水が頭に浮かんじゃうの。
ヨ:いいよ。



ヨソクは、ワトソンの横に寝そべって、腕枕をしてやる。

ワトソンがまた天井を見ている。




ヨ:寝ろよ。
ワ:うん・・・。

ヨ:天井じゃなくて、オレの顔見てたら?
ワ:・・・。(ヨソクの横顔を見る)

ヨ:好きな男の顔を見ながら、眠りについたほうがいいじゃないか。
ワ:うん・・・。

  
ワトソンは、ヨソクの顔をじっと見つめて、彼の胸に手をやった。


ワ:ここにいてね。
ヨ:いるよ。オレのベッドだからな。(やさしく笑う)
ワ:(少し笑う)そうだよね・・・。



ヨソクのシャツをギュッと掴む。


ワ:おやすみ・・・。
ヨ:おやすみ。



ヨソクとワトソンの二人は静かに眠りについた。












翌朝、10時を過ぎて、おじさんが出勤してきた。


お:おはよう~ございます・・・。あれ、先生、寝てるの?


ヨソクが応接セットで目を覚ました。


ヨ:ああ、おはよ。

お:先生、聞いたよ。 大変だったねえ、昨日は。
ヨ:ああ。
お:ワトソンちゃんは?
  
ヨ:ん? ああ。 ベッドでまだ寝てる。昨日、眠れなかったみたいだから。
お:そうか・・・。でも、現場は見てないんでしょ?

ヨ:でもね、血の色した水があふれてきたのは見たんだよ。
お:そりゃあ、びっくりだ。


ヨ:おじさん、今日は何だっけ? あ、あの一件ね。

お:あと、もう一件。あれ。
ヨ:ああ・・・あれかあ。なんか頭が回らないなあ・・・。


お:うん・・・。お茶、入れますよ。
ヨ:済まない。
お:私も飲みたいのよ、実は。(笑う)
  

ヨ:ちょっとシャワー浴びてくるわ。頭がスッキリしないから。

お:どうぞ~。





  

しばらくして、ワトソンが目を覚ました。



ワ:あれ・・・先生は?

お:シャワー。
ワ:そう・・・。

お:大変だったなあ。
ワ:うん。

お:大丈夫かい?
ワ:わかんない。

お:まあ、弁護士になったら、こういう事件を扱わなくちゃならないかもしれないから、どれも勉強だよ。

ワ:殺人事件はやだ。
お:そうか・・・。



  

ヨソクがシャワーから出てきた。


ヨ:起きたか? 少しは元気になったか?
ワ:わからないです・・・。先生、私もシャワー借りていいですか?

ヨ:いいよ。あ、今日は学校だな。
ワ:ええ。レポート出しに行かないと。
ヨ:そうか。


ワ:お借りしま~す。
  


ワトソンが着替えを持って、バスルームへ行き、しばらくしてまた戻ってきた。



ヨ:どうした? 

ワ:・・・ドア、開けて入るので・・・二人とも、こっちへ来ないでくださいね。(睨む)
ヨ:わかった。
ワ:おじさんもね!(睨む)
お:(笑う)信じてないねえ・・・行かないよ。
ワ:じゃあ、私が出てくるまで、来ちゃダメですからね!



ワトソンが洗面所へ入っていく。



お:怖いのかな?
ヨ:だろ?
お:うん・・・・。(頷く)





  

その後、ワトソンの弟の携帯にメールしたものの、返事は戻ってこなかった。
夕方になって、弟から、空手部の大会のための合宿に出ているから、今週いっぱいは帰れないというメールが返ってきた。



ヨ:どうする? ここでしばらく、共同生活するか?

お:おじさんちへ来るか?
ワ:え、いいの?

ヨ:やめとけ。
ワ:なんで?

ヨ:この人、3回、結婚してるから・・・。危ない・・・。
ワ:え! そうなの!?

お:先生。人のプライバシー、簡単に言っちゃダメよお。ワトソンちゃん、正式に結婚してるんだから。 安心して、おじさんのとこへおいで。

ワ:なんか・・・きもい・・・。私、ここにいます。

お:ひどいな。まるで、人を性犯罪者みたいに・・・。

ヨ:(笑う)まあ、いいじゃない。
お:よくないよお・・・。全く~。


  
てな訳で、ワトソンは、ヨソクのところで預かることにした。
まあ、それが順当だ。
  







続く・・・




2010/07/11 14:44
テーマ:【創】探偵物語 カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

【BYJシアター】「探偵物語」1

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BYJシアターです^^


本日からの連載は「探偵物語」です。

これは、2007.7.19よりサークルで連載を始めました。

が!

その後、私の周りがいろいろ立て込み、連載途中で中断してしまったものです。

ここのところ、まともにシアターが書き続けられない状況が続いたので、
こうした宙ぶらりんができてしまったのですが、

このストーリーは大好きなので、
ここに連載しながら、今度こそ、最終回までたどり着きたいと思います。

ということで、以前、サークルや公式の連載を読んだけど、「忘れた~」という方は
私と一緒にもう一度読み進んでみてください^^


といっても、

壊れて空っぽになったPCに、コピーを取り込んだら、300ページもあり・・・

ホントにたくさん読んでもらったのに、申し訳なかったですvv



ということで!


こちらは途中から、本当のライブ連載になっていくので、
今までのように毎日は読めませんが、

よかったら、お付き合いください!


これは太王四神記の撮影中に書いていたものなので、
共演は、スジニのイ・ジアです。

といっても、その頃は、ジアちゃんを写真でしか知らなかったんですよね^^

それでも、ぴったりです!

それに、何でか、彼が彼女を呼ぶときの掛け声が「おい!」で、
後で読むと、笑っちゃいます^^


注として・・・

これは殺人事件ですので、そういうのが苦手な人は後半がヤバイです・・・。


と、ご忠告申し上げて、連載を始めます!^^v


BGMもストーリーに合わせているので、是非聞いてみてくださいね^^


ではこれより本編。
お楽しみください!



~~~~~~~~~~~~








「おはようございま~す」


「やだ・・・まだ、寝てるんですか!」
「・・・」
「先生、先生!」

「ああ・・・おはよう・・・」
  

探偵事務所に出勤してきたワトソンは、所長のぺ・ヨソクの呆れた寝姿に驚いた。
  

ワ:わあ。もう・・・臭い! やだあ~。


ヨ:うん? なんだよ! おい、急にカーテン開けるなよ。眩しい! 目が痛い。 おい! 目が潰れる!

ワ:何言ってるんですか? もう10時ですよ。

ヨ:あ~あ。

  
ヨソクは、横に置いてある目覚ましを潰れそうな目をしながら、覗いた。

  
ワ:起きて!


ヨ:あ~あ。


大きな口を開けて、あくびをしながら、ヨソクが伸びをした。
  

ワ:昨日・・・どれくらい飲んだんですか?

ヨ:ええっとねえ・・・忘れた~。
ワ:もう、だらしがないんだから! やだ、先生! 臭すぎ! う~、吐きそう・・・もう耐えらんない!

  
ワトソンは、窓を全開に開き、窓から顔を突き出した。

  
ワ:げ~、きもい。


ヨ:もう少しだけ寝かせてくれよ・・・。

ワ:何、言ってるんですか!



ワトソンがベッドの上に乗っかって、ヨソクを蹴った。
  

ワ:早く!早く! 起きてくださいよ。
ヨ:う~ん。

ワ:もう!


ヨソクから、力いっぱい布団をむしり取る。
  

ワ:今日はクライアントが11時に来るんですよ。
ヨ:ああ、そうだった・・・わかったよ・・・。

  
布団を取られたヨソクはまたしても、ベッドの上で大の字になって眠る。
身に着けているものは・・・薄手のパジャマのパンツだけ・・・。

  
ワ:もうやだ。なんて格好!・・・裸で寝てるなんて、風邪引きますよ。
ヨ:大丈夫だよ・・・。あ~あ。(あくび) パンツははいてるんだからさあ。

ワ:もうお! 私じゃない人が入ってきたらどうするんですか!
ヨ:他? 鍵が開けられるのは・・・あと、おじさんだろ? おまえとおじさんなら、構わないじゃないの。

ワ:・・・(バ~カ)
ヨ:あ~あ。(気持ち良さそうに伸びをしてほほ笑む)

ワ:全く知性のかけらもない!



ワトソンは怒って、ヨソクを足蹴りしてベッドから落とし、持っていた掛け布団を掴んで、ベランダに干しに出た。

所長のヨソクはベッドから落とされて、床で打った腰を擦りながら、今度はソファに倒れ込んだ。


ワ:だめだめ!
ヨ:おい・・・。

  
ワトソンが今度はソファのほうへ来て、寝ている所長のおなかに足をかけた。


ワ:もう、いい加減にしてくださいよ!
ヨ:(ワトソンの足を掴んで押しやって) おまえさあ・・・。(顔を見上げる)


ワ:早く、シャワーして! もうやだ・・・酒臭い・・・嫌われますよ。お酒抜いてくださいよお。時間がないんだから。

ヨ:わかったよ・・・うるせえなあ・・・。ホントに足癖が悪いんだから、おまえは!



ヨソクはちょっとキレて立ち上がった。



ワ:何?! 何よ、今の態度!
ヨ:なんでもござんせんよ!

ワ:なあにい~?

ヨ:もう、何で、使用人のほうが強気なんだよ!





ペ・ヨンジュン主演
イ・ジア
「探偵物語」1

  




ここは「ペ探偵事務所」。

「ワトソン」なる助手の大学生チョン・リリーと、刑事崩れの「おじさん」こと、コン・チュンソン、そして、偉大なる・・・はずの所長「先生」こと、ぺ・ヨソクの3人がここの住人である。
リリーは・・・本名で・・・本人はこんな名前をつけた親を少々恨んでいる・・・。全く、これじゃあ、ホステスの源氏名だ・・・と、彼女は思っている。

さて、先生は、自分のマンションの家賃が払えず、現在は事務所の一角にベッドを持ち込んで暮らしている。
もっとも、ここには、バスルームも小さなキッチンもあるので、生活にはなんの支障もない・・・。


いや、ある!
と、すれば、私生活がない! ということだけである。





ちょっと楽しいことにお出かけして朝帰りなどしようものなら、その時間が営業時間すれすれだと、ワトソンもおじさんも出勤してきてしまう。
それに、何を隠そう、ワトソンはここの合鍵を持っているので、下手なことはできない。
いや、してしまっているので、ワトソンの目が、最近では、「尊敬」から「非難」に変わっているのは確かだ。


階段を上ってくるワトソンとすれ違うなぞの女・・・。
もう、ゲエ~!である!

この頃の彼女の口癖は「最低・・・!」であり、それも横目のちょっとキツイ流し目で、ヨソクを眼づけするのである。



ワ:先生! お茶入りました~。
ヨ:あ、ありがとう。

ワ:二日酔いの薬も。
ヨ:サンキュ!
  

ワ:ひげ、ちゃんと剃ったほうがいいですよ・・・。顎に少し残ってます。

ヨ:ホント? そうかあ?(あごの辺りを撫でる) おまえ、チェックが厳しすぎ! 

  
そう言いながら、ヨソクの目は甘えている・・・。


ワ:剃ってあげましょうか?(嫌そうに言う)

ヨ:・・・ああ、やって・・・。
ワ:ほら、貸してください!


シェーバーを渡す。


ワ:ちょっと顎、上げてください。
ヨ:うん。

ワ:今度は右向いて・・・。私の顔、見ないで。
ヨ:ふん。(笑って横目で見る)

ワ:・・・OK!


ヨ:サンキュ。いつも悪いねえ。(ニッコリ) さて・・・と・・・。


ワ:先生。今日はダークなシャツがいいと思います。
ヨ:なんで?

ワ:クライアント、おばさんですからね。先生の「男」で仕事取らないと。

ヨ:・・・やなやつだねえ・・・。オレはホストか・・・。ダークねえ・・・。
  

嫌がっているようで、素直にワトソンの言うことを聞く。
  

ワ:ほら、着替えるくせに・・・。


ヨ:なんか、言ったか~?
ワ:いえ。


ヨ:ん・・・。(着替えている)


ワトソンはちょっと笑って、所長のヨソクを見た。



ヨ:満足って顔してるな。
ワ:そんなことはないですよ。(睨んで笑う)
ヨ:まあ、いい。おまえがそういう顔をした時は・・・いいってことだから・・・。(睨んで笑う)
ワ:・・・。



ワトソンがちょっとふて腐れた顔をして、自分の席へ向かうと、ズボンの裾がほずれてきている。



ヨ:おい! ワトソン。おまえのパンツの裾、ほずれてるぞ。

ワ:あ! やだあ、まいった・・・。さっき、先生を起こすとき、靴脱いだから・・・。もう、サンダルの金具に引っかかっちゃったんだあ・・・。こういうミシンの仕上げってすぐほずれるから・・・。チェッ!(裾のほずれを見る)



ワトソンがデスクの引き出しの中を一生懸命に何か探している。



ヨ:裁縫道具か?
ワ:いえ。安全ピン・・・。


ヨ:貸してみろ。
ワ:え?


ヨ:縫ってやるよ。
ワ:だって、今、はいてるんですよ。

ヨ:脱げよ。
ワ:・・・。

ヨ:どうせ、おまえは縫えないんだろ?
ワ:やあねえ・・・。その言い方・・・。

ヨ:早く。クライアントが来る前にさ。
ワ:わかりましたよ。



ワトソンは洗面所で先生のバスタオルを借りて腰に巻きつけ、先生のところへパンツを持っていった。



ヨ:よし。縫ってやろう・・・。



ヨソクは自分のデスクの中から、裁縫箱を出して、マチ針を刺して縫い始める。

ワトソンは自分のデスクに座って、頬杖をつきながら、先生の仕事を見ている。


ワ:先生ってそういうの、好きですよね。
ヨ:裾あげは縫うだけでいいからな・・・。頭ん中は他のことが考えられる。時間を有効に使えるってとこかな。
ワ:ふ~ん。


ヨ:(縫いながら) そうだ、おまえ、これからどうする? もう司法試験の勉強、身を入れてやらんといかんだろう。
ワ:ええ・・・。でも・・・。私、大学院へ進もうか、今、迷ってるんです。

ヨ:ふ~ん。
ワ:今のままじゃあ、とても受かりそうもないし。

ヨ:週4日来るのがきつかったら・・・週2とか・・・週1にするか?



先生は、週1でも、私に来てほしいんだ。



ヨ:まあ、おまえも生活があるから、給料も、もう一度考え直さないといけないな・・・。(生地の表に縫い目が出ていないか見ている)
ワ:・・・。

ヨ:回数減らして、時給を上げるか・・・。

  
先生は、ホントに私にいてほしいんだ・・・。

  
ワ:先生。その件は少し考えさせてください。
ヨ:ん? わかった。

  

先生は今、縫物に集中している。
いや、頭の中は何を考えているか、わからないが。







昨日、ワトソンは、大学の構内で、民法の教官で助教授である、ソン・ドングクに声をかけられた。
彼こそ、ここの探偵事務所のアルバイトを世話した張本人だ。そして、ヨソク先生とは、大学の同期である。



ド:チョン・リリー君! リリー君!
ワ:あ、先生!


ドングクがにこやかにやってきた。

  
ド:どうだ。司法試験の準備のほうは?
ワ:まあまあです・・・。

ド:君に手間のかかるバイトを紹介した手前、ちょっと心配でね。
ワ:まあ、何とかやってます。(軽く頭を下げる)


ド:しかし、もう勉強に専念しないといかんだろう。
ワ:はあ・・・。でも、私、バイトも必要なんです。
ド:そうかあ・・・。かえってもっと単純作業のバイトのほうがよくないか? 探偵って君もなんかやってるんだろう?
ワ:まあ・・・。

ド:うん・・・。1年生の終わりからだっけ?
ワ:はい。

ド:うん・・・。あまり長いと、あいつも君を当てにしちゃうからなあ。そろそろ、替わったほうがいいかも知れないなあ。
ワ:それって・・・。ヨソク先生が言ってらしたんですか?

ド:いや。あいつは何も。最近会ってないから。まだ、やつが大学に講座を持ってた時一緒に飯も食べたけど、最近はご無沙汰だ。元気なんだろう、あいつ。
ワ:はい。とても。

ド:だろうな。 まあ、あまり仕事に追われないで、将来を考えなさい。君は将来の法曹界を担う人なんだから。
ワ:はい。ご心配おかけして、すみません・・・。






ヨソク先生は、私を本当に当てにしてるかな。



ワトソンが頬杖をついて、先生を見つめていると、事務所のドアが開いた。



お:おはようございま~す。


おじさんがにこやかに入ってきた。細面の顔をして、どこか癖のありそうな目つき。いかにも、刑事上がりである。
おじさんは50代半ばといったところか。



ヨ:(目は縫いもの)あ、おはよ。
ワ:おはようございます。

お:どうしたの? 所長。
ヨ:ん? これ? ワトソンのパンツ。


お:ワトソンちゃん、もうそろそろ縫物も覚えたほうがいいようお。
ワ:大きなお世話。(ふて腐れる)

お:いつまでも、先生に甘えちゃダメだようお。パパじゃないんだから。

ヨ:ま、いいさ。ワトソンがエラくなったら、うちの顧問弁護士を格安でやっていただくから。
ワ:先生~。格安って何ですかあ。

ヨ:これだけ、おまえに尽くしてるわけだから。安くしろよ。(笑う)
ワ:こっちだって、尽くしてますよ。


ヨ:できた! よし。

ワ:あ、すみませ~ん。



ワトソンがヨソクの所へパンツを取りに行こうとして立ち上がると、腰に巻いていたバスタオルがストンと落ちた。


ヨ・お:あ!

  
男二人の視線がワトソンの下半身に向けられた。

  
ワ:もう・・・何よ!


ワトソンが目を三角にして、バスタオルを拾う。

二人の目には、彼女の細く括れたウエスト、贅肉のないきれいなお腹、かわいいお尻がバッチリ見えた。



お:いいもの、見せてもらったなあ。ワトソンちゃん、ありがとう。(笑う)
ワ:おじさん!(睨む)

お:黒のパンティ・・・そそられるなあ・・・。(感心する)
ワ:エロオヤジ!


ヨ:早く取りに来いよ。(笑う)
ワ:もう!


ワトソンがヨソクからパンツを奪うように受け取った。
ヨソクがにんまりとワトソンを見た。


ワ:先生まで・・・。バカ。(睨みつける)


  


ピンポ~ン!



事務所のチャイムが鳴った。




ヨ:早くはけよ。
ワ:わかってますよ! 言われなくても!



ドアがゆっくり開き、女が顔を出した。



女:あのう・・・すみません・・・。
ワ:(パンツをはき終わって)はい~・・・。どちら様でしょうか・・・。

女:あのう、お電話したパクと申しますが。

ワ:あ、どうぞ。お待ちしてました。中へお入りください。奥の応接セットのほうへ。
女:あ、はい。

  
ワ:先生~。パクさんがお見えです。

ヨ:ああ、いらっしゃい。どうぞ、お掛けください。ワトソン君、お茶。
ワ:はい。


40代半ばと思われる女は、所長の顔を見ると、頭を下げて深刻そうな顔をしてソファに腰かけた。







ワ:今の人・・・美人でしたねえ・・・。
ヨ:本当だねえ・・・あれでも、ダンナに浮気されてるわけだ。結構いい女なのにな、勿体無いなあ。
ワ:・・・。

ヨ:うん? 何?

ワ:今、先生が薄汚いオヤジに見えました・・・。
ヨ:なんだよ、おまえ!
ワ:・・・。(睨みつける)

ヨ:なんだよ?
ワ:・・・。

ヨ:おい・・・。


ヨソクがワトソンの腕を引っ張る。

  
ワ:触んないでください。バッチイ!
ヨ:あ、ごめん。(思わず手を引っ込める)


ワ:先生、下心ありですか?

ヨ:何言ってるんだか、この一件はおまえにやろう。

ワ:ええ? 私、ハンサムな男の浮気がいいです・・・。自分がカッコいいと思い込んでるやつらの実態調査、好きなんですよね。

ヨ:悪趣味だねえ・・・。ま、このダンナも、結構いい男だぜ。見てみろ、この写真。
ワ:どれどれ・・・わあ、ホントだあ・・・。

ヨ:おい。
ワ:何?

ヨ:よだれ・・・。
ワ:え?

ヨ:ものほしそうだぞ。(顔を覗き込む)
ワ:・・・ひどい。

ヨ:では、よろしく!(にんまり)

  
ヨソクはワトソンにバンと書類を渡した。



ワ:もう、先生ったら! もう・・・。はい! おじさんにプレゼント! これ、先生からね。

お:いきなり、私?

ワ:だって、あのクライアント、美人だったでしょ?
お:いいの? (喜ぶ)
ワ:ふ~ん。(にんまり)

ヨ:ワトソン!

  
所長のヨソクが睨みつけている。



お:ごっつんです。(笑う)
ワ:どう致しまして。



ワトソンは自分の席に帰りながら、男二人を見る。



ワ:・・・二人とも私の知らないところで、不正行為なんてしてないでしょうねえ・・・。

ヨ:まさか。(驚く)

ワ:怪しい・・・ここって、まともな事務所ですよね?
ヨ:おまえ、何年いるの? わかりきってるじゃない。

ワ:おじさんも大丈夫ですよね? クライアントになんか、手え、出しちゃダメですよ。
お:大丈夫だよね。私ね、職場では手は出さないの。(笑う) 

ワ:・・・。(睨む)






今日もこうやって、三人は軽口をたたきながらも、気持ちよくそれぞれの仕事をしている。
嫌なクライアントや、ちょっといただけない依頼もあるが、この仲間なら結構気がおけなくて楽しい職場だ。





午後から、ワトソンと所長のヨソクは、クライアントの一つである企業に依頼の報告書を持って出かけた。
  


夕刻の帰り道、急に雨が降り出して、二人はクリーニング屋の軒下で雨宿りしている。
二人は、雨の様子を眺めている。



ヨ:結構降ってきたよなあ。雨って言ってなかったよな、今日は。
ワ:ですよねえ・・・。

ヨ:ここからどうやって帰るかな・・・。どこかで傘、買うか。
ワ:そうですねえ・・・。 あ! いけない・・・。(思い出す)

ヨ:どうした?


ワ:私、先生の布団、干しっぱなし!
ヨ:おい! なんでこんな日に布団を干すんだよお。

ワ:だって、朝、臭かったでしょ? 二日酔いで。それに、雨降るなんて言ってなかったし。忙しかったから、忘れちゃった。

ヨ:まいったな・・・。
ワ:・・・。



二人とも気まずそうにそれぞれ遠くを見ている。



ヨ:それにしたって・・・今晩はどうするんだよ・・・布団がないんだぜ。(ぼそっと言う)
ワ:そ、そんなこと言われても・・・。 ソファでもよく寝てるじゃないですか。布団なんか掛けないで。

ヨ:減らず口だなあ・・・。

ワ:・・・でも、そうでしょ?

  
気まずい。


ヨ:・・・久しぶりに・・・。


ヨソクが、ちらっと彼女の顔を見た。


ワ:・・・。(ちょっと緊張する)



二人はちょっと見つめ合うが、気恥ずしくて、また、そっぽを向いた。
ヨソクが少し柔らかい声で、気軽そうに言った。



ヨ:おまえの所に泊まるか。(そう言いながらも他所を見ている)
ワ:・・・。


ワトソンは少し赤い顔をして、ちょっと口を尖らせた。

  
ヨ:いいだろ?
ワ:・・・。

ヨ:おい。何とか言えよ。


ワ:・・・明日までに、『刑法』のレポート書かなくちゃならないんです・・・。
ヨ:ふ~ん・・・どのくらい、かかるの?
ワ:・・・う~ん・・・先生が手伝ってくれたら・・・。早く終わると思います。
ヨ:う~ん・・・。(考える)


ヨソクも口を少し尖らせる。


ヨ:どうするかな・・・。

ワ:ふん。(急に笑う)
ヨ:・・な、何だよ?(ワトソンを見る)

ワ:来たいんでしょ? ホントは。



ワトソンは、今にも噴出しそうになりながら、言った。
  

ワ:過去に先生も、未成年者に手を出したわけですから・・・。ホントは犯罪者ですよね・・・。『刑法』の勉強にはピッタリだわ。
ヨ:な、なんだよ、いきなり。人聞きが悪いなあ。
  

ヨソクは驚いて、ワトソンのほうを見た。


ワ:あの時、私、19でした・・・。
ヨ:つ、次の日、誕生日だっただろ? は、はたちのお祝いにってさ・・・おまえが言い出したんだろ?
ワ:でも、正確には未成年でしたよ・・・。先生が誕生日の日は用があるなんて言っちゃって、前日でしたから・・・。

ヨ:でも、普通、恋人同士はいいだろう・・・?
ワ:そうお?


ワトソンがそう言って、横目で睨んだ。


ヨ:おまえって、やなやつ・・・。

ワ:ふん。(笑う)手伝ってくれるの、レポート?

ヨ:少しは手をつけてあるんだろ?
ワ:もちろん。あとはまとめるだけ。でも、ちょっとわからないところがあって困ってたの。助かるわ。
ヨ:そう・・・でも、なんか面倒だなあ・・・やめようかなあ。


ワ:先生~。 ちょっとおまけつけてあげてもいいわよ。

ヨ:(ごっくん) 何?
ワ:う~ん・・・いろいろ・・・。

ヨ:たとえば?
ワ:こんなところでは、口に出せないわよ。


ワトソンは思わせぶりな顔をして、眉毛をぴくっと上げた。

  
ヨ:ええ? う~ん・・・あんなことも?
ワ:やだ。・・・何、考えてるの?
ヨ:でも、あんなこともしてくれるんだ・・・ふ~ん。(うれしそうな顔をする)

ワ:・・・スケベオヤジ・・・。
ヨ:何だよ!

ワ:ふん。(笑う)妄想は勝手ですけど。お願い。手伝って。
ヨ:ふ~ん、いいねえ。その態度。もっと頼めよ。

ワ:どうします? いろいろ・・・保障しますよ。
ヨ:う~ん・・・。今夜は徹夜になるのかな? (やる気満々)

ワ:先生。悪いようにはしませんから・・・。
ヨ:ふん・・・おまえ、ポン引きかよ。

ワ:ふ~ん。(笑う)
ヨ:ふん。(笑う)

ワ:でも、まずはレポートよ。レポート優先ね。
ヨ:ああ、いいよ。でもまあ、おまえがそんなにやる気満々でいるんじゃあ、男としては引けないな。手伝わないわけにはいかんだろう、人情として。ワトソン君・・・キミもなかなか駆け引きがうまいね。

ワ:そうお?
ヨ:ふん。(うれしそう)
ワ:これも先生のおかげ。
ヨ:よし、わかった。早く終わったら、あっちをたくさんね。
ワ:・・・。(ちょっと睨む)

ヨ:じゃあ、おまえのとこ、行くよ。
ワ:どうぞ!


ヨ:ではまずは・・・約束手形のキスね。
ワ:え?

ヨ:契約書にサインと捺印、お願いします。
ワ:う~ん・・・OK!

ヨ:きっちり、バッチリしたのをお願いします。
ワ:やあねえ・・・。

ヨ:久しぶりなんだからさ。いいじゃない。


ワトソンが首を伸ばして、ヨソクの唇にキスをした。

  
ヨ:OK! 契約成立! 善は急げだ。 よし、行くぞ!
ワ:走るの?
ヨ:そう!

ワ:だって、どしゃぶりよ!

ヨ:服なんていいだろう? どうせ、裸になっちゃうんだから!


ヨソクが走り出す。


ワ:もう、先生ったら! 待って~。








夜も深まって、ワトソンのアパート。


ヨ:おまえ、このベッド・・・そろそろ変えろよ、動きにくいよ。
ワ:だって、ママがね、ベッドから落ちるといけないからって。

ヨ:こんな枠のついてるので、寝てるやつなんていないよ。
ワ:だってこれ、子供用の2段ベッドだもん。弟もこれよ。
ヨ:あいつ、190近いじゃないか。(驚く)

ワ:だから、ちっちゃくなって寝てるの。

ヨ:すごい家だなあ、おまえんちは。
ワ:そうよ、使えるものは使えね。

ヨ:ふ~ん・・・それで、先生のものも、頭の先からあそこまで、全て使えるものは、こき使っちゃうわけだな、おまえは。
ワ:いいでしょ? 先生だって気持ちいいんだから。
ヨ:おまえねえ・・・。それにしても、このベッドって棺おけみたいだよな。
ワ:棺おけに入った後もできるように、練習しちゃう?
ヨ:おっと。そんなに好きなの? いいなあ・・・。おまえがその気なら、もっと練習しておこう。

ワ:うん・・・。先生、いい心掛け・・・。ねえ、もう一回して・・・。
ヨ:・・・いいよ・・・。
  
ワ:ねえ、もっと抱きしめて・・・。
ヨ:う~ん。
ワ:もっとキスして・・・。

ヨ:久しぶりだと、要求が多いな。

ワ:そりゃあそうよ・・・普段放っておかれてるだもん。

ヨ:そんな。学生のうちは、駄目だよ。卒業するまでは控えめにして、我慢しなくちゃ。親が泣くよ。
ワ:もう、調子いいんだから・・・ねえ。もっとやって、ねえ。

ヨ:おまえが勉強に専念できるように、普段してないんだからさ。

ワ:そういうこと言っちゃって。浮気してるからやあよ。
ヨ:してないよ。

ワ:うそつき。

ヨ:少しだけ・・・ほんの少しだけ。

ワ:ほらね・・・。ほんの少しだって、やってるんじゃない・・・。若い子だって、恋しくてしかたがない時があるのよ。そんな時に勉強だけしてろなんて酷だわ。
ヨ:フッカー。(注:淫乱)

ワ:ふん。(笑う) なんといわれても平気。先生が、私を一番好きなのはわかってるんだから。
ヨ:・・・どこから来るんだろうね、その自信。


ワ:ふん。(笑う) でも! 先生は、私がいないと、寂しくて、すぐ浮気しようとするから・・・駄目よ。
ヨ:全く。ワトソン君。キミ、それじゃ、司法試験は受からないぞ。

ワ:そんな女に誰がしたの? (笑う)

ヨ:いいねえ・・・その台詞・・・もっと言ってよ。やる気が出るなあ。

ワ:う~ん・・・もっとして。
ヨ:いいよ・・・。今夜は素直でいいねえ。(笑う)




ふと、ヨソクが、ワトソンの胸から顔を上げた。



ヨ:うん? あれ?

ワ:何?

ヨ:なんか、ぽたっぽたって音がしてない?
ワ:音?
ヨ:水漏れのような・・・。

ワ:だって、外はどしゃぶりだもん。それに、ここの軒はトタンだから雨音がうるさいわよ。
ヨ:でもさあ・・・。


ヨソクが起き上がって、耳をすませる。



ヨ:うん?
ワ:何よ・・・?
ヨ:やっぱり変だよ。どこから聞こえるんだ。


ヨソクは裸のまま、起き上がって、洗面所のほうへ行く。



ワ:やだ、先生・・・。オカルト系弱いんだから・・・。一人にしないでよ。ねえ・・・なんかあったあ?

  
ワトソンも起き上がり、薄掛けの夏用布団を握りしめて、洗面所に行ったヨソクに声を
かけた。

  

ヨ:おい。すごい水漏れだぞ・・・。
ワ:え~え!?
  


ワトソンは、裸に薄掛けを巻きつけて、洗面所のほうへ出て行く。


ワ:やだ・・・何これ・・・。


天井を見上げると、ボタボタと水が染み出てきている。


ヨ:上も同じ位置に風呂場?
ワ:だと思う・・・。こういうアパートってそうでしょ?

ヨ:深夜だけど、お二階さんのとこ、注意しに行くか。
ワ:そうですね。でも、先生、こんなに漏れてたら、気がつくはずですよね?

ヨ:うん、だな・・・。うん・・・。
ワ:・・・どうしたんだろ? 留守?

ヨ:・・・。まずは、管理人に電話するか。あれ・・・?


よく見ると、黄ばんだ天井のシミの色が、ピンクのようにも見える。


ワ:先生・・・色がついてるよね?

ヨ:管理人に電話だ!
ワ:・・・。


ワトソンが不安げにヨソクを見上げた。





60代の管理人がやってきて、二人と一緒に2階へ上がるが、その部屋はノックしても返事がない。



ヨ:開けてみてください。なにしろ、一階は水浸しになってるわけですから。
管:そうですね。



鍵を開け、ドアを開ける。


ヨ:あ、これは・・・。



中から湧き出るピンク色の水を見る・・・。



ワ:何?

ヨ:・・・おまえは来るな。
ワ:え?

ヨ:管理人さん。これは警察ものですよ・・・。
管:え?


ヨ:警察を呼びましょう!

管・ワ:!!



探偵は、管理人とワトソンを睨みつけた。






続く・・・
  




2010/07/11 13:46
テーマ:1 カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

探偵物語6




BYJシアターです^^



明日はヨンジョンさん(寅ちゃん)のお誕生日ですね。
皆で盛大にお祝いしましょうね^^

ここのところ、滞りがちなシアターですが、

アマンが遅れてごめんなさいvv

お誕生日が終わったら、
また通常通りにやっていきたいと思います^^


本日は「探偵物語」6です^^






これは全てフィクションです。
ここに出てくる全てのものは実際とは異なります。


これより本編
ではお楽しみください^^











19歳のパク・ウンジュは、憂鬱そうに10月の空を見上げた。


空はこんなに晴れ渡っているのに・・・。


ここ2ヶ月というもの、働きづめに働いて・・・何のために大学に入ったのか、最近、わからなくなってきている。体を痛めて、心を虚しくして、お金を得る・・・。そんなことを望んでいたのだろうか。

でも、確かにお金は手に入った。ほしい服もほしい化粧品も全て手に入った。

なのに・・・。


ウンジュは腕にボディローションを塗りながら、溜息をついた。







アパートの2階の窓辺に佇んでいると、あの子が帰ってきた。
通りをあの子が歩いてくる。

自分の下の部屋の子だ。

いつものように、少しよれたTシャツにジーンズをはいている。
そして、ちょっと生意気そうな顔をして、肩で風を切って歩く。

胸の辺りまで伸ばした髪に日が当たって、きらきらと輝いている。
髪が風になびいて・・・とてもキレイだ。


今日は、あの子の後ろをあのハンサムな弟が歩いている。

ホントに素敵・・・。
背が高くて、くっきりとした目鼻立ち・・・。

二人は姉弟だ。

それは見てすぐにわかる。同じ鼻筋に、二人の目付きがそっくりだから。

それに、彼が彼女を「アネキ」と呼んでいるから。

彼も大学1年ぐらい・・・高校生ではないわね。
そうすると、私と同じ年。

一つ違いなのかしら? 
あの子だって、私と年がほとんど違わないもん。

あんなにかっこいい弟を従えて歩くなんて。


あ、何か言い合っている・・・。


弟が顔を覗き込んで笑うと、姉は思い切り弟の足を蹴飛ばした。



かわいそう!
よく、あんなにかっこいい弟を邪険にできるわね・・・。



それでいながら、二人は次の瞬間、笑った。


私にはできない芸当だ。
男の人を蹴飛ばしたりして・・・。



あの子と私と、何が違うの?

背格好だって同じくらい・・・美人度だって、きっと同じぐらいよ。

なのに、あの子はなぜか魅力的・・・。

私はこんなに化粧品を買い込んで頑張っているのに、リップグロス一つのあの子に負けちゃうなんて・・・。

あの子は疲れている時だって、私より魅力的に見える時がある。
試験前に髪を縛って、怒ったような顔で歩いていても・・・。






二人はアパートの入り口までやってきた。

ウンジュは部屋のドアを開け通路に出て、見えないように下を覗く。



「アネキ~。貸してよ」
「ダメダメ。だって、私だって、ぜんぜんお金がないのよお!」



そう言って、二人は部屋へ入っていった。








ぺ・ヨンジュン主演
イ・ジア

「探偵物語」6







レ:なんでえ、バイトしてるじゃない。


20歳になったばかりのワトソンと一つ下の弟レオンがアパートの部屋へ入ってきた。


ワ:でも、必要最小限しか持ってないのよ。
レ:なんで?

ワ:もう、先生がお召し上げなんだあ。 (流しへ行く)

レ:え、バイト料払わないの?

ワ:そうじゃないのよ。ラーメン食べるでしょ?

レ:うん。


ワトソンは、鍋に水を入れてコンロの火にかけた。



ワ:コーラ飲む?
レ:うん。


レオンがコップを2つ、流しの洗い場から取って、今買ってきたコーラを開ける。



ワ:それがさあ、母さんが先生に電話入れたんだあ。 (ムッとした顔をする)
レ:なんで? (驚く)

ワ:お世話になる先生に、よろしくって言いたいからって、わざわざ日本から電話してくるものだから、電話番号、教えてあげたら、案の定・・・・。「あの子にはそんな大金は要りません」なんて言ったらしいのよお。

レ:へえ~。参ったねえ。余計なお世話だ。(コーラを飲む)

ワ:でしょ? まったくバイトをなんだと思ってんのよ。(コーラを飲む) それで、先生が考えた方法。天引き預金。バイト料の支払い日に私に預金通帳を渡すの。「これで、預金しておいで」って。それで、半分お召し上げよ。

レ:それで、その通帳は?
ワ:また、先生に返すの。毎回、金額を見てうれしそうにするのよ。「貯まったね」なんて言っちゃって。それが母さんの顔に見えちゃうのよ。
レ:(笑う)ふん。乗りうつってんじゃないの?
ワ:かもねえ。(笑う)



ワトソンがインスタントラーメンを鍋に入れる。


レ:卵も入れてよ。
ワ:わかった。


ワトソンは、冷蔵庫から卵を2つ取り出して、解したラーメンの上に割り入れる。



レ:その通帳、最終的にはくれるんでしょ?
ワ:当たり前じゃない。私のお金よ。ただ・・・母さんとの約束なのよ。若い子にあまりお金を与えないでってね。でもさ、探偵事務所って事務だけじゃなくて他のこともするから、最低賃金って訳にはいかないって先生が言ってさ。

レ:いい先生だね。

ワ:でしょ? でも、母さんは「リリーがグレないように」って。
レ:でも、逆に金がないとグレるよね?
ワ:(笑う)ホント。もう、わかってないんだあ。 あ、できた。



ワトソンはラーメンの火を止めて、テーブルへ持ってきた。
弟のレオンが茶碗を2つ並べて、二人は食べ始める。



レ:あっちい・・・・。でも、足りてるの?
ワ:まあね・・・。だって、お昼も夜も事務所で出るし・・・。仕事のない時も顔出せば、一緒にお弁当とってくれるし。

レ:いいねえ、それ。食費が浮くって最高じゃない?
ワ:でしょ? テキスト買うお金がない時は、言いにいけばくれるし。

レ:え? 

ワ:なんか帳簿をつけてんのよ。 それで、翌月、その分を減らして預金するのよ。
レ:へえ・・・おもしろい先生だね。

ワ:でしょ? たぶん、母さんに言われてるんだと思う。親が近くにいないので、よろしくって。
レ:まるで、母親代わりだね。

ワ:そうなの。母さんから先生に代わっただけよ。(ラーメンを啜る)
レ:へえ・・・。
ワ:だから、お金が足りない時は事務所に来て。そうすれば、貸してあげる。
レ:先生ママが貸してくれるんだ。
ワ:そう。私のお金をね。(笑う)

  

ワトソンの首元で、Tシャツに隠れていた鎖が揺れた。



レ:どうしたの? それ? 首にかけてるやつ・・・。
ワ:これ? これは、20歳のプレゼントだって・・・。(少し表情が女になる)
レ:誰から?

ワ:(少し赤くなる)先生から・・・。

レ:好きなんだ、先生を・・・。(驚く)
ワ:と、というほどじゃあないわよ・・・。(鎖骨にかかった鎖をいじっている)


そう言った姉は、輝いていた。
20歳の誕生日辺りから、姉はますます、きらきらと輝いている。

  

レ:キレイになったのは、それのせいか。(鎖を見る)
ワ:(赤くなる)そんな目で見ないでよ。
レ:でもさ・・・。そうかあ・・・。へえ・・・。

ワ:何よ?
レ:意外だったなあ・・・。
ワ:何よ、やあね・・・。
レ:だって、10歳以上離れてるんだろ? へえ・・・。
ワ:・・・。

レ:でも、アネキみたいに強い女の子は年上のほうが楽なのかもしれないね。(感心する)
ワ:やあねえ・・・何も決まってないし、何にもないわよ。ただ、誕生日のプレゼントもらっただけよ。

レ:ま、そうだけど・・・。(笑う)



レオンには、わかる。
アネキの気持ちが・・・。

ただもらったといっても、人はそんなに易々と身に着けたりしないものだ・・・相手が好きでなければ・・・。



ワトソンは一番大事なことは、弟には言わなかった・・・。

憧れていた先生と20歳の誕生日前日・・・とうとう、二人は一つになったと・・・。

ホントはそれを弟に言って、一緒に喜びを分かち合いたいけれど、もう二人とも大人で、子供の時みたいにそんな幸せを分かち合えない。


あの日から、先生がなくてはならない人になっていることを。
そして、それが自分を輝かせてくれていることを・・・。


本当は、弟に報告したかった。


だから、先生のことを信頼して預金通帳も預けていることを。
先生を母親代わりに甘えていることを・・・。


そして、好きすぎる自分の気持ちと日夜戦って、先生には強い女にみせていることも。
先生が自分と同じぐらい好きだと思ってくれていることを確信するまで、戦い続けることを・・・。

自分の気持ちと戦い続けることをね・・・。




レオンがにっこりとやさしい顔で、姉を見つめた。


レ:いいよ、それ。すごく似合ってる・・・。
ワ:・・・サンキュ・・・。


ワトソンも照れくさそうに答えた。








ウンジュは、ホットカーラーで髪を巻き、化粧を始める。
今日もこれから仕事だ。

こうやって作り込むと、どう見ても、自分のほうが下の子よりキレイだ。

ぜんぜん負けていない。

それに、お金でピーピー言うことだってないもの・・・。
結局、私の勝ちかな・・・。

あの子が羨ましいなんて・・・バカみたい・・・。
ハンサムな弟もボーイフレンドもいないけど、私はまだ19だもん。

これからよ・・・。
いつか、もっとかっこいい男と並んで歩くわ!


ウンジュは丁寧にマスカラを塗った。










ヨ:う~ん。
ワ:・・・・。

ヨ:・・・・。
ワ:・・・・。


デスクで考え事をしながら、ヨソクが無意識にペンでトントンとデスクを叩いている。
それをワトソンがじっと見つめている。
ヨソクがワトソンを見た。


ヨ:おい、その顔、なんとかしろよ。
ワ:何ですか?

ヨ:おまえ。自分がどんな顔してるか、わかってる?
ワ:なあに? 先生よりはまだ私のほうが美形だと思ってるんですけど。

ヨ:ふ~ん。どこから来るんだろうねえ、その自信! 鼻の下にシャーペン挟むの、やめろよ。(笑う)

ワ:あ、いけない!


ワトソンは、いつものくせで知らず知らずに、鼻の下にシャーペンを当てていた。

これは、一人の時にやるくせだ・・・。
少なくとも・・・ヨソクにこんな顔は見せてはいけなかった・・・。


ヨ:なんで、赤くなるんだよ? (笑う)
ワ:なんでもないです・・・。


ヨソクはワトソンをじっと見つめて笑った。



ヨ:それにしてもだよ。(本題に入る)

ワ:・・・・。
ヨ:なぜ、ワトソンに、ドングクが元素記号の表を見せたかっていうところが謎だよなあ・・・。もしもだぞ、ドングクが「リボン」のお客で、本気で好きになって振られたとしても、なぜ、おまえに見せる?
ワ:・・・う~ん・・・。

ヨ:それに、「リボン」にとっての元素記号は、客の評価であって、それを客に教えるだろうか・・・?
ワ:ですよね・・・。でも、わかっていることは、ドングク先生は「リボン」を本気で好きだったということ。それから、私がその紐になんか関係していると思い込んでいることですよね。

ヨ:そして、ドングクは、おまえを好きだってことだな。

ワ:よくそんなこと、口に出せますね・・・。

ヨ:でも、おまえもそう感じたんだろ?
ワ:・・・。

ヨ:それでも・・・元素記号の表には、結びつかないんだよねえ・・・。


ワトソンは立ち上がって、ヨソクのデスクの前へ行った。



ヨ:なんだよ。(見上げる)
ワ:私のこと、好きじゃないの?

ヨ:なんだよ、いきなり・・・。(驚く)
ワ:好きじゃないの?
ヨ:・・・。

ワ:ぜんぜん嫉妬しないの? ドングク先生が手を出したらどうしよう!とか・・・思わないの?
ヨ:だけどさあ・・・。
ワ:平気なんだ・・・。

ヨ:それとこれとは、違うだろ? 今は事件のことを考えて・・・。
ワ:他の男が私を好きそうだってわかってても、私のこと、放っておくのね?

ヨ:別に、放ってないだろ?

ワ:でも・・・昨日もしなかったじゃない・・・。(下を見る)
ヨ:でも・・・ほったらかしではないだろ? (やさしく言う)

ワ:・・・。(俯いて、机を爪でトントンと叩く)
ヨ:・・・。

ワ:気持ちは・・・伝えなきゃ、駄目よ・・・。態度で示さなきゃ・・・。
ヨ:・・・。








事務所のドアが開いた。



お:おはようございます! あれ、どうしたの? ちょっと深刻?

ヨ:おはよ。深刻かどうか知りたかったら、こっちに参加して。
お:え~え! やだなあ・・・。でも、なんか出てきたんだあ・・・。

ヨ:おぼろげながらね・・・。
お:へえ。
ヨ:今、警察のほうに照会してもらってるんだけどね。


そう言っていると、ヨソクの前の電話が鳴った。



ヨ:はい。ぺ探偵事務所。あ、オヤッさん。え、「リボン」のことがわかったの、早いなあ。それで? コン・へジン。27歳。偽名と言っても一字違いだったんだ。それで・・・。ソウル外科内科病院勤務の薬剤師・・・。へえ、薬剤師ねえ・・・。行方不明なの? いつから? 3年前? 

ワ・お:・・・。

ヨ:捜索願いも出てるんですかあ・・・。ふ~ん、それのコピーもいただけます? お願いします・・・。



ヨソクが受話器を置いた。



ワ:行方不明なんですか?
ヨ:ああ・・・。なんだろうなあ!(頭に両手を当てる)

お:どうなってるわけ?
ワ:聞きたいですか?
お:え? でも、聞いたら・・・。
ワ:それは、ただじゃおかないですよ。
お:それ、困るんだよねえ・・・。(頭を掻く)

ワ:困っても参加してくださいよ。
お:参ったなあ・・・。

ワ:じゃあ、お茶飲みながら、話してあげる。
お:そうお? ブルーマウンテンでよろしく。

ワ:お砂糖入れます?
お:ミルクもね。
ワ:OK !







お:へえ・・・。そうお・・・。
ワ:それで、先生がエージェントに「リボン」の本名と当時の大学のこと、聞いたんです。
お:へえ・・・。それで、現在は行方不明・・・。それにしてもさ、そのドングクとの関係はいろいろ考えられるなあ・・・。

ヨ:まずは?

お:まずは、その彼女が紐女と知らないで恋に落ちていたら・・・。
ワ:だってそれじゃあ・・・。

お:だって、わからないじゃないの、そこんとこはさあ。
ワ:まあ、そうですねえ・・・。

お:それに、その先生が愛好者かどうかも疑問だなあ・・・。
ワ:なんで、この写真見たでしょ?
お:でもさ、リボンがかけられないんでしょ? その先生。
ワ:それは私にかけさせたかっただけで・・・。

お:でも、本当に結べないかもしれない・・・。
ヨ:その場合、どうなるのよ?

お:その場合はさあ・・・恋人だった、「リボン」からこの紐の結び方だけ習ったのかもしれない。だって、その先生、ワトソンちゃんの指先を見てたんでしょ?

ワ:そう。

お:自分が縛るのが好きなんじゃなくて、相手が紐を結んでいる手が好きなんじゃないの?

ヨ:おじさん、冴えてるねえ・・・。(笑う)
お:という説も考えられるわけよ。
ヨ:うん・・・・。

お:ワトソンちゃん、そいつ、ただのねちっこい男かもしれないよ。あるいは、ワトソンちゃんに縛られたい男ね。
ワ:・・やだ・・・。縛られたいなんて・・・。
お:だって、ワトソンちゃんの指が好きみたいじゃないの。

ヨ:・・・・。

ワ:・・・それにしても、あの人、「リボン」が行方不明だって知ってるのかしら?
ヨ:そうだなあ。

ワ:「リボン」も、もしパピーみたいに殺されていたら?

ヨ:うん・・・。エージェントの話では、あの仕事は、学生の時しかやってなかったそうだから、仕事を卒業したあともつけまわしてたやつがいるということだな。
ワ:怖いですね・・・。

お:だから、風俗なんかに手を染めちゃ駄目なのよ、ワトソンちゃん。
ワ:私は・・・。(ちょっとムッとする)

ヨ:ドングクと彼女の関係を知りたいねえ・・・。
ワ:デートしてみようか・・・。
お:それ、危ないよ。
ヨ:・・・。

ワ:してみたほうがいいですか、先生? (睨むように見る)
ヨ:しなくていいよ。(きっぱり言う)

お:そうだよ、そこまですることないよ。ワトソンちゃん、あんた、危ないことはやめたほうがいいよお。




おじさんが席を立って、トイレに行く。




ワ:私を行かせたくない? (睨む)
ヨ:つまらないことで、意地を張るな。
ワ:・・・・。意地を張って、言ってるわけじゃないわ。
ヨ:・・・。(睨む)




おじさんがさっぱりした顔で戻ってきた。



お:まあ、慎重にしたほうがいいよ。 ・・・あれ、どうしたの? 二人。
ワ:・・・。(ムッとしている)

ヨ:ちょっと出てくるよ。



ヨソクがデスクの上のファイルを閉じた。



お:どうしたの、急に? 
ヨ:ちょっと調べたいことがあるから。
お:そう・・・・。


ヨソクは、ワトソンと目が合って・・・少し睨みつけたが、そのまま、何も言わず出て行った。

  

お:おじさんがいない間になんかあったあ?

ワ:せっかく、私がドングクとデートしてあげるって言ってるのに・・・。
お:ワトソンちゃん、危ないことはおやめ。あんた、バイトなんだからさあ。
ワ:でも・・・。
お:先生はそういうの、好きじゃないから。

ワ:・・・どういうこと?
お:まあ・・・ちょっとねえ・・・。

ワ:おじさん、教えて。

お:うん。先生の恋人のお姉さんがさ、事件に巻き込まれて・・・死んでるのよ。

ワ:え? 恋人・・・? (初めて聞く)
お:うん、もう別れちゃったんけどね。

ワ:なんで? 何があったの? (胸がざわざわする)

お:う~ん・・・。この事務所ができる前の話なんだけどね。通り魔殺人があって、その時、犯人のプロファイルをオヤッさんが先生に頼んだわけよ。
ワ:・・・。

お:そこで、警察で考え出したのが、おとり捜査・・・。たまたま先生の恋人だった女性のお姉さんがね、婦人警官でさ、そのおとり捜査を手伝ったのよ・・・。

ワ:・・・。

お:ところが、警察の上のほうがさ、先生の提案したことを無視して指示を出しちゃったもんだから・・・相手に気づかれて・・・お姉さん、殺されちゃったんだよ・・・。

ワ:そんなあ・・・。

お:警察は、その通り魔はナイフしか使わないと思っていたけど、実は拳銃を手に入れていてね、それで、撃たれちゃった。それを助けようとした先生も肩を撃れた・・・。先生は、犯人の起こしている事件の手口がどんどんエスカレートしているから、次は銃に手を出すかもしれないって言ってたのにさ・・・。警察はそれに従わなかった・・・。

ワ:でも、恋人と別れる理由にはならないじゃない。

お:それがさ。先生の肩の傷を見ると、お姉さんを思い出すからって・・・。親御さんも、いやな思い出とつながる先生の顔を見たくなくなったんだよね。

ワ:そんなあ・・・。

お:先生にはその気持ちが痛いほどわかるから・・・別れるのを承知したんだ。
ワ:・・・。

お:だからね、ワトソンちゃん。 この事件を頼んできたお母さんだって、娘の本当の姿がわかれば、ワトソンちゃんや先生のこと、恨むかもしれないし、もう会いたくなくなるかもしれないんだよ。

ワ:・・・。

お:人の心っていうのは難しいもんさ。ワトソンちゃん・・・そんなおとり捜査みたいなデートは、やめときな。先生だって、そんなことで、ワトソンちゃんを失いたくないんだよ。

ワ:・・・。それって・・・何年前の出来事?

お:えっとお、もう5年前か。ワトソンちゃんが来る1年ちょっと前。
ワ:・・・。そう・・・。

お:そのお姉さんが亡くなったのは、先生のミスじゃないのに、大学のほうで体面気にして、先生を辞めさせちゃった。それで、今は探偵事務所。

ワ:ふ~ん・・・。





だけど・・・。

だけど、
もうその人のことは・・・愛してないわよね?

そうじゃないの?





お:どうしたの?
ワ:ん? 大変なことがあったんだなと思って。
お:そうだよお。だから、ワトソンちゃんも正義感だけで動いちゃダメだよ。
ワ:ふ~ん・・・。






ヨソクには、そんな過去があった。

でも、その頃の恋人はまだ健在で・・・心の中では先生を思い続けているかもしれない。

先生の気持ちは・・・。
どう思っているの・・・?









ヨソクがマンションのドアのチャイムを押した。


「はい」


ヨ:この間の探偵ですが、もう少し詳しい話を・・・。


ドアが開いた。



エ:もう教えただろ?
ヨ:あの「リボン」が今、行方不明なんだ・・・。
エ:・・・。(驚く)
ヨ:もう少し「リボン」について聞かせてくれ。



ヨソクがマンションに入り、ドアが閉まった。





続く・・・・




ではまた・・・・しばらくしたら・・・^^






2010/07/09 13:31
テーマ:ひとりごと カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

ドリームハイ役どころを考える^^

Photo



BGMはこちらで^^





こんにちは^^

 リダのドラマ「いたずらキス」が決まったんだね。

かわいいタイトル^^


って、最近はjoonの情報を探しにいくと・・・

ヒョンジュンネタになる。



joonパパは、

「ねえ、皆もママになって一緒に育てて^^」と思ってるのだろうか・・・。


まあ、あなたの家族はかなりの人数、あっちへいっちゃってるから
心配しなくても大丈夫だと思うけど^^;





DATVも主役の座を譲って・・・


これで若い客も付くよ~^^


と、喜んでいるだろう^^






でも!

まだ、あなたにパパの座についてほしくない。


私も
「一緒に子供たちの面倒見るよ~~^^」というところまでいってない・・・。




もう少し、俳優として、現役を守ってほしい・・・

まあ、君が恋愛ものは、嫌そうなのはわかった・・・





で、


ドリーム・ハイはどんな役?


あっと、驚かせてね~^^




ただの「ハンサムな校長」なんてありえないから!








「いや・・・今、カツラにするか、髪を剃るか、考え中^^」


何!

やあ~、ハゲ親父校長~~なの???^^


「それも視野に・・・vv*  でも、エッチな教官もいいだろ?^^」



うんうん^^v



新境地を開いてちょうだい^^


基本的には、

和製「ホテリア」系の出演、演技は望みませんから~~~



「え~~~、それで行こうと思ってたのにvv」


そんな楽勝、お茶を濁す系は、駄目よ!



新境地をよろしく!


それが嫌なら・・・恋愛物出て!



「や、それ、面倒だからやだなあ・・・」



じゃあ、ハゲ親父ね?^^


決めるわよ!


「え! @@・・・^^; ま、やってみるか!」



そうだよ!

その意気だよ^^

きっと頭剃ったら、三蔵法師みたいでかわいいよ~^^



ヒップホップ・ダンスもよろしくね^^



「それはできるよ^^

今、LAで密かに習ってるから^^」


へえ~~^^



「ジニョンさんには、一拍遅い!って言われるんだけど、
本番というか、on airでは曲を一拍遅らせて流すから、
OKだって^^」


頭いいねえ~~^^

「だろ?^^」


カメラも「龍馬」撮ってるやつ、高いけど、買っちゃえ!


「それも導入するつもり~^^

いいものは全部入れちゃうよ~^^」


そうお!?^^

じゃ、私も!


「や・・・掃除のおばさんもキレイどころで決めるつもりだから・・・」


な~んだ・・・。

でも、目の保養になるね^^



「だろ? 僕の浮気相手もしちゃうおばちゃんだから^^」


へ~~~!

毎週ゲストもいいよね^^



「だろ?^^ そのために、若い子そろえてるから^^」


だね^^

ヒョンジュンに、ジウちゃんに・・・

ガクトさんも出ちゃえ!


「頼んじゃおうかな^^ 校長の友達の日本のスターってことで^^」


だよ~~~^^v


よくよく考えると、この番組いいかも^^


「だろ?^^」




最後の卒業公演シーンとか、デビューシーンのお客のエキストラ、
やらせて~~~^^


「おい、ネタばれしないでよ~~
それは冬に募集だからさ!」(勝手に書いてます^^)


やっぱり!^^



なんてことで、ドリーム・ハイに出演が決まったヨンジュン氏^^


きっと何かやってくれるに違いない!





って、

「あ~た、それでヨンジュンの家族なの?@@」

というお問い合わせにはお答えしません^^;



猛烈、I love Bae Yongjoon !

ではありますが、叱咤激励をしてしまう私です^^v






kiko3





↑話は変わって、上の広告。

joonの使ってるトリートメント無料プレゼントだね^^






2010/07/08 00:47
テーマ:【創】「夕凪」 カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

【BYJシアター】「夕凪」5最終回





BGMはこちらをクリック



こんばんは^^


BYJシアターです。


ブロコリ祭は楽しかったですか?^^
いつか、土日に当たったら、私も行ってみたいと思います^^




本日は「夕凪」いよいよ最終回です。


【配役】

YJ(キム・ヤンジュ)・・・ペ・ヨンジュン(32歳・作家)
チョン・ヒス    ・・・(21歳の女優志望の女の子)
ヨンへ       ・・・イ・ヨンエ (恋人・女優)




こちらはフィクションです。出てくる医療行為は実際とは異なります。





では、これより本編。お楽しみ下さい。


~~~~~~~~~








『恋が、心が、止まることがあるの?

あなたは言った。
そうだと・・・。


でも私は信じない。

止まっているように見えても
その水面下では恋は確実に揺らめいていると。


あなたは今、夕凪の時間だと言った。


でも私は信じない。


あなたの胸が揺れているのがわかる。
あなたの目が輝いているのを知っている。



それは夕凪ではない・・・』











主演:ぺ・ヨンジュン

【夕凪】(ゆうなぎ)5 最終回



<







今晩の見回りは婦長だった。

YJは昏睡状態から目覚めてから毎晩のように見る夢について、誰かに相談してみたい気がしていた。
それは、一番身近なヨンへには申し訳なくて言えない夢だった。


Y:婦長さん。ちょっとご相談があるんですけど。ここって、精神科もあるんですか?
婦:(笑って)なんですか? いったい。

Y:毎晩、見る夢があって、誰かに相談したくて・・・。まずは婦長さんに相談してもいいですか。
婦:・・そう・・・。でもここには精神科はないのよ。
Y:そうですか。でも話だけでも聞いてもらえませんか? 誰かに聞いてほしくて。それに僕はここから動けないから、ここでしか相談できないんです・・・。
婦:わかったわ。じゃあ、あとで。見回りの後、戻ってくるわ。それでいい?
Y:ええ。お願いします。





しばらくして、婦長が戻ってきた。


婦:お待たせ。さあ。ヤンジュさん、どうぞ、話して。他言はしませんよ。
Y:ええ。すみません。どこから話したらいいのかわからなくて。思いつくままでいいですか?
婦:ええ。

Y:う~ん・・・昏睡状態から目覚めてからしばらくして、ほとんど毎晩のように、同じような夢を見るんです。昼の時もありますが、だいたいは夜・・・。僕はいつも女の子と会っていて。彼女は20くらいの子で。僕のことを先生って呼ぶんです。そして、とても親しそうに話すんです。どうも僕たちは恋人みたいで・・・。(俯いて笑う)確かに前に会ったことのある子なんですが・・・。そんな深い関係の子じゃないんです。あまりよく知らないはずの子なのに。夢の中ではまるっきり恋人なんです。

婦:(笑って)その子が好きだったのかしら?

Y:さあ。(わからない)目が覚めて、彼女のことを考えると…、女優志望でダンスを練習していたこと、それから一度だけ夕飯を一緒に食べたことくらいしか思い浮かばないんです。そんな子に夢の中で僕は恋に落ちているんです。それに・・・恥ずかしいんですが、僕が夢中という感じなんです。(顔を赤くする)

婦:先生は作家だから、夢でストーリーを作ってるんじゃないですか? 若い女の子と恋に落ちるストーリーを。

Y:・・いや・・・。こんなに具体的に相手と話したり、抱擁した感触まで残ったことってないんです。頭が少し変なのかなあ。やっぱり寝たきりだったから、少しおかしくなってるのかな・・・。

婦:そんな・・。でも夢が毎日、ストーリーとして続くのはおもしろいですね。(微笑む)

Y:ええ。その子は・・・名前がヒスって言うんですけど。夢の中の二人にはいろいろ思い出があって・・・。ここの屋上で、二人で漢江を眺めたこともあって・・・。それもたびたび・・・。二人には思い出の場所なんです。・・・でも実際には僕は屋上になんか上がれないはずでしょ? でもはっきり鮮明に思い浮かぶんです。



婦長は不思議な思いに取り付かれた。なんと説明したらいいか、わからない。

ヒスとはあのヒスなのか。

先生が訪ねてくると言ったヒス。
他におかしなところはなかったのに、先生という幻覚に悩まされたヒス。



婦:他にその子の特徴は・・・? なぜ、その子が病院へ来たのかしら? ここの屋上で会ってるんでしょ? 先生のお見舞い?
Y:いえ・・・夢の中では・・・僕は彼女に「顔のキズが治ってよかったな」と言っているんです・・・。でも僕の知っている本当の彼女はキズなんてなかった・・・。一つも。でも夢の中の僕はその事情も知っているようなんです・・・。


婦長にはどう答えたらいいのか、わからなかった。



婦:少し考えさせてくれる? ここには精神科はないから、どこかを紹介することになると思うけど。ヤンジュさんは・・・どこも病んでいる感じがしないの。少し時間をちょうだい。私なりに考えるわ。
Y:すみません。こんな話、ヨンへには言えなくて。誰かに打ち明けたかったんです。

婦:いいのよ、それも婦長の仕事だし。また私のほうから声をかけてもいいかしら?
Y:ええ。お願いします。
婦:じゃあ、ゆっくりお休みなさい。夢ですもの・・・幸せな夢なら、楽しんでらっしゃい。
Y:あ、はい。


婦長はYJに布団をかけて、部屋を出ていった。





ナースステーションに戻り、座り込んでじっと考えを巡らせていた婦長が内線で電話をする。


婦:あ、ソクジュン先生? 婦長のキム・シオンです。お久しぶり。先生にご相談したいの・・・。例の関係の話なんだけど。一人患者さんで・・・・。


婦長が親しい医師に電話を入れた。








【第8章 生きるために】


翌日の午後は、ヨンへは仕事で来られず、YJはゆっくりと自分の時間を使っていた。
溜まっていた本を寝そべって読んでいる。

部屋のドアが開き、婦長が入ってきた。


婦:ヤンジュさん。
Y:あ、はい。


顔を上げると、婦長が60がらみの男と一緒に立っている。
一瞬、その男に懐かしさを覚えたが、それは瞬間的で、その男は初めて見る人だった。


婦:ヤンジュさん、突然でごめんなさい。この方ね、ソクジュン先生といってね、その道の大家なの。つまり、あなたの夢のお話ね。
Y:そうでしたか。どうぞ、お座りください。



ソクジュンはベッドの横のイスに腰掛けた。


婦:じゃあ、二人で話してみて。私は仕事があるから。
Y:ありがとうございます。


YJが頭を下げると、婦長は出ていった。



ソ:初めましてかな?(笑顔で見つめる)
Y:ええ。(真顔で答える)

ソ:私に何も感じなかったか?
Y:ええ。・・いえ、一瞬ですが、なんか懐かしさを覚えました・・・。
ソ:そうか・・・少しは感覚が残っているんだな。
Y:何のですか?(不思議そうに)

ソ:うう~ん。君と夢の中でまず話をしよう。そうすれば全てがわかる。私を信じられるかい?
Y:(じいっとソクジュンを見つめる)はい。
ソ:では寝てもらおう。



ソクジュンが催眠術をかけると、YJはオレンジ色の温かい空間の中へ落ちていった。

YJが目を開けると、病院の屋上のフェンスの前に立っていた。



ソ:久しぶりだな。



振り返ると、そこにあの時の先生が立っていた。


Y:先生! また会えるなんて。お元気でしたか? あの時は、どうもありがとうございました。お陰で体も元気になって、ヒスともまた会えるようになったし・・・。(うれしそうに言う)

ソ:そのことで君に話があるんだ。

Y:なんですか?

ソ:君は今どこにいる?
Y:僕ですか? 屋上で先生と話しています。

ソ:それは本当の君か? よく考えてみろ。(じっと見つめる)
Y:・・・まさか、死んだんですか、僕は・・・。
ソ:君は生きているさ。・・・ただ君が考えているのとは・・・違った形で生きている。
Y:違った形? また心が離れたんですか?
ソ:いや。(じっとYJを見つめる)今、私は君の夢の中にいるんだよ。よく考えてみろ。君が婦長に相談したことを・・・。
Y:婦長って・・・僕はまだ入院しているんですか?(思いを巡らす)

ソ:ああ。リハビリ中だ。
Y:リハビリ?
ソ:まだ歩く事さえできない・・・。
Y:歩く事ができない・・・。



YJの頭の中をいろいろなことが、断片的に走馬灯のように駆け巡る。
事故・ヒス・ヨンへ、そして、ソクジュン・・・そしてキズついたヒス、介抱するヨンへ。



Y:これは夢? 僕はまだ入院している。ヨンへがいつも世話をしていてくれて・・・ヒスはここにはいない。



YJはフェンスに寄りかかったまま、地面に座り込む。
YJの顔つきが、がらっと変わった。それは現実のYJの顔になった。



Y:ヒスはどうしているんです・・・。
ソ:たぶん、春川の実家で、精神科の医者に通っているんだろう。

Y:なぜ?

ソ:婦長から聞いたが、ヒス君が入院中、君が見舞いに来ると言って、皆に頭がおかしいと思われたんだ。それで、治療している・・・。

Y:・・・そうでした・・・。思い出しました。ヒスしか僕が見えなかった。それでお母さんが連れ帰ったんだった。


YJはヒスを思うと辛くなる。



Y:彼女を救う方法はないんですか?
ソ:本当の君が会いに行って、証明するしかないだろう。ヒス君の先生は実在していると。
Y:あ~あ。(頭を抱える)

ソ:まずは治療だよ。夢でヒス君に会っていると、体力を消耗する。治療の妨げになる。治るまで会うのはやめなさい。
Y:どうやって?


ソクジュンが精神を集中する。
屋上の扉が開いて、ヒスが入ってきた。



ヒ:ここにいたの? あ、ボイラーマンの先生も! うれしい! 皆で会えたのね。
Y:ヒス・・・。(ヒスを見つめる)



ヒスの笑顔が止まった。

YJの様子が違うのがわかる。

YJは同じ姿をしているが、ヒスを見つめる目がぜんぜん違う。
そこにはあの愛は感じられない。
いつもの恋人のYJではなく、そこにいたのは、「先生」だった。


ヒ:気がついたの?(YJを見つめる)恋人はもうおしまい?
Y:・・・。(首を捻る)
ヒ:もう現実の先生? 心の奥深くにある愛は、もう見えないの? そうなのね・・・。




YJにとって、もうヒスは恋人ではなかった。

ただの知り合いの女の子だった。
ヒスのケガも知っている。
見舞ったこともわかっている。
二人で病院内を探索したことも。
でも、ヒスは恋人ではない。
自分には、長年付き合ってきたヨンヘがいる。

現実のYJの感覚に戻ったYJの心が、ヒスへの愛を欠落させ、彼の記憶を塗り替えた。
YJの中にある大人としての分別が、もうヒスへの愛を見失わせていた。



本当に、心の奥深くにヒスはいたのか・・・。
こんなに若い女の子が? 
オレの愛する人として?


切なく揺れるヒスの様子を見て、ソクジュンがヒスの肩を抱いた。



ソ:ヒス君、ヤンジュはまず治療を優先させることだ。体を治すことだよ。こうやって会っていては体力を消耗する。いいね? しばらくは会わないこと。

ヒ:でも、そうしたら・・・心の目を閉じてしまったら、私を愛していたことを本当に忘れてしまうわ。(ソクジュンにすがる)頭の中で考えている今の恋人を、当たり前のように、愛していると思ってしまう。もう二度と会えないかもしれない・・・。

ソ:ヒス君。(抱きしめる)彼は今、現実と深層の世界の、二つを生きている。これでは彼の人格が分離していってしまう。まずは現実で体を治すことだ。そうすれば、だんだんに自分が見えてくる・・・。

ヒ:先生・・・。


ヒスはもう耐え切れず、泣き出した。
ソクジュンに抱かれながら、ヒスは泣いていたが、もうそこには、ヒスへの愛を大らかに語ったYJは存在していなかった。








YJが眠りから覚めた。横にいるソクジュンを見つめ、今までのことが事実だったことを確信する。


Y:先生・・・。
ソ:わかったね。もう夢は見ない。これからは治療に専念しなさい。いいね。
Y:はい・・・。ありがとうございました。ただ、ヒスは・・。
ソ:そのことは体が治ってくれば、考えもまとまってくるだろう。そして本当の感情も掴めるようになる。
Y:はい。



ソクジュンが去ったあと、今までのことを頭の中で整理した。

自分にはヨンへという恋人がありながら、若いヒスに思わせぶりをして、傷つけてしまった。

なんということだ。
・・・しかし、本当にそうなのか・・・。








一ヶ月が過ぎ、YJのリハビリも順調に進んできている。

少し前まであった昏睡状態の頃の記憶はだんだんに薄れてきている。
今はもう夢を見ない。
ヒスという女の子の記憶も遠いものとなり、ほとんど忘れた存在となった。
最近のYJは体力がついてきて、全身の筋力も戻り始めた。
それとともに、心も充実し始めた。





それは、少しずつ自分の足で歩けるようになったYJが、リハビリルームで、2本のポールの間をポールに捕まりながら、歩行訓練している時だった。


声:大丈夫? 痛い? ゆっくり行こう。先生、頑張って。


懐かしい声が頭の中でした。
それはやさしく、自分を包み込むような声だった。

誰の声だったろう。
こんなに温かい声・・・。





その声を聞いた日から、YJは少し妙な気分になっている。

思い出せない何か・・・大切な記憶が失われているような・・・思い出したくても思い出せない何か。

それはふわりと懐かしい香りをさせて、やさしい気分にさせる・・・。

なんだ!

思い出したくても、何か靄にかかったようでYJには思い出すことができなかった。








【第9章 帰るべきところ】


今日はヨンヘが仕事で見舞いに来られない。

病室と同じ3階にある広い談話室のほうへYJは松葉杖で歩いていく。
少し自分なりに足を使っていろいろ歩いてみる。
運動好きだった、ちょっとストイックな自分を思い出した。


談話室の窓から漢江が見える。

窓辺に立って、悠々と流れる川を眺めていると、懐かしい声が、そのイメージが、自分を包み込む。


女:いいでしょう、ここ。
Y:いい眺めだな。・・・いつ見つけたの?
女:入院して3日目。
Y:・・・泣いた?
女:・・・うん・・・。
Y:・・・飛び降りたいと思った?
女:・・・うん・・・。
Y::でもここにいる。・・よく頑張ったな・・。
女:なぜだか、わかる?
Y:・・なぜ?
女:先生が来る時間が近づいてたから。先生に会わなくちゃって。先生の顔見なくちゃ、しねないって思ったから・・・。
Y:・・・そうか。


自分と女との会話。せつなさがあって、その女を思いやっていた自分がいる。



女:先生の心は、今でも夕凪?・・・気づいてないの?
Y:何を?
女:先生、変わったわ。先生の目、輝いてるもん。
Y:そうか?・・・でも心は・・・。
女:波立ってない?
Y:ああ・・・。
女:うそ。今も目が輝いてるわ。心も波立ってる・・・。風だって吹いてる・・・。先生、私を見て。その目でわかるわ。
Y:・・何が?
女:先生は今・・・恋の中にいる。



熱いものが心を支配する。
女の泣き声も聞こえる。


女:いいのよ、先生。先生が死んでしまったら、全てが終わっちゃう・・・。もし、もう会えなくても生きててほしい・・・。 絶対、生きてて欲しいの!
Y:心を動かしてくれてありがとう。


誰だ・・・。
次にYJの頭の中に「恋人」という言葉がよぎる。



Y:恋人? 恋人は・・・おまえだろ?
女:・・・。本当はそう思ってるのね。
Y:・・・どうしたの? 変だよ、本当に変だよ。
女:先生の心の奥では、私が恋人なのね?
Y:えっ? 実際そうだろ。どうしたんだい?
女:ううん・・・。そうよね。私たちは熱愛カップルよね。二人で力を合わせて危機を乗り越えたんだもん!


YJの中にあふれ出てくる想い。
それはどんどん、彼の中で膨れ上がっていき、懐かしさに心が大きく揺れていく。


誰なんだ、君は。こんなに恋しいのに・・・。

相手の顔を探す。


誰だ。
・・・この懐かしさ。
君に会いたい、今すぐ! 
一分一秒も待てない。
どうしても会いたくて会いたくて仕方がないのに!

なのに、君は誰なんだ。

今すぐ、君を抱きしめたい!

誰だ。

オレは君に、君に抱きしめてもらいたい!

誰?

誰だ?

誰なんだ?



YJが頭の中で目を凝らす。

彼女が振り返り、はっきりと見えなかった顔がゆっくり、ゆっくりフォーカスされていく。

はっきりとした顔になった。



ヒス!









それから3週間後。
YJは退院の準備をしている。ヨンヘが洗い物をして帰ってきた。


ヨ:(病室の中を見渡して)さっ、これで全て完了ね。
Y:(振り返り)ありがとう、ヨンヘ。君に全て頼ってしまったね。
ヨ:いいのよ。これくらいはさせて。(笑顔をみせる)


二人はベッドとイスに腰掛ける。少しうつむきながら座っている。


Y:ごめん・・・。

ヨ:いいの・・謝らないで・・・。
Y:君の気持ちに添えなくて・・・。
ヨ:・・・。

Y:ごめんよ・・・。君を泣かせて、苦しませて、それで・・・去っていくなんて。ひどいやつだよね。
ヨ:ヤンジュ・・・。私、昨日の夜、あなたの言葉を考えたの。そして思ったわ。これは運命だって。(YJを見つめる)
Y:・・・。(ヨンヘの顔を見上げる)

ヨ:その女の子だって、知らない間にその運命に引きずり込まれてしまったのよ・・・。それまで見えなかったものが、あなたが見えて・・・あなたのために遠い距離を乗り越えてきて。・・・仕方ないわ。あなたを、手放す・・・。あなたはいい人だったもん・・・。誠実な人だった。(下を向く)ちょっとかわいくて、ちょっとストイックで・・・ステキな恋人だった・・・。
Y:ヨンヘ。君は・・・君はとってもヒスに似ている・・・なのに、なぜ、君じゃだめなのか、オレにもわからない。

ヨ:(笑う)あなたが交通事故に合わなければ、きっと私たち、運命の恋人のままだったわよね。・・・皮肉ね、私がその人に似ていただけなのよ・・・。(涙が滲む)

Y:・・・今までありがとう。こんなわがまま、聞いてくれて・・・。
ヨ:(涙を拭く)あなたをこの世に残してくれた人だもん。許す。うん・・・。あなたが生きていること、それが私の幸せだから・・・。(涙があふれてしまうが、笑顔を作る)



YJはヨンへを力強く抱き締めた。
ヨンへも最後の抱擁に力いっぱい、YJを抱き締めた。


彼女は彼を手放した。









【最終章 君を求めて】


YJは、春川にあるヒスの実家の前で編集者のハンの車から降りる。
杖を突きながら、ヒスの家を訪ねる。母親が中から出てきた。


Y:こちらはチョン・ヒスさんのお宅ですか?
母:はい。どちら様でしょうか?

Y:僕は・・・僕はキム・ヤンジュといいます。ヒスさんは僕のことを・・・先生と呼んでいますが・・・。

母:ヤンジュ先生・・・!(驚く)

Y:ええ。僕がその実在の人物です。ヒスさんの病院へ見舞いに行っていたのは僕です。

母:でも・・・でも、病院の人たちは、先生は来てなくて、いつもクマのぬいぐるみを連れて歩いていたと・・。

Y:ヒスさんに会えばわかります。・・・最後の日、僕が行くのが遅くなってしまって、会えなくて・・・。僕も交通事故に合って、こんな状態だったので、こちらを訪ねてくるのが遅くなってしまいました。ヒスさんに会いたいんです。

母:あの子は・・。(躊躇する)

Y:元気にしているんでしょうか。病院でこちらへ帰ってきた経緯を聞いて、胸が痛くて・・。どうしても会いたいんです・・・。彼女はどうしているんですか。

母:今は小さな事務所で事務見習いをしています。でも、先生が実在したなんて・・・。あの子、病院を退院する日、あんなに抵抗したのに、最後は急に放心状態になってしまって・・・。帰ってきてからは、ずうっと黙ったままで・・・最近やっと、普通の生活を始めて・・・先生に会わせていいものかどうか・・・。(悩む)やっと落ち着いてきたんです。

Y:会わせてください。彼女に、自分がまともであることを気づかせてあげたいんです。・・・お願いします。

母:まとも・・・。そうでした・・(涙が出てくる)狂ってなかったのね・・・かわいそうに。(泣き出してしまう)






YJはハンの車に乗って、母親に聞いたヒスの勤め先の住所を探す。
それらしい事務所の近くで、車を降りた。


ハ:先生。その辺を観光してきますよ。何かあったら携帯に電話してください。
Y:ありがとう。ハンさん。後で電話します。


YJは杖を突きながら、事務所のほうへゆっくり歩いていく。
近くへ来ると、中から人が出てきた。

ヒスである。

ヒスは青い事務服を着て、封筒の束を胸に抱いて出てきた。

暗い目をしている。
でも、YJから見た右側の横顔は美しいままだ。
通りを行こうとすると、中から中年の女が出てきた。


中:ヒスちゃん、待って。これもお願い。


ヒスが左側に振り向き、女から追加の封書を受け取った。



左耳から2センチほど内側に入ったあたりから、長い傷がまだ生々しく残っている。
ヒスは通りをまっすぐ歩き、郵便局に入る。
YJは、郵便局の少し手前に立ち止まって、ヒスが戻ってくるのを待った。




ヒスは帰り道もうつむき加減で歩いていたが、前方に杖を突いた人影を感じて、視線を上げた。

YJが立っている。

ヒスは驚いて、目を凝らす。
ゆっくり近づく。

本当のYJなのか。

二人はしばし見つめあう。YJが声をかけた。


Y:ヒス。会いに来たよ・・・。本物のオレだよ・・・。



ヒスの目が光を放った。

近寄り、YJを見つめる。
そして触れる。
腕を、胸を、首を、頬を・・・。

ヒスは目を見開いてYJをしっかり見つめている。



Y:やっとここまで来たよ・・・。ヒス。やっと・・・。
ヒ:治ったのね・・・。(胸がいっぱいになる)
Y:うん・・。

ヒ:生きててくれたのね・・・。
Y:ああ。おまえに会いたくて・・・。おまえが心をくれたから、おまえが愛をくれたから・・・。


ヒスはYJの頬に手を当てて、愛しそうにYJの顔を見た。

YJの瞳をじっと見つめる。
懐かしい輝きが、そこにあった。

あの愛を語った瞳。
ヒスの目に涙がこみ上げた。



ヒ:先生・・・。
Y:ここに来てよかったかい?(ヒスの顔を覗き込む)
ヒ:・・・。
Y:迷惑だった?


ヒスは首を横に振る。


ヒ:ありがとう! 先生!


ヒスはやさしくYJに抱きついた。



ヒ:私、先生に会いたかった。あの日からずっと・・・。でも、でも会いに行ってはいけないって心に誓ったの。もう会えないと思った。あの先生にはもう二度と会えないって。
Y:ヒス、おまえにすごく会いたかったよ・・・。ここへ会いにくるのに、本当に時間がかかってしまった、ごめんよ。(ヒスの顔を愛しそうに見つめる)

ヒ:(涙でいっぱいだ)・・・あの人は? もういいの?・・・先生の恋人・・・。

Y:うん・・・ちゃんと話をしてきたよ・・・ヒス、おまえを一番愛していることに気がついたから。これは運命だから。わかってくれるかい。いいかい? おまえと一緒にいても・・・。
ヒ:うん。(大きくうなずく)



二人は、お互いの頬を、肩を、腕を、やさしく触れ合って、お互いの存在を確認し合った。
そして


そして、笑顔で見つめ合った。










THE END




2010/07/06 01:32
テーマ:【創】「夕凪」 カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

【BYJシアター】「夕凪」4





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こんばんは^^


BYJシアターです。


本日は「夕凪」いよいよ後編です。


【配役】

YJ(キム・ヤンジュ)・・・ペ・ヨンジュン(32歳・作家)
チョン・ヒス    ・・・(21歳の女優志望の女の子)
ヨンへ       ・・・イ・ヨンエ (恋人・女優)




こちらはフィクションです。出てくる医療行為は実際とは異なります。





では、これより本編。お楽しみ下さい。


~~~~~~~~~








『恋が、心が、止まることがあるの?

あなたは言った。
そうだと・・・。


でも私は信じない。

止まっているように見えても
その水面下では恋は確実に揺らめいていると。


あなたは今、夕凪の時間だと言った。


でも私は信じない。


あなたの胸が揺れているのがわかる。
あなたの目が輝いているのを知っている。



それは夕凪ではない・・・』











主演:ぺ・ヨンジュン

【夕凪】(ゆうなぎ)4後編











【第6章 心の返還】


午後10時近く。
YJの病室にボイラーマンの先生とYJが揃って、ヒスが来るのを待っている。


先:遅いな。今日は来られないかもしれないな。昨日あんなにたくさんやつらと出くわしたから。
Y:明日に延ばせませんか? ヒスに会わずに去るわけにはいかないんです。
先:だめだ。あんたの命がもう危ないところまできてるんだ。延期はできない。
Y:・・・。


その時、病室のドアが開いた。ヒスが息せき切って入ってきた。


ヒ:ごめんなさい。遅れてしまって・・・。


ヒスの姿は半透明に透けていて、見た目にも安定しておらず、ところどころが欠けている。


先:どうした?
ヒ:母がお医者さんを呼んで、注射を打たれて、ずうっと眠らされているんです。心も体も重くて、たぶん薬のせいです。やっとここまでたどり着きました。


声もところどころ、欠けてしまう。


先:うむ・・・。ちょっと来てごらん。私の「気」を少し入れてやろう。


先生が、ヒスの両手を握った。


先:気持ちを集中させるんだ。何も考えない。無の境地だ。いいね。
ヒ:はい。


YJが心配そうに見守る中、二人はぎゅっと手を握り合う。ヒスの姿がだんだんに色づいて、鮮明なものになった。


先:これで、1時間は持つだろう。さあ、始めよう。いいね。ヤンジュ。
Y:はい。あっ、待って下さい。ヒスにさよならを言わせてください。
先:じゃあ、早くしなさい。ヒス君も長くはここにはいられないんだ。

Y:はい。(ヒスの前へ行く)ヒス。今までありがとう。こんな別れになってしまったけど。(見つめる)
ヒ:先生、いいのよ。きっと、いつかまた会えるわ。だって私たち、知り合いだったんだもん。こんなには親しくなかったけど。

Y:そうだね。きっとまた・・・。


YJがヒスに覆いかぶさるように、包み込むように、しっかりと抱き締めた。
ヒスは驚いたが、愛する先生にきつく抱き締められて、最後の別れをすることができた。


Y:心を動かしてくれてありがとう。ヒスがいなかったら、オレはもうとっくに死んでたよ。
ヒ:先生・・・。




いよいよ儀式が始まった。
ヒスは横たわるYJの枕元に座った。
YJは自分の足元に立つ。



先:いいか。ヤンジュ。心を集中させるんだ。ヒスが君を呼ぶから、君は横たわっている自分をイメージするんだ。今の君が聞くんじゃないぞ。横たわっている君の耳で聞くんだ。いいね。そして、私が「よし!」と言って君の背中を押したら、君は飛び込むんだ、自分の体に。いいね。それは一秒たりとも遅れてはいけない。その瞬間が大切だ。いいね。今の本当の君は終わろうとしているんだよ。だから、チャンスは今しかない。わかったね。この時に集中するんだ。ヒス君もだ。ここにはヤンジュは一人しかいない。このヤンジュは忘れろ。いいね。ベッドの上にしか彼は存在しない。いいね。

ヒ:はい。



YJとヒスはしっかりと見つめあった。
一瞬、ヒスは泣きそうになったが、今を乗り越えるためにも、心を固くした。



先:では始まる。いいな。精神を集中しろ。今を、この時を、最大限に生きるんだ。ヤンジュ、途中で怖がるな。とにかく前へ進むんだぞ。
Y:はい。

先:ではヒス君。ヤンジュを呼びなさい。
ヒ:はい。(ベッドの上のYJに心を集中する)先生、ヤンジュ先生。先生、先生。起きて。先生!私はここよ。



YJは目を閉じて、精神を集中する。
ヒスの声が遠くに聞こえる。
ヒスの声に集中していく。
ヒスがどんどん自分に近づいてくるのがわかる。

次の瞬間、ふっとYJは自分の体が浮いたような感じがして、気がつくと、彼はコスモス畑の真ん中にいた。
一面のコスモスの花が風に揺れている。
その情景の美しさに目を見張った。
すると、愛しいヒスの声がする。



ヒの声:先生。先生。起きて。私はここよ。早く、私の所へ来て。先生! お願い!


YJはヒスの声のするほうへコスモスを掻き分け、どんどん歩いていく。
ヒスの声がどんどん近づいてくる。
そして、ヒスの声が耳元で聞こえる。
ヒスが囁く。


ヒ:先生、早く早く来て!
Y:ヒス!


そう叫んだ瞬間、YJは強く背中を押されて、コスモス畑の中へ頭から倒れこんだ。

そして、暗い闇に飲み込まれ、深く深く落ちていく・・・。
目の前でオレンジの光がフラッシュした瞬間、YJは意識を失った。





先:終わったよ。


ヒスがYJから顔を上げ、ボイラーマンの先生を見た。

ヒ:先生は戻ったのね。
先:ああ、もう少ししたら、心が安定して目を覚ますだろう。その時には、もう君は見えない。
ヒ:・・・そう・・・。


ヒスは涙ぐみ、じっとベッドの上で眠るYJを見つめた。
そして、やさしく唇にキスをした。


先:さあ、私たちは消えよう。


ヒスは涙を流して、YJの姿を見つめるが、もう姿は透け出している。


先:ヒス君。最後に一つだけ教えてあげよう。彼が無意識の時には君を確認することができる。深い意識の底でね。いいかい。

ヒ:(消えそうな姿でとぎれとぎれの声で)寝ている時なら、会えるのね?
先:そうだ。さようなら、ヒス。


「ありがとう、先生」という声が残り、もうそこにはヒスの姿はなかった。









【第7章 恋人】


晴れた日に、川沿いの公園のベンチにYJとヒスの二人が座っている。
YJは、ヒスの左手に座り、両手を高く上げ、全身で伸びをする。


Y:あ~あ。いい天気だな・・・。あの時はもう、ヒスに会えなくなるんじゃないかって、ちょっと絶望的な気分になったけど。こうして二人でいられるなんて・・・夢みたいだよな。

ヒ:そうね・・・。前にここでダンスを見てもらったのよね、覚えてる?(顔を覗きこむ)
Y:そうだったね・・・あの時、恋に落ちたんだな、きっと。あの時、ヒスが愛しくなった。(ヒスの左頬をやさしく撫でて)キズもすっかりキレイになって元通りだし。・・・よかった・・・。これで、女優も続けられるな。(うれしそうに言う)

ヒ:・・・。もう女優は・・・できない。(ちょっと寂しそうな顔をする)でもいいの、こうやって先生に会えるから。
Y:なぜ?(不思議そうに見る)どうして女優を諦めるんだ。おまえの子どもの頃からの夢だろ? なぜ?

ヒ:・・・(胸が痛い)そうね。先生、あの人に会った?
Y:あの人って?
ヒ:遠くへ行っていた恋人。
Y:恋人? 誰? 今日は変なことばかり言うな。恋人は・・・おまえだろ?(笑顔でヒスの顔を見る)
ヒ:・・・。(見えないように少し横を向いて涙ぐむ)

Y:ノンキでいいなあ。こんな日は。(幸せそうに空を見る)

ヒ:・・・。本当はそう思ってるのね。(YJを見つめて涙がこぼれる)

Y:・・・どうしたの? 変だよ、本当に変だよ。

ヒ:先生の心の奥では、私が恋人なのね?
Y:えっ? 実際そうだろ。どうしたんだい?(笑いながらヒスを見る)
ヒ:ううん・・・。そうよね。私たちは熱愛カップルよね。二人で力を合わせて危機を乗り越えたんだもん!(そう言って立ち上がる)
Y:うん。そうだよ。(笑顔でヒスの後姿を見守る)



ヒスは、川沿いの柵まで歩いていく。
柵に寄りかかり、一人川の流れを見つめながら、泣いている。







ベッドの上で目を覚ましたYJにヨンへが気づく。
ヨンへは水を入れ替えた花瓶を持ってYJの枕元へ行き、サイドテーブルの上に置いた。


ヨ:目が覚めた?(顔を覗き込む)

Y:今日もいてくれたの? 仕事はいいの?(甘えた目で見る)
ヨ:うん。映画の仕事は、もう全て終わったわ。今はヤンジュに付いていたいの。ねえ、いい夢でも見てた?
Y:なんで?(きょとんとした顔をする)
ヨ:顔が幸せそうだった。(笑顔で言う)
Y:そう? 夢なんて覚えてないよ。
ヨ:最近のあなたの寝顔って本当に幸せそう・・・私、今もうれしくなって、涙が出ちゃった。(見つめる)


ベッドの横のイスに座る。


Y:ヨンへ、ありがとう。・・・君には辛い思いをさせちゃったね。ハンさんから聞いたよ。毎日、泣いてたって。
ヨ:そうよ。目が腫れちゃった。でも撮影の後半は泣いてばかりの役だったから、ヤンジュを思い出すとすぐ泣けちゃって。仕事はうまくいったわ・・・。
Y:ごめんな。(ヨンへの手をやさしく撫でる)
ヨ:もう酔っ払いはやめてよ。こんなに辛かったこと、なかったもの。(ヨンへもYJの手を撫でる)
Y:そうだね。(ヨンへの頬をやさしく撫でる)
ヨ:ヤンジュが昏睡状態から目覚めたのは奇跡に近いって、お医者様が言ってたわ。危ないところだったって。
Y:そうか。(切なそうに、すまなそうにヨンへを見つめる)



ナースが車椅子を押して入ってきた。


ナ:ヤンジュさ~ん、リハビリルームに行きますよ~。
Y:はい。


寝たきりだったYJは、まだ一人ではうまく体を移動させられない。
ナースとヨンへの手を借りてやっと車椅子に座る。
ヨンへが車椅子を押しながら病室を出てエレベーターホールに向かう。
廊下の前方に掃除のおばさんが立って、YJをずっと見ている。
すれ違い様にYJに声をかける。


掃:元気になってよかったね、先生。
Y:(咄嗟に口から出る)ありがとう、おばさん。(自分の自然さに驚いて、おばさんと見つめあう)


通り過ぎて、YJが振り返った。エレベーターホールで頭を捻る・・・。


Y:あの人を知ってたかな? なんで先生って呼んだんだろ。(不思議に思う)
ヨ:だって、先生じゃない。あなたの作品、知ってるんじゃないの。
Y:・・・そうかなあ・・・。


YJにはおばさんの声のかけ方がまるで知り合いのように思われた。







ヒスを腕に抱きながら、YJは夕暮れの道を散歩している。


Y:(晴れ晴れとした気分で)どこか遠くに旅行したいな。
ヒ:それ、いいな・・・。(YJにもたれる)

Y:おまえのご両親に挨拶して、どこか行かないか? ヒスが好きなところでいいよ。
ヒ:そうね・・・。そんな日が来るとうれしい・・・。
Y:どうした? オレはいつでも春川へ挨拶に行くよ。信じてないの?(顔を覗き込む)
ヒ:うううん。本当にそんな日が来たらステキ・・・。(ちょっと暗くなる)
Y:ヒス。(不思議そうに見る)今からでも行くかい?(笑顔でヒスを見る)
ヒ:・・・。

Y:(ヒスの両肩を掴んでうれしそうに)そうしよう!(顔を覗き込む)

ヒ:先生。ムリよ。・・・私たちにはできないの。
Y:なぜ?

ヒ:これは・・・現実じゃないから・・・。
Y;えっ?

ヒ:(決心してYJを見つめる)私たち、心と心で会ってるだけなの。これは現実じゃないのよ。

Y:何を言ってるの?(意味がわからない)

ヒ:先生を愛してるの。いつまでも一緒にいたいの。二人でいればいいわ。場所なんてどこでも。こうしていられれば。
Y:ヒス・・・。


YJがやさしくヒスを抱き締め、キスをした。







続く・・・





2010/07/03 23:50
テーマ:【創】「夕凪」 カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

【BYJシアター】「夕凪」3





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こんばんは。



BYJシアターです^^

本日は「夕凪」3です。

ところで、こちらは「夏バージョン」の映画なので、
3【中編】については、極端に怖がりの方は日のあるうちにお読みください。

基本的には恋のお話ですので、たぶん、大丈夫だと思います・・・。



【配役】

YJ(キム・ヤンジュ)・・・ペ・ヨンジュン(32歳・作家)
チョン・ヒス    ・・・(21歳の女優志望の女の子)

ヨンへ       ・・・イ・ヨンエ (恋人・女優)


では、これより本編。お楽しみ下さい。



~~~~~~~~~~~










『恋が、心が、止まることがあるの?

あなたは言った。
そうだと・・・。


でも私は信じない。

止まっているように見えても
その水面下では恋は確実に揺らめいていると。


あなたは今、夕凪の時間だと言った。


でも私は信じない。


あなたの胸が揺れているのがわかる。
あなたの目が輝いているのを知っている。



それは夕凪ではない・・・』









主演:ぺ・ヨンジュン

【夕凪】(ゆうなぎ)3【中編】












【第3章 運命の回転扉-①ヒス】


ヒスの母親が退院手続きをして、担当医と婦長の前に座り、話を聞いている。


医:顔の傷のほうは昨日抜糸も済みましたし、これからの経過を見て、必要に応じて、皮膚の形成を考えていきましょう。形成外科を施せば、傷はかなり目立たなくなっていくと思いますよ。しばらくは日焼けをしないようにキズのところには、必ずこちらでお出ししたキズ絆創膏を貼っていてくださいね。

母:わかりました。

医:それから・・・。婦長さん、入院中の普段の様子を・・・。(婦長を見る)

婦:はい。・・・お母さん。ヒスさん、とてもいいお嬢さんで。今では食事の配膳を手伝ってくれたり、周りの人の世話も見てくれて、とてもよくやってくれるんです。
母:そうですか。(うれしそうに)あの子はとってもやさしい子なんです。

婦:ただ・・・毎日、午後2時近くになると、先生が来ると言って・・・。
母:どういう方なんですか? その先生って?


担当医と婦長が顔を見合わせる。



婦:それが・・・(言いにくそうに)実は入院した次の日からなんですけど・・・。部屋で誰かと話をして泣いたり笑ったりしているんです・・・。たまたま、ナースが病室に行った時に先生が来てたみたいで、ヒスさんが楽しそうに笑っていたという報告を受けました。

母:どんな感じの方ですか? 何をやってる人なのかしら・・・いくつぐらいの人でしたか? どこで知り合ったのかしら?

婦:それが・・・そこには誰もいなかったというんです・・・。

母:(不思議そうに) えっ? なぜ?

婦:「先生が来てるの」と言って、その先生らしい人の手を引いて、廊下を歩きながら、ナースや他の患者さんに手を振ってくれるんですが、実は、(言いにくそうに)ヒスさんが手を引いているのは・・・・クマのぬいぐるみなんです・・・。それで、皆、ヒスさんが不憫で・・・彼女にはいつも皆、お世話になってるものだから、お返しに手を振るんですけど。
母:(愕然として)あの子がなぜそんなことを? まさか、あの子の頭がおかしくなったとでもいうんですか?
婦:・・・まあ・・・。(言いにくい)

母:いったいどういうことですか・・・。他に何をするんですか、あの子は。(気丈に質問するが涙ぐむ)
婦:他には何も。ただ、大好きな先生が訪ねてくるだけなんです・・・。
母:・・・。(口元を押さえて泣く)やはり、女優を諦めたことが、あの子の心を壊したのでしょうか・・・。

医:お母さん。ここには精神科がないので、春川の総合病院への紹介状を差し上げます。自宅療養しながら、ゆっくりされたほうがいいと思います。
母:(鼻をすすって)そうですね。わかりました。お手数をおかけしました。あちらの病院を訪ねてみます。本当にお世話になりました。これから連れて帰ります。



母親はなんとか立ち上がり、お辞儀をして、医局から出ていく。



かわいそうなヒス。
子どものころからの夢だった女優を諦めて・・・。
あんなにキレイな子だったのに・・・。
あんなにやさしい子なのに。

心まで病んでしまって・・・。



病室に戻り、娘の顔を見る。とても元気そうに見える。


・・・なのに、この子は。




母:支度はできたの? 忘れ物はないかしら。先生と婦長さんにはご挨拶してきたわ。

ヒ:そう、ありがとう。(時計を見る)今日急に退院することになったから、挨拶できてない人がいるのよ。2時にはいつも顔を出すから。ママ、あと30分、待って。いいでしょ? 今日は車だから、時間は気にしなくても平気よね?


母親はドキッとした。
娘がおかしくなる時間がやってくる。
・・・一刻も早くこの場を立ち去りたい。


母:ヒス。道が混むから、もう行きましょう。ね。
ヒ:だめよ。ちゃんと挨拶して行きたいの。だって、先生は・・・。知り合いの先生が来るんだけど、私をとっても励ましてくれたの。こんな顔になっちゃった私をここまで元気にしてくれたのよ。ママにもちゃんと会ってもらって、お礼を言ってほしいの。

母:ヒス、もう行きましょう。

ヒ:なんで? あと30分もないのよ。そんなに急がなくてもいいじゃない。待って、ねえ、待って。



荷物を持って部屋を出ていこうとする母親を、ヒスが引き止める。


ヒ:まだだめ。待って。待ってよ!(母の腕を引っ張る) もうすぐ先生が来る時間だもの。挨拶して行かなくちゃ。私が急に居なくなったら、先生が心配するわ、探すわ。ちゃんと挨拶していかないと。

母:ヒス、ヒス。(娘が不憫で)お願い。お母さんと一緒に帰りましょう。・・・先生には、ナースの方が声をかけてくれるわ。ヒス・・・ヒス。



娘は真剣に母親にその先生に会うように頼んでいる。
来るはずもない人を待っている。
母親は辛くなって、ヒスを振り切り、病室を出て、ナースを呼びに行く。ヒスも続いて部屋から出てきて、母親に懇願する。



ヒ:ねえ、ママ、待って。なんでそんなに急ぐの? (ナースが飛んでくるのが見える。変だ)どうしたの? 皆。先生が来るだけじゃない。おかしいわ。


ナースと母親がヒスを抑える。周りの患者たちが一斉にヒスを見る。彼女には今、何が起こっているのかよくわからないが、とにかく、必死で抵抗する。


ヒ:ちょっと待って。どういうこと? ねえ、ママ。どういうことなの? 何も言わないで先生と別れたくないだけよ。手を放して。(母の手を払おうとする)お願い。手を放して。(母親とナースが引っ張って行こうとする)ちょっと待って。もうすぐ来るの。待って。いつも2時には来るのよ。あと、20分でいいの。ママ、待って。ね! ね! 皆だって知ってるじゃない。先生が来るの。ママを説得して。ナースさん、お願い! ああ~あ。(母やナースの手を解こうと必死に抵抗する)あ~あ、いや。やだあ。お願い、お願いよ。



ヒスはだんだん狂ったようにもがき始めた。
ナースや母親が病院から連れ出そうとするのを全身で抵抗する。その様子を見て、ナースの一人が医師を呼びに行った。

ヒスは廊下で暴れて泣くが、ふと、隣の病室のネームプレートが目に入った。
次の瞬間、動きが止まり、顔をしかめて口をあけたまま、佇む。

急に動きが止まったので、母親やナースが手を緩めた。
ヒスはそのネームプレートを見つめたまま、母親とナースの手を振り切り、その前まで歩いて行く。

そして、じいっと見つめている。


母:ヒス? ヒス? どうしたの?


皆が見守る中、ヒスはその病室に入っていく。

カーテンを開けると、そこには、たくさんの管につながれた昏睡状態の男が横たわっていた。



ヒスはただ呆然と、彼を見つめた。








【運命の回転扉-②YJ】


いつも2時の約束なのに、今日のYJは胸が痛くて起き上がることができなかった。
やっと4時近くになって、起き上がれたが、ヒスとの約束の時間には大幅に遅れている。しかし、行かないわけにはいかない。

若い彼女がどんなに元気になったように見えても、長年の夢を諦めた今、その精神状態は、ほんの少しでもバランスを失えば、それは簡単にパラパラと崩れ去ってしまうだろう。

昨日、ヒスの自分に対する恋心を聞いた時、はっきりと彼女に答えてやることができなかった。本当に最近のオレは、自分の気持ちがはっきりと掴めないでいる。

恋心はともかく、ヒスとの約束。
一日も欠かさず、見舞う約束。これを忘れてはいけない・・・。



時々、痛む右足を少し引きずりながらも、YJが病院を訪れた。
病室を覗くと、ベッドはキレイに片付けられ、もうヒスの姿はない。

退院するとは聞いてなかったのに。
ナースステーションで聞いてみるか。

YJが病室を出ると、あの掃除婦のおばさんがいた。
YJの顔を見て、


掃:ヒスさんかい?
Y:ええ、退院したんですか?
掃:そうなのよ。今日、お母さんが見えてね、急に退院したのよ。先生を待つって泣いてたわよ。
Y:(胸が痛い・・)そうでしたか。(悪いことをした・・)ナースステーションで住所を聞いてみます。ありがとうございました。(頭を下げて行こうとする)

掃:先生!(呼び止める)

Y:何でしょう?

掃:こんなこと言いたくないんだけどね。(躊躇する)
Y:何ですか? (顔を覗き込む)
掃:ちょっとこっちへ来て。(手招きして、廊下の端に呼ぶ)


YJは何かとおばさんの横へ行く。


Y:何でしょうか?

掃:言いたくないんだけど・・・。あんたも早く退院できるように・・・頑張って。・・・そっちが先だよ・・。
Y:はっ? 僕ですか? 僕は患者じゃないですよ。(やさしく微笑む)

掃:なんていうかな・・・。じゃあ、こっちへおいで。



YJはおばさんのあとをついて行く。ヒスの隣部屋の前に立った。


Y:ここですか?
掃:うん。覗くとわかるんだけどね・・・。


YJは不審そうな顔をして、部屋のドアを開けた。



おばさんがカーテンを開ける。
一人の男が寝ている。体にはたくさんの管が繋がっている・・・。


掃:よおく、見てごらん。


YJは近づき、顔を見る。よおく見る・・・。




自分の顔だった。

そこには、意識不明の自分が寝ていた。
驚いて、繋げられたたくさんの管を見る。
わけがわからない・・・。


Y:これはいったい・・・。(理解できない)

掃:あんただよ・・・。ヒスちゃんしか、あんたが見えなくて・・・。それで、ヒスちゃんのここんとこ(頭を指す)がおかしくなったと思われて、家に引き取られていったんだよ。
Y:えっ?

掃:春川の実家で近くの精神科に通いながら、家でゆっくり静養させるらしいよ・・・。
Y:そんな・・・。

掃:本当はおかしくなんかないんだけどね・・。


YJは、寝ている男の足元に立つ。いったいどうなっているのか・・。


掃:一ヶ月前からここにいるよ。聞くところによると、酔っ払って、道に出たところを車に引かれたらしいよ。体の傷は、右足の骨折以外はほとんど治ったらしいけどね。・・・心が戻ってないんだ・・・。

Y:心が?

掃:そうだよ、おまえさんだよ・・・。おまえさんがこのまま、戻らないとあんたの命も終わるよ・・・。


YJがおばさんを見つめる。


Y:一ヶ月って、ヒスと出会ってちょうど一ヶ月半ですよ・・・それから、ずっと彼女に会ってるんです。



ああ。一週間会えなかった時があった。

とても体が重かった時期・・・。



掃:思い当たったかい? ヒスちゃんには、おまえさんが見舞いに来てた。でも他の人には見えてない・・・。

Y:なぜ、ヒスには見えてたんでしょう?

掃:さあ。(わからないというジェスチャーをして)でも、どうだい? あの子はあんたに生きるトキメキをくれなかったかい? あんたの心が止まりそうになったのを、動かしてくれなかったかい?

Y:(おばさんの顔を覗きこむ)・・・。

掃:心が閉じていくのを開いてくれたんだよ・・・。

Y:・・・夕凪なんかじゃなかった・・・もう終わろうとしてたんですか?


YJはおばさんをずっと見つめる。


Y:ヒス・・・。僕はいったいどうしたら・・・。

掃:まずは戻ることだよ、体に。・・・そこからしか始まらない。心だけでは遠くまで旅はできないよ。
Y:どうやって?
掃:さあ、私はあんたが見えるだけで、あとのことはよくわからない・・・。病院にはたくさんいるんだよ・・。お互い知らないだけでさ。・・・私はもうそろそろ行かないと。いつまでもここに居られないからね。仕事をサボってると思われちまう。誰かあんたにアドバイスできる人と出会えるといいね。・・・きっといるよ。ここの病院は古いし、広いから・・・。
Y:亡くなった人に会えということですか?

掃:まあね。彷徨ってるっていうか・・・。じゃあ。(手を挙げて、さよならをする)あんたはここで探したほうがいいよ。

Y:ええ・・。

掃:じゃあね。(出ていく)



YJは呆然として自分の姿を見ていた。
しばらくすると、病室に人が入ってきた。担当編集者のハンだった。



Y:ハンさん!(声をかける)

ハンは気づかない。しかし、寝ている横に座って、手を握った。


ハ:おい。先生よ、早く起きろよ。・・・ヨンへさんもすごく心配してるんだよ、日本で。撮影の時、目が腫れてて、監督から怒られるって言ってたぞ。


YJはヨンへのことを聞いて泣けてくる。

連絡も寄こさないのではなく、今の自分とは連絡がつかないのだ。
自分のことを忘れているのではなかった。
かわいそうなヨンヘ。


ハンが部屋から出ていく。
YJもついて行く。ハンが階段脇の通路に立って携帯で話している。


ハ:ああ、ヨンへさん。今日も相変わらずですよ。ここのところ、顔に表情が出てきたかもしれないと喜んでいたんですが。今日の昼は不整脈だったらしい・・・。えっ? 今ですか? 病状は安定してますから・・安心して。辛いけど、お仕事頑張って。先生のことは私に任せて。先生はこんなことでは死なないですよ。・・じゃあ。


電話を切って、ため息をつき、暗い顔をして歩く。担当医のところへ行く。


ハ:先生。遅くなりました。
担:いえ、大丈夫ですよ。
ハ:このままでしょうか・・・?
担:うう~ん、顔に表情が出てきたようにも思える時があるんだけどね・・・。心配なのは、ここのところ、心臓の具合が、よくないんだな。少し弱ってきてるのかな・・・。意識が回復するまでに・・・どうかな。


YJは胸が痛い。
自分はここにいる。

ちゃんとここにいるのに。

どうやったら戻れるのか・・・。


ヨンへを泣かせ、ヒスは心を動かしてくれたのに、そのせいで彼女自身が変だと思われてしまっている・・・。


探そう、この病院内をくまなく。

一人くらいは誰かいるだろう・・・彷徨っている人が・・・。










【第4章 トリップ】


春川の実家に帰ってからのヒスは、いつも疲れきった顔をしてただ静かに座っているだけだ。母親も仕事に出るわけにもいかず、ここのところ、娘の病気療養のため、長期休暇ということになっている。

春川に戻ってからすぐ、ヒスを連れて紹介された総合病院の心療内科を訪ねたが、ヒスには決定的な問題点が探し出せなかった。心理テストでは、まったく異常が認められない。

顔にキズを負ったことで、将来の夢を挫折してしまったヒスではあるが、それは青春期特有の憂鬱とも言えた。人は皆、ある時期、夢を諦めざるを得ない時がある。その多くは青春期にやって来る。

医師は、その挫折感が彼女に、「先生」という架空の人物を作り上げたのだろうと分析した。

そして、ヒス自身が、医師に、この心の重さに耐えかねて、それを乗り切るために自分で「先生」という人物を創作していたことを、告白した。

そして、ヒス曰く、それは、普通の人が神に祈るのと同じで、自分は「先生」に思いの丈をぶつけていたに過ぎず、その存在が架空のものであることは自分自身、はっきり認識しているということだった。

その告白により、ヒスが日常生活を営むには全く問題がないという結論に至った。

病院からは市内にある、個人の精神科の開業医を紹介された。そこは、自宅を開放し、患者がリラックスした気分で治療を受ける事ができるクリニックだった。

若い彼女の憂鬱を少しでも和らげるためにも、週に一度そこを訪ねることが良いというアドバイスに留まり、母親はヒスを通わせることにした。






ヒスは今、2階の自室の窓から外を眺めている。
確かに自分は先生と一緒の時を過ごした。

しかし、先生はあそこに横たわっていた。

きっと人に言っても信じてもらえないだろう。

今でも・・・というより、ソウルから春川に帰ってから・・・実は、毎日、先生の夢を見ている。夢というより現実に先生に会っていると言ったほうが正しかった。

しかし、これを親や医師に告げたら、きっと薬を飲まされて、先生とは永遠に引き離されてしまうだろう。

だから、本当のことは言えない・・・。

ヒスは密かに先生を愛していたし、先生の温もりもしっかり覚えているのだ。








毎夜、ヒスはあの病院の旧館にいる。
自分の入院していた部屋の隣室を訪ねる。そこには先生が入院していた。

先生は今日も窓辺に立っていた。


ヒ:先生!


YJが振り返り、ヒスを見る。
ヒスの顔は事故前のように少しも傷ついていない。
心だけのヒスは、美しいままだった。


Y:ヒス。今日も来てくれたんだね。今度はおまえがオレを訪ねる番になったね。
ヒ:うん。(寝ているYJの頭をやさしく撫でる)
Y:(自分の姿を見ながら)ここに寝ているのはまぎれもなく、オレなんだ。そして、オレは、心なんだ。心が体に戻らないとオレは死ぬらしい。
ヒ:・・いや。先生が死んじゃうなんて・・・。生きていてほしい・・・。

Y:・・・。

ヒ:これが現実の、先生の本当の姿なんだよね。
Y:うん。

ヒ:先生の心が私を助けに来てくれたんだよね・・・。
Y:・・・ヒス。オレの心は夕凪なんかじゃなかった。次の波を待っているんじゃなかった。もう終わろうとしてたんだ。

ヒ:先生・・・。

Y:でも、おまえがオレの心を揺さぶってくれた。起きろって。おまえがいたから、今でもこうしていられるんだ。
ヒ:先生をどうしても助けたい。どうしたらいいの? 先生には元気になってほしいもん。
Y:どうやって戻ったらいいのか、わからないんだ。ここの掃除のおばさんが、心を戻す方法を知っている人を捜せって言うんだ。

ヒ:・・・。

Y:この病院内を彷徨っている魂を捜せって。



ヒスは少し背筋がゾクッとした。
YJ自体も自分も同じ魂なわけだが、ちっとも怖くない。
が、しかし、他の魂に出会うのは、怖い気がする。


ヒ:・・・捜さなくちゃだめなのね?

Y:ああ・・・でも、昼も捜したんだけど、見つからないんだ。会えないんだ。掃除のおばさんが言うには、彷徨ってる魂同士はお互いの存在を見ることができないらしいんだ。それなのに、捜せって・・・。(ヒスを見る)

ヒ:・・・。(YJをじっと見る)



二人の間に直感が走った。ヒスは少し武者震いした。



Y:でも、ヒスを巻き込む事は出来ないよ。(心に不安が広がる)
ヒ:でも、そうしないと、先生が死んじゃうんでしょ?それはいや。・・・先生、いつも私のそばにいて・・・いつも手を握っていて。そうすれば、きっと勇気が湧くはず・・。きっとできる。





YJとヒスは、シ~ンと静まり返った旧館の中を歩く。
ヒスはYJの手をしっかり握り締めている。

ときどき、何か蠢くものが見える。
それは黒い影だったり灰色だったりするが、広がったり小さくなったり、まるで息をしているようだ。
しかし、それを目を凝らして見ることができない。

ヒスはYJの肩越しに恐る恐る見つめる。


Y:どうした? 何かいるのか?
ヒ:うん・・・でもきっと、もう人じゃない・・・ただの影が揺らめいているだけ。でも、声が・・・「う~う~」とか「あ~」とか言って・・・怖い。



YJがヒスの肩をぐっと引き寄せる。

そして二人は毎夜、病院の旧館の中を捜し回った・・・。








【第5章 そこにあるもの】


ある夜、2階のナースステーションの所まで来ると、一人の痩せた男がタバコをふかしていた。

ヒスたちはいったん通り過ぎたが、ヒスは頭を捻った。

こんな夜更けに、ナースステーションのカウンターでタバコを吸う・・・。

変だ。

あの人は人間じゃない、きっと。



ヒ:今のタバコ吸ってる人、見えた?
Y:・・? 居た? そんな人。

ヒ:やっぱり・・。先生、戻ろう。今、居たのよ、ナースステーションのカウンターの所に一人、痩せた男の人が。


ヒスが振り返ると、確かにいる。
しかし・・。
ヒスがぎゅっとYJの手を握り締める。
ヒスの手から汗が滲む。YJも呼吸が苦しくなる。


Y:どうした?(ヒスの顔を見る)

ヒ:(男を見ながら)頭が・・・頭が半分、ない・・・。
Y:・・! やめよう!(ヒスの手を引っ張って行こうとする)

ヒ:ううん・・・。声をかけてみるわ。(男を見つめている)




二人は今来たところを戻る。

煌々とライトが照らす中、男はおいしそうにタバコを吸っている。


ヒ:す、すみません。(息が途切れ途切れになる)ち、ちょっと話がしたいんですが。


YJは姿が見えぬ相手に話しかけるヒスの顔を心配そうに見つめた。


男:・・・。

ヒ:すみません。あのお・・・。
男:なんだい? あんた。(じろっと見る)


男の声は壊れた機械のような妙な声だ。
いろいろな音が混ざっているような、それも少し甲高い。


ヒ:私が見えるんですね?

男:まあな。(タバコを吸っている)

ヒ:ここに長いんですか?
男:ちょっと。あ、あんたこそ何もんだい? こ、ここのナースに気づかれないかい?(関わりたくない)
ヒ:たぶん、ナースさんたちには、私は見えないと思います。
男:そうかい。

ヒ:あの・・・私・・・体から心が離れてしまった人の心を戻す方法を探しているんですけど・・・。
男:ハハハ・・・。それはムリだな。オレもできなかった・・・といっても、オレの場合は(後ろを振り向く。欠けた後頭部を見せるので、ヒスはYJの腕をぎゅうっと掴み、目を閉じる)これだから、最初っからムリだったんだけどね。脳無しだから。ハハハ・・・。

ヒ:(YJの腕をもっと強く握り締めながら)で、でも、できた人もいるんでしょう?



YJがヒスの肩に手を回し、ぎゅっと抱き締める。


男:そりゃ、いたさ。しかし、そういうやつはもう元気に退院して、人間やってるからさ、ここにはいない。
ヒ:・・確かに。でもなんか手立てがあるはずです。
男:(ムッとした顔をして)さあ?(外人のようなジェスチャーをする)
ヒ:どうも・・。他を当たってみます。(お辞儀をする)



ヒスが諦めて、今来た道を戻ろうとすると、男がヒスを呼び止めた。


男:おい。あんた。あんた、いくつだ?
ヒ:もうすぐ22です・・・。

男:ふ~ん。そうか・・若いんだな。・・・う~ん、一人、知ってるおっさんがいるんだ。ここのボイラー室にね。たぶん、今もいると思うけど・・。

ヒ:ボイラー室にですか? どんな人ですか?

男:元医者らしいけどさ。オレたちが見えすぎて頭がおかしくなって、医者からボイラーマンになっちゃったおっさん。変わりもんさ。ここで、彷徨ってんのが話し相手ほしさにみ~んな、そのおっさんのとこへ行っちゃうのよ。おっさんも、それも人助けだって言って、ボイラーマンやってんのよ。

ヒ:じゃあ、その人は彷徨ってる人が全部見えるんですね? 話ができるのね?
男:ああ。あんたみたいに若い子が彷徨う魂を捜してるのは、ちょっとかわいそうだからな。行ってごらん。たぶん、寝泊りもしてると思うよ。

ヒ:ありがとうございます! 行ってみます。ありがとう!
男:じゃあな。



男はまた次のタバコに火をつけて、にこやかに手を振った。
ヒスも笑顔で男に手を振った。




ヒスは階段のほうにYJを引っ張って行った。


ヒ:見つけたわ。いたわ。ボイラー室に元医者で先生みたいな人が見える人がいるんだって。その人を訪ねるといいって。行ってみよう。ね。
Y:そうか。・・・恐い人だったのか? 今のやつ。
ヒ:ううん。ただ、頭の後ろのほうが無くて、怖かった・・・。


YJがヒスをぎゅっと抱き締める。


ヒ:この階段を降りると、ボイラー室があるほうよ。地下まで下りましょう。





二人は階段を下り始めるが、YJが右足を押さえる。

ヒ:どうしたの? 大丈夫? 痛い?
Y:うん。どうも骨折したらしくて、治ってきているみたいだけど、歩いてないからな。治りが悪いみたいなんだ。時々痛いんだ。
ヒ:そう・・・ゆっくり行こう。先生、頑張って。
Y:ああ。(微笑む)


YJの足を気遣いながら、ボイラー室に近い階段を二人はゆっくりと下りて行くが、一階に近い踊り場で、ヒスが下を覗く。


Y:どうした? 何かいるのか?

ヒ:うううん。でも、ここの一階って、薄気味悪い。なんか、靄がかかってるみたいに白くて、ヒンヤリした感じがする。一階の床が見えないの・・・。
Y:おい。(ヒスの手を引く)




恐る恐る階段を下りたヒスが、「キャ!」と言って階段の途中で尻もちをついた。
YJが驚いてヒスを後ろから抱き起こす。


Y:大丈夫か。何か見えるのか?
ヒ:見えるというか、何かが蠢いてる。白っぽいものがいっぱい・・・人が透けているようで人じゃないみたいで・・それがいっぱい。ニオイも、すごい・・(咳をする)・・すえたような、カビたような、息が・・・息ができない。(咳き込む)

Y:引き返そう。なんかやばいかもしれないぞ。(心配そうにヒスを見て、上へ引っ張り上げる)
ヒ:でも、先生。その人に会わないと。

Y:もういいよ、オレ一人で昼に来てみるから。オレには他の霊気がわからないし、その人にオレが見えるなら大丈夫さ。
ヒ:でも・・・。早くした方がいいでしょ。先生の命が・・・。



ヒスがYJのほうを向いて話している最中に、いきなり足をぎゅっと掴まれる。

ヒスが驚いて足元を見る。
透けた手がヒスの足首を掴んでいる。

「きゃあ~」ヒスが悲鳴を上げた。

YJが驚くと同時にヒスの足が引っ張られてヒスが前に倒れ掛かる。
慌てて、ヒスはYJに掴まった。


ヒ:先生、先生!


YJが必死にヒスを抱きかかえるように引っ張るが、強い力でヒスがどんどん引っ張られていく。
よく見ると、ヒスの下半身が見えない。


Y:ヒス! ヒス!
ヒ:(悲鳴を上げながら)ああ、助けて。苦しい、苦しい。息が、息ができない・・・。


二人はパニック状態になった。
いくら引っ張ってもどんどんヒスの体が下に引きこまれ、消えていく。
もう胸のあたりまで体が消えかかっている。




その時、ヒスの腰をぐっと強く掴んだ手があった。
ヒスは驚いたが、その手がヒスを引き上げ、その手の持ち主が後ろから声をかける。


男:静かにしろ。やつらに気づかれる。これ以上集まると危険だ。さあ、早く階段を登るんだ! 早く!


YJもヒスもよくわからないが、その声に反応して必死で階段を上がる。

ヒスの耳には、「うあ~」とか「あ~」といった声にもならない野獣のような、音のような声が追ってくるのが聞こえる。
二人はとにかく夢中で階段を上がり、4階まで来ると、後ろの男が、


男:屋上へ行く階段の方へ行こう。まずは屋上に上がるぞ。


と声をかける。YJとヒスは怖くて後ろを振り向けないが、二人が見えているということは、きっと後ろの男が「その人」であろうと、信じて言葉に従う。
重い屋上の扉を押し開けて、屋上へ逃げ込んだ。



YJもヒスも足が棒になって疲れ切り、二人は前かがみになって、大きく息を吐き、呼吸を整えた。そして、二人が見上げると、そこには作業着を着た大柄の太った60がらみの男が立っていた。


Y:あなたがボイラー室の先生なんですか?(息を吐きながら言う)
男:ああ。

ヒ:あなたにも、ヤンジュ先生が見えるんですね!(喜ぶ)
男:ああ、そうだ。さあ、フェンスのほうへ行こう。あっちで話を聞こうか。





3人は一番端のフェンスの近くに座りこんだ。


男:危ないところだったぞ。やつらには、生霊はいいメシになるからな。
Y:生霊?(それはいったい?)
男:お嬢ちゃん、あんたのことだよ。(ヒスを見る)
ヒ:メシってなんですか?
男:やつらは長くここにいる。もう行くところがないのさ。中にはもう人の形も留めないものもいて、そういうやつらには、あんたのような息のいい生霊は、いいメシになるんだ。それを食うと、あいつらが少し長らえるってわけさ。


ヒスとYJは顔を見合わせて、ぞっとする。



ヒ:2階のナースステーションにいた後頭部のない男の人があなたに会えっていったんです。
男:あいつか・・・。いいやつだが、お調子もんさ。半分は本気であんたたちの為に、半分は運任せで面白がって。それでそう言ったんだろうよ。



YJとヒスはぞうっとして、また顔を見合わせる。



Y:失礼ですが、あなたは元お医者さんなんですか?

男:ああ。しかし、手術中でもなんでもやつらがやって来るから、仕事にはならないし、どこへ行っても付いてくるから、医者を続けられなくなった。結局、これも人助けというわけでボイラー室に住み着くことになったんだ・・・。医者になる前はこんなことはなかった。ここはそういうところだし・・・これが運命かもしれないな。

Y:(大きくうなずいて)先生は、僕みたいに体から心が離れてしまった人間を元に戻す方法を知ってらっしゃるんですか?



YJとヒスが真剣な眼差しで男を見つめた。


男:う~ん。まずはあんたを診察してみないとな。


YJとヒスが見つめあう。


男:・・・つまり、オレが今まで診てきた臨床結果に基づいて分析していくわけだが・・・それによっては・・・。ちょっと胸を見せてみろ。


YJがシャツの胸を開けて男に見せる。男が心臓に手をやる。

男:う~ん。後ろ。


YJが背中を見せる。


男:う~ん。あと3日ってとこだな。早く出会えてよかった。このままいったら、終わっていたところだ。


YJとヒスが顔を見合わせる。



ヒ:先生、ヤンジュ先生は助かる? 助けてあげて。お願い。


男はヒスを見る。


男:うむ。その為に、あんたは生霊になってここへ来てるわけだね。ずいぶん、遠くから来ているんだな。どこからだ?
ヒ:春川。

男:前にもこうして出歩いたことがあるのかい?
ヒ:いいえ、これが初めてなんです、こういうの。ヤンジュ先生に出会ってから、知らないうちにこうなっちゃったんです。

男:そうか・・・。あんたの念の強さには驚くよ。生まれながらのものと・・・恋だな?(ヒスを見つめる)
ヒ:(しっかりとした顔つきで)・・・はい・・・。


YJがやさしい顔をしてヒスを見る。ヒスもしっかりYJを見る。


男:よし、わかった。頑張ってあんたを体に返してみよう。ただし、二人に言わなければならないことがある。
Y:なんですか?
男:今度、人として目が覚めた時には、あんたはこのことを覚えていない。心が離れていた時の記憶が無くなるんだ・・・つまり、このかわいいお嬢ちゃんと一緒に、こうして過ごしたことも忘れてしまうんだ。いいね?


YJが愛しそうにヒスを見た。


男:そして、お嬢ちゃん、あんたには生々しく記憶が残る。あんたはこの人を助ける為に、自分の意志でここへ来ているんだからね。それでもいいね?


ヒスの胸に込み上げてくるものがあったが、愛しているYJの命のほうが大切である。


ヒ:いいです。先生を助けてください!
Y:ヒス・・・。(切なそうに見つめる)
ヒ:(YJを見つめる)いいのよ、先生。先生が死んでしまったら、全てが終わっちゃう・・・。もし、もう会えなくても生きててほしい・・・。(涙がこぼれるが) 絶対、生きてて欲しいの!
Y:ヒス・・。(辛くなる)

男:そうだ。生きていればどうにかなるさ・・・。もう日が昇りそうだな。明日の晩、決行しよう。お嬢ちゃんも明日の晩、この人の病室へいらっしゃい。そこで落ちあう。いいね。わかったね。
Y・ヒ:はい。(お互い、しっかり見つめあう)




明日の晩、決行となった。





朝、目覚めたヒスは全身が重く起き上がることができなかった。
昨晩はたくさんの霊に出会ってしまったせいか、疲れ方が尋常ではない。

母親がなかなか起きてこないヒスを心配して、娘の部屋を覗いて驚く。


母:ヒス! どうしたの? あなた、大丈夫? 顔が真っ青よ。病院へ行きましょう。これではだめだわ。
ヒ:ママ、大丈夫よ。昨日寝付けなかっただけよ。もう少し寝させて。ゆっくりしていれば治るから。
母:今、薬を持ってくるわ。


薬・・・だめよ。
そんなものは飲まないわ。

今日はとても大切な日。

もし、今夜、先生に会いに行けなかったら、私は一生、先生と会うことが出来ないかもしれない。

先生との別れの日。

・・・でもいい。

心に誓うわ。

先生を救うこと。

それだけを考えるって。

先生が元気だった頃、私たちは知り合いだった。
今みたいに近い関係じゃなかったけど、助け合うやさしさもなかったけど・・・。
それでも、また会えば、きっと何か感じるはずよ。

でも、その前に先生が結婚してしまったら・・・。

私の初恋が終わるだけね・・・。

でも。
でも・・・。



母親が部屋に入ってきた。目を真っ赤にしている娘の様子に動揺した。


母:やっぱり、お医者さんを呼ぶわ、ヒス。私のかわいいヒス。


母親がヒスを抱き締める。
ベッドから出たヒスの足を見る。
両足首にまるく円を描くようにあざができている。
その上もその上もその上も・・・。


母:どうしたの、このあざ? ヒス、何をしたの? あなた。本当に大丈夫なの?


母親が目を見張って娘を見た。
やつれた顔。
泣き腫らした目。

そして、足のあざ。

わが子の変わり果てた姿。これは尋常ではない。

ヒスにも母の気持ちはよくわかるが、決戦の前だ。
催眠療法も薬も受け入れることはできない。


ヒ:ママ。今日はゆっくり眠らせて。女優の頃の夢を見ただけよ。大丈夫。お医者さんはいらないから。ぜんぜん大丈夫だから。ね。(気分を変えて明るく)それよりおいしいものを食べさせて。体力をつけたいの。元気になりたいの。



母親はやさしくヒスの髪を撫で、部屋を出て行った。




午後3時、母親が呼んだ医師の手によって、ヒスは深い眠りの中に落ちていった・・・。










4【後編】に続く・・・。


本当の心の葛藤・・・それはここから始まります・・・。

ではお楽しみに。




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