2010-09-26 01:41:42.0
テーマ:【創】キコはん カテゴリ:韓国俳優(ペ・ヨンジュン)

【BYJシアター】キコ5「246で会いましょう」






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Page「ネガ アヌン クデン」(私が知ってるあなたは・・)
これはキコはんのテーマで5年やってます^^;





こんばんは^^

BYJシアターです^^
キコはんシリーズ第5弾です!


公式やサークルにアップしていたこの作品。
こちらでも読んでくださる方々がいらっしゃるので、
少しずつ現在に近づくべく、アップしていきます^^



2005年11月の作品で・・・
ペ・ヨンジュンは極秘滞在で東京にいました・・^^v

その時のお話です^^




~~~~~~~~~~~~~






キコはん⑤「246で会いましょう」








ヨンジュンさんも読んでや。





これより本編。










ホンマに、なんで東京までお得意さんに挨拶に来なあかんの。
全く不景気や。

女将さんが今年の年末年始のお客さんを増やそう言うて、うちらに挨拶回りをさせてるのや。
なんと言ったかて、うちは口がうまいやろ、それ見越してこの役がうちに回ってきたのや。
一番遠~くて、おっきい所、回れて・・・。

はあ~。

この前、姪っこの結婚式にこっちへ来たばっかりやいうのに・・・。また旅や。
ホンマに疲れたわ・・・。

でも、この会社で終わりや。
昨日・今日で12軒回った・・・ああ、しんど。でもあと一息や。
さあ、行くか。


青山の高級ブティックの並ぶ10階建てのビルにキコが入っていく。






ふう~。
どこも不景気やな・・・というか、最近は社内旅行でわざわざ遠くの温泉まで行くなんて、面倒なことはせえへんのかも知れへんな。
そんなおっさんが考えるようなことは、今の若い人はせえへんのや。


ま、とにかく、終わった!





でも、こんビル、いろんなもんが入ってるのやなあ。

へえ、海外ブランドかいな。
ええなあ。


これ、なんて読むのや。わからへんなあ・・・。


でも、キレイな指輪や。あ、これもキレイや。
ゼロがひ~ふ~み~よ~いつ、むむう・・・。買えへん! まあ、当たり前やけどな!


ちょっと、覗いてみようかな・・・。
まだまだ新幹線まで時間があるしな。


入ってみよか・・・。
旅の恥は掻き捨てや。




キコが高級ブランドのジュエリー店に入っていく。





「いらっしゃいませ」
「はあ・・・」(ちょっと居心地が悪い)

でも、今日のキコは挨拶回り用にスーツ姿にコートを着ていて、ハスッパな感じはない。




ショーケースを覗いてみると、そんなにベラボウに高いものだらけでもない。

まあ、すべて買えないわけではないな。
ふ~ん・・・。



「ああ、いいですね・・・。これも。う~ん」



えっ?
どっかで聞いた声や・・・。
うちはこの声は忘れないで。
はあ・・・? ええ・・・?




ショーケースから顔を上げる。

奥の方に応接セットがあって、他の客からは姿が見えないようになっているが、ドアの上が吹きぬけになっていて、声がホワ~ンと流れてくる。



やっぱ、そうやないの?
あんな声の人、そうそうおへん・・・。



キコがどんどん近づいていく。


ドアの付近で耳をすます・・・。




「ハハハ、う~ん、そうだな・・・」



やっぱり、そうや。
あの笑い声!



キコがどんどん中へ入っていき、ソファに座って、ジュエリーを見ている男の隣に座る。



「うちはスリーダイヤモンドがええな」


男が驚いてキコを見る。まん丸お目目でじっと見つめる。



「ちょっとお客様!」

店員がキコを見て、慌てる。


「知り合いどす」(にこやかに言って、男を横目で見る)
「でも、あのう・・」
「いいんです・・・本当に僕の知り合いなんです・・・・」(キコを見つめながら言う)


そして、まだ驚いたように、キコの顔をず~と見ている。


「どうしはった? 本物や」
「キコはん・・・。どうしたの?」(息が漏れるような声で言う)
「うん、ちょっとな。(微笑む)仕事でこのビルの10階まで来たのや。ほんでな、なあんか、この店覗いてみたくなってな・・・。きっとあんたに呼ばれたんやね」
「そう・・・」(お目目がまん丸のまま)
「買い物しててええよ。うちは行くさかい」(立とうとする)
「ちょっと待って。今、終わるから・・・」
「・・・うん・・・」
「すみません。ではこちらを」
「包装はクリスマスプレゼントでよろしいですか?」
「あ、はい」
「では包んで参ります。少々お待ちください」




「ふ~ん。ええ買い物したな」
「うん・・・」
「元気やった? といっても、この前、会ったばかりやけど」
「そうだね。でも、驚いたよ・・・」
「こっちもや!」

二人で顔を見合って笑う。

「そうだよね。(笑う)外へ出たら少し歩く?」
「ええけど・・・大丈夫か」(心配そうな顔をする)
「うん。IMXまで行くから、渋谷まで一緒に歩く?」
「ええよ。もう仕事は無事に終わったし。帰りの新幹線まではまだまだ時間があるのや」
「そう・・・」



「お待ちどうさまでした」
「ありがとう」

キレイな小さな手提げを受け取る。







ヨンジュンとキコが青山の店を出て、246を渋谷へ向かって歩く。



「こんなところで会うなんて、よっぽどキコはんとは気が合うんだな」
「ふん、(笑う) そうかな?」


「ねえ、なんか、ずいぶんキレイになったよね?」(顔を覗く)
「え~え、そうか?」(ちょっとうれしい)
「うん。さっき、ちょっと驚いたよ」
「ありがとう。ちょっとな、化粧品変えたのや」
「そうか・・・。キレイだよ」
「うん・・・」(恋する女はキレイになるのや・・・あんたのせいや・・・)



青山から渋谷へ246をまっすぐに二人は歩いている。
銀杏並木が黄葉していてキレイだ。



「この通りっていいよねえ。なんか好きなんだ」
「そうか。うちはあんたよりこの辺のこと、知らんからな。でも、今はキレイな季節や」
「そうだね」
「今日はこれからデート?」
「えっ? あ、これ・・・。ちょっとね。(笑う)でも今日は、これから事務所で打ち合わせなんだ」
「そうか・・・。でも、すっかりこの通りに馴染んでるな」
「そうお?」
「うん。うちはよそもんみたいやけどな。寅ちゃんはバッチリや」
「そうかな・・・」
「なんか、ちゃんと東京弁で話さへんと、ここて居心地が悪い」
「そうなの? 僕は外人だから、その辺の違いがよくわからないけど・・・」
「日本が好きか?」
「うん。暮らしやすいよね」
「そうか、よかった・・・。もう流鏑馬は身についたんか?」
「うん・・・今はね、また、剣道と合気道をやってるのや!」(自慢げに言う)
「今度は剣道と合気道か。あ、でもあんた、それ、もともと得意なのやろ?」
「そうだけど、ここのところ、やってなかったから・・・」
「また、ええせんせにつけたんや・・・」
「うん・・・」






「あ、紀伊国屋や」


ヨンジュンがキコと一緒にスーパーマーケットを見る。


「あんた、知ってる? ここのレタスて、すごくよく調教されてて、長持ちするのや」
「え?」(笑う)
「ふん。(笑う)村上春樹や。今、韓国でも流行ってるのやろ?」
「よく知ってるね。そんなこと、書いてるの?」
「昔の本にな。「ダンス・ダンス・ダンス」ていうやつや」
「へえ、おもしろいね。・・・ここのレタスなんだ・・・」



ヨンジュンがスーパーマーケットを見上げる。
キコが笑ってヨンジュンを見た。





「ねえ、少し寒くなったね。コーヒーでも飲む?」
「そんな時間あるの?」
「飲みながら、歩こうよ。ここで、買おう」


花の館の近くのコーヒーショップに入る。


「カフェラテ、トールで2つ」



「ありがとう。すっかり、東京の人やね」
「そうお?」(うれしそうに笑う)


「あったまるわ」
「うん・・・」


二人はカフェラテを手に歩いていく。





「あ、ここが国連大学か。りっぱやな・・・。そや、前の青山学院て大学、クリスマスはツリーの飾りつけするて聞いたえ。まだかな・・・。まだ早いかな・・・」
「そうなんだ・・・。そのころまでいると、クリスマスツリーが見られるんだ」
「うん・・・」



二人はカフェラテを飲みながら、ブラブラと歩いている。






「なあ、日本はいろいろ回った?」
「うん、結構ね・・・」(コーヒーを飲む)
「ほな、クイズ出すえ」
「え、難しいのはやだよ」
「う~ん、日本の地理。さて、明石市は東経何度にあるでしょうか?」
「できないよ」(困る)
「フフフフ・・・。そやな・・・。じゃあね・・・ええと・・・ご当地うまいもの比べ」
「何?」(笑う)
「食べておいしかったものを言うのや。なんでもええ。あんたがおいしかったもん」
「いいよ」
「じゃあね・・・。北海道」
「ラーメン」
「他には?」
「ホタテと・・・蟹!」
「ええよ、その調子!・・・う~ん、仙台!」
「岩がきっていうのがあったような・・・去年だから、ちょっと忘れた」
「そう、うちもよう知らんのや。じゃあ、空港で降り立った福島!」
「焼肉!」
「えっ?」
「それが一番おいしかったよ」
「そうか・・・。東京はいろいろやな。う~ん・・・。あ、京都は?」
「いっぱいあり過ぎるな」
「でも言って」
「栗ご飯、マツタケ、う~ん、どれもおいしかったな。あと、あれ、何て言ったっけ? ニッキの香りのするお菓子、あれ、好きだな」
「生八橋か?」
「あ、そう。あれ、好き」
「へえ」
「あ、湯豆腐と・・・丹波の黒豆の枝豆?あれもおいしかった」
「あんた、贅沢してるなあ・・・うらやましい」
「ごめんね」
「ええよ・・・う~ん、神戸」
「明石焼きとステーキがおいしかった」
「大阪!」
「車で移動中にたこ焼き食べた。街が混んでるから、やめたほうがいいって降りなかったんだ」
「じゃあ、飛んで・・・沖縄」
「泡盛。豚足も、韓国を思い出してよかった・・・あ、九州も豚の角煮や焼酎がよかったよ」
「じゃあ、京都から戻って・・・名古屋」
「水炊き?」
「うん、おいしいな。きしめんは?」
「食べたよ」
「味噌カツは?」
「濃い味がだめなんだ」
「そうか・・・。じゃあ、海辺・・・。伊豆!」
「伊勢えび!」
「う~ん、あと海辺。北陸!」
「あそこもおいしいものが多いよね、海の幸が」



「あんた、うちより日本中食べ歩きしてる。ええなあ。うらやましいわあ」(ちょっと口を尖らす)
「そうお?」(やさしく微笑む)








キコはふと不思議な気分になる。



こうやって、コーヒーを片手にゆったりと、楽しげにとても親しげに二人は話している。
今まで遠いはずの人だった人を、急に友達のように身近に感じている。


「どうしたの?」(ヨンジュンがキコの顔を覗く)
「うん。今、思うたのや・・・。あんたは、本当はとっても遠い人やのに、今はまるで友達のように近くに感じてる」
「でも、そうでしょう?」
「でも、これって、限定つきやろ? あんたの交遊録には存在しない・・・そう・・・限定品や」
「限定品・・・?」
「うん。この秋冬、限定のお友達、限定の友情や・・・な」
「ふ~ん、よくわからないなあ」
「だって、ほんもんの友達なら、ずっと連絡しあって付き合っていくやろ? でも、うちらは、出会えばこうやって一緒に歩いたり笑ったりするけど、普段は全く関係ない人間や」
「そうお?」



「ねえ、寅ちゃん。これをきっと「一期一会」というのやないか。そう思わへん?」
「う~ん、出会ったことを大切にして、会ってる時にお互いをちゃんと思い合って、気遣って付き合う・・・」
「そうや・・・その先はないのや・・・。普通はあるで。でも、うちらは、なんかチャンスがなければ、もう会わへん。そやろ? 生活の基盤が全く違う次元で生きてるからな」
「うん・・・。ちょっと寂しいな、そういう話って」
「なあ、「一期一会」て、茶の湯では全ての客を一生に一度しか出会いのないものとして、悔いのないようにもてなせということやろ。長い長い友情もあるかもしれへんけど、もっと壮絶にその時に尽くす。うちらみたいに、明日がない関係なら、なおさら出会えたそん時は、お互いを思いやって過ごせということやろ?」
「深いな・・・」
「今、こうやって歩いて、あと10分したら、もう終わりや。でも、ここで、楽しく話した思い出が残る。お互い、大切な時間と思える時間を残せるようにしたいな」
「・・・いい話だね・・・」
「あんたが考える家族との関係もそうやろ?」
「でもね、心をずっとつなげていきたいんだ」
「・・・そうやね・・・」



道はもう青山を過ぎ、渋谷へ入ってきている。




「うちはちゃんと、あんたをもてなしてあげたやろか?」
「キコはんはいつも、僕を楽しくしてくれるよ。暖かい気持ちにしてくれる」
「そうか? じゃあ、おアイコやな」
「僕はちゃんとしてた?」
「いつもしてはるよ。あ、そうや。鎌倉の宿代、コマオヨ。ホンマに何気なくうちをあの旅館へ誘ってくれたやろ。助かったわ。すごくやさしい気遣いや・・・」
「そうお? でも、あの時は僕もキコはんと一緒にいたかったから、いいんだよ」
「ラッキー!」(笑う)





「どうした?」
「いや・・・」(ちょっと涙ぐむ)
「あほやな・・・・」
「うん・・・」(涙が滲む)



思わず、寅次郎がキコを抱きしめる。


「大丈夫か? あんたはいつもやさしいなあ」



キコがバッグから、お出かけ用のスワトーのハンカチを出して渡す。


「泣いたらあかん。そんなん、簡単に泣いたらあかんよお・・・うん?」(ちょっと背伸びして髪を撫でる)




「きっと、長く付き合っていく友達が線の関係やったら、こうやって点でつながっていく人との係わりは、楽しくても、心が触れ合っても、すぐに別れがくるから、辛いのやろ・・・・だから「一期一会」が大切なのやね?」
「そうだよ・・・」(目を赤くしてキコを見つめる)


「人に興味のない人にとってはただの行きずりでも、あんたみたいな人には一人一人が重いのやろ? あんたとうちの関係も、明日、失敗を挽回することはでけへんのや・・・。今、うちがあんたに辛くしたら、あんたの記憶の中で、辛さしか残らへん・・・」
「そやな・・・。キコはんはいつも僕に言葉を残してくれるね」
「うちにとっても、あんたはとっても大切な人やから・・・。だから、うちの気持ちをあんたに残すのや」(ちょっと泣きそうになるが堪える)
「うん・・・」(ヨンジュンが赤い目をしながらも微笑んだ)






「なあ、大丈夫か? そんな目えして。デートやったらまずいで。困ったな、少し腫れたか?」
「打ち合わせだよ」
「そんでも、孫はんが驚きはるえ」
「一緒に行く? うちが泣かせましたって言ってくれる?」
「うううん、いやや。そんなん、男を泣かす不届き者て思われるわ」(笑う)
「そうだね・・・キコはんは要注意人物だから」(顔を覗き込む)
「やっぱり、そうお? そんな気がしたのや。あん人の目がそう言ってたもん」
「うそだよ。大丈夫だよ」




「でも、お仕事やろ。うちはこれで帰る。東京の街、少しブラブラして、また自分の居場所へ戻るわ」
「・・・」



ヨンジュンがちょっとキコの手を引っ張って、ブラブラと揺らした。



「子供やな!」(キコが笑う)
「ホント!」(笑う)



「あ、これ・・・」
「そのハンカチ、あげる」
「(ハンカチを見て微笑む)うん・・・」








「寅次郎はん、さいなら」(強い口調で言う)
「キコはん、さいなら」(思いを込めて言う)



渋谷の駅前の歩道橋の上、別れの時間だ。


「あんさんのこと、忘れへんで。もちろん、いつも応援してるえ」
「また会おう。どこかでまた会おう」
「そやね・・・See you againや!」(笑う)
「うん・・・See you soonだよ。キコはん!」(笑う)





「ほな、バイバイ!」(小さく手を振る)

キコは振り返らず、どんどん駅へ向かって歩いていく。




そして、ヨンジュンもIMXへ足早に歩いていく。








そうや、ヨンジュンはん、きっとまた、どこかで会おう。



チャンスがなかったら、うちが作りに行く。

必ずな・・・。





待っててや! ヨンジュンはん!









では、また6話で・・・^^

これを書いてから・・・しばらくして、
ヨンジュンが村上春樹を読破したという記事を読んで^^
ちょっと笑ってしまいました^^v















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